JP6042320B2 - 電極材料とその利用 - Google Patents

電極材料とその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP6042320B2
JP6042320B2 JP2013266975A JP2013266975A JP6042320B2 JP 6042320 B2 JP6042320 B2 JP 6042320B2 JP 2013266975 A JP2013266975 A JP 2013266975A JP 2013266975 A JP2013266975 A JP 2013266975A JP 6042320 B2 JP6042320 B2 JP 6042320B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electrode material
sofc
air electrode
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013266975A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015122286A (ja
Inventor
広幸 岩井
広幸 岩井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP2013266975A priority Critical patent/JP6042320B2/ja
Publication of JP2015122286A publication Critical patent/JP2015122286A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6042320B2 publication Critical patent/JP6042320B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

本発明は、電極材料とその利用に関する。詳しくは、固体酸化物形燃料電池の空気極に好適に用いることができる電極材料と、これを用いて形成される空気極および固体酸化物形燃料電池等に関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell,以下、単に「SOFC」という場合がある。)は、種々のタイプの燃料電池の中でも、発電効率が高い、環境への負荷が低い、そして、多様な燃料の使用が可能であるなどの利点を有している。SOFCの単セルは、本質的な構成として、酸素イオン伝導体からなる緻密な層状の固体電解質を基本とし、この固体電解質の一方の面に多孔質構造の空気極(カソード)が形成され、他方の面に多孔質構造の燃料極(アノード)が形成されている。
ここで、空気極が形成された側の固体電解質の表面には、空気等に代表されるO(酸素)含有ガスが供給され、燃料極が形成された側の固体電解質の表面には、H(水素)に代表される可燃性燃料ガスが供給される。そして一般的な動作においては、空気中のOガスがカソードで電気化学的に還元されてO2−アニオンとなり、固体電解質を通過して、燃料極に到達する。そして、このO2−アニオンが燃料極においてHガス燃料を酸化するのに伴い、外部負荷に電子を放出し、電気エネルギーが発生される。
かかるSOFCにおいて、固体電解質材料としては、イオン伝導性、安定性および価格のバランスの良好なイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が広く用いられている。また、燃料極材料としては、酸化ニッケル(NiO)およびイットリア安定化ジルコニア(YSZ)の混合物が一般に用いられている。そして、空気極材料としては、一般的に、ランタンストロンチウムコバルタイト((LaSr)CoO;LSC),ランタンストロンチウムマンガナイト((LaSr)MnO;LSM)等のペロブスカイト型酸化物や、ランタンストロンチウム鉄コバルタイト((LaSr)(CoFe)O;LSCF)等の酸素イオン−電子混合導電性材料が用いられている。なお、固体電解質材料と空気極材料との反応を防止する目的で、ガドリニウムドープセリア(GDC)等からなる反応防止層が固体電解質材料と空気極材料との間に設けられることもある。
特開2012−236749号公報 国際公開第2010/090266号公報
このようなSOFCは、従来は800℃〜1000℃程度の高温で作動されていたが、耐久性の向上、低コスト化の観点から、近年ではかかる作動温度をより低温化することが望まれている。例えば、SOFCの作動温度を600℃〜700℃程度にまで低減することが検討されている。
しかしながら、低温駆動型のSOFCの空気極を構成するのに主として用いられている酸素イオン−電子混合導電性材料からなる電極材料は、例えば、25℃〜1000℃の温度範囲における熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion:CTE,以下、単に「CTE」と記す場合がある。)が17×10−6/K程度と比較的大きく、固体電解質材料や反応防止層材料との熱膨張率の差が大きい。例えば、固体電解質材料であるYSZのCTEは10×10−6/K程度であり、反応防止層材料であるGDCのCTEは12×10−6/K程度である。そのため、SOFCの運転に伴うサーマルサイクルにより、空気極を構成する材料と、固体電解質材料または反応防止層材料との間で、界面剥離やクラックが発生する等の問題が生じていた。このことは、SOFCの長期的な耐久性に大きな問題となり得るために、解決するべき問題である。
本発明は上記の従来の問題を解決すべく創出されたものであり、その目的は、SOFCの空気極を構成するに適した電極材料を提供することである。また、本発明の他の目的は、かかる電極材料を用いてなる空気極と、さらにはかかる空気極を備えたSOFCとを提供することである。
上記の課題を解決するものとして、ここに開示される発明は、電極材料を提供する。かかる電極材料は、導電性ペロブスカイト型酸化物と、一般式:12AeO・7Alで表されるマイエナイト化合物と、を含むことを特徴としている。なお、ここで、式中のAeはCaおよびSrの少なくとも1種の元素である。
導電性ペロブスカイト型酸化物は、高温においても結晶構造が比較的安定で、かつ良好な電子導電性を示す。かかる導電性ペロブスカイト型酸化物は、一般的な固体電解質材料であるジルコニア系酸化物等や、反応防止層材料であるガドリニアドープセリア(GDC)等と比較して、CTEが近いものもあり得るが、CTEが大きい場合が多い。一方のマイエナイト化合物は、高温においても結晶構造が比較的安定であり、CTEは導電性ペロブスカイト型酸化物に比べて低い。したがって、これらの材料を組み合わせて用いることで、接合の対象となる固体電解質材料あるいは反応防止層材料と近いCTEを有する電極材料を実現することができる。
ここに開示される電極材料の好ましい一態様において、上記導電性ペロブスカイト型酸化物は、一般式:(Ln1−xAe )(Co1−y)O3−δ …(2)
で示されることを特徴としている。ここで、式中の、Lnはランタノイドから選択される1種または2種以上の元素であり、AeはCa,SrおよびBaからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、MはMn,Cr,Cu,Fe,NiおよびTiからなる群から選択される1種または2種以上の元素である。なお、上記Aeは、少なくともSrを含むのが好ましく、また、上記Mは、少なくともFeを含むことが好ましい。そして、xおよびyはそれぞれ、0≦x<1、0≦y<1を満たし、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。
かかる構成によると、上記導電性ペロブスカイト型酸化物は、優れた電子導電特性を示すものとなり得る。したがって、例えば、SOFCの構築により適した電極材料が提供される。
ここに開示される電極材料の好ましい一態様において、上記導電性ペロブスカイト型酸化物は、酸素イオン−電子混合導電性材料であることを特徴としている。
導電性ペロブスカイト型酸化物のうち、Bサイトを遷移金属元素が占めるものについては、高酸素分圧条件において比較的大きな酸素不定比性を示すため、電子と酸素イオンの両者による導電を示す酸素イオン−電子混合導電性材料であり得る。それと同時に、かかる酸素イオン−電子混合導電性材料は、固体電解質材料や反応防止層材料等と比較して、CTEが大幅に大きい場合が多い。したがって、これらの材料を組み合わせて用いることで、例えば、低温型SOFCの構築に適した電極材料が提供される。
ここに開示される電極材料の好ましい一態様において、上記導電性ペロブスカイト型酸化物と上記マイエナイト化合物との合計に占める上記マイエナイト化合物の割合が、60質量%以下であることを特徴としている。
かかる構成によると、例えば、かかる電極材料を用いて形成される電極の熱膨張係数、還元膨張率および耐サーマルサイクル特性等がバランス良く兼ね備えられた電極材料を簡便に調整することが可能とされる。
ここに開示される電極材料の好ましい一態様において、当該電極材料を焼成して得られる焼成物の25℃〜1000℃の温度範囲における熱膨張係数が、9×10−6/K以上15.5×10−6/K以下に調整されていることを特徴としている。
かかる構成によると、例えば、SOFCの空気極材料として好適な電極材料が提供される。特に、ジルコニア、YSZ、セリアおよびGDC等の、CTEが概ね10〜12×10−6/K程度の固体電解質材料や反応防止層材料との整合性を備える電極材料が提供される。
ここに開示される電極材料の好ましい一態様において、さらに、分散媒を含み、上記導電性ペロブスカイト型酸化物および上記マイエナイト化合物が分散媒に分散されていることを特徴としている。
かかる構成によると、当該電極材料を印刷や塗布するなどして目的の電極を形成することができ、取り扱いや成形性に優れた電極材料が提供される。
ここに開示される電極材料は、上記のとおり、高温においても結晶構造が安定しており、また、固体電解質材料や反応防止層材料とCTEの整合性が良いという利点を有する。したがって、かかる電極材料は、例えば、SOFCの空気極を構成する空気極材料として好適に用いることができる。あるいは、SOFCの空気極の集電部材を構成する空気極集電材料としても好適に用いることができる。かかる利点を生かし、他の側面において、ここに開示される発明は、上記の電極材料を用いて形成された空気極を備えるSOFCをも提供する。
アノード支持型SOFC(単セル)を備えたSOFCシステムの一形態を説明する断面模式図である。 スタック状のSOFC(単セル)を備えたSOFCシステムの一形態を模式的に示す分解斜視図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けないSOFCの一般的な構成や、製造プロセス、作動方法等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示される電極材料は、本質的に、導電性ペロブスカイト型酸化物と、マイエナイト化合物とを含むものとして特徴づけられる。すなわち、この導電性ペロブスカイト型酸化物に、マイエナイト化合物が混合されていることで、この電極材料のCTEが好適に調整されている。以下、かかる構成の電極材料について詳細に説明する。
[マイエナイト化合物]
ここに開示される電極材料において特徴的なマイエナイト化合物は、下記の一般式(1)で表される代表組成を有している。
一般式:12AeO・7Al …(1)
なお、ここで式中、AeはCaおよびSrの少なくとも1種の元素である。Aeは、上記の通りカルシウム(Ca)またはストロンチウム(Sr)であり得る。これらの元素はいずれか一方が単独で含まれていても良いし、両方が組み合わされて含まれていても良い。なかでも、Caが含まれている形態が好ましい。Aeとして2種以上の元素が含まれる場合には、さらに、Caがより高い含有率で含まれているのが好適である。
かかるマイエナイト化合物は、三次元的に連結された直径約0.4nmの空隙(ケージ)を有する特徴的な結晶構造を備えている。このケージを構成する骨格は、正電荷を帯びており、単位格子当たり12個のケージを形成している。そしてこのケージの1/6は、結晶の電気的中性条件を満たすため、内部が酸素イオンで占められている。ここで、ケージ内の酸素イオンは、骨格を構成する他の酸素イオンとは化学的に異なる特性を有しており、このため、ケージ内の酸素イオンは、特にフリー酸素イオンと呼ばれることがある。そして、このマイエナイト化合物は、通常は導電性を示さないが、例えば、特許文献1および2に開示されるように、フリー酸素イオンの一部または全部を電子と置換することで導電性が付与される。ここに開示される電極材料において、上記マイエナイト化合物は、導電性マイエナイト化合物または非導電性マイエナイト化合物であり得る。
かかるマイエナイト化合物の25℃〜1000℃の温度範囲における熱膨張係数(CTE)は、約5×10−6/Kであり得る。かかるマイエナイトを後述の導電性ペロブスカイト型酸化物に加えることで、電極材料のCTEを所望の値に好適に調整することができる。なお、かかる電極材料をSOFCの空気極を構成するのに用いることで、マイエナイトのフリー酸素イオンが電極反応に寄与したり、電極反応中に酸素を吸着する機能を発現することが期待され、SOFCの発電性能を向上させることが可能となり得る。
[導電性ペロブスカイト型酸化物]
ここに開示される電極材料は、代表的にはABOで示されるペロブスカイト型の結晶構造を有する導電性酸化物を含んでいる。なお、この「導電性」とは、例えば、500℃以上の高温において比較的安定かつ良好な電子導電性を示すことを意味している。ここで、上記のAおよびBは金属元素であり、典型的には、Aは1価のアルカリ金属、2価のアルカリ土類金属、3価の軽希土類元素等であり得る。また、Bは3価以上のイオンになり得る遷移金属、典型金属および希土類元素等であり得る。そして、ここに開示される電極材料としてのより好ましい一形態において、かかる導電性ペロブスカイト型酸化物は、下記の一般式で示される組成を有するものであり得る。すなわち、かかる導電性ペロブスカイト型酸化物は、より限定的には、下記の一般式(2)で示されるペロブスカイト型複合酸化物であるのが好ましい。
(Ln1−xAe )(Co1−y)O3−δ …(2)
かかるペロブスカイト型酸化物は、AサイトのLn(ランタノイド)元素の一部がAeで、BサイトのCoの一部がM元素で置換された構成と理解することができる。
ここで、式中、Lnは原子番号57〜71のランタノイド元素である。かかるLnとしては、ランタン(Ln)からルテチウム(Lu)までの15種の元素を考慮することができる。Lnは、これら15種類のランタノイド元素からいずれか1種が単独で含まれていても良いし、2種以上が組み合わされて含まれていても良い。かかるランタノイドとしては、例えば、具体的には、ランタン(La),セリウム(Ce),プラセオジム(Pr),ネオジム(Nd),サマリウム(Sm)等の比較的イオン半径の大きな元素であることが好ましい。中でも、かかるランタノイドがLaであると、より安定した結晶構造を構成し得るために好ましい。ランタノイドとしてLaと共にLa以外の元素を含む場合には、かかるLaの割合が高いことが好ましい。
Aeは、上記の通りランタノイド(Ln)と置換され得る元素であって、カルシウム(Ca)またはストロンチウム(Sr)であり得る。これらの元素はいずれか一方が単独で含まれていても良いし、両方が組み合わされて含まれていても良い。なかでも、Srが含まれている形態が好ましい。Aeとして2種以上の元素が含まれる場合には、さらに、Srがより高い含有率で含まれているのが好適である。
Mは、上記の通りペロブスカイト型酸化物のBサイトのCoと置換され得る元素であり、好適にはCo以外の遷移金属元素であり得る。具体的には、例えば、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)およびチタン(Ti)等が好ましいものとして例示される。これらの元素はいずれか1種が単独で含まれていても良いし、2種以上が組み合わされて含まれていても良い。このペロブスカイト型酸化物は、Bサイトにこれらの元素(いわゆる遷移金属元素)を含むことから、かかる遷移金属イオンのd電子が非局在化しているために高い電気伝導性を示し得る。また、Bサイトを遷移金属が占める場合には、周辺環境により遷移金属のイオンの価数が変化し得るため、例えば、高温の還元雰囲気下では酸素の量が3より減って空孔(酸素欠陥)が形成され得る。また、AサイトおよびBサイトの金属のイオンの価数の和を意図的に+6から少し減らすことによっても酸素欠陥を導入することができる。このように酸素欠陥が導入されたペロブスカイト型酸化物は、酸素欠陥を介して酸素イオンが速やかに動く酸素イオン導電体ともなり得る。すなわち、ここに開示される電極材料は、例えば、SOFCの電極材料として有用なペロブスカイト型酸化物からなる酸素イオン−電子混合伝導材料であり得る。
なお、上記一般式中のx,yは、それぞれLnおよびCoに置換可能なAeおよびM元素の割合を示しており、それぞれ、0≦x<1、0≦y<1を満たす実数であり得る。x,yがこの範囲にある場合において、例えば600℃程度の高温領域においてもペロブスカイト型の結晶構造を安定に保つことができる。
Aeの置換可能な割合を示すxは、0であっても良い。すなわち、Aサイトはランタノイド元素のみにより占有されていても良い。しかしながら、例えば、Bサイトの元素との兼ね合いで、Aeを含むようにするのも好ましい。この場合、xは、0以上1未満の値をとることができ、例えば、0以上0.8以下程度の範囲とするのが適当であり、好ましくは0.1以上0.5以下とすることができる。AサイトとBサイトの元素の組み合わせ等にもよるために一概には言えないが、xの値が0.1以上0.3以下、例えば0.25近傍(例えば、0.25±0.02)である場合に、Aサイトがおよそ3:1〜4:1の割合で2種以上のイオン(LnとAe)により秩序化して占有されたAサイト秩序型ペロブスカイト構造となり得るためにより好ましい。かかるAeがSrである場合においては、例えば、xが0.2以上0.5以下程度の範囲のものが好ましい形態であり得る。
M元素の置換可能な割合を示すyは、0であっても良い。すなわち、Bサイトはコバルトのみにより占有されていても良い。しかしながら、例えば、Aサイトの元素との兼ね合いで、M元素を含むようにするのも好ましい。yは、好ましくは、0以上0.9以下の範囲とすることができ、例えば0.2以上0.8以下とすることができる。
そしてδは、かかる導電性ペロブスカイト型酸化物における電荷中性条件を満たすように定まる値である。即ち、上記のとおり、この導電性ペロブスカイト型酸化物は、ABOで表される単純ペロブスカイト型構造における酸素欠陥量を、δ値により示すものと理解できる。かかるδは、ペロブスカイト型構造の一部を置換する原子の種類、置換割合の他、環境条件等により変動するため正確に表示することは困難である。このため、酸素原子数を決定する変数であるδは、典型的には1を超えない正の数(0≦δ<1)を採用し、(3−δ)と表示している。ただし、本明細書では、便宜上δを省略して記載する場合もあるが、かかる場合においても異なる化合物を表しているわけではない。即ち、上記一般式中の(3−δ)は、本発明の技術的範囲を限定することを意図するものではない。
ここに開示される電極材料において、上記の導電性ペロブスカイト型酸化物に、マイエナイト化合物がごく少量でも混合されることで、電極材料のCTEは導電性ペロブスカイト型酸化物のCTEよりも低い値に調整され得る。また、マイエナイト化合物がごく少量でも混合されることで、電極材料の還元膨張率も導電性ペロブスカイト型酸化物の還元膨張率よりも低い値に調整され得る。かかる観点から、マイエナイト化合物は、導電性ペロブスカイト型酸化物とマイエナイト化合物との合計に占めるマイエナイト化合物の割合が、0を超過していればよく、所望のCTEおよび還元膨張率を実現し得る配合割合まで配合することができる。例えば、マイエナイト化合物の割合は、好ましくは0.05以上であり、より好ましくは0.1以上である。なお、導電性ペロブスカイト型酸化物の組成等にもよるため一概には言えないが、マイエナイト化合物の割合は、配合割合が多すぎると導電性ペロブスカイト型酸化物の電子伝導性が損なわれるおそれがあるために好ましくない。また、マイエナイト化合物が含まれることでサーマルサイクルに対する耐性が改善されるものの、多すぎる配合はかえって耐サーマルサイクル性を損なうために好ましくない。したがって、マイエナイト化合物の割合は、例えば、おおよそ0.7未満であることが好ましく、例えば、0.6以下とすることができる。例えば、マイエナイト化合物の割合をかかる範囲とすることで、電極材料のCTEおよび還元膨張率が好適に調整されるとともに、サーマルサイクルに対する耐性に優れた電極材料とすることができる。
かかる電極材料において、上記のマイエナイト化合物および導電性ペロブスカイト型酸化物の形態については特に限定されない。典型的には、粉末形態のものが扱いやすいことから好ましく用いられる。かかる粉末の形態は、代表的には、略球状であるが、いわゆる真球状のものに限られない。球状以外には、例えば、フレーク形状や破砕形状、造粒形状、不規則形状のものであっても良い。また、これらのマイエナイト化合物および導電性ペロブスカイト型酸化物の粉末の粒径についても特に制限されない。例えば、当該粉末を構成する粒子の平均粒径が20μm以下であるものが適当であり、好ましくは0.01μm以上10μm以下であり、より好ましくは0.3μm以上5μm以下であり、例えば1μm±0.5μmであり得る。なお、ここでいう平均粒径とは、レーザ散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置により測定された粒度分布における積算値50%での粒径(50%体積平均粒子径;以下、D50と略記する場合もある。)を意味する。
また、本発明の目的を損なわない限り、ここに開示される電極材料に、上記のマイエナイト化合物および導電性ペロブスカイト型酸化物以外の成分や、不可避的な不純物が含まれていても良いことは言うまでもない。好ましくは、上記一般式(1)で示されるマイエナイト化合物の単相と、上記一般式(2)で示されるペロブスカイト型酸化物の単相との混合である。しかしながら、例えば、かかる電極材料の調製において、意図しない不純物相が含まれたりすることは十分にあり得る。このような場合においても、かかる材料が主として上記一般式で示されるマイエナイト化合物、および、導電性ペロブスカイト型酸化物から構成されていれば、かかる材料は本発明の電極材料に包含することができる。なお、限定的なものではないが、おおよその目安として、電極材料全体を100質量%としたとき、例えば、質量比で10質量%以下、典型的には5質量%以下、例えば3質量%以下の割合で他の成分(マイエナイト化合物および導電性ペロブスカイト型酸化物以外の成分等)を含むものであり得る。
[電極材料の調製方法]
ここに開示される電極材料は、その調製方法について特に制限はなく、例えば、典型的には、粉末状のマイエナイト化合物と、粉末状の導電性ペロブスカイト型酸化物とを、混合することで調製することができる。なお、粉末状のマイエナイト化合物および粉末状の導電性ペロブスカイト型酸化物の調整方法については、公知の各種の手法に準じることができる。
具体的には、例えば、粉末状の導電性ペロブスカイト型酸化物の製造方法としては、乾式法や、湿式法等が代表的なものとして知られている。また、マイエナイト化合物の製造方法についても、例えば、乾式法や、湿式法等が代表的なものとして知られている。マイエナイト化合物は、一般的な非導電性のものとして調製されてもよいし、導電性が付与されるように調製されてもよい(特許文献1および2参照)。
なお、導電性ペロブスカイト型酸化物の製造方法を例にして説明すると、乾式法とは、例えば、粉末状の導電性ペロブスカイト型酸化物の構成成分の原料化合物を化学量論組成で乾式混合し、仮焼して固相反応させる方法である。かかる原料化合物は、例えば、上記の一般式で示されるLn、Ae、CoおよびMの各元素の化合物(例えば、酸化物、炭酸塩、硝酸塩等)であってもよいし、複数の元素の化合物であってもよい。
また、湿式法とは、当該導電性ペロブスカイト型酸化物の構成成分を化学量論比で全て含む混合溶液を作り、かかる混合溶液から目的の導電性ペロブスカイト型酸化物を析出させる方法である。代表的には、共沈法や噴霧法が挙げられる。共沈法は、構成成分を化学量論比で全て含む混合溶液に対し、沈澱形成液を添加して目的の金属元素を化学量論比で含む水酸化物を共沈させ、この共沈物を乾燥、仮焼する方法である。また、噴霧法は、構成成分を化学量論比で全て含む混合溶液をアトマイザー等を利用して噴霧し、液滴化した状態で、かかる液滴を乾燥、仮焼する方法である。湿式法において用いる原料化合物としては、上記の一般式で示されるLn、Ae、CoおよびMの各元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、蟻酸塩、蓚酸塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
かかる電極材料は、そのまま単独で、あるいは焼結助剤、造孔材等の添加剤と共に所望の形態に成形し、焼成することで、目的の電極等の構成部材を作製することができる。
かかる成形に際しては、例えば、粉末状の電極材料をそのまま成型してもよいし、あるいは、粉末状の電極材料を有機媒体中に分散したペースト(インク、スラリーなどを包含する)の形態に調製して用いるようにしても良い。かかる有機媒体としては、ここに開示される電極材料を良好に分散させ得るものであればよく、従来のこの種のペーストに用いられているものを特に制限なく使用することができる。典型的には、かかる有機媒体としては、ビヒクルと、粘度調整のための有機溶媒との混合物を考慮することができる。かかる有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールおよびジエチレングリコール誘導体(グリコールエーテル系溶剤)、トルエン、キシレン、ブチルカルビトール(BC)、ターピネオール等の高沸点有機溶剤の1種を単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。また、ビヒクルは、有機バインダとして種々の樹脂成分を含むことができる。かかる樹脂成分はペーストを調製するのに良好な粘性および塗膜形成能(例えば、印刷性や、基板に対する付着性等を含む。)を付与し得るものであればよく、従来のこの種のペーストに用いられているものを特に制限なく使用することができる。例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、セルロース系高分子、ポリビニルアルコール、ロジン樹脂等を主体とするものが挙げられる。このうち、特にエチルセルロース等のセルロース系高分子が含まれているのが好ましい。
有機媒体の割合は、燃料電池の構成部材の形態やその成形に採用する手法等に応じて、適宜調整することができる。例えば、スクリーン印刷やドクターブレード法等の手法によりSOFCの空気極用グリーンシートを成形する場合を例にすると、かかる有機媒体が、ペースト全体(すなわち、上記電極材料と有機媒体との合計)に占める割合は、5質量%以上60質量%以下程度とすることができ、好ましくは7質量%以上50質量%以下、より好ましくは10質量%以上40質量%以下である。また、ビヒクルに含まれる有機バインダは、例えば、ペースト全体の1質量%以上15質量%以下程度、好ましくは1質量%以上10質量%以下程度、より好ましくは1質量%以上7質量%以下程度の割合とすることが例示される。かかる構成とすることで、例えば、粉末状の電極材料を均一な厚さの層状体(例えば、塗膜)として形成(塗布)し易く、取扱いが容易であり、さらにかかる成形体から溶媒を除去するのに長時間を要することがないために好適である。特に、薄層化が進められるSOFCの空気極のグリーンシート(未焼成段階の成形体)を好適に形成することができる。
なお、ペースト状に調製するに際し、電極材料と有機媒体との混合には、例えば、公知の三本ロールミル等を用いることができる。ペースト状の電極材料は、所望の用途に応じて適切な粘度に調整することによって、塗布または印刷等の形態で電極材料を所望の位置に所望の形態にて簡便に供給することが可能となる。例えば、極精密に寸法が管理されたSOFCの空気極や、複雑な形状の部位を有するインターコネクタ等の用途の成形体を簡便かつ好適に成形することができる。
なお、ここに開示される電極材料は、粉末状のものを所定の形態に圧縮成形する等して成形体(例えば、所望の形状のペレット)とすることもできる。
[電極材料の使用方法]
上記のようにして準備した電極材料の成形体は、従来のこの種の構成部材と同様に焼成することができる。この場合の焼成温度は、例えば1000℃〜1400℃程度とすることができる。ただし、かかる焼成を、他の構成部材の焼成と同時に行う場合等には、焼成温度を適宜変更することができる。
また、ここに開示される電極材料は、高温において良好な電気伝導性およびイオン導電性を示すことに加え、一般的なSOFCの固体電解質材料であるジルコニア系酸化物と熱膨張率が近く調整され得る。そして、かかる固体電解質材料などとも反応性が低いことから、SOFCの空気極を構成するために好ましく用いることができる。また、ここに開示される電極材料は、SOFCの空気極の作動条件である高酸素分圧条件において、比較的大きな酸素不定比性を示し得る。したがって、かかる電極材料を空気極に用いれば、電極(空気極)/電解質/気相(酸素含有ガス)が接する三相界面だけでなく、電極(空気極)自体の表面においても電極反応が進行しうるため、例えば、600℃程度の温度領域においても比較的高い電極活性を示し得るために好ましい。すなわち、例えば、SOFCの中でも600℃〜700℃程度の比較的低温で作動される低温型SOFCの構成部材として好ましく考慮することができる。かかる構成部材としては、具体的には、SOFCの空気極のほかに、集電体およびこれらの接合用材料等を挙げることができる。
また、SOFCの単セル同士を接続する集電体は、SOFCの燃料極と空気極とを仕切る隔壁としての役目も併せ持つことから、高い電気導電性に加え、高温での酸化性雰囲気および還元性雰囲気の両方に対して耐性を備えていることが求められる。ここに開示される電極材料は、還元膨張率が低く調整され得ることから、このようなSOFCの集電体用の材料としても好ましく用いることができる。なお、本明細書でいう集電体とは、SOFCにおいては、インターコネクタ、セパレータなどとも呼ばれる構成部材であって、例えば一方のセルの空気極と他方のセルの燃料極とを電気的に接合したり、一つの空気極あるいは燃料極と他の構成部材とを電気的に接続したりする部材であり得る。
以下、ここに開示される電極材料を用いて構成されるSOFCの具体的な実施態様を示しながら、本発明が提供するSOFCについて説明する。
[実施態様1]
かかる実施態様における固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムは、図1に示される、アノード支持型のSOFCの単セル10を備えている。この単セル10は、多孔質構造の燃料極(アノード)40の表面(上面)に、順に、酸化物イオン伝導体からなる緻密な層状の固体電解質30、多孔質構造の反応防止層25および多孔質構造の空気極(カソード)20が形成されることで構成されている。SOFCの作動時には、燃料極40を通じて燃料極40側の固体電解質30表面に燃料ガス(典型的には水素(H))が、空気極20を通じて空気極20側の固体電解質30表面に酸素(O)含有ガス(典型的には空気)が、それぞれ供給される。一般的な動作においては、酸素(O)含有ガス中のOガスが空気極20で還元されてO2−アニオンとなり、固体電解質30を通って燃料極20に移動し、Hガス燃料を酸化する。そしてかかる酸化反応に伴い、電気エネルギーを発生させている。
本実施形態において、かかるアノード支持型のセル10は、以下のようにして構築した。すなわち、燃料極材料として、平均粒径0.5μmの8mol%イットリア安定化ジルコニア(8mol%Y−ZrO、以下「8YSZ」と示す。)粉末と平均粒径0.5μmの酸化ニッケル(NiO)粉末とを、NiO:8YSZ=60:40の質量比で混合し、混合粉末とした。この混合粉末と、バインダ(ポリビニルブチラール;PVB)と、造孔材(カーボン粒子、平均粒径:約5μm)と、可塑剤(フタル酸ジブチル)と、溶剤(キシレン)とを、58:8.5:5:4.5:24の質量比で配合し、混合することで、ペースト状の燃料極形成用組成物を調製した。次いで、この燃料極形成用組成物をキャリアシート上にドクターブレード法によりシート状に塗布、乾燥させて、厚みが0.5mm〜1mmの燃料極グリーンシートを形成した。
次に、固体電解質材料として、平均粒径0.5μmの8YSZ粉末と、バインダ(エチルセルロース;EC)と、溶媒(α−テルピネオール;TE)とを、65:4:31の質量比率で混練することにより、ペースト状の固体電解質層形成用組成物を調製した。これを上記燃料極グリーンシートの上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、厚みが約10μmの固体電解質層グリーンシートを形成した。
また、反応防止層材料として、平均粒径0.5μmの10%ガドリニウムドープセリア(10GDC)粉末と、バインダ(EC)と、溶媒(α−テルピネオール;TE)とを、65:4:31の質量比率で混練することにより、ペースト状の反応防止層用組成物を調製した。これを上記固体電解質層グリーンシートの上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、厚みが約5μmの固体電解質層グリーンシートを形成した。
このようにして用意した積層グリーンシートを、1350℃で共焼成することで、SOFCのハーフセルを得た。
次いで、SOFCの空気極材料として、平均粒径0.5μmのランタンストロンチウム鉄コバルタイト(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8;LSCF)粉末と、平均粒径0.5μmのマイエナイト(12CaO・7Al)粉末とを、LSCF:マイエナイト=90:10の質量比で混合し、電極材料を用意した。
なお、LSCF粉末は、La,SrCO,Fe,Coを化学量論比で湿式混合した後、大気雰囲気中、1100℃〜1400℃で焼成し、ボールミルを用いて湿式粉砕することで用意した。
また、マイエナイト粉末は、CaCOおよびAlを化学量論比で湿式混合した後、大気雰囲気中、1000℃〜1400℃で焼成し、ボールミルを用いて湿式粉砕することで用意した。
上記で用意した電極材料を、溶剤(α−テルピネオール)およびバインダ(EC)と共に、80:17:3の質量比率で混練することにより、ペースト状の空気極形成用組成物を調製した。これを上記で用意したSOFCのハーフセルの上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、厚み30μmの空気極層グリーンシートを形成した。次いで、これを1100℃で焼成して空気極20を焼成し、SOFCを得た。
なお、空気極20を構成する材料として、上記のLSCFに変えて、例えば、以下の導電性ペロブスカイト型酸化物を用いることができる。すなわち、具体的には、(LaSr)MnO、(LaCa)MnOに代表されるランタンマンガネート(LaMnO)系ペロブスカイト型酸化物や、LaCoO、(LaSr)CoO、(LaSr)(CoFe)O等に代表される、ランタンコバルタイト(LaCoO)系のペロブスカイト型酸化物、さらには、(LaSr)(TiFe)O等に代表される、ランタンチタネート(LaTiO)系のペロブスカイト型酸化物からなるものが例示される。なお、ここに列挙した化学式は、当業者において慣用的に使用されているように、かかる酸化物を構成する元素の組み合わせを示すものであって、実際の電極材料の組成を示すものではない。また、上記に示した元素以外の元素をドープするようにしても良い。
固体電解質30としては、上記の8%イットリア安定化ジルコニア(8YSZ)の他に、例えば、ガドリニアドープセリア(GDC)、ランタンガレート(LaGaO)からなるものが例示される。燃料極40としては、一例として、ニッケル(Ni)とYSZのサーメットからなるものが例示される。
[実施態様2]
かかる実施態様における固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムは、SOFCのスタックセル100を備えている。図2に、スタックセル100の一形態の分解斜視図を模式的に示す。かかるスタックセル100は、SOFC(単セル)10A,10Bが、インターコネクタ50を介して複数層積み重なったスタックとして構成されている。単セル10A,10Bは、層状の固体電解質30の両面が、それぞれ層状の燃料極(アノード)40と空気極(カソード)20とで挟まれたサンドイッチ構造を備えている。図面中央に配されるインターコネクタ50Aは、その両面を二つの単セル10A,10Bで挟まれており、一方のセル対向面52がセル10Aの空気極20と対向(隣接)し、他方のセル対向面54がセル10Bの燃料極40と対向(隣接)している。かかる空気極20は、ここに開示される電極材料から構成されている。また、インターコネクタ50は、例えば、SUS430等の耐熱合金,Crofer(ティッセンクルップ),ZMG(日立金属)等の金属材料や、LaCrO系のセラミックス材料等から構成されている。インターコネクタ50の、セル対向面52には複数の溝が形成されており、供給された酸素含有ガス(典型的には空気)が流れる空気流路53を構成している。同様に、反対側のセル対向面54にも複数の溝が形成されており、供給された燃料ガス(典型的にはHガス)が流れるための燃料ガス流路55を構成している。かかる形態のインターコネクタ50では、典型的には空気流路53と燃料ガス流路55とが互いに直交するように形成されている。また、空気極20とインターコネクタ50との接合に際しては、空気極20の表面にここに開示されたペースト状の電極材料を塗布した後、インターコネクタ50を重ね合わせるようにし、両者に間隙が生じてHガス燃料の漏れが生じないようにされている。一般的な動作においては、酸素(O)含有ガス中のOガスが空気極54で還元されてO2−アニオンとなり、固体電解質を通って燃料極40に移動し、Hガス燃料を酸化する。そしてかかる酸化反応に伴い、電気エネルギーを発生させている。
なお、以上のSOFCシステムの製造方法は、従来公知の製造方法に準じればよく特別な処理を必要としないため、詳細な説明は省略する。
以下、本発明に関する幾つかの試験例を説明するが、本発明をかかる試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
[電極材料の用意]
SOFCの空気極材料として、サンプル1〜8の電極材料を用意した。すなわち、表1に示される割合で、ランタンストロンチウム鉄コバルタイト(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8;LSCF)粉末と、マイエナイト(12CaO・7Al)粉末とを混合し、サンプル1〜8の電極材料を用意した。
なお、LSCF粉末は、La,SrCO,Fe,Coを化学量論比で湿式混合した後、大気雰囲気中、1100〜1400℃で焼成し、ボールミルを用いて湿式粉砕することで用意した。
また、マイエナイト粉末は、CaCOおよびAlを化学量論比で湿式混合した後、大気雰囲気中、1100〜1400℃で焼成し、ボールミルを用いて湿式粉砕することで用意した。
次いで、上記で用意したサンプル1〜8の電極材料を、バインダ(EC)および溶媒(α−テルピネオール)と共に、80:3:17の質量比率で混練することにより、ペースト状の空気極形成用組成物1〜8を調製した。なお、かかる空気極形成用組成物1〜8は、以下の各種の評価に用いた。
[熱膨張係数:CTE]
上記で用意した空気極形成用組成物1〜8を、焼成後の寸法が4mm×5mm×20mmとなるように成形し、1100℃で焼成することで、CTE測定用の試験片を作製した。熱膨張係数は、熱機械分析装置(株式会社リガク製、TMA8310)を用い、大気中、室温(25℃)〜1000℃の温度範囲にて示差膨張方式にて測定した平均線膨張率から求めた値である。かかる熱膨張係数の測定は、JIS 1618:2002のファインセラミックスの熱機械分析による熱膨張の測定方法に準じて実施した。
[耐サーマルサイクル性試験]
電極材料1〜8と、SOFCの代表的な反応防止層材料である10%ガドリニウムドープセリア(10GDC)との耐サーマルサイクル性を評価した。具体的には、上記で用意した空気極形成用組成物1〜8を用い、直径20mm、厚み2mmの円盤状のペレットを用意した。かかるペレットを、同じく空気極形成用組成物1〜8を介して10CDCからなる基板上に載置し、700℃〜1100℃の温度範囲で焼成することで、電極材料ペレットと10CDC基板とが接合された接合体を得た。
次いで、室温(25℃)にある接合体を、700℃にまで昇温したのち200℃にまで降温するサーマルサイクルを1サイクルとし、100サイクルを負荷した。なお、昇温および降温は200℃/hの一定速度とし、各温度での保持時間は30分間とした。そしてかかるサイクル後の接合体について、下記の接合性評価を行った。
接合体の接合性は、接合強度試験機(デイジ・ジャパン(株)製、万能型ボンドテスター4000)を用い、ダイシェア方式にて評価した。すなわち、接合体の10CDC基板を試験機に固定し、シェアツールにより電極材料ペレットの接合面に対して水平方向に1MPaのせん断力を加え、室温にて接合部が破断するかどうかを調べた。かかる試験は、米国MIL−STD−883 集積回路試験方法 Mtd.2004.7 に準じて実施することができる。その結果を、表1の耐サーマルサイクル性の欄に示した。なお、表1の耐サーマルサイクル性の欄に示した評価記号は、以下の内容を意味する。本実施例では、下記の「×」の評価に相当する接合体は見られなかった。
◎:強固な接着性があると評価できる2MPa以上のせん断応力を接合体に加えたときに、接合体に剥離等の変化なし。
○:実用に十分な接着性があると評価できる1MPaのせん断応力を接合体に加えたときには接合体に変化はないが、2MPaのせん断応力を加えたときには剥離が生じる。
△:1MPa未満のせん断応力を接合体に加えたときに、接合部に剥離またはクラックが生じる。
×:接合部に目視でクラックが確認でき、目視ないしは軽い触診で接合体の剥離が生じる。
[還元膨張率]
上記で用意した空気極形成用組成物1〜8を、焼成後の寸法が4mm×5mm×20mmとなるように成形し、1100℃で焼成することで試験片を作製し、還元膨張率を測定した。なお、還元膨張率は、熱機械分析装置(株式会社リガク製、TMA8310)を用い、大気雰囲気中と、還元雰囲気(水素5体積%と窒素95体積%の混合雰囲気)中とで、室温(25℃)〜1000℃の温度範囲にて示差膨張方式にて測定したそれぞれの平均線膨張率から、次式により求めた値である。なお、式中のEairは、大気雰囲気中で測定した平均線膨張率(すなわち、上記のTEC)であり、Eredは、上記の還元雰囲気中で測定した平均線膨張率である。
還元膨張率=[{(1+Ered/100)−(1+Eair/100)}/(1+Eair/100)]×100
[SOFCの作製]
上記で用意した空気極形成用組成物1〜8をSOFCの空気極形成用材料として用い、以下の手順で、評価用のSOFC1〜8を作製した。
すなわち、まず、酸化ニッケル(NiO,平均粒子径0.5μm)粉末と、8%イットリア安定化ジルコニア(8%YSZ,平均粒子径0.5μm)粉末とを、60:40の質量比で混合することで、燃料極材料を用意した。そして、この燃料極材料と、造孔材(カーボン粒子)、バインダ(ポリビニルブチラール;PVB)、可塑剤および溶媒(エタノール:トルエンが質量比で3:1の混合溶媒)とを、順に58:5:8.5:4.5:5:24の質量比で混練することにより、ペースト状の燃料極支持体形成用組成物を調製した。次いで、この燃料極支持体形成用組成物をキャリアシート上にドクターブレード法により塗布し、乾燥させて、厚み0.5〜1mmの燃料極支持体グリーンシートを形成した。
固体電解質材料として、平均粒子径0.5μmの8YSZ粉末と、バインダ(エチルセルロース;EC)と、溶媒(α−テルピネオール;TE)とを、65:4:31の質量比で混練することにより、ペースト状の固体電解質層形成用組成物を調製した。これを上記燃料極グリーンシートの上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、厚みが約10μmの固体電解質層グリーンシートを形成した。
また、反応防止層材料として、平均粒子径0.5μmの10%ガドリニウムドープセリア(10GDC)粉末と、バインダ(EC)と、溶媒(α−テルピネオール;TE)とを、65:4:31の質量比で混練することにより、ペースト状の反応防止層用組成物を調製した。これを上記固体電解質層グリーンシートの上にスクリーン印刷法によってシート状に供給することで、厚みが約5μmの反応防止層グリーンシートを形成した。
このようにして用意した積層グリーンシートを、1350℃で共焼成することで、SOFCのハーフセルを得た。
次いで、上記で用意した空気極形成用組成物1〜8を、SOFCのハーフセルの上にスクリーン印刷法により厚み30μmで供給し、これを1100℃で焼成して空気極を形成することで、評価用のSOFC1〜8を得た。かかるSOFCのセルサイズはφ20mm、空気極サイズはφ10mmであった。
このように得られた評価用のSOFC1〜8について、発電性能を以下に示す手順で測定した。
[発電性能]
上記SOFCを下記の条件で運転させた際の出力密度を測定し、電圧0.8Vにおける出力(W/cm)を発電性能として、表1に示した。
運転温度:700℃
燃料極供給ガス:Hガス(50ml/min)
空気極供給ガス:Air(100ml/min)
Figure 0006042320
[評価]
表1に示されるように、酸素イオン−電子混合導電性材料であるLSCFにマイエナイトを加えて空気極材料とすることで、反応防止層材料である10GDCと接合するに適した熱膨張係数を実現できることが示された。なお、本実施形態では、反応防止層材料としてCTEが12×10−6/Kの10GDCを用い、酸素イオン−電子混合導電性材料としてCTEが17×10−6/KのLSCFを用いたことから、これらの材料の組み合わせにおいて、LSCFとマイエナイトの合計に占めるマイエナイトの割合を、0を超えて0.7未満程度に調整するのが好ましいことが分かった。なお、具体的には示さないが、例えば、反応防止層材料としてCTEが約10×10−6/KのZrOを用いた場合にはマイエナイトの割合をより少量にしてもよく、また例えば、酸素イオン−電子混合導電性材料としてCTEが約19×10−6/Kのランタンストロンチウムコバルタイト((LaSr)Co;LSC)を用いた場合にはマイエナイトの割合をより多量にしてもよいことが確認されている。
なお、本実施形態では、LSCFにマイエナイトを加えて空気極を形成することで空気極の抵抗が若干上昇し、SOFCの出力が若干低下する傾向が見られた。しかしながら、LSCFにマイエナイトを加えることで、耐サーマルサイクル特性をLSCF単独の場合と比較して良好に改善できることが確認された。すなわち、200℃〜700℃の温度範囲で繰り返しの温度変化に対する耐久性を備える電極材料とSOFCとが実現された。さらに、本実施形態では、LSCFにマイエナイトを加えることで、電極材料の還元膨張率を1以下に低減することができた。すなわち、ここに開示される電極材料は、大気雰囲気中と還元雰囲気中とにおける熱膨張係数の差が小さく抑えられており、高温の還元雰囲気に曝される空気極材料としてより適切な特性を備えていることが確認できた。このことから、ここに開示される電極材料を用いることで、過酷な運転環境においても長期の使用に耐え得るSOFCが実現されることが示された。
なお、具体的なデータは示していないが、LSCFとマイエナイトとが混合された電極材料をSOFCの運転温度である700℃程度の高温においても、LSCFとマイエナイトとが反応することに因ってLSCFの酸素イオン−電子混合導電性が損なわれることはないことが確認できた。
以上のことから、ここに開示される電極材料は、例えば、酸素イオン−電子混合導電性材料のCTEおよび還元膨張率を低減させることができる。これにより、かかる電極材料を用いてSOFCの空気極を形成することで、SOFCのサーマルサイクルに対する耐久性を向上させることができる。また、かかるこの電極材料は、酸素イオン−電子混合導電性を備えることから、例えば、SOFCの空気極とインターコネクタとの間に配設される集電体を構成したり、空気極とインターコネクタあるいは反応防止層等との接合材を構成したりするのにも、好ましく用いることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10,10A,10B 単セル
20 空気極(カソード)
25 反応防止層
30 固体電解質
40 燃料極(アノード)
50,50A インターコネクタ
52 ,54 セル対向面
53 空気流路
55 燃料ガス流路
100 スタックセル

Claims (4)

  1. 導電性ペロブスカイト型酸化物と、
    一般式:12AeO・7Al …(1)
    (式中、AeはCaおよびSrの少なくとも1種の元素である)
    で表されるマイエナイト化合物と、を含む、電極材料。
  2. 前記導電性ペロブスカイト型酸化物は、
    一般式:(Ln1−xAe )(Co1−y)O3−δ …(2)
    (式中、Lnはランタノイドから選択される1種または2種以上の元素であり、AeはCa,SrおよびBaからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、MはMn,Cr,Cu,Fe,NiおよびTiからなる群から選択される1種または2種以上の元素であって、xおよびyはそれぞれ、0≦x<1、0≦y<1を満たし、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である)
    で示される、請求項1に記載の電極材料。
  3. 前記導電性ペロブスカイト型酸化物は、酸素イオン−電子混合導電性材料である、請求項1または2に記載の電極材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極材料の焼成体からなる空気極を備える、固体酸化物形燃料電池。
JP2013266975A 2013-12-25 2013-12-25 電極材料とその利用 Active JP6042320B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013266975A JP6042320B2 (ja) 2013-12-25 2013-12-25 電極材料とその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013266975A JP6042320B2 (ja) 2013-12-25 2013-12-25 電極材料とその利用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015122286A JP2015122286A (ja) 2015-07-02
JP6042320B2 true JP6042320B2 (ja) 2016-12-14

Family

ID=53533730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013266975A Active JP6042320B2 (ja) 2013-12-25 2013-12-25 電極材料とその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6042320B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111886365B (zh) * 2018-03-29 2022-10-21 国立研究开发法人科学技术振兴机构 电解池及电解装置
WO2021010167A1 (ja) * 2019-07-12 2021-01-21 学校法人 東洋大学 燃料電池触媒用組成物およびそれを含む燃料電池
WO2023032787A1 (ja) * 2021-09-01 2023-03-09 Agc株式会社 酸化物イオン伝導性固体電解質
WO2023079910A1 (ja) * 2021-11-08 2023-05-11 Agc株式会社 酸化物イオン伝導性固体電解質

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7381492B2 (en) * 2000-03-24 2008-06-03 University Of Houston Thin film solid oxide fuel cell and method for forming
JP3531868B2 (ja) * 2000-04-18 2004-05-31 独立行政法人 科学技術振興機構 活性酸素種を包接する12CaO・7Al2O3化合物およびその製造方法
JP3560560B2 (ja) * 2001-04-16 2004-09-02 独立行政法人 科学技術振興機構 水酸基イオンを包接する12CaO・7Al2O3化合物焼結体及びその作成方法
JP3560580B2 (ja) * 2001-10-18 2004-09-02 独立行政法人 科学技術振興機構 12CaO・7Al2O3化合物とその作成方法
JP4105447B2 (ja) * 2002-02-21 2008-06-25 独立行政法人科学技術振興機構 12SrO・7Al2O3化合物とその合成方法
JP4166641B2 (ja) * 2003-08-27 2008-10-15 独立行政法人科学技術振興機構 プロトン・電子混合伝導体及びその製造方法と用途
JP2007134133A (ja) * 2005-11-09 2007-05-31 Ngk Spark Plug Co Ltd 固体電解質型燃料電池
JP4972468B2 (ja) * 2007-06-07 2012-07-11 日本電信電話株式会社 固体電解質型燃料電池セル
JP2009026636A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Toyota Motor Corp 導電性及び光透過性を有するセパレータ、当該セパレータを用いた燃料電池、並びに、当該燃料電池の製造方法
KR20120065337A (ko) * 2009-08-25 2012-06-20 아사히 가라스 가부시키가이샤 방전 램프용 전극 및 그의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015122286A (ja) 2015-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2750227A1 (en) Air electrode material, interconnector material, and solid oxide fuel cell
KR20130099704A (ko) 고체산화물 연료전지용 기능층 소재, 및 상기 소재를 이용하여 제조된 기능층과 상기 기능층을 포함하는 고체산화물 연료전지
JP2008258064A (ja) 電解質・電極接合体及びその製造方法
JP6008818B2 (ja) 導電性接合材
JP6695677B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池用の電極材料とこれを用いた固体酸化物形燃料電池
JP6042320B2 (ja) 電極材料とその利用
JP6573243B2 (ja) 空気極組成物、空気極およびこれを含む燃料電池
JP7115873B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池とこれに用いる電極材料
JP2007200664A (ja) 固体電解質型燃料電池の製造方法
JP4989774B2 (ja) 電極材料及びそれを含む固体酸化物型燃料電池セル
JP2013143187A (ja) 固体酸化物形燃料電池および該燃料電池のカソード形成用材料
JP2013143242A (ja) 固体酸化物形燃料電池および該燃料電池のカソード形成用材料
JP6188569B2 (ja) 電極材料とその利用
JP4496749B2 (ja) 固体酸化物型燃料電池
JP6101194B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池用の電極材料とその利用
JP6836156B2 (ja) 燃料電池
JP2008077998A (ja) 固体酸化物形燃料電池
JP2012043801A (ja) 電極材料及びそれを含む固体酸化物型燃料電池セル
JP6000927B2 (ja) 導電性接合材
KR101698210B1 (ko) 고체산화물 전해질, 이를 포함하는 고체산화물 연료전지 및 이의 제조방법
JP6000933B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池用の電極材料とその利用
JP7134646B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池とこれに用いる電極材料
JP2015099744A (ja) 燃料電池用材料とその利用
JP6654903B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池用の電極材料とその利用
JP5285115B2 (ja) 複合材料およびその利用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150817

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160506

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160623

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161027

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6042320

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250