JP6008818B2 - 導電性接合材 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性接合材に関する。詳しくは、固体酸化物形燃料電池の構築に用いることができる導電性接合材に関する。
固体電解質燃料電池とも呼ばれる固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell,以下、単に「SOFC」という場合がある。)は、種々のタイプの燃料電池の中でも、発電効率が高い、環境への負荷が低い、そして、多様な燃料の使用が可能であるなどの利点を有している。SOFCの単セルは、本質的な構成として、酸素イオン伝導体からなる緻密な層状の固体電解質を基本とし、この固体電解質の一方の面に多孔質構造の空気極(カソード)が形成され、他方の面に多孔質構造の燃料極(アノード)が形成されている。ここで、燃料極が形成された側の固体電解質の表面には、H(水素)に代表される可燃性燃料ガスが供給され、空気極が形成された側の固体電解質の表面には空気等に代表されるO(酸素)含有ガスが供給される。そして一般的な動作においては、空気中のOガスがカソードで還元されてO アニオンとなり、固体電解質を通ってアノードに移動し、Hガス燃料を酸化する。そしてSOFCの両電極にこのようなガスを供給するために、ガス源とSOFCとを連結して上記各ガスを流通させるガス管がSOFCに接続されている。
このようなSOFC(単セル)は、典型的には、高い電圧を得るために複数個の単セルが直列に接続されたスタックセルとして運転されている。かかるスタックセルを基本とするSOFCシステムでは、単セル同士がインターコネクタと呼ばれる電子導電性材料を介して直列に接続される。インターコネクタは、単セル間を物理的かつ電気的に接続すると同時に、酸化性のガス(空気等の酸素含有ガス)と還元性のガス(水素等の燃料ガス)とを分離するセパレータとしての役割も担っており、平板型のSOFCのインターコネクタ材料としては金属材料が一般的に用いられている。この金属製インターコネクタ材料としては、典型的には、SOFCの作動温度である600℃〜900℃程度(典型的には、600℃〜800℃程度)に対する耐熱性を備え、且つ、上記の酸化性および還元性雰囲気に対する耐久性を有するFe−Crフェライト系合金が使用されている。そして、これらのインターコネクタと単セルとの間を、導電性接合材により形成された接合部により接合を維持した構成のSOFCシステムが知られている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特開2005−050636号公報 特開2013−020728号公報
上記の特許文献1には、銀(Ag)粉末と共に導電性を示すランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)に代表されるストロンチウムコバルタト系のペロブスカイト型酸化物を含む構成の導電性接合材が、発電性能の向上に寄与し得ることが開示されている。また、特許文献2には、Ag成分と、クリストバライト結晶(SiO)、リューサイト結晶(KAlSi)およびフォーステライト結晶(MgSiO)結晶のうちから選択される少なくとも1種の結晶がガラスマトリックス中に析出していることを特徴とするガラスとを含む導電性接合材が、高い導電性と機械的強度を備えることが開示されている。
しかしながら、特許文献1および2の導電性接合材料は、いずれも導電性材料としてAgを含んでいることから比較的高価であった。また、ストロンチウムコバルタトは、酸化物でありながら常温から高温域において非常に高い電気伝導性を示す電子−酸素イオン混合伝導体であるため、かかる高いイオン導電性に伴い熱膨張係数が高い。また、酸素欠損を生じやすく、高温での結晶構造の安定性が低い。したがって、例えば、高温で使用する用途の導電性接合材としては接合性に問題が生じ得た。例えば、SOFCシステムは、システムの起動から運転、停止との操作に伴い、常温から高温へ、高温から常温へと温度の上下を繰り返して使用される。そして、その作動温度は600℃以上(典型的には、600℃〜800℃程度)であり、かつ、接合部の環境は水素または酸素雰囲気という過酷なものとなり得る。そのため、かかる環境においても安定で、電気伝導率が高く、かつ、ヒートサイクルに対しても接合性および安定性が維持され得る(すなわち、ヒートサイクル耐性を備える)導電性接合材の提供が求められていた。
本発明は上記の従来の問題を解決すべく創出されたものであり、その目的は、高温域(例えば600℃〜800℃)でのヒートサイクル耐性に優れ、かつ、高い電気伝導性を有する導電性接合材を提供することである。また、本発明の他の目的は、かかる導電性接合材を用いてなる接合部を備えたSOFCシステムを提供することである。
ここに開示される導電性接合材は、ペロブスカイト型酸化物粉末と、ガラスフリットとを含んでいる。そして、上記ペロブスカイト型酸化物は、下記一般式:
(Ln 4−a 1+a)(Cu5−b )O13+δ …(1)
で示される、複合銅酸化物と、下記一般式:
(Ln 1−xSr)(Co1−y )O3−δ’ …(2)
で示されるコバルタイトと、を含んでいる。ここで、式(1)中、Lnはランタノイドから選択される1種または2種以上の元素であり、MはSr、CaおよびBaからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、MはCu以外の遷移金属元素からなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、a,bは−0.3≦a≦0.3、0≦b<2を満たす実数であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。また、式(2)中、Lnはランタノイドから選択される1種または2種以上の元素であり、MはTi,Mn,Fe,Niから選択される1種または2種以上の元素であり、x,yは0≦x≦1、0≦y<1を満たす実数であり、δ’は電荷中性条件を満たすように定まる値である。
そして、上記ガラスフリットは、軟化点が600℃以上800℃以下の範囲である。
上記の組成を有する2通りのペロブスカイト型酸化物は、ここに開示される導電性接合材における導電性材料(導電性成分)として機能し得る。そして、上記のペロブスカイト型のコバルタイトは、酸化物でありながら、常温から高温域において極めて高い電気伝導性を示す。そしてこれに伴い、25℃から500℃までの熱膨張係数についても、例えば、およそ19×10−6−1以上と高い値を有している。一方の、上記のペロブスカイト型の複合銅酸化物は、上記のコバルタイト程ではないものの、常温から高温域において高い電気伝導性を示すとともに、室温から高温までの熱膨張係数が比較的低く抑えられ、さらに高温での結晶構造の安定性に優れている。したがって、これらのペロブスカイト型酸化物を両方とも含むことで、ここに開示される導電性接合材は、これによって形成される接合部が、高い電気伝導性と抑制された熱膨張係数とを併せ持つものとして提供され得る。加えて、これらのペロブスカイト型酸化物は、酸化物であるために、水素または酸素雰囲気に対する耐性を備えており、銀(Ag)等の貴金属やその合金等に比べて安価に調製することができる。また、高温環境においてもマイグレーションの心配が抑制されている。
そして上記のガラスフリットは、ここに開示される導電性接合材における接着材料(接着成分)として機能し得る。すなわち、上記の通りの軟化点を有することで、軟化点(例えば600℃以上)の温度において軟化し、かかる導電性接合材に粘着性ないしは密着性を付与する。
かかる構成によると、マイグレーションによる問題が解消されていて、高温での水素または酸素雰囲気に対する耐性を有し、十分な電気伝導性と接着性を備える接合部を形成し得る導電性接合材が、比較的安価なものとして提供される。
ここに開示される導電性接合材の好ましい態様では、上記ガラスフリットの軟化点以上の温度で焼成した焼成物の状態での25℃から500℃までの熱膨張係数が、12×10−6−1以上15.5×10−6−1以下であることを特徴としている。
SOFCの構成において、例えば、空気極の構成材料としては、一般的に(LaSr)MnO等に代表される導電性酸化物が考慮される。これらの導電性酸化物の25℃から500℃程度の温度範囲の熱膨張係数は、例えば、15×10−6−1以上(例えば、15.0×10−6−1以上17×10−6−1以下程度)であり得る。また、SOFCの構成において、例えば、インターコネクタ等の金属製構成材料としては、一般的に、Fe−Crフェライト系合金が考慮される。この金属製構成材料の25℃から500℃程度の温度範囲の熱膨張係数は、10×10−6−1以上12×10−6−1以下程度(例えば、10×10−6−1以上11×10−6−1以下)であり得る。これらの材料を被接合材料とし、両材料間を接合する導電性接合材料としては、接合後に形成される接合部の熱膨張係数が両方の被接合材料の熱膨張係数の間となる、例えば、12×10−6−1以上15.5×10−6−1以下であるのが適切であり得る。これにより、例えば、SOFCの作動温度における被接合材料の熱膨張および収縮差に伴い発生する応力を緩和し、良好な接合部を形成し得る導電性接合材料が実現される。
なお、本明細書において「熱膨張係数」(CTE:coefficient of thermal expansion,以下、単に「CTE」と記す場合がある)とは、特筆しない限り、25℃から500℃までの温度領域において熱機械分析装置(Thermomechanical Analysis:TMA)を用いて測定した平均膨張係数(平均線膨張係数)であり、試料の初期長さに対する試料長さの変化量を温度差で割った値をいう。熱膨張係数の測定は、例えば、ガラスフリットについては、JIS R 3102:1995に準じて、実施することができる。導電性接合材により形成される接合部については、上記既定ないしは、JIS R 1618:2002に準じて、実施することができる。
ここに開示される導電性接合材の好ましい態様において、上記ガラスフリットは、上記ペロブスカイト型酸化物粉末と上記ガラスフリットとの合計を100質量%としたとき、1質量%以上40質量%以下の割合で含まれていることを特徴としている。
かかる構成によると、良好な導電性と高い接着性とが両立され、両特性がバランス良く備えられた導電性接合材が提供される。
ここに開示される導電性接合材の好ましい態様において、上記ガラスフリットは、ガラスマトリックス中に少なくともリューサイト結晶が析出していることを特徴としている。ここで、リューサイト結晶は、ガラスフリットの全体を100質量%としたとき、1質量%以上30質量%以下の割合で含まれているのが好ましい。
かかる構成によると、ガラスフリットのガラスマトリックス中には少なくともリューサイトからなる微細結晶が析出しており、このリューサイト結晶は結晶化温度以上の熱を加えない限りは維持される。このため、例えば、かかる導電性接合部材用いての接合時や、接合後の接合部がSOFCの作動温度のような高温環境にさらされた場合においても、ガラスマトリックスが軟化はしても流出するのを防止し、良好な接合性を示す接合部を形成し、維持することができる。
ここに開示される導電性接合材の好ましい態様において、上記ガラスフリットは、酸化物換算の質量比で以下の組成から実質的に構成されていることを特徴としている。
SiO 60〜75質量%;
Al 5〜15質量%;
NaO 3〜15質量%;
O 5〜15質量%;
MgO 0〜 3質量%;
CaO 0〜 3質量%;
0〜 3質量%;
かかる組成とすることにより、接合部の上記温度域における物理的安定性を向上させることができ、また、リューサイト結晶を好適に析出させることが可能ともされる。
ここに開示される導電性接合材の好ましい態様において、上記ペロブスカイト型酸化物粉末と、上記ガラスフリットとが、有機媒体中に分散されていることを特徴としている。
かかる構成によると、被接合材の接合に際し、被接合部にかかる導電性接合材を好適に供給することが可能となる。例えば、印刷技術等を利用して導電性接合材を被接合部に供給することが可能となる。
ここに開示される導電性接合材の好ましい態様においては、少なくとも一の酸化物部材と一の金属部材とを接合するために用いられる。ここで、上記一の酸化物部材は、25℃から1000℃までの熱膨張係数が15×10−6−1以上20×10−6−1以下の酸化物材料により構成され、上記一の金属部材は、25℃から500℃までの熱膨張係数が10×10−6−1以上12×10−6−1以下の金属材料により構成されていることを特徴としている。
かかる構成によると、上記の範囲の熱膨張係数を備える酸化物部材と金属部材との接合を特に良好に行うことができる。なお、本明細書において、酸化物部材の熱膨張係数については、25℃から1000℃までの範囲の平均線膨張係数を意味する。かかる値は、例えば、JIS R1618:2002の測定方法に準じて測定することができる。また、金属部材の熱膨張係数については、25℃から500℃までの範囲の平均線膨張係数を意味する。かかる値は、例えば、JIS Z 2285:2003の測定方法に準じて測定することができる。
ここに開示される導電性接合材の好ましい態様においては、上記一の金属部材と上記一の酸化物部材とを700℃〜900℃で接合するように構成されていることを特徴としている。また、上記一の酸化物部材は上記固体酸化物形燃料電池の空気極であり、上記一の金属部材は固体酸化物形燃料電池のインターコネクタであるのが好ましい。
かかる温度域での接合を可能とするということは、例えば、SOFC等の作動温度域等の高温領域での接合を可能とすることを意味し得る。つまり、SOFCにおける空気極や燃料極等の酸化物部材と、集電体(集電板)やインターコネクタ(セパレータなどと呼ばれる金属部材をも包含する意味である)等の金属部材等のとの接合を良好に行うことができる。特に、空気極とインターコネクタとの過酷な環境での接合を好適に実施することができる。これにより、上記高温領域での接合を特に良好に実現可能な導電性接合材が提供される。
他の側面において、ここに開示される発明が提供するSOFCシステムは、固体電解質の一方の表面に燃料極を、他方の表面に空気極を備えたSOFCセル(単セル)と、上記空気極に接合された金属部材と、を備えるSOFCシステムである。かかるSOFCシステムにおいて、上記空気極と上記金属部材との接合部分には、上記のいずれかに記載の導電性接合材が焼成されてなる接合部が備えられていることを特徴としている。
かかる構成によると、長期に亘ってSOFCの作動温度における上記空気極とインターコネクタやガス管等の金属部材との接合部の接合が良好に保たれ得るとともに、マイグレーション等によるセルの発電性能の低下の心配が解消された、SOFCシステムが実現される。かかるSOFCにおける上記接合部は、比較的安価な導電性接合材料を用いて構成することができる。
SOFC(単セル)と該単セルに接合された金属製のガス管とを備えた酸素分離膜モジュールの一形態を模式的に示す断面図である。 SOFC(単セル)と該単セルに接合された金属製のインターコネクタとを備えたSOFCシステムの一形態を模式的に示す分解斜視図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けないSOFCの一般的な構成や、製造プロセス等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示される導電性接合材は、ペロブスカイト型酸化物粉末とガラスフリットとを含んでいる。ペロブスカイト型酸化物粉末は、この導電性接合材において、主たる導電性を担う導電性材料として機能している。また、ガラスフリットは、この導電性接合材において、主たる接着剤として機能している。これらの主要な構成材料を含む導電性接合材の構成について以下に説明する。
[ペロブスカイト型酸化物粉末]
ここに開示される導電性接合材に含まれるペロブスカイト型酸化物は、下記の一般式(1)および(2)でそれぞれ示される組成を有する、<1>ペロブスカイト型複合銅酸化物と、<2>ペロブスカイト型のコバルタイトとを含んでいる。
<1> (Ln 4−a 1+a)(Cu5−b )O13+δ …(1)
すなわち、かかるペロブスカイト型複合銅酸化物は、本質的には3ABO・A構造を有しており、AサイトのLn元素の一部がMで、BサイトのCu元素の一部がMで置換された構成と理解することができる。
ここで、式(1)中、Lnは原子番号57〜71のランタノイド元素である。かかるLnとしては、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15種の元素を考慮することができる。かかるランタノイドとしては、例えば、具体的には、ランタン(La),セリウム(Ce),プラセオジム(Pr),ネオジム(Nd),サマリウム(Sm)等の比較的イオン半径の大きな元素を好ましく用いることができ、中でも安定した結晶構造を構成し得るLaを好ましく用いることができる。ランタノイドとしてLa以外の元素を含む場合には、かかるLaの割合が高いことが好ましい。
は、上記の通りランタノイド(Ln)と置換され得る元素であって、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)であり得る。これらの元素はいずれか1種が単独で含まれていても良いし、2種以上が組み合わされて含まれていても良い。なかでも、Baが含まれている形態が好ましい。Mとして2種以上の元素が含まれる場合には、さらに、Baがより高い含有率で含まれているのが好適である。かかるMにおいて、Baは、例えば10モル%〜30モル%程度の含有率で含まれているのが特に好ましい。
は、上記の通り銅(Cu)と置換され得る元素であって、元素周期表の第3A族から第2B族の間に存在する元素遷移金属元素であり得る。かかる遷移金属元素としては、具体的には、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)等であり得る。これらの元素はいずれか1種が単独で含まれていても良いし、2種以上が組み合わされて含まれていても良い。より好ましくは、Mn、Fe、Co、Niのいずれかを含む形態であり得る。これらの元素(いわゆる遷移金属元素)を含む場合、Cuと共にかかる遷移金属イオンのd電子が被局在化しているために高い電気伝導性を示し得る。より電気伝導性の高い接合部を形成するためには、MはCoおよび/またはNiであるのが好ましい。
なお、ここに開示される導電性接合材において、複合銅酸化物は、上記一般式で表されるいずれか1種の複合銅酸化物から構成されていても良いし、上記一般式で表される2種以上の複合銅酸化物が混合されていても良い。
また、一般式中のa,bは、それぞれLnおよびCuに置換可能なMおよびMの量を示し、−0.3≦a≦0.3、0≦b<2を満たす実数である。a,bがこの範囲にある場合において、例えば900℃程度の高温領域においてもペロブスカイト型の結晶構造を安定に保つことができ、高温安定性に優れた導電性接合材料を形成することができる。好ましくは、単一相として保つことができる。Mの置換可能な量を示すaは、−0.3以上0.3以下の範囲とすることができ、好ましくは0以上0.3以下、例えば、0.1以上0.28以下であるのがより好ましい。aの値がおおよそ0.25(例えば、0.25±0.02)であることで、Aサイトがおよそ3:1〜4:1の割合で2種以上のイオン(LnとM)で秩序化して占有されたAサイト秩序型ペロブスカイト構造となり得るためにより好ましい。
の置換可能な量を示すbは、0以上2未満の範囲とすることができ、好ましくは0.1以上1.5以下、例えば、0.5以上1.0以下であるのがより好ましい。
そしてδは、かかる酸素欠陥型のペロブスカイト結晶構造における電荷中性条件を満たすように定まる値である。即ち、上記のとおり、このペロブスカイト型酸化物は、ABOで表される単純ペロブスカイト型構造を有する層と、A(すなわち、ABO3−0.5と理解できる)で示されるブラウンミラライト型構造を有する層とが組み合わされて構成されるものとして理解することができる。かかるブラウンミラライト型構造における大きな酸素欠陥量を反映して、A5B5O13+δ(すなわち、ABO3−δ’と理解できる)として表される。かかるδは、ペロブスカイト型構造の一部を置換する原子の種類、置換割合の他、環境条件等により変動するため正確に表示することは困難である。このため、酸素原子数を決定する変数であるδは、典型的には1を超えない正の数(0≦δ<1)を採用し、酸素原子の数を(13+δ)と表示している。ただし、便宜上δを省略して記載する場合もあるが、かかる場合においても異なる化合物を表しているわけではない。即ち、上記一般式中の(13+δ)は、本発明の技術的範囲を限定することを意図するものではない。かかるペロブスカイト型酸化物においては、ブラウンミラライト型構造に起因して酸素欠陥量が比較的大きいためイオン伝導性をも示す、電子−酸素イオン混合伝導体であり得る。
<2> (Ln 1−xSr)(Co1−y )O3−δ’…(2)
このペロブスカイト型酸化物は、SOFCの空気極の作動条件である高酸素分圧条件において比較的大きな酸素不定比性を示すことから、電子と酸素イオンの両者による導電を示す、いわゆる電子−酸素イオン混合導電体である。
ここで、式(2)中、Lnは原子番号57〜71のランタノイド元素である。かかるLnとしては、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15種の元素を考慮することができる。かかるランタノイドとしては、例えば、具体的には、ランタン(La),セリウム(Ce),プラセオジム(Pr),ネオジム(Nd),サマリウム(Sm)等の比較的イオン半径の大きな元素を好ましく用いることができ、中でも安定した結晶構造を構成し得るLaまたはSmを好ましく用いることができる。ランタノイドとしてLaまたはSm以外の元素を含む場合には、LaおよびSmの割合(両方含む場合には両者の総量の割合)が高いことが好ましい。
は、チタン(Ti),マンガン(Mn),鉄(Fe),ニッケル(Ni)から選択される1種または2種以上の元素である。上記コバルタイトは、これらの遷移金属元素のいずれかを含む場合においても、Bサイトの遷移金属イオンのd電子が被局在化し得るために高い電気伝導性を示す。
このように、(LaSr)CoO[ランタンストロンチウムコバルタイト:LSC]や、(SmSr)CoO[サマリウムストロンチウムコバルタイト:SSC]、(LaSr)(CoFe)O[ランタンストロンチウム鉄コバルタイト:LSCF]、等のコバルタイトを含むことで、ここに開示される導電性接合材は、常温から高温にかけて高い電気導電性を示し得る点で好ましい。
なお、一般式中のxは、Lnに置換可能なストロンチウム(Sr)の量を示し、0≦x≦1を満たす実数である。好ましくは0.1≦x≦0.9、例えば、0.2≦x≦0.8であるのがより好ましい。また、Mの置換可能な量を示すyは、0≦y<1の範囲とすることができる。好ましくは0.1≦y≦0.9、例えば、0.2≦y≦0.8であるのがより好ましい。
そしてδ’は、上記δと同様、かかる酸素欠陥型のペロブスカイト結晶構造における電荷中性条件を満たすように定まる値である。即ち、上記δ同様、かかるδ’は、ペロブスカイト型構造の一部を置換する原子の種類、置換割合の他、環境条件等により変動するため正確に表示することは困難である。このため、酸素原子数を決定する変数であるδ’は、典型的には1を超えない正の数(0≦δ’<1)を採用し、酸素原子の数を(3−δ’)と表示している。ただし、便宜上δ’を省略して記載する場合もあるが、かかる場合においても異なる化合物を表しているわけではない。即ち、上記一般式中の(3−δ’)は、本発明の技術的範囲を限定することを意図するものではない。
以上の2通りのペロブスカイト型酸化物は、酸化物でありながら常温から高温域において高い電気伝導性を示す。そして、これら2通りのペロブスカイト型酸化物を単独ではなく、組み合わせて含むことで、常温から高温域にかけての電気伝導性を高く維持することができ、かつ、接合性(とくに、ヒートサイクル後の接合性)に優れた接合部を形成し得る導電性接合材を実現することができる。
具体的には、上記のコバルタイト型のペロブスカイト型酸化物を少量でも含むことで、ここに開示される導電性接合材により形成される接合部は、高い電気伝導性を備えることができる。かかる観点において、<1>上記複合銅酸化物と、<2>上記コバルタイトとの合計を100質量%としたとき、コバルタイトの占める割合は、1質量%以上であるのが好ましい。コバルタイトの占める割合が高ければ高い程、接合部の電気伝導性が高められることから、コバルタイトの占める割合は5質量%以上であるのが好ましく、10質量%以上、例えば、20質量%以上とするのがより好ましい。
その反面、コバルタイトの占める割合が多くなりすぎると接合部の熱膨張係数が高くなりすぎ、被接合部材との接着性が損なわれる。一方で、上記複合銅酸化物は、室温から高温までの熱膨張係数が上記のコバルタイトに比較して低く抑えられている。特に、高温で結晶構造が安定しており、ヒートサイクルにおいてもこの安定性は維持され得る。かかる観点から、コバルタイトの占める割合は95質量%以下であるのが好ましく、90質量%以下、例えば、80質量%以下とするのがより好ましい。
これにより、例えば、200℃から700℃程度のヒートサイクル(例えば200サイクル)後であっても、700℃における電気伝導性が200S/cm以上、例えば、300S/cm以上の、高い電気伝導性を安定して備え得る導電性接合材が実現される。
これらのペロブスカイト型酸化物粉末の形状については特に限定されない。典型的には略球状であるが、いわゆる真球状のものに限られない。球状以外には、例えばフレーク形状や不規則形状のものであっても良い。また、ペロブスカイト型酸化物粉末の粒径についても特に制限されず、当該粉末を構成する粒子の平均粒径が20μm以下であるものが適当であり、好ましくは0.01μm以上10μmであり、より好ましくは0.3μm以上5μm以下であり、例えば2μm±1μmである。なお、ここでいう平均粒径とは、レーザ散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置により測定された粒度分布における積算値50%での粒径(50%体積平均粒子径;以下、D50と略記する場合もある。)を意味する。
[ガラスフリット]
ガラスフリットとしては、本発明の導電性接合材の目的を損ねない範囲において、軟化点が600℃以上800℃以下の範囲にあるものを特に制限なく用いることができる。換言すると、例えば、この導電性接合材をSOFC(SOFCシステム)の作動温度範囲(典型的には600℃以上、例えば700〜900℃)で使用する場合、かかる作動温度域にて軟化はするが溶融し難い組成のガラスフリットを含むことができる。かかるガラスの軟化点は、例えば、ガラスフリットを構成するガラス組成を調整することで制御することができる。具体的には、ガラスの融点(軟化点)に影響を及ぼし得る成分の添加または増減により、所望の融点(軟化点)を有するガラス組成を決定することができる。例えば、一例として、以下に示すような組成(酸化物換算組成)のガラスを用いてガラスフリットを構成するのが好適である。
SiO 60〜75質量%;
Al 5〜15質量%;
NaO 3〜15質量%;
O 5〜15質量%;
MgO 0〜 3質量%;
CaO 0〜 3質量%;(好ましくは0.1〜3質量%);
0〜 3質量%;
ここで、上記ガラスは、必須の構成成分としてSiO、Al、NaOおよびKOを含んでいるのが好ましい。そして、これら必須の構成成分のほか、目的に応じて種々の成分を付加的に含むことができる。例えば、上記の例では、MgO、CaO、B等の成分を所望の特性に応じて含むことができる。
特に限定されるものではないが、上記の組成において、アルカリ金属成分であるNaOおよびKOは、その合計量を10〜25質量%としたり、アルカリ土類金属成分であるMgOおよびCaOのうちの少なくともいずれかまたは両方を1〜5質量%とするのも好ましい態様である。かかる組成のガラスによると、被接合材に発生する熱応力を緩和する緩衝作用があり、接合性(シール性であり得る)に優れた接合部を形成することができるために好ましい。
また、この導電性接合材をSOFC(SOFCシステム)に使用する場合、ガラスフリットは、ガラスマトリックス中に少なくともリューサイト結晶(KAlSi)が析出している結晶化ガラスであることが好ましい。かかる結晶化ガラス中には、リューサイト結晶以外にも、クリストバライト結晶(SiO)やフォーステライト結晶(MgSiO)が析出していても良い。そしてこのリューサイト結晶は、ガラスフリットの全体を100質量%としたとき、1質量%以上30質量%以下の割合で析出しているのが好ましい。リューサイト結晶の析出量は、ガラス組成物中の構成成分(構成元素)の含有率(組成)や、結晶加熱処理の条件等によって適宜調整することができる。例えば、上記に例示した組成のガラスについて、かかる割合でリューサイト結晶を析出させることもできる。ガラスマトリックス中に析出される結晶相の大きさについては特に制限はないものの、例えば、10nm〜10μm程度の大きさの結晶相がガラスマトリックス中に均一に分散された形態であるのが好ましい。以下、ガラスフリットを構成するガラス成分について、上記の好適な一組成を例にして説明する。
SiOは、ガラスフリットにおけるガラス相(ガラスマトリックス)の骨格を主として構成する成分(ネットワークフォーマー)であり、同時に、ここに開示される導電性接合材から形成される接合部のガラスマトリックスをも主として構成する。そしてまた、ガラスマトリックス中に結晶が析出される場合には、その結晶(リューサイト、クリストバライト、フォーステライトであり得る)を構成する成分でもある。SiOは、ガラスフリット全体のうち酸化物換算の質量比で60〜75質量%程度が好ましく、60〜70質量%程度であるのが特に好ましい。SiOの含有率が上記範囲よりも高すぎると、ガラスの溶解性が過度に低下するとともに軟化点が上昇してしまうために好ましくない。一方、SiOの含有率が上記範囲よりも低すぎると、耐水性や耐化学性が低下するおそれがあり、また、結晶析出量も少なくなるために好ましくない。
Alは、化学的耐久性を増大させる成分であり、また弾性率や硬度を増大させて付着安定性に寄与する成分である。そしてまた、Alは、リューサイト結晶を構成する成分でもある。Alは、好ましくは、ガラスフリット全体のうち酸化物換算の質量比で5〜15質量%程度で含まれるのが好ましく、10〜15質量%程度がより好適である。Alの含有率が上記範囲よりも低すぎると、付着安定性が低下するおそれがあるとともにリューサイト結晶析出量が少なくなるため好ましくない。一方、Alの含有率が上記範囲よりも高すぎると、ガラスの流動性が低下しすぎ、耐化学性が低下するおそれがあるために好ましくない。
NaOおよびKOは、ガラスマトリックスの熱膨張係数(熱膨張率)を高める成分である。また、KOはリューサイト結晶を構成する成分である。NaOおよび/またはKOは、ガラスフリット全体のうち酸化物換算の質量比で、10〜25質量%程度の割合で含まれるのが好ましい。より好適には、15〜25質量%程度である。これらアルカリ成分の含有率が上記範囲よりも低すぎると熱膨張係数が低くなりすぎるおそれがあるために好ましくない。さらにはKO含有率が低すぎるとリューサイト結晶析出量も少なくなるため好ましくない。一方、これらアルカリ成分の含有率が高すぎると熱膨張係数が過剰に高くなるため好ましくない。ここに開示される導電性接合材から形成される接合部におけるガラスマトリックスの安定性(例えば耐化学性)を向上させるとの観点からは、NaOとKOとの両方を含むことが好ましく、例えばKO含有率が5〜15質量%であり、NaO含有率が3〜15質量%(但し合計でガラスマトリックス全体の10〜25質量%)であることが好ましい。
MgOおよびCaOは、熱膨張係数の調整を行うことができる任意添加成分である。CaOはガラスの硬度を上げて耐摩耗性を向上させ得る成分であり、MgOはガラス溶融時の粘度調整を行うことができる成分でもある。また、MgOはフォーステライト結晶を構成する成分である。MgOおよび/またはCaOは、ガラスフリットの全体のうち、酸化物換算の質量比で概ね6質量%以下、典型的には1〜5質量%で含まれることが好ましい。これらの成分を含有することにより、例えば、SOFCの作動温度範囲において好適な熱膨張係数を有するガラスマトリックスを形成することができる。なお、例えば、SOFCを一方の被接合材とし、金属製インターコネクタ等の金属製部材をもう一方の被接合材とする場合、CaOを3質量%以下の割合で含有し、且つ、MgOを3質量%以下の割合で含有することが好ましい。
は、ガラスフリットにおけるガラス相(ガラスマトリックス)の骨格を構成し得る成分(ネットワークフォーマー)であり、熱膨張を抑制するとともに粘度および溶融温度を低下させることができる任意の添加成分である。Bは、ガラスフリットの全体のうち、酸化物換算の質量比で概ね3質量%以下、典型的には0.5〜2質量%程度で含まれることが好ましい。これらの成分を含有することにより、例えば、SOFCの作動温度範囲において好適な粘度および熱膨張係数を有するガラスマトリックスを形成することができる。
また、ここで開示される導電性接合材のガラスフリットの構成成分は、上記のSiO、Al、NaOおよびKOのみから構成されても良いし、または、これらに更にCaO、MgO、Bのいずれかを加えたものであっても良い。そして、本発明の目的を実現し得る限りにおいて、ガラスフリットの構成成分として、上記の酸化物成分以外の副次的成分を種々の目的に応じて含んでもよい。かかる副次的成分の例示として、ZnO、LiO、Bi、SrO、SnO、SnO、CuO、CuO、TiO、ZrO、La等が挙げられる。これら成分を含有させるとガラスマトリックス自体がそれだけ多成分系で構成されるため、ガラスの安定性(例えば耐化学性)を向上させることができる。例えばこれら副次的なガラス構成要素をガラスマトリックス全体のうち酸化物換算の質量比で10質量%以下、典型的には5質量%以下、例えば3質量%以下の割合で含むことができる。すなわち、ガラスフリットの構成成分に関し、「実質的に構成される」とは、上記主酸化物成分のみからなるものと、該主酸化物成分以外の副次的成分を酸化物換算の質量比でガラスフリット全体の10質量%以下、好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下の割合で含むものと、を包含する意味である。
[導電性接合材]
ここに開示される導電性接合材において、以上のペロブスカイト型酸化物粉末とガラスフリットとの配合割合は、本発明の目的を実現する限りにおいて特に限定されないが、例えば、当該導電性接合材をガラスフリットの軟化点以上の温度で焼成して得られる焼成物(すなわち、接合部であり得る)についての25℃から500℃までの熱膨張係数が12×10−6−1以上15.5×10−6−1となるように調整するのが好ましい。なお、ペロブスカイト型酸化物粉末の単独での熱膨張係数は、当該ペロブスカイト型酸化物の組成により異なってくる。また、ガラスフリットの単独での熱膨張係数も、当該ガラスフリットの組成により異なってくる。そのため、両者の熱膨張係数を勘案して、焼成後に得られる接合部の熱膨張係数が上記範囲となるよう配合を制御する。接合部の熱膨張係数が上記範囲よりも小さすぎる場合には、例えば、SOFCの空気極等を構成するのに用いられ、高いイオン導電性を示すセラミック部材の熱膨張係数との差が大きすぎ、かかる空気極の温度変化に伴う変形を吸収できないために好ましくない。例えば、被接合材を破損させるおそれがあるために好ましくない。一方で、接合部の熱膨張係数が上記範囲よりも多きすぎる場合には、例えば、SOFCのインターコネクタ等を構成する耐食性に優れた金属部材の熱膨張係数との差が大きすぎ、かかる金属部材との良好な接合を実現できないために好ましくない。
なお、ペロブスカイト型酸化物粉末とガラスフリットとの配合割合については厳密な制限はなく、例えば、ペロブスカイト型酸化物粉末の組成や、かかる導電性接合材の用途(目的)に応じて適宜調整することができる。おおよその目安として、ペロブスカイト型酸化物粉末とガラスフリットとの合計量を100質量%としたとき、ガラスフリットが1質量%以上50質量%以下の割合で含まれる配合とすることができる。ガラスフリットの割合が多い程、電気伝導性が低下する傾向があることから、例えば、電気伝導性を高く維持するためには、ガラスフリットが1質量%以上40質量%以下の割合で含まれているのが好ましく、1質量%以上35質量%以下の割合がより好ましく、5質量%以上30質量%以下の割合が特に好ましい。
例えば、このような割合でペロブスカイト型酸化物粉末とガラスフリットとを含む接合材によると、かかる導電性接合材により形成される接合部の熱膨張係数を良好に調整することができるとともに、例えば、高温でも流れ落ちることなく、金属部材と酸化物部材とを好適に接合できる接合性を備え、さらには、十分な電気伝導性を備える接合部を形成することができる。
また、かかる導電性接合材は、ペロブスカイト型酸化物粉末およびガラスフリットの混合物をそのまま被接合部に供給することでも使用することができるが、例えば、ペロブスカイト型酸化物粉末およびガラスフリット(固形分)が有機媒体中に分散されたペースト(インク、スラリーなどを包含する)の形態に調製されていても良い。これらの固形分を分散させるための有機媒体としては、上記の固形分、とりわけペロブスカイト酸化物粉末を良好に分散させ得るものであればよく、従来のこの種のペーストに用いられているものを特に制限なく使用することができる。典型的には、ビヒクルと、粘度調整のための有機溶媒との混合物を考慮することができる。かかる有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールおよびジエチレングリコール誘導体(グリコールエーテル系溶剤)、トルエン、キシレン、ブチルカルビトール(BC)、ターピネオール等の高沸点有機溶剤を一種類または複数種組み合わせて使用することができる。また、ビヒクルは、有機バインダとして種々の樹脂成分を含むことができる。かかる樹脂成分はペーストを調製するのに良好な粘性および塗膜形成能(例えば、印刷性や、基板に対する付着性等を含む。)を付与し得るものであればよく、従来のこの種のペーストに用いられているものを特に制限なく使用することができる。例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、セルロース系高分子、ポリビニルアルコール、ロジン樹脂等を主体とするものが挙げられる。このうち、特にエチルセルロース等のセルロース系高分子が含まれているのが好ましい。
有機媒体の割合は、当該導電性接合材の使用形態に応じて所望に調整することができる。例えば、かかる有機媒体が導電性接合材全体(すなわち、上記固形分と有機媒体との合計)に占める割合は、5質量%以上60質量%以下であるのが適当であり、好ましくは7質量%以上50質量%以下、より好ましくは10質量%以上40質量%以下である。また、ビヒクルに含まれる有機バインダは導電性接合材全体の1質量%以上15質量%以下程度、好ましくは1質量%以上10質量%以下程度、より好ましくは1質量%以上7質量%以下程度の割合で含まれるのがよい。かかる構成とすることで、例えば、被接合材上に導電性接合材を均一な厚さの塗膜として形成(塗布)し易く、取扱いが容易であり、さらにかかる接合材から溶媒を除去するのに長時間を要することなく好適に接合することができるために好ましい。
[導電性接合材の調製方法]
上記のような導電性接合材の調製方法に関して特に制限はなく、公知の導電性接合材の製造方法に準じて調製することができる。
例えば、ペロブスカイト型酸化物粉末は、公知の各種の手法で製造したものを特に制限なく用いることができる。ペロブスカイト型酸化物粉末の製造方法としては、例えば、乾式法や、共沈法等が代表的なものとして知られている。乾式法とは、ペロブスカイト型酸化物の構成成分の化合物を化学量論組成で乾式混合し、仮焼する方法である。かかる構成成分の化合物は、例えば、上記の一般式(1)で示されるLn、M、CuおよびMの各元素の化合物(例えば、酸化物、炭酸塩、硝酸塩等)であってもよいし、複数の元素の化合物であってもよい。共沈法は、構成成分を化学量論比で全て含む混合溶液を作り、これを沈澱形成液に添加して共沈させ、この共沈物を乾燥、仮焼する方法である。共沈法において用いる原料化合物としては、上記の一般式で示されるLn、M、CuおよびMの各元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、蟻酸塩、蓚酸塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、ガラスフリットについても、公知の各種の手法で製造したものを特に制限なく用いることができる。例えば、リューサイト結晶が析出しているガラスフリットについては、公知の結晶化ガラスの製造方法を採用して製造することができる。例えば、具体的には、所望のガラス組成となるよう各ガラス成分の出発原料化合物(例えば各成分を含有する酸化物、炭酸塩、硝酸塩、複合酸化物等を含む工業製品、試薬、または各種の鉱物原料)と必要に応じてそれ以外の添加物とを所定の配合比(化学量論組成)で乾式または湿式のボールミル等の混合機に投入し、数〜数十時間混合する。得られた混和物(粉末)を乾燥後、適当な高温(典型的には1000℃〜1500℃)条件下で加熱・溶融し、冷却または急冷によりガラス化させることで、所定の組成のガラスを得る。次いで、得られたガラスを粉砕(例えば0.5μm〜50μm程度、典型的には1μm〜10μm程度)し、結晶化熱処理を行う。結晶化熱処理としては、例えば、粉末状のガラスを室温から約1〜30℃/分の昇温速度で加熱し、850〜1200℃程度の温度領域で30分間〜60分間程度保持することが例示され、これによりガラスマトリックス中にリューサイト等の結晶相を析出させることができる。ここで、結晶化熱処理条件を適切に制御することで、析出する結晶種やその大きさを調整することができる。こうして得られた結晶化ガラスを、例えば所望の用途に応じた形態に成形する等により、ガラスフリットとすることができる。例えば、ボールミルで粉砕したり、篩い分けにより分級したりすることによって、平均粒径が0.1μm〜10μm程度のガラスフリットを得ることができる。
そして、用意したペロブスカイト型酸化物粉末とガラスフリットとを、所定の配合比で上記の有機媒体とともに混合してペースト状に調製することができる。かかる混合は、例えば、公知の三本ロールミル等を用いて行うことができる。ペースト状の導電性接合材は、所望の用途に応じて適切な粘度に調整することによって、塗布または印刷等の形態で被接合部材(金属部材等)に簡便に供給することが可能となる。したがって、複雑な形状の被接合部材の接合、あるいは、複雑な接合形態での接合を、簡便かつ好適に実現することができる。
なお、ここに開示される導電性接合材は、ペロブスカイト型酸化物粉末とガラスフリットとを粉末状のまま、あるいは、かかる粉末を所定の形態に圧縮成形する等してペレット状として用いることもできる。
[接合方法]
上記のようにして準備した粉末状、ペレット状またはペースト状の導電性接合材は、従来のこの種の導電性接合材と同様に用いることができる。すなわち、まず、接合対象である被接合部材を用意する。ここで被接合部材としては、例えば、少なくとも一の酸化物部材と少なくとも一の金属部材とを用意することができる。そして、一方の被接合部材の接合部位に用意した導電性接合材を供給(配置または塗布)し、かかる接合部位に他方の被接合部材の接合部位を所定の接合形態で当接させる。次いで、この複合体を乾燥後、導電性接合材の含まれるガラスフリットの軟化点以上の温度域(典型的には、650℃以上、例えば700℃〜900℃)で焼成する。これによって、被接合部材間に導電性および接合性に優れた接合部を形成することができる。
[被接合部材]
なお、上記の導電性接合材の接合対象たる被接合部材としては、導電性接合材と熱膨張係数が比較的近い(例えば、25℃から500℃までの熱膨張係数が、10×10−6−1以上17×10−6−1以下)ものであれば特に制限はされない。しかしながら、高温での接合性が良好であるとの上記導電性接合材の特性を活かし、より好適な被接合部材の組み合わせの一例として、上記のとおり、被接合部材として、各種の酸化物部材および金属部材を好ましく考慮することができる。かかる酸化物部材および金属部材については、とりわけ以下の組み合わせを好適な例として挙げることができる。
(1)25℃から1000℃までの熱膨張係数が15×10−6−1以上20×10−6−1以下の酸化物材料からなる酸化物部材。このような酸化物材料としては、(LaSr)CoO、(LaSr)FeO、(LaSr)(CoFe)O、(LaSr)(CoTi)O、(SmSr)CoOに代表されるイオン導電性ペロブスカイト複合酸化物等が例示される。かかる酸化物材料は、SOFC作動時の650℃以上(典型的には、700℃〜900℃程度)かつ酸素雰囲気という過酷な条件に対する耐性を有し、かつ、酸素イオン導電性を有するため、SOFCの空気極を構成する材料として知られているものである。
(2)25℃から500℃までの熱膨張係数が10×10−6−1以上12×10−6−1以下の金属材料からなる金属部材。このような金属材料としては、代表的には、Ducrolloy(Cr−5Fe−1Y)、Crofer(登録商標)(ドイツ・ティッセンクルップ・VDM社製)、ZMG(登録商標)(日立金属株式会社製)、Fe−16〜26Cr合金等に代表されるフェライト系Fe−Cr合金等が例示される。これらは種々の合金元素が含まれていても良い。かかる金属材料は、SOFC作動時の空気極における650℃以上(典型的には、700℃〜900℃程度)かつ酸素雰囲気という過酷な条件に対する耐性を有するため、空気極に接続されるインターコネクタ、セパレータなどの金属部材を構成する材料として知られているものである。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の導電性接合材の好適な使用形態であるSOFCシステムについて説明する。以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
[実施態様1]
かかる実施態様における固体酸化物形燃料電池(SOFC)システム1は、図1に示される、アノード支持型の円筒型SOFCの単セル10を備えている。この単セル10は、円筒型で多孔質構造の燃料極(アノード)26の外表面に、順に、酸化物イオン伝導体からなる緻密な層状の固体電解質22、反応抑止層25、多孔質構造の空気極(カソード)24が形成されることで構成されている。SOFCの使用時には、アノード26を通じてアノード26側の固体電解質22表面に燃料ガス(典型的には水素(H))が、カソード24を通じてカソード24側の固体電解質22表面に酸素(O)含有ガス(典型的には空気)が、それぞれ供給される。固体電解質22としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)やガドリニアドープセリア(GDC)、ランタンガレード(LaGaO)からなるものが例示される。空気極24としては、(LaSr)MnO、(LaCa)MnOに代表されるランタンマンガネート(LaMnO)系や、LaCoO、(LaSr)CoO、(LaSr)(CoFe)O等に代表されるランタンコバルトネート系、さらには、(LaSr)(TiFe)O等に代表されるランタンチタネート系のペロブスカイト型酸化物からなるものが例示される。燃料極26としては、ニッケル(Ni)とYSZのサーメットからなるものが例示される。
そしてこの固体電解質22、空気極24およびの燃料極26には、接合部(導電性接合材)20を介して接合されたガス管(すなわち金属部材)70が備えられている。なお、円筒型SOFCとしては、上記図1のアノードとカソードが逆になった構成のカソード支持型のSOFCや、円筒状のセラミックス管(基体管)の表面に上記燃料極26、固体電解質22、反応抑止層25、空気極(カソード)24が順に形成されたSOFC等も知られている。本明細書における金属部材としては、このようなSOFCの単セル10同士を電気的に接続してスタックを構築するために該単セルの表面に軸方向に設けられたインターコネクタ(図示せず)が含まれ得る。
かかる単セル10において、少なくとも、一の酸化物部材(典型的には、空気極24)と一の金属部材(典型的には金属製のガス管70)との間に、ここに開示される導電性接合材を焼成してなる接合部20が形成されている。この導電性接合材を用いることで、例えば600〜900℃程度の高温域に曝されても酸化物部材と金属部材との間を、導電性を保ちながら、長期間密着性良く(気密に)保持可能な接合部を実現し得る。さらに、この接合部20からのマイグレーションが防止されているため、SOFCシステムにおける絶縁性部材(例えば、空気極24に接続される図示しないガス管と外部との絶縁部材)の絶縁性を損ねることがなく、長期に亘り発電特性に優れた高性能のSOFCシステムを実現することができる。
[実施態様2]
かかる実施態様における固体酸化物形燃料電池(SOFC)システム1は、SOFCのスタックセル100を備えている。図2に、スタックセル100の一形態の分解斜視図を模式的に示す。かかるスタックセル100は、SOFC(単セル)10A,10Bが、金属製のインターコネクタ30を介して複数層積み重なったスタックとして構成されている。単セル10A,10Bは、層状の固体電解質22の両面が、それぞれ層状の燃料極(アノード)24と空気極(カソード)26とで挟まれたサンドイッチ構造を備えている。図面中央に配されるインターコネクタ30Aは、その両面を二つの単セル10A,10Bで挟まれており、一方のセル対向面32がセル10Aの空気極24と対向(隣接)し、他方のセル対向面34がセル10Bの燃料極26と対向(隣接)している。かかるインターコネクタ30Aのセル対向面32,34と、それぞれ対応する単セル10A,10B側の空気極24あるいは燃料極26の対向面との間には、ここに開示される接合材を付与してなる封止部(図示せず)が形成されている。また、セル対向面32には複数の溝が形成されており、供給された酸素含有ガス(典型的には空気)が流れる空気流路33を構成している。同様に、反対側のセル対向面34にも複数の溝が形成されており、供給された燃料ガス(典型的にはHガス)が流れるための燃料ガス流路35を構成している。かかる形態のインターコネクタ30では、典型的には空気流路33と燃料ガス流路35とが互いに直交するように形成されている。
なお、以上のSOFCシステムの製造方法は、従来公知の製造方法に準じればよく特別な処理を必要としないため、詳細な説明は省略する。
以下、本発明に関する幾つかの試験例を説明するが、本発明をかかる試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例1>
ここでは、下記表1に示したように、ガラスフリットの軟化点と、導電性材料の種類とを相互に異ならせて、ペースト状の導電性接合材を調製した。本実施形態における導電性接合材の配合は、ペロブスカイト型酸化物粉末(いずれも平均粒径およそ0.5μm)を合計で60〜90質量%、ガラスフリットを1〜30質量%、バインダとしてのエチルセルロースと有機溶剤としてのテルピネオールとからなるビヒクルを5〜10質量%、粘度調整のためのテルピネオールを2〜8質量%の割合とした。これらの材料は秤量した後、撹拌機等で混合し、例えば、三本ロールミルで分散処理することでペースト状に調製した。
そして、かかる導電性接合材の接合特性について評価した。すなわち、導電性接合材を基板上に塗布して焼成することで得られる接合材焼成物(接合部)と基板(LSCFおよびSUS430基板)との接合性およびヒートサイクル耐性の評価を行った。これらの結果を表1に示した。
加えて、ガラスフリットその割合を変化させて得られる導電性接合材の接合特性についても評価した。すなわち、表2に示す組成および組み合わせの導電性材料(ペロブスカイト型酸化物粉末)と、ガラス軟化点を700℃に調整したガラスフリットとを用いて、上記と同様にして導電性接合材を調製し、かかる導電性接合材を基板上に塗布して焼成することで得られる接合材焼成物(接合部)の電気伝導率、当該焼成物のCTE、当該焼成物と基板との接合性および当該焼成物のヒートサイクル耐性の評価を行った。その結果を表2に示した。
なお、本実施形態における導電性材料(ペロブスカイト型酸化物)としては、表1および表2に示す通り、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)またはサマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC)をそれぞれ単独で、あるいは、LSCと5通りの組成の複合銅酸化物とを質量比で3:7の割合で混合して用いるようにした。なお、表1および表2には、導電性材料の組成を略号で示している。これら表1および表2における導電性材料に関する略号は、次の一般組成を示している。
LSC :La0.6Sr0.4CoO
SSC :Sm0.5Sr0.5CoO
LSCF:La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8
LBC :(La4.0Ba1.0)Cu13
LBCC:(La4.0Ba1.0)(Cu4.0Co1.0)O13
LBCF:(La4.0Ba1.0)(Cu4.0Fe1.0)O13
LBCM:(La4.0Ba1.0)(Cu4.0Mn1.0)O13
LBCN:(La4.0Ba1.0)(Cu4.0Ni1.0)O13
また、ガラスフリットの軟化点は、下記の2通りのガラスフリット組成範囲内での組成制御により、表1に示した通り、550℃〜850℃の範囲内で7通りに調整した。本実施形態において、ガラスフリットは、所定の組成となるよう配合されたガラス原料粉末を1400〜1500℃で溶融した後、急冷し、粉砕した後、900℃〜1100℃の温度で10分間〜60分間保持する結晶化処理により、ガラスマトリックス中にリューサイト結晶を約10質量%析出させている。各ガラスフリットは、粉砕および分級を行うことで、平均粒径を約10μmに調整して用いた。これらのガラスフリットのCTE(JIS R 3102:1995に準拠して測定した)はいずれも約11×10−6/Kとなるよう調整した。
[ガラスフリット組成1]
SiO 60〜75質量%;
Al 5〜15質量%;
NaO 3〜15質量%;
O 5〜15質量%;
MgO 0〜 3質量%;
CaO 0〜 3質量%;
0〜 3質量%;
[ガラスフリット組成2]
SiO 60〜75質量%;
Al 5〜15質量%;
NaOおよびKO 10〜25質量%;
MgOおよび/またはCaO 1〜 5質量%;
0〜 3質量%;
なお、上記のガラスフリットを調製する際の出発原料としては、Si成分、Al成分、B成分については酸化物を、その他の成分については炭酸塩を用いた。また、ガラスフリットの軟化点の調整は次のように行った。すなわち、例えば、ガラス軟化点が550℃以上650℃以下のガラスフリットについては、上記のガラスフリット組成1および2に示した全ての成分を含むようにした。また、ガラス軟化点が700℃・750℃のガラスフリットについては、Bを含まない組成とした。ガラス軟化点が800℃・850℃のガラスフリットについては、Bを含まないことに加え、アルカリ成分(NaOおよびKO)を極力少量に抑える組成とした。
<接合性試験>
SOFCの代表的なインターコネクタ用材料と類似の組成を有するSUS430(熱膨張係数:11×10−6/K程度)を基板として用い、当該SUS430基板にLSCFを接合したときの接合性を評価した。具体的には、SUS430基板上に導電性接合材を50μmの厚みで塗布し、この接合材を介して空気極材料であるLSCF(熱膨張係数:17×10−6/K程度)からなるペレット(直径20mm、厚み2mmの円盤状)をSUS430基板上に載置し、SUS430基板−導電性接合材−LSCFペレットの複合体を用意した。その後、この複合体を、700〜900℃の温度範囲で焼成することで、導電性接合材によりSUS430基板とLSCFペレットとが接合された接合体を得た。焼成後、室温にてかかる接合体の接合性を接合強度試験機(デイジ・ジャパン(株)製、万能型ボンドテスター4000)を用い、ダイシェア方式にて評価した。すなわち、接合体のSUS430基板を試験機に固定し、シェアツールによりLSCFペレットの接合面に対して水平方向に1MPaのせん断力を加え、接合部が破断するかどうかを調べた。かかる試験は、米国MIL−STD−883 集積回路試験方法 Mtd.2004.7 に準じて実施することができる。その結果を、表1〜5の接合性試験の欄に示した。なお、表1〜5の接合性試験の欄に示した評価記号は、以下の内容を意味する。
○:実用に十分な接着性があると評価できる1MPaのせん断応力を接合体に加えたときに、変化なし。
×:接合部に目視でクラックが確認でき、目視ないしは軽い触診で接合体の剥離が生じる。
<ヒートサイクル耐性>
上記接合性試験で作製した、導電性接合材からなる接合部によりSUS430基板とLSCFペレットとが接合された接合体について、ヒートサイクル耐性を評価した。すなわち、かかる接合体を室温(25℃)から700℃にまで加熱した後、700℃〜200℃の温度範囲を200℃/hの速度で加熱および冷却するヒートサイクルを、100サイクル施した。そしてかかるサイクル後の接合体について、再び上記接合性試験を行った。その結果を、表1〜5のヒートサイクル耐性の欄に示した。ただし、表1〜5のヒートサイクル耐性の欄に示した評価記号は、以下の内容を意味する。
◎:強固な接着性があると評価できる5MPaのせん断応力を焼成物に加えたときに、接合体に変化なし。
○:実用に十分な接着性があると評価できる1MPaのせん断応力を接合体に加えたときには接合体に変化はないが、5MPaのせん断応力を加えたときには剥離が生じる。
△:目視および軽い触診で接着が確認できるものの、上記1MPaのせん断応力を接合体に加えたときに剥離が生じる。導電性が低下。
×:接合部に目視でクラックが確認でき、目視ないしは軽い触診で接合体の剥離が生じる。
<電気伝導率>
導電性接合材を焼成して形成される接合部(焼成物)の導電性を評価した。すなわち、調製した導電性接合材をアルミナ基板上に50μmの厚みで塗布し、600〜800℃の焼成炉で焼き付けることで、接合材焼成物を形成した。この接合材焼成物について、700℃における電気伝導率を4端子法にて測定した。
<熱膨張係数:CTE>
導電性接合材を焼成して形成される接合部(焼成物)の熱膨張係数を測定した。熱膨張係数は、熱機械分析装置(株式会社リガク製、TMA8310)を用い、大気中、室温(25℃)〜500℃の温度範囲にて示差膨張方式にて測定した平均線膨張率から求めた値である。かかる熱膨張係数の測定は、JIS 1618:2002のファインセラミックスの熱機械分析による熱膨張の測定方法に準じて実施した。
Figure 0006008818
表1に示されるように、接合温度を600℃〜800℃とする場合、ガラスフリットを配合していない導電性接合材、および、軟化点が600℃未満あるいは800℃を超過するガラスフリットを用いた導電性接合材については良好な接合性が得られないことがわかる。そして、導電性材料としてLSCを単独で用いた導電性接合材については、ガラスフリットを用いた場合であっても、調製したすべての導電性接合材についてLSCFとSUS430基板との接合を実現することができないことがわかった。これは、熱膨張係数が、LSCF(約17×10−6/K)およびSUS430基板(約11×10−6/K)に比べて、LSC(約19×10−6/K)が大幅に高く、接合後あるいはヒートサイクル時の熱収縮差により発生する熱応力により良好な接合が行えないものと考えられる。
これに対し、LSCにペロブスカイト型の複合銅酸化物(LBC,LBCC,LBCF,LBCM,LBCN)を組み合わせて用いることにより、LSCFおよびSUS430基板に対する接合性およびヒートサイクル耐性のいずれもが良好となることが確認できた。これは、上記の複合銅酸化物の熱膨張係数がLSCよりも低く、導電性接合材およびこれにより形成される接合部の熱膨張係数をLSCFやSUS430の熱膨張特性に対応可能な値にまで低下できたことに因るものと考えられる。また、LSCが高温で酸素欠損を生じやすく高温での結晶安定性に乏しいのに対し、これらの複合銅酸化物が600℃〜800℃の高温においても結晶構造が安定していることにもよると考えられる。
Figure 0006008818
そして表2に示されるように、SSCおよびLSCは、単独では高温で高い電気伝導性を示す。ただし、熱膨張係数が大きいために、単独ではもちろんのこと、ガラスフリットを40質量%まで添加した場合であっても、LSCFおよびSUS430基板に対する接合材としては適していないといえる。そして、ガラスフリットを50質量%添加してようやく上記接合が実現できるが、この場合であっても、高温における電気伝導率が1/2未満に減少してしまうことに加え、依然として熱膨張係数が15×10−6/Kと高いことから5MPaの応力に耐える優れた接合性については得られておらず、導電性接合材としての性能が完全であるとは言い難い。すなわち、SSCおよびLSCを導電材料として用いるメリットが得られない。なお、表にはLSCについてのデータを主に示しているが、SSCについても同様の傾向が確認されている。
これに対し、LSCとペロブスカイト型の複合銅酸化物(LBC,LBCC,LBCF,LBCM,LBCN)とを組み合わせることで得られた導電性接合材は、ガラスフリットを1質量%添加することで1MPaの応力に耐える良好な接合性が、5ないしは10質量%添加することで5MPaの応力に耐える優れた接合性が実現されることが確認できた。かかる優れた接合性は、ガラスフリットの添加量を50質量%とした場合でも実現され得るが、ガラスフリットの添加量が増大すると不要な電気伝導率の低下を招き得る。この点を勘案すると、LSCと上記複合銅酸化物とを組み合わせた導電性接合材については、詳細は複合銅酸化物の組成等によって異なるものの、概ね、ガラスフリットの添加量を1〜40質量%とするのが好ましく、さらには、5〜30質量%とするのがより好ましいことがわかった。
以上のことから、LSCと上記複合銅酸化物を組み合わせて導電性材料として用いた導電性接合材は、高温でLSCFおよびSUS430基板等を接合する用途の導電性接合材として好適であることが確認できた。
<実施例2>
導電性接合材(No.50〜60)を調製して、上記実施例1と同様の条件で、接合部の電気伝導率、熱膨張率、接合性試験およびヒートサイクル耐性を評価し、その結果を表3に示した。なお、本実施形態で調整した導電性接合材における導電性材料(ペロブスカイト型酸化物)としては、表3に示す組成のコバルタイトと、LBC(複合銅酸化物)とを、質量比で30:70の割合で混合して用いた。また、ガラスフリットとしては、上記ガラスフリット組成1の組成を有し、軟化点が700℃のガラスフリットを用いた。ガラスフリットは、導電性材料とガラスフリットの合計を100質量%としたとき30質量%の割合となるよう配合した。
Figure 0006008818
表3に示されるように、コバルタイトの組成を様々に変化させたNo.50〜60のいずれの導電性接合材を用いた場合でも、上記の通り、700℃の高温でも高い電気伝導性を示し、かつ、熱膨張係数が約14×10−6−1の接合部が形成できた。そしてかかる導電性接合材を用いることで、ヒートサイクルでの接合性に優れた接合部を形成することができることが確認された。
なお、具体的な結果は示していないものの、コバルタイトとしてサマリウムストロンチウムコバルタイトを用い、そのサマリウムとストロンチウムとの配合割合を変化させた場合についても、上記と同様の傾向であり、良好な導電性接合材が得られることが確認できた。
<実施例3>
導電性接合材(No.61〜63)を調製して、上記実施例1と同様の条件で、接合部の電気伝導率、熱膨張率、接合性試験およびヒートサイクル耐性を評価し、その結果を表4に示した。なお、本実施形態で調整した導電性接合材における導電性材料(ペロブスカイト型酸化物)としては、コバルタイトとしてのLSCと、複合銅酸化物としての表4に示すLBC、LBCC、LBCFのいずれかとを、質量比で90:10の割合で混合して用いた。また、ガラスフリットとしては、上記ガラスフリット組成1の組成を有し、軟化点が700℃のガラスフリットを用いた。ガラスフリットは、導電性材料とガラスフリットの合計を100質量%としたとき40質量%の割合となるよう配合した。
Figure 0006008818
表4に示されるように、コバルタイトの割合を増やして導電性接合材(No.61〜63)を調製した場合には、熱膨張係数が約15×10−6−1と比較的高めではあるものの、700℃の高温でも高い電気伝導性を示す接合部が形成できた。そしてかかる導電性接合材を用いることで、ヒートサイクルでの接合性が良好ないしは優れた接合部を形成することができることが確認された。
なお、具体的な結果は示していないものの、コバルタイトとしてサマリウムストロンチウムコバルタイトを用い、そのサマリウムとストロンチウムとの配合割合を変化させた場合についても、上記と同様の傾向であり、良好な導電性接合材が得られることが確認できた。
<実施例4>
導電性接合材(No.64〜66)を調製して、上記実施例1と同様の条件で、接合部の電気伝導率、熱膨張率、接合性試験およびヒートサイクル耐性を評価し、その結果を表5に示した。なお、本実施形態で調整した導電性接合材における導電性材料(ペロブスカイト型酸化物)としては、コバルタイトとしてのLSCと、複合銅酸化物としての表5に示すLBC、LBCC、LBCFのいずれかとを、質量比で10:90の割合で混合して用いた。また、ガラスフリットとしては、上記ガラスフリット組成1の組成を有し、軟化点が700℃のガラスフリットを用いた。ガラスフリットは、導電性材料とガラスフリットの合計を100質量%としたとき40質量%の割合となるよう配合した。
Figure 0006008818
表5に示されるように、コバルタイトの割合を減らして導電性接合材(No.64〜66)を調製した場合には、熱膨張係数が約13×10−6−1と、SUS430とLSCFの熱膨張係数のちょうど中間の値に調整され、700℃の高温でも良好な電気伝導性を示す接合部が形成できた。そしてかかる導電性接合材を用いることで、ヒートサイクルでの接合性が極めて良好な接合部を形成することができることが確認された。
なお、具体的な結果は示していないものの、コバルタイトとしてサマリウムストロンチウムコバルタイトを用い、そのサマリウムとストロンチウムとの配合割合を変化させた場合についても、上記と同様の傾向であり、良好な導電性接合材が得られることが確認できた。
以上のことから、ここに開示される導電性接合材は、例えば、LSCF基板とSUS403基板といった熱膨張係数の異なる材料を、特に高温で、接合する際に用いる接合材料として好ましく利用できることが確認できた。また、この導電性接合材は導電性材料として、LSCとペロブスカイト型複合銅酸化物とを併用していることから、高電気伝導性と低熱膨張係数とをバランス良く両立し得る。また、比較的安価である点でも好ましい。したがって、ここに開示される導電性接合材は、例えば、SOFCの空気極材料とインターコネクタとの接合等に特に好適に使用可能であることがわかった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 SOFCシステム
10,10A,10B 単セル
20 接合部
22 固体電解質
24 空気極(カソード)
25 反応抑止層
26 燃料極(アノード)
30,30A,30B インターコネクタ
32 ,34 セル対向面
33 空気流路
35 燃料ガス流路
70 ガス管
100 スタックセル

Claims (11)

  1. ペロブスカイト型酸化物粉末と、ガラスフリットと、を含み、
    前記ペロブスカイト型酸化物は、
    下記一般式:
    (Ln 4−a 1+a)(Cu5−b )O13+δ …(1)
    (式中、Lnはランタノイドから選択される1種または2種以上の元素であり、MはSr、CaおよびBaからなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、MはCu以外の遷移金属元素からなる群から選択される1種または2種以上の元素であり、a,bは−0.3≦a≦0.3、0≦b<2を満たす実数であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である)
    で示される、複合銅酸化物と、
    下記一般式:
    (Ln 1−xSr)(Co1−y )O3−δ’ …(2)
    (式中、Lnはランタノイドから選択される1種または2種以上の元素であり、MはTi,Mn,Fe,Niから選択される1種または2種以上の元素であり、x,yは0≦x≦1、0≦y<1を満たす実数であり、δ’は電荷中性条件を満たすように定まる値である)
    で示されるコバルタイトと、
    を含み、
    前記ガラスフリットは、軟化点が600℃以上800℃以下の範囲である、導電性接合材。
  2. 前記ガラスフリットの軟化点以上の温度で焼成した焼成物の状態での25℃から500℃までの熱膨張係数が、12×10−6−1以上15.5×10−6−1以下である、請求項1に記載の導電性接合材。
  3. 前記ガラスフリットは、前記ペロブスカイト型酸化物粉末と前記ガラスフリットとの合計を100質量%としたとき、1質量%以上40質量%以下の割合で含まれている、請求項1または2に記載の導電性接合材。
  4. 前記ガラスフリットは、ガラスマトリックス中に少なくともリューサイト結晶が析出している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性接合材。
  5. 前記リューサイト結晶は、ガラスフリットの全体を100質量%としたとき、1質量%以上30質量%以下の割合で含まれている、請求項4に記載の導電性接合材。
  6. 前記ガラスフリットは、酸化物換算の質量比で以下の組成:
    SiO 60〜75質量%;
    Al 5〜15質量%;
    NaO 3〜15質量%;
    O 5〜15質量%;
    MgO 0〜 3質量%;
    CaO 0〜 3質量%;
    0〜 3質量%;
    から実質的に構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性接合材。
  7. 前記ペロブスカイト型酸化物粉末と、前記ガラスフリットとが、有機媒体中に分散されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性接合材。
  8. 少なくとも一の酸化物部材と一の金属部材とを接合するために用いられ、
    前記一の酸化物部材は、25℃から1000℃までの熱膨張係数が15×10−6−1以上20×10−6−1以下の酸化物材料により構成され、
    前記一の金属部材は、25℃から500℃までの熱膨張係数が10×10−6−1以上12×10−6−1以下の金属材料により構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性接合材。
  9. 前記一の金属部材と前記一の酸化物部材とを700℃〜900℃で接合するように構成されている、請求項8に記載の導電性接合材。
  10. 前記一の酸化物部材は固体酸化物形燃料電池の空気極であり、前記一の金属部材は固体酸化物形燃料電池のインターコネクタである、請求項8または9に記載の導電性接合材。
  11. 固体電解質の一方の表面に燃料極を、他方の表面に空気極を備えた固体酸化物形燃料電池セルと、
    前記空気極に接合された金属部材と、
    を備える固体酸化物形燃料電池システムであって、
    前記空気極と前記金属部材との接合部分には、請求項1〜10のいずれか1項に記載の導電性接合材が焼成されてなる接合部が備えられている、固体酸化物形燃料電池システム。
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