JP2012043801A - 電極材料及びそれを含む固体酸化物型燃料電池セル - Google Patents

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Abstract

【課題】出力特性の低下を抑制可能な固体電解質型燃料電池を提供する。
【解決手段】固体酸化物型燃料電池セルは、空気極と、燃料極と、空気極と燃料極との間に配置される固体電解質層と、を備える。空気極は、ジルコニア、ランタンジルコネート又はストロンチウムジルコネートを、厚み方向における固体電解質側の表面領域、又は、厚み方向における内部領域に含有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、電極材料及びそれを含む固体酸化物型燃料電池セルに関する。
近年、環境問題及びエネルギー資源の有効利用の観点から、燃料電池に注目が集まっており、燃料電池に関して、いくつかの材料及び構造が提案されている。
特許文献1には、固体電解質型燃料電池(SOFC)セルの空気極の原料粉体として、LSCF粉体を用いることが記載されている。
特開2006−32132号公報
しかしながら、従来の燃料電池では、空気極と固体電解質層との界面における剥離や、発電の繰り返しによる空気極の劣化(空気極の微細構造の変化)などの不具合が生じることがある。このような空気極の不具合が生じると、出力特性が低下する。
本発明は、出力特性の低下を抑制可能な固体電解質型燃料電池を提供することを課題とする。
本発明に係る固体酸化物型燃料電池セルは、空気極と、燃料極と、空気極と燃料極との間に配置される固体電解質層と、を備える。空気極は、ジルコニア、ランタンジルコネート又はストロンチウムジルコネートを、厚み方向における固体電解質側の表面領域、又は、厚み方向における内部領域に含有している。
本発明によれば、出力特性の低下を抑制可能な固体電解質型燃料電池を提供することができる。
燃料電池の要部構成を示す断面図である。 熱サイクル試験前の空気極の微細構造を示すSEM画像である。 0.3重量%のジルコニアを含む空気極の熱サイクル試験後のSEM画像である。 0.001重量%のジルコニアを含む空気極の熱サイクル試験後のSEM画像である。
1.電極材料
電極材料は、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物と、ジルコニア(ZrO2)およびジルコニアを含む化合物(例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)など)の少なくとも一方と、を含有する。
複合酸化物の組成は、一般式ABO3で表される。また、Aサイトには、La及びSrの少なくとも一方が含まれてもよい。
このような複合酸化物の具体例としては、LSCFつまり(LaSr)(CoFe)O3、LSFつまり(LaSr)FeO3、LSCつまり(LaSr)CoO3、LNFつまりLa(NiFe)O3、SSCつまり(SmSr)CoO3等の材料が挙げられる。これらの複合酸化物は、酸素イオン伝導性と電子伝導性を併せ持つ物質であり、混合導電材料と呼ばれる。
電極材料は、複合酸化物を「主成分」として含むことができる。組成物Xが物質Yを「主成分として含む」とは、組成物X全体のうち、物質Yが好ましくは60重量%以上を占め、より好ましくは70重量%以上を占め、さらに好ましくは90重量%以上を占めることを意味する。
また、電極材料は、粉体であってもよい。粉体の平均粒径は、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは5.0μm以下であり、さらに好ましくは1.0μm以下である。平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−700)によって測定される。
ジルコニアの含有量は、電極材料全体に対して0.3×10-2重量%以上1重量%以下である。ジルコニアの含有量は、例えば、電極材料をICP−AES(ICP発光分光分析法:Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy)によって測定することができる。
なお、電極材料は、上述の複合酸化物及びジルコニア以外の成分を含んでいてもよい。
2.電極材料の製造方法
上記1.欄の電極材料の製造方法の例を以下に説明する。
製造方法は、具体的には、ペロブスカイト構造を有する複合酸化物を得ること、この複合酸化物を粉砕すること、及び複合酸化物にジルコニアを添加すること、を含む。
ペロブスカイト構造を有する複合酸化物を得る方法としては、固相法、液相法(クエン酸法、ペチニ法、共沈法等)等が挙げられる。
粉砕には、例えばボールミルが用いられる。粉砕の前に、解砕を行ってもよい。すなわち、ペロブスカイト構造を有する材料の塊を作製し、これを200μm以下に砕いた後(解砕した後)、さらに細かく粉砕することができる。解砕及び粉砕によって、材料の平均粒径は、20μm以下、5μm以下、又は1μm以下に調整される。
ジルコニアの添加量は、好ましくは、電極材料全体の0.3×10-2重量%以上に調整される。ジルコニアの添加量は、電極材料全体の1重量%以下に調整されてもよい。ジルコニアを添加するときは、粉砕後のペロブスカイト構造を有する複合酸化物に、ジルコニア粉体を混合してもよいし、粉砕前の複合酸化物とジルコニア片とを共に粉砕してもよい。さらに、ジルコニアを含む化合物(例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)など)を添加することによって、或いは、ジルコニアを含む化合物とジルコニアとの両方を添加することによって、上記範囲内にジルコニアの添加量を調整してもよい。
3.燃料電池(固体酸化物型燃料電池)
燃料電池の一例として、固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)を挙げる。特に以下では、主に、複数の燃料電池セルが積層されたセルスタック構造を有するSOFCについて説明する。
3−1.燃料電池の概要
図1に示すように、燃料電池10は、燃料電池セル(単に「セル」と称される)1と、集電部材4とを備える。
3−2.セル1の概要
セル1はセラミックスの薄板である。セル1の厚みは、例えば30μm〜700μmであり、セル1の直径は、例えば5mm〜50mmである。セル1は、図1に示すように、燃料極11、バリア層13、空気極14、および電解質層(固体電解質層)15を備える。
3−3.燃料極
燃料極11の材料としては、例えば、公知の燃料電池セルにおいて燃料極の形成に用いられる材料が用いられる。燃料極11の材料として、より具体的には、NiO‐YSZ(酸化ニッケル‐イットリア安定化ジルコニア)及び/又はNiO‐Y23(酸化ニッケル‐イットリア)が挙げられる。燃料極11は、これらの材料を主成分として含むことができる。燃料極11は、アノードとして機能する。
また、燃料極11は、セル1に含まれる他の層を支持する基板(支持体と言い換えてもよい)として機能してもよい。つまり、燃料極11の厚みは、セル1に含まれる複数の層の中で、最も大きな厚みを有していてもよい。燃料極11の厚みは、具体的には10μm〜600μmであってもよい。
なお、燃料極11は、還元処理(例えばNiOをNiに還元する処理)を受けることで、導電性を獲得することができる。
また、燃料極11は、2つ以上の層を有してもよい。例えば、燃料極11は、2つの層、すなわち、基板とその上に形成された燃料極活性層(燃料側電極)とを有してもよい。基板及び燃料極活性層の材料は、上述した燃料極11の材料から選択可能である。より具体的には、NiO‐Y23で構成された基板と、NiO‐YSZで構成された燃料極活性層とが組み合わせられてもよい。
3−4.バリア層
バリア層13は、空気極14と燃料極11との間に設けられ、より具体的には、空気極14と電解質層15との間に設けられる。
バリア層13は、セリウムを含む。バリア層は、セリウムをセリア(酸化セリウム)として含んでもよい。具体的には、バリア層13の材料として、セリア及びセリアに固溶した希土類金属酸化物を含むセリア系材料が挙げられる。バリア層13は、セリア系材料を主成分として含むことができる。
セリア系材料として、具体的には、GDC((Ce, Gd)O2:ガドリニウムドープセリア)、SDC((Ce, Sm)O2:サマリウムドープセリア)等が挙げられる。セリア系材料における希土類金属の濃度は、好ましくは5〜20mol%である。バリア層13は、セリア系材料の他に、添加剤を含んでいてもよい。
バリア層13の厚みは、30μm以下であってもよい。
バリア層13は、空気極14から電解質層15へのカチオンの拡散を抑制することができる。すなわち、バリア層13は、出力密度の低下を抑制し、セル1の寿命を長期化することができる。
3−5.空気極
空気極14は、上記1.欄で説明した電極材料によって構成されている。空気極14の厚みは、5μm〜50μm程度であってもよい。
空気極14が他の層と接触している場合には、厚み方向における他の層側の表面領域において空気極14がジルコニアを含有することで、空気極14と他の層との界面における剥離が抑制される。これは、空気極14中のジルコニアと他の層の成分とが固溶することによる効果であると考えられる。
また、発電を繰り返すことで、空気極14には劣化(微細構造の変化)が生じ得るが、空気極14が厚み方向における内部領域にジルコニアを含有することで、ジルコニアによって空気極14内部の骨格を強化することができる。そのため、空気極14の微細構造の変化を抑制することができる。
ところで、ジルコニアと空気極中の他の成分とが反応することがある。得られた反応物によって、セルの電気抵抗値の上昇、反応活性点の減少、空気極の組成の不均一化等による出力密度の低下現象が起こることがあり得る。しかしながら、ジルコニアの含有量が1重量%以下であることで、これらの現象も抑制される。
以上に述べた、ジルコニア添加による効果は、本発明者らが独自に見出したものである。
ジルコニアは、これらの効果を得るため以外に、電子伝導材料に酸素イオン伝導性を付与するためにも用いられる。例えば、LSM:(LaSr)MnO3は、酸素イオン伝導性を有しない電子伝導材料であるので、空気極として使用する場合に、LSMとジルコニアを混ぜて、コンポジット材料として使用することができる。
しかしながら、酸素イオン伝導性を得るためにジルコニアが用いられる場合、LSMとジルコニアとの配合比は1:1程度である。上述したように、このような酸素イオン伝導性を得るためのジルコニアの含有率と比べて、本実施形態における電極材料のジルコニア含有率は非常に低い(1重量%以下)。すなわち、本発明者らは、酸素イオン伝導性付与に用いられるような多量添加ではなく、微量添加による特有の効果を見出した。
なお、以上の説明では特に触れていないが、電極材料にランタン(La)が含まれる場合、電極材料に添加されたジルコニアを構成するジルコニウムの少なくとも一部は、空気極14においてランタンジルコネート(La2Zr27)として存在していてもよい。同様に、電極材料にストロンチウム(Sr)が含まれる場合、電極材料に添加されたジルコニアを構成するジルコニウムの少なくとも一部は、空気極14においてストロンチウムジルコネート(SrZrO3)として存在していてもよい。
空気極14が他の層(例えば、電解質層15)と接触している場合には、厚み方向における他の層側の表面領域において空気極14がランタンジルコネート又はストロンチウムジルコネートを含有することで、空気極14と他の層との界面における剥離が抑制される。
また、空気極14が厚み方向における内部領域にランタンジルコネート又はストロンチウムジルコネートを含有することで、ジルコニアによって空気極14内部の骨格を強化することができる。そのため、空気極14の微細構造の変化を抑制することができる。
ジルコニウムがジルコニアを構成しているか、ランタンジルコネートを構成しているか、或いはストロンチウムジルコネートを構成しているかは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)の回折パターンを分析することによって判別可能である。
また、本実施形態ではバリア層13が空気極14に接触しているが、この他に例えば固体電解質層15が空気極14に接触してもよい。
3−6.電解質層
電解質層15は、バリア層13と燃料極11との間に設けられる。
電解質層15はジルコニウムを含む。電解質層15は、ジルコニウムをジルコニア(ZrO2)として含んでもよい。具体的には、電解質層15は、ジルコニアを主成分として含むことができる。電解質層15は、ジルコニアの他に、Y23及び/又はSc23等の添加剤を含むことができる。これらの添加剤は、安定剤として機能することができる。電解質層15における添加剤の添加量は、3〜20mol%程度である。すなわち、電解質層15の材料として、3YSZ、8YSZ及び10YSZ等のイットリア安定化ジルコニア;並びにScSZ(スカンジア安定化ジルコニア);等のジルコニア系材料が挙げられる。
電解質層15の厚みは、30μm以下であってもよい。
3−7.集電部材
集電部材4は、複数の導電接続部41を備える。
図1に示すように、導電接続部41は、集電部材4に設けられた凹部であり、その底部分が導電性接着剤411を介して空気極14に接続されている。導電接続部41の底部は、その周囲と非連続な部分を有している。
発電時には、燃料極11に燃料ガスが供給される。空気極14への空気の供給は、セルスタック構造の側面側(例えば図1の紙面手前側)から空気を吹き付けることでなされる。
なお、図示しないが、燃料電池10は、セルスタックで発生した電流を外部装置へ送るリード、燃料ガスを改質する触媒等を含んだガス改質部等の部材をさらに備えている。
4.燃料電池セルの製造方法
4−1.燃料極の形成
燃料極11は、圧粉成形によって形成可能である。すなわち、燃料極11は、燃料極11の材料が混合された粉末を型に入れ、圧縮して、圧粉体を成形することを含んでもよい。
燃料極11の材料は、燃料電池セルの構成についての上記説明で述べた通りである。材料としては、例えば、酸化ニッケル、ジルコニア、及び必要に応じて造孔剤が用いられる。造孔剤とは、燃料極中に空孔を設けるための添加剤である。造孔剤としては、後の工程で消失する材料が用いられる。このような材料として、例えばセルロース粉末が挙げられる。
材料の混合比は、特に限定されるものではなく、燃料電池に求められる特性等に応じて、適宜設定される。
圧粉成形時に粉末にかけられる圧力も、燃料極が充分な剛性を有するように設定される。
なお、ガスの流路(図示せず)等の燃料極11の内部構造は、焼成によって消失する部材(セルロースシート等)を粉体の内部に配置した状態で圧粉成形を行い、その後に焼成を行うことによって形成される。
4−2.電解質層の形成
燃料電池セルの製造方法は、圧粉成形によって形成された燃料極の成形体上に、電解質層を形成することを含む。
電解質の形成方法としては、例えば、シート状に加工された電解質材料を用いるCIP(cold isostatic pressing)若しくは熱圧着、又はスラリー状に調製された電解質材料に燃料極を浸すスラリーディップ法が挙げられる。CIP法において、シートの圧着時の圧力は、好ましくは50〜300MPaである。
4−3.焼成
燃料電池セルの製造方法は、圧粉成形された燃料極及び電解質層を、共焼成(共焼結)することを含む。焼成温度及び焼成時間などの条件は、セルの材料等に応じて設定される。焼成温度は、例えば1350℃〜1500℃程度に設定でき、焼成時間は、例えば1時間〜20時間程度に設定できる。
4−4.脱脂
上記4−3の焼成の前に、脱脂を行ってもよい。脱脂は、加熱によって実行される。脱脂温度及び脱脂時間などの条件は、セルの材料等に応じて設定される。脱脂温度は、例えば600℃〜900℃程度に設定でき、脱脂時間は、例えば1時間〜20時間程度に設定できる。
4−5.空気極の形成
空気極は、例えば、燃料極、電解質層、及びバリア層の積層体(焼成後)上に、圧粉形成、印刷法等によって空気極の材料の層を形成した後、焼成することで形成される。焼成温度及び焼成時間などの条件は、セルの材料等に応じて設定される。焼成温度は、例えば900℃〜1200℃程度に設定でき、焼成時間は、例えば1時間〜10時間程度に設定できる。
4−6.他の工程
燃料電池セルの構成に応じて、製造方法は他の工程をさらに含んでもよいし、上述の工程の内容が変更されてもよい。例えば、製造方法は、電解質層と空気極との間に反応防止層を設ける工程を含んでもよいし、2層構造の燃料極を形成する工程(基板を形成する工程及び燃料極活性層を形成する工程)を含んでもよい。
A.セルの作製
NiO-8YSZ燃料極(500μm)上に、NiO-8YSZ燃料極活性層(10μm)、8YSZ電解質層(3μm)、GDCバリア層(3μm)を積層した後、1400℃で2hrの条件で、共焼成した。
表1〜表3に示すように、(La0.6Sr0.4)(Co0.2Fe0.8)O3、(La0.8Sr0.2)FeO3、La(Ni0.6Fe0.4)O3にジルコニアを添加することで得られた電極材料(粉体)を用いてペーストを作製し、このペーストをスクリーン印刷法により膜化することで、バリア層上に空気極(30μm)を形成した。なお、粉体の平均粒径をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−700)で測定したところ、平均粒径は0.5μmであった。空気極は、1000℃下で2hr加熱されることで、バリア層上に焼き付けられた。
以上の操作によって、SOFCセルを得た。
B.評価
B−1.電力の出力密度
このように作製したSOFCセルを用いて、750℃下で、0.8Vにおける出力密度を測定した。
セルが(La0.6Sr0.4)(Co0.2Fe0.8)O3を主成分とする空気極を有する場合には、基準値である600mW/cm2以上の出力密度を示せば、良好と評価した。表1では、良好な出力密度を示したセルについては"良好"と表記し、そうでないセルについては"不良"と表記している。同様に、セルが(La0.8Sr0.2)FeO3を主成分とする空気極を有する場合には、300mW/cm2以上の出力密度を示せば"良好"と評価し、セルがLa(Ni0.6Fe0.4)O3を主成分とする空気極を有する場合には、400mW/cm2以上の出力密度を示せば"良好"と評価した。
B−2.熱サイクル試験
赤外線ランプを用いて、本セルの熱サイクル試験を実施した。750℃まで10分で昇温し、30分で常温まで冷却する条件にて100回の熱サイクル試験を実施し、顕微鏡を用いて空気極とバリア層との界面における剥離の有無を観察した。
剥離が生じたセルについては、たとえ電力の出力密度が基準値を満たしていても、"不良"と評価した。
B−3.空気極の微細構造の観察
上記B−2の熱サイクル試験前後の空気極の構造を、SEM(scanning electron microscope)によって観察した。
C.結果
出力密度及び熱サイクル試験の評価結果を表1〜表3に示す。
表1〜表3に示すように、ジルコニア添加量が0.1×10-2重量%以下であるとき、主成分の組成にかかわらず、空気極の剥離が観察された。一方で、ジルコニア添加量が0.3×10-2重量%以上であるとき、剥離は見られなかった。
また、ジルコニア添加量が1.50重量%である場合、主成分の組成にかかわらず、得られる出力密度は低かった。これに対して、ジルコニア添加量が1.00重量%以下である場合は、高い出力密度が得られた。
ジルコニアの添加量が0.3×10-2重量%以上であるときに空気極の剥離が抑制された理由としては、適量なジルコニア添加により、空気極とそれに接触する電解質層との界面においてジルコニアとセリアの固溶体が形成され、この固溶体が、空気極と電解質層との密着力の向上に貢献したからであると考えられる。なお、空気極に接触する層は、本例では電解質層であるが、バリア膜等の他の層であっても同様の効果があるものと考えられる。
一方で、添加量が多すぎると、出力密度が低下した。その原因として、空気極の成分であるランタン(La)またはストロンチウム(Sr)とジルコニアとの反応により、ランタンジルコネートまたはストロンチウムジルコネート等が生成されることで、
・これらの反応結果物の導電性は低いので、セルの抵抗値が上昇すること、
・反応活性点が減少すること、及び/又は、
・空気極中で組成が不均一になること
が考えられる。
また、これらの他に、ジルコニアの微量添加は、空気極の微細構造を安定化させる効果を奏すると考えられる。いずれの空気極でも、熱サイクル試験前には、図2に示すような微細構造を有していた。しかし、熱サイクル試験後には、図4に示すようにNo.10の空気極はこの構造が崩れていた。これに対して、図3に示すように、No.4の空気極は、熱サイクル試験後も構造を維持していた。このような構造の維持効果は、ジルコニアを0.03重量%以上含む試料において見られ、特に0.1重量%以上含む試料において顕著に観察された。図示しないが、空気極の主成分が(La0.6Sr0.4)(Co0.2Fe0.8)O3である場合に限らず、(La0.8Sr0.2)FeO3、La(Ni0.6Fe0.4)O3である場合においても、同様の結果が得られた。
なお、ジルコニアのこれらの作用機序は、本発明を限定するものでない。
本発明に係る電極材料は、導電性が求められる種々の部材に適用可能である。特に、この電極材料は、固体酸化物型燃料電池セルの空気極に適用可能である。
1 燃料電池セル
10 燃料電池
11 燃料極
13 バリア層
14 空気極
15 電解質層
4 集電部材
41 導電接続部

Claims (1)

  1. 空気極と、
    燃料極と、
    前記空気極と前記燃料極との間に配置される固体電解質層と、
    を備え、
    前記空気極は、ジルコニア、ランタンジルコネート又はストロンチウムジルコネートを、厚み方向における前記固体電解質側の表面領域、又は、厚み方向における内部領域に含有している、
    固体酸化物型燃料電池セル。
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