JP2014216119A - 固体酸化物形燃料電池用グリーンシートおよびその製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池用グリーンシートおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】SOFCの単セル間、あるいは単セルと他の接続部材(例えばインターコネクタ)との間を高い気密性で接合封止し得る封止部を備えたグリーンシートを提供すること。【解決手段】本発明により、固体酸化物形燃料電池の構築に用いられるグリーンシート(未焼成シート)が提供される。かかるグリーンシートは、少なくとも導電性材料とバインダとを含むアノード層と、該アノード層の表面に形成された封止部であって少なくともガラスとバインダとを含む封止部とを備えている。そして、上記アノード層および上記封止部はロール成形によってなり、上記グリーンシートの有機物含有率は10質量%未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池に関し、詳しくは該電池の構築に用いられるグリーンシートおよびその製造方法に関する。
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell;以下、単に「SOFC」という。)は、種々のタイプの燃料電池のなかでも発電効率が高く、また多様な燃料の使用が可能なため、環境負荷の少ない次世代の発電装置として開発が進められている。
SOFCは、その基本構造(以下、SOFCを構成する最小単位を「単セル」という。)として、酸化物イオン伝導体からなる緻密な固体電解質の一方の面に多孔質構造の空気極(カソード)が、他方の面に多孔質構造の燃料極(アノード)が形成されている。使用に際しては、両電極にガスを供給するためのガス管が接続され、かかるガス管を通じて、アノードが形成された側の固体電解質の表面に燃料ガス(例えばH(水素)含有ガス)が、カソードが形成された側の固体電解質の表面にO(酸素)含有ガス(典型的には空気)が供給されることで電池反応を生じ、電気エネルギーが生成される。したがって、単セルとガス管の間は、高い気密性が確保されるように封止される必要がある。
また、通常、SOFCは高い電圧を得るために複数個の単セルを重ね合わせて複層化したスタックとして運転される。かかるスタック構造のSOFCでは、単セル同士を接続するためにインターコネクタが用いられている。インターコネクタは、典型的には金属製であり、単セル間を物理的且つ電気的に接続すると同時に、酸化性のガス(酸素含有ガス)と還元性のガス(燃料ガス)とを分離するセパレータとしての役割を担っている。したがって、インターコネクタと単セルの間も、高い気密性が確保されるように封止される必要がある。
このような封止部は、通常、例えばインターコネクタと単セルとの間(典型的にはインターコネクタと該単セルを構成するアノード層との間)にペースト状の封止材料(典型的にはガラスペースト)を付与したり、あるいは当該封止部位に焼結体(典型的にはガラスバルク焼結体)を配置したりして、これを焼成することによって形成される。
特開2012−146579号公報 特開2004−152773号公報 特開平7−25665号公報 特開2002−111210号公報 特開2007−134248号公報 特開2001−30419号公報
しかしながら、例えば単セル(典型的にはアノード層)の表面にペースト状の封止材料を直接付与(典型的には印刷)する方法では、バインダや溶媒のミスマッチによって封止部の剥離が生じ易いという課題があった。また、ペーストの付与を良好に行うために使用するバインダや溶媒の量を増やすと、封止部の緻密性が不足したり、焼成時に収縮・変形し易いといった課題もあった。さらに近年、SOFCの高性能化に伴ってSOFCの構造(具体的には単セルの構造やインターコネクタの構造)は、より複雑化する傾向にある。このため、例えば、単セルとガス管との封止部や、単セルとインターコネクタとの封止部において、気密性不良が生じ易い傾向にある。したがって、より気密性(シール性)が高く、また剥離等の不具合が生じ難い封止部が求められている。これに加えて、上述のような封止部の形成方法では作業効率が低下しがちであり、かかる工程で歩留まりが悪化する虞がある。したがって、より効率よく低コストで封止部を形成する方法が求められている。
本発明は、SOFCの構築に係る上記課題を解決すべく創出されたものであり、その目的は、SOFCの単セル間、あるいは単セルと他の接続部材(例えばガス管や金属製のインターコネクタ)との間を、高い気密性(シール性)で接合封止し得る封止部を備えたグリーンシートを提供することである。また、関連する他の目的は、かかるグリーンシートを効率よく安価に製造する方法を提供することである。さらに、関連する他の目的は、優れた発電性能と信頼性とを安定して発揮し得るSOFCを提供することである。
上記目的を実現するべく、本発明によって、SOFCの構築に用いられるグリーンシート(未焼成シート)が提供される。かかるグリーンシートは、少なくとも導電性材料とバインダとを含むアノード層と、該アノード層の表面に形成された封止部であって少なくともガラスとバインダとを含む封止部とを備えている。また、上記アノード層および上記封止部はロール成形によってなり、かかるグリーンシートの有機物含有率は10質量%未満である。
ロール成形によれば、封止材料をペースト状に調製する必要がなく、グリーンシート中に含まれる有機物の割合を10質量%未満と従来に比べて低減することができる。このため、グリーンシートの焼成時に発生し易い不都合(例えば反りや変形)を好適に抑制することができ、等方性に優れた(例えば厚み方向に対して組成や気孔率にバラつきが少ない均質な)アノード層、および緻密性や気密性に優れた封止部を実現することができる。さらに、ロール成形は、例えばドクターブレードや印刷成形等の従来の手法と比べて簡便なため、作業効率(典型的には乾燥時間の短縮)の向上や、製造コストの削減をも実現することができる。したがって、ここで開示されるグリーンシートによれば、より安価かつ効率的に、優れた発電性能を長期に渡って発揮し得る高性能なSOFCを実現することができる。
本明細書において、「グリーンシートの有機物含有率」とは、示差熱−熱重量同時分析(TG−DTA;ThermoGravimer−Differential Thermal Analysis)の手法によって測定した値をいう。具体的には、グリーンシートから所定の大きさの測定用試料を採取し、該測定用試料を酸素ガス雰囲気下において所定の昇温速度(例えば10℃/min)で500℃まで昇温し、100℃〜500℃の温度範囲における重量変化量(重量減少分)dWを測定する。この値dWを測定前の試料の重量Wで除すことによって、有機物含有率(=dW/W)を算出することができる。換言すれば、「グリーンシートの有機物含有率」は、典型的には、グリーンシート中のバインダおよび有機物系の添加剤(例えば可塑剤)が占める割合(質量%)である。
なお、ロール成形に係る従来技術としては、特許文献1〜6が挙げられる。例えば、特許文献1,2には、ロール成形によってアノード支持層を形成し得ることが記載されている。しかしながら、これらの文献には上述のような課題の認識はなく、よって本発明のようなアノード層と封止部とを備えたグリーンシートおよび該グリーンシートの製造方法については、何の開示も示唆もない。
好適な一態様では、上記封止部を構成する上記ガラスは、構成成分として、SiOと、Alと、少なくとも1種のアルカリ金属酸化物と、少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物と、を含んでいる。封止部に上記成分のガラスを含むことで、例えば室温〜SOFCの作動温度域(例えば800℃〜1200℃)において、機械的強度と気密性とをより高いレベルで両立することができる。
好適な一態様では、上記封止部を構成する上記ガラスは、酸化物換算の質量比で以下の組成:
SiO 60〜75質量%;
Al 5〜20質量%;
LiO、NaOおよびKOのうちの少なくとも1種 3〜20質量%;
MgO、CaOおよびSrOのうちの少なくとも1種 3〜20質量%;
から実質的に構成されている。かかる組成のガラスから構成される封止部は、緩衝作用を有し、より一層優れた気密性を発揮することができる。すなわち、このような組成のガラスはSOFCの使用温度域にガラス軟化点を有するため、封止部において好適な緩衝性能(応力緩和によるセル破損防止)を発揮し得、より高いシール性能(密着性)を実現することができる。したがって、本願発明の効果を高いレベルで発揮することができる。
好適な一態様では、上記封止部の熱膨張係数が10×10−6/K〜13×10−6/K(特には、11×10−6/K〜12×10−6/K)である。上記熱膨張係数の範囲を満たすことで、被接合物(例えば単セルの構成部材、インターコネクタ等)との整合をとることができる。したがって、例えば、SOFCの作動時の温度域(例えば800℃〜1200℃)と停止時の温度域(常温、例えば0℃〜40℃)との間で昇温と降温とを繰り返した場合であっても、長期にわたり高い気密性と機械的強度を発揮し得る、高耐久なSOFCを実現することができる。
なお、本明細書において、「熱膨張係数」とは、所定の温度領域において示差熱膨張計を用いて測定した平均線膨張係数であり、測定用試料の初期長さLに対する所定の温度範囲(例えば25℃〜500℃)における測定用試料長さLの変化量を温度差dTで割った値(〔L−L〕/dT)をいう。熱膨張係数の測定は、JIS R1618の測定方法に準じて実施することができる。
アノード層と封止部とは、いずれもバインダを含んでいる。好適な一態様では、アノード層と封止部とに少なくとも同種のバインダを含んでいる。これにより、アノード層と封止部との界面において自己組織化が生じ得、両層の親和性(密着性)をより高めることができる。したがって、その後の焼成において界面剥離が発生し難いグリーンシートを実現することができる。好適な他の一態様では、アノード層および封止部にバインダとしてエーテル系ポリマー(例えばアルキレンオキシド類)を含む。エーテル系ポリマーは、比較的少ない添加量で構成材料の粒子間を強固に接着することができる。このため、有機物含有率をより一層低減することができ、その後の焼成において変形や反り等の不具合を生じ難いグリーンシートを実現することができる。なかでも、アルキレンオキシド類は耐水性や耐薬品性に優れるため、アノード層や封止部の形状を長期に渡り安定的に保持することができる。したがって、耐久性に優れたSOFCを実現することができ、本願発明の効果をさらに高いレベルで発揮することができる。
好適な一態様では、上記アノード層の表面であって上記封止部の形成されていない部位に、少なくとも酸化物イオン伝導体とバインダとを含む固体電解質層をさらに備えている。かかる形態のグリーンシートを用いることで、気密性に優れ、長期に渡って安定して高い性能を発揮し得るSOFCを実現することができる。
また、本発明により、SOFCの形成に用いられるグリーンシートの製造方法が提供される。かかる製造方法は、以下の工程:
(1)少なくとも導電性材料とバインダとを含むアノード層形成用の原料混合物を用意すること;
(2)上記アノード層形成用原料混合物を用いて、ロール成形によってアノード層を成形すること;
(3)少なくともガラスとバインダとを含む封止部形成用の原料混合物を用意すること;および、
(4)上記成形したアノード層と、上記封止部形成用原料混合物とを用いて、ロール成形によって上記アノード層と上記封止部とを備えるグリーンシートを成形すること;
を包含する。そして、上記アノード層形成用原料混合物および上記封止部形成用原料混合物の用意は、当該混合物に含まれる有機物の含有率が10質量%未満となるよう行う。
かかる方法によれば、より効率よく低コストで、有機物含有率の低減されたグリーンシートを製造することができる。また、かかる方法で得られたグリーンシートによれば、封止部の気密性に優れ、高い発電性能を長期に渡って発現可能なSOFCを実現することができる。
好適な一態様では、上記ガラスとしては、構成成分として、SiOと、Alと、少なくとも1種のアルカリ金属酸化物と、少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物と、を含むものを用いる。これにより、例えば、機械的強度と気密性とを長期に渡り高いレベルで両立することができ、優れた耐久性を実現することができる。また、好適な他の一態様では、上記封止部の成形は、上記成形したアノード層と上記原料混合物とを同時にロール成形することによって行う。これにより、一層効率的且つ生産的にグリーンシートを製造することができる。
好適な他の一態様では、上記アノード層の表面であって上記封止部の形成されていない部位に、少なくとも酸化物イオン伝導体とバインダとを含む固体電解質層を形成することをさらに包含する。上記固体電解質層の形成は、例えば、ロール成形、印刷成形、ドクターブレード等によって行うことができる。なかでも、ロール成形を好適に採用することができる。
また、本発明により、アノード層と固体電解質層とカソード層と封止部とを備えたSOFCが提供される。ここで、上記アノード層および上記封止部は、ここで開示されるグリーンシートを焼成してなる焼成体によって構成されている。好適な一態様では、上記封止部の気孔率は5%以下である。ここで開示されるグリーンシートによれば、封止部の気密性に優れ、発電性能と信頼性(耐久性)とを高いレベルで両立可能なSOFCを実現することができる。
なお、本明細書において「気孔率」とは、水銀圧入法の測定によって得られる気孔容積Vbを見かけの体積Vaで除して100を掛けることにより算出した値(Vb/Va×100)をいう。
一実施形態に係るグリーンシートを模式的に示す断面図であって、(a)はアノード層および封止部を備えたグリーンシートを、(b)アノード層と固体電解質層と封止部と備えたグリーンシートを、それぞれ表している。 一実施形態に係るロール成形機を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係るロール成形機を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係るアノード支持型のSOFC(単セル)を備えた発電システムを模式的に示す断面図である。 一実施形態に係るSOFCスタックの構成を模式的に示す分解斜視図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
本発明により、SOFCの構築に用いられるグリーンシート(未焼成シート)が提供される。図1(a),(b)に、本発明の一実施形態に係るグリーンシートを模式的に示す。図1(a)に示すように、グリーンシート14は、アノード層10と、該アノード層の表面に形成された封止部60とを備えている。また、図1(b)に示すように、グリーンシート16は、アノード層10と、該アノード層の表面に形成された封止部60と、アノード層10の表面であって封止部60の形成されていない部位に形成された固体電解質層20と、を備えている。以下、各部位について順に説明する。
≪アノード層10≫
アノード層10は、少なくとも導電性材料とバインダとを含んでいる。
導電性材料としては、従来からSOFCのアノード層10の形成に用いられている電気触媒的作用(触媒活性)を有する物質のうち1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的には、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、ランタン(La)、金(Au)等の金属材料;酸化コバルト(CoO、Co、Co)、酸化ニッケル(NiO、Ni、Ni)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ルテニウム(RuO)等の金属酸化物材料;等を用いることができる。なかでもニッケルは他の金属に比べて比較的安価であり、且つ高い反応活性を示す(高い触媒能を有する)ことから、特に好適な金属種である。したがって、ここで開示されるグリーンシートでは、導電性材料としてニッケル系材料(例えば酸化ニッケル)を好ましく用いることができる。
好適な一態様では、導電性材料として、上記金属系材料(典型的にはニッケル系材料)と、後述する固体電解質層20の形成材料(典型的には酸化物イオン伝導体)とを混合した複合材料を用いる。アノード層10に固体電解質層20の形成材料を含むことで、アノード層10と固体電解質層20との整合性(例えば熱膨張係数の調和)をより向上させることができる。具体的には、例えば、上記ニッケル系材料(例えばNiO)と、安定化ジルコニア(例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ;Yttria stabilized zirconia)、カルシア安定化ジルコニア(CSZ;Calcia stabilized zirconia)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ;Scandia stabilized zirconia)等)とのサーメットを用いることができる。金属系材料と固体電解質層形成材料との混合比率(質量比)は特に限定されないが、例えば90:10〜40:60(好ましくは、80:20〜50:50)とすることができる。
導電性材料の性状は特に限定されないが、例えば平均粒径が0.01μm〜5μm(典型的には0.1μm〜2μm)程度の粉末状(粒子状)のものを好ましく用いることができる。また、上述のようなサーメットを調製・使用する場合には、実質的に同等な平均粒径を有する材料同士を混合して用いることが好ましい。例えば、平均粒径が凡そ0.1μm〜5μmのニッケル系材料と、平均粒径が凡そ0.1μm〜5μmの安定化ジルコニアとを上記比率で混合して用いることで、より均質なアノード層10を形成することができる。なお、本明細書において「平均粒径」とは、一般的なレーザー回折・光散乱法に基づく粒度分布測定により測定した体積基準の粒度分布において、微粒子側からの累積50%に相当する粒径(D50粒径、メジアン径ともいう。)をいう。また、平均粒径の調整は、従来公知の粉砕処理や篩いがけ、分級等によって行うことができる。
バインダとしては、熱可塑性を有し、且つ脱バインダ処理(典型的には、300℃以上で加熱焼成すること)によって蒸発除去し得るものであれば、特に限定なく用いることができる。例えば、エーテル系ポリマー;エステル系ポリマー;アクリル系ポリマー;イミド系ポリマー;ニトリル系ポリマー;ウレタン系ポリマー;ビニル系重合体;ゴム類;等を用いることができる。なかでも、エーテル系ポリマーを好ましく用いることができる。エーテル系ポリマーは、比較的少ない添加量で導電性材料の粒子間を強固に接着することができるため、アノード層10に含まれる有機物の量をより一層低減することができる。
エーテル系ポリマーは、大まかに言って、環状エーテル系と鎖状エーテル系とに分けられる。環状エーテル系ポリマーとしては、例えば、澱粉、グルコマンナン、アガロース、カラギーナン、グアーガム、アラビアガム、寒天等の天然ポリマー;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等の半合成ポリマー;ポリエーテルイミド、ポリチオエーテル、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンオキシド、ポリジメチルシロキサン等の合成ポリマー;のなかから1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。鎖状エーテル系ポリマーとしては、例えば、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリアルキレンオキシド類のなかから1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、鎖状エーテル系ポリマー(典型的にはアルキレンオキシド類、例えばポリエチレンオキシド)を好適に用いることができる。アルキレンオキシド類は、耐水性や耐薬品性に優れるため、アノード層10の形状を長期に渡り安定的に保持することができる。したがって、高耐久なアノード層10を実現することができる。
エーテル系ポリマーをそれ以外のバインダと併用する場合は、バインダ全体の50質量%以上(より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上)をエーテル系ポリマーとすることが好ましい。エーテル系ポリマー以外のバインダとしては、該エーテル系ポリマーと均一に混合し得るバインダであって、従来からSOFCのアノード層10の製造に用いられているバインダのなかから1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、アノード層10に含まれるバインダの種類は、例えば熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS;Gas Chromatography−Mass Spectrometry)によって把握することができる。
アノード層10には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、さらに各種添加剤、例えば、造孔材(気孔形成材)、可塑剤、酸化防止剤、増粘剤、分散剤等を必要に応じて含ませることもできる。造孔材としては、カーボン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、澱粉等を用いることができる。可塑剤としては、プロピレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル等のグリコールエーテル類;フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジトリデシル等のフタル酸エステル類;等を用いることができる。分散剤としては、カルボン酸系の高分子界面活性剤を用いることができる。
アノード層10全体に占める金属系材料(金属または金属酸化物)の割合は、例えば凡そ30質量%以上(典型的には40質量%〜80質量%)であり、通常は凡そ45質量%〜70質量%とすることが好ましい。固体電解質層20の形成材料(典型的には酸化物イオン伝導体)を使用する場合、アノード層10全体に占める固体電解質層形成材料の割合は、例えば凡そ10質量%〜50質量%とすることができ、通常は凡そ20質量%〜40質量%とすることが好ましい。また、アノード層10全体に占めるバインダの割合は、例えば凡そ1質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ2質量%〜7質量%とすることが好ましい。各種添加剤(例えば可塑剤)を使用する場合、アノード層10全体に占める添加剤の割合は、例えば0.1質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ0.5質量%〜7質量%とすることが好ましい。また、バインダと有機物系の添加剤(可塑剤等)との総和は、通常10質量%未満、好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。
アノード層10の有機物含有率は、通常10質量%未満、好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。上述の通り、ロール成形によってアノード層10を成形する場合、原料混合物をスラリー状に調製することを要しない。このため、従来に比べて有機物の含有量(典型的にはバインダの含有量)を低減することができ、上記有機物含有率の範囲を好適に実現することができる。これによって、以後の焼成において発生し得る不都合(例えば成形体の反りや変形)を一層抑制することができる。このことは、作業効率(典型的には乾燥時間の短縮)や製造コスト、環境衛生の観点からも好ましい。
アノード層10の形状は、構築されるSOFC(単セル)の形状等に応じて異なり得るため特に限定されないが、例えばシート状、平板状(長方形状、正方形状)、円筒状等であり得る。ここに示す形態では、正方形状である。また、アノード層10は、典型的にはSOFC(単セル)の支持体として、例えば後述する固体電解質層20やカソード層に比べて相対的に厚めに成形される。すでに上述のように、ロール成形によれば比較的厚いアノード層10であっても均質且つ安定的に形成することができる。好適な一態様では、アノード層10の平均厚みは、100μm以上(典型的には200μm以上、例えば500μm以上)であって、2000μm以下(典型的には1800μm以下、例えば1500μm以下)である。上記平均厚みの範囲とすることで、機械的強度や耐久性に優れたアノード層を実現することができる。
また、好適な他の一態様では、アノード層10は単層構造である。単層構造とすることで、アノード層10内の界面の数を減らすことができるため、界面間の封止不良を抑制することができ、さらには抵抗を低く抑えることができる。なお、アノード層10が単層構造であるか否かは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)観察によって確認することができる。具体的には、先ずクロスセクションポリッシャ加工等によってグリーンシートの断面出しを行い、この断面をSEMで観察する。そして、得られたSEM観察画像に基づいて(例えば色の濃淡に基づいて)、アノード層を構成する層の数(シートの枚数)および各層の平均厚みをそれぞれ計測することにより、該アノード層の層構造を明らかにすることができる。
≪封止部60≫
封止部60は、少なくともガラスとバインダとを含んでいる。
ガラスとしては、従来からSOFCの封止部60の形成に用いられている組成のものを適宜用いることができる。なかでも、高い気密性を実現する観点からは、SOFCの使用温度域において溶融し難い組成からなるものが好ましい。好ましい一態様として、構成成分として、SiOと、Alと、少なくとも1種のアルカリ金属酸化物と、少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物と、を含むガラスが挙げられる。上記成分を含むことで、室温〜SOFCの作動温度域(例えば800℃〜1200℃)において、機械的強度と気密性とを高いレベルで両立可能な封止部60を実現することができる。以下、各構成成分について順に説明する。
酸化ケイ素(SiO)は、ガラスの骨格を構成する成分(典型的には主成分)である。ガラス全体に占めるSiOの割合は、酸化物換算の質量比で凡そ60質量%以上とすることが好ましく、65質量%以上とすることがより好ましい。これにより、耐水性、耐薬品性、耐熱衝撃性を向上させることができる。また、上限値は、凡そ75質量%以下とすることが好ましく、70質量%以下とすることがより好ましい。これにより、融点(軟化点)が高くなりすぎてしまうことを防止することができ、比較的低い焼成温度でSOFCの封止を行うことができる。
酸化アルミニウム(Al)は、ガラスの流動性を制御して付着安定性に関与する成分である。かかる観点から、ガラス全体に占めるAlの割合は、酸化物換算の質量比で凡そ5質量%以上とすることが好ましく、10質量%以上とすることがより好ましい。また、上限値は、凡そ20質量%以下とすることが好ましく、例えば15質量%以下とすることがより好ましい。これにより、耐薬品性を向上させることができる。
アルカリ成分としてのアルカリ金属酸化物、例えば、酸化リチウム(LiO)、酸化ナトリウム(NaO)および酸化カリウム(KO)は、ガラスの熱膨張係数(熱膨張率)を高める成分である。かかる観点から、ガラス全体に占めるアルカリ金属酸化物の割合は、酸化物換算の質量比で凡そ3質量%以上とすることが好ましく、5質量%以上とすることがより好ましい。また、上限値は、凡そ20質量%以下とすることが好ましく、15質量%以下とすることがより好ましい。これにより、熱膨張係数を好適に維持することができる。また、ガラスの安定性(例えば耐薬品性)を向上させるためには、ナトリウム成分および/またはカリウム成分を含むことが好ましく、例えばKO含有率が5質量%〜15質量%、および/または、NaO含有率が5質量%〜15質量%(ただし、アルカリ金属酸化物の合計はガラス全体の3質量%〜20質量%)とすることが好ましい。
アルカリ土類金属酸化物、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)および酸化ストロンチウム(SrO)は、ガラスの熱膨張係数を調整する成分である。加えて、MgOはガラス溶融時の粘度調整を行うことができる成分でもあり、CaOはガラスの硬度を上げて耐摩耗性を向上させ得る成分でもある。ガラス全体に占めるアルカリ土類金属酸化物の割合は、酸化物換算の質量比で凡そ3質量%〜20質量%程度とすることが好ましく、5質量%〜15質量%程度とすることがより好ましい。これにより、SOFCの作動温度域(使用温度域)において好適な熱膨張係数を有するガラスとし得る。なかでも、マグネシウム成分および/またはカルシウム成分を含むことが好ましく、両方を含むことがより好ましい。例えば単セルとインターコネクタの間を封止する場合は、MgO含有率が5質量%〜10質量%、および/または、CaO含有率が1質量%〜5質量%(ただし、アルカリ土類金属酸化物の合計はガラス全体の3質量%〜20質量%)とすることが好ましい。
封止部60を形成するためのガラスは、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、さらに副次的成分を種々の目的に応じて含み得る。かかる副次的成分としては、例えば、ZnO、Bi、SnO、SnO、CuO、CuO、TiO、ZrO、La、B等が挙げられる。これら副次的なガラス構成要素の割合は、ガラス全体のうち酸化物換算の質量比で凡そ10質量%以下(典型的には5質量%以下、例えば3質量%以下)とすることが適当である。
また、ここで開示されるグリーンシートは、ガラス構成成分としてホウ素(酸化物形態はB)を含まないことが好ましい。ホウ素を含有しないことにより、固体電解質と電極との界面に飛散したホウ素が堆積してSOFCの性能を低下させる要因となる可能性を未然に防止することができる。
好適な一態様では、ガラスは、酸化物換算の質量比で、以下の組成:
SiO 60〜75質量%(例えば、65〜70質量%);
Al 5〜20質量%(例えば、10〜15質量%);
LiO、NaOおよびKOのうちの少なくとも1種 3〜20質量%(例えば、5〜15質量%);
MgO、CaOおよびSrOのうちの少なくとも1種 3〜20質量%(例えば、5〜15質量%);
から実質的に構成されている。このような組成のガラスを採用することにより、緩衝作用があり、シール性能に優れる封止部を形成することができる。
なお、ここで開示されるグリーンシートに含まれるガラスは、ガラス中にクリストバライト結晶、リューサイト結晶、フォーステライト結晶等が析出した、結晶化ガラスの形態であり得る。すなわち、本明細書において「ガラス」とは、結晶化ガラスであってもよく、結晶化ガラスでなくてもよい。かかる結晶化ガラスは従来公知の手法によって作製することができる。また、結晶化ガラスに含まれる結晶の析出量は、ガラス組成物中の構成成分(構成元素)の含有率(組成)によって調整することができる。
バインダとしては、例えば、アノード層10形成用として例示したもののなかから1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、鎖状エーテル系ポリマー(典型的にはアルキレンオキシド類、例えばポリエチレンオキシド)を好適に用いることができる。好適な一態様では、アノード層10および封止部60で、同種のバインダを用いる。これにより、アノード層10と封止部60との界面において自己組織化を生じ得、両層の親和性(密着性)をより高めることができる。したがって、その後の焼成において界面剥離が発生し難いグリーンシートを実現することができる。
なお、封止部60には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、さらに各種添加剤(例えば、可塑剤、酸化防止剤、増粘剤、分散剤等)を必要に応じて含ませることもできる。
封止部60全体に占めるガラスの割合は、例えば凡そ50質量%以上(典型的には60質量%〜99質量%)であり、通常は凡そ70質量%〜95質量%とすることが好ましい。また、封止部60全体に占めるバインダの割合は、例えば凡そ1質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ2質量%〜7質量%とすることが好ましい。各種添加剤を使用する場合、封止部60全体に占める添加剤の割合は、例えば0.1質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ0.5質量%〜7質量%とすることが好ましい。また、バインダと有機物系の添加剤(可塑剤等)との総和は、アノード層10と同様に、通常10質量%未満、好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。
封止部60の有機物含有率は、アノード層10と同様に、通常10質量%未満、好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下、特に好ましくは5質量%以下(且つ、グリーンシート14全体の有機物含有率が10質量%未満)である。上述の通り、ロール成形で封止部60を成形することにより、上記有機物含有率の範囲を好適に実現することができる。これによって、以後の焼成において発生し得る不都合(例えば成形体の反りや変形)を一層抑制することができる。
好適な一態様では、封止部60の熱膨張係数が10×10−6/K〜13×10−6/K(特には、11×10−6/K〜12×10−6/K)である。かかる熱膨張係数は、例えばSOFCの単セルの熱膨張係数と近似するものであり得る。したがって、かかる熱膨張係数を示す接合部を備えるSOFCでは、使用温度域(例えば800〜1200℃)と非使用時の温度(典型的には常温)との間で昇温と降温とを繰り返した場合であっても、封止部60の気密性と機械的強度とを長期にわたって維持することができる。
封止部60の形状は、構築されるSOFC(単セル)の形状等に応じて異なり得るため特に限定されない。ここに示す形態では、図1(a)のように、アノード層10の片側の表面における縁部に沿って、帯状に封止部60が形成されている。また、封止部60の寸法(厚さや大きさ)も、好適な気密性や強度を実現し得る限りにおいて特に限定されず、封止対象等に応じて適宜決定することができる。
ここで開示されるグリーンシート14は、有機物含有率が10質量%未満(好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下、特に好ましくは5質量%以下)であることを特徴とする。グリーンシート14に含まれる有機物の割合を10質量%未満と従来に比べて低減することで、焼成時に発生し易い不都合(例えば反りや変形)を好適に抑制することができ、等方性に優れたアノード層10、および気密性に優れた封止部60を実現することができる。
≪固体電解質層20≫
好適な一態様では、図1(b)に示すように、アノード層10の表面であって封止部60の形成されていない部位に、固体電解質層20をさらに備える。該固体電解質層は、少なくとも酸化物イオン伝導体とバインダとを含んでいる。
酸化物イオン伝導体としては、従来からSOFCの固体電解質層20の形成に用いられている物質のうち1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。好適例として、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、ストロンチウム(Sr)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)を含む酸化物が挙げられる。具体的には、イットリア(Y)、カルシア(CaO)、スカンジア(Sc)、マグネシア(MgO)、イッテルビア(Yb)、エルビア(Er)等の安定化剤で結晶構造を安定化させたジルコニア(ZrO);イットリア(Y)、ガドリニア(Gd)、サマリア(Sm)等のドープ剤をドープした酸化セリウム(CeO);等を用いることができる。なかでも、ジルコニア(ZrO)にイットリウムの酸化物(例えば、イットリア(Y))を固溶させたイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を好適に用いることができる。YSZは高い酸化物イオン伝導性を示し得るため、起動性に優れたSOFCを実現することができる。固溶させる酸化物の量は特に限定されないが、例えば凡そ1mol%〜20mol%(通常、凡そ5mol%〜10mol%)とすることができる。
好適な一態様では、上記酸化物イオン伝導体の平均粒径は、アノード層10の形成用として上述した導電性材料と概ね同等である。すなわち、平均粒径が0.01μm〜5μm程度(例えば0.1μm〜2μm)程度の酸化物イオン伝導体を好ましく用いることができる。アノード層10および固体電解質層20に含まれる材料の平均粒径を揃えることで、両者の層間における接着性を高めることができ、より高い封止性や機械的強度を実現することができる。
バインダとしては、例えば、アノード層形成用として例示したもののなかから1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー;等を用いることができる。なかでも、エチルセルロースやポリビニルブチラールを好適に用いることができる。
固体電解質層20全体に占める酸化物イオン伝導体の割合は、例えば凡そ50質量%以上であり、通常は凡そ60質量%〜70質量%とすることが好ましい。また、固体電解質層20全体に占めるバインダの割合は、例えば凡そ1質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。各種添加剤を使用する場合、固体電解質層20全体に占める添加剤の割合は、例えば0.1質量%〜20質量%とすることができ、通常は凡そ0.5質量%〜15質量%とすることが好ましい。
好適な一態様では、固体電解質層20の有機物含有率は10質量%未満、好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。また、固体電解質層20の平均厚みは、通常アノード層10よりも薄く、典型的には10μm以下、例えば7μm以下、特に5μm以下とすることが好ましい。上記範囲とすることで、抵抗をより低く抑えることができ、発電性能(高出力密度)の高いSOFCを実現することができる。また、固体電解質層20の平均厚みは、典型的には1μm以上、例えば2μm以上、好ましくは3μm以上とすることが好ましい。
≪グリーンシート14の製造方法≫
上述のようなグリーンシートを作製する方法は特に限定されないが、例えば、以下の工程を包含する製造方法によって好適に製造することができる。
(1)アノード層形成用の原料混合物を用意すること。
(2)上記原料混合物を用いて、ロール成形によってアノード層10を成形すること。
(3)封止部形成用の原料混合物を用意すること。
(4)成形したアノード層10と、上記封止部形成用原料混合物とを用いて、ロール成形によりアノード層10と封止部60とを備えるグリーンシート14を成形すること。
また、好適な一態様では、上記(4)の後に、さらに以下の工程を包含する。
(5)アノード層10の表面であって封止部60の形成されていない部位に、固体電解質層20を形成し、アノード層10と固体電解質層20と封止部60とを備えるグリーンシート16を得ること。
以下、各工程を順に説明する。
≪(1)アノード層形成用原料混合物の用意≫
ここで開示される製造方法では、先ず、アノード層10を形成するための原料混合物を用意する。かかる原料混合物は、例えば、上述のような導電性材料、バインダ、および必要に応じて用いられる他の成分(典型的には造孔材や可塑剤)を任意の撹拌混合装置に投入し、撹拌混合することによって調製することができる。撹拌混合装置としては、例えば、ボールミル、ミキサー、ディスパー、ニーダ等を用いることができる。装置の運転条件は、例えば、撹拌速度:50rpm〜300rpm、撹拌時間:0.5時間〜1時間程度とすることができる。これによって均質な原料混合物を安定的に且つ効率よく調製することができる。
原料混合物の組成比は、アノード層10の組成比と同様とすることができる。また、好適な一態様では、原料混合物中に実質的に有機溶媒(有機溶剤)を含まない。ここで開示される製造方法では、後述するロール成形において原料混合物を圧縮成形する。このため、原料混合物をスラリー状に調製する必要がなく、粉末状あるいはそぼろ状(すなわち、溶媒やバインダ等の有機物が少ない状態)のままで成形工程に供することができる。このことは、作業効率(典型的には乾燥時間の短縮)や製造コスト、環境衛生の観点からも好ましい。
≪(2)アノード層10の成形≫
ここで開示される製造方法では、次に、上記調製した原料混合物を用いて、アノード層10を成形する。アノード層10は、典型的には、反対方向に回転する一対のロールの間に原料混合物を供給し、該一対のロールで原料混合物を圧縮することによって所望の形状に成形される。ロール成形法によれば、等方性や均質性に優れた(例えば組成や気孔率にバラつきが少ない)アノード層10を安定的に成形することができる。
図2に、一実施形態に係るロール成形機の模式的な断面図を示す。図2に示すロール成形機5は、大まかに言って、原料混合物1aを貯留する貯留タンク1と、一対のロール2と、を備える。貯留タンク1は、底部にフィーダー1bを備えており、該フィーダーの出口からは一対のロール2の間に原料混合物1aが連続的に供給可能なよう構成されている。一対のロール2の間に供給された原料混合物1aは、ロール2の表面との摩擦力によって一対のロール2の間に引き込まれ、ロール2の間を通過する際に圧縮成形される。このため、ロール成形の条件等を調整することによって、所望の性状(例えば平均厚みや気孔率)を有するアノード層10を成形することができる。
貯留タンク1は、原料混合物1aを貯留する容器である。貯留タンク1は、底部にフィーダー1bを備えており、一定量の原料混合物1aをロール2の間に連続的に供給することができる。貯留タンク1は、貯留する原料混合物1aに含まれる材料に対して耐薬品性や耐腐食性に優れた材質からなることが好ましい。このような材質としては、例えばステンレスが挙げられる。フィーダー1bは、定量性に優れるものであれば特に限定されず、例えばスクリュー式、振動式、流動式等の各種フィーダーを適宜採用することができる。
貯留タンク1内に貯留される原料混合物1aは、ロール成形に供される前に予め軟化点(典型的には原料混合物1aに含まれるバインダの融点)に近い温度に調整されていることが好ましい。好適な一態様では、原料混合物1aの温度を、例えば50℃以上(好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃以上)であって、300℃以下(通常200℃以下、好ましくは160℃以下)に調整する。原料混合物1aを予め加温しておくことで、ロール2の表面で上滑りし難く、安定して均質な(例えば厚みや密度のバラつきが少ない)アノード層10を形成することができる。原料混合物1aの温度調整には、例えば電熱線や水冷等の従来公知の加熱冷却手段を用いることができる。
ロール2は、耐薬品性や耐腐食性に優れた材質からなることが好ましい。このような材質として、例えばステンレスが挙げられる。ロール2の直径は特に限定されないが、例えば数十cm〜数百cm程度であり得る。一般に原料混合物やロール成形機の運転条件等が等しい場合は、ロールの直径が大きくなるほど密度の高い(緻密な)アノード層10を形成することができる。
また、一対のロール2の間隔は、目的物としてのアノード層10の寸法(平均厚み)等に応じて適宜調整することができる。このため特に限定されないが、例えば、100μm以上(典型的には200μm以上、例えば500μm以上)であって、2000μm以下(典型的には1800μm以下、例えば1500μm以下)とすることができる。ロール成形法では、ロール2の間隔を調整するだけで所望の性状(典型的には平均厚み)を有するアノード層10を成形することができる。このため、簡便であり、作業性やコストの観点からも好適である。
ロール成形時には、一対のロール2の温度を常温よりも高めに設定することが好ましい。典型的には原料混合物1aに含まれるバインダの軟化点より高く、例えばバインダの軟化点よりも10℃以上高く(例えば20℃以上高く)設定することが好ましい。具体的には、通常凡そ50℃〜350℃であり、例えば80℃〜300℃とすることができる。また、ロール成形時のプレス押圧(荷重)は、通常凡そ1MPa〜100MPa、例えば5MPa〜50MPaとすることができる。また、一対のロール2間のプレス線圧は、通常凡そ0.1kN/cm〜30kN/cm、例えば0.5kN/cm〜10kN/cmとすることができる。また、アノード層10の成形速度は、通常凡そ0.1m/分〜20m/分、例えば1m/分〜15m/分、好ましくは1m/分〜10m/分、より好ましくは5m/分〜10m/分とすることができる。かかる態様によれば、その後の焼成において反りや変形等の不都合が生じ難い等方性や均質性に優れたアノード層10を好適に成形することができる。
≪(3)封止部形成用原料混合物の用意≫
ここで開示される製造方法では、次に、封止部60を形成するための原料混合物を用意する。かかる原料混合物は、例えば、上述のようなガラス、バインダ、および必要に応じて用いられる他の成分(典型的には可塑剤)を任意の撹拌混合装置に投入し、撹拌混合することによって調製することができる。好適な一態様では、封止部形成用の原料混合物には、上記アノード層形成用の原料混合物と同様に、実質的に有機溶媒(有機溶剤)を含まない。これによって、以後の焼成において発生し得る不都合(例えば成形体の反りや変形)を一層抑制することができる。なお、撹拌混合操作は、上記アノード層形成用の原料混合物と同様に行うことができる。
≪(4)封止部の形成≫
ここで開示される製造方法では、次に、上記成形したアノード層10と、上記調製した封止部形成用の原料混合物とを用いて、図1(a)に示すようなSOFC形成用のグリーンシート14を成形する。かかるグリーンシートの成形は、例えば下記(4−1)または(4−2)のような方法によって行うことができる。
(4−1)先ず、封止部形成用の原料混合物を用いてロール成形によって封止部60を成形し、次に、成形したアノード層10および封止部60を合わせて、再度ロール成形、圧延する方法(2段階ロール成形)。
(4−2)成形したアノード層10と封止部形成用の原料混合物とを同時にロール成形する方法(1段階ロール成形)。
以下、2通りの成形方法について、より詳しく説明する。
<(4−1)2段階ロール成形>
2段階ロール成形では、先ず、封止部形成用の原料混合物を用いてロール成形によって封止部60を成形する。封止部60の成形は、例えば図1に示す装置を用いて、アノード層10と同様の方法で行うことができる。これによって、所望の性状(形状や大きさ、平均厚み等)を有する封止部60を成形することができる。なお、封止部60を複雑な形状(パターン)で形成したい場合や、あるいは封止部60を自立し難いほど薄く形成したい場合には、例えば、キャリアシート(担持体)上に封止部形成用の原料混合物を添加し、ロール成形機を通過させることによって、キャリアシート上に封止部60を形成することもできる。
次に、成形したアノード層10と封止部60(キャリアシートに担持された形態であり得る。)とを合わせて再度ロール成形機に通すことで圧延し、一体化させる。これによって、アノード層10と封止部60とを備えたグリーンシート14を得ることができる。
図3に、一実施形態に係るロール成形機の模式的な断面図を示す。図3に示すロール成形機5は、一対のロール2を備える。一対のロール2の供給側(図3の左手側)には、アノード層10と封止部60とが一対のロール2の間に連続的に供給可能なよう構成されている。なお、封止部60がキャリアシートに担持された形態である場合は、封止部60側がアノード層10と対向するように配置する。一対のロール2の間に供給されたアノード層10および封止部60は、ロール2の表面との摩擦力によって一対のロール2の間に引き込まれ、ロール2の間を通過する際に圧延(圧縮)される。ロール成形では、アノード層10および封止部60を上下から強制的に押し付けることにより、アノード層10−封止部60の界面に存在する空気を押し出しながら一体に成形することができる。したがって、界面間の接地点(接触面積)をより多くすることができ、界面接合性(密着性)をより一層向上させることができる。ここでは、ロール成形の条件等を調整することにより、所望の性状(例えば平均厚みや気孔率)のグリーンシート14を成形することができる。なお、ロール成形時の諸条件は、例えばアノード層の成形時と同様とすることができる。
<(4−2)1段階ロール成形>
1段階ロール成形では、成形したアノード層10と、封止部形成用の原料混合物とを同時にロール成形する。具体的には、アノード層10の表面に封止部形成用の原料混合物を添加した状態でロール成形機を通過させて、グリーンシート14を成形する。かかる方法によれば、より一層効率的且つ生産的にグリーンシート14を製造することができる。このことは、作業容易性やコストの観点からも好ましい。
≪(5)固体電解質層20の形成≫
好適な一態様では、さらに、アノード層10の表面であって封止部60の形成されていない部位に、固体電解質層20を形成する。これによって、図1(b)に示すようなグリーンシート16を得ることができる。固体電解質層20には、少なくとも酸化物イオン伝導体とバインダとが含まれる。固体電解質層20の形成は、例えば、ロール成形、印刷成形、ドクターブレードによって行うことができる。具体的には、例えば、下記(5−1),(5−2),(5−3)のいずれかの方法によって行うことができる。
(5−1)先ず、上述のような酸化物イオン伝導体とバインダと必要に応じて含まれる添加剤(例えば可塑剤)とを混合して固体電解質層形成用の原料混合物を調製し、かかる原料混合物を用いて、ロール成形によって任意のキャリアシート上に固体電解質層20を形成する。次に、キャリアシートに担持された形態の固体電解質層20と、グリーンシート14とを合わせて再度ロール成形し、圧延する。
(5−2)先ず、(5−1)と同様に原料混合物を調製し、次に、固体電解質層形成用の原料混合物とグリーンシート14とを同時にロール成形する。
(5−3)先ず、上述のような酸化物イオン伝導体、バインダ、および必要に応じて含まれる添加剤(例えば可塑剤)を溶媒に分散させてなるスラリー状の組成物(固体電解質層形成用スラリー)を調製し、次に、この固体電解質層形成用スラリーを、アノード層10の表面であって封止部60の形成されていない部位に任意の手法で付与し、乾燥させる。
好適な一態様では、ロール成形によって固体電解質層20を形成する。すなわち、上記(5−1)または(5−2)のように、アノード層10の表面に固体電解質層20を形成することが好ましい。これにより、緻密性に優れた固体電解質層20を実現することができる。
なお、図1(b)に示す例では、封止部60と固体電解質層20との厚みが概ね同等に形成されているが、単セルや封止部の形状等によって適宜変更することができる。例えば、後述する図4のような構成のSOFC50では、固体電解質層20に比べて封止部60の厚みがより厚い。このような場合は、例えばアノード層10の表面に、先ず固体電解質層20を形成し、次に固体電解質層20の端部と一部が重なるように封止部60を形成することが好ましい。
また、(5−3)の手法のように固体電解質層形成用スラリーを調製する場合は、溶媒として、例えば、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、環状エーテル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等の有機溶剤を用いることができる。なかでも、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、オクタノール、エチレングリコール、α−テルピネオール、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ブチルジグリコールアセテート、イソボルニルアセテート、ブチルカルビトール、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等を好適に用いることができる。固体電解質層形成用スラリーの固形分濃度(NV)は、例えば60質量%〜80質量%(例えば65質量%〜75質量%)程度とすることができる。固体電解質層形成用スラリーの付与方法としては、一般的なスラリーの塗布技術、例えば印刷(凸版印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等)、シート成形(ドクターブレード等)、ディッピング、スプレー等を採用することができる。また、乾燥手法としては、自然乾燥、熱風、低湿風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線等を単独または組み合わせて用いることができる。
≪固体酸化物形燃料電池(SOFC)≫
また、本発明により、アノード層10と固体電解質層20とカソード層40と封止部60とを備えたSOFCが提供される。ここで、アノード層10および封止部60は、上述のようなグリーンシート14を焼成してなる焼成体によって構成されている。
図4は、一実施形態に係るアノード支持型のSOFC50(単セル)を備えた発電システムの断面構成を示した模式図である。ここに示す構成のSOFC50は、アノード層(燃料極)10と、固体電解質層20と、反応抑止層30と、カソード層(空気極)40と、が積層された構造を有している。また、アノード層10の端部12と、燃料ガスを供給するガス管70の封止面とが封止部60によって封止され、気体が流出および/または流入しないように封止されている。一方、カソード層40は外気に露出した構造を有している。SOFCの使用時には、アノード層10側の固体電解質表面に燃料ガス(典型的には水素(H))が、カソード層40側の固体電解質表面に酸素(O)含有ガス(典型的には空気)が、それぞれ供給される。このSOFC50に付加を加えると、カソード層40において酸素が還元され、酸化物イオンとなる。そして、該酸化物イオンが(固体電解質層20を介して)アノード層10に到達し、燃料ガスを酸化して電子を放出することによって電気エネルギーの生成(すなわち発電)が行われる。
焼成後のアノード層10は、ガス拡散性に優れた多孔質構造を有している。アノード層10の気孔率は通常凡そ10体積%〜50体積%であり、20体積%〜40体積%であることが好ましい。また、アノード層10の平均細孔径は、通常凡そ10μm以下であり、0.1μm〜5μmであることが好ましい。かかる範囲を満たす場合、ガスとの接触面積を十分に確保し得、高い機械的強度と優れたガス拡散性とを好適に両立し得る。なお、本明細書において「平均細孔径」とは、一般的な水銀圧入法の測定によって得られる値をいう。
焼成後の封止部60は緻密構造を有している。封止部60の気孔率は通常凡そ5体積%以下であり、好ましくは5体積%未満、より好ましくは3体積%以下である。かかる範囲を満たす場合、気密性に優れ、発電性能と信頼性(耐久性)とを高いレベルで両立可能なSOFCを実現することができる。
焼成後の固体電解質層20は薄膜状で緻密構造を有している。固体電解質層20の気孔率は通常凡そ30体積%以下であり、20体積%以下であることが好ましい。かかる範囲を満たす場合、より出力密度の高いSOFCを実現することができる。
<反応抑止層30>
例えば、固体電解質層20に酸化ジルコニウム系の材料を含み、且つ後述するカソード層40にペロブスカイト構造の酸化物材料を含む場合、これらの接触する部分(界面)で固相反応を生じ、固体電解質層20および/またはカソード層40間の酸化物イオン伝導性が低下する場合がある。このため、上記材料を用いる場合には、固体電解質層20とカソード層40との間に反応抑止層30を備えることが好ましい。これにより固体電解質層20とカソード層40との界面を安定化することができる。
反応抑止層30を構成する材料としては、セリウム酸化物やバインダが挙げられる。
セリウム酸化物としては、例えば固体電解質層20の形成材料として例示したセリウム酸化物を用いることができる。好適例として、ガドリニア(Gd)をドープした酸化セリウム(CeO)が挙げられる。置換的な構成元素の量(異元素のドープ量)は、特に限定されないが、例えば当該置換元素の酸化物換算で1mol%〜20mol%(例えば5mol%〜15mol%)とすることができる。バインダとしては特に限定されず、例えば固体電解質層20の形成用として例示したものの中から適宜採用することができる。
反応抑止層30の性状は特に限定されないが、例えば平均厚みは、通常0.5μm〜10μmであることが好ましく、例えば1μm〜5μm程度であることがより好ましい。また、焼成後の反応抑止層30は薄膜状で緻密構造を有している。反応抑止層30の気孔率は通常凡そ30体積%以下であり、20体積%以下であることが好ましい。
<カソード層40>
カソード層40を構成する材料としては、ペロブスカイト型酸化物やバインダが挙げられる。ペロブスカイト型酸化物としては、例えばランタンコバルテート(LaCoO)系、ランタンマンガネート(LaMnO)系、ランタンフェライト(LaFeO)系、ランタンニッケラート(LaNiO)系のペロブスカイト型酸化物;サマリウムコバルテート(SmCoO)系ペロブスカイト型酸化物;等を用いることができる。これらの酸化物は、酸化雰囲気において優れた耐久性を発揮し得るため好ましい。
ここで、例えば上記ランタンコバルテート系酸化物とは、LaおよびCoを構成金属元素とする酸化物の他、LaおよびCo以外に他の1種以上の金属元素(遷移金属元素および/または典型金属元素)を含む酸化物をも包含する意味である。また、ランタンマンガネート系酸化物、ランタンフェライト系酸化物、ランタンニッケラート系酸化物およびサマリウムコバルテート系酸化物についても同様である。典型例として、SrをドープしたLaMnO系酸化物(例えば、La0.8Sr0.2MnO)、SrをドープしたLaCoO系酸化物(例えば、La0.6Sr0.4CoO)、SrおよびFeをドープしたLaCoO系酸化物(例えば、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)等が挙げられる。これらの酸化物は、いわゆる電子−酸化物イオン混合伝導体であり、他のペロブスカイト型酸化物に比べて高い反応活性を示す(高い触媒能を有する)ことから好適である。
カソード層40は、アノード層10と同様にガス拡散性に優れた多孔質構造を有している。カソード層40の気孔率は、通常凡そ10体積%〜30体積%であり、15体積%〜25体積%であることが好ましい。また、カソード層40の平均細孔径は、通常凡そ10μm以下であり、0.1μm〜5μmであることが好ましい。かかる範囲を満たす場合、ガスとの接触面積を十分に確保し得、高い発電性能を実現し得る。カソード層40の平均厚みは、発電性能の観点から、通常凡そ50μm以下(典型的には、凡そ5μm〜20μm)であるが、かかる厚みに限定されるものではない。
なお、図4に示すSOFCは平型(Planar)であるが、他にも種々の構造、例えば従来公知の多角形型、円筒型(Tubular)あるいは円筒の周側面を垂直に押し潰した扁平円筒型(Flat Tubular)、マイクロチューブ型等とすることができ、形状や寸法は特に限定されない。例えば平型は、電力密度が高く円筒型に比べて安価であるという特徴を有する。また、円筒型はガスの流量を一定に保ち易く、より安定的な発電が可能であるという特徴を有する。このため、用途等に応じて適宜好ましい形状および寸法を選択するとよい。なお、平型のSOFCとしては、ここで開示されるアノード支持型(ASC;Anode-Supported Cell)の他にも、例えばアノード層10の下に多孔質な金属シートを入れた、メタルサポートセル(MSC;Metal-Supported Cell)とすることもできる。
図5は、本発明を好適に適用し得るSOFCスタック100の一具体例である。図5に示すように、平板状SOFCスタック100は、層状のアノード(燃料極)10と固体電解質20と反応抑止層30とカソード(空気極)40とを備えた単セル50A,50Bが、金属製のインターコネクタ70、74を介して複数層積み重なったスタックとして構成されている。単セル50A,50Bは、固体電解質20の両面がそれぞれ層状のアノード10とカソード40とで挟まれたサンドイッチ構造を備えている。ここで示す形態では、固体電解質20とカソード40との間に、さらに反応抑止層30を備えている。
SOFCスタック100に具備されるインターコネクタ70は、典型的には金属製である。図面中央に配されるインターコネクタ70Aを例として、その構造を以下に説明する。インターコネクタ70Aは、その両面を二つの単セル50A,50Bで挟まれており、一方のセル対向面72がセル50Aのカソード40と対向(隣接)し、他方のセル対向面76がセル50Bのアノード10と対向(隣接)している。かかるインターコネクタ70Aのセル対向面72,76と、それぞれ対応する単セル50A,50B側のカソード40あるいはアノード10の対向面とが、ここで開示されるグリーンシートに備えられた接合部によって接合されている(上述の図4の接合部60参照)。
また、セル対向面72には複数の溝が形成されており、供給された空気(Air)が流れる空気流路74を構成している。同様に、反対側のセル対向面76にも複数の溝が形成されており、供給された燃料ガス(例えばHガス)が流れるための燃料ガス流路78を構成している。かかる形態のインターコネクタ70では、典型的には空気流路74と燃料ガス流路78とが互いに直交するように形成されている。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
〔例1〕
例1では、ロール成形によって成形したシート状のアノード層および封止部を貼り合わせて圧延することにより、グリーンシートを作製した。
具体的には、先ず、導電性材料としての平均粒径0.5μmの酸化ニッケル(NiO)粉末と、平均粒径0.5μmのイットリア安定化ジルコニア(8mol%Y−ZrO、以下「8YSZ」と略称することがある。)粉末とを、NiO:8YSZ=60:40の質量比率で混ぜ合わせ、混合粉末(平均粒径50μm)を得た。かかる混合粉末と、バインダ(ポリエチレンオキサイド;PEO)と、造孔材(カーボン)と、可塑剤(グリコールエーテル)とを、85:2:8:5で混練することにより、アノード層形成用の原料混合物を調製した。この原料混合物を一対のロールの間に供給して圧縮成形することによって、平均厚みが500μm程度のシート状のアノード層を成形した。
次に、平均粒径が約1μm〜10μmであるSiO粉末、Al粉末、KCO粉末、MgCO粉末、CaCO粉末を、酸化物換算で以下に示す比率(質量%)となるように混合し、ガラス原料粉末を調製した。
SiO 68質量%;
Al 12質量%;
O 10質量%;
MgO 7質量%;
CaO 3質量%;
上記調製したガラス原料粉末を1000℃〜1500℃の温度域(ここでは1400℃)で溶融し、急冷してガラスを形成した。その後、ガラスを粉砕し、800℃〜1000℃で30〜60分間熱処理した。かかる熱処理により、クリストバライト結晶、リューサイト結晶およびフォーステライト結晶のうちの少なくとも1種の結晶をガラスマトリックス中に析出させた。その後、得られた結晶析出ガラスを粉砕し、さらに分級を行うことによって、平均粒径50μmの結晶化ガラス粉末を得た。かかる結晶化ガラス粉末と、バインダ(PEO)と、可塑剤(グリコールエーテル)とを、93:2:5で混練することにより、封止部形成用の原料混合物を調製した。この原料混合物を一対のロールの間に供給して圧縮成形することによって、平均厚み500μm程度のシート状の封止部を成形した。
そして、上記成形したシート状のアノード層と封止部とを合わせてロール成形機に通して圧延し、アノード層と封止部を備えたグリーンシート(例1)を作製した。なお、ここではアノード層と封止部の大きさを同じとした。すなわち、作製したグリーンシートでは、アノード層の片側の表面全体に渡って封止部が形成されている。
〔例2〕
例2では、ロール成形によって成形したシート状のアノード層の上に封止部形成用の原料混合物を添加しながらロール成形機を通過させることにより、グリーンシートを作製した。なお、各部位の構成材料や封止部の成形方法以外の操作は、例1と同様である。
〔例3〕
例3では、ドクターブレードによって成形したシート状のアノード層の表面に、印刷によってスラリー状の組成物を塗布することにより、グリーンシートを作製した。
具体的には、先ず、上記アノード層の形成時に、NiO粉末および8YSZ粉末を含む混合粉末と、バインダ(PEO)と、造孔材(カーボン)と、可塑剤(グリコールエーテル)と、溶媒(イソプロピルアルコール(IPA))とを、77:5:8:10:100で混練することにより、スラリー状のアノード層形成用組成物を調製し、これをドクターブレードによってシート状に成形した。次に、結晶化ガラス粉末と、バインダ(PEO)と、可塑剤(グリコールエーテル)と、溶媒(IPA)とを、85:5:10:100で混練することにより、スラリー状の封止部形成用組成物を調製した。この封止部形成用スラリーをスクリーン成形によってアノード層の表面に塗布して、封止部を形成した。
〔例4〕
例4では、ドクターブレードによって成形したシート状のアノード層と、ドクターブレードによって成形したシート状の封止部とを貼り合わせて圧延することにより、グリーンシートを作製した。
具体的には、先ず、上記例3と同様に、ドクターブレードでシート状のアノード層を成形した。次に、上記例3と同様に調製した封止部形成用スラリーを、ドクターブレードでシート状に成形した。そして、上記成形したシート状のアノード層と封止部とを合わせてロール成形機に通して圧延した。
〔例5〕
例5では、ドクターブレードによって成形したシート状のアノード層と、ロール成形によって成形したシート状の封止部とを貼り合わせて圧延することにより、グリーンシートを作製した。
具体的には、先ず、上記例3と同様に、ドクターブレードでシート状のアノード層を成形した。次に、例1と同様に、ロール成形でシート状の封止部を成形した。そして、上記成形したシート状のアノード層と封止部とを合わせてロール成形機に通して圧延した。
以下、各例に係るグリーンシートの作製方法を表1に纏める。なお、表1中の「有機物含有率」の欄には、グリーンシート中のバインダおよび可塑剤の占める割合(質量%)を示している。当該欄から明らかなように、ドクターブレードおよび/または印刷を用いた例3〜5では、相対的に有機物含有量が高くなった。これは、原料混合物の調製に多くのバインダを使用したためである。他方、ロール成形によってアノード層および封止部を成形した例1,2では、有機物の割合が10%未満(典型的には7%以下、特には5%以下)に低減されていた。
Figure 2014216119
<グリーンシートの状態観察>
上記作製したグリーンシートの状態を観察し、クラックや破れ等の不都合がないか確認した。なお、観察手法としては目視および走査型電子顕微鏡(SEM)観察を併用した。結果を、表1の「積層時の状態」の欄に示す。当該欄の「○」は、クラックや破れ等がなかったことを、「×」は、クラックや破れ等の不具合が認められたことを示す。
表1に示すように、例5では、グリーンシートの状態でクラックや破れの発生が確認された。この原因として、ドクターブレードによって形成されたアノード層は相対的に多くの有機物を含むために脆性であり、ロール成形機に通し高い圧力を加えることで破損したことが考えられる。他方、例1〜4ではこのような不都合は認められなかった。
<焼成後のグリーンシートの状態>
次に、上記グリーンシートを大気雰囲気中において1400℃の温度で3時間焼成した。そして、焼成後の積層体について、アルコールを用いたリークチェックを行った。具体的には、焼成後の積層体の封止部側の表面全体にアルコールを滴下し、その浸み込み具合によって、ピンホール(貫通孔)の有無を確認した。結果を、表1の「焼成後のリーク」の欄に示す。1点でもアルコールの浸み込みが認められた場合は、当該欄において「あり」と表記している。
また、別途、封止部のみのサンプルを作製し、一般的な水銀ポロシメータ(マイクロメリテック社製品、商品名:AUTOPORE IV 9500)を使用して気孔率の測定を行った。ここでは、4psi〜60000psiの圧力範囲で測定を行うことによって、50μm〜0.003μmの範囲の細孔径の測定を行った。結果を、表1の「封止部の気孔率」の欄に示す。
表1に示すように、グリーンシートの状態でクラックや破れが確認された例5だけでなく、成形方法としてドクターブレードおよび/または印刷を採用した例3,4においても焼成後にピンホールが確認された。この原因としては、成形手法としてドクターブレードおよび/または印刷を採用した場合、グリーンシート中に多くの有機物を含むため、焼成によって該有機物が燃え抜け、これによって封止部の緻密性が不足したことが考えられる。実際、例3,4では封止部の気孔率が10%以上と相対的に高い値を示していた。
他方、ロール成形によってアノード層および封止部を成形した例1,2では、焼成後の積層体においてリークの発生は認められなかった。この結果から、ロール成形を用いることで封止部を高い気密性(シール性)で接合封止し得ることがわかった。以上の結果より、本発明によれば、気密性に優れ、長期に渡り安定して高い性能を発揮し得るSOFCを実現することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 貯留タンク
1a 原料混合物
1b フィーダー
2 ロール
5 ロール成形機
10 アノード層
12 アノード層端部
14 アノード層−封止部グリーンシート
16 アノード層−固体電解質層−封止部グリーンシート
20 固体電解質層
30 反応抑止層
40 カソード層
50 SOFC(単セル)
60 封止部
70 ガス管

Claims (13)

  1. 固体酸化物形燃料電池の構築に用いられるグリーンシートであって、
    少なくとも導電性材料とバインダとを含むアノード層と、該アノード層の表面に形成された封止部であって少なくともガラスとバインダとを含む封止部とを備え、
    前記アノード層および前記封止部はロール成形によってなり、前記グリーンシートの有機物含有率は10質量%未満であることを特徴とする、グリーンシート。
  2. 前記封止部を構成する前記ガラスは、構成成分としてSiOと、Alと、少なくとも1種のアルカリ金属酸化物と、少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物と、を含む、請求項1に記載のグリーンシート。
  3. 前記封止部を構成する前記ガラスは、酸化物換算の質量比で以下の組成:
    SiO 60〜75質量%;
    Al 5〜20質量%;
    LiO、NaOおよびKOのうちの少なくとも1種 3〜20質量%;
    MgO、CaOおよびSrOのうちの少なくとも1種 3〜20質量%;
    から実質的に構成される、請求項1または2に記載のグリーンシート。
  4. 前記封止部の熱膨張係数が10×10−6/K〜13×10−6/Kである、請求項1から3のいずれか一項に記載のグリーンシート。
  5. 前記アノード層および前記封止部には、前記バインダとしてエーテル系ポリマーを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のグリーンシート。
  6. 前記アノード層の表面であって前記封止部の形成されていない部位に、少なくとも酸化物イオン伝導体とバインダとを含む固体電解質層をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のグリーンシート。
  7. 固体酸化物形燃料電池の構築に用いられるグリーンシートの製造方法であって、
    少なくとも導電性材料とバインダとを含むアノード層形成用の原料混合物を用意すること;
    前記アノード層形成用原料混合物を用いて、ロール成形によってアノード層を成形すること;
    少なくともガラスとバインダとを含む封止部形成用の原料混合物を用意すること;および、
    前記成形したアノード層と、前記封止部形成用原料混合物とを用いて、ロール成形によって前記アノード層と前記封止部とを備えるグリーンシートを成形すること;
    を包含し、
    ここで、前記アノード層形成用原料混合物の用意および前記封止部形成用原料混合物の用意は、該混合物中に含まれる有機物の含有率が10質量%未満となるよう行う、グリーンシートの製造方法。
  8. 前記ガラスとしては、構成成分として、SiOと、Alと、少なくとも1種のアルカリ金属酸化物と、少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物と、を含むものを用いる、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記グリーンシートの成形は、前記成形したアノード層と前記封止部形成用原料混合物とを同時にロール成形することによって行う、請求項7または8に記載の製造方法。
  10. 前記アノード層の表面であって前記封止部の形成されていない部位に、少なくとも酸化物イオン伝導体とバインダとを含む固体電解質層を形成すること、をさらに包含する、請求項7から9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記固体電解質層の形成は、ロール成形によって行う、請求項10に記載の製造方法。
  12. アノード層と、固体電解質層と、カソード層と、封止部と、を備えた固体酸化物形燃料電池であって、
    前記アノード層および前記封止部は、請求項1から5のいずれか一項に記載のグリーンシート、または、請求項7から9のいずれか一項に記載の製造方法によって得られたグリーンシートを焼成してなる焼成体によって構成される、固体酸化物形燃料電池。
  13. 前記封止部の気孔率は5%以下である、請求項12に記載の固体酸化物形燃料電池。
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