JP7183104B2 - 封止用グリーンシート - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池のガス封止部を形成する封止用グリーンシートに関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)では、酸化物イオン伝導体を含んだ緻密層である固体電解質を挟んで、燃料極(アノード)と空気極(カソード)とが対向するように配置されている。かかるSOFCの電極(例えば燃料極)にはガスを供給するためのガス管が接続されており、かかるガス管を通じて所望のガスが電極に供給される。かかる構造のSOFCにおいて、不適当なガスが電極に供給されると発電性能や安全性の低下の原因になり得るため、上記ガス管との接続部分等にガス封止部が形成される。かかるガス封止部は、ガラスを主成分とする封止用グリーンシートを封止対象に付着させた後、ガラス軟化点以上の温度で焼成して融着固化させることによって形成される。
上記ガラス封止部形成用の封止用グリーンシートは、主成分であるガラスの他に、バインダや可塑剤等の種々の有機物と溶媒を含んでいる。上記有機物のうち、バインダは、グリーンシート中の各成分を結着してシートの形状一体性を高める機能を有している。また、可塑剤は、グリーンシートに強度、柔軟性、保湿性を付与する機能を有している。
かかるガラスと有機物を含む封止用グリーンシートの一例が特許文献1~3に開示されている。例えば特許文献1には、ガラスとバインダを含み、有機物含有量が10質量%未満であるグリーンシートが開示されている。また、特許文献2には、ガラス粉末とジルコニア粉末と有機物とを含み、ガラス粉末と有機物の各々の含有量が所定の値に規定された封止用グリーンシートが開示されている。また、特許文献3には、所定の成分を含むガラス粉末と、セラミック繊維状粒子と、有機物と、非水系溶媒を含む顆粒(造粒粉)を成形した固体酸化物形燃料電池用密封材(封止用グリーンシート)が開示されている。
特許第5973377号 特開2018-20947号公報 特許第4893880号
ところで、一般的な封止用グリーンシートでは、ガラスや有機物を分散させる溶媒として、有機系溶媒(非水系溶媒)が使用されている。しかしながら、かかる非水系溶媒は、引火性を有しているため消防法等を遵守した安全管理が必要であり、防爆設備の設置などによって運用コストが高くなるという問題を有している。このため、近年では、特別な設備を使用せずに安全な製造が可能な水系溶媒を使用した封止用グリーンシート(水系グリーンシート)の開発が進められている。
しかしながら、水系グリーンシートは、従来の封止用グリーンシートと比べて成形が難しく、製造工程において成形不良や破損(ひび割れ)などが頻発して製造効率が大幅に低下するという問題を有している。また、近年では、作動温度を600℃程度に抑えた低温作動型のSOFCの開発が進められている。しかし、水系グリーンシートを用いて形成したガス封止部は、低温作動型のSOFCに適さず、ガス漏れ(ガスリーク)による発電性能の低下の原因にもなり得る。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、水系溶媒を使用しているにもかかわらず、シート成形時の成形不良や破損を防止でき、かつ、ガスリークを好適に防止できるガス封止部を形成できる封止用グリーンシートを提供することを目的とする。
本発明により、SOFCのガス封止部の形成に用いられる封止用グリーンシートが提供される。ここに開示される封止用グリーンシートは、ガラス粉末と、水系溶媒と、カルボキシ基を有する樹脂材料を含む水系バインダと、可塑剤と、を含有している。かかる封止用グリーンシートでは、水系バインダの樹脂材料として、400℃の大気雰囲気における加熱処理後の重量減少率が76%以上である樹脂材料が用いられている。また、可塑剤は、3価以上のアルコールおよびポリエーテルの少なくとも一方であり、かつ、平均分子量が1500以下の樹脂材料を含み、ガラス粉末の重量を100wt%としたときの添加量が1wt%以上4.8wt%以下である。
本発明者らは、水系溶媒を使用することによる成形不良や破損を防止するために、当該水系溶媒に適した可塑剤を使用することを考えた。その結果、3価以上のアルコールおよびポリエーテルの少なくとも一方であり、かつ、平均分子量が1500以下の樹脂材料を可塑剤として使用すると、驚くべきことに、水系溶媒を使用しているにもかかわらず、成形不良や破損を好適に防止できることを発見した。そして、この成形性向上効果を適切に発揮するための可塑剤の添加量について調査した結果、ガラス粉末の重量を100wt%としたときの可塑剤の添加量を1wt%以上4.8wt%以下にすればよいことを見出した。
次に、本発明者らは、水系グリーンシートを用いて低温作動型SOFCのガス封止部を形成するとガスリークが頻発する原因について検討を行い、次の知見を得た。通常、ガス封止部を形成する際には、ガラス粉末を融着固化させる焼成処理の前に、当該焼成処理よりも低温の加熱処理である脱脂処理を行ってバインダ等の有機物を除去する。このとき、低温作動型SOFCでは、当該SOFCの作動温度に応じて通常よりも焼成温度が低くなるため、これに伴って脱脂処理での加熱温度も低くなる。そして、水系バインダは、非水系バインダと比べて加熱除去され難い傾向がある。このため、水系グリーンシートを用いて低温作動型SOFCのガス封止部を形成すると、脱脂処理でバインダが十分に除去されず、残留したバインダによってガラスが発泡するという焼成不良が生じる可能性が高くなる。
上述の知見に基づいて、本発明者らは、低温作動型SOFCの作製で実施される低温の脱脂処理でも十分に除去できる水系バインダを選定すれば、水系グリーンシートを使用しても、低温作動型SOFCのガス封止部を好適に形成できると考えた。そして、種々の実験を行った結果、400℃の大気雰囲気における加熱処理後の重量減少率(以下「加熱処理後の重量減少率」ともいう)が76%以上の樹脂材料を水系バインダとして使用すれば、低温の脱脂処理でも好適にバインダが除去されるため、ガスリークを防止できる緻密なガラス(ガス封止部)を形成できることを見出した。
ここに開示される封止用グリーンシートは、上述の知見に基づいてなされたものであり、水系溶媒を使用しているにもかかわらず、シート成形時の成形不良や破損を防止でき、かつ、緻密なガス封止部を形成してガスリークを好適に防止できる。
なお、本明細書における「400℃の大気雰囲気における加熱処理後の重量減少率」は、封止用グリーンシートに添加される前の水系バインダを400℃の大気雰囲気で2時間加熱したときの加熱前の重量(100wt%)に対する加熱後の重量の割合を指す。
ここに開示される好適な一態様では、水系バインダは、アクリル樹脂またはポリエーテル樹脂であり、側鎖および末端の少なくとも一方にカルボキシ基を有している。これらの樹脂材料は、低温の脱脂処理で好適に除去することができると共に、グリーンシートに好適な形状一体性を付与できるため好ましい。
ここに開示される好適な一態様では、水系バインダは、ガラス転移温度が10℃以上80℃以下の樹脂材料である。かかるガラス転移温度を有する樹脂材料を水系バインダとして使用することにより、脱脂処理において水系バインダをより好適に除去できる。
ここに開示される好適な一態様では、ガラス粉末の重量を100wt%としたときの水系バインダの重量が7wt%以上27wt%以下である。これにより、シート成形における成形不良や破損の発生をより確実に防止できると共に、グリーンシートの粘着性が必要以上に向上して取扱性や生産性が低下することを防止できる。
ここに開示される好適な一態様では、ガラス粉末は、体積基準の粒度分布において、粒径の小さい方から累積50個数%に相当するD50粒径が3μm以上20μm以下であり、かつ、粒径の小さい方から累積90個数%に相当するD90粒径が50μm以上100μmである。このような粒度分布を有するガラス粉末を使用することにより、ガラス粒子の間に生じる隙間を小さくすることができるため、緻密なガス封止部を容易に形成できる。
ここに開示される好適な一態様では、ガラス粉末は、酸化物換算の質量比で以下の組成:
SiO 17~78mol%;
RO 3~47mol%;
Al 2~15mol%;
0~10mol%;
0~16mol%;
R’O 0~16mol%;
(ここで、RはMg,Ca,Zn,Ba,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含み、R’はLi,K,Naからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む)から実質的に構成される。かかる組成のガラス粉末は、比較的に低温の焼成処理でも好適に融着固化するため、緻密なガス封止部を容易に形成することができる。
ここに開示される好適な一態様では、ガラス粉末のガラス転移温度が550℃以上である。これにより、比較的に低温の焼成処理でもガラス粉末を容易に融着固化させることができるため、緻密なガス封止部を容易に形成できる。
ここに開示される好適な一態様では、グリーンシートのJIS K7161に準拠した引張強度が0.22MPa以上0.53MPa以下である。これにより、シート成形時の成形不良や破損をより好適に防止できる。
本発明の一実施形態に係るSOFCシステムを模式的に示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、封止用グリーンシートの成分など)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、SOFCの製造プロセスやSOFCシステムの詳細な構成など)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、以下の説明において、「A~B(ただし、A,Bが任意の値)」とは、A,Bの値(上限値および下限値)を包含するものとする。また、本明細書で説明する図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さなど)は必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
≪封止用グリーンシート≫
ここに開示される封止用グリーンシートは、SOFCのガス封止部の形成に用いられる。具体的には、SOFCにおける2つ以上の被封止部材(例えばガス管と燃料極)の間に、ここに開示される封止用グリーンシートを貼り付けて焼成処理を行うことによって、ガラスを主成分とした緻密なガス封止部を形成し、当該複数の被封止部材を封止接合することができる。
ここに開示される封止用グリーンシートは、必須成分として、ガラス粉末と、水系溶媒と、水系バインダと、可塑剤とを含んでいる。以下、各成分について説明する。
1.ガラス粉末
ガラス粉末は、封止用グリーンシートの主成分であり、焼成処理によって融着固化してガス封止部を形成する。かかるガラス粉末は、本発明の効果が発揮される範囲において従来公知のものを特に制限なく使用できる。例えば、ガラス粉末は、一般的な非晶質ガラスの他に、結晶を含んだ結晶化ガラスであってもよい。また、ガラス粉末の成分についても特に限定されない。例えば、SiO-RO(Rは、例えばMg、Ca、Zn、Ba、Srを表す。以下同じ。)系ガラス、SiO-R’O(R’は、例えばLi、K、Naを表す。以下同じ。)系ガラス、SiO-RO-Al系ガラス、SiO-RO-Bi系ガラス、SiO-RO-Y系ガラス、SiO-RO-B系ガラス、SiO-Al系ガラス、SiO-ZnO系ガラス、SiO-ZrO系ガラス、RO-R’O系ガラス、RO系ガラス等が挙げられる。また、上述した成分以外に、鉛系ガラス、鉛リチウム系ガラス、ホウケイ酸系ガラス等を用いることもできる。なお、ガラス粉末は、上述のガラス成分の他に1つまたは2つ以上の成分を含んでもよい。また、上述のガラス成分の1種が単独で用いられていても良く、2種以上が混合されていても良い。
上述のガラス粉末の中でも、SiO-RO-Al系ガラスが好ましく用いられ得る。かかるSiO-RO-Al系ガラスにおいて、ケイ素成分(SiO)は、ガラスの骨格を構成する成分であり、熱膨張係数や高温粘度に寄与する。ケイ素成分を含むことにより、ガラスの高温粘度を調整して、低い焼成温度でも好適なガス封止部を形成できる。さらに、封止部の耐水性、耐薬品性、耐熱衝撃性のうちの少なくとも1つを向上することができる。このケイ素成分が、酸化物換算の質量比で第1成分(最も多い割合を占める成分、好ましくは50質量%以上を占める主成分)であると好ましい。また、上記したとおり、ROは、第2族元素(例えばMg、Ca、Ba、Sr)または亜鉛(Zn)の酸化物である。これらは、焼成後のガラスの熱的安定性の向上に貢献する。また、熱膨張係数や高温粘度を調整する成分でもある。そして、アルミニウム成分(Al)は、焼成処理におけるガラスマトリックス溶融時の流動性を制御し、被封止部材への付着安定性に関与する。また、かかるSiO-RO-Al系ガラスは、所定の任意成分を含んでいてもよい。かかる任意成分としては、Y、B、R’O等が挙げられる。上述したように、R’Oは、アルカリ金属元素の酸化物である。かかるSiO-RO-Al系ガラスの組成の好適な一例を以下に示す。このSiO-RO-Al系ガラスを用いることによって、比較的に焼成温度が低い場合でも緻密なガス封止部を好適に形成できる。
SiO 17~78mol%
RO 3~47mol%
Al 2~15mol%
0~10mol%
0~16mol%
R’O 0~14mol%
ガラス粉末の粒径は特に限定されないが、典型的にはミクロンサイズである。なお、焼成後のガス封止部を容易に緻密化するという観点から、ガラス粉末のD50粒径が3μm以上20μm以下であり、かつ、D90粒径が50μm以上100μmである粒度分布を有するガラス粉末が特に好ましい。このように、粒径が大きなガラス粒子と、粒径が小さなガラス粒子が混合されたガラス粉末を使用することによって、ガラス粒子の間に生じる隙間を小さくできるため、緻密なガス封止部を容易に形成できる。なお、本明細書における「D50粒径」は、レーザー回折・光散乱法で測定した体積基準の粒度分布において、微粒子側から累積50%に相当する粒子径をいう。また、「D90粒径」は、同様の体積基準の粒度分布において、微粒子側から累積90%に相当する粒子径をいう。
また、封止用グリーンシートの成形時の取扱性や作業性の向上という観点から、ガラス粉末のD50粒径は、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、6μm以上がさらに好ましく、7μm以上が特に好ましい。また、低温焼成においてガラス粉末を容易に融着固化させるという観点から、ガラス粉末のD50粒径の上限は、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、13μm以下がさらに好ましく、11μm以下が特に好ましい。
一方、上記ガラス粒子間の隙間をより好適に小さくするという観点から、ガラス粉末のD90粒径は、50μm以上が好ましく、55μm以上がより好ましく、60μm以上がさらに好ましく、70μm以上が特に好ましい。また、ガラス粒子の溶融不良によるガス封止部の強度低下を抑制するという観点から、ガラス粉末のD90粒径の上限は、100μm以下が好ましく、95μm以下がより好ましく、85μm以下がさらに好ましく、80μm以下が特に好ましい。
また、ガラス粉末のガラス転移温度は、脱脂処理での加熱温度よりも高く、かつ、焼成処理での加熱温度よりも低いと好ましい。これにより、脱脂処理でガラス粉末が溶融して有機物の除去が阻害されることを防止できると共に、焼成処理においてガラス粉末を適切に融着固化させることができる。かかるガラス粉末の好適なガラス転移温度は、脱脂処理と焼成処理の各々における加熱温度に応じて適宜変更され得るが、例えば530℃以上が好ましく、例えば550℃以上680℃以下が特に好ましい。
また、ガラス粉末は、被封止部材(ガス管など)との間で熱膨張係数を近似させるという観点で適宜選択するとより好ましい。例えば、ガラス粉末と被封止部材との熱膨張係数の差が、概ね2×10-6-1以下、例えば1×10-6-1以下であると好ましい。具体的には、被封止部材の熱膨張係数が、8×10-6-1~12×10-6-1程度である場合には、ガラス粉末の熱膨張係数が、概ね8×10-6-1~12×10-6-1、典型的には9.5×10-6-1~11.5×10-6-1、例えば10×10-6-1~11×10-6-1であるとよい。これにより、被封止部材との膨張量の差異によってガス封止部が破損することを抑制できる。なお、本明細書における「熱膨張係数」は、30℃から500℃における平均線熱膨張係数を指す。
2.水系溶媒
ここに開示される封止用グリーンシートは、溶媒として水系溶媒を含む水系グリーンシートである。かかる水系溶媒としては、イオン交換水(脱イオン水)、純水、超純水、蒸留水等を好ましく用いることができる。なお、水系溶媒は、本発明の効果を損なわない範囲において、水と均一に混合し得る非水系溶媒(低級アルコール、低級ケトン等)を必要に応じて含有してもよい。この場合、水系溶媒の95体積%以上が水であることが好ましく、99体積%以上が水であることがより好ましい。
水系溶媒の添加量は、封止用グリーンシートの成形性を考慮して適宜調節することができ、特に制限されない。一例として、上記ガラス粉末の重量を100wt%としたときの水系溶媒の添加量は、100wt%以上が好ましく、150wt%以上がより好ましく、175wt%以上がより好ましく、200wt%以上が特に好ましい。また、水系溶媒の添加量の上限は、400wt%以下が好ましく、350wt%以下がより好ましく、325wt%以下がより好ましく、300wt%以下が特に好ましい。
3.水系バインダ
バインダは、グリーンシート中の各成分を結着してシートの形状一体性を高める成分である。ここに開示される封止用グリーンシートでは、水系溶媒が用いられているため、当該水系溶媒に好適に分散される水系バインダが用いられる。かかる水系バインダは、親水基であるカルボキシ基を有する樹脂材料である。水系溶媒への分散性を考慮すると、カルボキシ基は、樹脂材料の側鎖および末端の少なくとも一方に付与されていると好ましい。
そして、ここに開示される封止用グリーンシートでは、水系バインダとして、400℃の大気雰囲気における加熱処理後の重量減少率が76%以上の樹脂材料が用いられている。これによって、形成後のガス封止部でガスリークが生じることを適切に防止できる。具体的には、一般的な水系バインダは、加熱によって除去され難いため、脱脂処理後にグリーンシート中に残留しやすい。この場合、水系バインダに含まれる炭素(C)がガラス粉末中のシリカ(Si)を還元することによってガラスが発泡するという焼成不良が生じ、焼成後のガス封止部の緻密性(相対密度)が大きく低下する可能性がある。これに対して、ここに開示される封止用グリーンシートでは、400℃の加熱処理後の重量減少率が76%以上の樹脂材料を水系バインダとして使用している。このように、比較的に低温の加熱処理によって十分に除去される樹脂材料を水系バインダとして選定することによって、低温作動型SOFC作製時の脱脂処理でも確実に水系バインダを除去できる。この結果、水系バインダ(炭素成分)の残留による焼成不良が好適に防止されるため、相対密度の高い緻密なガス封止部を形成できる。これによって、ガス封止部からのガスリークを適切に抑制し、SOFCの発電性能の低下を防止できる。
なお、本明細書において「緻密なガス封止部」とは、アルキメデス法に基づいた相対密度が57%以上のガス封止部を指す。ここに開示される封止用グリーンシートは、脱脂処理によって適切に水系バインダが除去されるため、その後に所定の条件(例えば、還元雰囲気、850℃、2時間)の焼成処理を実施することによって、相対密度が57%以上という緻密なガス封止部を容易に形成できる。なお、ガス封止部からのガスリークをより好適に防止するという観点から、上記焼成処理後の相対密度は、60%以上が好ましく、62%以上がより好ましく、65%以上がさらに好ましく、70%以上が特に好ましい。詳しくは後述の試験例にて説明するが、ここに開示される封止用グリーンシートは、400℃という低温の脱脂処理を行った場合でも相対密度が75%以上という非常に緻密なガス封止部を実現し得る。なお、相対密度の上限は、特に制限されず、99%以下であってもよく、95%以下であってもよく、90%以下であってもよく、85%以下であってもよい。
上記水系バインダに用いられる樹脂材料の好適例として、側鎖および末端の少なくとも一方にカルボキシ基を有したアクリル樹脂、ポリエーテル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂材料は、水系溶媒に均一に分散してグリーンシートに好適な形状一体性を付与することができると共に、低温の脱脂処理でも好適に除去することができる。なお、水系バインダの残留による焼成不良をより好適に防止するという観点から、水系バインダとして使用される樹脂材料の400℃での加熱処理後の重量減少率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。また、かかる加熱処理後の重量減少率の上限は、特に制限されず、100%以下であってもよく、99%以下であってもよい。
また、水系バインダのガラス転移温度は、脱脂処理における加熱温度よりも低いと好ましい。これにより、脱脂処理で水系バインダを容易に除去し、水系バインダの残留による焼成不良をより好適に防止できる。なお、水系バインダのガラス転移温度は、脱脂処理と焼成処理の各々における加熱温度に応じて適宜変更され得るが、例えば、10℃~80℃が好ましい。
なお、シートの形状一体性を適切に向上させて成形不良を防止するという観点から、水系バインダの添加量は、7wt%以上が好ましく、9wt%以上がより好ましく、10wt%以上がさらに好ましく、12wt%以上が特に好ましい。また、グリーンシートの粘着性が必要以上に向上して取扱性や生産性が低下することを防止するという観点から、上記水系バインダの重量の上限は、27wt%以下が好ましく、25wt%以下がより好ましく、23wt%以下がさらに好ましく、22wt%以下が特に好ましい。なお、本明細書における「水系バインダの添加量」は、ガラス粉末の重量を100wt%としたときの添加量を示す。
4.可塑剤
可塑剤は、封止用グリーンシートに、強度、柔軟性、保湿性を付与し、シート成形性や保管性を高める成分である。ここに開示される可塑剤は、3価以上のアルコールおよびポリエーテルの少なくとも一方を含む。これらの樹脂材料は、水系溶媒に分散させた場合でも、グリーンシートに好適な強度と柔軟性を付与することができるため、シート成形時の成形不良や破損を好適に防止できる。3価以上のアルコールの好適例として、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリンなどのポリグリセリンや、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、アルビトール、ソルビトール、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、ソルボース、フルクトース、パラチノース、マルトトリオース、マレジトース等が挙げられる。また、ポリエーテルの好適例として、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル等が挙げられる。これらのなかでも、グリセリンやポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルは、特に好適な強度、柔軟性を付与できると共に、好適な保湿性を付与することもできるため、成形後のグリーンシートの保管性の観点からも好ましい。
また、ここに開示される封止用グリーンシートでは、可塑剤として、平均分子量が1500以下の樹脂材料が用いられる。可塑剤の平均分子量が大きくなりすぎると、分子鎖が長い可塑剤がガラス粉末と過剰に結合し、グリーンシートの前駆体(例えば、造粒粉)がゴム状になってシート成形が困難になる傾向がある。なお、好適なシート成形性を得るという観点から、可塑剤の平均分子量は、1450以下が好ましく、1400以下がより好ましく、1350以下がさらに好ましく、1300以下が特に好ましい。また、成形後のグリーンシートの保管性(保湿性)を向上させるという観点から、可塑剤の平均分子量は、350以上が好ましく、750以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましい。なお、本明細書における「平均分子量」は、重量平均分子量を指す。
そして、可塑剤による成形性向上効果を適切に発揮させるためには、ガラス粉末の重量(100wt%)に対して1wt%以上の可塑剤を添加する必要がある。一方、可塑剤の添加量が多すぎると、成形後のグリーンシートの粘着性が顕著に向上し、成形装置に密着して剥がすことができなくなる可能性があるため、可塑剤の添加量の上限を4.8wt%以下にする必要がある。なお、上記成形性向上効果をより好適に発揮させるという観点から、可塑剤の添加量は、1.5wt%以上が好ましく、2wt%以上がより好ましく、2.5wt%以上がさらに好ましい。一方、成形装置への密着を確実に防止するという観点から、可塑剤の添加量の上限は、4.5wt%以下が好ましく、4.3wt%以下がより好ましく、4.1wt%以下がさらに好ましく、4wt%以下が特に好ましい。
5.その他の成分
上記したように、ガラス封止部の緻密性(焼成処理後の相対密度)は、脱脂処理後のグリーンシートに水系バインダが残留することによって大きく低下する。これに対して、ここに開示されるグリーンシートでは、400℃での加熱処理後の重量減少率が76%以上となる樹脂材料を水系バインダとして選定し、脱脂処理後の水系バインダの残留を防止している。しかし、焼成処理後のガラスの相対密度は、上述した水系バインダの残留以外に、ガラス粉末の成分、ガラス粉末の粒径、その他の任意成分(フィラーや焼結助剤等)の添加量等の種々の要因によって変化し得る。ここに開示される技術は、これらの他の要因を調整することを排除する意図はない。すなわち、加熱処理後の重量減少率が76%以上の樹脂材料を水系バインダとして選定して脱脂処理後の水系バインダの残留を防止した上で、他の要因の調整をして焼成処理後の緻密性をさらに向上させた場合も、ここに開示される封止用グリーンシートの好ましい一態様として包含される。
また、成形後の封止用グリーンシートの平均厚みは特に限定されないが、50μm~2000μmが好ましく、100μm~1000μmがより好ましい。平均厚みが所定値以上であると、ガス封止部の機械的強度を向上することができる。また、平均厚みが所定値以下であると、焼成時の体積変化を抑えて焼成中の破損を抑制できる。
また、成形後の封止用グリーンシートの引張強度は、0.22MPa以上0.53MPa以下が好ましく、0.3MPa以上0.53MPa以下がより好ましい。封止用グリーンシートの引張強度が所定値以上にすることによって、シート成形時の成形不良や破損を好適に防止できる。また、引張強度が所定値以下にすることによって、造粒粉の加圧成形を容易に実施できる。なお、ここでの引張強度は、JIS K7161に準拠した引張特性試験によって測定されたものである。
≪封止用グリーンシートの作製方法≫
以下、封止用グリーンシートを作製する方法の一例を説明する。以下の説明は、ここに開示される封止用グリーンシートを限定することを意図するものではない。
まず、上述した4成分と、その他の任意成分とを用意し、これらの材料を混合する。これらの材料の混合には、例えばボールミル、ミキサー、ディスパー、ニーダなどの従来公知の種々の混合装置を特に制限なく使用できる。
次に、上述の混合物から封止用グリーンシートの前駆体を作製する。かかる前駆体の一例として造粒粉が挙げられる。この造粒粉は、上述の各成分を混合した混合物を所定の大きさに造粒(成粒)したそぼろ状の粉体材料である。かかる造粒粉を作製する方法については特に限定されず、例えば、噴霧造粒法(スプレードライ法)、転動造粒法、流動層造粒法、撹拌造粒法、圧縮造粒法、押出造粒法、破砕造粒法などを採用できる。これらの中では、噴霧造粒法を好ましく採用できる。具体的には、上記混合物に水系溶媒をさらに添加して液状材料を調製して、該液状材料を乾燥雰囲気中に噴霧して乾燥させることによって造粒粉を得ることができる。この噴霧造粒法を用いることによって、噴霧された液滴の大きさに応じた粒子が形成されるため、造粒粉中の粒子の大きさや質量を容易に調節できる。
次に、上記得られた造粒粉を加圧成形することによって、封止用グリーンシートを作製する。成形方法としては、ロール成形法、プレス成形法などの従来公知の種々の加圧成形方法を好適に採用できる。これらの中では、ロール成形法を好ましく採用できる。かかるロール成形法では、一対の圧延ロールを有した成形装置を使用し、当該一対の圧延ロールの間に造粒粉を供給する。そして、各々の圧延ロールを回転させることによって造粒粉を圧縮してシート状に成形する。かかるロール成形法によると、粉末状やそぼろ状の原料粉からシートを直接成形できるため、原料スラリーを調製する必要がなく、作業効率の向上に貢献できる。また、均質性に優れた封止用グリーンシートの安定的な成形にも貢献できる。
そして、上述したように、ここに開示される技術では、3価以上のアルコールおよびポリエーテルの少なくとも一方であり、かつ、平均分子量が1500以下である樹脂材料が可塑剤として使用されている。そして、当該可塑剤の添加量が1wt%以上4.8wt%以下に設定されている。このため、水系溶媒を使用しているにもかかわらず、グリーンシートの前駆体(例えば、造粒粉)に好適な強度および柔軟性を付与し、上記シート成形における成形不良や破損(ひび割れ)の発生を好適に防止できる。また、上述の可塑剤は、成形後のシートに好適な保湿性を付与し、乾燥によるひび割れを抑制できるため、焼成前のグリーンシートの保管性の向上にも貢献できる。
≪封止用グリーンシートの用途≫
ここに開示される封止用グリーンシートは、同種部材間または異種部材間の電気的・物理的な封止接合に好適に用いられる。かかる封止接合の接合対象としては、金属部材やセラミック部材などの無機部材が挙げられる。すなわち、ここに開示される封止用グリーンシートは、金属部材同士の封止接合、セラミック部材同士の封止接合、セラミック部材と金属部材との封止接合などに使用され得る。
上記金属部材の具体例としては、SOFCの単セルにガスを供給するためのガス管や、SOFCの単セル間に配置され、該単セル同士を電気的に接続するインターコネクタなどが挙げられる。金属部材の材質としては、ステンレス鋼、アルミニウム、クロム、鉄、ニッケル、銅、銀、マンガン、およびこれらの合金などが挙げられる。これらの金属部材の熱膨張係数は、10×10-6-1~15×10-6-1程度であり得る。
一方、セラミック部材の具体例としては、SOFCの燃料極や空気極、インターコネクタなどが挙げられる。セラミック部材の材質としては、アルミナ、フォルステライト、チタニア、イットリア、ジルコニア、安定化ジルコニアなどが挙げられる。セラミック部材は、いずれか1種のセラミックの単体であっても良いし、2種以上のセラミックが複合化された複合材料(例えば、ムライト、ステアタイト、アルミナジルコニアなど)であっても良い。これらのセラミック部材の熱膨張係数は、6×10-6-1~8×10-6-1程度であり得る。
ここに開示される封止用グリーンシートは、上述した接合対象の被接合部分に貼り付けられた後に、脱脂処理と焼成処理を順次実施されることによってガス封止部を形成する。
かかるガス封止部の形成における脱脂処理では、大気雰囲気において、上記水系バインダおよび可塑剤の焼失温度よりも高温、かつ、ガラス粉末のガラス転移温度よりも低温の温度域で封止用グリーンシートを加熱する。これによって、水系バインダや可塑剤等の有機物が除去される。この脱脂処理における温度は、300℃以上が好ましく、350℃以上がより好ましい。一方、脱脂処理における加熱温度の上限は、550℃以下が好ましく、500℃以下がより好ましく、480℃以下がさらに好ましく、450℃以下が特に好ましい。なお、ここに開示される封止用グリーンシートの緻密性向上効果を適切に発揮させるという観点では、脱脂処理における加熱温度を400℃に設定することが好ましい。
一方、焼成処理では、還元雰囲気において、ガラス粉末のガラス転移温度よりも高温で封止用グリーンシートを加熱する。これによって、封止用グリーンシート中のガラス粉末が被封止部材に融着固化してガス封止部が形成される。この焼成処理における加熱温度は、700℃以上が好ましく、750℃以上がより好ましく、800℃以上が更に好ましい。また、加熱温度の上限は、900℃以下が好ましく、875℃以下がより好ましい。かかる焼成処理における加熱温度の一例として850℃が挙げられる。
そして、上述したように、ここに開示される技術では、400℃の大気雰囲気における加熱処理後の重量減少率が76%以上である樹脂材料が水系バインダとして用いられている。これによって、脱脂処理において水系バインダが十分に除去されるため、水系バインダの残留による焼成不良の発生を防止できる。これによって、相対密度が57%以上という緻密なガス封止部を形成できるため、ガス封止部からのガスリークによる発電性能の低下を好適に防止できる。
≪固体酸化物形燃料電池≫
次に、ここに開示される封止用グリーンシートを用いて作製された固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムについて説明する。図1は、固体酸化物形燃料電池システムを模式的に示す断面図である。
図1に示されるSOFCシステム100は、アノード支持型の円筒型SOFCの単セル10を備えている。この単セル10では、多孔質構造を有した円筒状の燃料極(アノード)12の外表面に、酸化物イオン伝導体からなる緻密な層状の固体電解質14と、多孔質構造の空気極(カソード)16とが順に形成されている。かかる構造のSOFCシステム100では、円筒状の燃料極12の内部空間11に燃料ガス(典型的には水素(H)ガス)が供給されると共に、単セル10の外部に露出した空気極16に酸素(O)含有ガス(典型的には空気)が供給される。
なお、燃料極12としては、ニッケル(Ni)とYSZのサーメットからなるものが例示される。固体電解質14としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)やガドリニアドープセリア(GDC)、ランタンガレード(LaGaO)からなるものが例示される。空気極16としては、(LaSr)MnO、(LaCa)MnOに代表されるランタンマンガネート(LaMnO)系や、LaCoO、(LaSr)CoO、(LaSr)(CoFe)O等に代表されるランタンコバルトネート系、さらには、(LaSr)(TiFe)O等に代表されるランタンチタネート系のペロブスカイト型酸化物からなるものが例示される。
そして、このSOFCシステム100は、燃料極12と略同径のガス管20を一対備えている。そして、燃料極12の一方の端面13に一方のガス管20の端面21が面接触しており、燃料極12の他方の端面15に他方のガス管20の端面23が面接触している。そして、これらの燃料極12とガス管20との各々の境界を覆うようにガス封止部1が形成されており、当該ガス封止部1によって燃料極12とガス管20とが封止接合されている。このSOFCシステム100では、かかるガス封止部1の形成に、上記構成の封止用グリーンシートが用いられている。
ここで、図1に示されるSOFCシステムは、単セル10として低温作動型SOFCを用いている。このとき、作動温度が800℃以上の通常のSOFCの場合には、当該作動温度に応じて比較的に高温(550℃~650℃)の脱脂処理を実施できるため、封止用グリーンシート中の有機物を好適に除去でき、バインダ等の残留による焼成不良が生じ難い。一方、作動温度が600℃程度の低温作動型SOFCの場合には、当該作動温度の制限によって300℃~500℃程度(例えば400℃)の比較的低温で脱脂処理を行うことが求められる。これに対して、ここに開示される封止用グリーンシートでは、400℃の加熱処理後の重量減少率が76%以上である樹脂材料が水系バインダとして選定されているため、比較的低温の脱脂処理でも水系バインダを好適に除去できる。これによって、緻密なガス封止部1を形成できるため、当該ガス封止部1におけるガスリークを好適に防止することができる。
[試験例]
以下、本発明に関する幾つかの試験例を説明するが、本発明をかかる試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
A.第1の試験
本試験においては、水系グリーンシートの成形における成形不良や破損を好適に防止できる可塑剤を調べた。
1.各サンプルの作製
(1)サンプル1
ガラス粉末100wt%に対して、アクリル系バインダ(東亜合成、AS-2000)を12wt%、水を250wt%添加して得られたスラリーをポットミルで24時間混錬した。次に、スプレードライ法を用いて、上記スラリーから粒径30μm程度の造粒粉を作製した(サンプル1)。なお、本試験では、以下の組成を有するSiO-RO-Al系ガラスをガラス粉末に使用した。
SiO :73mol%
CaO :4mol%
Al : 7mol%
LiO : 2mol%
O :14mol%
(2)サンプル2~9
可塑剤を4.8wt%添加したことを除いて、サンプル1と同じ条件で造粒粉を作製した。なお、サンプル2~9の各々で可塑剤に使用した成分を異ならせた。各サンプルで使用した可塑剤を表1に示す。なお、表1では、便宜上、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを「POEPGE」と表示する。
2.評価試験
(1)成形性評価
各サンプルの造粒粉を加圧成形することによって、封止用グリーンシート(厚さ:1.0mm、幅:200mm、長さ:400mm)を作製した。なお、造粒粉の加圧成形では、ロール成形装置を使用してロール成形を行った。そして、成形直後のグリーンシートを目視にて観察し、各サンプルの成形性を評価した。具体的には、シート成形ができなかった場合や、50mm分成形した後でもシート端部からシートの幅方向に沿った20mm以上のひび割れが生じた場合を「×」と評価した。また、50mm分成形した後に上記ひび割れがないシートが成形された場合を「○」と評価し、50mm分成形する前にひび割れのないシートが成形された場合を「◎」と評価した。評価結果を表1に示す。
(2)保管性評価
成形性評価において「○」以上の評価が得られたサンプルに対して、保管性評価を行った。この評価では、成形したグリーンシートのひび割れが生じていない部分から直径16mmの試験片を採集し、25℃の環境下で10日間保管した後に試験片の表面状態を観察した。さらに、保管後の試験片を種々の曲率半径(R)で巻き付け、試験片の端部から20mm以上のひび割れが生じた際の曲率半径(R)を調べることによって保管後の柔軟性を調べた。そして、巻きつけ前のシート表面にひび割れが生じている場合や曲率半径(R)が100の場合でもひび割れが生じたものを「×」と評価した。また、曲率半径(R)が100の場合にひび割れが生じなかったものを「○」と評価し、曲率半径(R)が90の場合でもひび割れが生じなかったものを「◎」と評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 0007183104000001
表1に示す成形性評価の結果より、サンプル4~8の造粒粉を用いると、水系溶媒を使用することによる成形不良が好適に防止され、封止用グリーンシートを好適に成形できることが確認された。このことから、可塑剤として、3価以上のアルコールまたはポリエーテルを使用することによって、水系溶媒を使用した場合でも、封止用グリーンシートを好適に成形できることが確認された。但し、サンプル9では、作製した造粒粉がゴム状になり、シート成形が困難になった。これは、長い分子鎖がガラス粉末と過剰に結合して弾性が急激に上昇したためと予想される。このことから、可塑剤として使用する樹脂材料の平均分子量を1500以下にする必要があることが分かった。
また、保管性評価の結果より、サンプル4、8では、10日間という長期間の保管を行った後でも、ひび割れが生じず、好適な柔軟性を有していた。この結果から、3価アルコールやポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを可塑剤として使用することにより、好適な保湿性を付与し、グリーンシートの保管性を大幅に向上できることが分かった。
B.第2の試験
本試験では可塑剤の好適な添加量を調べた。
1.各サンプルの作製
(1)サンプル10~15
表2に示すように、可塑剤(グリセリン)の添加量を異ならせた5種類の造粒粉を作製した(サンプル10~14)。さらに、平均分子量が1500のポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを可塑剤として4.8wt%添加した造粒粉を作製した(サンプル15)。なお、可塑剤を除く各成分は、上記第1の試験のサンプル1と同じ成分にした。
2.評価試験
第1の試験と同様の手順に従って封止用グリーンシートを成形し、成形性評価と保管性評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0007183104000002
表2に示す成形性評価の結果より、サンプル11~13およびサンプル15の造粒粉を用いると、水系溶媒を使用した場合でも、封止用グリーンシートを容易に成形できることが確認された。一方、サンプル10では、強度や弾性が不足して成形不良や破損が生じることがあった。また、サンプル14では、成形後のシートが圧延ロールに張り付いて回収することが困難になった。これらの結果から、上述した可塑剤の効果を好適に発揮させるためには、当該可塑剤の添加量を1wt%~4.8wt%の範囲内にする必要があることが分かった。なお、可塑剤の添加量を1wt%~4.8wt%の範囲内に設定したサンプル11~13およびサンプル15では、保管性評価においても好適な結果が得られた。
C.第3の試験
本試験では、焼成後のガスリークを防止できる緻密なガス封止部を形成できる封止用グリーンシートについて調べた。
1.水系バインダの解析
本試験では、先ず、9種類の水系バインダ(バインダA~H)を準備した。そして、各バインダを10g採集し、試験用サンプルとして電気炉に収容した。その後、400℃、大気雰囲気の条件で2時間加熱処理を行い、加熱後のバインダの重量を測定した。そして、加熱前後の重量変化に基づいて、大気雰囲気下における400℃の加熱処理後の重量減少率を求めた。結果を表3に示す。なお、各々の水系バインダ(バインダA~H)の詳細は以下のとおりである。
[バインダA~Hの詳細]
バインダA:ジャパンコーティングレジン株式会社製 アクリル系バインダ(ESZ-4366-02)
バインダB:ジャパンコーティングレジン株式会社製 アクリル系バインダ(SA-200)
バインダC:ジャパンコーティングレジン株式会社製 アクリル系バインダ(SA-203)
バインダD:東亞合成株式会社製 アクリル系バインダ(AS-1800)
バインダE:東亞合成株式会社製 アクリル系バインダ(AS-2000)
バインダF:三洋化成工業株式会社製 ポリエーテル系バインダ(メルポールF-220)
バインダG:三洋化成工業株式会社製 ポリエーテル系バインダ(PEG1000)
バインダH:三洋化成工業株式会社製 ポリエーテル系バインダ(PEG10000)
Figure 0007183104000003
2.サンプルの作製
(1)サンプル16
サンプル16では、加熱処理後の重量減少率が52%であるバインダAを水系バインダとして使用した。そして、ガラス粉末100wt%に対して、バインダAを17wt%、可塑剤(グリセリン)を4.8wt%、水を250wt%添加し得られたスラリーをポットミルで24時間混錬した。そして、スプレードライ法を用いて粒径30μm程度の造粒粉を作製した。なお、ガラス粉末の組成は以下のとおりである。
SiO :73mol%
CaO : 4mol%
Al : 7mol%
LiO : 2mol%
O :14mol%
次に、第1の試験と同様の手順に従ってロール成形を行って封止用グリーンシートを作製した。そして、得られたグリーンシートから直径16mmの円板状の試験片を採集し、電気炉を用いて400℃の大気雰囲気下での脱脂処理を2時間実施した。このとき、脱脂処理を行う前後の試験片の重量を測定し、「脱脂後のグリーンシートの重量減少割合(%)」を求めた。さらに、脱脂処理後のグリーンシートを再度電気炉に収容し、850℃の還元雰囲気下での焼成処理を2時間実施した。そして、アルキメデス法に基づいて「焼成後の相対密度(%)」を求めた。各々の測定結果を表4に示す。
(2)サンプル17~31
水系バインダの種類、添加量、可塑剤の種類を異ならせた点を除いてサンプル16と同じ条件で、造粒粉の作製、シートの成形、脱脂処理、焼成処理を順次行い、脱脂後の重量減少割合(%)と焼成後の相対密度(%)を求めた。各サンプルの詳細を表4に示す。
3.評価試験
(1)成形性評価
上述した第1の試験と同様の評価基準で成形性評価を行った。評価結果を表4に示す。
(2)封止性評価
ここでは、各サンプルの封止用グリーンシートを用いてガス封止部を形成し、当該ガス封止部のガス封止性を評価した。具体的には、まず、各サンプルの封止用グリーンシートから直径16mmの円板状の試験片を採集した。そして、ドーナツ状の測定用治具を準備し、当該治具の中央の開口部を塞ぐように円板状の試験片を貼り付けた後、脱脂処理と焼成処理を実施してガス封止部を形成した。なお、脱脂処理は、上記「脱脂後の重量減少割合」の測定で行った脱脂処理と同じ条件に設定し、焼成処理は、「焼成後の相対密度(%)」の測定で行った焼成処理と同じ条件に設定した。
次に、上面が開口した円筒状の測定部を有するガスリーク評価装置を準備し、当該円筒状の測定部の上面を塞ぐように、ガス封止部が固着した測定用治具を取り付けた。そして、測定部の内部にHeガスを供給して圧力を5kPaまで上昇させた後、当該測定部の内圧を測定しながら1分間保持した。そして、測定期間中の圧力降下量に基づいてガスリーク量(ml/min)を求めた。そして、ガスリーク量が0.01ml/min以上の場合を「×」と評価し、0.01ml/min未満0.005ml/min以上の場合を「○」と評価し、0.005ml/min未満の場合を「◎」と評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 0007183104000004
表4中の成形性評価の結果に示されるように、全てのサンプルにおいて、封止用グリーンシートを好適に成形することができた。次に、封止性評価の結果に示されるように、サンプル19~31において、相対密度が57%以上という緻密なガス封止部が形成され、「○」以上の封止性が得られた。これらのサンプルの共通点は、400℃の大気雰囲気下で行った加熱処理後の重量減少率が76%以上の水系バインダ(バインダD~H)を使用したことである。このことから、水系グリーンシートを用いて低温SOFCのガス封止部を形成する場合には、水系バインダの加熱処理後の重量減少率を予め調べ、当該重量減少率が76%以上の水系バインダを選定すればよいことが分かった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 ガス封止部
10 単セル
12 燃料極(アノード)
13、15 燃料極の端部
14 固体電解質層
16 空気極(カソード)
20 ガス管
100 SOFCシステム

Claims (8)

  1. 固体酸化物形燃料電池のガス封止部の形成に用いられる封止用グリーンシートであって、
    ガラス粉末と、水系溶媒と、カルボキシ基を有する樹脂材料を含む水系バインダと、可塑剤と、を含有し、
    前記水系バインダの樹脂材料として、400℃の大気雰囲気における加熱処理後の重量減少率が76%以上である樹脂材料が用いられており、
    前記可塑剤は、3価以上のアルコールおよびポリエーテルの少なくとも一方であり、かつ、平均分子量が1500以下の樹脂材料を含み、前記ガラス粉末の重量を100wt%としたときの添加量が1wt%以上4.8wt%以下である、封止用グリーンシート。
  2. 前記水系バインダは、アクリル樹脂またはポリエーテル樹脂であり、側鎖および末端の少なくとも一方にカルボキシ基を有している、請求項1に記載の封止用グリーンシート。
  3. 前記水系バインダは、ガラス転移温度が10℃以上80℃以下の樹脂材料である、請求項1または2に記載の封止用グリーンシート。
  4. 前記ガラス粉末の重量を100wt%としたときの前記水系バインダの重量が7wt%以上27wt%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の封止用グリーンシート。
  5. 前記ガラス粉末は、体積基準の粒度分布において、粒径の小さい方から累積50個数%に相当するD50粒径が3μm以上20μm以下であり、かつ、粒径の小さい方から累積90個数%に相当するD90粒径が50μm以上100μmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の封止用グリーンシート。
  6. 前記ガラス粉末は、酸化物換算の質量比で以下の組成:
    SiO 17~78mol%;
    RO 3~47mol%;
    Al 2~15mol%;
    0~10mol%;
    0~16mol%;
    R’O 0~16mol%;
    (ここで、RはMg,Ca,Zn,Ba,Srからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含み、R’はLi,K,Naからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む)から実質的に構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の封止用グリーンシート。
  7. 前記ガラス粉末のガラス転移温度が550℃以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載の封止用グリーンシート。
  8. JIS K7161に準拠した引張強度が0.22MPa以上0.53MPa以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の封止用グリーンシート。
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