JP5746398B2 - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、バリア層を備える固体酸化物型燃料電池に関する。
固体酸化物型燃料電池は、一般的に、多孔質の燃料極と、緻密質の固体電解質層と、多孔質の空気極とを備える。
従来、固体電解質層と空気極の間に高抵抗層が形成されることを抑制するために、固体電解質層と空気極の間にバリア層を介挿させる手法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−283877号公報
しかしながら、焼成時や発電時にバリア層と空気極の界面に剥離が発生する場合がある。これは、焼成時や発電時に界面付近に発生する熱応力が原因であるものと考えられる。このような問題は、緻密質のバリア層上に多孔層(例えば、多孔質空気極や多孔質バリア層など)が形成される場合に生じるものと考えられる。
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、バリア層と多孔層の界面に剥離が発生することを抑制可能な固体酸化物型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る固体酸化物型燃料電池は、燃料極と、固体電解質層と、バリア層と、多孔層とを備える。固体電解質層は、燃料極上に配置される。バリア層は、固体電解質層上に配置され、セリア系材料を主成分として含む。多孔層は、バリア層上に配置される。燃料極と固体電解質層とバリア層は、共焼成されている。バリア層は、多孔層側に突出する複数の凸部を有する。複数の凸部それぞれは、バリア層を構成するバリア層粒子によって形成される。バリア層粒子の平均円相当径は、0.3μm以上3μm以下である。バリア層と多孔層の界面を断面視した場合に、複数の凸部の平均幅に対する複数の凸部の平均高さの比は、0.05以上である。
本発明によれば、バリア層と多孔層の界面に剥離が発生することを抑制可能な固体酸化物型燃料電池を提供することができる。
固体酸化物型燃料電池の構成を示す拡大断面図 バリア層と空気極の界面付近の断面を模式的に示す断面図 バリア層と空気極の界面付近の断面を3万倍に拡大したSTEM画像
次に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(固体酸化物型燃料電池10の構成)
固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)10の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、固体酸化物型燃料電池10の構成を示す拡大断面図である。
固体酸化物型燃料電池10は、縦縞型、横縞型、燃料極支持型、電解質平板型、或いは円筒型の燃料電池である。固体酸化物型燃料電池10は、図1に示すように、燃料極20、固体電解質層30、バリア層40および空気極50を備える。
燃料極20は、固体酸化物型燃料電池10のアノードとして機能する。燃料極20は、図1に示すように、燃料極集電層21と燃料極活性層22を有する。
燃料極集電層21は、多孔質の板状焼成体である。燃料極集電層21は、ニッケル(Ni)と酸素イオン伝導性物質を主成分として含んでいてもよい。燃料極集電層21は、NiをNiOとして含んでいてもよい。燃料極集電層21がNiOを含む場合、NiOは、発電時に水素ガスによってNiに還元されてもよい。酸素イオン伝導性物質としては、イットリア安定化ジルコニア(3YSZ、8YSZ、10YSZなど)やスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)などが挙げられる。燃料極集電層21において、Ni及び/又はNiOの体積比率はNi換算で35〜65体積%とすることができ、酸素イオン伝導性物質の体積比率は35〜65体積%とすることができる。還元時における燃料極集電層21の気孔率は、15%以上50%以下であることが好ましい。燃料極集電層21の厚みは、0.2mm〜5.0mmとすることができる。
なお、本実施形態において、「組成物Aが物質Bを主成分として含む」とは、好ましくは、組成物Aにおける物質Bの含量が60重量%以上であることを意味し、より好ましくは、組成物Aにおける物質Bの含量が70重量%以上であることを意味する。
燃料極活性層22は、燃料極集電層21と固体電解質層30の間に配置される。燃料極活性層22は、多孔質の板状焼成体である。燃料極活性層22は、Niと酸素イオン伝導性物質を主成分として含む。燃料極活性層22は、NiをNiOとして含んでいてもよい。燃料極活性層22がNiOを含む場合、NiOは、発電時に水素ガスによってNiに還元されてもよい。酸素イオン伝導性物質としては、イットリア安定化ジルコニア(3YSZ、8YSZ、10YSZなど)やスカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)などが挙げられる。燃料極活性層22において、Ni及び/又はNiOの体積比率はNi換算で25〜50体積%とすることができ、酸素イオン伝導性物質の体積比率は50〜75体積%とすることができる。還元時における燃料極活性層22の気孔率は、15%以上50%以下であることが好ましい。燃料極活性層22の厚みは5.0μm〜30μmとすることができる。
固体電解質層30は、燃料極20とバリア層40の間に配置される。固体電解質層30は、燃料極20及びバリア層40と共焼成されている。固体電解質層30は、空気極50で生成される酸素イオンを透過させる機能を有する。固体電解質層30の材料としては、例えば、3YSZ、8YSZ、10YSZ及びScSZなどを挙げることができる。固体電解質層30の厚みは、3μm〜30μmとすることができる。固体電解質層30は、緻密質であり、固体電解質層30の気孔率は、10%以下であることが好ましい。
バリア層40は、固体電解質層30と空気極50の間に配置される。バリア層40は、燃料極20及び固体電解質層30と共焼成されている。バリア層40は、固体電解質層30と空気極50の間に高抵抗層が形成されることを抑制する。バリア層40は、セリア(CeO)や希土類金属酸化物がCeOに固溶したセリア系材料を主成分として含む。このようなセリア系材料としては、例えばガドリニウムドープセリア(GDC:(Ce,Gd)O)やサマリウムドープセリア(SDC:(Ce,Sm)O)などが挙げられる。バリア層40は、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)、Ca(カルシウム)、又はこれらの酸化物を含有していてもよい。バリア層40は、緻密質であり、バリア層40の気孔率は、10%以下であることが好ましい。バリア層40の厚みは、3μm〜20μmとすることができる。
バリア層40は、図1に示すように、空気極50との間に界面Pを形成する。界面Pは、バリア層40の空気極50側の表面によって形成される。界面Pは、バリア層40と空気極50の成分濃度をマッピングした場合に濃度分布が急激に変化するラインや、バリア層40と空気極50の間で気孔率が急激に変化するラインによって規定することができる。界面P付近の微構造については後述する。
空気極50は、バリア層40上に配置される「多孔層」の一例である。空気極50は、固体酸化物型燃料電池10のカソードとして機能する。空気極50は、多孔質の板状焼成体である。空気極40は、一般式ABOで表され、AサイトにLa及びSrの少なくとも一方を含むペロブスカイト型複合酸化物を主成分として含む。このようなペロブスカイト型複合酸化物としては、例えばランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF:(La,Sr)(Co,Fe)O)、ランタンストロンチウムフェライト(LSF:(La,Sr)FeO)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC:(La,Sr)CoO)、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM:(La,Sr)MnO)、及びサマリウムストロンチウムコバルタイト(SSC:(Sm,Sr)CoO)などが挙げられる。空気極50の気孔率は、25%〜50%とすることができる。空気極50の厚みは、3μm〜600μmとすることができる。
(界面P付近の微構造)
界面P付近の微構造について、図面を参照しながら説明する。図2は、バリア層40と空気極50の界面P付近を模式的に示す断面図である。
バリア層40は、複数の凸部41を有する。凸部41の中央部は、空気極50側に突出する。凸部41は、図2に示すように、バリア層40を構成する粒子(以下、「バリア層粒子」という。)40aによって形成される。バリア層粒子40aのうち凸部41は、錐体状に形成されている。凸部41の表面は、曲面状に形成される。そのため、凸部41の断面は、空気極50側に湾曲するように突出している。
複数の凸部41はマトリクス状に連なっており、これによってバリア層40の空気極50側の表面が形成されている。すなわち、界面Pは、バリア層粒子40aの表面が連なることによって形成されており、周期的な凹凸形状を有する。このように、界面Pが周期的な凹凸形状を有することで、バリア層40と空気極50の接触面積の増大が図られている。
バリア層粒子40aの平均円相当径は、0.3μm以上3μm以下とすることができる。バリア層粒子40aの平均円相当径は、0.5μm以上であることが好ましい。平均円相当径とは、バリア層粒子40aと同じ断面積を有する円の直径の算術平均値である。なお、本実施形態において、「平均」とは、バリア層粒子40aごとの測定値の算術平均を意味する。平均値を求める場合、バリア層粒子40aのサンプル数は10個以上であることが好ましい。ただし、円相当径が0.05μm以下のバリア層粒子40aは接触面積の増大に対する寄与度が小さいため、平均円相当径を算出する場合には円相当径が0.05μm以下のバリア層粒子40aを除外することが好ましい。
凸部41の平均幅Wは、0.1μm以上2μm以下とすることができる。凸部41の平均幅Wは、0.3μm以上1.5μm以下であることが好ましい。凸部41の平均幅Wは、図2に示すように、凸部41の両端の平均最短距離に相当する。
凸部41の平均高さHは、0.01μm以上1μm以下とすることができる。凸部41の平均高さHは、0.03μm以上0.5μm以下であることが好ましい。凸部41の平均高さHは、図2に示すように、凸部41の両端を結ぶ直線と頂部PPの平均最短距離に相当する。
また、凸部41の平均幅Wに対する平均高さHの比(以下、「高さ幅比」)H/Wは、0.05以上である。高さ幅比H/Wが大きいほど、凸部41は急峻な形状となり、バリア層40と空気極50の接触面積のさらなる増大を図ることができる。高さ幅比H/Wは、0.4以下であることが好ましい。
凸部41の頂部PPにおける第1曲率半径CR1は、3.5μm以下であることが好ましい。第1曲率半径CR1が小さいほど、凸部41は急峻な形状となるため、バリア層40がアンカー効果を発揮する。第1曲率半径CR1は、0.3μm以上であることがより好ましい。
隣接する2つの凸部41間の最深部DPにおける第2曲率半径CR2は、2.0μm以下であることがより好ましい。第2曲率半径CR2は、0.8μm以上であることがより好ましい。最深部DPは、隣接する2つのバリア層粒子40aの粒界を含む領域である。第2曲率半径CR2が小さいほど、最深部DPが切れ込んだ形状となるため、最深部DPに入り込んだ空気極50がアンカー効果を発揮する。
また、バリア層40は、図2に示すように、複数の閉気孔42を有する。閉気孔42は、バリア層粒子40aの粒界に配置される。閉気孔42は、バリア層40の断面を3万倍率のSTEM(走査型透過電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)で観察した場合に、10μm当たり1個以上形成されていることが好ましい。閉気孔42の平均円相当径は、10nm以上100nm以下とすることができる。閉気孔42の平均円相当径は、20nm以上であることが好ましい。
(固体酸化物型燃料電池10の製造方法)
次に、固体酸化物型燃料電池10の製造方法の一例について説明する。ただし、以下に述べる材料、粒径、温度、及び塗布方法等の各種条件は、適宜変更することができる。
まず、金型プレス成形法で燃料極集電層用粉末を成形することによって、燃料極集電層21の成形体を形成する。
次に、燃料極活性層用粉末と造孔剤(例えばPMMA)との混合物にバインダーとしてPVA(ポリビニルブチラール)を添加してスラリーを作製する。続いて、印刷法などでスラリーを燃料極集電層21の成形体上に印刷して、燃料極活性層22の成形体を形成する。
次に、固体電解質層用粉末に水とバインダーを混合してスラリーを作製する。続いて、塗布法などでスラリーを燃料極20の成形体上に塗布して、固体電解質層30の成形体を形成する。
次に、バリア層用粉末(例えば、GDCなど)に水とバインダーを混合してスラリーを作製する。続いて、塗布法などでスラリーを固体電解質層30の成形体上に塗布して、バリア層40の成形体を形成する。
この際、以下に列挙する3つの因子のうち少なくとも1つを制御することによって、バリア層40における閉気孔42の数やサイズを調整することができる。
・バリア層用粉末を用いたスラリーに添加する造孔材の量とサイズ
・バリア層40の成形体の粉体充填率
・バリア層用粉末に添加する不純物(例えば、Zr)の量とサイズ
次に、成形体の積層体を1300〜1600℃で2〜20時間共焼結して、燃料極20、固体電解質層30およびバリア層40の共焼成体を形成する。
この際、以下の2つの条件のうち少なくとも1つを用いることによって、バリア層40における凸部41の形状やサイズを調整することができる。
・焼成開始温度を、燃料極20<固体電解質層30<バリア層40の順とすること
・焼成収縮率を、固体電解質層30<バリア層40<燃料極20の順とし、かつ、バリア層40の焼成収縮率を固体電解質層30の焼成収縮率よりも0.5%〜3.5%程度大きくすること
次に、空気極用材料粉末(例えば、LSCF、LSF、LSC及びLSM-8YSZなど)に水とバインダーを混合してスラリーを作製する。そして、塗布法などを用いてスラリーをバリア層40上に塗布して、空気極50の成形体を形成する。
次に、共焼成体と空気極50の成形体を900〜1100℃で1〜20時間焼結する。
(他の実施形態)
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施形態において、空気極50は多孔質な単層構造を有することとしたが、多孔質な多層構造を有していてもよい。具体的に、空気極50は、バリア層40上に形成される活性層と、活性層上に形成される集電層とを有していてもよい。活性層は、酸素イオン伝導性と電子伝導性を併せ持つ混合導電材料によって構成することができる。
また、上記実施形態では、バリア層40上に配置される「多孔層」の一例として空気極50について説明したが、これに限られるものではない。バリア層40上に配置される「多孔層」は、バリア層40よりも気孔率の高い多孔質バリア層であってもよい。このような多孔質バリア層は、バリア層40と同様の材料を用いたスラリーを共焼成体のバリア層40上に塗布した後に焼成(1200〜1500℃、1〜20時間)することによって形成できる。多孔質バリア層の気孔率は、15%以上であることが好ましい。多孔質バリア層の厚みは、1〜50μmとすることができる。なお、バリア層40と多孔質バリア層の界面は、気孔率が急激に変化するラインに規定することができる。
以下において本発明に係るセルの実施例について説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
[サンプルNo.1〜17の作製]
以下のようにして、サンプルNo.1〜17を作製した。
まず、NiOと8YSZの混合粉末を金型プレス成形法で成形して、燃料極集電層の成形体を形成した。
次に、NiOと8YSZとPMMAの混合物にPVAを添加してスラリーを作製した。続いて、このスラリーを燃料極集電層の成形体上に印刷して、燃料極活性層の成形体を形成した。
次に、8YSZに水とバインダーを混合してスラリーを作製した。続いて、このスラリーを燃料極活性層の成形体上に塗布して、固体電解質層の成形体を形成した。
次に、GDCに水とバインダーを混合してスラリーを作製した。続いて、このスラリーを固体電解質層の成形体上に塗布して、バリア層の成形体を形成した。ただし、サンプルNo.12〜15では、GDCスラリーに造孔材を添加することによって、バリア層内に閉気孔を形成した。
次に、燃料極、固体電解質層及びバリア層それぞれの成形体の積層体を共焼成(1400℃、5時間)して、燃料極、固体電解質層及びバリア層の共焼成体を作製した。この際、焼成開始温度を燃料極<固体電解質層<バリア層の順とし、かつ、焼成収縮率を固体電解質層<バリア層<燃料極の順とすることによって、バリア層の凸部の形状とサイズをサンプルごとに調整した。特に、サンプルNo.11〜17では、バリア層の焼成収縮率を固体電解質層の焼成収縮率よりも0.5%〜3.5%程度大きくすることによって、凸部の頂部と最深部における曲率半径を小さくした。
次に、LSCFに水とバインダーを混合してスラリーを作製した。続いて、このスラリーをバリア層上に塗布して、空気極の成形体を形成した。
次に、空気極の成形体を1050℃で5時間焼成して、空気極を作製した。
[バリア層と空気極の界面付近の観察]
各サンプルの断面を3万倍率のSTEMで撮像して、図3に示すようなSTEM画像を取得した。
次に、STEM画像上で界面付近を観察して、GDC粒子(バリア層粒子)のサイズ、バリア層の凸部の形状、及び閉気孔の有無を観察した。GDC粒子の平均円相当径、凸部の高さ幅比H/W、凸部の頂部PPにおける第1曲率半径CR1、凸部の最深部DPにおける第2曲率半径CR2、閉気孔の有無、及び閉気孔の平均円相当径を表1にまとめて示す。
[剥離の有無]
焼成後の各サンプルの断面を顕微鏡で観察することによって、バリア層と空気極の界面における剥離の頻度(発生箇所数)を確認した。確認結果を表1にまとめて示す。
表1では、2箇所以上で剥離が確認されたサンプルを“×”と評価し、1箇所だけ剥離が確認されたサンプルを“○”と評価し、剥離が確認されなかったサンプルを“◎”と評価した。
[熱サイクル試験後の剥離の有無]
次に、サンプルNo.10〜17について、還元雰囲気を維持した状態で、常温から800℃まで2時間で昇温し、その後4時間で常温まで降させるサイクルを10回繰り返した。
その後、各サンプルの断面を顕微鏡で観察することによって、バリア層と空気極の界面における剥離の有無を確認した。確認結果を表1にまとめて示す。
表1では、4箇所で剥離が確認されたサンプルを“×”と評価し、1箇所だけで剥離が確認されたサンプルを“○”と評価し、剥離が確認されなかったサンプルを“◎”と評価した。
表1から分かるように、バリア層粒子の平均円相当径が0.3μm以上3μm以下で、かつ、高さ幅比H/Wが0.05以上であるサンプルNo.1〜7、11〜17では、焼成後の時点における剥離の発生頻度を抑えることができた。これは、バリア層と空気極の接合面積を増大させることができたためである。特に、バリア層粒子の平均円相当径が0.5μm以上であるサンプルNo.2〜7、11〜17では、焼成後の時点において剥離が確認されなかった。
また、頂部の曲率半径が3.5μm以下であるサンプルNo.11〜17では、焼成後の時点において剥離が観察されなかった。
また、最深部の曲率半径が2.0μm以下であるサンプルNo.11〜17では、熱サイクル試験後において剥離の発生頻度を抑えることができた。
また、閉気孔を有するサンプルNo.12〜15では、熱サイクル試験後においても剥離が観察されなかった。なお、10nm未満の閉気孔を安定的に作製するのは困難であったため、サンプルNo.12〜15では10nm以上の閉気孔を作製した。また、熱サイクル試験時にクラックが発生するリスクを考慮して、サンプルNo.12〜15では100nm以下の閉気孔を作製した。
10 燃料電池
20 燃料極
30 固体電解質層
40 バリア層
40a バリア層粒子
41 凸部
42 閉気孔
50 空気極
PP 頂部
DP 最深部

Claims (6)

  1. 燃料極と、
    前記燃料極上に配置される固体電解質層と、
    前記固体電解質層上に配置され、セリア系材料を主成分として含むバリア層と、
    前記バリア層上に配置される多孔層と、
    を備え、
    前記燃料極と前記固体電解質層と前記バリア層は、共焼成されており、
    前記バリア層は、前記多孔層側に突出する複数の凸部を有し、
    前記複数の凸部それぞれは、前記バリア層を構成するバリア層粒子によって形成され、
    前記バリア層粒子の平均円相当径は、0.3μm以上3μm以下であり、
    前記バリア層と前記多孔層の界面を断面視した場合に、前記複数の凸部の平均幅に対する平均高さの比は、0.05以上0.4以下である、
    固体酸化物型燃料電池。
  2. 前記バリア層粒子の平均円相当径は、0.5μm以上である、
    請求項1に記載の固体酸化物型燃料電池。
  3. 前記複数の凸部それぞれの頂部における曲率半径は、3.5μm以下である、
    請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池。
  4. 前記複数の凸部間の最深部における曲率半径は、2μm以下である、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の固体酸化物型燃料電池。
  5. 前記バリア層は、前記バリア層粒子の粒界に形成された複数の閉気孔を有する、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の固体酸化物型燃料電池。
  6. 前記複数の閉気孔の平均円相当径は、10nm以上100nm以下である、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の固体酸化物型燃料電池。
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