JP2005008916A - 焼結用シート及び硬質材料焼結体の製造方法 - Google Patents

焼結用シート及び硬質材料焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】有機物とセラミック粉末から形成され、セラミック粉末が希土類元素含有酸化物粉末であることを特徴とする焼結用シート。
【効果】本発明の焼結用シートを使用することにより、硬質材料の焼結の際のトレーとの溶着を防止し、焼結体の曲がり、そりなどの変形を起こさず、焼結体内部への元素拡散による品質劣化のない焼結を可能にする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下における硬質材料の焼結に用いる焼結用シート及び硬質材料焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬質材料であるサーメットなどは、一般に硬質化合物に結合相を形成する粉末を混ぜ合わせ、混合物の混練、加圧成形、及び焼結、後加工により製造される。ここで、焼結工程においては、真空雰囲気中や不活性ガス雰囲気中で、1,300〜1,600℃の高温で焼結が行われる。
【0003】
一般的な超硬合金製造過程では、炭化タングステンとコバルト、炭化チタン、炭化タンタル等の固溶体を粉砕、混合した後、乾燥、造粒工程を経て造粒粉を作製し、次いでプレス成形を行う。その後、脱ワックス、予備焼結、焼結、加工等により超硬合金製品ができる。
【0004】
焼結工程は超硬合金の液相出現温度(例えばWC−Co系の三元共晶温度は1,298℃)以上の高温で処理が行われる。通常は1,300〜1,600℃の温度範囲である。焼結で大切なことは、超硬合金中の炭素量を正確に制御すると共に、硬質成分である炭化タングステンが結合層であるコバルト中に均一に分散して焼結しうるように雰囲気を制御することである。通常、真空下又は不活性ガス雰囲気下で焼結されるのが一般的である。
【0005】
硬質材料を焼結する場合、高温真空での安定性、高温強度、熱容量、価格などの観点からカーボン製のトレーが使用されてきた。しかし、カーボントレー上に載せられた成形試料が焼結時トレーと反応する問題がある。このような問題を回避するためにトレー材質を選定したり、トレー表面部にカーボンブラック、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ジルコニウムなどのセラミック粉をスプレー法により塗布したり、溶射法などによりトレー上にセラミック膜を被覆形成させることが行われており(例えば、特許文献1:特表2000−509102号公報参照)、トレー表面部にいわゆるバリアー層を設けることで、試料との反応を防止している。
また、バリアー層としてトレー上にフィルムやシートを介在させることが検討されている。特開昭62−49188号公報(特許文献2)では、プラスチック樹脂にアルミナ、ジルコニア等の粉末を混合させた焼結シートが開示されている。アルミナ、ジルコニアを用いることにより、セラミックス基板同士の融着を防止できるが、真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下で焼結される硬質材料の場合には、アルミナのように還元生成した金属元素が焼結体中に拡散して品質劣化を引き起こす等の点において問題が生じていた。
また、特許第2561624号公報(特許文献3)には、パルプ繊維にセラミック粉を分散させたセラミック基板焼成用シートが開示されているが、該公報にはセラミックスの具体的例についての開示がないが、通常のアルミナ、ジルコニアがセラミックとして一般的であり、上記と同様な問題が生じる。
【0006】
【特許文献1】
特表2000−509102号公報
【特許文献2】
特開昭62−49188号公報
【特許文献3】
特許第2561624号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
結合層の多いものや硬質成分の粒径の大きい場合は、溶射法などによりトレー上に反応し難いセラミック膜を被覆形成させたものでも結合層との溶着が起こり、数回の焼結により被覆層に割れ、剥がれが発生している。
この場合、皮膜が剥がれることで焼結体中に皮膜片が混入したり、溶着により焼結体の収縮が阻害され、変形が起こり、製品化率を悪化させている。また、カーボントレーも溶着により損傷するため、溶射皮膜の再生、トレーの更新が必要となっている。
【0008】
一方、セラミック粉を塗布する方法では、塗布膜厚みを調整したりセラミック粉末を均一に塗布することが難しく、結合層の多い場合、カーボントレーと反応が起こり、溶着、浸炭不良、変形を起こしたり、塗布材料であるアルミナ等が焼結時に発生するガスで還元され、還元生成した成分が超硬成分中に浸入拡散して品質低下を招いたりしている。また、トレー使用時毎回、塗布作業、粉末回収作業を行う必要があり、作業性を悪くしている問題もある。
【0009】
上記の理由から、特に結合層の多いものや硬質成分の粒径の大きい硬質材料を焼結する場合に溶着や変形、浸炭不良あるいは脱炭現象がなく、真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下でも還元されにくいセラミック材料で比較的簡便に焼結できる部材が望まれている。
従って、本発明の目的は、超硬合金材料やサーメット材料において、特に結合層の多いものや硬質成分の粒径の大きい材料を真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下で焼結又は熱処理を行う際に使用されて、非溶着、非反応性に優れた焼結用シート及びこれを用いた硬質材料焼結体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、イットリウム及びスカンジウムを含む希土類元素含有酸化物が真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下の高温で安定であり、これらの元素を含む酸化物を有機物シート内に分散させたものを、カーボントレーなどのトレー上に敷物として敷くことで、焼結工程の昇温段階で有機物が分解炭化し、焼結時点ではセラミック粉末がトレー上に敷きつめられた状態になり、従来のカーボン粉、アルミナ、窒化ジルコニウム、窒化アルミニウムなどの粉末を塗布する方法に比べて塗布の手間が省け、所要量のセラミック粉末をトレー上に確実に供給できると共に、硬質材料の中でも結合層の多いものや硬質化合物の粒径の大きなサーメット材料でもトレーとの溶着を防止し、焼結体の曲がり、そりなどの変形を起こさず、焼結体内部への元素拡散による品質劣化のない焼結を可能にすることを知見し、本発明をなすに至った。
【0011】
従って、本発明は、下記の硬質材料の焼結用シート及び硬質材料の焼結体の製造方法を提供する。
(1)有機物とセラミック粉末から形成され、セラミック粉末が希土類元素含有酸化物粉末であることを特徴とする焼結用シート。
(2)上記希土類元素含有酸化物中の希土類元素酸化物が40質量%以上含まれることを特徴とする(1)記載の焼結用シート。
(3)上記希土類元素含有酸化物が、希土類元素(イットリウム及びスカンジウムを含む)酸化物、又は希土類元素(イットリウム及びスカンジウムを含む)とアルミニウム、クロム、鉄、ジルコニウム、タンタル、チタン、タングステン、珪素から選ばれる1種類以上の元素とを含む酸化物であることを特徴とする(1)又は(2)記載の焼結用シート。
(4)上記希土類元素が、Y、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる1種類以上の元素であることを特徴とする(1)、(2)又は(3)記載の焼結用シート。
(5)上記希土類元素含有酸化物粉末の平均粒径が3〜200μmでアスペクト比2以下の粒子であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項記載の焼結用シート。
(6)上記シートの厚みが50〜500μmで、セラミック粉末の含有量が30〜250g/mであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項記載の焼結用シート。
(7)上記シートを構成する有機物が、パルプ、セルロース繊維、アクリル樹脂繊維、アクリル樹脂エマルジョン、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン、セルロース、ポリビニルアルコールから選ばれる1種類以上の有機物であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項記載の焼結用シート。
(8)硬質成分がWC、TiC、TiN、TiCNで結合成分が8〜30%添加されてなる部材を焼結する際に用いる(1)〜(7)のいずれか1項記載の焼結用シート。
(9)結合成分がCo、Niであることを特徴とする(8)記載の焼結用シート。
(10)(1)〜(9)のいずれか1項記載の焼結用シートをカーボン、Mo、Ta、W又はTi製のトレー上に敷いて真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下で硬質材料を焼結することを特徴とする硬質材料焼結体の製造方法。
【0012】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は、特に結合層の多い焼結部材を焼結する際に用いることを目的としており、焼結部材としてはWC、TiC、TiN、TiCN等を硬質相主成分として、Ni、Co等の結合材を添加することにより得られるものであり、特に結合材は8〜30%、好ましくは10〜25%添加された硬質材料を原料に用いるものである。
一般にCo等の結合材は、硬質材料の粒度や組織内の欠陥等にも影響するが、含有量を増加させると硬さ、圧縮強度は低下するが、クラックの伝播に対する抵抗力(破壊靭性)を増大させたり、抗折力を上げる効果がある。しかし、その結合材は1,300℃以上の高温時に液相化し、焼結体外にしみ出し、カーボン等のトレーそのものを傷めたり、トレー表面に形成されたカーボンブラック、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ジルコニウム等のセラミック粉の塗布皮膜、あるいは特表2000−509102号公報記載の20質量%以下のZrO含有Yの溶射皮膜等のセラミックバリヤー層と反応もしくは溶着して、焼結体を取り出すときにその皮膜ごと引き剥がしてしまう問題点があった。
【0013】
本発明の焼結用シートは、特に真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下でしかも1,300℃以上の高温で焼結あるいは熱処理が行われる硬質製品の焼結時にカーボン、Mo、Ta、W、Ti及びそれらの合金あるいは酸化物系セラミックスや炭化物系セラミックスから選ばれるトレー基材上に敷いて使用することが好ましいものであるが、1,300℃以下の温度で使用することも勿論可能である。
【0014】
本発明の焼結用シートは、有機物とセラミック粉末からなるシートであり、上述したように、焼結工程の昇温段階で有機物が分解炭化し、焼結時点ではセラミック粉末がトレー上に敷きつめられた状態になり、従来のカーボン粉、アルミナ、窒化ジルコニウム、窒化アルミニウムなどの粉末を塗布する方法と比べて塗布の手間が省けることと、有機溶剤などの環境汚染物質の使用を必要としない利点がある。
【0015】
更に、シートを構成するセラミック粉末がイットリウム及びスカンジウムを含む希土類元素を主成分とする希土類元素含有酸化物とすることで、高温でも熱力学的に安定な形となり、希土類元素を含まない単独のアルミニウム化合物やジルコニウム化合物の様に超硬合金成分と反応したり、またアルミナのように還元生成した金属元素が焼結体中に拡散して品質劣化を引き起こすことのない焼結用シートとしたものである。
【0016】
ここで、希土類元素としては、イットリウム及びスカンジウムを含む原子番号57〜71までの元素から選ばれる希土類元素である。このうちLa、Ce,Pr,Ndの軽希土類元素の酸化物は大気中で吸湿して微粉化したり、1,500℃前後で結晶構造の転移があるため、高温で使用する用途では、Y、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる1種類以上の元素であることが好ましい。
【0017】
本発明は、上記希土類元素を含有する酸化物を使用するものであるが、この希土類元素(イットリウム及びスカンジウムを含む)含有酸化物としては、希土類元素以外の元素を含まない希土類元素単独の酸化物を用いても、希土類元素(イットリウム及びスカンジウムを含む)以外にアルミニウム、クロム、鉄、ジルコニウム、タンタル、チタン、タングステン、珪素から選ばれる1種類以上の元素を含む酸化物でもよい。この場合、これら希土類元素以外の元素は希土類元素と複合酸化物を形成していても、これら元素の単独の酸化物として存在していてもよい。
【0018】
なお、希土類元素含有酸化物中の希土類元素酸化物の総和は、質量比換算で40%以上、好ましくは50%以上とすることで、希土類元素含有酸化物の高温安定性が更に増し、結合層の多いものや硬質化合物の粒径が大きい品種の超硬材料やサーメット材料の焼結により適した焼結用シートとすることができる。
【0019】
希土類元素酸化物粉末の平均粒径は、レーザー回折法による湿式分析法で3〜200μmの大きさのものがよい。3μmより小さい粒子の場合、焼結材料の結合層が毛細管現象で浸透しやすくなり、トレーや被焼結物の表面に粒子が強く固着してしまう場合がある。
【0020】
一方、平均粒径が200μmを超えるものは、シートに均一に分散させる場合、シート厚みを厚くする必要が生じることがあり、コスト的な問題が生じるおそれがある。中でもより好ましい平均粒径は10〜150μmである。また、粒子の形状はアスペクト比で2以下のもので、できれば球状に近いものがよい。
【0021】
シートの厚みは50〜500μmが適切であり、50μm未満の場合、焼結時材料の結合層が浸透して焼結体とトレーが溶着して焼結体の変形などを発生させる。また、500μmを超える厚みのものは、有機物の炭化が不完全になりやすく、また希土類元素含有酸化物の量を増やさないと均一性が得られない場合が生じる。
また、シート中の希土類元素含有酸化物(セラミック粉末)の量は、30〜250g/mが好ましく、30g/m未満であると硬質材料の結合成分がトレー表面に達し、溶着を起こしやすくなり、また250g/mを超えるとコスト的な問題があり、あまり好ましくない。
【0022】
上記シートを構成する有機物としては、パルプ、セルロース繊維、アクリル樹脂繊維、アクリル樹脂エマルジョン、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン、セルロース、ポリビニルアルコールから選ばれる1種類以上の有機物が挙げられる。
【0023】
シートを形成する方法は、パルプ、セルロース繊維、アクリル樹脂繊維、アクリル樹脂エマルジョン等を分散させた溶液に希土類元素含有酸化物を分散させ、紙をすくように抄造法でシート化したり、各種アクリル酸エステル樹脂及びそのエマルジョン、各種セルロース、ポリビニルアルコール等に酸化物を混練してシート成形する方法や、ベンゼン核をもたない熱可塑性樹脂を加熱し、酸化物を混練してシート成形する方法などが挙げられる。
【0024】
本発明の焼結用シートを用いて硬質材料である超硬合金やサーメット焼結体を製造する場合、上記焼結用シートを従来から使用されているカーボン、Mo、Ta、W、Ti等のトレー上に敷いて真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下で、好ましくは1,300℃以上で1〜6時間硬質材料を焼結するもので、この場合、結合層の多い品種や硬質化合物の粒径の大きい品種を焼結してもトレーとの溶着が起こらず、焼結体の変形や特性劣化が減少し、製品歩留りを向上できる。
なお、硬質材料を焼結する際の焼結条件としては、例えば超硬合金、サーメットの種類に応じた通常の条件を採用し得る。
【0025】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0026】
[実施例1〜13]
有機物としてパルプ繊維100gとポリビニルアルコール5gを約4リッターの水に分散させた後、表1に示す投入量のセラミック粉を投入撹拌し、分散混合液を調整した。この分散液を、紙を得る抄造機(網張板枠)にかけて湿シートを得、脱水し、乾燥させて焼結用シートを作成した。得られたシートの厚み及び酸化物量を表1にまとめた。そのシートを10cm×10cmに切り取り、その上に表2に示す試料−1及び2を載せ、これをグラファイトカーボン質からなるカーボントレーに載せて1,450℃で4時間、表3に示す条件下で焼結させた。
【0027】
[比較例1]
グラファイトカーボン質からなるカーボントレーに表2に示す試料−1を直接に載せて、実施例1と同様に焼結させた。
【0028】
[比較例2]
実施例1と同様にアルミナ粉含有の焼結用シートを作成し、実施例1と同様に焼結させた。
【0029】
[比較例3]
グラファイトカーボン質からなるカーボントレー表面にセラミック材として20%ZrO−80%Yからなる粉末をプラズマ溶射法により表面被覆した。マイクロスコープによる断面観察により約150ミクロンの被覆膜が形成されていることが判った。その上に、表2に示す試料−2を載せて、実施例1と同様に焼結させた。
【0030】
【表1】
Figure 2005008916
【0031】
【表2】
Figure 2005008916
【0032】
表1の組成はICP発光分光法(SPS−400(セイコーインスツルメンツ(株)製))あるいは蛍光X線法にて測定し、平均粒径はレーザー回折法(マイクロトラックFRA(日機装(株)製))で測定した。
また、酸化物量はシートを5cm角に切り取り、大気中で燃焼させ、残留した質量から1m当たりに含まれる酸化物量を計算した値である。アスペクト比は電子顕微鏡(JSM5200((株)日本電子製))により短径、長径を測定し、計算した。
焼結に使用した炉はカーボンヒーター炉で、真空、不活性雰囲気はArガス又は窒素ガスで還元雰囲気はArガスと水素ガスを真空後に流入させることで達成した。
また、1,450℃までの昇温は300℃/時間で実施し、冷却は400℃/時間の速度で冷却した。
【0033】
焼結試験の結果を表3に示す。実施例1〜13は、高Co含有試料であるが、トレーへの焼結体の溶着もなく、焼結体を簡単に取ることができた。焼結体に粒子は付着しているが、簡単に払い落とせ、粒子を取り除いた焼結体の表面は一様に銀白色の色をしており、良好な焼結結果となった。更に、カーボン板上の酸化物粉は掃除機で簡単に吸引回収できた。
【0034】
一方、比較例1では、焼結体がトレーであるカーボン板に固着してしまい、取れない状態になった。比較例2では、焼結体を回収することはできたが、焼結体の設置していた部分にほとんど粉が残っておらず、大部分が炭素分との反応で還元され、Al金属として蒸散したと考えられる。また、焼結体の設置面にあたる面は、白っぽくなっており、焼結状態が悪く、表面に凸凹したところが見受けられた。比較例3では、焼結体が溶射された被膜と溶着を起こし、取り出すと同時に溶射膜はトレー表面から引き剥がされた。
【0035】
【表3】
Figure 2005008916
【0036】
【発明の効果】
本発明の焼結用シートを使用することにより、硬質材料の焼結の際のトレーとの溶着を防止し、焼結体の曲がり、そりなどの変形を起こさず、焼結体内部への元素拡散による品質劣化のない焼結を可能にする。

Claims (10)

  1. 有機物とセラミック粉末から形成され、セラミック粉末が希土類元素含有酸化物粉末であることを特徴とする焼結用シート。
  2. 上記希土類元素含有酸化物中の希土類元素酸化物が40質量%以上含まれることを特徴とする請求項1記載の焼結用シート。
  3. 上記希土類元素含有酸化物が、希土類元素(イットリウム及びスカンジウムを含む)酸化物、又は希土類元素(イットリウム及びスカンジウムを含む)とアルミニウム、クロム、鉄、ジルコニウム、タンタル、チタン、タングステン、珪素から選ばれる1種類以上の元素とを含む酸化物であることを特徴とする請求項1又は2記載の焼結用シート。
  4. 上記希土類元素が、Y、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる1種類以上の元素であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の焼結用シート。
  5. 上記希土類元素含有酸化物粉末の平均粒径が3〜200μmでアスペクト比2以下の粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の焼結用シート。
  6. 上記シートの厚みが50〜500μmで、セラミック粉末の含有量が30〜250g/mであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の焼結用シート。
  7. 上記シートを構成する有機物が、パルプ、セルロース繊維、アクリル樹脂繊維、アクリル樹脂エマルジョン、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン、セルロース、ポリビニルアルコールから選ばれる1種類以上の有機物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の焼結用シート。
  8. 硬質成分がWC、TiC、TiN、TiCNで結合成分が8〜30%添加されてなる部材を焼結する際に用いる請求項1〜7のいずれか1項記載の焼結用シート。
  9. 結合成分がCo、Niであることを特徴とする請求項8記載の焼結用シート。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の焼結用シートをカーボン、Mo、Ta、W又はTi製のトレー上に敷いて真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下で焼結することを特徴とする硬質材料焼結体の製造方法。
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