JP2014029940A - 光検出器、これを用いた撮像装置、及び光検出器の製造方法 - Google Patents

光検出器、これを用いた撮像装置、及び光検出器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多重量子井戸へ入射する赤外線強度の低下を防止し、光検出器の感度を向上する。
【解決手段】光検出器10は、不純物がドープされていない基板16と、基板16に対して垂直に延びる量子井戸層及び障壁層とを含む量子井戸構造15と、基板16に対して水平な方向から量子井戸構造15を挟み込む一対の電極層17a,17bと、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、光検出器とこれを用いた撮像装置、及び光検出器の製造方法に関する。
量子井戸型赤外線検出器(QWIP:Quantum Well Infrared Photo-detector)は、入射光を吸収した場合に流れる電流を捕えることによって光を検知するタイプの光検知器である。近年、QWIPを用いた撮像素子(FPA:Focal Plane Array)の高画質化の要求が高まっている。高画素化に伴い画素面積が小さくなるため、検出器の感度の向上が求められている。
図1に示すように、GaAs/AlGaAs系のQWIPでは、キャリアのエネルギーに対してAlGaAsがポテンシャル障壁として作用する。GaAsはポテンシャル井戸として作用し、GaAs量子井戸の内部に離散的に量子準位が形成される。この量子準位間のエネルギー差が検出可能な光の波長に相当することになる。光が入射されるとキャリアが励起され、信号電流として検出される。
図2は、従来のQWIP100の断面図である。QWIP100の量子井戸構造としては水平積層が一般的であり、障壁層103と量子井戸層102が基板106の表面と水平に形成されている(たとえば、特許文献1参照)。基板106上に、バッファ層108を介して、下部電極層107aが形成され、下部電極層107a上に、障壁層102と、量子井戸層103が交互に積層されて多重量子井戸105が形成される。多重量子井戸105上には、上部電極層107bが形成され、その最表面に入射赤外線を乱反射させる光結合構造104が形成されている。上部電極層107bと下部電極層107a上には電圧印加用の電極109が形成されている。
赤外線は、基板に垂直に入射する。従来の赤外線検出器では、入射した赤外線は量子井戸と水平方向のみ電界成分を持つため、多重量子井戸105にて赤外線の吸収は起こらない。入射赤外線は、基板106、下部の電極層107a、多重量子井戸105、上部電極層107bを通過し、最表面の光結合構造104で乱反射される。乱反射された赤外線には量子井戸と垂直方向の電界成分が生じ、反射された赤外線が多重量子井戸105に再入射することにより、量子井戸層103で赤外線の吸収が起こる。量子井戸内のキャリアは励起され光電流として電極107a、107b間を流れる。この光電流を検出することによって赤外線を検出することができる。
従来の赤外線検出器では、赤外線は受光層である多重量子井戸105へ入射するまでに電極層107a、107bを通過する。不純物がドーピングされた電極層107a、107bでは、自由キャリア吸収により赤外線の一部が吸収される(たとえば、非特許文献1参照)。その結果、多重量子井戸105に入射する赤外線強度が減少し、流れる光電流が低減する。
特開2008−198849号公報
Physical Review, Volume 114, Number 1, pp.59-63 (1959)
本発明は、多重量子井戸へ入射する赤外線強度の低下を防止し、入射赤外線に対して流れる光電流量を従来よりも増加させて、光検出器の感度を向上することを課題とする。
本発明の1観点によると、光検出器は、
不純物がドープされていない基板と、
前記基板に対して垂直に延びる量子井戸層と障壁層を含む量子井戸構造と、
前記基板に対して水平な方向から前記量子井戸構造を挟み込む一対の電極層と、
を有する。
多重量子井戸に入射する赤外線の強度低下を防止して光電流を増加させ、光検出器の感度を向上することができる。
量子井戸でのキャリアの励起と光電流の発生を示す模式図である。 従来の水平積層型の多重量子井戸構造を示す図である。 実施例1の光検出器の概略構成図である。 実施例1の光検出器の製造工程図である。 図4の工程に引き続く光検出器の製造工程図である。 図5の工程に引き続く光検出器の製造工程図である。 実施例2の光検出器の概略構成図である。 実施例2の光検出器の製造工程図である。 図8の工程に引き続く光検出器の製造工程図である。 図9の工程に引き続く光検出器の製造工程図である。 図10の工程に引き続く光検出器の製造工程図である。 実施例3の撮像装置の概略構成図である。 図12の撮像装置の製造工程図である。 図13の工程に引き続く撮像装置の製造工程図である。 図14の工程に引き続く撮像装置の製造工程図である。 図15の工程に引き続く撮像装置の製造工程図である。 図16の工程に引き続く撮像装置の製造工程図である。
以下で、図面を参照して発明の実施形態を説明する。実施形態の光検出器とこれを用いた撮像装置は、量子井戸層と障壁層を基板の表面に対して垂直に配置した垂直型の多重量子井戸構造を採用する。電極層は、垂直配置の多重量子井戸を横方向、すなわち基板と水平な方向から挟み込む。この構成により、光検出器への入射光は不純物がドープされた電極層を通過することなく、多重量子井戸に入射することができる。また、多重量子井戸への入射時にすでに多重量子井戸と垂直な方向への電界成分を有するため、光結合構造が不要となる。
図3は、実施例1の光検出器10の概略断面図である。光検出器10は特定波長の赤外光線に対して吸収ピークを有する赤外線検出器10である。
半導体基板16上にバッファ層18を介して、下部障壁層22が形成され、下部障壁層22上に、多重量子井戸15が配置されている。多重量子井戸15では、障壁層12と量子井戸層13が基板16と垂直な方向に形成されている。光電流を取り出すための電極層17a、17bは、多重量子井戸15を横方向(基板16と水平な方向)から挟み込んでいる。電極層17a、17b上にオーミック電極14a、14bがそれぞれ形成されている。多重量子井戸15上に、上部障壁層23が形成され、上部障壁層23の最表面に反射体25が形成されている。実施例1では、反射体25は、たとえば高反射率の金属反射膜25である。
赤外線は、基板16に垂直に入射する。図3の構成では、障壁層12と量子井戸層13の周期的なパターンは基板16と水平な方向に繰り返されるため、入射した赤外線は多重量子井戸15と垂直方向に電界成分を有する。電極層17aと17bの間に電圧が印加された状態で赤外線検出器10に赤外線が入射すると、多重量子井戸15で赤外線の吸収が起こり、励起されたキャリアが走行して光電流が流れる。
赤外線検出器10に流れる光電流Ipは、式(1)で表わされる。
Figure 2014029940
ここで、eは素電荷、Φsは入射する赤外線強度、ηは量子効率、gはゲインである。式(1)からわかるように、光電流は入射する赤外線の強度と比例関係にある。
図3の構成では、赤外線が多重量子井戸15に入射するまでの経路に、不純物をドープした電極層17a、17bが位置しないため、自由キャリア吸収による赤外線の吸収を防止することができる。多重量子井戸15へ入射する赤外線の強度が、従来の水平型多重量子井戸と比較して高くなり、光電流が増加する。したがって、赤外線検出器10の感度が向上する。
さらに、上部障壁層23上に形成した反射膜25で赤外線が反射されるので、多重量子井戸(光吸収層)15を通過する赤外線の光路長が長くなり、さらに感度が向上する。
図3の構成は、入射赤外線が電極層を介さずに直接多重量子井戸15に入射する、光結合構造を用いなくても赤外線を検出できる、反射膜25により多重量子井戸15での赤外線の光路長を増大できる、という効果を有する。
図4〜図6は、図3の赤外線検出器10の製造工程図である。実施例では、赤外線検出器10を、たとえば分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)を用いて作製する。
図4(a)で、半導体基板16上にバッファ層18を形成する。半導体基板16は、例えばGaAsの微傾斜基板である。基板16の表面は、例えば(100)面から[0−11]方向に0.5°程度傾斜している。このため、半導体基板16の表面には、テラス幅「w」が約32nmの微細なステップが存在する。バッファ層18は、例えば真性GaAsで形成され、その厚さは100nm程度である。バッファ層18の表面には、基板16のステップを反映するステップが存在する。
図4(b)で、GaAsバッファ層18上に、例えば真性Al0.14Ga0.86Asの下部障壁層22を50nm形成する。下部障壁層22の表面には、基板16のステップを反映するステップが存在する。
次に、多重量子井戸15を基板16と垂直に形成する。垂直型の多重量子井戸15は、ステップフロー成長モードを利用し、分数層超格子構造を繰り返し作製することにより形成される。具体例として、図4(c)で、真正GaAs量子井戸層13がステップの端部から5nmの幅「w1」に相当する分だけ成長するように、GaとAsを供給する。ウェハの表面は、GaAs基板16のステップを反映するステップが存在するため、供給された原料は、ウェハ表面を十分に拡散し、ステップエッジに取り込まれる。このため、GaAs量子井戸層13が各ステップの側面に沿って形成される。GaAsの成長速度は、たとえば0.3μm/h、成膜温度は600℃である。
次いで、図5(a)で、真正AlGaAs障壁層12を形成する。例えば真正Al0.14Ga0.86As層12が、GaAs量子井戸層13の端部から27nmの幅「w2」に相当する分だけ成長するように、原料を供給する。量子井戸層13と同様に、供給された材料は、ウェハ表面を十分に拡散し、ステップエッジに取り込まれる。このため、Al0.14Ga0.86Asの障壁層12が量子井戸層13の側面に沿って形成される。
図5(b)で、ステップフロー成長モードを利用して、多重量子井戸15の厚さが2000nmになるまで、GaAsとAlGaAsの分数層超格子を繰り返し形成する。量子井戸層13と障壁層12からなる分数層超格子の1周期が、GaAs基板16の表面に存在するステップ幅「w」と同じになっており、多重量子井戸15はGaAs基板16の表面に対して、垂直に形成される。
次に、図5(c)で、例えば真性Al0.14Ga0.86Asの上部障壁層23を50nm形成する。上部障壁層23上に高反射率の反射膜25をたとえばAuで形成する。反射膜25上に、所定の形状の開口を有するレジストマスク27を形成する。
図6(a)で、レジストマスク27(図5(c)参照)を用いて、反射膜25とAlGaAs障壁層23の一部をエッチングする。エッチング後、イオン注入法により、開口内に例えばSiを注入し、電子濃度が1×1018cm−3のn型電極層17a、17bを基板16と垂直な方向に形成する。その後、レジストマスク27を除去する。
次に、図6(b)で、n型電極層17a、17bの上に、例えばAuGe/Ni/Auからなるオーミック電極14a、14bを形成する。これにより、赤外線検出器10を得ることができる。
図3の構成および図4〜図6の製造方法によれば、感応ピーク波長が約14μmの赤外線検出器10として効果が期待できる。図2の従来の赤外線検出器100において、散乱された赤外線が多重量子井戸(受光層)105へ再入射する時点での赤外線強度Φは、式(2)で見積もることができる。
Figure 2014029940
ここで、Φは検出器に入射する赤外線強度、αは電極層における赤外線の吸収係数、Lは赤外線が電極層を透過する距離である。従来の赤外線検出器100で、電極層107a、107bのキャリア濃度はn=2×1018cm−3、αは550cm−1、赤外線が透過する電極層107a、107bの厚さは約2μmとすると、散乱された赤外線が多重量子井戸(受光層)105へ入射する時点での赤外線強度Φと、検出器100に入射する赤外線強度Φの比は、
Figure 2014029940
となる。
これに対し、実施例1の赤外線検出器10では、入射する赤外線の強度は電極層17a、17bでの自由キャリア吸収の影響を受けないので、多重量子井戸15に入射する赤外線強度は、従来構成に比べて約10%増加する。光電流も10%増加する。
本発明は、上述した実施例に限定されない。下部障壁層22と上部障壁層23のAl組成はAlGa1−xAs(0<x≦1)の範囲で適宜選択することができる。また、量子井戸層13の形成時に、Siを同時に供給してn型GaAs量子井戸層13としてもよい。また、半導体基板16としてInP基板を用い、量子井戸層13をInGa1−xAs(0<x<1)、障壁層12をInPとしてもかまわない。各層の成膜は、分子線エピタキシーに代えて、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)を用いてもよい。
分数層超格子の1周期の幅(w1+w2)は、基板16のステップ幅「w」の1/n倍であってもかまわない(n=1,2,・・・)。半導体基板16の傾斜の程度は0.5°に限定されない。また、(100)面を基準としたときに[0−1−1]方向に傾斜した半導体基板であってもよい。(100)面から[110]方向に傾斜した基板であってもよい。かまわない。キャリアが電子である必要はなく、正孔をキャリアとして用いてもよい。この場合、量子井戸層13に注入する不純物としてBe等を用いることができる。
図7は、実施例2の赤外線検出器30の概略断面図である。実施例2では、反射体として、上部障壁層23上に分布型ブラッグ反射器(DBR)39を配置する。実施例2においても、多重量子井戸35を構成する量子井戸層33と障壁層32は、基板に16対して垂直な方向に形成される。
赤外線検出器30は、半導体基板16上にバッファ層18を介して、下部障壁層22が形成され、下部障壁層22上に多重量子井戸35が配置されている。多重量子井戸35では、障壁層32と量子井戸層33が基板16と垂直な方向に形成されている。光電流を取り出すための電極層17a、17bが、多重量子井戸35を横方向(基板16と水平な方向)から挟んでいる。電極層17a、17b上にオーミック電極14a、14bがそれぞれ形成されている。多重量子井戸35上に、上部障壁層23が形成され、上部障壁層23上に、分布型ブラッグ反射器39が形成されている。
赤外線は、基板16に垂直に入射する。図7の構成では、障壁層32と量子井戸層33の挟み込みパターンは基板16と水平な方向に繰り返され、入射する赤外線は量子井戸35と垂直方向に電界成分を有する。電極層17a、17bの間に電圧が印加された状態で赤外線検出器30に赤外線が入射すると、光結合構造がなくても多重量子井戸35にて赤外線の吸収が起こり、励起されたキャリアが走行して光電流が流れる。
多重量子井戸35を透過した赤外線は、分布型ブラッグ反射器39により高い反射率で反射され、多重量子井戸35へ再入射する。再入射した赤外線は多重量子井戸35と垂直方向に電界成分を持ち、多重量子井戸35にてさらなる赤外線の吸収が起こる。
従来の赤外線検出器100の多重量子井戸(受光層)105での感応ピーク波長の吸収係数αが1000cm−1程度であるので、分布型ブラッグ反射器39を用いることにより多重量子井戸15の厚さを約1/2にすることができる。また、赤外線が多重量子井戸35に入射するまでの経路に電極層17a、17bがないため、電極層17a、17bで自由キャリア吸収による赤外線吸収が生じない。多重量子井戸35へ入射する赤外線強度が従来の構成と比べて増加し、光電流が増大する。その結果、赤外線検出器30の感度が向上する。
図8〜図12は、実施例2の赤外線検出器30の製造工程図である。赤外線検出器30は、例えば分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法を用いて作製される。図8(a)〜図8(c)の工程は、実施例1の図4(a)〜図4(c)の工程と同様である。半導体基板16として、例えばGaAsの微傾斜基板16を用いる。図8(a)に示すように、基板16の表面は、例えば(100)面から[0−11]方向に0.5°程度傾斜している。このため、半導体基板16の表面には、テラス幅「w」が約32nmの微細なステップが存在する。
基板16上に、バッファ層18が形成されている。バッファ層18は、例えば真性GaAs層であり、膜厚は100nm程度である。バッファ層18の表面にも、GaAs基板16のステップを反映するステップが存在する。
図8(b)で、バッファ層18上に、例えば真性Al0.14Ga0.86Asの障壁層22を50nm成膜する。障壁層22の表面に、半導体基板のステップを反映するステップが存在する。
図8(c)で、多重量子井戸構造を基板に垂直に形成する。ステップフロー成長モードを利用し、分数層超格子構造を繰り返し作製することにより形成する。例えば、真性GaAsからなる量子井戸層33が、ステップの端部から5nmの幅「w1」に相当する分、成長するように原料を供給する。この時、ウェハ表面は、GaAs基板16のステップを反映するステップが存在するため、供給された材料は、ウェハ表面を十分に拡散し、ステップエッジに取り込まれる。これにより、GaAsからなる量子井戸層33が各ステップの側面に沿って形成される。
図9(a)で、例えば真性Al0.14Ga0.86As障壁層32を、GaAs量子井戸層33のステップ端から27nmの幅「w2」に相当する分、成長するように原料を供給する。量子井戸層33と同様に、供給された材料は、基板表面を十分に拡散し、ステップエッジに取り込まれる。このため、Al0.14Ga0.86Asからなる障壁層32が量子井戸層33の側面に沿って形成される。
図9(b)で、ステップフロー成長モードを利用して、GaAsとAlGaAsの分数層超格子の形成を、多重量子井戸35の厚さ「d」が1000nmとなるまで繰り返す。この厚さは、従来構造の多重量子井戸の厚さの約1/2である。量子井戸層33と障壁層32からなる分数層超格子の1周期(w1+w2)が、GaAs基板16の表面に存在するステップ幅「w」と同じになっており、多重量子井戸35を構成する量子井戸層33と障壁層32は、GaAs基板16の表面に対して垂直に形成される。
図10(a)で、例えば真性Al0.14Ga0.86Asの上部障壁層23を50nm形成する。
図10(b)で、分布型ブラッグ反射器39を形成する。感応波長をλとした時、例えば膜厚λ/4のAlAs層と、膜厚λ/4のGaAs層を交互に積層し、1周期の光学長がλ/2の整数倍になるようにする。分布型ブラッグ反射器39上に、所定の開口を有するレジストマスク38を形成する。
図11(a)で、電極層17a、17bを形成する。レジストマスク38を用いて、分布型ブラッグ反射器39と上部AlGaAs障壁層23の一部をエッチングする。イオン注入法を用いて、エッチングした開口内に、例えばSiを注入し、電子濃度が1×1018cm−3のn型電極層17a、17bを、基板と垂直に形成する。その後、レジストマスク38を除去する。
図11(b)で、n型電極層17a、17b上に、例えばAuGe/Ni/Auからなるオーミック電極14a、14bをそれぞれ形成する。これにより、赤外線検出器30を得ることができる。
なお、上部障壁層23上に形成される反射体はDBRに限定されず、ブレーズ回折格子等、任意の反射格子であってもよい。
実施例3では、実施例1の赤外線検出器10又は実施例2の赤外線検出器30を用いた撮像装置を提供する。
図12は、一例として、実施例2の赤外線検出器30を用いた撮像装置50を示す。図12(a)は撮像装置50の概略断面図、図12(b)は斜視図である。
半導体基板16上に、バッファ層18を介して複数の赤外線検出器30がアレイ状に配置されている。各赤外線検出器30のオーミック電極14a、14b上に形成されたバンプ電極40は、信号読出回路が形成された回路基板51に接合されている。すなわち、各赤外線検出器30は、バンプ電極40を介して信号読出回路と電気的に接続されている。図12(a)では光の入射面が下側、回路基板51が上側に描かれているが、実装では、図12(b)に示すように、複数の赤外線検出器30が配置された撮像素子アレイ45の光入射面を上側にして、回路基板51にフリップチップ接合されてもよい。
図13〜図17は、撮像装置50の製造工程図である。図13(a)で、GaAsの微傾斜基板16上に、例えば分子線エピタキシーを用いて真正GaAsバッファ層18を100nm成長する。基板16の表面は、実施例2で説明したように、例えば(100)面から[0−11]方向に0.5°程度傾斜し、テラス幅が約32nmの微細なステップ(不図示)が存在する。バッファ層18の表面にも、GaAs基板16のステップを反映するステップ(不図示)が存在する。
図13(b)で、バッファ層18上に、真性Al0.14Ga0.86Asの障壁層22を50nmの膜厚で形成する。障壁層22の表面にも、ウェハのステップを反映するステップ(不図示)が存在する。
図13(c)で、障壁層22上に多重量子井戸層46を形成する。多重量子井戸層46の量子井戸層33と障壁層32は、基板16の表面に対して垂直方向に延びる。実施例2で説明したように、ステップフロー成長モードを利用し、分数層超格子構造を繰り返し作製することにより、多重量子井戸層46の厚さが1000nmとなるように形成する。
図14(a)で、真性Al0.14Ga0.86Asの上部障壁層23を50nm成長する。
図14(b)で、上部障壁層23上に分布型ブラッグ反射層49を形成する。感応波長をλとした時、例えばAlAs層厚λ/4、GaAs層厚λ/4を交互に積層し、1周期の光学長がλ/2の整数倍になるようにする。分布型ブラッグ反射層49上に所定の開口57を有するレジストマスク54を形成する。
図15(a)で、レジストマスク54を用いて、分布型ブラッグ反射層49と上部AlGaAs障壁層23の一部をエッチングする。次いで、イオン注入法を用いて、エッチング開口58内に例えばSiを注入する。
図15(b)で、Si注入により電子濃度1×1018cm−3のn型電極層47が形成され、n型電極層47の間に個々の多重量子井戸35が形成される。その後、レジストマスク54を剥離する。
図16(a)で、画素分離を行う。異方性のドライエッチングで、n型電極層47に格子状の分離溝55を形成し、2次元に配列した画素を形成する。この画素分離により、多重量子井戸35を側面から挟み込む一対の電極層17a、17bが形成される。
図16(b)で、n型電極層17a、17b上に、例えばAuGe/Ni/Auのオーミック電極14a、14bを形成する。
図17で、オーミック電極14a、14bの上に、例えばInからなるバンプ40を形成し、回路基板51と接合する。これにより、撮像装置50を得ることができる。
実施例3の撮像装置は、基板に対して垂直に延びる量子井戸層と障壁層とが水平方向に繰り返され、この多重量子井戸を横方向(基板と水平な方向)から電極層で挟む構成の赤外線検出器を用いる。したがって、各画素で、自由キャリア吸収による光吸収を防止し、多重量子井戸に入射する光の強度を高く維持することができる。その結果、光電流を増大し、撮像装置全体としての感度を向上することができる。また、光結合構造を用いなくても、赤外線を検出することができる。さらに、実施例2の光検出器30を用いた場合は、多重量子井戸30の厚さを低減することができるので、薄型の撮像素子アレイ45(図12(b)参照)を作製することができる。
以上の説明に対して、以下の付記を提示する。
(付記1)
不純物がドープされていない基板と、
前記基板に対して垂直に延びる量子井戸層と障壁層とを含む量子井戸構造と、
前記基板に対して水平な方向から前記量子井戸構造を挟み込む一対の電極層と、
を有することを特徴とする光検出器。
(付記2)
前記基板は、所定の結晶面から一定の方向に階段状に傾斜した傾斜基板であることを特徴とする付記1に記載の光検出器。
(付記3)
前記量子井戸構造は、前記量子井戸層と前記障壁層とが、前記基板と水平な方向に周期的に繰り返される多重量子井戸であり、
前記多重量子井戸の周期は、前記傾斜基板のテラス幅の1/n(nは自然数)倍であることを特徴とする付記2に記載の光検出器。
(付記4)
前記量子井戸構造の上部に、前記基板に対して水平に反射体が配置されていることを特徴とする付記1〜3のいずれかに記載の光検出器。
(付記5)
前記反射体は、分布型反射器であることを特徴とする付記4に記載の光検出器。
(付記6)
前記量子井戸構造は、赤外帯域に吸収ピーク波長を有することを特徴とする付記1〜5のいずれかに記載の光検出器。
(付記7)
付記1〜6のいずれかに記載の光検出器がアレイ状に配置された撮像素子アレイと、前記撮像素子アレイに電気的に接続される回路基板と、
を有する撮像装置。
(付記8)
不純物がドープされていない基板上に、前記基板と垂直方向に伸びる量子井戸層と障壁層とが前記基板と水平な方向に周期的に繰り返される多重量子井戸層を形成し、
前記多重量子井戸層の所定の箇所に不純物を注入して、一定の周期数の多重量子井戸に隣接する一対の電極層を形成する、
工程を含むことを特徴とする光検出器の製造方法。
(付記9)
前記多重量子井戸層は、ステップフロー成長モードを利用して、分数層超格子構造を繰り返し形成することによって、前記基板と垂直方向に形成されることを特徴とする付記8に記載の光検出器の製造方法。
10、30 赤外線検出器(光検出器)
16 半導体基板
18 バッファ層
12、32 障壁層
13、33 量子井戸層
15、35 多重量子井戸(量子井戸構造)
17a、17b 電極層
22 下部障壁層
23 上部障壁層
45 撮像素子アレイ
50 撮像装置
51 回路基板

Claims (7)

  1. 不純物がドープされていない基板と、
    前記基板に対して垂直に延びる量子井戸層と障壁層とを含む量子井戸構造と、
    前記基板に対して水平な方向から前記量子井戸構造を挟み込む一対の電極層と、
    を有することを特徴とする光検出器。
  2. 前記基板は、所定の結晶面から一定の方向に階段状に傾斜した傾斜基板であることを特徴とする請求項1に記載の光検出器。
  3. 前記量子井戸構造は、前記量子井戸層と前記障壁層が、前記基板と水平な方向に周期的に繰り返される多重量子井戸であり、
    前記多重量子井戸の周期は、前記傾斜基板のテラス幅の1/n(nは自然数)倍であることを特徴とする請求項2に記載の光検出器。
  4. 前記量子井戸構造の上部に、前記基板に対して水平に反射体が配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光検出器。
    をさらに有することを特徴とする前記基板に対して
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光検出器がアレイ状に配置された撮像素子アレイと、
    前記撮像素子アレイに電気的に接続される回路基板と、
    を有する撮像装置。
  6. 不純物がドープされていない基板上に、前記基板と垂直方向に伸びる量子井戸層と障壁層とが前記基板と水平な方向に周期的に繰り返される多重量子井戸層を形成し、
    前記多重量子井戸層の所定の箇所に不純物を注入して、一定の周期数の多重量子井戸に隣接する一対の電極層を形成する、
    工程を含むことを特徴とする光検出器の製造方法。
  7. 前記多重量子井戸層は、ステップフロー成長モードを利用して、分数層超格子構造を繰り返し形成することによって、前記基板と垂直方向に形成されることを特徴とする請求項5に記載の光検出器の製造方法。
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