JPH08162060A - 電子検出装置および電子顕微鏡装置 - Google Patents

電子検出装置および電子顕微鏡装置

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JPH08162060A
JPH08162060A JP6304746A JP30474694A JPH08162060A JP H08162060 A JPH08162060 A JP H08162060A JP 6304746 A JP6304746 A JP 6304746A JP 30474694 A JP30474694 A JP 30474694A JP H08162060 A JPH08162060 A JP H08162060A
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electron
junction
electrodes
electrode
sample
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JP6304746A
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English (en)
Inventor
Fumihiko Ishida
文彦 石田
Masakazu Hayashi
正和 林
Junzo Uchida
順三 内田
Yoshiaki Akama
善昭 赤間
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低エネルギーしか持っていない二次電子を高
感度に検出することを可能とする電子検出装置および電
子顕微鏡装置を提供する。 【構成】 二次電子12を検出する検出器11を表面に対し
垂直な方向に配設された一対の電極13と、この一対の電
極間にpn接合面16a が表面に対し垂直な方向に配設さ
れたpn接合16とから構成しているので、pn接合16の
空乏層29が表面に露出していることにより、二次電子12
は他の物質を通過する必要がなくなり、極低エネルギー
しか持たない二次電子12でも散乱を受けずに、空乏層29
に侵入することが可能となり、低エネルギーしか持って
いない二次電子12を高感度に検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子検出装置および電
子顕微鏡装置に係り、特に、ごく少量しか発生しない二
次電子を高感度・高効率に検出する電子検出装置および
電子顕微鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、試料表面に存在する粒子や試料表
面の形状などを検査する装置として、低加速ビームを利
用した走査型の電子顕微鏡が用いられており、多層構造
の電子顕微鏡については、例えば、特開平5−2990
49号公報に開示されている。この公開公報に開示され
ている電子顕微鏡は電子を放射しかつ走査する電子走査
系と、試料表面から発生する反射電子や二次電子を検出
して検出信号を出力する電子検出系とからなるセンサ部
を半導体プロセス技術を用いてシリコン基板上に多数製
作したものである。
【0003】すなわち、図7に示すように、センサ部1
は電子ビーム2 を放射しかつ走査する電子走査系3 と、
電子ビーム2 が照射された試料4 の表面からの反射電子
2aあるいは二次電子2bを検出する電子検出系5 とからな
るセルを最小単位とし、このセルを同一シリコン基板上
に直線状あるいはマトリックス状に複数形成して構成さ
れる。したがって、電子走査系3 から放射された電子ビ
ーム2 はセンサ部1 に対向配置されている試料4 の表面
に照射され、試料4 の表面で反射された反射電子2aある
いは試料4 の表面上のごみなどのパーティクル(異物)
から発生する二次電子2bが隣接する電子検出系5 によっ
て検出され、検出信号として電子検出系5 から試料4 の
表面状態を反映した電流信号sが出力されるようになっ
ている。この電流信号sによって試料4 の表面状態を観
察することができる。
【0004】電子走査系3 は電子ビーム2 を放出する電
子源3aと、この電子源3aから電子ビーム2 を引き出す引
出電極3bと、この引出電極3bによって引き出された電子
ビーム2 を加速する加速電極3cと、この加速電極3cによ
り加速された電子ビーム2 を所定の焦点距離に収束する
収束電極3dと、およびこの収束電極3dによって収束され
た電子ビーム2 を任意の方向に偏向させる偏向電極3eと
を備え、各電極は電子源3aを中心とした円孔を中央に有
して環状に形成されている。加速電極3cは印加電圧の高
低によって放出された電子ビーム2 の加速を制御できる
ようになっており、また、収束電極3dは印加される電圧
に対応して焦点距離を変化できるようになっており、さ
らに、偏向電極3eは電子ビーム2 と直交方向に対向して
形成される正および負の電極で構成されており、この両
電極間の電位差の高低によって電子ビーム2 の偏向角を
変えて電子ビーム2 の走査範囲を制御できるようになっ
ている。
【0005】また、電子検出系5 は電子走査系3 の外周
に環状に配置され、電子ビーム2 を試料4 の表面に照射
した際に発生する反射電子2aと二次電子2bを検出し、検
出信号として試料4 の表面状態を反映した電流信号sが
出力する。この電流信号sに基づいて画像情報を作成す
ることにより、試料4 の物性(材料、化学的結合など)
に関する情報が得られたり、あるいは画像情報をCRT
などの表示装置で観察することが可能となる。
【0006】ところで、二次電子2b(オージェ電子、特
性X線、カソードルミネッセンスなどを含む)を検出す
る電子検出系5 は、図8に示すように、アルミニウムな
どの金属からなる一対の電極6 と、この一対の電極6 に
挾持されたp型半導体7aとn型半導体7bとからなるpn
接合7 とからなり、電極6 間に電位差を加えるための電
源8 と、この電源8 に直列に電流を検出するための電流
検知器9 がそれぞれ電極6 に接続される。pn接合7 は
二次電子2bのエネルギーを用いて電子流を増幅させて検
出感度を高めるために用いられ、そして、電子検出系5
の表面に対して平行でかつ表面に露出していない薄膜構
造で作成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のpn接合部7 は電子検出系5 の表面に対して平
行な薄膜構造で作成され、また、一方の電極6 は表面に
露出しているが、pn接合部7 は表面に露出していな
い。発生した二次電子2bが増幅作用を起こさせるための
pn接合部7 の空乏層に到達するためには、一方の電極
6 とn型半導体7bを通過する必要があり、二次電子2bは
通過する際に散乱によってエネルギーを損失してしま
う。このため低エネルギーしか持っていないの二次電子
2bはpn接合部7 の空乏層に到達できずに途中で捕獲さ
れてしまい、増幅作用を受けることができないという問
題点があった。
【0008】また、二次電子2bを空乏層まで到達させる
ためには、一方の電極6 や表面側のn型半導体7bを極薄
膜で形成する必要があり、このため、pn接合部7 を製
作する際に、シリコン(Si)基板にドーピングするエ
ネルギーなどの管理を必要としていた。また、極薄膜を
形成するためにはpn接合部7 自体を堆積させる必要が
あり、この場合、堆積させる装置に不純物の混入を減少
させるためにそれぞれ別の装置を必要としていた。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、低エネルギーしか持っていない二次電子を高感度に
検出することを可能とする電子検出装置および電子顕微
鏡装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、電子ビームが試料表面上に照射された際
に試料表面から発生する二次電子を検出する検出手段が
基板上に多層薄膜構造によって複数配列された電子検出
装置において、上記検出手段は上記基板表面に対し略垂
直な方向に配設された少なくとも一対の電極と、この少
なくとも一対の電極間に上記基板表面に対し略垂直な方
向に配設されたpn接合面とを具備したことを特徴とす
る。
【0011】また、本発明は、微細な電子源と、この電
子源から放出された電子ビームを走査する電子走査系
と、この電子走査系によって走査された電子ビームが試
料表面に照射された際に試料表面から発生する二次電子
を検出する電子検出系とからなる基板上に形成されたセ
ンサ部を複数配列した電子顕微鏡装置において、上記電
子検出系は上記基板表面に対し略垂直な方向に配設され
た一対の電極と、この一対の電極間に上記基板表面に対
し略垂直な方向に配設されたpn接合面とを具備したこ
とを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の電子検出装置は、二次電子を検出する
検出器を表面に対し垂直な方向に配設された一対の電極
と、この一対の電極間にpn接合面が表面に対し垂直な
方向に配設されたpn接合とから構成しているので、p
n接合の空乏層が表面に露出していることにより、二次
電子は他の物質を通過する必要がなくなり、極低エネル
ギーしか持っていない二次電子でも散乱を受けずに、空
乏層に侵入することが可能となり、低エネルギーしか持
っていない二次電子を高感度に検出することができる。
【0013】また、本発明の電子顕微鏡装置は、二次電
子を検出する電子検出系を表面に対し垂直な方向に配設
された一対の電極と、この一対の電極間にpn接合面が
表面に対し垂直な方向に配設されたpn接合とから構成
しているので、pn接合の空乏層が表面に露出している
ことにより、二次電子は他の物質を通過する必要がなく
なり、極低エネルギーしか持っていない二次電子でも散
乱を受けずに、空乏層に侵入することが可能となり、低
エネルギーしか持っていない二次電子を高感度に検出す
ることができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例の電子検出装置の
概略を示す図で、図1(a)は電子検出装置の外観図、
図1(b)は電子検出装置の断面図、および図1(c)
は検出器の断面図である。
【0016】図1において、11は二次電子12を検出する
検出器で、この検出器11は、アルミニウム(Al)など
の金属からなる一対の電極13と、シリコン(Si)基板
の半面ずつにホウ素(B)とリン(P)をそれぞれドー
ピングしたp型半導体14とn型半導体15とからなり、一
対の電極13間に接合面16a が二次電子12を検出する表面
に対し垂直な方向に配設されたpn接合16とで構成さ
れ、各検出器11間は絶縁層17によって絶縁されている。
また、pn接合16の一方の面は二次電子12を捕獲するた
めに検出器11の表面側に露出している。また、検出器11
は、後述するように、多層薄膜構造によって直線状ある
いはマトリックス状に複数配列され、検出器本体18を構
成する。
【0017】また、電子検出装置19は、各検出器11の一
対の電極13に電位差を加えるための電源20と、この電源
20に直列に接続され、検出器本体18がpn接合16の露出
面によって二次電子12を捕獲して検出した際の電流を検
出する電流検出器21と、および二次電子12を検出する検
出器本体18の表面側全面に設けられ、捕獲する二次電子
12を加速・集束するためのメッシュ電極22とによって構
成されている。
【0018】次に、上記構成の電子検出装置19の検出器
11と検出器本体18の製造プロセスの一例について、図2
を参照して説明する。
【0019】まず、絶縁性を有する、例えばシリコン
(Si)などの基板23上に電極13の信号線を形成するた
めに、例えばアルミニウムの蒸着などによってアルミニ
ウムからなる電極膜24を成膜する。電極膜24の成膜後、
成膜された電極膜24をパターニングとエッチングによっ
て2個(図2の紙面において上下に2個)に分離して整
形する。(プロセスP1、プロセスP2)。
【0020】続いて、絶縁層17を形成するために、整形
が完了した2個の電極膜24が分離して成膜されている基
板23上に、例えば二酸化珪素(SiO2 )などからなる
絶縁膜25を同様に蒸着などによって成膜する。絶縁膜25
の成膜後、成膜された絶縁膜25をパターニングとエッチ
ングによって電極膜24に直交する方向に突起膜部25aを
有した形状に整形する。このようにして整形された絶縁
膜25と突起膜部25a が絶縁層17となる。絶縁膜25の整形
後、電極13が形成される位置、例えば突起膜部25a の近
傍に電極膜24と電極13を電気的に接続するためのコンタ
クトホール26をパターニングとエッチングによって形成
する。(プロセスP3、プロセスP4、プロセスP5)。
【0021】続いて、電極13を形成するために、例えば
アルミニウムの蒸着などによってコンタクトホール26を
埋め込むとともに絶縁膜25上に電極となる導電薄膜27を
成膜する。この導電薄膜27の成膜時に、コンタクトホー
ル26がアルミニウムによって埋められることによって電
極膜24と導電薄膜が電気的に接続される。導電薄膜27の
成膜後、導電薄膜27をパターニングとエッチングによっ
て、導電薄膜27が絶縁膜25の突起膜部25a の両側面に沿
った部分が残るように整形し、電極13を分割して形成す
る。(プロセスP6、プロセスP7)。
【0022】さらに、絶縁膜25上にシリコン(Si)28
を堆積し、表面を研磨やエッチバックなどよって絶縁膜
25および導電薄膜27から形成された電極13の端面と同一
平面に整形する。最後に、シリコン(Si)28を半面ず
つ露出したパターンを用いて、シリコン(Si)28にホ
ウ素(B)とリン(P)をそれぞれドーピングし、p型
半導体14とn型半導体15を形成し、pn接合16を製作す
る。
【0023】以上の製造プロセスを経て、個々の検出器
11が製作され、これら検出器11を直線状あるいはマトリ
ックス状に複数配列して検出器本体18が製作される。
【0024】次に、検出器11の作用について図3を参照
して説明する。
【0025】p型半導体14とn型半導体15とからなるp
n接合16に電極13を介して電源20によって所定電圧の電
界を印加することにより、pn接合面16a の周囲に空乏
層29が形成され、この空乏層29を仕事関数の関係から極
く低いエネルギー障壁とすることができる。このため、
表面側に露出しているpn接合16の露出面から二次電子
12が侵入すると、二次電子12のエネルギーにより空乏層
29内に電子30と正孔31の対が発生する。このとき、電子
30と正孔31の対が発生するのに要するエネルギーは空乏
層29に侵入してきた二次電子12のエネルギーより小さい
ため、数十個の電子30と正孔31の対が発生する。発生し
た数十個の電子30と正孔31は印加されている電界に引か
れてそれぞれ電極13側に移動するので、電流として検出
することができる。このため、1個の二次電子12が数十
倍の電流に増幅されるので、pn接合16の露出面から侵
入した二次電子12を容易に検出することが可能となる。
【0026】上記実施例によれば、上記構成の検出器11
は空乏層29が表面側に露出していることにより、従来の
ように他の物質を通過する必要がなくなり、極低エネル
ギーの二次電子12であっても、散乱を受けることなく空
乏層29に侵入することが可能となり、低エネルギーの二
次電子12を高感度に検出することができる。
【0027】また、上記構成の検出器11のpn接合16の
厚さの管理は水平方向となることにより、pn接合16の
厚さはパターンの形状で決定することが可能となり、p
n接合16の厚さの管理が容易となるという効果を奏す
る。
【0028】また、絶縁膜25の表面上にpn接合16を作
り込むことにより、製造時における深さ方向の管理が不
要となり、これに伴なって、ドーピング時のエネルギー
管理も不要となるという効果を奏する。
【0029】さらには、シリコン(Si)28にホウ素
(B)とリン(P)をドーピングしてpn接合16を得る
ことにより、堆積装置の数を減少することができる。
【0030】次に、検出器11を電子顕微鏡装置に適用し
た例を図4を参照し説明する。図4(a)は電子顕微鏡
装置の外観図、および図4(b)は電子顕微鏡装置の断
面図断面図である。
【0031】同図において、32は電子顕微鏡装置で、こ
の電子顕微鏡装置32は電子ビーム33を放出して検査対象
の試料を照射し、試料表面から発生する反射電子や二次
電子12を検出するセンサ部34と、このセンサ部34の表面
側全面に設けられ、捕獲する二次電子12を加速・集束す
るためのメッシュ電極35と、図示しない電源や電流検出
器によって構成されている。
【0032】センサ部34は電子ビーム33を放出して走査
し、検査対象の試料に電子ビーム33を照射する電子走査
系36と、試料表面から発生する反射電子や二次電子12を
検出して検出信号を出力する電子検出系37とからなるセ
ルを最小単位とし、このセルを同一シリコン基板上に半
導体プロセス技術を用いた多層薄膜構造で直線状あるい
はマトリックス状に複数形成して構成される。
【0033】電子走査系36は電子ビーム33を放出する、
例えばコーン状の電子源38を備え、この電子源38に対
し、電子源38から電子ビーム33を引き出す引出電極39
と、この引出電極39によって引き出された電子ビーム33
を加速する加速電極40と、およびこの加速電極40によっ
て加速された電子ビーム33を任意の方向に偏向させる偏
向電極41がそれぞれ絶縁層42を介して電子源38側から順
次配設されている。各電極は電子源38を中心とした円孔
を中央に有して環状に形成されている。なお、収束電極
は省略してある。
【0034】電子検出系37はアルミニウム(Al)など
の金属からなる一対の電極43と、シリコン(Si)基板
の半面ずつにホウ素(B)とリン(P)をそれぞれドー
ピングしたp型半導体44とn型半導体45とからなるpn
接合46とによって構成され、上記した検出器11と同様の
構成である。しかして、pn接合46は一対の電極43間に
その接合面46a を二次電子12を検出する表面に対し垂直
な方向に配設され、また、電子検出系37は絶縁層47を介
して電子走査系36の外周に環状に配置されている。つま
り、電子検出系37はpn接合46の一方の面を表面側に露
出して電子走査系35の周囲に配置され、pn接合46の接
合面46a の周囲に形成される空乏層48の一方の面も表面
側に露出している。
【0035】上記構成の電子顕微鏡装置32においては、
電子走査系36から放射された電子ビーム33がセンサ部34
に対向配置されている試料の表面に照射されると、試料
からはその表面で反射された反射電子および試料の表面
上のごみなどのパーティクル(異物)から二次電子12が
発生する。これら試料から発生した反射電子と二次電子
12は電子走査系36の周囲に隣接する電子検出系37によっ
て検出され、検出信号として電子検出系37から試料の表
面状態を反映した電流信号が出力される。この電流信号
に基づいて画像情報を作成することにより、試料の物性
(材料、化学的結合など)に関する情報が得られたり、
あるいは画像情報をCRTなどの表示装置で試料の表面
状態を観察することが可能となる。
【0036】また、上記構成の電子検出系37は、検出器
11と同様に、pn接合46の空乏層48が表面側に露出して
いることにより、極低エネルギーしか持たない二次電子
12であっても、散乱を受けることなく空乏層48に侵入す
ることが可能となり、低エネルギーの二次電子12を高感
度に検出することができる。
【0037】なお、上記実施例では、検出器11および電
子検出系37のpn接合16,46 はシリコン(Si)基板の
半面ずつの全領域にそれぞれホウ素(B)とリン(P)
をドーピングしてp型半導体14,44 とn型半導体15,46
を形成するようにしたが、これに限ることはない。例え
ば、図5に示すように、シリコン(Si)基板51の半面
ずつの露出面側の一部領域のみをそれぞれホウ素(B)
とリン(P)でドーピングしてp型半導体52とn型半導
体53を形成したpn接合54とし、このように形成された
pn接合54に電極55を介して電界を印加するようにして
もよく、同様の作用効果が得られる。要は、露出面側の
表面近傍がpn接合構造となっていればよい。
【0038】また、上記電子顕微鏡装置32ではpn接合
46からなる電子検出系37による二次電子12の検出の例に
ついて説明したが、pn接合46からなる電子検出系37の
みではなく、図6に示すように、他の検出器用電極56を
電子走査系36の周囲に配置して、pn接合46と組合わせ
て試料の表面状態を観察するようにしてもよい。
【0039】また、上記実施例ではシリコン(Si)基
板にホウ素(B)とリン(P)でドーピングしてp型半
導体14,44 とn型半導体15,46 を形成するようにした
が、この材料に限ることはなく、pあるいはn型の半導
体を形成するための材料であれば、どのような材料であ
ってもよい。
【0040】また、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、種々変形可能であることは勿論である。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の電子検出
装置によれば、二次電子を検出する検出器を表面に対し
垂直な方向に配設された一対の電極と、この一対の電極
間にpn接合面が表面に対し垂直な方向に配設されたp
n接合とから構成しているので、pn接合の空乏層が表
面に露出していることにより、二次電子は他の物質を通
過する必要がなくなるとともに、極低エネルギーしか持
たない二次電子でも散乱を受けずに、空乏層に侵入する
ことが可能となるので、ごく少量の二次電子を高感度に
検出することができる。
【0042】また、本発明の電子顕微鏡装置によれば、
二次電子を検出する電子検出系を表面に対し垂直な方向
に配設された一対の電極と、この一対の電極間にpn接
合面が表面に対し垂直な方向に配設されたpn接合とか
ら構成しているので、pn接合の空乏層が表面に露出し
ていることにより、二次電子は他の物質を通過する必要
がなくなり、極低エネルギーしか持たない二次電子でも
散乱を受けずに、空乏層に侵入することが可能となり、
低エネルギーしか持たない二次電子を高感度に検出する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電子検出装置の概略を示す
図で、図1(a)は電子検出装置の外観図、図1(b)
は電子検出装置の断面図、および図1(c)は検出器の
断面図である。
【図2】本発明の一実施例の検出器の製造プロセスを示
す図である。
【図3】本発明の一実施例の検出器の動作原理を示す図
である。
【図4】検出器を電子顕微鏡装置に適用した例を示す図
で、図4(a)は電子顕微鏡装置の外観図、および図4
(b)は電子顕微鏡装置の断面図である。
【図5】ドーピングの変形例を示す図である。
【図6】他の検出器用電極と組合わせた電子顕微鏡装置
の断面図である。
【図7】従来の電子顕微鏡を示す図である。
【図8】従来のpn接合を示す図である。
【符号の説明】
11…検出器 12…二次電子 13,43 …電極 16,46 …pn接合 16a,46a …pn接合面 19…電子検出装置 29,48 …空乏層 33…電子ビーム 36…電子走査系 37…電子検出系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤間 善昭 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株 式会社東芝生産技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームが試料表面上に照射された際
    に試料表面から発生する二次電子を検出する検出手段が
    基板上に多層薄膜構造によって複数配列された電子検出
    装置において、上記検出手段は上記基板表面に対し略垂
    直な方向に配設された少なくとも一対の電極と、この少
    なくとも一対の電極間に上記基板表面に対し略垂直な方
    向に配設されたpn接合面とを具備したことを特徴とす
    る電子検出装置。
  2. 【請求項2】 微細な電子源と、この電子源から放出さ
    れた電子ビームを走査する電子走査系と、この電子走査
    系によって走査された電子ビームが試料表面に照射され
    た際に試料表面から発生する二次電子を検出する電子検
    出系とからなる基板上に形成されたセンサ部を複数配列
    した電子顕微鏡装置において、上記電子検出系は上記基
    板表面に対し略垂直な方向に配設された一対の電極と、
    この一対の電極間に上記基板表面に対し略垂直な方向に
    配設されたpn接合面とを具備したことを特徴とする電
    子顕微鏡装置。
JP6304746A 1994-12-08 1994-12-08 電子検出装置および電子顕微鏡装置 Pending JPH08162060A (ja)

Priority Applications (1)

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JP6304746A JPH08162060A (ja) 1994-12-08 1994-12-08 電子検出装置および電子顕微鏡装置

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