JP2000188407A - 赤外線検知素子 - Google Patents

赤外線検知素子

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JP2000188407A
JP2000188407A JP10363923A JP36392398A JP2000188407A JP 2000188407 A JP2000188407 A JP 2000188407A JP 10363923 A JP10363923 A JP 10363923A JP 36392398 A JP36392398 A JP 36392398A JP 2000188407 A JP2000188407 A JP 2000188407A
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Japan
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photosensitive
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mqw
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JP10363923A
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English (en)
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Koji Ebe
広治 江部
Hiroshi Nishino
弘師 西野
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線検知素子に関し、印加電圧の極性の切
替えによって感度波長を制御する二波長カラーセンサに
おけるスペクトルクロストークを低減する。 【解決手段】 互いに感光波長の異なる2つの感光層
1,2を中間層3で分離して積層した2端子型の赤外線
検知素子を構成する2つの感光層1,2を、一導電型の
多重量子井戸層で構成するとともに、中間層3を逆導電
型半導体層で構成し、多重量子井戸におけるサブバンド
間の遷移により光吸収を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は赤外線検知素子に関
するものであり、特に、スペクトルクロストークを防止
するための構成に特徴のある二つの波長に対して感度を
有する赤外線検知素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、10μm帯近傍の赤外線を検知す
る赤外線検知素子としては、Cd比が0.2近傍のHg
CdTeを用いたpn接合ダイオードが用いられている
が、近年、赤外線検出装置の高機能化のために二つの波
長に感度を有する、二つのpn接合を設けたカラーセン
サが提案されている(必要ならば、T.N.Casse
lman,G.R.Chapman,K.Kosai,
J.M.Myrosznyk,E.F.Schult
e,and O.K.Wu,Extended Abs
tract of “THE 1991 U.S.WO
RKSHOP onthe PHYSICS and
CHEMISTRY on MERCURY CADM
IUM TELLURIDE and OTHER I
I−VICOMPOUNDS,p.141−142,1
991、及び、E.R.Blazejewski,J.
M.Arias,G.M.Williams,M.Za
ndian,and J.Pasko,J.Vac.S
ci.Technol.,vol.B10,1992,
p.1626−1632参照)。
【0003】ここで、従来提案されている二波長検出カ
ラーセンサの基本的構成及び原理を図7を参照して説明
する。 図7(a)参照 従来提案されている二波長カラーセンサは、CdZnT
e基板やGaAs基板(ここでは、CdZnTe基板6
1)上に、より短波長を吸収するMWIR(Mid−w
avelenghth Infrared)吸収層(こ
こでは、n型Hg0.72Cd0.28Te層62)、共通ベー
スとなるSWIR(Short Wavelength
Infrared)層(ここでは、p型Hg0.68Cd
0.32Te層63)、及び、より長波長を吸収するLWI
R(Long Wavelenghth Infrar
ed)吸収層(ここでは、n型Hg0.78Cd0.22Te層
64)を順次堆積させたのち、メサエッチングしてn型
Hg0.78Cd0.22Te層64に素子電極65を、また、
n型Hg0.72Cd0.28Te層62に共通電極66を設け
たものであり、バックツーバックダイオード(back
−to−backdiode)の構造となる。
【0004】この場合、CdZnTe基板61は3〜1
0μmの波長の赤外線に対して透明であるので、CdZ
nTe基板61を窓層として、CdZnTe基板61側
から検出すべき光を照射する。
【0005】図7(b)参照 この二波長カラーセンサの共通電極66に対して素子電
極65の電圧を高くすると、n型Hg0.78Cd0.22Te
層64側のpn接合が逆バイアス状態となって受光部と
して機能し、一方、n型Hg0.72Cd0.28Te層62側
のpn接合は順バイアス状態となって、通常の順方向ダ
イオードとして機能する。なお、HgCdTe系半導体
においては、禁制帯幅が非常に小さく、且つ、電子の有
効質量が非常に小さいので、pn接合を形成した場合、
通常はn型層は縮退状態となる。
【0006】この場合、n型Hg0.78Cd0.22Te層6
4においては5〜8μm近傍の波長の赤外線に感度を有
し、このn型Hg0.78Cd0.22Te層64において赤外
線を吸収することによって発生した電子68と正孔67
の対は、光電流として図において矢印で示す方向に流れ
る。
【0007】図7(c)参照 また、共通電極66に対して素子電極65の電圧を低く
した場合には、n型Hg0.72Cd0.28Te層62側のp
n接合が逆バイアス状態となって受光部として機能し、
一方、n型Hg0.78Cd0.22Te層64側のpn接合は
順バイアス状態となって、通常の順方向ダイオードとし
て機能する。
【0008】この場合、n型Hg0.72Cd0.28Te層6
2においては4μm近傍以下の波長の赤外線に感度を有
し、このn型Hg0.72Cd0.28Te層62において赤外
線を吸収することによって発生した電子70と正孔69
の対は、光電流として図において矢印で示す方向に流れ
る。
【0009】したがって、共通電極66と素子電極65
との間に印加する電圧の向きによって感度波長を制御す
ることができ、資源探査衛星等に搭載する多波長カラー
センサとして期待されるものである。
【0010】一方、この様なHgCdTe系赤外線検知
装置の場合には、結晶性の良好な大面積基板の入手が困
難であるので多センサ素子からなる大型の赤外線検知ア
レイを構成することが困難であるという問題があり、近
年、この様な問題を解決するものとして、結晶性の良好
な大面積基板の入手が容易であるGaAs系半導体を用
い、且つ、多重量子井戸におけるサブバンド間吸収を利
用することにより10μm帯近傍の赤外線の検知を可能
にした量子井戸型光センサ(QWIP:Quantum
Well Infrared Photodetec
tor)が注目を集めており、この様な多重量子井戸層
を2層積層させ、マルチカラー光検出器を構成すること
も提案されている(必要ならば、Journal of
Applied Physics Vol.79,N
o.10,pp.8091−8097,15 May
1996参照)。
【0011】ここで、図8を参照して従来の量子井戸構
造赤外線検知素子の一例を説明する。 図8(a)参照 図8(a)は、従来の量子井戸構造赤外線検知素子(Q
MIP)の概略的断面を簡略化して示した図であり、ま
ず、半絶縁性GaAs基板71上に下部コンタクト層と
なるn型GaAs層72を設け、その上に、感光層とな
る第1MQW層73、n型GaAs層74、感光層とな
る第2MQW層75、及び、上部コンタクト層となるn
型GaAs層76を順次堆積させたのち、センサ素子間
を分離する素子分離溝を形成し、SiON膜77を保護
膜とし、SiON膜77に設けた開口部分にAu・Ge
/Ni/Auからなるセンサ電極78及び共通電極79
を設けたものである。
【0012】この場合、第1MQW層73及び第2MQ
W層75は、i型AlGaAsバリア層に交互に挟まれ
た複数のn型GaAsウエル層から構成されているが、
互いの感度波長が異なるように、i型AlGaAsバリ
ア層のAl組成比、及び、n型GaAsウエル層の厚さ
が異なるように構成するものであり、中間のn型GaA
s層74は、両方の感光層を接続する接続抵抗がより小
さくなるように高濃度にドープしておくことが望まし
い。
【0013】図8(b)参照 図8(b)は、この様な積層型のQWIPの感光層近傍
のバンドダイヤグラムであり、このQWIPのセンサ電
極78側を負に且つ共通電極79側を正にバイアスした
状態で色々な波長の光を横方向から入射した場合、各々
の感度波長に応じて第1MQW層73及び第2MQW層
75の伝導帯側に形成された量子井戸の基底準位にある
電子80,81が励起され、印加された電界によって共
通電極79側に移動し、信号として検知される。
【0014】なお、半絶縁性GaAs基板71の裏面側
から信号光を垂直入射させる場合には、多重量子井戸層
においては垂直入射光はほとんど吸収されないので、上
部コンタクト層となるn型GaAs層76の表面に回折
格子を設け、入射光が、多重量子井戸層にほぼ平行にな
る方向に回折・偏向させても良く、また、素子分離構造
を確実に形成するためには、n型GaAs層72と第1
MQW層73との間にn型InGaP層等のエッチング
ストッパーを設ける場合もある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図7に示した
二波長カラーセンサにおいては、意図した感度波長域以
外の波長の赤外線に対しても感度を有してしまうとい
う、所謂スペクトルクロストークの問題が発生する問題
がある。
【0016】ここで、図9を参照して、スペクトルクロ
ストークを説明する。 図9参照 共通電極66に対して素子電極65の電圧を高くした場
合を考えると、n型Hg0.78Cd0.22Te層64側のp
n接合が逆バイアス状態となって受光部として機能する
が、この二波長カラーセンサにn型Hg0.78Cd0.22
e層64の感度波長域以外のより短波長の赤外線を入射
した場合、本来、受光部を構成していないn型Hg0.72
Cd0.28Te層62側において光吸収が生じて電子70
及び正孔69の電子−正孔対が生成される。
【0017】この生成された電子70の一部は、順バイ
アス状態のn型Hg0.72Cd0.28Te層62側のpn接
合の電子70に対する電位障壁の高さが低いので、図の
矢印で示すように、このpn接合を乗り越えてn型Hg
0.78Cd0.22Te層64側に達して光電流となり、受光
部を構成するn型Hg0.78Cd0.22Te層64において
感度を有さない波長領域の赤外線が検出されることにな
り、このような、現象をスペクトルクロストークとい
う。
【0018】また、HgCdTeにおける導電型の制御
は、熱処理条件に依存するHg空格子により正孔濃度を
制御し、また、B(ボロン)等のイオン注入に伴うダメ
ージにより電子濃度を制御しているのが一般的である
が、この様な導電型が互いに異なるnpn積層構造の二
波長カラーセンサを構成するためには導電型決定不純物
をドープする必要があり、それによって、製造工程が複
雑になるという問題がある。
【0019】一方、図8に示した量子井戸におけるサブ
バンド間の遷移を利用した赤外線検知装置においては、
印加電圧の極性の切替えによって感度波長を制御するこ
とを目的としておらず、したがって、中間のn型GaA
s層74は第1MQW層73と第2MQW層75との間
の接続抵抗をできる限り低くするために設けているもの
であり、第1MQW層73或いは第2MQW層75で信
号光の励起により発生した電子80,81に対する電位
障壁とならないので、本質的に印加電圧の極性の切替え
によって感度波長を制御するカラーセンサとしては使用
できないという問題がある。
【0020】したがって、本発明は、印加電圧の極性の
切替えによって感度波長を制御する二波長カラーセンサ
におけるスペクトルクロストークを低減することを目的
とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図1は、
下記の(1)の発明に対応する感光層の近傍のバンドダ
イヤグラムである。 図1参照 (1)本発明は、互いに感光波長の異なる2つの感光層
1,2を中間層3で分離して積層した2端子型の赤外線
検知素子において、2つの感光層1,2を一導電型の多
重量子井戸層で構成するとともに、中間層3を逆導電型
半導体層で構成し、多重量子井戸におけるサブバンド間
の遷移により光吸収を行うことを特徴とする。
【0022】この様に、多重量子井戸におけるサブバン
ド間の遷移による光吸収を利用する場合、2つの感光層
1,2の間に逆導電型半導体層からなる中間層3を設け
てnpn或いはpnp構造にすることによって、順バイ
アスが印加された側のpn接合を構成する感光層1,2
(図1においては感光層1)側で励起された電子4が中
間層3を越えて信号成分となり、一方、逆バイアスが印
加された側のpn接合を構成する感光層1,2(図1に
おいては感光層2)側で励起された電子5は、感光層2
にほとんど電界が印加されない状態となるので、急速に
基底準位に遷移し、信号成分とはならない。
【0023】したがって、順バイアスが印加された側の
pn接合を構成する感光層1或いは感光層2のみを光検
出部とすることができ、逆バイアスが印加された側のp
n接合を構成する感光層2或いは感光層1で光吸収によ
って電子が励起されてもすぐに基底準位に遷移するの
で、クロストーク成分が発生することがなく、2つの端
子に印加するバイアスの極性の切替えによってクロスト
ークのない二波長カラーセンサを構成することができ
る。
【0024】(2)また、本発明は、互いに感光波長の
異なる2つの感光層1,2を中間層3で分離して積層し
た2端子型の赤外線検知素子において、2つの感光層
1,2を一導電型の多重量子井戸層で構成するととも
に、中間層3を高抵抗半導体層で構成し、多重量子井戸
におけるサブバンド間の遷移により光吸収を行うことを
特徴とする。
【0025】この様に、多重量子井戸におけるサブバン
ド間の遷移による光吸収を利用する場合、2つの感光層
1,2の間に高抵抗半導体層からなる中間層3を設けて
nin或いはpip構造にすることによって、印加され
た電圧のほとんどは高抵抗の中間層3にかかるので、キ
ャリアの流れに対して中間層3の上流にある感光層1或
いは感光層2側で励起された電子が中間層3を越えて信
号成分となり、一方、キャリアの流れに対して中間層3
の下流にある感光層2或いは感光層1側で励起された電
子はすぐに基底準位に遷移するので信号成分とはなら
ず、したがって、キャリアの流れに対して中間層3の上
流にある感光層1或いは感光層2を光検出部とするクロ
ストークのない二波長カラーセンサを構成することがで
きる。なお、中間層3を高抵抗層にするために、真性半
導体層を用いても良いし、或いは、Fe等をドープして
高抵抗化しても良い。
【0026】(3)また、本発明は、上記(1)または
(2)において、2つの感光層1,2の中間層3と接す
る側と反対の面に、多重量子井戸層を構成するバリア層
より禁制帯幅の大きな一導電型半導体層を設けたことを
特徴とする。
【0027】この様に、2つの感光層1,2の中間層3
と接する側と反対の面に、即ち、端子側に多重量子井戸
層を構成するバリア層より禁制帯幅の大きな一導電型半
導体層を設けることにより、クロストーク成分となるキ
ャリアに対する障壁層を構成することができ、それによ
って、クロストーク成分をさらに確実に阻止することが
できる。
【0028】(4)また、本発明は、互いに感光波長の
異なる2つの感光層1,2を中間層3で分離して積層し
た2端子型の赤外線検知素子において、2つの感光層
1,2を一導電型の多重量子井戸層で構成するととも
に、中間層3を感光層1,2の実効的禁制帯幅より禁制
帯幅の大きな一導電型半導体層で構成し、多重量子井戸
におけるサブバンド間の遷移により光吸収を行うことを
特徴とする。
【0029】この様に、多重量子井戸におけるサブバン
ド間の遷移による光吸収を利用する場合、2つの感光層
1,2の間に広禁制帯幅の一導電型半導体層からなる中
間層3を設けてN/W/N構造にするとともに、nnn
或いはppp構造にすることによって、印加されたバイ
アスは全体にかかるので多重量子井戸において励起され
たキャリアがすぐには基底準位に遷移せず、キャリアの
流れに対して中間層3の下流にある感光層1或いは感光
層2側で励起されたキャリアがそのまま電極に達して信
号成分となり、一方、キャリアの流れに対して中間層3
の上流にある感光層2或いは感光層1側で励起されたキ
ャリアは中間層3でブロックされて信号成分とはならな
いので、キャリアの流れに対して中間層3の下流にある
感光層1或いは感光層2を光検出部とするクロストーク
のない二波長カラーセンサを構成することができる。
【0030】(5)また、本発明は、互いに感光波長の
異なる2つの感光層を中間層で分離して積層した2端子
型の赤外線検知素子において、2つの感光層を一導電型
のHg系II−VI族化合物半導体層で構成するととも
に、中間層を感光層の実効的禁制帯幅より禁制帯幅の大
きな一導電型半導体層で構成し、伝導帯と価電子帯間の
バンド間遷移により光吸収を行うことを特徴とする。
【0031】この様に、Hg系II−VI族化合物半導
体におけるバンド間遷移による光吸収を利用する場合、
2つの感光層の間に広禁制帯幅の一導電型半導体層から
なる中間層を設けてN/W/N構造にするとともに、n
nn或いはppp構造にすることによって、キャリアの
流れに対して中間層の下流にある感光層側で励起された
キャリアがそのまま電極に達して信号成分となり、一
方、キャリアの流れに対して中間層の上流にある感光層
側で励起されたキャリアは中間層でブロックされて信号
成分とはならないので、キャリアの流れに対して中間層
の下流にある感光層を光検出部とするクロストークのな
い二波長カラーセンサを構成することができる。この場
合、各層における導電型は、Hg空格子の濃度の制御に
より決定しても良いし、或いは、導電型決定不純物によ
り決定しても良いが、いずれにしても、導電型が共通で
あるので、製造が容易になる。
【0032】(6)また、本発明は、上記(5)におい
て、2つの感光層及び中間層の導電型が、Hg空格子の
濃度の制御のみによって決定されていることを特徴とす
る。
【0033】この様に、2つの感光層及び中間層の導電
型をHg空格子の濃度の制御のみによって決定すること
により、エピタキシャル成長後の熱処理条件を制御する
だけで良いので、製造が特に容易になる。
【0034】
【発明の実施の形態】ここで、本発明の第1の実施の形
態の多重量子井戸型の赤外線検知素子を図2を参照して
説明する。 図2(a)参照 図2(a)は、本発明の第1の実施の形態の赤外線検知
素子の概略的要部断面図であり、まず、半絶縁性GaA
s基板11上に、MOVPE法(有機金属気相成長法)
によって、厚さが、例えば、100nmのi型GaAs
バッファ層12、厚さが、例えば、500nmで、In
組成比が0.49のInGaP層13、共通コンタクト
層となる、厚さが、例えば、1.0μmで、キャリア濃
度が2×1018cm-3のn型GaAs層14、エッチン
グストッパーとなる、厚さが、例えば、30nmで、キ
ャリア濃度が、例えば、2×1017cm-3のn型InG
aP層15、第1MQW層16、厚さが、例えば、30
0nmで、キャリア濃度が2×1017cm-3のp型Ga
As層17、第2MQW層18、上部コンタクト層の一
部となる厚さが、例えば、0.3μmで、不純物濃度が
2×1017cm-3のn型GaAs層19、エッチングス
トッパーとなる、厚さが、例えば20nmのn型AlG
aAs層20、及び、上部コンタクト層となる、厚さ
が、例えば、0.6μmで、キャリア濃度が、2×10
17cm-3のn型GaAs層21を順次エピタキシャル成
長させる。
【0035】なお、この場合の第1感光層となる第1M
QW層16は、例えば、厚さが50nmのi型Al0.32
Ga0.68Asバリア層と、厚さが4.2nmでキャリア
濃度が2×1017cm-3のn型GaAsウエル層とを、
n型GaAsウエル層が25層になるように交互に堆積
させて形成し、一方、第2感光層となる第2MQW層1
8は、例えば、厚さが50nmのi型Al0.26Ga0.74
Asバリア層と、厚さが5nmでキャリア濃度が2×1
17cm-3のn型GaAsウエル層とを、n型GaAs
ウエル層が25層になるように交互に堆積させて形成す
るものであり、この場合のi型Al0.32Ga0.68Asバ
リア層或いはi型Al0.26Ga0.74Asバリア層は、隣
接するn型GaAsウエル層間において電子がトンネル
しないように十分に厚く形成しておく。
【0036】次いで、全面にフォトレジストを塗布した
のち、干渉露光法を用いて、センサ素子に対応する部分
に回折格子22を形成するためのパターンを形成してレ
ジストマスク(図示せず)とし、このレジストマスクを
マスクとして反応性イオンエッチング(RIE)を施す
ことによって、n型GaAs層21の表面にn型AlG
aAs層20に達する深さの1次の回折格子22を形成
する。なお、このRIE工程において、n型AlGaA
s層20がエッチングストッパーとして作用するので、
安定した深さの回折格子22を形成することができる。
【0037】次いで、レジストマスクを除去したのち、
全面にSiON膜を設け、通常のフォトリソグラフィー
工程によって、共通電極を形成するための開口部を有す
るSiONマスク(図示せず)を形成し、このSiON
マスクをマスクとしてウェット・エッチングを施すこと
によってn型InGaP層15に達するコンタクト用開
口(図において、右側の領域)を形成する。この場合、
エッチャントとしてHF+H2 2 +H2 Oを用いるこ
とによって、n型InGaP層19がエッチングストッ
パーとなってGaAs及びAlGaAsとが選択的にエ
ッチングされ、n型InGaP層15の表面においてエ
ッチングは自動的に停止する。
【0038】次いで、SiONマスクを除去したのち、
全面に新たにSiON膜(図示せず)を設け、フォトレ
ジストパターン(図示せず)を用いて共通電極形成部及
びセンサ電極形成部のSiON膜を選択的に除去したの
ち、Au・Ge/Niからなるオーミック電極23を部
分的に設けたのち、その表面にAuからなる反射電極2
4を設け、フォトレジストパターンを利用したリフトオ
フ法により共通電極及びセンサ電極を選択的に形成す
る。なお、この電極形成工程において、回折格子22の
部分に設けるオーミック電極23は回折格子22の凹凸
により段切れされ、回折格子22の凸部の頂部及び凹部
の底部のみに部分的に形成されるだけであるので、回折
格子22の大部分においては反射電極24の反射性が損
なわれることがない。
【0039】次いで、フォトレジストパターンを除去し
たのち、新たにフォトレジストを塗布し、素子分離領域
に対応する開口部を有するレジストマスク(図示せず)
を設け、このレジストマスクをマスクとしてドライエッ
チングを施し、SiON膜の一部を除去し、引き続い
て、n型GaAs層21乃至第1MQW層16を除去し
て素子分離溝(図において、左側の領域)を形成する。
【0040】次いで、レジストマスクを除去したのち、
新たに保護絶縁膜となるSiON膜25を堆積させ、通
常のフォトリソグラフィー工程により共通電極部及びセ
ンサ電極部の反射電極24の一部を露出させ、露出部に
バリア層及び密着性改善層となるTi/Au膜を蒸着さ
せて、センサ電極26及び共通電極27を形成する。最
後に、センサ電極26及び共通電極27上にInバンプ
(図示せず)を設けることによって、積層型の二波長対
応の赤外線検知素子の基本構成が完成する。なお、図に
おいては、1つのセンサ素子しか示していないが、実際
には、このセンサ素子を一次元アレイ状或いは二次元ア
レイ状に配列するものである。
【0041】次に、この赤外線検知素子の基本動作原理
を説明する。半絶縁性GaAs基板11の裏面からほぼ
垂直に入射した光は、第1MQW層16及び第2MQW
層18でほとんど吸収されることなく透過し、回折格子
22で、第1MQW層16及び第2MQW層18に対し
て平行に近くなる角度に回折・偏向され、回折されなか
った光は反射電極24で反射・偏向されて、再び第1M
QW層16及び第2MQW層18へ入射する。
【0042】この第1MQW層16及び第2MQW層1
8においては、入射角が小さくなっているので、多重量
子井戸に形成された量子準位とバリア層の障壁の高さの
差、即ち、エネルギー差に応じた波長の光が吸収されて
基底準位にあった電子が励起されることになり、第1M
QW層16及び第2MQW層18で吸収されなかった光
はn型GaAs層14とi型InGaP層13との界面
で反射されて、再び、第1MQW層16及び第2MQW
層18において吸収されることになり、この様な過程を
繰り返すことによって、光は効率的に第1MQW層16
或いは第2MQW層18で吸収されることになる。
【0043】次に、バイアスの極性の切替えによる検知
波長の選択原理を説明する。 図2(b)参照 図2(b)は、第2MQW層18側を負に、第1MQW
層16側を正にバイアスした場合の感光層近傍のバンド
ダイヤグラムであり、入射光の波長が第1MQW層16
のサブバンド間のエネルギーより小さい場合には、第2
MQW層18においてのみ光が吸収され、基底準位の電
子28が励起され、印加されている電界によってpn接
合を乗り越えて共通電極27に達して信号として検出さ
れる。
【0044】また、入射光の波長が第1MQW層16の
サブバンド間のエネルギーより大きい場合には、第1M
QW層16においても光が吸収され、基底準位の電子2
9が励起されるが、この場合の電界は、ほとんどpn接
合、特に、逆バイアスpn接合近傍にかかり、第1MQ
W層16の電位は共通電極27の電位とほとんど等しく
なるため、励起された電子29はすぐに基底準位に遷移
して共通電極27には到達しないので、第2MQW層1
8のみが実効的な感光層として機能する。
【0045】一方、第1MQW層16側を負に、第2M
QW層18側を正にバイアスした場合、入射光の波長が
第1MQW層16のサブバンド間のエネルギーより小さ
い場合には、第2MQW層18においてのみ光が吸収さ
れ、基底準位の電子28が励起されるが、この場合の電
界も、ほとんどpn接合近傍にかかり、第2MQW層1
8の電位はセンサ電極26の電位とほとんど等しくなる
ため、励起された電子28はすぐに基底準位に遷移して
センサ電極26には到達しないので、信号が検出される
ことはない。
【0046】また、入射光の波長が第1MQW層16の
サブバンド間のエネルギーより大きい場合には、第1M
QW層16においても光が吸収され、基底準位の電子2
9が励起され、印加されている電界によってpn接合を
乗り越えてセンサ電極26に達して信号として検出され
るが、この場合も、第2MQW層18において励起され
た電子28はすぐに基底準位に遷移してセンサ電極26
には到達しないので、信号として検出されることはな
い。
【0047】上述の様に、センサ電極26と共通電極2
7との間に印加する電圧の極性を選択することによっ
て、順バイアスされるpn接合を構成するMQW層のみ
を、実効的に感光層として機能させることができ、他方
のMQW層において光吸収によって電子が励起されて
も、信号として電極に到達しないので、スペクトルクロ
ストークが抑制される。
【0048】したがって、第1MQW層16側を負にバ
イアスした場合には、短波長の赤外線検知素子として機
能させることができ、第2MQW層18側を負にバイア
スした場合には、長波長の赤外線検知素子として機能さ
せることができる。
【0049】この様に、本発明の第1の実施の形態にお
いては、感光層としてMQW層を用いるとともに、MQ
W層に実効的に電界が印加されない様に、npn構造と
しているので、感光層として機能させない側のMQW層
において光吸収が生じても、励起された電子はすぐに基
底準位に遷移し、電極に到達して信号として検出される
ことがないので、スペクトルクロストークを防止するこ
とができる。
【0050】次に、図3を参照して、本発明の第2の実
施の形態の多重量子井戸構造の赤外線検知素子を説明す
る。 図3(a)参照 図3(a)は、本発明の第2の実施の形態の赤外線検知
素子の概略的要部断面図であり、上記の第1の実施の形
態におけるp型GaAs層17を、キャリア濃度が1×
1014〜1×1015cm-3、例えば、1×1014cm-3
のアンドープのi型GaAs層30に置き換えた以外
は、上記の第1の実施の形態と全く同様であるので、製
造工程及び素子構造の説明は省略する。また、光吸収に
よるキャリアの発生原理も全く同様であるので、基本的
動作原理の説明も省略する。
【0051】次に、バイアスの極性の切替えによる検知
波長の選択原理を説明する。 図3(b)参照 図3(b)は、第2MQW層18側を負に、第1MQW
層16側を正にバイアスした場合の感光層近傍のバンド
ダイヤグラムであり、入射光の波長が第1MQW層16
のサブバンド間のエネルギーより小さい場合には、第2
MQW層18においてのみ光が吸収され、励起された電
子28は印加されている電界によってi型GaAs層3
0を乗り越えて共通電極27に達することによって信号
として検出される。
【0052】また、入射光の波長が第1MQW層16の
サブバンド間のエネルギーより大きい場合には、第1M
QW層16においても光が吸収され、基底準位の電子2
9が励起されるが、この場合の電界は、ほとんど高抵抗
のi型GaAs層30にかかり、第1MQW層16の電
位は共通電極27の電位とほとんど等しくなるため、励
起された電子29はすぐに基底準位に遷移して共通電極
27には到達しないので、第2MQW層18のみが実効
的な感光層として機能する。
【0053】一方、第1MQW層16側を負に、第2M
QW層18側を正にバイアスした場合、入射光の波長が
第1MQW層16のサブバンド間のエネルギーより小さ
い場合には、第2MQW層18においてのみ光が吸収さ
れ、基底準位の電子28が励起されるが、この場合の電
界も、ほとんどi型GaAs層30にかかり、第2MQ
W層18の電位はセンサ電極26の電位とほとんど等し
くなるため、励起された電子28はすぐに基底準位に遷
移してセンサ電極26には到達しないので、信号が検出
されることはない。
【0054】また、入射光の波長が第1MQW層16の
サブバンド間のエネルギーより大きい場合には、第1M
QW層16においても光が吸収され、基底準位の電子2
9が励起され、印加されている電界によってi型GaA
s層30を乗り越えてセンサ電極26に達して信号とし
て検出されるが、この場合も、第2MQW層18におい
て励起された電子28はすぐに基底準位に遷移してセン
サ電極26には到達しないので、信号として検出される
ことはない。
【0055】上述の様に、センサ電極26と共通電極2
7との間に印加する電圧の極性を選択することによっ
て、電子の流れの上流側のMQW層のみを、実効的に感
光層として機能させることができ、他方のMQW層にお
いて光吸収によって電子が励起されても、信号として電
極に到達しないので、スペクトルクロストークが抑制さ
れる。
【0056】したがって、第1MQW層16側を負にバ
イアスした場合には、短波長の赤外線検知素子として機
能させることができ、第2MQW層18側を負にバイア
スした場合には、長波長の赤外線検知素子として機能さ
せることができる。即ち、バイアスの極性により感光層
として選択されるMQW層は、上記の第1の実施の形態
と同様になる。
【0057】この様に、本発明の第2の実施の形態にお
いては、感光層としてMQW層を用いるとともに、MQ
W層に実効的に電界が印加されない様に、nin構造と
しているので、感光層として機能させない側のMQW層
において光吸収が生じても、励起された電子はすぐに基
底準位に遷移するので、電極に到達して信号として検出
されることがなく、スペクトルクロストークを防止する
ことができる。
【0058】次に、図4を参照して、本発明の第3の実
施の形態の多重量子井戸構造の赤外線検知素子を説明す
る 図4(a)参照 図4(a)は、本発明の第3の実施の形態の赤外線検知
素子の概略的要部断面図であり、上記の第1の実施の形
態におけるp型GaAs層17を、キャリア濃度が1×
1017〜1×1018cm-3、例えば、2×1017cm-3
で、Al組成比が、例えば、0.32のn型AlGaA
s層31に置き換えた以外は、上記の第1の実施の形態
と全く同様であるので、製造工程及び素子構造の説明は
省略する。また、光吸収によるキャリアの発生原理も全
く同様であるので、基本的動作原理の説明も省略する。
【0059】次に、バイアスの極性の切替えによる検知
波長の選択原理を説明する。 図4(b)参照 図4(b)は、2MQW層18側を負に、第1MQW層
16側を正にバイアスした場合の感光層近傍のバンドダ
イヤグラムであり、入射光の波長が第1MQW層16の
サブバンド間のエネルギーより小さい場合には、第2M
QW層18においてのみ光が吸収されて基底準位の電子
28が励起されるが、n型AlGaAs層31が電位障
壁となるので、電子28が共通電極27に達することは
ほとんどなく、したがって、信号として検出されること
はない。
【0060】また、入射光の波長が第1MQW層16の
サブバンド間のエネルギーより大きい場合には、第1M
QW層16においても光が吸収されて基底準位の電子2
9が励起され、励起された電子29は印加されている電
界によって共通電極27に到達して信号として検知され
るが、第2MQW層18において励起された電子28は
n型AlGaAs層31でブロックされるので、第1M
QW層16のみが実効的な感光層として機能する。
【0061】一方、第1MQW層16側を負に、第2M
QW層18側を正にバイアスした場合、入射光の波長が
第1MQW層16のサブバンド間のエネルギーより小さ
い場合には、第2MQW層18においてのみ光が吸収さ
れ、励起された電子28は印加されている電界によって
センサ電極26に到達して信号として検知される。
【0062】また、入射光の波長が第1MQW層16の
サブバンド間のエネルギーより大きい場合には、第1M
QW層16においても光が吸収され、基底準位の電子2
9が励起されるが、励起された電子29はn型AlGa
As層31でブロックされるので、第2MQW層18の
みが実効的な感光層として機能することになる。
【0063】上述の様に、センサ電極26と共通電極2
7との間に印加する電圧の極性を選択することによっ
て、電子の流れの下流側にあるMQW層のみを、実効的
に感光層として機能させることができ、他方のMQW層
において光吸収によって電子が励起されても、n型Al
GaAs層31が電位障壁となって電極に到達しないの
で、スペクトルクロストークが抑制される。
【0064】したがって、第1MQW層16側を負にバ
イアスした場合には、長波長の赤外線検知素子として機
能させることができ、第2MQW層18側を負にバイア
スした場合には、短波長の赤外線検知素子として機能さ
せることができる。即ち、バイアスの極性により感光層
として選択されるMQW層は、上記の第1及び第2の実
施の形態と反対になる。
【0065】この様に、本発明の第3の実施の形態にお
いては、感光層としてMQW層を用いるとともに、第1
MQW層16及び第2MQW層18の間に電位障壁とな
るn型AlGaAs層31を設けてnnn構造としてい
るので、感光層として機能させない側のMQW層におい
て光吸収が生じても、電位障壁となるn型AlGaAs
層31によってブロックされるので電極に到達して信号
として検出されることがなく、それによって、スペクト
ルクロストークを防止することができる。
【0066】次に、図5を参照して、本発明の第4の実
施の形態のHgCdTeを用いた赤外線検知素子を説明
する。 図5(a)参照 図5(a)は、本発明の第4の実施の形態の赤外線検知
素子の概略的要部断面図であり、まず、3〜10μmの
波長に対して透明なCdZnTe基板41上に3〜5μ
mの波長に感度を有するMWIR吸収層となる、p型H
0.7 Cd0.3Te層42、電位障壁となるp型Hg
0.5 Cd0.5 Te層43、及び、8〜10μmの波長に
感度を有するLWIR吸収層となる、p型Hg0.8 Cd
0.2 Te層44を順次成長させる。
【0067】この場合に、p型Hg0.7 Cd0.3 Te層
42乃至p型Hg0.8 Cd0.2 Te層44の正孔濃度
は、熱処理によるHg空格子濃度のみで制御し、正孔濃
度を1×1015〜1×1016cm-3、例えば、1×10
16cm-3とする。
【0068】次いで、p型Hg0.8 Cd0.2 Te層44
乃至p型Hg0.7 Cd0.3 Te層42をメサエッチング
したのち、保護膜となるZnS膜45を設け、このZn
S膜45に設けた開口部にInを設けることによってセ
ンサ電極46及び共通電極47を形成し、それによって
二波長カラーセンサの基本構成が完成する。
【0069】次に、バイアスの極性の切替えによる検知
波長の選択原理を説明する。 図5(b)参照 図5(b)は、p型Hg0.8 Cd0.2 Te層44側を負
に、p型Hg0.7 Cd 0.3 Te層42側を正にバイアス
した場合の感光層近傍のバンドダイヤグラムであり、入
射光の波長がp型Hg0.7 Cd0.3 Te層42のバンド
・ギャップより小さい場合には、p型Hg0.8 Cd0.2
Te層44側においてのみ光が吸収されて価電子帯の電
子が伝導帯へ励起されて正孔48と電子49の電子−正
孔対が形成され、少数キャリアの電子49が信号成分と
なるが、電子49は電位障壁となるp型Hg0.5 Cd
0.5 Te層43によってブロックされるので、電子49
が共通電極47に達することはほとんどなく、したがっ
て、信号として検出されることはない。
【0070】また、入射光の波長がp型Hg0.7 Cd
0.3 Te層42のバンド・ギャップより大きい場合に
は、p型Hg0.7 Cd0.3 Te層42においても光が吸
収され、価電子帯の電子が伝導帯へ励起されて正孔48
と電子50の電子−正孔対が形成され、少数キャリアの
電子50は印加されている電界によって共通電極47に
到達して信号として検知されるが、p型Hg0.8 Cd
0.2 Te層44において励起された電子49はp型Hg
0.5 Cd0.5 Te層43でブロックされるので、p型H
0.7 Cd0.3 Te層42のみが実効的な感光層として
機能する。
【0071】一方、p型Hg0.7 Cd0.3 Te層42側
を負に、p型Hg0.8 Cd0.2 Te層44側を正にバイ
アスした場合、入射光の波長がp型Hg0.7 Cd0.3
e層42のバンド・ギャップより小さい場合には、p型
Hg0.8 Cd0.2 Te層44においてのみ光が吸収さ
れ、価電子帯の電子が伝導帯へ励起されて正孔48と電
子49の電子−正孔対が形成され、少数キャリアの電子
49が印加されている電界によってセンサ電極46に到
達して信号として検知される。
【0072】また、入射光の波長がp型Hg0.7 Cd
0.3 Te層42のバンド・ギャップより大きい場合に
は、p型Hg0.7 Cd0.3 Te層42においても光が吸
収され、価電子帯の電子が伝導帯へ励起されて正孔48
と電子50の電子−正孔対が形成され、少数キャリアの
電子50はp型Hg0.5 Cd0.5 Te層43でブロック
されるので、p型Hg0.8 Cd0.2 Te層44のみが実
効的な感光層として機能することになる。
【0073】上述の様に、センサ電極46と共通電極4
7との間に印加する電圧の極性を選択することによっ
て、電子の流れの下流側にあるHgCdTe層のみを、
実効的に感光層として機能させることができ、他方のH
gCdTe層において光吸収によって電子が励起されて
も、p型Hg0.5 Cd0.5 Te層43が電位障壁となっ
て電極に到達しないので、スペクトルクロストークが抑
制される。
【0074】したがって、p型Hg0.7 Cd0.3 Te層
42側を負にバイアスした場合には、長波長の赤外線検
知素子として機能させることができ、p型Hg0.8 Cd
0.2Te層44側を負にバイアスした場合には、短波長
の赤外線検知素子として機能させることができる。即
ち、バイアスの極性により感光層として選択されるHg
CdTe層は、上記の第3の実施の形態と同様になる。
【0075】この様に、本発明の第4の実施の形態にお
いては、感光層としてHgCdTe層を用いるととも
に、p型Hg0.7 Cd0.3 Te層42とp型Hg0.8
0.2Te層44との間に電位障壁となるp型Hg0.5
Cd0.5 Te層43を設けてppp構造としているの
で、感光層として機能させない側のHgCdTe層にお
いて光吸収が生じても、電位障壁となるp型Hg0.5
0.5 Te層43によって励起された電子がブロックさ
れるので電極に到達して信号として検出されることがな
く、それによって、スペクトルクロストークを防止する
ことができる。
【0076】また、この第4の実施の形態においては、
2つの感光層及び障壁層を同じ導電型で形成し、且つ、
キャリア濃度をHg空格子濃度のみによって制御してい
るので、図7に示した従来のHgCdTe系二波長カラ
ーセンサより製造工程が簡単になる。
【0077】次に、図6を参照して、本発明の第5の実
施の形態のHgCdTeを用いた赤外線検知素子を説明
する。 図6(a)参照 図6(a)は、本発明の第5の実施の形態の赤外線検知
素子の概略的要部断面図であり、まず、3〜10μmの
波長に対して透明なCdZnTe基板51上に3〜5μ
mの波長に感度を有するMWIR吸収層となる、p型H
0.7 Cd0.3Te層、電位障壁となるp型Hg0.5
0.5 Te層、及び、8〜10μmの波長に感度を有す
るLWIR吸収層となる、p型Hg0.8 Cd0.2 Te層
を順次成長させる。
【0078】次いで、水銀溜めに収納した水銀と共に、
石英管内にp型エピタキシャル層を成長させたCdZn
Te基板51を挿入したのち、石英管内を真空に引いて
他端部を封止し、次いで、この石英管を熱処理炉に挿入
して、p型エピタキシャル層を成長させたCdZnTe
基板51近傍の温度を200〜350℃、好適には28
0℃とし、水銀溜め近傍の温度もCdZnTe基板51
とほぼ同じ温度に保ち、24〜72時間、好適には48
時間熱処理を行う。
【0079】この熱処理により、p型Hg0.7 Cd0.3
Te層、p型Hg0.5 Cd0.5 Te層、及び、p型Hg
0.8 Cd0.2 Te層中のHg空格子はHgによって埋め
戻され、HgCdTe結晶中の残留不純物等によりキャ
リア濃度は低いもののn型化し、それぞれキャリア濃度
が1013〜1014cm-3程度のn型Hg0.7 Cd0.3
e層52、n型Hg0.5 Cd0.5 Te層53、及び、n
型Hg0.8 Cd0.2 Te層54に変換される。
【0080】以降は、上記の第4の実施の形態の場合と
同様に、n型Hg0.8 Cd0.2 Te層54乃至n型Hg
0.7 Cd0.3 Te層52をメサエッチングしたのち、保
護膜となるZnS膜55を設け、このZnS膜55に設
けた開口部にInを設けることによってセンサ電極56
及び共通電極57を形成し、それによって二波長カラー
センサの基本構成が完成する。
【0081】次に、バイアスの極性の切替えによる検知
波長の選択原理を説明する。 図6(b)参照 図6(b)は、n型Hg0.8 Cd0.2 Te層54側を負
に、n型Hg0.7 Cd 0.3 Te層52側を正にバイアス
した場合の感光層近傍のバンドダイヤグラムであり、入
射光の波長がn型Hg0.7 Cd0.3 Te層52のバンド
・ギャップより小さい場合には、n型Hg0.8 Cd0.2
Te層54側においてのみ光が吸収されて価電子帯の電
子が伝導帯へ励起されて正孔59と電子48の電子−正
孔対が形成され、少数キャリアの正孔59は印加されて
いる電界によってセンサ電極56に到達して信号として
検知される。
【0082】また、入射光の波長がn型Hg0.7 Cd
0.3 Te層52のバンド・ギャップより大きい場合に
は、n型Hg0.7 Cd0.3 Te層52においても光が吸
収され、価電子帯の電子が伝導帯へ励起されて正孔60
と電子58の電子−正孔対が形成されるが、少数キャリ
アの正孔60は電位障壁となるn型Hg0.5 Cd0.5
e層53によってブロックされるので、正孔60がセン
サ電極57に達することはほとんどなく、n型Hg0.8
Cd0.2 Te層54のみが実効的な感光層として機能す
る。
【0083】一方、n型Hg0.7 Cd0.3 Te層52側
を負に、n型Hg0.8 Cd0.2 Te層54側を正にバイ
アスした場合、入射光の波長がn型Hg0.7 Cd0.3
e層52のバンド・ギャップより小さい場合には、n型
Hg0.8 Cd0.2 Te層54においてのみ光が吸収さ
れ、価電子帯の電子が伝導帯へ励起されて正孔59と電
子58の電子−正孔対が形成されるが、少数キャリアの
正孔60は電位障壁となるn型Hg0.5 Cd0.5 Te層
53によってブロックされるので、共通電極57に到達
して信号として検知されることはない。
【0084】また、入射光の波長がn型Hg0.7 Cd
0.3 Te層52のバンド・ギャップより大きい場合に
は、n型Hg0.7 Cd0.3 Te層52においても光が吸
収され、価電子帯の電子が伝導帯へ励起されて正孔60
と電子58の電子−正孔対が形成され、少数キャリアの
正孔60は印加されている電界によって共通電極57に
到達して信号として検知されるが、n型Hg0.8 Cd
0.2 Te層54において対創生された正孔59はn型H
0.5 Cd0.5 Te層53でブロックされるので、n型
Hg0.7 Cd0.3 Te層52のみが実効的な感光層とし
て機能することになる。
【0085】上述の様に、センサ電極56と共通電極5
7との間に印加する電圧の極性を選択することによっ
て、正孔の流れの下流側にあるHgCdTe層のみを、
実効的に感光層として機能させることができ、他方のH
gCdTe層において光吸収によって正孔が対創生され
ても、n型Hg0.5 Cd0.5 Te層53が電位障壁とな
って電極に到達しないので、スペクトルクロストークが
抑制される。
【0086】したがって、n型Hg0.7 Cd0.3 Te層
52側を負にバイアスした場合には、短波長の赤外線検
知素子として機能させることができ、n型Hg0.8 Cd
0.2Te層54側を負にバイアスした場合には、長波長
の赤外線検知素子として機能させることができる。
【0087】この様に、本発明の第5の実施の形態にお
いては、感光層としてHgCdTe層を用いるととも
に、n型Hg0.7 Cd0.3 Te層52とn型Hg0.8
0.2Te層54との間に価電子帯において正孔に対す
る電位障壁となるn型Hg0.5Cd0.5 Te層53を設
けてnnn構造としているので、感光層として機能させ
ない側のHgCdTe層において光吸収が生じても、電
位障壁となるn型Hg0. 5 Cd0.5 Te層53によって
対創生された正孔がブロックされるので電極に到達して
信号として検出されることがなく、それによって、スペ
クトルクロストークを防止することができる。
【0088】また、この第5の実施の形態においては、
2つの感光層及び障壁層を同じ導電型で形成し、且つ、
キャリア濃度をHg空格子濃度のみによって制御してい
るので、n型化のための熱処理工程は必要になるもの
の、p型の場合にもキャリア濃度を制御するための熱処
理を行っているので、図7に示した従来のHgCdTe
系二波長カラーセンサより製造工程が簡単になる。
【0089】以上、本発明の各実施の形態を説明してき
たが、本発明は各実施の形態に記載した構成・条件等に
限られるものではなく、各種の変更が可能である。例え
ば、上記の第1及び第2の実施の形態においては、第1
MQW層16及び第2MQW層18の外側に障壁層を設
けていないが、例えば、量子井戸を構成するバリア層よ
り禁制帯幅の大きなAlGaAs層、或いは、InGa
P層を設けて障壁層としても良く、この様な障壁層は感
光層として機能させない側のMQW層において励起され
た電子に対する電位障壁となるので、スペクトルクロス
トークをより効果的に防止することができる。
【0090】また、上記の第1乃至第3の実施の形態に
おいては、第1MQW層16及び第2MQW層18をn
型層としているが、p型層にしても良いものであり、そ
れに応じて中間に設けるGaAs層或いはAlGaAs
層の導電型を反転させれば良い。
【0091】また、上記の第2の実施の形態において
は、障壁層となるi型GaAs層30を真性半導体層で
構成しているが、真性半導体に限られるものでなく、F
e等をドープして高抵抗化しても良いものである。
【0092】また、上記の第1乃至第3の実施の形態に
おいては、第1MQW層16及び第2MQW層18を、
それぞれAl0.32Ga0.68As/GaAs接合及びAl
0.26Ga0.74As/GaAs接合で構成しているが、バ
リア層の組成はこの様なAl組成比に限られるものでは
なく、他のAl組成比xのAlx Ga1-x Asでも良
く、検知対象とする波長に応じた量子準位、サブバンド
が形成されるように、バリア層の厚さ、組成比、及び、
n型GaAsウエル層の厚さを適宜選択すれば良く、さ
らに、必要とするセンサ感度に応じてn型GaAsウエ
ル層の層数を適宜選択すれば良い。
【0093】また、上記の第1乃至第3の実施の形態に
おいては、第1MQW層16及び第2MQW層18をA
lGaAs/GaAs系の多重量子井戸構造によって構
成しているが、GaAs/InGaAs系等の他のIII-
V族化合物半導体による多重量子井戸構造を用いても良
いものであり、使用する大面積基板に格子整合する材料
系であれば良い。
【0094】また、上記の第4及び第5の実施の形態に
おいては、熱処理によるHg空格子濃度によって導電型
を制御しているが、導電型決定不純物を用いても良いも
のであり、例えば、p型層を形成する場合には、As,
Sb,AgまたはAuを添加し、一方、n型層を形成す
る場合には、I(沃素)またはInを添加すれば良い。
【0095】また、上記の第4及び第5の実施の形態に
おいては、基板としてCdZnTeを用いているが、C
dZnTeに限られるものではなく、GaAs基板等の
他の基板を用いても良いものである。
【0096】また、上記の第4及び第5の実施の形態に
おいては、感光層を形成する半導体として特定組成比の
HgCdTe系半導体を用いているが、記載されている
組成比に限られるものではなく、検出しようとする波長
に応じて適宜組成を変更し得るものであり、さらに、H
gZnTe、HgMnTe等の他のHg系II−VI族
化合物半導体を用いても良いものである。
【0097】また、上記の第4及び第5の実施の形態に
おいては、基板として検出波長に対して透明な基板を用
い、基板側にMWIR吸収層を設け、トップ層にLWI
R吸収層を設けて、基板側から光を照射するようにして
いるが、基板側にLWIR吸収層を設け、トップ層にM
WIR吸収層を設けて、トップ層側から光を照射するよ
うにしても良いものである。
【0098】また、上記の実施の形態の説明において
は、赤外線検知素子を1個の光センサとして説明してお
り、実際には、この様な光センサ素子を二次元状アレイ
或いは一次元状アレイとして配置するものであるが、一
個の光センサ素子単体として用いても良いものである。
【0099】
【発明の効果】本発明の第1及び第2の実施の形態にお
いては電界が印加されないMQW層における励起された
電子の基底準位への遷移を利用して、スペクトルクロス
トークを抑制し、また、第3乃至第5の実施の形態にお
いては、MWIR吸収層及びLWIR吸収層との間に障
壁層を設けてスペクトルクロストークを抑制するとと
に、全体をnnn構造或いはppp構造としているの
で、製造工程が簡素化され、それによって、二波長検出
カラーセンサの検出精度の向上、普及に寄与するところ
が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の赤外線検知素子の
説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の赤外線検知素子の
説明図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の赤外線検知素子の
説明図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の赤外線検知素子の
説明図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態の赤外線検知素子の
説明図である。
【図7】従来の二波長検出カラーセンサの説明図であ
る。
【図8】従来の量子井戸構造赤外線検知素子の説明図で
ある。
【図9】スペクトルストロークの説明図である。
【符号の説明】
1 感光層 2 感光層 3 中間層 4 電子 5 電子 11 半絶縁性GaAs基板 12 i型GaAsバッファ層 13 i型InGaP層 14 n型GaAs層 15 n型InGaP層 16 第1MQW層 17 p型GaAs層 18 第2MQW層 19 n型GaAs層 20 n型AlGaAs層 21 n型GaAs層 22 回折格子 23 オーミック電極 24 反射電極 25 SiON膜 26 センサ電極 27 共通電極 28 電子 29 電子 30 i型GaAs層 31 n型AlGaAs層 41 CdZnTe基板 42 p型Hg0.7 Cd0.3 Te層 43 p型Hg0.5 Cd0.5 Te層 44 p型Hg0.8 Cd0.2 Te層 45 ZnS膜 46 センサ電極 47 共通電極 48 正孔 49 電子 50 電子 51 CdZnTe基板 52 n型Hg0.7 Cd0.3 Te層 53 n型Hg0.5 Cd0.5 Te層 54 n型Hg0.8 Cd0.2 Te層 55 ZnS膜 56 センサ電極 57 共通電極 58 電子 59 正孔 60 正孔 61 CdZnTe基板 62 n型Hg0.72Cd0.28Te層 63 p型Hg0.68Cd0.32Te層 64 n型Hg0.78Cd0.22Te層 65 素子電極 66 共通電極 67 正孔 68 電子 69 正孔 70 電子 71 半絶縁性GaAs基板 72 n型GaAs層 73 第1MQW層 74 n型GaAs層 75 第2MQW層 76 n型GaAs層 77 SiON膜 78 センサ電極 79 共通電極 80 電子 81 電子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに感光波長の異なる2つの感光層を
    中間層で分離して積層した2端子型の赤外線検知素子に
    おいて、前記2つの感光層を一導電型の多重量子井戸層
    で構成するとともに、前記中間層を逆導電型半導体層で
    構成し、前記多重量子井戸におけるサブバンド間の遷移
    により光吸収を行うことを特徴とする赤外線検知素子。
  2. 【請求項2】 互いに感光波長の異なる2つの感光層を
    中間層で分離して積層した2端子型の赤外線検知素子に
    おいて、前記2つの感光層を一導電型の多重量子井戸層
    で構成するとともに、前記中間層を高抵抗半導体層で構
    成し、前記多重量子井戸におけるサブバンド間の遷移に
    より光吸収を行うことを特徴とする赤外線検知素子。
  3. 【請求項3】 上記2つの感光層の中間層と接する側と
    反対の面に、上記多重量子井戸層を構成するバリア層よ
    り禁制帯幅の大きな一導電型半導体層を設けたことを特
    徴とする請求項1または2に記載の赤外線検知素子。
  4. 【請求項4】 上記互いに感光波長の異なる2つの感光
    層を中間層で分離して積層した2端子型の赤外線検知素
    子において、前記2つの感光層を一導電型の多重量子井
    戸層で構成するとともに、前記中間層を前記感光層の実
    効的禁制帯幅より禁制帯幅の大きな一導電型半導体層で
    構成し、前記多重量子井戸におけるサブバンド間の遷移
    により光吸収を行うことを特徴とする赤外線検知素子。
  5. 【請求項5】 互いに感光波長の異なる2つの感光層
    を、中間層で分離して積層した2端子型の赤外線検知素
    子において、前記2つの感光層を一導電型のHg系II
    −VI族化合物半導体層で構成するとともに、前記障壁
    層を前記感光層の実効的禁制帯幅より禁制帯幅の大きな
    一導電型半導体層で構成し、伝導帯と価電子帯間のバン
    ド間遷移により光吸収を行うことを特徴とする赤外線検
    知素子。
  6. 【請求項6】 上記2つの感光層及び障壁層の導電型
    が、Hg空格子の濃度の制御のみによって決定されてい
    ることを特徴とする請求項5記載の赤外線検知素子。
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