JP2020077861A - マルチモード光検出器及びその製造方法 - Google Patents

マルチモード光検出器及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】近赤外光及び可視光範囲のどちらの範囲の光にも応答する高性能PDを備えたマルチモード光検出器を提供する。【解決手段】マルチモードPDの活性層は、吸収体−1(吸収体ー1は可視光を含む第1の波長の電磁波を吸収する)/光学スペーサ/吸収体−2(吸収体ー2は赤外光を含む第2の波長の電磁波を吸収する)の三層構造を有しており、赤外光が存在する場合、逆バイアス状態すると、赤外光吸収層に光電流が発生し、可視光が存在する場合、順バイアス状態にすると、可視光吸収層に光電流が発生する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
この出願は、(1)2018年10月9日に出願された仮特許出願シリアル番号第62/743,525号;及び(2)2019年10月4日に出願された非仮特許出願シリアル番号第16/592,793からの優先権を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、吸収体/スペーサ型のバイアス切り替え可能なスペクトル応答高性能マルチモード光検出器(PD)に関する。本発明において、マルチモードPDは、吸収体/スペーサ、又は、スペーサ/吸収体、又は、吸収体−1/スペーサ/吸収体−2、又は、スペーサ−1/吸収体/スペーサ−2成分、及び/又は、それらの組み合わせを含んでいる。吸収体/スペーサ型のマルチモードPDで使用される吸収体及びスペーサ材料は、同じ又は異なる機能材料であってもよく、例えば、吸収体−1(吸収体ー1は可視光を含む第1の波長の電磁波を吸収する)/光学スペーサ/吸収体−2(吸収体ー2は赤外光を含む第2の波長の電磁波を吸収する)の積層体を備えたデュアルモードPDが設計されている。バイアス切り替え可能なスペクトル応答マルチモードPDは、環境汚染、バイオ、医療、農業、自動車、漁業、食料、健康、セキュリティの監視、2つ以上の異なる帯域又は複数の異なる帯域での検出及び画像化などに応用することができる。マルチモードPDの製造方法も提供される。
有機、ポリマー、ペロブスカイト、コロイド量子ドット、有機/無機ハイブリッド、1D及び2D低次元材料、並びにそれらの組み合わせによって製造される光検出器(PD)は、これらの機能性材料の電気特性をそれに応じて調整することができるため、従来のウェハベースの無機対応物に代わる有望な光学検出技術である。また、それらは、溶液処理可能な製造プロセスを備えているなどの追加の利点を有しており、これも大きなコストメリットをもたらし、それにより次世代の溶液処理可能な柔軟で低コストの光検出器が作成される。一般に、光検出器のスペクトル応答は、デバイス内の活性物質の吸収と光学プロファイルによって決定される。X線、紫外線(UV)、可視光、近赤外(NIR)、短波長赤外線(SWIR)、中波長赤外線(MWIR)、長波長赤外線(LWIR)、及び超長波長赤外線(VLWIR)のための異なった光学バンドギャップを有する、溶液処理可能な有機、ポリマー、ペロブスカイト、コロイド量子ドット、有機/無機ハイブリッド、1D及び2D低次元材料、並びにそれらの組合せを用いた離散PDが報告されている。ただし、これらの成果は、特定のスペクトル範囲での光検出用に最適化されたシングルモードPDで実現されている。異なる波長範囲に対する同時の光応答を有するデュアルモード又はマルチモードPDの進歩は、それほど印象的ではない。
特に赤外線(IR)及び可視光の波長範囲にわたって、2つの区別可能な又は異なる又は複数の帯域で高い検出能を備えたスペクトル調整可能なPDを実現することは、環境汚染、バイオ、医療、農業、自動車、漁業、食料、健康、セキュリティの監視、2つ以上の異なる帯域又は複数の異なる帯域での検出及び画像化等における膨大な応用のために、非常に魅力的である。しかしながら、スペクトル調整可能なPDに関する報告は、かなり稀である。365nm及び330nmの2つのピークスペクトル応答で検出された紫外PDは、その透明な酸化インジウムスズ(ITO)の前部電極と半透明なAl(15nm)/Ag(100nm)の後部電極とが入射光に対して露出したときに観察されている。これは、二層平面ドナー/アクセプタヘテロ接合におけるドナー及びアクセプタ各々の吸収挙動によるものである。また、厚いペロブスカイト光検出器では、上面又は下面が入射光にさらされると、例えば広帯域特性及び狭帯域特性を示す異なったスペクトル応答が観察されている。検出器を反転させずに作動可能なスペクトル調整可能PDは、実用的な関心事である。
バイアスの極性を調整することで操作できる、特にIR及び可視光の波長範囲でのユニークな調整可能光検出機能を備えたデュアルモードPDは、未解決の課題である。
本発明において、発明者らは、光増倍効果を利用して、逆バイアス下で動作する高IR光応答及び順バイアス下で動作する可視光応答という独特の特徴を有するデュアルモードPDを開発する努力を報告する。デュアルモードPDは、新規な吸収体/スペーサベースの光活性構造、例えば、基板/前部電極/吸収体−1(吸収体ー1は可視光を含む第1の波長の電磁波を吸収する)/光学スペーサ/吸収体−2(吸収体ー2は赤外光を含む第2の波長の電磁波を吸収する)/後部電極の層構成を備えた、吸収体−1/光学スペーサ/吸収体−2の三層構造を有している。可視光からIR光までの広いスペクトル範囲で調整可能な応答を備えたユニークなデュアルモードPDは、環境汚染、バイオ、医療、農業、自動車、漁業、食料、健康、セキュリティの監視、2つ以上の異なる帯域又は複数の異なる帯域での検出及び画像化等における応用のためのための魅力的なオプションを提供する。
したがって、本発明の第1の態様は、例えば、逆バイアス下で動作する場合の高IR光応答及び順バイアス下で動作する場合の高可視光応答という独特の特徴を備えたデュアルモードPDなどの、高性能マルチモードPDに関する。
本発明の第1の態様は、機能性多層構造を含むマルチモードPDを提供する。ここで、機能性多層構造は、少なくとも1つの吸収体と少なくとも1つのスペーサとを含んでいる。前記少なくとも1つの吸収体及び前記少なくとも1つのスペーサは、同じ材料又は異なる材料で形成されている。前記マルチモード光検出器は、逆バイアス下において、第1の波長の電磁波又は可視光に非応答性であり且つ第2の波長又は赤外線若しくは近赤外線の電磁波に応答するように構成されているか、又は、順バイアス下において、第2の波長又は赤外線若しくは近赤外線の電磁波に非応答性であり且つ第1の波長の電磁波又は可視光に応答するように構成されている。
第1の実施形態では、機能性多層構造は、吸収体とスペーサとの組み合わせ、又は、スペーサと吸収体との組み合わせ、又は、第1の吸収体とスペーサと第2の吸収体との組み合わせ、又は、第1のスペーサと吸収体と第2のスペーサとの組合せ、又は、少なくとも1つの吸収体と少なくとも1つのスペーサとの任意の組み合わせである。
好ましくは、第1の吸収体とスペーサと第2の吸収体との組み合わせにおいて、第1の吸収体が吸収する第1の波長の電磁波の波長は、第2の吸収体が吸収する第2の波長の電磁波の波長よりも短い。
好ましくは、第1の吸収体は、マルチモード光検出器の前部電極に隣接して配置され、可視光を含む第1の波長の電磁波に対して感光性である。
好ましくは、第2の吸収体は、マルチモード光検出器の後部電極に隣接して配置され、赤外線及び近赤外線を含む第2の波長の電磁波に対して感光性である。
好ましくは、第1の吸収体は、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(以下「P3HT」と呼ぶ)と[6,6]−フェニル−C70−酪酸メチルエステル(以下「PC70BM」と呼ぶ)とを100:1の比率で含んだ材料から形成されている。
好ましくは、第2の吸収体は、P3HTと、ポリ[4,8−ビス(5−(2−エチルヘキシル)チオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b;4,5−b′]ジチオフェン−2,6−ジイル−alt−(4−(2−エチルヘキシル)−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−)−2−カルボキシレート−2−6−ジイル)](以下「PTB7−Th」と呼ぶ)と、PC70BMとを、70:30:1の比率で含んだ材料から形成されている。
好ましくは、少なくとも1つのスペーサは、第1の波長の電磁波を効果的に枯渇させ、第2の波長の電磁波が第2の吸収体に吸収されるように、光吸収性である。
好ましくは、少なくとも1つのスペーサは、可視光範囲の電磁波を枯渇させるために、P3HTで形成されている。
第2の実施形態では、少なくとも1つの吸収体及び少なくとも1つのスペーサに使用される同じ又は異なる材料は、有機、ポリマー、ペロブスカイト、コロイド量子ドット、有機/無機ハイブリッド、1D及び2D低次元材料、又はそれらの任意の組み合わせの1つ又は複数である。
第3の実施形態では、マルチモードPDは、異なる逆バイアスの下で動作させる場合、第1の波長ブラインド又は可視光ブラインドであり、第2の波長又は赤外線若しくは近赤外線に対して光応答性である(即ち、逆バイアスの下で、第1の波長又は可視光には応答せず、第2の波長又は赤外線若しくは近赤外線には応答する)ように構成される。
好ましくは、第1の波長ブラインド又は可視光ブラインドの第2の波長又は赤外線若しくは近赤外線に対する光応答は、マルチモードPDの各層の光生成電荷キャリアによって提供される。
第4の実施形態では、マルチモードPDは、異なる順バイアスの下で動作させる場合、第2の波長ブラインド又はIR/NIRブラインドであり、第1の波長又は可視光に対して光応答性である(即ち、順バイアスの下で、第2の波長又は赤外線若しくは近赤外線には応答せず、第1の波長又は可視光には応答する)ように構成される。
好ましくは、第2の波長ブラインド又はIR/NIRブラインドの第1の波長又は可視光に対する光応答は、マルチモード光検出器の各層の光生成電荷キャリアによって提供される。
本発明の第2の態様は、異なる波長の電磁波にバイアス切り替え可能なスペクトル応答を提供するために、本発明のマルチモード光検出器と、マルチモード光検出器の2つの異なる電極に印加されるバイアスの極性が調整される2つの異なる電極とを含んだバイアス切り替え可能なスペクトル応答マルチモード光検出器を提供する。
好ましくは、バイアス切り替え可能なスペクトル応答マルチモード光検出器は、2つ又は複数の別個の帯域でのイメージングに使用される。
好ましくは、バイアス切り替え可能なスペクトル応答マルチモード光検出器は、環境汚染、バイオ、医療、農業、自動車、漁業、食料、健康、セキュリティの監視、2つ以上の異なる帯域又は複数の異なる帯域での検出の用途にも使用される。
好ましくは、2つ又は複数の別個の帯域は、UV、可視、NIR、SWIR、MWIR、LWIR及びVLWIRから選択される2つ以上の異なる波長を有する複数の電磁波を含んでいる。
好ましくは、複数の電磁波は、10nm〜1000μmの範囲の2つ以上の異なる波長を有している。
デュアルモードPDである本願のマルチモードPDの一例では、第1の吸収体層の厚さは、10nm〜10ミクロンの範囲内であり、例えば、溶液処理された厚み300nmのP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層である。光学スペーサ層の厚さは、10nm〜10ミクロンの範囲内であり、例えば、厚み320nmのP3HT光学スペーサ層である。第2の吸収体層の厚さは、10nm〜10ミクロンの範囲内であり、例えば、厚み500nmのP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)NIR光吸収層である。デュアルモードPDのこの例は、逆バイアス下で動作しているときの640nm〜800nmの波長範囲でのNIR光応答と、順バイアス下で動作しているときの310nm〜650nmの波長範囲での可視光応答というユニークな特徴を備えている。このデュアルモードPDは、NIR及び可視光の両方の存在下で、〜1013ジョーンズの同時高検出能を有している。
当業者は、本明細書に記載された本発明が、具体的に記載されたもの以外の変形及び修正を受け得ることを理解するであろう。
本発明は、そのような全ての変形及び修正を含んでいる。本発明はまた、本明細書において個々に又はまとめて参照又は示されるすべてのステップ及び特徴、並びにあらゆるすべての組み合わせ、又は任意の2つ以上のステップ又は特徴を含んでいる。
本明細書を通じて、文脈上別段の要求がない限り、「comprise」又は「comprises」若しくは「comprising」などの変形は、記載された整数又は整数群を含むことを意味し、他の整数又は整数群を排除することを意味しない。本開示、特に請求の範囲及び/又は段落において、「comprises」、「comprised」、「comprising」などの用語は、米国特許法においてそれに起因する意味を有することができることに留意されたい。例えば、それらは「includes」、「included」、「including」などを意味することがある。「consistingessentiallyof」および「consistsessentiallyof」などの用語もまた、米国特許法においてそれらに付与されている意味を有し、例えば、それらは明示的に列挙されていない要素を許容しているが、先行技術において見いだされているか、又は、本発明の基本的若しくは新規な特徴に影響を及ぼす要素を除外している。
更に、本明細書および請求の範囲を通して、文脈上別段の要求がない限り、「include」または「includes」若しくは「included」などの変形は、記載された整数又は整数群を含むことを意味し、他の整数又は整数群を排除することを意味しない。
本明細書で使用される選択された用語の他の定義は、本発明の詳細な説明の中に見出されるかもしれない。そして、その定義は、全体を通して適用され得る。他に定義されない限り、本明細書で使用される他のすべての技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味を有する。
本発明の他の態様及び利点は、以下の説明を検討することから当業者には明らかであろう。
本発明の上記の及び他の目的及び特徴は、本発明に関する以下の記載を、下記の図面と共に参照することにより、明らかになるであろう。
図1は、マルチモードPD構造の一例:基板/前部電極/吸収体−1/光学スペーサ/吸収体−2/後部電極の斜視図を示す概略図である。
図2は、2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)層(吸収体−1)、純粋なP3HT層(スペーサ)、及び、3成分ブレンドP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)層(吸収体−2)について測定された正規化された吸収スペクトルを示している。P3HT:PC70BM(100:1)、純粋なP3HT、及びP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)の各機能層を用いて、本発明の第1の実施例に係るPDを構築した。
図3は、本発明の第1の実施例に係るPDで使用される機能性材料の概略エネルギー準位図を示している。
図4Aは、デュアルモードPDにおける、厚さ300nmの2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層(吸収体−1)、厚さ320nmの純粋なP3HT光学スペーサ層、及び厚さ500nmの3成分ブレンドP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)NIR光吸収層(吸収体−2)を通してのシミュレートした光場分布を示している。
図4Bは、デュアルモードPDにおける、厚さ300nmの2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層(吸収体−1)、厚さ320nmの純粋なP3HT光学スペーサ層、及び厚さ500nmの3成分ブレンドP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)NIR光吸収層(吸収体−2)を通しての光生成電荷キャリアの正規化された分布を示している。
図4Cは、460nm及び770nmの2つの異なる波長でのデュアルモードPDの光場分布を示している。
図4Dは、460nmと770nmの2つの異なる波長においてデュアルモードPDについて計算された光生成電荷キャリアのプロファイルを示している。
図5は、厚さ300nmの2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層(吸収体−1)、厚さ320nmの純粋なP3HT(スペーサ)、及び厚さ500nmの3成分ブレンドP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)NIR光吸収層(吸収体−2)について計算された吸収スペクトルを示している。
図6Aは、吸収体/後部電極インタフェースでの光生成電荷キャリアの蓄積によって可能になる、逆バイアス下においてNIR光の存在下で光電流を生成する第1の例に係るデュアルモードPDの動作原理を示す概略図である。
図6Bは、逆バイアス下において可視光の存在下で前部電極/吸収体インタフェースにおいて光電流を生成することなく動作する第1の例に係るデュアルモードPDの動作原理を示す概略図である。
図6Cは、順バイアス下においてNIR光の存在下で前部電極/吸収体インタフェースにおいて光電流を生成することなく動作する第1の例に係るデュアルモードPDの動作原理を示す概略図である。
図6Dは、順バイアス下において可視光の存在下で光電流を生成する第1の例に係るデュアルモードPDの動作原理を示す概略図である。
図7Aは、NIR光(770nm)及び可視光(460nm)光源の存在下で第1の例に係るデュアルモードPDについて測定されたI―V特性をプロットしている。
図7Bは、−35V及び−40Vの2つの異なった逆バイアス下で動作するIR光検出モード、並びに、12V及び15Vの2つの異なった順バイアス下で動作する可視光検出モードについて測定された応答スペクトルを示している。
図7Cは、光が存在しない場合の第1の例に係るデュアルモードPDで測定されたI−V特性を、7回を越す測定値の平均でプロットしている。
図7Dは、IR及び可視光検出モードで動作する第1の例に係るデュアルモードPDの波長依存Dをプロットしている。
図8Aは、異なる逆バイアス下において、NIR光源(770nm)源の存在下で動作する第1の例に係るデュアルモードPDについて測定された、光強度の関数としての線形ダイナミックレンジ(LDR)特性を示している。
図8Bは、異なる順バイアス下において、可視光源(460nm)の存在下で動作するデュアルモードPDについて測定された、光強度の関数としてのLDR特性を示している。
図9は、NIR光源(770nm)及び可視光源(460nm)の存在下で動作する第1の例に係るデュアルモードPDについて測定された過渡的光応答を示している。
図10Aは、IRモードで動作する第1の例に係るデュアルモードPDについて測定された過渡的光応答を示している。
図10Bは、可視光モードで動作する第1の例に係るデュアルモードPDについて測定された過渡的光応答を示している。
図11Aは、12Vの順バイアス下で動作する可視光検出モードの第2の例に係るデュアルモードPDについて測定された応答スペクトルを示している。
図11Bは、−30Vの逆バイアス下で動作するIR光検出モードの第2の例に係るデュアルモードPDについて測定された応答スペクトルを示している。
図11Cは、第2の例に係るデュアルモードPDの光学プロファイルを示している。
図12Aは、第3の例に係るP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)のバイアス極性依存スペクトル応答を、−50Vの逆バイアス下における3成分PDについて測定されたEQEと共に示している:図中のインセットは、逆バイアス下で動作するPDの吸収体/後部電極インタフェースにおけるバンドベンディング及びトンネル電荷注入プロセスの存在を示している。
図12Bは、第3の例に係るPDのバイアス極性依存スペクトル応答を、50Vの順バイアス下における3成分PDについて測定されたEQEと共に示している:図中のインセットは、順バイアス下で動作するPDの前部電極/吸収体インタフェースにおけるバンドベンディング及びトンネル電荷注入プロセスの存在を示している。
図12Cは、厚さ2000nmの3成分P3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)型PDにおける光生成電化キャリアの分布の観点からの光吸収(μm)のプロファイルを示している。
図13Aは、6Vの順バイアス下で動作する第4の例に係るPDについて測定された応答性スペクトルを示している。
図13Bは、ー6Vの順バイアス下で動作する第4の例に係るPDについて測定された応答性スペクトルを示している。
図13Cは、第4の例に係るPDの光学プロファイルを示している。
図14Aは、本発明の光学シミュレーションで使用されるITOの波長依存屈折率n(λ)及び消衰係数k(λ)を示している。
図14Bは、本発明の光学シミュレーションで使用される2成分P3HT:PC70BM(100:1)ブレンド層の波長依存屈折率n(λ)及び消衰係数k(λ)を示している。
図14Cは、本発明の光学シミュレーションで使用される純粋なP3HT層の波長依存屈折率n(λ)及び消衰係数k(λ)を示している。
図14Dは、本発明の光学シミュレーションで使用される3成分P3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)ブレンド層の波長依存屈折率n(λ)及び消衰係数k(λ)を示している。
図14Eは、本発明の光学シミュレーションで使用されるAlの波長依存屈折率n(λ)及び消衰係数k(λ)を示している。
本発明で開示されるマルチモードPDは、少なくとも1つの吸収体と少なくとも1つのスペーサとを含んだ機能的多層構造を備えている。機能的多層構造は、同じ又は異なる材料から形成された1つ又は複数の吸収体と1つ又は複数のスペーサとの異なる組み合わせであり、例えば、吸収体/スペーサ、又は、スペーサ/吸収体、又は、吸収体−1/スペーサ/吸収体−2、又は、スペーサ−1/吸収体/スペーサ−2成分、及び/又は、それらの組み合わせを含んでいる。例えば、上記マルチモードPDは、吸収体−1(吸収体ー1は可視光を含む第1の波長の電磁波を吸収する)/光学スペーサ/吸収体−2(吸収体ー2は赤外光を含む第2の波長の電磁波を吸収する)の機能的多層構成を備えたデュアルモードPDである。収体/スペーサ型のマルチモードPDで使用される吸収体及びスペーサ材料は、同じ又は異なる機能材料であってもよく、例えば、の積層体を備えたデュアルモードPDが設計されている。吸収体/スペーサ型のバイアス切り替え可能なスペクトル応答マルチモードPDは、環境汚染、バイオ、医療、農業、自動車、漁業、食料、健康、セキュリティの監視、2つ以上の異なる帯域又は複数の異なる帯域での検出の用途における応用に使用され得る。
本発明において、マルチモードPD、例えばデュアルモードPDは、吸収体−1/スペーサ/吸収体−2の積層体を含んでいる。吸収体−1(例えば可視光吸収体)は、10nm〜10ミクロンの範囲内の層厚を有し、例えば、300nm厚のP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層を有している。光学スペーサの厚さは、10nm〜10ミクロンの範囲内であり、例えば、厚み320nmのP3HT層である。吸収体−2は、10nm〜10ミクロンの範囲内の層厚を有し、例えば、500nm厚のP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)NIR光吸収層を有している。第1の例に係るデュアルモードPDは、ITO/PFN−Br/P3HT:PC70BM(100:1)/P3HT/P3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)/Alの多層構成を有している。このマルチモードPDは、逆バイアス下で動作しているときの640nm〜800nmの波長範囲でのNIR光応答と、順バイアス下で動作しているときの310nm〜650nmの波長範囲での可視光応答というユニークな特徴を備えている。このデュアルモードPDは、NIR及び可視光の両方の存在下で、〜1013ジョーンズという非常に優れた光学検出能を有している。可視光からIR光までの広いスペクトル範囲にわたって調整可能な応答を備えた独自のデュアルモードPDは、新しい光電子デバイスのコンセプトと応用に魅力的なオプションを提供する。
方法
デバイス製造
2成分P3HT:PC70BM溶液は、P3HT:PC70BM混合物を、P3HTとPC70BMとの重量比が100:1になるように、1,2−ジクロロベンゼン(o−DCB)に溶解することによって調製した。3成分P3HT:PTB7−Th:PC70BM溶液は、P3HT:PTB7−Th:PC70BM混合物を、P3HTとPTB7−ThとPC70BMとの重量比が70:30:1になるように、o−DCBに溶解することによって調製した。シート抵抗が10Ω/sqの事前にパターン化されたITOガラス基板を、希釈液体洗剤、脱イオン水、アセトン、2−プロパノールで、それぞれ30分間に亘って超音波処理で順次洗浄し、窒素ガス流で乾燥させた。ウェットクリーニングされたITO/ガラス基板は、デバイス製造のために、O及びHOレベル<0.1ppmのグローブボックスに装填する前に、15分間に亘ってUV−オゾン処理にかけた。ITO表面は、90°Cで10分間のアニーリングに続いて、3000rpmの回転速度で50秒間スピンコーティングすることによって調製された、極薄PFN−Br層によって修飾した。PFN−Br修飾ITO前部電極の使用は、インタフェイスダイポールを作成してPDでの双方向トンネル電荷注入を支援するためのものである。次に、P3HT:PC70BM(100:1)の厚さ300nmの2成分ブレンド層を、100秒間400rpmの回転速度でスピンコーティングすることによりPFN−Br修飾ITO/ガラス基板上に堆積させ、20秒間80℃でアニールした。厚さ320nmの純粋なP3HT光学スペーサと、厚さ500nmのP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)の3成分混合層とを、それぞれ事前に洗浄されたシリコン(Si)ウェーハに最初にコーティングした。次に、厚さ320nmの純粋なP3HT光学スペーサを、ポリジメチルシロキサン(PDMS)型を使用したラミネーション転写により、2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層の表面に転写し、P3HT:PC70BM(100:1)(300nm)/P3HT(320nm)構造の2層を形成した。その後、2層P3HT:PC70BM(100:1)(300nm)/P3HT(320nm)構造の表面に、厚さ500nmのP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)NIR光吸収層を、同じ積層転写プロセスを使用して重ねることにより、PFN−Br修飾ITO/ガラス基板上に、P3HT:PC70BM(100:1)(300nm)(吸収体−1)/P3HT(320nm)(スペーサ)/P3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)(500nm)(吸収体−2)の3層構成を形成した。PDMSラミネーションアプローチの使用は、2成分P3HT:PC70BM、純粋なP3HT、及び、3成分P3HT:PTB7−Th:PC70BMにおいて同じo−DCB溶媒が使用されたため、フルソリューションプロセスで形成された場合に生じ得た3層活性層構成の基礎となる機能材料への損傷を回避するためのものである。次に、多層サンプルを隣接する真空チャンバに移し、厚さ100nmのAl電極を堆積させるために、5×10−4Paのベース圧力をかけた。PDのアクティブ領域は2.0mm×2.0mmであり、前部ITO電極と後部Al電極とのオーバーラップ領域によって定義される。
PDMS転写方法
P3HT:PC70BM(100:1)(300nm)/P3HT(320nm)/P3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)(500nm)フィルムのスタックは、フラットPDMS金型を使用して、転写プロセスによって製造した。面積25mm×25mmの厚さ1mmのフラットPDMSモールドを、エラストマと硬化剤の溶液を10:1の重量比で混合することにより配合したPDMS溶液を使用して準備した。厚さ300nmの2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層を、スピンコーティングによってガラス/ITO/PFN−Br基板上に堆積させました。厚さ320nmの純粋なP3HT光学スペーサ層と厚さ500nmの3成分ブレンドPTB7−Th:PC70BM(70:30:1)NIR光吸収層を、Siウェハ上に別々にコーティングした。次に、フラットPDMSモールドを機能層/Siウェハの表面に押し付け、サンプルを蒸留水に1分間浸し、Siウェハを慎重に取り外して、フラットPDMSモールドに機能層を残した。P3HT層の転写は、グローブボックス内において、P3HT:PC70BM(100:1)(300nm)/PFN−Br/ITO/ガラス基板の表面にP3HTコーティングされたPDMSモールドを押し、15分間に亘ってアニーリングし、平坦なPDMS型を慎重に取り外して、PFN−Br修飾ITO/ガラス基板上に、2層P3HT(320nm)/P3HT:PC70BM(100:1)(300nm)スタックを形成した。次に、P3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)層の転写は、P3HT(320nm)/P3HT:PC70BM(100:1)(300nm)/PFN−Br/ITO/ガラス基板の表面にP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)コーティングされたPDMSモールドを押し、15分間に亘ってアニーリングし、平坦なPDMS型を慎重に取り外して、PFN−Br修飾ITO/ガラス基板上に、3層スタックP3HT:PC70BM(100:1)(300nm)/P3HT(320nm)/PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)(500nm)を形成した。
光学シミュレーション
光学アドミタンス分析を使用して、デバイス内の光生成電荷キャリアの光学場分布とプロファイルをシミュレートした。活性層での電荷発生率は、次の式を使用して推定した:
ここで、G(λ)は光生成電荷キャリアの密度、α(λ)は活性層の吸光度、hはプランク定数、νは光子周波数、ηは励起子解離効率である。近似として、活性層全体において定数のηを計算に採用した。
特性評価及び測定
PDのI−V特性は、Keithley2614Bソースメータで測定した。RIGOLDG4102関数発生器によって駆動される、770nm(NIR光)及び460nm(可視光)の異なるピーク発光波長を有する2つのLED光源を使用して、デュアルモードPDのNIR及び可視光応答を測定した。NIR及び可視光源の強度は、ニュートラル光学フィルタのセットを使用して制御した。入射光子の数に対する光生成電荷キャリアの数の比として定義されるEQEは、次の式を使用して計算した:
ここで、I及びIは光電流及び暗電流であり、eは基本電子電荷(1.6×10−19C)であり、Pinは入射光の強度である。ゼノンランプ及びベンサムTMc300モノクロメータによって生成された単色光源を、EQEの測定に使用した。デュアルモードPDの過渡光応答は、TektronixPD2022Bデジタル蛍光オシロスコープを使用して測定した。過渡光応答測定で使用されるDCバイアスは、RIGOLDP821ADC電源によって制御した
結果及び考察
本発明は、2つ以上の異なる帯域又は複数の異なる帯域での高い光応答性というユニークな特徴を備えたマルチモードPDを開示している。例えば、第1の例に係るPDは、逆バイアス下で動作させると高いIR光応答性を有し、順バイアス下で動作させると可視光応答性を有している。第1の例に係るマルチモードPD構造、基板/前部電極/吸収体−1/光学スペーサ/吸収体−2/後部電極、の斜視図を図1に示す。ITO/PFN−Br/P3HT:PC70BM(100:1)/P3HT/P3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)/Alの層構成を有する高性能デュアルモードPDは、逆バイアス下において640nm〜800nmの波長範囲でNIR光応答、順バイアス下において310nm〜650nmの波長範囲で可視光応答という独自の機能を備えている。厚さ300nmの2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)層、厚さ320nmの純粋なP3HT層、及び厚さ500nmの3成分ブレンドP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)層について測定した正規化吸収スペクトルが図2にプロットされている。純粋なP3HT及び2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)層で測定された吸収スペクトルと比較して、3成分ブレンドP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)フィルムは、650nm〜800nmの波長範囲でNIR光の吸収が明らかに増加している。デュアルモードPDで使用される対応する機能性材料の模式的なエネルギー準位図を図3に示している。これは、前部電極近くの吸収体−1での可視吸収、及び後部電極近くの吸収体−2でのNIR吸収を示している。
例えばITO/PFN−Br/P3HT:PC70BM(100:1)(300nm)/P3HT(320nm)/P3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)(500nm)/Al(100nm)を含んだ層構成のデュアルモードPDにおける光場分布と電荷生成分布のプロファイルは、光学アドミタンス分析を使用して計算した。図4Aは、デュアルモードPDの光場分布を波長の関数としてプロットしており、異なる機能層での波長依存光強度のプロファイルを明らかにしている。図4Aは、波長>650nmの入射光は、PD内の厚さ500nmの3成分ブレンドP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)層でのみ吸収できることを明らかにしている。P3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層、純粋なP3HT光学スペーサ、及びP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)NIR光吸収層を通じての光生成電荷キャリアの正規化分布が、波長の関数として図4Bに示されている。650nmよりも短い波長の入射光は、主に厚さ300nmの2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)層によって吸収されることが明らかになった。厚さ320nmの純粋なP3HT層は、2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)層によって完全に吸収されなかった可視光を枯渇させる光学スペーサとして機能し、長波長の光が3成分ブレンドP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)層に到達することが可能となる。460nm及び770nmの2つの異なる波長においてPDについて計算された光生成電荷キャリアの光場分布のプロファイルが、図4C及び4Dにプロットされている。460nmの光によって生成された光電荷キャリアは、300nmの厚さの2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層内に主に保持されていることが明らかだる。短波長の光(460nm)は、厚さ320nmの純粋なP3HT光学スペーサ層によって完全に使い果たされる。シミュレーション結果は、例えば770nmの波長のIR光が、2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層及びP3HT光学スペーサを透過して、500nm厚の3成分ブレンドP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)NIR光吸収層において、光電荷キャリアを生成することを示している。
PDにおける、厚さ300nmの2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層、厚さ320nmの純粋なP3HT、及び厚さ500nmの3成分ブレンドP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)NIR光吸収層について計算された吸収スペクトルを図5に示している。
吸収体/スペーサ型PDのユニークなスペクトル応答を理解するために、逆バイアス及び順バイアスの下で動作するPDの明確なデュアルモードでのIR光及び可視光の検出現象を分析した。吸収体/スペーサー型三層PDにおいて、2元ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層及び3成分ブレンドP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)NIR光吸収層中に、混和性PC70BM分子が分散された。電荷注入は、図6Aに示しているように、逆バイアス下で動作するデュアルモードPDの吸収体/後部電極界面で発生する。しかしながら、逆バイアス下では、PFN−Br修飾ITO/P3HT:PC70BM(100:1)界面での電荷注入が抑制される。可視光の存在下では、光生成電荷キャリアは、NIR吸収層中のPC70BM分子によってトラップされない。したがって、図6Bに示しているように、デュアルモードPDでは光電流は生成されない。これは、図4Bに示しているように、可視光が2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層でのみ吸収され、P3HT光学スペーサによって完全に枯渇するためである。これにより、PFN−Br修飾ITO/P3HT:PC70BM(100:1)界面におけるトラップされた光生成電荷キャリアの形成がもたらされる。したがって、デュアルモードPDは、逆バイアス下で動作する場合にNIRPDとして機能するようにNIR光にのみ応答し、可視光ブラインドな赤外光応答を実現する。
順バイアスの下では、デュアルモードPDの電荷注入挙動は、図6Cに示しているように、NIR光の存在下において逆バイアス下で動作するPDと比較して非常に異なっている。順バイアス下では、大きな界面エネルギー障壁の存在により、P3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)/Al界面での電荷注入が抑制される。PFN−Br修飾ITO/P3HT:PC70BM(100:1)界面での電荷注入は、界面エネルギー障壁が高いため抑制されている。可視光の存在下において、電荷注入は、図6Dに示されているように、順バイアス下で、デュアルモードPDのPFN−Br修飾ITO/P3HT:PC70BM(100:1)界面で生じる。このように、デュアルモードPDは、順バイアス下で動作する場合に可視光PDとして機能するように可視光にのみ応答し、IRブラインドな可視光応答を実現する。
−35Vから15Vまでの走査により測定された、デュアルモードPDのNIR光(770nm)の存在下での電流−電圧(I−V)特性が、図7Aにプロットされている。15Vから−35Vまでの走査により測定された、デュアルモードPDの可視光(460nm)の存在下でのI−V特性が、図7Aにプロットされている。図7Aでは、逆バイアスされたPDについて、NIR光の存在下で有意な光電流が得られた。PDの光電流は逆バイアスとともに増加する。バイアス切り替え可能なスペクトル応答PDは、IR光の存在下で、異なる順バイアスの下で(可視光検出モードで)動作した場合、ほぼ一定の電流のままあった。図7Aに示されているように、可視光の存在下では、異なる順バイアス下で動作するPDに対して強い光応答が観察され、PDが異なる逆バイアス(IR検出モード)にある場合、暗電流と類似した低電流を維持していた。逆バイアス下で動作しているときの高いNIR光応答と、順バイアス下で動作しているときの高い可視光応答というユニークな機能を備えたデュアルモードPDが明らかに実証されている。
IRモード(異なる逆バイアス下)及び可視光モード(異なる順バイアス下)で動作するデュアルモードPDについて測定された応答性(A/W)が図7Bに示されている。デュアルモードPDは、順バイアスと逆バイアスで動作させたときに異なるスペクトル応答を示したことがはっきりと分かる。デュアルモードPDは、順バイアス下で動作させると、310nm〜650nmの波長範囲で応答する。デュアルモードPDは、逆バイアス下で動作させると、640nm〜800nmの波長範囲で主に応答する。光電子増倍効果の恩恵により、−40Vで動作するPDのIRモードで8.66A/Wの応答性が実現した。デュアルモードPDについて、15Vの順バイアスで動作しているとき、可視光の存在下で、7.47A/Wのピーク応答性が得られた。
EQE及びノイズ電流と密接に関連しているデュアルモードPDの比検出能(D)も分析した。デュアルモードPDの性能再現性は、特性測定を7回以上連続して繰り返すことによって評価され、測定結果の平均が図7Cにプロットされており、I−V特性の良好な再現性と安定性を示している。ショットノイズは、次の式を使用して、近似としてD*を計算するために用いた:
ここで、Jdarkは暗電流密度であり、cは光速である。異なる逆バイアス及び順バイアス下で動作する場合における、IR及び可視光検出モードでデュアルモードPDについて得られた波長の関数としてのDが図7Dにプロットされている。1013ジョーンズの高いDを持つデュアルモードPDが、NIR及び可視光の存在下で得られ、NIR及び可視光の両方の検出に匹敵する高い性能を備えたデュアルモードPDが見出された。IRモードで測定したデュアルモードPDのDは、逆バイアス下で−35Vから−40Vに減少すると増加し、可視光モードのデュアルモードPDの場合は、順バイアスが12Vから15Vに増加すると増加した。これは、デュアルモードPDの大幅に強化された光電流と低暗電流によって実現された。
短波長(376nm)及び長波長(654nm)の光源を使用して、異なる逆バイアス及び順バイアスで動作するデュアルモードPDの第1の例で測定された暗電流、応答性、EQE、及びDの概要が、表1にリストされている。短波長の存在下で、例えば、376nmの光源を用いた18Vの順バイアス下で動作するPDについての測定において、14.44A/Wの高応答性、4767%のEQE、及び、1.41×1013ジョーンズの高いDがデュアルモードPDについて得られた。12.94A/Wの応答性、2454%のEQEの応答、及び、9.85×1012ジョーンズのDが、長波長光の存在下で、−45Vの逆バイアス下で動作するデュアルモードPDについて得られた。
表1:光検出パラメータの要約異なる順バイアス及び逆バイアスで動作する短波長(376nm)及び長波長(654nm)の光源を使用した第1の例に係るデュアルモードPDで測定された最大EQE及び検出能。
IR及び可視光の存在下において、デュアルモードPDについて、PDの光電流の線形光強度依存性として定義されるLDRを分析した。LDRは、次の式を使用して分析することができる:
ここで、Iupper及びIlowerは、PDの光電流が光強度の線形依存性に従う光強度の最大及び最小限値である。IR検出モードにおけるデュアルモードPDについて、例えば、10−9W/cmから10−1W/cmのNIR光強度範囲で、NIR発光ダイオード(770nm)光源を用いて、−20V、−25V、及び−30Vの異なった逆バイアス下で動作させたデュアルモードPDについて測定されたLDR特性が図8Aにプロットされている。IR光検出モードで動作するデュアルモードPDについて、120dBのLDRが得られた。NIR光強度が10−8W/cm未満の場合、PDの光電流は線形光強度依存性から逸脱する。可視光検出モードにおけるデュアルモードPDについて、例えば、10−7W/cmから10−1W/cmの可視光強度範囲で、可視光発光ダイオード(460nm)光源を用いて、9V、12V、及び15Vの異なった順バイアス下で動作させたデュアルモードPDについて測定されたLDR特性が図8Bにプロットされている。デュアルモードPDのLDRは92dBであり、可視光の強度が10−6W/cm未満の場合、線形の光強度依存性から逸脱していた。これらの結果は、NIR光の存在下における120dBの比較的安定したLDRと、可視光の存在下における92dBのLDRが、IR及び可視光検出モードで動作するデュアルモードPDで得られたことを示している。
NIR光(770nm)及び可視光(460nm)光源の存在下で測定されたデュアルモードPDの過渡的な光応答が図9に示されている。測定では、デュアルモードPDに−35V又は15Vのバイアスがかけられ、それを0.1Hzの周波数変調単色光源にさらした。最初の4分間、デュアルモードPDに−35Vのバイアスをかけ、変調NIR光源(770nm)光源にさらして、NIR光に対する安定した光応答を確立した。次に、0.1Hz周波数変調NIR光源を0.1Hz周波数変調可視光光源(460nm)に置き換えた。図9に示しているように、NIR光源を可視光源に置き換えた場合、逆バイアスされたPDの光電流はゼロまで減少した。これは、IR検出モードで動作しているときの可視光に対する不感応性を示している。これは、−35Vの逆バイアスで動作するデュアルモードPDがNIR光にのみ敏感であり、可視光に応答しないことを示している。デュアルモードPDを順方向バイアス(15V)で動作させた場合、可視光にのみ応答し、IR光にはほとんど応答しなかった。過渡光応答の結果から、この研究で開発されたデュアルモードPDには、逆バイアス下で動作する高IR光応答と順バイアス下で動作する高可視光応答という独自の機能があることが確認された。
PDの光応答時間を、PDが変調光源を変更した後に最大光電流の90%に達するまでに要する時間として定義される上昇時間τriseと、PDが変調光源をオフにした後に最大光電流の10%に達するまでに要する時間として定義される下降時間τfallとを測定することにより、分析した。図10Aに示しているように、−35Vの逆バイアス下で動作されるデュアルモードPDについて、変調NIR光(770nm)の存在下で、3.3秒のτrise及び6.6秒のτfallが得られた。図10Bに示しているように、15Vの順バイアス下で動作されるデュアルモードPDについて、変調可視光(460nm)の存在下で、58ミリ秒のτrise及び133ミリ秒のτfallが得られた。
提案された吸収体/スペーサ型マルチモードPDは、所望の吸収特性を持つ材料の組み合わせを使用して、異なる第1波長及び第2波長の電磁波の光検出用に設計することもできる。基本的に、吸収体/スペーサ型マルチモードPDで光学スペーサを使用すると、入射電磁波の第2波長部分と第1波長部分とを、第2波長吸収領域及び第1波長吸収領域で選択的に吸収することができる。適切な光学スペーサを選択して、第1波長光を枯渇させ、第2波長光が第2波長光吸収層に到達できるようにすることができる。したがって、本発明で説明される吸収体/スペーサ型PDの概念は、異なるマルチモードPDを作成するためにも採用することができる。有機、ポリマー、ペロブスカイト、コロイド量子ドット、有機/無機ハイブリッド、1D及び2D低次元材料、並びにそれらの組み合わせなどの溶液処理可能な機能性材料の開発の急速な進歩は、様々なマルチモードPD、例えば、可視及びSWIRデュアルモードPDにおける応用において、魅力的なオプションと様々な材料を提供する。第1波長及び第2波長の各範囲で明確に定義された狭い吸収スペクトルを持つ活性物質は、環境汚染、バイオ、医療、農業、自動車、漁業、食料、健康、セキュリティの監視、2つ以上の異なる帯域又は複数の異なる帯域での検出及び画像化などへの応用にあたって理想的であり得る。可視モードでは、第2の例に係るPDは、順バイアスの下で動作し、吸収体/スペーサ構成、例えば、P3HT:PC70BM(100:1)(300nm)/P3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)(500nm)の構成になる。図11Aに示しているように、12Vの順バイアス下で動作するPDについて、2.5A/Wの可視応答性が得られた。順バイアスの下では、PDは、300nm〜650nmの波長範囲で広帯域応答を示す。IRモードにおいてITO/PFN−Br/スペーサ/吸収体/Alの構成を有するPDの光学活性層、例えば、厚さ300nmのP3HT:PC70BM(100:1)スペーサ及び厚さ500nmのP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)吸収体は、図11Bに示しているように、−30Vの逆バイアスで動作させた場合、4.6A/Wの高い応答性を示す。300nm〜850nmまでの波長範囲にわたるPDの光学プロファイルが図11Cに示されている。吸収体−1、スペーサー、吸収体−2の層も同じ光吸収材料で形成することができる。マルチモードPDの例には、ITO/PFN−Br/吸収体−1/スペーサ/吸収体−2/Alの層構成が含まれ、ここで、吸収体−1は厚さ500nmのP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)層であり、スペーサは厚さ1000nmのP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)層であり、吸収体−2は厚さ500nmのP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)層である。この場合、吸収体−1、スペーサ、及び吸収体−2の層はすべて、P3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)ブレンド層で形成されている。3成分ブレンドP3HT:PTB7−TH:PC70BMPDは、図12Aに示しているように、−50Vの逆バイアス下で、>1500%のEQEを有している。逆バイアス下では、PDは、長波長の光(ピーク波長が780nm付近)にのみ応答する。図12Bに示しているように、50Vの順バイアス下で動作するPDについて、>6000%のEQEが得られた。しかしながら、PDは、順バイアス下では、300nm〜800nmの波長範囲で広帯域応答を示す。そのようなPDのバイアス極性依存スペクトル応答は、PDの波長依存光吸収の違いと密接に関連している。
吸収体−1(500nm厚のP3HT:PTB7−Th:PC70BM)/スペーサ(1000nm厚のP3HT:PTB7−Th:PC70BM)/吸収体−2(500−nmの厚P3HT:PTB7−TH:PC70BM)ベースのPDの波長依存性の光吸収の深さプロファイルが、図12Cに示されている。300nm〜800nmの広い波長範囲の光の入射は、前部電極/吸収体−1界面付近で吸収されることが明らかになった。比較的強い吸収が長波長範囲にわたって、PDの吸収体−2/後部電極界面付近に現れている。図12Aの挿入図は、吸収体−2/後部電極界面付近の波長光子の吸収による、光生成電荷キャリアの蓄積によって誘発されるバンドベンディングの存在を示している。したがって、電荷注入プロセスは、PDの吸収体2と後部電極の界面で発生する。図12Bの挿入図は、広帯域光子の吸収に起因する光生成電荷キャリアの蓄積により誘発される、前部電極/吸収体−1界面付近の近くでのバンドベンディングの存在を示している。これにより、順バイアス下で動作する場合、PDの前部電極/吸収体−1の界面で、電荷注入プロセスが発生する。
図13A及び13Bは、ITO/PFN−Br/P3HT:PC70BM(100:1)(200nm)/P3HT:PC70BM(100:1)(165nm)/P3HT(110nm)/Alの構成を有する、第4の例に係るPDのスペクトル反応特性をプロットしている。図13Aに示されているように、順バイアス下では、P3HT:PC70BM(100:1)(200nm)が吸収体であり、P3HT:PC70BM(100:1)(165nm)/P3HT(110nm)がスペーサとして機能し、6Vで動作させたときの応答性が3.1A/Wであった。逆バイアス下では、PDの活性層は、スペーサ−1/吸収体/スペーサ−2の層構成を有している。スペーサ−1はP、3HT:PC70BM(100:1)(200nm)である。吸収体は、P3HT:PC70BM(100:1)(165nm)である。スペーサ−2は、P3HT(110nm)である。図13Bに示しているように、−6Vの逆バイアス下では、600nm〜700nmの比較的長い波長範囲で、0.41A/Wの狭帯域応答性が得られた。300nm〜850nmの波長範囲にわたるスペーサ−1/吸収体/スペーサ−2ベースのPDの光学的プロファイルが図13Cに示されている。
図4、5、11、12、及び13に示されているように、光場分布の計算に使用される波長依存複素屈折率は、図14A乃至14Eにプロットされている。
したがって、バイアス切り替え可能なスペクトル応答高性能マルチモードPDを異なる帯域で実現することは、大きな課題である。本発明では、吸収体−1(例えば可視光吸収体)/光学スペーサ/吸収体−2(例えば、NI光吸収体R)の三層構成を含んだ吸収体/スペーサ型マルチモードPD、例えば、デュアルモードPDが提案されている。そのような吸収体/スペーサ型のPDは、顕著なデュアルモード光検出現象を引き起こし、逆バイアス下でのIR応答と順バイアス下での可視応答を示す。デュアルモードPDは、溶液処理された厚さ300nmの2成分ブレンドP3HT:PC70BM(100:1)可視光吸収層、厚さ320nmの純粋なP3HT光学スペーサ層、及び厚さ500nmの3成分ブレンドP3HT:PTB7−Th:PC70BM(70:30:1)NIR光吸収層で構成されている。デュアルモードPDのバイアス切り替え可能なIR及び可視光応答は、2つの要因と密接に関連している:(1)IR及び可視光の存在下での光生成電荷キャリアの異なる分布、及び(2)バイアス極性依存の電荷注入挙動。NIR光の存在下では、逆バイアス下で動作するPDのIR光吸収体/後部電極の界面で、電荷注入が発生する。可視光の存在下では、高密度の可視光生成電荷キャリアにより、順バイアス下で、PDの前部電極/可視光吸収体界面において、電荷注入が行われる。
高性能マルチモードPDは、従来のシングルモードPDに代わる魅力的な光学検出技術である。これらは、環境汚染、バイオ、医療、農業、自動車、漁業、食料、健康、セキュリティの監視、2つ以上の異なる帯域又は複数の異なる帯域での検出の用途における応用向けのバイアス切り替え可能なスペクトル応答などの追加の利点を提供する。溶液処理可能な製造プロセスは、大幅なコストメリットももたらし、それによって、次世代の大面積で柔軟なPDが作成される。本発明で開示される独特のマルチモード光応答特性は、新しいPDの概念と用途に魅力的なオプションを提供する。
本発明は、マルチモード検出、例えば、第2の波長(例えばIR)及び第1の波長(例えば可視光)の電磁波におけるデュアルモード光応答を備えたバイアス切り替え可能なスペクトル応答高性能PDに関する。バイアス切り替え可能なスペクトル応答PDは、環境汚染、バイオ、医療、農業、自動車、漁業、食料、健康、セキュリティの監視、2つ以上の異なる帯域又は複数の異なる帯域での検出の用途における応用に使用され得る。
当業者は、前述の説明から、実施形態の広範な技術を様々な形態で実施できることを理解するであろう。以上、実施形態をその特定の例に関連して説明したが、図面、明細書、及び添付の特許請求の範囲を検討すると、他の修正が当業者に明らかになるため、実施形態の真の範囲は、上述の範囲に限定されない。

Claims (20)

  1. 機能性多層構造を含んだマルチモード光検出器であって、
    前記機能性多層構造は、少なくとも1つの吸収体及び少なくとも1つのスペーサを含み、
    前記少なくとも1つの吸収体及び前記少なくとも1つのスペーサは同じ材料又は異なる材料で形成されており、
    前記マルチモード光検出器は、
    逆バイアス下において、第1の波長又は可視光の電磁波には応答しないが、第2の波長又は赤外線若しくは近赤外線の電磁波には応答するか、又は、
    順バイアス下において、第2の波長又は赤外線若しくは近赤外線の電磁波には応答しないが、第1の波長又は可視光の電磁波には応答する、
    ように構成されている、マルチモード光検出器。
  2. 前記機能的多層構造は、前記吸収体と前記スペーサとの組み合わせ、又は、前記スペーサと前記吸収体との組み合わせ、又は、第1の吸収体と前記スペーサと第2の吸収体との組み合わせ、又は、第1のスペーサと吸収体と第2のスペーサとの組合せ、又は、少なくとも1つの吸収体と少なくとも1つのスペーサとの任意の組み合わせである、請求項1に記載のマルチモード光検出器。
  3. 前記少なくとも1つの吸収体及び少なくとも1つのスペーサに使用される同じ又は異なる材料は、有機、ポリマー、ペロブスカイト、コロイド量子ドット、有機/無機ハイブリッド、1D及び2D低次元材料、又はそれらの任意の組み合わせの1つ又は複数である、請求項1に記載のマルチモード光検出器。
  4. 前記第1の吸収体と前記スペーサと前記第2の吸収体との組み合わせにおいて、第1の吸収体が吸収する第1の波長の電磁波の波長は、第2の吸収体が吸収する第2の波長の電磁波の波長よりも短い、請求項2に記載のマルチモード光検出器。
  5. 前記第1の吸収体は、前記マルチモード光検出器の前部電極に隣接して配置され、可視光を含む前記第1の波長の電磁波に対して感光性である、請求項4に記載のマルチモード光検出器。
  6. 前記第1の吸収体は、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)とPC70BMとを100:1の比率で含んだ材料で形成されている、請求項5に記載のマルチモード光検出器。
  7. 前記第2の吸収体は、前記マルチモード光検出器の後部電極に隣接して配置され、赤外線及び近赤外線を含む前記第2の波長の電磁波に対して感光性である、請求項4に記載のマルチモード光検出器。
  8. 前記第2の吸収体は、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)と、ポリ[4,8−ビス(5−(2−エチルヘキシル)チオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b;4,5−b′]ジチオフェン−2,6−ジイル−alt−(4−(2−エチルヘキシル)−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン−)−2−カルボキシレート−2−6−ジイル)]と、[6,6]−フェニル−C70−酪酸メチルエステルとを、70:30:1の比率で含んだ材料から形成されている、請求項7に記載のマルチモード光検出器。
  9. 前記少なくとも1つのスペーサは、前記第1の波長の電磁波を効果的に枯渇させ且つ前記第2の波長の電磁波が前記第2の吸収体に吸収されるように光吸収性である、請求項4に記載のマルチモード光検出器。
  10. 前記少なくとも1つのスペーサは、可視光範囲の電磁波を枯渇させるためにポリ(3−ヘキシルチオフェン)で形成されている、請求項9に記載のマルチモード光検出器。
  11. 前記第2の波長の電磁波の波長は、640nm〜800nmの範囲にある、請求項1に記載のマルチモード光検出器。
  12. 前記第1の波長の電磁波の波長は、310nm〜650nmの範囲にある、請求項1に記載のマルチモード光検出器。
  13. 順バイアス又は逆バイアス下で動作する異なる波長の電磁波に対して異なる光応答性を有する光検出器が、前記マルチモード光検出器の各層の光生成電荷キャリアによって提供される、請求項1に記載のマルチモード光検出器。
  14. 前記第1の吸収体は、10nm〜10ミクロンの厚みを有している、請求項6に記載のマルチモード光検出器。
  15. 前記第2の吸収体は、10nm〜10ミクロンの厚みを有している、請求項8に記載のマルチモード光検出器。
  16. 前記少なくとも1つのスペーサは10nm〜10ミクロンの厚みを有し、前記ポリ(3−ヘキシルチオフェン)は純粋なポリ(3−ヘキシルチオフェン)である、請求項10に記載のマルチモード光検出器。
  17. 異なる波長の電磁波にバイアス切り替え可能なスペクトル応答を提供するために、請求項1に記載のマルチモード光検出器と、マルチモード光検出器の2つの異なる電極に印加されるバイアスの極性が調整される2つの異なる電極とを含んでいる、バイアス切り替え可能なスペクトル応答マルチモード光検出器。
  18. 前記バイアス切り替え可能なスペクトル応答マルチモード光検出器は、画像化、環境汚染、バイオ、医療、農業、自動車、漁業、食料、健康、及びセキュリティの監視、並びに2つ以上の異なる帯域での検出に使用される、請求項17に記載のバイアス切り替え可能なスペクトル応答マルチモード光検出器。
  19. 前記2つ以上の異なる帯域は、10nm〜1000μmの範囲において2つ以上の異なる波長を有する複数の電磁波を含んでいる請求項18に記載のバイアス切り替え可能なスペクトル応答マルチモード光検出器。
  20. 2つ以上の異なる波長を有する前記複数の電磁波は、UV、可視、NIR、SWIR、MWIR、LWIR及びVLWIRから選択される、請求項19に記載のバイアス切り替え可能なスペクトル応答マルチモード光検出器。

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