JP2014026747A - 全固体リチウムイオン二次電池、当該電池の製造に用いられるシリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法、及び全固体リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

全固体リチウムイオン二次電池、当該電池の製造に用いられるシリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法、及び全固体リチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】正極活物質及びNASICON型固体電解質を含む焼結体を備え、当該焼結体中において、正極活物質の分解物の量が低減された全固体リチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】正極活物質層、負極活物質層、並びに、当該正極活物質層及び当該負極活物質層の間に介在する固体電解質層を備えた全固体リチウムイオン二次電池であって、前記正極活物質層は、正極活物質粒子を含む粉体からなる正極用合剤の焼結体であり、前記固体電解質層は第一のNASICON型固体電解質粒子を含む粉体からなる固体電解質層用合剤の焼結体であり、前記正極活物質粒子と前記第一のNASICON型固体電解質粒子とが、シリコン酸リチウムの薄膜によって隔離されていることを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池。
【選択図】図2

Description

本発明は、NASICON型固体電解質層と正極活物質層とを焼結接合してなる全固体リチウムイオン二次電池に関する。
近年、パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界においても、電気自動車やハイブリッド自動車用の高出力且つ高容量の電池の開発が進められている。各種電池の中でも、エネルギー密度と出力が高いことから、リチウム電池が注目されている。
リチウム電池は、一般的に、正極活物質を含む正極活物質層と、負極活物質を含む負極活物質層と、これら電極活物質層の間に介在する電解質層とを有し、さらに、必要に応じて、正極活物質層の集電を行う正極集電体や負極活物質層の集電を行う負極集電体とを有する。
正極活物質層と負極活物質層との間に配置される電解質層として、可燃性の有機電解液を用いるリチウム電池は、液漏れの他、短絡や過充電などを想定した安全対策が欠かせない。特に、高出力、高容量の電池は、さらなる安全性の向上が求められる。そこで、電解質として、硫化物系固体電解質や酸化物系固体電解質等の固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池等、全固体電池の研究開発が進められている。
全固体電池においては、電池の内部抵抗が大きいと電圧降下が問題となる。そこで、例えば、正極活物質層や負極活物質層におけるイオン伝導性を向上させることにより、電池の内部抵抗を低減させるべく、これら電極活物質層を電極活物質及び固体電解質を含む電極合剤で形成することが提案されている。
また、固体電解質層と電極活物質層との界面における接合状態も、全固体電池の内部抵抗に大きく影響する。該界面に剥離が生じた場合、固体電解質層−電極活物質層間のイオン伝導を低下させ、電池の内部抵抗を増大させる。該界面の接合状態が良好な電池としては、例えば、スパッタリング法等の気相法により電池を構成する各膜を形成した薄膜固体リチウムイオン二次電池が開発されている。また、スパッタリング法で各膜を形成する場合、各膜がアモルファス膜では電池の内部抵抗が増大するという問題がある。そこで、特許文献1には、アモルファス膜によって電池を構成する膜を形成しても、大気中での充放電が可能な電池として、負極活物質層の代わりに、負極活物質とは異なる材料によって形成された負極電位形成層を有し、充電時に負極活物質膜が形成される薄膜固体リチウムイオン二次電池が開示されている。
しかし、スパッタリング法による全固体電池の製造は、コストが高い上、製造できる電池の容量が小さく、用途が限られているという問題がある。
一方、固体電解質層と電極活物質層との接合を焼結処理により行う場合は、任意の容量で全固体電池を製造することができる。該接合を焼結処理により行う場合、具体的には、固体電解質層と各電極活物質層を形成する際に、固体電解質層の原料である固体電解質と、電極活物質層の原料である電極活物質とを、層状に重ねて積層した状態で焼結処理を行うことにより、隣接する固体電解質層と電極活物質層とを接合(焼結接合)する。
しかしながら、焼結処理は、通常500〜700℃での加熱により行われるので、固体電解質としてNASICON型固体電解質を用いた場合には、焼結処理によってNASICON型固体電解質と正極活物質とが反応し、正極活物質が分解したり、固体電解質層と正極活物質層との界面に異相が生じたりする等の問題があった。
特開2010−205718号公報
本発明は、上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、正極活物質及びNASICON型固体電解質を含む焼結体を備え、当該焼結体中において、正極活物質の分解物の量が低減された全固体リチウムイオン二次電池を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、前記全固体リチウムイオン二次電池の製造に用いられるシリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法を提供することにある。
本発明の第三の目的は、正極活物質及びNASICON型固体電解質を含む焼結体を備え、当該焼結体中において、正極活物質の分解物の量が低減された全固体リチウムイオン二次電池の製造方法を提供することにある。
本発明の全固体リチウムイオン二次電池は、正極活物質層、負極活物質層、並びに、当該正極活物質層及び当該負極活物質層の間に介在する固体電解質層を備えた全固体リチウムイオン二次電池であって、
前記正極活物質層は、正極活物質粒子を含む粉体からなる正極用合剤の焼結体であり、前記固体電解質層は第一のNASICON型固体電解質粒子を含む粉体からなる固体電解質層用合剤の焼結体であり、
前記正極活物質粒子と前記第一のNASICON型固体電解質粒子とが、シリコン酸リチウムの薄膜によって隔離されていることを特徴とする。
本発明の全固体リチウムイオン二次電池は、前記正極活物質粒子及び前記第一のNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくとも一つが前記シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されていることが、焼結処理による正極活物質の分解物の発生をさらに抑制する点から好ましい。
本発明の全固体リチウムイオン二次電池は、前記正極用合剤が第二のNASICON型固体電解質粒子をさらに含んでおり、前記正極活物質粒子及び前記第二のNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくとも一つが前記シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されているものとすることができる。
本発明の全固体リチウムイオン二次電池において、前記正極活物質粒子としては、高いイオン伝導度と高い電子伝導度の点から、コバルト酸リチウム粒子を用いることが好ましい。
前記本発明の全固体リチウムイオン二次電池を製造するために用いられるシリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法としては、
リチウムアルコキシド及びアルコキシシランを含むアルコール液からなるコーティング液を準備する工程、
転動流動装置の転動流動槽内に、正極活物質粒子及びNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる原料粒子を導入する工程、
前記コーティング液を前記転動流動槽内へ噴霧する直前に、当該コーティング液に水を添加する工程、及び、
前記転動流動槽内で前記原料粒子を気流によって流動させながら、前記水を添加したコーティング液を噴霧することにより、前記原料粒子を前記コーティング液で被覆する工程を含む製造方法が挙げられる。
前記シリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法においては、前記コーティング液に含まれるリチウムアルコキシドのリチウムとアルコキシシランのケイ素とのモル比(リチウム/ケイ素)が、0.8〜1.4の範囲内であることが好ましい。
本発明の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、正極活物質層、負極活物質層、並びに、当該正極活物質層及び当該負極活物質層の間に介在する固体電解質層を備えた全固体リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
正極活物質粒子を含む粉体からなる正極用合剤を準備する工程、
第一のNASICON型固体電解質粒子を含む粉体からなる固体電解質層用合剤を準備する工程、
前記正極用合剤を圧縮成形してなる正極用合剤部と、前記固体電解質層用合剤を圧縮成形してなる固体電解質層用合剤部を含む積層体を形成する工程、及び、
前記積層体を焼結させる工程を含み、
前記正極活物質粒子及び前記第一のNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくとも一つが、シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されていることを特徴とする。
本発明の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法においては、前記正極用合剤が第二のNASICON型固体電解質粒子をさらに含んでおり、前記正極活物質粒子及び前記第二のNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくとも一つが、前記シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されているものとすることができる。
本発明によれば、焼結処理における正極活物質とNASICON型固体電解質との反応が抑制されたことにより、当該正極活物質と当該NASICON型固体電解質を含む焼結体中において、焼結処理によって発生する正極活物質の分解物の量が低減された全固体リチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明の全固体リチウムイオン二次電池の層構成の一例を模式的に示す断面図である。 シリコン酸リチウムの薄膜の態様の具体例を示す図である。 シリコン酸リチウム被覆粒子の製造に用いられる転動流動装置を模式的に示す図である。 実施例1〜5及び比較例1で得られたシリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体のXRD測定結果である。 実施例1〜5及び比較例1で得られたシリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体のXRD測定結果である。 実施例6で得られたアニール処理後のシリコン酸リチウム被覆LiCoO粒子のSEM像である。 比較例2で得られたアニール処理後のシリコン酸リチウム被覆LiCoO粒子のSEM像である 実施例6で得られた焼結体及び比較例2で得られた焼結体のXRD測定結果である。
以下、本発明の全固体リチウムイオン二次電池、当該電池を製造するために用いられるシリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法、及び全固体リチウムイオン二次電池の製造方法について、詳細に説明する。
I.全固体リチウムイオン二次電池
本発明の全固体リチウムイオン二次電池は、正極活物質層、負極活物質層、並びに、当該正極活物質層及び当該負極活物質層の間に介在する固体電解質層を備えた全固体リチウムイオン二次電池であって、前記正極活物質層は、正極活物質粒子を含む粉体あるいは正極活物質粒子及び第二のNASICON型固体電解質粒子を含む粉体からなる正極用合剤の焼結体であり、前記固体電解質層は第一のNASICON型固体電解質粒子を含む粉体からなる固体電解質層用合剤の焼結体であり、前記正極活物質粒子と前記NASICON型固体電解質粒子とが、シリコン酸リチウムの薄膜によって隔離されていることを特徴とする。なお、本発明において、単に「NASICON型固体電解質粒子」と称するときは、前記固体電解質層に含有される第一のNASICON型固体電解質粒子及び前記正極活物質層に含有される第二のNASICON型固体電解質粒子を含む意味である。
全固体リチウムイオン二次電池の正極活物質層と固体電解質層とは、焼結接合によって接合することができるが、前記固体電解質層又は前記正極活物質層がNASICON型固体電解質粒子を含有する場合、当該NASICON型固体電解質粒子と前記正極活物質層に含有される正極活物質粒子とが、焼結処理時に反応し、分解物が発生してしまうため、得られた電池の性能に悪影響を与える。
本発明者らは、焼結処理時のNASICON型固体電解質粒子と正極活物質粒子との反応が、粒子間のリチウムイオンの拡散、若しくは、高温雰囲気下における各材料の活性化エネルギーの低下に起因した化学反応であると推測した。
そこで、本発明者らは鋭意検討の結果、正極活物質粒子とNASICON型固体電解質粒子とを、シリコン酸リチウムの薄膜によって隔離し、これらの粒子が直接接触することを防ぐことにより、高温雰囲気下においても正極活物質粒子とNASICON型固体電解質粒子との反応が抑制され、焼結処理によって発生する正極活物質の分解物の量が低減された全固体リチウムイオン二次電池を発明するに至った。
図1は、本発明に係る全固体リチウムイオン二次電池の層構成の一例を模式的に示す断面図である。図1に示す全固体リチウムイオン二次電池10において、正極1と固体電解質層3と負極2とがこの順序に積層されており、固体電解質層3が正極1と負極2との間に介在している。正極1は、固体電解質層3側から順に、正極活物質層4と、該正極活物質層4の集電を行う正極集電体5とを備える。負極2は、固体電解質層3側から順に、負極活物質層6と、該負極活物質層6の集電を行う負極集電体7とを備える。
全固体リチウムイオン二次電池10において、正極活物質層4は、正極活物質粒子を含む粉体からなる正極用合剤の焼結体であり、固体電解質層3は第一のNASICON型固体電解質粒子を含む粉体からなる固体電解質層用合剤の焼結体であり、前記正極活物質粒子と前記第一のNASICON型固体電解質粒子とが、シリコン酸リチウムの薄膜(図1では図示せず)によって隔離されている。
(シリコン酸リチウムの薄膜)
まず、本発明に用いられるシリコン酸リチウムの薄膜について説明する。本発明において、「正極活物質粒子とNASICON型固体電解質粒子とを、シリコン酸リチウムの薄膜によって隔離する」とは、正極活物質粒子とNASICON型固体電解質粒子とが、直接接触しないように、両者の間にシリコン酸リチウムの薄膜が介在することを意味する。
また、本発明において「薄膜」とは、正極活物質層及び固体電解質層におけるリチウムイオン及び電子の移動を阻害しない観点から、厚さ5〜40nmの膜であることが好ましい。
前記シリコン酸リチウムとしては、一般式LiSi(式中、x、y、zはx+4y−2z=0を満たす正の実数である。)で表されるものを用いることができ、一般に「リチウムシリケート」と称されるものを含む。
前記シリコン酸リチウムとしては、中でもリチウムとケイ素とのモル比(x/y)が0.8〜1.4であることが好ましい。前記モル比が前記範囲内であると、焼結処理時における前記シリコン酸リチウムの正極活物質粒子及びNASICON型固体電解質粒子の双方に対する不活性度が特に高いものとなる。
前記シリコン酸リチウムの薄膜により、正極活物質粒子と第一のNASICON型固体電解質粒子とを隔離する方法としては、特に限定されないが、例えば、前記正極活物質粒子及び前記第一のNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくともいずれか一つを、前記シリコン酸リチウムの薄膜で被覆する方法が挙げられる。
前記方法により正極活物質粒子と第一のNASICON型固体電解質粒子とをシリコン酸リチウムの薄膜によって隔離する態様としては、例えば、図2A〜図2Cに示す態様が挙げられる。
図2Aでは、正極活物質層4に含まれる正極活物質粒子4aがシリコン酸リチウムの薄膜9で被覆され、固体電解質層3に含まれる第一のNASICON型固体電解質粒子3aはシリコン酸リチウムの薄膜で被覆されていない。
図2Bでは、固体電解質層3に含まれる第一のNASICON型固体電解質粒子3aがシリコン酸リチウムの薄膜9で被覆され、正極活物質層4に含まれる正極活物質粒子4aは、シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されていない。
図2Cでは、正極活物質層4に含まれる正極活物質粒子4a及び固体電解質層3に含まれる第一のNASICON型固体電解質粒子3aが、それぞれシリコン酸リチウムの薄膜9で被覆されている。
(固体電解質層)
本発明の全固体リチウムイオン二次電池が備える固体電解質層は、第一のNASICON型固体電解質粒子を含む粉体からなる固体電解質層用合剤の焼結体である。
前記第一のNASICON型固体電解質粒子としては、例えば、以下に示す各材料及び各元素の組成比が異なる類似のNASICON型酸化物の粒子が挙げられる。すなわち、LiM1M2(M1はB、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、Sb及びSeよりなる群から選択される少なくとも1種であり、M2はTi、Zr、Hf、Ge、In、Ga、Sn及びAlよりなる群から選択される少なくとも1種であり、a〜eは、0.5<a<5.0、0≦b<2.98、0.5≦c<3.0、0.02<d≦3.0、2.0<b+d<4.0、3.0<e≦12.0の関係を満たす)で表される酸化物の粒子を挙げることができる。中でも、上記式において、M1=Al、M2=Tiである酸化物(Li−Al−Ti−P−O系NASICON型酸化物(LATP))、及び、M1=Al、M2=Ge若しくはM1=Ge、M2=Alである酸化物(Li−Al−Ge−P−O系NASICON型酸化物(LAGP))が好ましく、特に、Li1.5Al0.5Ge1.5(POで表わされるLAGPが好ましい。
前記第一のNASICON型固体電解質粒子は、1種類のみを単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
また、前記固体電解質層用合剤は、必要に応じて、導電化材、結着剤等のその他の粉末状の添加剤を含んでいても良い。
前記結着剤としては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−エチレン−ブタジエンゴム等の合成ゴム;ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素ポリマーを挙げることができる。
前記固体電解質層用合剤における結着剤の含有量は、前記第一のNASICON型固体電解質粒子を圧縮成形できる程度の量であれば良く、通常1〜10質量%の範囲内であり、より少ないことが好ましい。前記固体電解質層用合剤が結着剤を含有することにより、本発明の全固体リチウムイオン二次電池全体の柔軟性向上が期待できる。
前記固体電解質層の膜厚は、特に限定されないが、例えば0.1〜1000μmであることが好ましく、特に0.1〜100μmであることが好ましい。
(正極活物質層)
本発明の全固体リチウムイオン二次電池が備える正極活物質層は、正極活物質粒子を含む粉体からなる正極用合剤の焼結体である。
前記正極活物質粒子としては、例えば、LiCoO、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiNiPO、LiMnPO、LiNiO、LiMn、LiCoMnO、LiNiMn、LiFe(PO及びLi(PO等の粒子を挙げることができ、中でも、高いイオン伝導度と高い電子伝導度の点から、LiCoOが好ましい。
正極活物質粒子の平均粒径としては、特に限定されないが、例えば1〜50μmの範囲内、中でも1〜20μmの範囲内、特に3〜5μmの範囲内であることが好ましい。正極活物質粒子の平均粒径が小さすぎると、取り扱い性が悪くなる可能性があり、正極活物質粒子の平均粒径が大きすぎると、平坦な正極活物質層を得るのが困難になる場合があるからである。なお、正極活物質粒子の平均粒径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される活物質担体の粒径を測定して、平均することにより求めることができる。
前記正極用合剤は、前記正極活物質粒子に加え、さらに第二のNASICON型固体電解質粒子を含んでいても良い。これにより、前記正極活物質層のイオン電導性を向上させることができる。前記第二のNASICON型固体電解質粒子は、上述した固体電解質層用合剤に含まれる第一のNASICON型固体電解質粒子について説明したものと同様のものを用いることができる。また、第二のNASICON型固体電解質粒子としては、1つの膜電極接合体(正極活物質層と固体電解質層を含む積層体)中において、第一のNASICON型固体電解質粒子と同じものを用いても良いし、異なるものを用いても良いが、焼結処理における加熱温度を合わせる点から同一であることが好ましい。
前記正極用合剤における前記第二のNASICON型固体電解質粒子の含有量は、特に限定されないが、通常10〜90質量%の範囲内である。
前記正極用合剤が前記第二のNASICON型固体電解質粒子を含む場合は、前記正極活物質粒子及び前記第二のNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくとも一つが、前記シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されていることが好ましい。これにより、前記正極活物質粒子と前記第二のNASICON型固体電解質粒子とが前記シリコン酸リチウムの薄膜によって隔離され、焼結工程における前記正極活物質粒子と前記第二のNASICON型固体電解質粒子との反応を抑制することができる。
前記正極用合剤は、さらに、必要に応じて、導電化材、結着剤等のその他の粉末状の添加剤を含んでいても良い。
前記結着剤としては、例えば上述した固体電解質層用合剤に含有されるものと同様のものを用いることができる。
前記正極活物質層の膜厚は、特に限定されないが、例えば0.1〜1000μmであることが好ましく、特に0.1〜100μmであることが好ましい。
(正極集電体)
本発明の全固体リチウムイオン二次電池は、正極集電体を備えるものであっても良い。前記正極集電体は、前記正極活物質層の集電を行う機能を有するものであれば、特に限定されず、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、ニッケル、鉄及びチタン等を挙げることができ、中でもアルミニウム、アルミニウム合金及びステンレスが好ましい。また、正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
(負極活物質層)
本発明の全固体リチウムイオン二次電池が備える負極活物質層は、負極活物質を含む層であれば特に限定されない。前記負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、チタン酸リチウム(LiTi12)等のリチウム遷移金属酸化物、TiO、Nb及びWO等の遷移金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、並びにグラファイト、ソフトカーボン及びハードカーボン等の炭素材料、並びに金属リチウム、金属インジウム及びリチウム合金等を挙げることができる。また、前記負極活物質は、粉末状であっても良く、薄膜状であっても良い。
また、前記負極活物質層は、必要に応じて固体電解質、導電性材料及び結着剤等を含有していても良い。前記結着剤としては、例えば上述した固体電解質層用合剤に含有されるものと同様のものを用いることができる。
前記負極活物質層の膜厚は、特に限定されるものではないが、例えば0.1〜1000μmの範囲内、中でも0.1〜100μmの範囲内であることが好ましい。
(負極集電体)
本発明の全固体リチウムイオン二次電池は、負極集電体を備えるものであっても良い。前記負極集電体は、前記負極活物質層の集電を行う機能を有するものであれば特に限定されない。
前記負極集電体の材料としては、例えばニッケル、銅、及びステンレス等を挙げることができる。また、前記負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
(電池ケース)
本発明に係る全固体リチウムイオン二次電池は、通常、前記正極活物質層及び前記正極集電体等を含む正極、前記負極活物質層及び前記負極集電体等を含む負極、並びに前記固体電解質層等を収納する電池ケースを備える。電池ケースの形状としては、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。
II.シリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法
本発明の全固体リチウムイオン二次電池においては、上述したように、前記正極活物質粒子及び前記NASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくとも一つを、前記シリコン酸リチウムの薄膜で被覆することにより、前記正極活物質粒子と前記NASICON型固体電解質粒子とを前記シリコン酸リチウムの薄膜で隔離することができる。
本発明において、正極活物質粒子及びNASICON型固体電解質粒子等から選ばれる原料粒子をシリコン酸リチウムの薄膜で被覆した粒子を「シリコン酸リチウム被覆粒子」と称する。
以下、当該シリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法について詳細に説明する。
前記シリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法としては、例えば、スプレードライ法、噴霧熱分解法及び転動流動法等の方法を使用したゾルゲル法、並びに、PLD法、CVD法等が挙げられる。中でも、転動流動法を使用したゾルゲル法であって、以下の(1)〜(4)の工程を含む製造方法が、原料粒子の表面を均一にシリコン酸リチウムの薄膜で被覆することが容易である点から好ましい。
前記製造方法とは、(1)リチウムアルコキシド及びアルコキシシランを含むアルコール液からなるコーティング液を準備する工程(コーティング液準備工程)、(2)転動流動装置の転動流動槽内に、正極活物質粒子及びNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる原料粒子を導入する工程(原料粒子導入工程)、(3)前記コーティング液を前記転動流動槽内へ噴霧する直前に、当該コーティング液に水を添加する工程(水添加工程)、(4)前記転動流動槽内で前記原料粒子を気流によって流動させながら、前記水を添加したコーティング液を噴霧することにより、前記原料粒子を前記コーティング液で被覆する工程(コーティング液被覆工程)を含む製造方法である。
前記(1)〜(4)の工程を含む製造方法としては、具体的には、例えば、図3に示す転動流動装置を用いる方法が挙げられる。図3に示す転動流動装置100は、コーティング液溜11、HO溜12、スタティックミキサー13、転動流動槽14を備える。
以下、図3に示す転動流動装置100を用いた場合の前記製造方法の各工程について詳細に説明する。
(1)コーティング液準備工程
まず、コーティング液を調製する。前記コーティング液は、リチウムアルコキシド及びアルコキシシランを含むアルコール液からなり、例えば、アルコール溶剤中に、リチウムアルコキシドを加え、当該リチウムアルコキシドを溶解させた後に、アルコキシシランをさらに添加し、撹拌することにより調製することができる。調製したコーティング液は、コーティング液溜11に充填する。
前記リチウムアルコキシドとしては、例えば、リチウムエトキシド(EtOLi)、リチウムメトキシド(CHLiO)、プロポキシリチウム(CLiO)等が挙げられる。
前記アルコキシシランとしては、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)、オルトケイ酸テトラメチル(TMOS)等が挙げられる。
前記アルコール溶剤としては、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール等及びこれらの混合液が挙げられる。
前記コーティング液中の前記アルコール溶剤の含有量は、特に限定されないが、通常0.4〜0.7mol/kgである。
前記コーティング液に含まれるリチウムアルコキシドのリチウムとアルコキシシランのケイ素とのモル比(リチウム/ケイ素)は、0.8〜1.4の範囲内であることが好ましい。前記モル比が前記範囲内であると、シリコン酸リチウムの薄膜の焼結処理時における正極活物質粒子及びNASICON型固体電解質粒子の双方に対する不活性度が、特に高くなるからである。
(2)原料粒子導入工程
転動流動装置100の転動流動槽14内では、正極活物質粒子及びNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる原料粒子を予め導入し、転動流動状態に置く。転動流動状態に置かれた原料粒子は、(i)原料粒子が転動流動槽14内の回転板15下部から吹き出る気流に乗せられ、転動流動槽14内において下から上へ巻き上げられ、(ii)転動流動槽14内の上に到達した原料粒子は、自重により落下し、若しくは槽内風排出口16に付着し、(iii)槽内風排出口16に付着した原料粒子は、4つある排出口16a、16b、16c、16dが順次加圧されることで、転動流動槽14の下に叩き落とされる、という前記(i)、(ii)及び(iii)の挙動を繰り返す。なお、回転板15は、凝集体解砕及び粉末拡散の働きを担っている。また、排出口16aと16c及び排出口16bと16dとは、それぞれ前後に並んで設置されている。図3において、排出口16cのうち排出口16aと重なって見えない部分及び排出口16dのうち排出口16bと重なって見えない部分は点線で示す。
(3)水添加工程
前記コーティング液は、コーティング液溜11から押出式ポンプに供給され、転動流動槽14内へ噴霧される直前に、当該コーティング液に水が添加される。コーティング液に水を添加するのは、コーティング液に含まれるリチウムアルコキシドとアルコキシシランの加水分解反応を促進させるためである。ここで、コーティング液に水が添加される時点である「噴霧される直前」とは、コーティング液に水が添加されてから当該コーティング液が転動流動槽14内へ噴霧されるまでの間、均一に噴霧可能な状態を維持できる範囲内にゲル化の進行を止めておくことができる時点を意味する。好ましくは、前記コーティング液が転動流動槽14内へ噴霧される1〜3分前に水を添加する。
コーティング液に添加する水の量は、特に限定されないが、前記コーティング液に含まれるリチウムアルコキシド及びアルコキシシランの全てのアルコキシ基を加水分解するために必要な最低限のモル数以上であることが好ましく、例えば、必要最低限のモル数の3倍量とすることができる。
コーティング液への水の添加は、HO溜12から押出式ポンプによって供給された水が、水混入部17において添加されることによって行われる。
水混入部17では、特に限定されないが、例えば、図3に示す水混入部17の拡大図のように、末端が切断されたプラスチックシリンジ18とT字アダプタ19及びセプタム20を用いて、チューブ内のコーティング液へ水を添加することができる。
なお、コーティング液への水の添加は、水のみを添加しても良いし、アルコールと水の混合溶媒を添加しても良い。中でも、コーティング液中における水の急激な濃度上昇による局所反応を抑え、均一な反応部位を形成することができる点から、アルコールと水の混合溶媒を添加することが好ましい。前記アルコールとしては、コーティング液に用いることができるアルコール溶剤と同様のものを用いることができる。
水が添加されたコーティング液(以下、単に「コーティング水溶液」と称する。)は、スタティックミキサー13内で混合され、噴霧ポイント21へ向かって供給される。
(4)コーティング液被覆工程
噴霧ポイント21へ供給されたコーティング水溶液は、噴霧ポイント21に内蔵された加圧装置によって転動流動槽14内に噴霧される。転動流動槽14内において、原料粒子を転動流動状態に置きながら、コーティング水溶液を噴霧することにより、原料粒子をコーティング水溶液で被覆することができる。
コーティング水溶液により被覆された原料粒子は、必要に応じて、プレ乾燥することによりコーティング水溶液中のアルコール溶剤及び水を除去し、次いで、適宜アニール処理、解砕を行う。以上により、前記原料粒子をシリコン酸リチウムの薄膜で被覆したシリコン酸リチウム被覆粒子を得ることができる。
前記プレ乾燥の方法は、原料粒子を被覆するコーティング水溶液中の水及びアルコール溶剤を除去することができれば特に限定されず、例えば、コーティング水溶液により被覆された原料粒子を、150〜200℃で、24〜96時間保持することにより行うことができる。
前記プレ乾燥の際には、水及びアルコール溶剤の急激な除去を行うと、原料粒子の破裂を引き起こし、原料粒子を被覆するシリコン酸リチウムの層のひび割れや剥がれが生じる可能性があるため、プレ乾燥の条件は、原料粒子の破裂を引き起こさず、且つ、コーティング水溶液中の水及びアルコール溶剤を除去することができる条件に適宜設定することができる。
前記アニール処理により、前記プレ乾燥で残留したリチウムアルコキシド及びアルコキシシランのアルコキシ基の加水分解反応を進行させ、シリコン酸リチウムの薄膜の膜密度を向上することができる。
前記アニール処理は、特に限定されないが、例えば、500〜600℃で、2〜10時間保持することにより行うことができる。また、前記アニール処理は、特に限定されないが、粒子同士が凝集するのを防止するために、ロータリーキルンを用いて回転させながら行うことができる。
前記アニール処理後に得られた粉末は、適宜、解砕をしても良い。粉末の解砕は、例えば乳鉢を用いて行うことができる。
III.全固体リチウムイオン二次電池の製造方法
本発明の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法としては、上述した「I.全固体リチウムイオン二次電池」を製造することができる方法であれば特に限定されないが、例えば、(1)正極活物質粒子を含む粉体からなる正極用合剤を準備する工程、(2)第一のNASICON型固体電解質粒子を含む粉体からなる固体電解質層用合剤を準備する工程、(3)前記正極用合剤を圧縮成形してなる正極用合剤部と、前記固体電解質層用合剤を圧縮成形してなる固体電解質層用合剤部を含む積層体を形成する工程、及び(4)前記積層体を焼結させる工程を含み、前記正極活物質粒子及び前記第一のNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくとも一つが、シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されていることを特徴とする方法が挙げられる。
シリコン酸リチウムの薄膜で被覆された正極活物質粒子及びシリコン酸リチウムの薄膜で被覆された第一のNASICON型固体電解質粒子は、例えば、原料粒子をそれぞれ正極活物質粒子及び第一のNASICON型固体電解質粒子として、上述した「II.シリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法」により得ることができる。
前記(1)〜(4)の工程により、正極活物質層となる正極用合剤の焼結体及び固体電解質層となる固体電解質層用合剤の焼結体の積層体を形成することができる。
前記(1)の工程は、上述した「I.全固体リチウムイオン二次電池」に用いられる正極用合剤が含有する粉末状の各材料を混合することによって行うことができる。前記正極用合剤に、第二のNASICON型固体電解質粒子を含有させる場合は、前記正極活物質粒子及び前記第二のNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくとも一つが、前記シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されていることが好ましい。これにより、焼結工程における前記正極活物質粒子と前記第二のNASICON型固体電解質粒子との反応を抑制することができる。なお、シリコン酸リチウムの薄膜で被覆された第二のNASICON型固体電解質粒子は、例えば、原料粒子を第二のNASICON型固体電解質粒子として、上述した「II.シリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法」により得ることができる。
前記(2)の工程は、上述した「I.全固体リチウムイオン二次電池」に用いられる固体電解質層用合剤が含有する粉末状の各材料を混合することによって行うことができる。
前記(3)の工程において、前記正極用合剤を圧縮成形してなる正極用合剤部と、前記固体電解質層用合剤を圧縮成形してなる固体電解質層用合剤部を含む積層体を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、(i)粉末状の正極用合剤と、粉末状の固体電解質層用合剤とを、積層状にして型に入れ、一体に圧縮成形する方法、(ii)粉末状の固体電解質層用合剤を型に入れて圧縮成形し、その上から更に粉末状の正極用合剤を入れて圧縮成形する方法、及び(iii)粉末状の正極用合剤を型に入れて圧縮成形し、その上から、さらに粉末状の固体電解質層用合剤を入れて圧縮成形する方法等が挙げられる。
前記圧縮成形時の圧力は、特に限定されないが、例えば、1〜10MPaとすることができる。
前記(4)の工程において、前記(3)の工程で得られた積層体を焼結させるための加熱温度及び加熱時間は、当該積層体を焼結させることができれば特に限定されず、一般的な焼結処理の条件とすることができる。例えば、前記加熱温度を500〜700℃とし、前記加熱時間を1〜10時間とすることができる。
また、前記(4)の工程における雰囲気は、特に限定されず、例えば、大気雰囲気下又はAr、N等の不活性ガス雰囲気下で行うことができる。
本発明の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法において、負極活物質層を形成する方法は、上述した「I.全固体リチウムイオン二次電池」の負極活物質層を形成することができる方法であれば特に限定されないが、負極活物質としてチタン酸リチウム(LiTi12)等のリチウム遷移金属酸化物粒子又はTiO、Nb、WO等の遷移金属酸化物粒子を用いる場合は、例えば当該負極活物質を含む粉体からなる負極用合剤を用いて、前記正極活物質層を形成する方法と同様の方法により形成することができる。すなわち、前記(3)の工程において、(i)粉末状の正極用合剤と、粉末状の固体電解質層用合剤と、粉末状の負極用合剤とを、この順に積層状にして型に入れ、一体に圧縮成形する方法、又は(ii)粉末状の正極用合剤を型に入れて圧縮成形し、その上から更に粉末状の固体電解質層用合剤を入れて圧縮成形し、その上から更に粉末状の負極用合剤を型に入れて圧縮成形する方法等により、前記正極用合剤を圧縮成形してなる正極用合剤部と、前記固体電解質層用合剤を圧縮成形してなる固体電解質層用合剤部と、前記負極用合剤を圧縮成形してなる負極用合剤部とがこの順で積層された積層体を形成し、当該積層体を焼結させることにより、正極活物質層及び固体電解質層に加えて負極活物質層を形成することができる。なお、負極活物質としてLiTi12粒子を用いる場合は、焼結処理時における分解反応を抑制する点から、LiTi12粒子をシリコン酸リチウムの薄膜で被覆したものを用いることが好ましい。
また、負極活物質として、金属リチウム又は金属インジウムを用いる場合は、例えば、前記(4)の焼結工程により得られた正極活物質層と固体電解質層を含む焼結体に、金属リチウム又は金属インジウムを貼り付けることにより、負極活物質層を形成することができる。
なお、負極活物質層を形成した後、電気密度を向上するために、負極活物質層をプレスしても良い。
また、本発明の本発明の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、上述した正極集電体及び負極集電体等のその他の構成要素を形成する工程を含むことができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において、各材料の体積比とは表1に示す真密度により算出した体積の体積比である。また、シリコン酸リチウムゲルA〜Fの真密度としては、LiSiOの真密度と同じ値と暫定し、暫定値を用いた。
(実施例1)
1.シリコン酸リチウムゲル粉末の合成
ドライ雰囲気下(露点−46℃)にて、脱水エタノール17.71g(0.384mol)にリチウムエトキシド(EtOLi)を10.0g(0.192mol)加え、完全に溶解するまで撹拌した。次いで、溶液中のリチウムとケイ素のモル比(Li/Si)が1となるように、テトラエトキシシラン(TEOS)40.05g(0.192mol)を室温下で加え、さらに4時間撹拌した。温度が上昇した混合溶液を室温まで冷却し、蒸留水25.99mL(25.99g、1.44mol)を加えて、ゲル化するまで撹拌した。得られたゲルを減圧乾燥し、さらに200℃で10時間乾燥させることで、淡黄白色のシリコン酸リチウムゲル粉末Aを得た。
2.シリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体の形成
得られたシリコン酸リチウムゲル粉末Aを、メノウ乳鉢を用いて粉砕した後に、シリコン酸リチウムゲル粉末AとLiCoO粉末との体積比(シリコン酸リチウムゲル粉末:LiCoO)が1:1となるようにLiCoO粉末(日亜化学社製)を加え、さらに乳鉢で15分間混合した。
得られた混合物をφ13mmのダイスを用いて10MPaの圧力で一軸加圧することにより、ペレット(圧粉体)を成形した。得られたペレットを、下記条件下で焼成することにより、シリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体を得た。
<焼成条件>
・初期条件:大気雰囲気下、室温
・昇温条件:室温から600℃まで、昇温速度2℃/minにて昇温
・保持条件:600℃のまま5時間保持
・冷却条件:自然冷却により室温まで冷却
3.シリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体の形成
得られたシリコン酸リチウムゲル粉末Aを、メノウ乳鉢を用いて粉砕した後に、シリコン酸リチウムゲル粉末AとLAGP粉末との体積比(シリコン酸リチウムゲル粉末:LAGP)が1:1となるように、LAGP粉末(ホソカワミクロン社製)を加え、さらに乳鉢で15分間混合した。得られた混合物をφ13mmのダイスを用いて10MPaの圧力で一軸加圧することにより、ペレット(圧粉体)を成形した。
得られたペレットを、下記条件下で焼成することにより、シリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体を得た。
<焼成条件>
・初期条件 :大気雰囲気下、室温
・第一昇温条件:室温から540℃まで、昇温速度4℃/minにて昇温
・第一保持条件:540℃のまま2時間保持
・第二昇温条件:540℃から600℃まで、昇温速度4℃/minにて昇温
・第二保持条件:600℃のまま2時間保持
・冷却条件 :自然冷却により室温まで冷却
(実施例2)
1.シリコン酸リチウムゲル粉末の合成
EtOLiの添加量を8.0g(0.154mol)とし、TEOSの添加量を40.05g(0.192mol)とし、リチウム原子とシリコン原子のモル比(Li/Si)が0.8となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムゲル粉末Bを得た。
2.シリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体の形成
シリコン酸リチウムゲル粉末Aを用いずに、前記シリコン酸リチウムゲル粉末Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体を得た。
3.シリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体の形成
シリコン酸リチウムゲル粉末Aを用いずに、前記シリコン酸リチウムゲル粉末Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体を得た。
(実施例3)
1.シリコン酸リチウムゲル粉末の合成
EtOLiの添加量を12.0g(0.231mol)とし、TEOSの添加量を40.05g(0.192mol)とし、リチウム原子とシリコン原子のモル比(Li/Si)が1.2となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムゲル粉末Cを得た。
2.シリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体の形成
シリコン酸リチウムゲル粉末Aを用いずに、前記シリコン酸リチウムゲル粉末Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体を得た。
3.シリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体の形成
シリコン酸リチウムゲル粉末Aを用いずに、前記シリコン酸リチウムゲル粉末Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体を得た。
(実施例4)
1.シリコン酸リチウムゲル粉末の合成
EtOLiの添加量を13.0g(0.250mol)とし、TEOSの添加量を40.05g(0.192mol)とし、リチウム原子とシリコン原子のモル比(Li/Si)が1.3となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムゲル粉末Dを得た。
2.シリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体の形成
シリコン酸リチウムゲル粉末Aを用いずに、前記シリコン酸リチウムゲル粉末Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体を得た。
3.シリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体の形成
シリコン酸リチウムゲル粉末Aを用いずに、前記シリコン酸リチウムゲル粉末Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体を得た。
(実施例5)
1.シリコン酸リチウムゲル粉末の合成
EtOLiの添加量を14.0g(0.269mol)とし、TEOSの添加量を40.05g(0.192mol)とし、リチウム原子とシリコン原子のモル比(Li/Si)が1.4となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムゲル粉末Eを得た。
2.シリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体の形成
シリコン酸リチウムゲル粉末Aを用いずに、前記シリコン酸リチウムゲル粉末Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体を得た。
3.シリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体の形成
シリコン酸リチウムゲル粉末Aを用いずに、前記シリコン酸リチウムゲル粉末Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体を得た。
(比較例1)
1.シリコン酸リチウムゲル粉末の合成
EtOLiの添加量を15.0g(0.288mol)とし、TEOSの添加量を40.05g(0.192mol)とし、リチウム原子とシリコン原子のモル比(Li/Si)が1.5となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムゲル粉末Fを得た。
2.シリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体の形成
シリコン酸リチウムゲル粉末Aを用いずに、前記シリコン酸リチウムゲル粉末Fを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体を得た。
3.シリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体の形成
シリコン酸リチウムゲル粉末Aを用いずに、前記シリコン酸リチウムゲル粉末Fを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体を得た。
(評価)
実施例1〜5及び比較例1で得られたシリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体及びシリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体について、X線回折(XRD)測定を行った。XRD測定は、リガク製RINT VI+imaIIIを用い、CuKα線を用いた。
(考察)
実施例1〜5及び比較例1について、シリコン酸リチウムとLiCoOの混合物の焼結体のXRD測定結果を図4に示し、シリコン酸リチウムとLAGPの混合物の焼結体のXRD測定結果を図5に示す。
実施例1〜5で得られた各焼結体は、図4及び図5に示すXRD測定結果から明らかなように、得られた各焼結体に不純物がほとんど含まれていなかった。これは、実施例1〜5で用いたLiとSiのモル比(Li/Si)が0.8〜1.4の範囲内のシリコン酸リチウムが、LiCoO及びLAGPの双方に対して不活性度が高く、反応分解物の発生が低減されたことによると考えられる。
一方、比較例1で得られた各焼結体には不純物が含まれていた。これは、比較例1で用いたLiとSiのモル比(Li/Si)が1.5のシリコン酸リチウムが、実施例1〜5に比べてLiCoO及びLAGPに対する不活性度が低いため、焼結工程において反応分解物が発生したことによると考えられる。
(実施例6)
1.コーティング液の調製
ドライ雰囲気下(露点−46℃)にて、脱水エタノール2090g(45mol)に、リチウムエトキシド(EtOLi)52.0g(1.0mol)を攪拌しながら徐々に加え、3時間撹拌した。EtOLiが完全に溶解したことを確認し、溶液中のリチウムとケイ素のモル比(Li/Si)が1.0となるように、テトラエトキシシラン(TEOS)208.33g(1.0mol)を室温下で徐々に加え、さらに1時間撹拌することにより、コーティング液(2350g)を得た。
2.コーティング液の被覆
得られたコーティング液2350g及びエタノール水(脱水エタノールとHOを脱水エタノール:HOが1:15のモル比で混合した混合溶媒)76.65mL(64.5g)を用いて、図4に示す転動流動装置と同様の構成の転動流動装置(パウレック社製)により、LiCoO粉末(日亜化学社製)550gをシリコン酸リチウムで被覆した。なお、前記転動流動装置に備えるスタティックミキサーとしては、30セットの羽の物(日本フローコントロール社製、型式140−312)を用い、転動流動装置は以下の設定とした。
<転動流動装置の設定>
風量 :0〜7cm/sec
回転盤回転数 :404rpm
入口設定温度 :60℃
出口検出温度 :34℃
フィルター圧力 :2.4Pa
製品圧力損失 :0.8〜1Pa
外気温度 :23℃
湿度 :25%
3.シリコン酸リチウム薄膜の形成
前記転動流動装置により、コーティング液を塗布したLiCoO粉末を、マッフル炉を用いて、以下の条件でプレ乾燥した。
<プレ乾燥の条件>
・初期条件:大気雰囲気下、室温
・昇温条件:室温から80℃まで、昇温速度0.022℃/minにて昇温
・保持条件:80℃のまま24時間保持
・冷却条件:炉冷により、室温まで冷却
次いで、プレ乾燥した粉末を、デスクトップ型ロータリー雰囲気炉(高砂工業(株)製、900cc)を用いて、1rpmの速度で回転しながら、下記条件下でアニール処理をし、LiSiの薄膜で被覆されたLiCoO粒子からなる粉末を得た。なお、アニール処理後のLiCoO粒子のSEM像を図6に示す。
<アニールの条件>
・初期条件:大気雰囲気下、室温
・昇温条件:室温から500℃まで、昇温速度1℃/minにて昇温
・保持条件:500℃のまま5時間保持
・冷却条件:冷却速度1℃/minにて、室温まで冷却
4.焼結体の形成
シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されたLiCoO粉末に、当該LiCoO粉末と体積比が1:1となるようにLAGP粉末を加え、乳鉢で15分間混合した。なお、シリコン酸リチウムの薄膜はLiCoO粒子に比べて非常に薄いため、シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されたLiCoO粒子粉末の真密度は、LiCoOの真密度と同じ値と暫定し、前記体積比を算出した。
得られた混合物をφ13mmのダイスを用いて10MPaの圧力で一軸加圧することにより、ペレット(圧粉体)を成形した。
得られたペレットを、マッフル炉を用いて下記条件下で焼成することにより、焼結体を得た。
<焼成条件>
・初期条件 :大気雰囲気下、室温
・第一昇温条件:室温から540℃まで、昇温速度4℃/minにて昇温
・第一保持条件:540℃のまま2時間保持
・第二昇温条件:540℃から600℃まで、昇温速度4℃/minにて昇温
・第二保持条件:600℃のまま2時間保持
・冷却条件 :冷却速度4℃/minにて、室温まで冷却
(比較例2)
LiCoO粉末にコーティング液を被覆する工程において、コーティング液を転動流動層内に噴霧する直前にエタノール水を添加しなかったこと以外は、実施例6と同様にして、焼結体を得た。なお、比較例2で用いられたアニール処理後のLiCoO粒子のSEM像を図7に示す。
(評価)
実施例6及び比較例2で得られた各焼結体について、X線回折(XRD)測定を行った。XRD測定は、リガク製RINT VI+imaIIIを用い、CuKα線を用いた。当該XRD測定の結果を図8に示す。
(考察)
実施例6で用いられたシリコン酸リチウム被覆LiCoO粒子は、図6のSEM像から明らかなように、表面がシリコン酸リチウムの薄膜で均一に被覆されていた。これは、LiCoO粒子をコーティング液で被覆する際、コーティング液を噴霧する直前に当該コーティング液に水分を添加したことで、コーティング液中のシリコン酸リチウムの加水分解が促進され、LiCoO粒子表面に強固なシリコン酸リチウムの薄膜が形成されたからであると考えられる。
また、実施例6で得られた焼結体は、図8に示すXRD測定結果において、LiCoOに相当する回折ピークが明確に観察され、LiCoOの分解物であるCoに相当する回折ピークはほとんど観察されなかった。これは、実施例6では、使用したLiCoO粒子の表面が均一にシリコン酸リチウムの薄膜で被覆されていたため、焼結工程でのLiCoOとLAGPとの反応が抑制されたからであると考えられる。
一方、比較例2で用いられたシリコン酸リチウム被覆LiCoO粒子は、図7のSEM像から明らかなように、表面に形成されたシリコン酸リチウムの薄膜が不均一であり、LiCoOの表面が露出している部分があった。これは、比較例2では、LiCoO粒子をコーティング液で被覆する際、コーティング液を噴霧する直前に、当該コーティング液に水分を添加しなかったため、コーティング液中のシリコン酸リチウムの加水分解反応が、転動流動槽内の空気中に含まれる水分により進んだが、空気中の水分の量が不十分であり、加水分解反応が十分に進まなかったからであると考えられる。
また、比較例2で得られた焼結体は、図8に示すXRD測定結果において、実施例6に比べて、LiCoOに相当する回折ピークが小さく、LiCoOの分解物であるCoに相当する回折ピークが大きかった。これは、比較例2では、使用したLiCoO粒子の表面を被覆するにシリコン酸リチウムの薄膜が不均一であったため、焼結工程においてLiCoOとLAGPとが反応した部分があったからであると考えられる。
10 全固体リチウムイオン二次電池
1 正極
2 負極
3 固体電解質層
3a 第一のNASICON型固体電解質粒子
4 正極活物質層
4a 正極活物質粒子
5 正極集電体
6 負極活物質層
7 負極集電体
9 シリコン酸リチウムの薄膜
100 転動流動装置
11 コーティング液溜
12 HO溜
13 スタティックミキサー
14 転動流動槽
15 回転板
16 槽内風排出口
16a、16b、16c、16d 排出口
17 水混入部
18 プラスチックシリンジ
19 T字アダプタ
20 セプタム
21 噴霧ポイント

Claims (8)

  1. 正極活物質層、負極活物質層、並びに、当該正極活物質層及び当該負極活物質層の間に介在する固体電解質層を備えた全固体リチウムイオン二次電池であって、
    前記正極活物質層は、正極活物質粒子を含む粉体からなる正極用合剤の焼結体であり、前記固体電解質層は第一のNASICON型固体電解質粒子を含む粉体からなる固体電解質層用合剤の焼結体であり、
    前記正極活物質粒子と前記第一のNASICON型固体電解質粒子とが、シリコン酸リチウムの薄膜によって隔離されていることを特徴とする、全固体リチウムイオン二次電池。
  2. 前記正極活物質粒子及び前記第一のNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくとも一つが前記シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されている、請求項1に記載の全固体リチウムイオン二次電池。
  3. 前記正極用合剤が第二のNASICON型固体電解質粒子をさらに含んでおり、前記正極活物質粒子及び前記第二のNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくとも一つが前記シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されている、請求項1又は2に記載の全固体リチウムイオン二次電池。
  4. 前記正極活物質粒子がコバルト酸リチウム粒子である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の全固体リチウムイオン二次電池。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の全固体リチウムイオン二次電池を製造するために用いられるシリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法であって、
    リチウムアルコキシド及びアルコキシシランを含むアルコール液からなるコーティング液を準備する工程、
    転動流動装置の転動流動槽内に、正極活物質粒子及びNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる原料粒子を導入する工程、
    前記コーティング液を前記転動流動槽内へ噴霧する直前に、当該コーティング液に水を添加する工程、及び、
    前記転動流動槽内で前記原料粒子を気流によって流動させながら、前記水を添加したコーティング液を噴霧することにより、前記原料粒子を前記コーティング液で被覆する工程を含むことを特徴とする、シリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法。
  6. 前記コーティング液に含まれるリチウムアルコキシドのリチウムとアルコキシシランのケイ素とのモル比(リチウム/ケイ素)が、0.8〜1.4の範囲内である、請求項5に記載のシリコン酸リチウム被覆粒子の製造方法。
  7. 正極活物質層、負極活物質層、並びに、当該正極活物質層及び当該負極活物質層の間に介在する固体電解質層を備えた全固体リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    正極活物質粒子を含む粉体からなる正極用合剤を準備する工程、
    第一のNASICON型固体電解質粒子を含む粉体からなる固体電解質層用合剤を準備する工程、
    前記正極用合剤を圧縮成形してなる正極用合剤部と、前記固体電解質層用合剤を圧縮成形してなる固体電解質層用合剤部を含む積層体を形成する工程、及び、
    前記積層体を焼結させる工程を含み、
    前記正極活物質粒子及び前記第一のNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくとも一つが、シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されていることを特徴とする、全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
  8. 前記正極用合剤が第二のNASICON型固体電解質粒子をさらに含んでおり、前記正極活物質粒子及び前記第二のNASICON型固体電解質粒子よりなる群から選ばれる少なくとも一つが、前記シリコン酸リチウムの薄膜で被覆されている、請求項7に記載の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
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