JP2014025134A - 溶融塩電解装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極間隔を狭めて溶融塩の液抵抗による発熱を抑制することができると共に、電解電流効率の悪化や電解電圧の上昇を抑制して電解時の電力原単位を向上することができる溶融塩電解装置及び方法を提供する。
【解決手段】溶融金属塩化物である溶融塩を電解液として収容する電解槽10と、陽極面部30aを有する陽極30及び陽極面部に対向した陰極面40bを有する陰極40を有して、溶融塩中に浸漬されるべき電極ユニットUと、を備え、陽極面部及び陰極面部の各々は、傾斜配置され、陽極面部及び陰極面部の対応して対向するもの同士は、各々、ジグザグ形状部ZGを有し、ジグザグ形状部は、凸部32、42、及び凹部34、44を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融塩電解装置及び方法に関し、特に、溶融金属塩化物に対して電解を行い、陽極から電解生成ガスを、陰極から電解生成属を、各々得るための溶融塩電解装置及び方法に関するものである。
近年、溶融金属塩化物である溶融塩を電気分解して、陽極から電解生成ガスを、陰極から電解生成金属を、各々得る場合において、装置構成を小型化しながら溶融塩の液抵抗による発熱を抑制するために、陽極と陰極との電極間隔を小さくすることが試みられてきたが、次に説明する理由で、実用的なレベルで電極間隔を十分に小さくすることには、成功していなかった。
というのは、電極間隔を小さくすると、電解生成ガスと電解生成金属とが再度結合する反応であるいわゆる逆反応が発生する割合が増大することに起因して電解電流効率の悪化が起こると共に、電極間における電解生成ガスの体積占有率の上昇に伴って発生する過電圧に起因して電解電圧の上昇が起こり、その結果、電解時の電力原単位が悪化する傾向が見られるからである。
つまり、陽極と陰極との電極間隔を小さくすると、装置構成を小型化しながら溶融塩の液抵抗による発熱を抑制することができる一方で、電解電流効率の悪化や電解電圧の上昇により電解時の電力原単位が悪化するという、トレードオフの関係が発生してしまうのである。
この様な状況下で、特許文献1においては、逆反応の抑制のために電極を鉛直方向から傾斜させ、電解生成ガスと電解生成金属との分離性を向上させることを企図した構成が提案されている。
実公平03−039488号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1に提案される構成では、電解生成ガスと電解生成金属との分離性を向上させることを企図したものではあるが、かかる構成において陽極と陰極との電極間隔をより一層小さくしていくと、装置構成をより小型化しながら溶融塩の液抵抗による発熱をより抑制することができる一方で、電解電流効率が悪化したり、電極間電圧の低下を上回るような過電圧の上昇が発生し、電解時の電力原単位が悪化するという現象を抑制することができなくなってしまい、やはりトレードオフの関係が再発してしまう。
このような狭電極間隔化の困難性に対処すべく、一般には、かかる構成において、溶融塩に直接電解に関与しない第二成分を混合した混合塩系を採用してかかる混合溶融塩の液抵抗を下げることにより、電解電圧を下げて電解時の電力原単位を向上させることが行われている。
しかしながら、本発明者の更なる検討によれば、かかる混合塩系を採用した場合には、
その第二成分による不要な影響を排する必要があるから装置構成が煩雑となる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、電極間隔を狭めて溶融塩の液抵抗による発熱を抑制することができると共に、電解電流効率の悪化や電解電圧の上昇を抑制して電解時の電力原単位を向上することができる溶融塩電解装置及び方法を提供することを目的とする。
以上の目的を達成すべく、本発明の第1の局面における溶融塩電解装置は、溶融金属塩化物である溶融塩を電解液として収容する電解槽と、陽極面部を有する陽極及び前記陽極面部に対向した陰極面部を有する陰極を有して、前記溶融塩中に浸漬されるべき電極ユニットと、を備え、前記陽極面部及び前記陰極面部の各々は、鉛直方向である第1の方向に対して傾斜する傾斜方向に傾斜配置され、前記陽極面部及び前記陰極面部の対応して対向するもの同士は、各々、ジグザグ形状部を有し、前記ジグザグ形状部は、前記傾斜方向に垂直な第2の方向において突設されながら前記傾斜方向に延在する凸部、及び前記第2の方向において陥設されながら前記傾斜方向に延在する凹部を有し、前記凸部及前記凹部は、それらの内の対応するもの同士を隣接して連ねた状態で、前記傾斜方向及び前記第2の方向に垂直な第3の方向に配設されるものである。
また本発明は、かかる第1の局面に加えて、前記陽極面部及び前記陰極面部の前記ジグザグ形状部の前記傾斜方向における傾斜角度は、各々、10度以上50度以下の範囲内に設定され、前記凸部は、稜部で連なる一対の斜面を有し、前記ジグザグ形状部は、前記一対の斜面の各々における前記第3の方向に対する角度が各々5度以上45度以下の範囲に設定されたジグザグ角度を有することを第2の局面とする。
また本発明は、かかる第2の局面に加えて、前記凹部は、前記第3の方向における幅が0.5mm以上である溝を各々有し、前記溝の前記幅の合計は、前記凹部が設けられた前記陽極面部及び前記陰極面部の前記少なくとも一方の前記第3の方向における幅の20%以下であることを第3の局面とする。
また本発明は、かかる第3の局面に加えて、前記溝の前記幅は、前記溝の深さ方向に拡幅されることを第4の局面とする。
また本発明は、かかる第3又は第4の局面に加えて、前記溝は、前記溝の深さ方向の底部に分岐溝又は突起を有することを第5の局面とする。
また本発明は、かかる第3から第5のいずれかの局面に加えて、更に、前記溝上端部の周囲を囲うと共に、前記溶融塩の液面の上で開口する排出管を備えたことを第6の局面とする。
また本発明は、かかる第6の局面に加えて、前記排出管の材質は、アルミナ、ムライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素、グラファイト及び石英のいずれかであることを第7の局面とする。
また本発明は、かかる第1から第7のいずれかの局面に加えて、前記陽極面部及び前記陰極面部は、互いに平行であり、それらの間に電解反応空間が画成されることを第8の局面とする。
また本発明は、かかる第8の局面に加えて、前記陽極面部及び前記陰極面部の間の距離は、1mm以上5mm以下であることを第9の局面とする。
また本発明は、かかる第1から第9のいずれかの局面に加えて、前記陽極及び前記陰極の材質は、グラファイトを90重量%以上含有することを第10の局面とする。
また本発明は、かかる第1から第10のいずれかの局面に加えて、前記電極ユニットは、更に、前記陽極及び前記陰極の外周を、前記電解反応空間の上下を除いて全体的に覆う絶縁外装を備えることを第11の局面とする。
また本発明は、かかる第11の局面に加えて、前記絶縁外装の材質は、アルミナ、ムライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素、グラファイト及び石英のいずれかであることを第12の局面とする。
また本発明は、かかる第1から第12のいずれかの局面に加えて、前記溶融塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム及び塩化亜鉛のいずれかを含むことを第13の局面とする。
また本発明は、かかる第13の局面に加えて、前記溶融塩が、塩化亜鉛を含む単独塩系であることを第14の局面とする。
また本発明は、別の局面において、溶融金属塩化物である溶融塩を電解液として収容する電解槽と、陽極面部を有する陽極及び前記陽極面部に対向した陰極面部を有する陰極を有して、前記溶融塩中に浸漬されるべき電極ユニットと、を備え、前記陽極面部及び前記陰極面部の各々は、鉛直方向である第1の方向に対して傾斜する傾斜方向に傾斜配置され、前記陽極面部及び前記陰極面部の対応して対向するもの同士は、各々、ジグザグ形状部を有し、前記ジグザグ形状部は、前記傾斜方向に垂直な第2の方向において突設されながら前記傾斜方向に延在する凸部、及び前記第2の方向において陥設されながら前記傾斜方向に延在する凹部を有し、前記凸部及前記凹部は、それらの内の対応するもの同士を隣接して連ねた状態で、前記傾斜方向及び前記第2の方向に垂直な第3の方向に配設される溶融塩電解装置を用意する工程と、前記電極の陽極面部においては電解生成ガスが生成され、前記陽極面部に対応する陰極面部においては前溶融塩より比重の大きな電解生成金属が生成される電解工程と、前記電解生成ガス及び電解生成金属の対応するものを、前記凸部に沿って前記凹部に集めながら、前記凹部に沿って移動させる工程と、を備えた溶融塩電解方法である。
本発明の第1の局面における溶融塩電解装置によれば、陽極面部及び陰極面部の各々が、鉛直方向である第1の方向に対して傾斜する傾斜方向に傾斜配置され、陽極面部及び陰極面部の対応して対向するものが、各々、ジグザグ形状部を有している。
かかるジグザク形状部によって、陽極面部側で発生した電解生成ガスは、陽極面部のジグザク形状部の凹部に集まることができると共に、陰極面部側で発生した溶融金属である電解生成金属は、陰極面部のジグザク形状部の凹部に集まることができる。ここで、陽極面部のジグザク形状部の凹部は陰極面部のジグザク形状部の凸部に対向すると共に、陰極面部のジグザク形状部の凹部は陽極面部のジグザク形状部の凸部に対向しているので、電解生成ガスの上昇経路と電解生成金属の流下経路とは、大きく分離され得る。このため、電解生成ガスと電解生成金属との再結合確率を小さくすることができ、これらの間の逆反応を抑制することができる。
併せて、陽極面部のジグザク形状部の凹部の谷部に、電解生成ガスが集まると、電解生成ガスは合一しやすくなり、その合一した電解ガスの上昇速度は増大され得る。このよう
に、電解生成ガスの上昇速度が大きくなると、陽極面部及び陰極面部の間における電解生成ガスの滞留時間が短くなり、電解生成ガスの体積占有率を下げることができ、電解時の過電圧を抑制することができる。
同時に、陰極面部のジグザク形状部の凹部の谷部に、電解生成金属が入り込むスペースがあることで、狭い陽極面部及び陰極面部の間に電解生成金属が存在することによる短絡を抑制することができる。また、陰極面部のジグザク形状部の凹部の谷部に、電解生成金属が集まると、電解生成金属は合一しやすくなり、その合一した電解生成金属の流下速度は増大され得る。このように、電解生成金属の流下速度が大きくなると、陽極面部及び陰極面部の間における電解生成金属の滞留時間が短くなり、電解時の短絡をより確実に抑制することができる。かかる陰極面部側の効果は、溶融塩の比重よりも電解生成金属の比重がより大きい系においては、電解生成金属が溶融塩中で確実に沈むため、より顕著なものとなる。また、かかる陽極面部側の効果及び陰極面部側の効果は、電解時における電力源単位の向上に結びつくものである。
本発明の第2の局面における溶融塩電解装置によれば、陽極面部及び陰極面部のジグザグ形状部の傾斜角度が、各々、10度以上50度以下の範囲内に設定され、ジグザグ形状部のジグザグ角度が、各々、5度以上45度以下の範囲に設定されている。
このように、ジグザグ形状部の傾斜角度が、各々、10度以上に設定されることにより、電解生成ガスを対応する凹部に沿って確実に上昇させ始めることができると共に、電解生成金属を対応する凹部に沿って確実に流下させ始めることができる。一方で、ジグザグ形状部の傾斜角度が、各々、50度以下に設定されることにより、電解生成ガスにおける対応する凹部に沿った必要な上昇速度を維持することができると共に、電解生成金属における対応する凹部に沿った必要な流下速度を維持することができる。つまり、陽極面部及び陰極面部のジグザグ形状部の傾斜角度が、各々、10度以上50度以下の範囲内に設定されることにより、陽極面部及び陰極面部の間において、電解生成ガスや電解生成金属の必要な移動を図りながら、それらの滞留時間を短く維持して電解電流効率を向上することができる。
また、ジグザグ形状部のジグザグ角度が、各々、5度以上に設定されることにより、電解生成ガスを凹部に確実に集め始めることができると共に、電解生成金属を凹部に確実に集め始めることができる。一方で、ジグザグ形状部のジグザグ角度が、各々、45度以下に設定されることにより、凹部内の容積を狭めずに所要に確保することができ、電解生成ガスを凹部に確実に相対的に多く集めることができると共に、電解生成金属を凹部に確実に相対的に多く集めることができる。つまり、ジグザグ形状部のジグザグ角度が、各々、5度以上45度以下の範囲に設定されることにより、陽極面部及び陰極面部の間において、電解生成ガスや電解生成金属を確実に集中して集めることができると共に、それらの集められる量も相対的に多くすることができる。
本発明の第3の局面における溶融塩電解装置によれば、凹部が、溝であることにより、溶融塩である電解液をかかる溝には侵入させ難くすると共に、電解生成ガスや電解生成金属をかかる溝に確実に取り込んで不要に拡散しないように集めることができる。また、かかる溝の幅を0.5mm以上に設定することにより、そこに電解生成ガスや電解生成金属を確実に取り込むことができる。また、かかる溝の幅の合計を、対応する陽極又は陰極の幅の20%以下に設定することにより、電極面部としての機能が劣る傾向の強い溝の幅を制限して、有効電解面積の不要な低下を抑制することができる。
本発明の第4の局面における溶融塩電解装置によれば、溝の幅が、その深さ方向に拡幅されることにより、陽極面部及び陰極面部の各表面における溝の幅は小さいままに保つこ
とができるので、有効電解面積の不要な低下を抑えつつ、溝に入る電解生成ガスや電解生成金属の体積を増やすことができるので、過電圧抑制効果や短絡抑制効果を高めることができる。
本発明の第5の局面における溶融塩電解装置によれば、陽極面部の凹部である溝が、その深さ方向の底部に、分岐溝又は突起を有することにより、溶融塩である電解液が、かかる分岐溝の内部又は突起間の内部にはより侵入し難くなるため、溝に入ることができる電解生成ガスや電解生成金属の体積を維持しながら、過電圧抑制効果や短絡抑制効果をより高めることができる。
本発明の第6の局面における溶融塩電解装置によれば、溝の上端部の周囲を囲うと共に、溶融塩の液面の上で開口する排出管を備えることにより、凹部に合一して集まった電解生成ガスが、一連のガス流れで溶融塩の液面上部の空間まで抜けて、電解生成ガスが溶融塩中から抜ける際に受ける抵抗を小さくすることができ、電解生成ガスの滞留時間を小さくして過電圧の発生をより確実に抑制することができる。
本発明の第7の局面における溶融塩電解装置によれば、排出管の材質が、アルミナ、ムライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素、グラファイト及び石英のいずれかであることにより、排出管が、溶融塩中で厳しい腐食環境下におかれた状況であっても、高い耐腐食性を発揮することができると共に、かかる材質は絶縁物であるために、電解の際の電流の流れに不要な影響を与えることを排することができる。
本発明の第8の局面における溶融塩電解装置によれば、陽極面部及び陰極面部は、互いに平行であり、それらの間に電解反応空間が画成されることにより、簡便かつ安定的に構成し易い装置態様で、確実に高電流効率で溶融塩の電解を行うことができる。
本発明の第9の局面における溶融塩電解装置によれば、陽極面部及び陰極面部の間の距離が、1mm以上5mm以下であることにより、陽極面部及び陰極面部の間の距離を狭めて溶融塩である電解液の液抵抗による発熱を抑制することができて、電解時の必要電圧を大幅に小さくでき、電力原単位を大きく改善できる。
本発明の第10の局面における溶融塩電解装置によれば、陽極及び陰極の材質が、グラファイトを90重量%以上含有することにより、電極の耐腐食性や耐熱性を高く維持しながら、確実に溶融塩の電解を行うことができる。
本発明の第11の局面における溶融塩電解装置によれば、更に、陽極及び陰極の外周を、電解反応空間の上下を除いて全体的に覆う絶縁外装を備えることにより、電解反応時の不要な漏れ電流を抑制することができると共に、溶融塩中で厳しい腐食環境下におかれた状況であっても、陽極及び陰極を確実に保護しながら、確実に溶融塩の電解を行うことができる。
本発明の第12の局面における溶融塩電解装置によれば、絶縁外装の材質が、アルミナ、ムライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素、グラファイト及び石英のいずれかであることにより、電極ユニットが、溶融塩中で厳しい腐食環境下におかれた状況であっても、高い耐腐食性を発揮することができると共に、かかる材質は絶縁物であるために、電解反応時の不要な漏れ電流を確実に抑制することができる。
本発明の第13の局面における溶融塩電解装置によれば、溶融塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム及び塩化亜鉛のいずれかを含む場合であっても、電解生成ガスを電極ユニットの上方に抜く
と共に、電解生成金属を電極ユニットの下方に抜きながら、確実に溶融塩の電解を行うことができる。
本発明の第14の局面における溶融塩電解装置によれば、溶融塩が、塩化亜鉛を含む単独塩系であることにより、溶融塩に混合塩系を採用することなく、塩素ガスを確実に集めながら電極ユニットの上方に抜くと共に、溶融塩化亜鉛の比重よりも格段に重い比重を呈する溶融亜鉛をより確実に集めて電極ユニットの下方に抜きながら、確実に溶融塩の電解を行うことができる。
図1は、本発明の実施形態における溶融塩電解装置の概略縦断面図である。 図2(a)は、本実施形態における溶融塩電解装置の陰極をz軸の負方向に見た上面図であり、図2(b)は、かかる陰極をx軸の正方向に見た正面図である。 図3(a)は、本実施形態における溶融塩電解装置の陰極をy軸の正方向に見た側面図であり、図3(b)は、図2(a)のA−A断面図であると共に図2(b)のA’−A’断面図であり、図3(c)は、図2(a)のB−B断面図であると共に図2(b)のB’−B’断面図である。 図4(a)は、図3(a)のC−C断面図であり、図4(b)は、図4(a)の部分拡大図である。 図5は、本実施形態における溶融塩電解装置の陽極の縦断面図であり、陰極に関して示した図3(b)と同様の断面態様で示す。 図6(a)は、本実施形態における溶融塩電解装置の第1の中間電極の縦断面図であり、陰極に関して示した図3(b)と同様の断面態様で示し、図6(b)は、図6(a)のD−D断面図である。 図7(a)から図7(d)は、各々、本実施形態の変形例又は別の変形例における溶融塩電解装置の陽極の部分拡大斜断面図であり、陰極に関して示した図4(b)と同様の斜断面態様でもって示す。 図8(a)は、本実施形態の別の変形例における溶融塩電解装置の陰極の縦断面図であり、位置的には図3(b)に相当し、図8(b)は、かかる陰極の縦断面図であり、位置的には図3(c)に相当する。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における溶融塩電解装置及び方法につき、詳細に説明する。なお、図中、x、y、z軸は、3軸直交座標系を成し、z方向が上下方向であって鉛直方向に相当する。
図1は、本実施形態における溶融塩電解装置の概略縦断面図である。
図1に示すように、溶融塩電解装置Sは、電解槽10中に電解液としての溶融塩20を収容自在であり、かかる溶融塩20中に電極ユニットUを浸漬自在とした基本構成を有する。
具体的には、溶融塩20は、典型的には溶融された塩化亜鉛である溶融金属塩化物から成る単独塩系であり、図示を省略する外部ヒータにより電解槽10が加熱されることに応じて、金属塩が塩化亜鉛である場合には塩化亜鉛の融点及び亜鉛の融点以上の温度に加熱されて維持されている。対応して、電解槽10は、かかる高温の溶融塩20を収容するに足る耐熱性及び耐食性を呈する材料及び構成を有する。なお、かかる溶融塩20としては、太陽電池用ポリシリコンの製造方法の一つである亜鉛還元法に適応可能な塩化亜鉛の他に、溶融塩電解装置Sの機能を発揮する上で、原理的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム及び塩化マグネシウムを用いるこ
とが可能であり、場合によっては、更に第二成分を加えた混合塩系にしてもかまわない。
電極ユニットUは、陽極30及びx軸の方向で陽極30に対向する陰極40、陽極30と陰極40との間にx軸の方向で互いに隣接対向して配設された第1の中間電極50及び第2の中間電極60を備える。電極ユニットUは、更に、陽極30、陰極40、第1の中間電極50及び第2の中間電極60の外周を実質全体的に覆う絶縁外装70を備えてもよい。かかる陽極30、陰極40、第1の中間電極50及び第2の中間電極60は、DSE(Dimensionally Stable Electrode)と呼ばれる寸法安定電極であり、グラファイトを90重量%以上含有することが好ましい。また、絶縁外装70の材質は、アルミナ、ムライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素、グラファイト及び石英のいずれかであることが好ましい。なお、第1の中間電極50及び第2の中間電極60等の中間電極の個数は、任意であり、場合によっては個数がゼロ、つまり中間電極は設けなくともよい。
陽極30及び陰極40は、典型的にはその縦断面で台形状であり、互いに天地を逆にして溶融塩20中に配設されると共に、陽極30及び陰極40には、電極棒80a及び80bが対応して接続されて電解電流が供給される。陽極30は、x軸の正方向側で陽極面部30aを有し、陽極面部30aは、その縦断面において下向きになった傾斜面等を成す。一方で、陰極40は、x軸の負方向側で陰極面部40bを有し、陰極面部40bは、その縦断面において上向きになった傾斜面等を成す。また、かかる陽極面部30a及び陰極面部40bは、実質的に同一の表面積を有すると共に、互いに平行であって所定の間隔で対向する。ここで、第1の中間電極50及び第2の中間電極60といった中間電極が設けられていない場合には、かかる陽極面部30a及び陰極面部40bは、直接的に対向して、それらの対応する陰極面部及び陽極面部との間で電解反応空間を画成すると共に電極面部として各々機能するジグザグ形状部ZGを有する。
ここで、陰極40について、更に図2から図4をも参照して詳細に説明する。
図2(a)は、本実施形態における溶融塩電解装置の陰極をz軸の負方向に見た上面図であり、図2(b)は、かかる陰極をx軸の正方向に見た正面図である。図3(a)は、かかる陰極をy軸の正方向に見た側面図であり、図3(b)は、図2(a)のA−A断面図であると共に図2(b)のA’−A’断面図であり、図3(c)は、図2(a)のB−B断面図であると共に図2(b)のB’−B’断面図である。また、図4(a)は、図3(a)のC−C断面図であり、図4(b)は、図4(a)の部分拡大図である。
図2から図4にも更に詳細に示すように、陰極40においては、互いに連なる第1の傾斜面42a及び第2の傾斜面42bを有して、z軸に対する第1の傾斜面42a及び第2の傾斜面42bの傾斜方向に垂直なx’方向(x軸の正方向であって、かつ、z軸の負方向に向くものとする)と反対方向に突設された凸部42と、一定の深さを呈する溝部であってx’方向に陥設された凹部44と、が、y軸の方向に互いに隣接しながら連なることにより、ジグザグ形状部ZGである陰極面部40bが構成される。一の凸部42において、第1の傾斜面42a及び第2の傾斜面42bの接続部は、陰極40の上面40c及び下面40dの間でx−z平面で正の傾きを持って上方に延在する稜部を成し、かかる第1の傾斜面42a及び第2の傾斜面42bは、それらが隣接すると共に陰極40の上面40c及び下面40dの間で稜部と同一の傾きを持って上方に延在する延在する凹部44に対して、各々傾斜しながら下降して連なる。
また、かかる溝部である凹部44の幅は、そこに電解生成金属を確実に取り込むためには、0.5mm以上に設定することが好ましい。また、かかる溝部である凹部44の幅の合計は、陰極面部としての機能が劣る傾向の強い溝部の幅を制限して、有効電解面積を必
要十分に確保するためには、陰極40の幅の20%以下に設定することが好ましい。
陰極40におけるy軸方向の両端部42t、42tにおいては、凸部42は、第1の傾斜面42a及び第2の傾斜面42bの双方を備えていなくともよく、図中では、y軸方向の正方向端部42tおいて、凸部42は、第2の傾斜面42bのみを有すると共に、y軸方向の負方向端部42tおいて、凸部42は、第1の傾斜面42aのみを有する構成例を示す。ジグザグ形状部ZGである陰極面部40bは、凸部42及び凹部44を各々所要個数備える構成である。その凸部42及び凹部44の最小構成単位では、1個の凸部42及びそれに各々隣接して連なる2個の凹部44を備える構成や、1個の凹部44及びそれに各々隣接して連なる2個の凸部42を備える構成が挙げられる。なお、凸部42は、y軸方向の正方向端部42tおいて、第2の傾斜面42bのみを有し、y軸方向の負方向端部42tおいて、第1の傾斜面42aのみを有するものであってもよい。また、凹部44は、y軸方向の正方向端部42tやy軸方向の負方向端部42tに隣接して配置されるものであってもよい。また、第1の傾斜面42a及び第2の傾斜面42bは、平面状のみならず湾曲面状であってもよい。
凹部44は、それらの上部で切欠き部46に連なる。切欠き部46は、陰極40の上面40cを陥設するように切り欠いた縦断面を有してy軸の方向に延在する切欠き部であり、典型的には、その縦断面で二等辺直角三角形状である。
陰極40においては、溶融塩20の電解により陰極面部40bで生成された電解生成金属は、溶融塩20中において、凸部42の第1の傾斜面42a及び第2の傾斜面42bに沿って流れ、それらが対応して連なる凹部44に集まり、このように集まった電解生成金属は合一して、対応する凹部44に沿って流下し、更に陰極40の下面40dを超えて流下して、より低い電解槽10の底部において溶融塩20中に溜められる。また、陰極面部40bの上端あたりで生成された電解生成金属が、仮に、上昇する電解生成気体に随伴して上方に移動したとしても、かかる電解生成金属は、第1の傾斜面42a及び第2の傾斜面42bが近接する部分における切欠き部46に流れ込むため、陰極面部40bと対応する陽極面部との間で画成される電解反応空間に向けて不要に拡散、又は陰極面部40bに蓄積することなく、切欠き部46に連続する凹部44に沿って流下可能である。つまり、かかる切欠き部46は、陰極40の上部に存在する電解生成金属を集めて凹部44に導く導入部として機能する。また、切欠き部46は、凹部44に向かって下降する傾斜面を有してもよい。
なお、凹部44は、一定の深さ及び幅を有して斜断面で矩形状の溝部として形成されているが、これに限定されるものではなく、凸部42の第1の傾斜面42a及び第2の傾斜面42bに沿って電解生成金属をより確実に集めて下方に送る確実性は多少減少するが、図4(b)に1点鎖線で示すように、第1の傾斜面42a及び第2の傾斜面42bの接続部が単に連なった谷部であってもよい。また、切欠き部46は、両端部42t、42tにおいて各々対応する第1の傾斜面42a及び第2の傾斜面42bの稜部を残して形成されているが、これに限定されるものではなく、電解生成金属を不要に横方向に漏らさずに下方に送る防壁的な機能は多少減少するが、両端部42t、42tを貫通して形成されていてもかまわない。また、陰極面部40bの上端あたりで生成されて上面40cに吹き上げられる電解生成金属が無視し得る場合には、切欠き部46を省略してもかまわない。
陽極30は、陰極40に比較して、溶融塩20中に配設される姿勢が逆であることの他に切欠き部や電極棒80a及び80bの取付け部の関連構造だけが相違するものであるため、その説明や図示等を適宜省略又は簡略化しながら、更に図5をも参照して、陽極30につき、詳細に説明する。
図5は、本実施形態における溶融塩電解装置の陽極の縦断面図であり、陰極に関して示した図3(b)と同様の断面態様で示す。
図5にも詳細に示すように、陽極30においては、互いに連なる第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有してx’方向に突設された凸部32と、一定の深さを呈する溝部であってx’方向と反対方向に陥設された凹部34と、が、y軸の方向に互いに隣接しながら連なることにより、ジグザグ形状部ZGである陽極面部30aが構成される。一の凸部32において、第1の傾斜面及び第2の傾斜面の接続部が、陽極30の上面30c及び下面30dの間でx−z平面で正の傾きを持って上方に延在する延在する稜部を成し、かかる第1の傾斜面及び第2の傾斜面が、それらが隣接すると共に陽極30の上面30c及び下面30dの間で稜部と同一の傾きを持って上方に延在する延在する凹部34に対して、各々傾斜しながら下降して連なる態様は、陰極40におけるものと同様である。また、凹部34の形状は、陰極40における凹部44のものと同じである。
但し、かかる陽極面部30aにおける凸部32は、陰極40の陰極面部40bにおける凹部44と対向すべきであると共に、かかる陽極面部30aにおける凹部34は、陰極40の陰極面部40bにおける凸部42と対向すべきであるため、陽極30の陽極面部30aにおけるジグザグ形状部ZGは、陰極40の陰極面部40bにおけるジグザグ形状部ZGに対して、その分だけy軸の方向における凸部及び凹部の配設位相がずれることになる。これに対応して、陽極30の陽極面部30aにおけるジグザグ形状部ZGのy軸方向の両端部における構成や、陰極40の陰極面部40bにおけるジグザグ形状部ZGの凸部42及び凹部44が最小構成単位である場合の陽極30の陽極面部30aにおけるジグザグ形状部ZGにおける構成も規定される。
また、溝部である凹部34の幅は、そこに電解生成ガスを確実に取り込むためには、0.5mm以上に設定することが好ましい。また、かかる溝部である凹部34の幅の合計は、陽極面部としての機能が劣る傾向の強い溝部の幅を制限して、有効電解面積を必要十分に確保するためには、陽極30の幅の20%以下に設定することが好ましい。
また、凹部34は、一定の深さ及び幅を有して斜断面で矩形状の溝部として形成されているが、これに限定されるものではなく、陰極面部40bにおける凹部44と同様に、第1の傾斜面及び第2の傾斜面の接続部が単に連なった谷部であってもよい。また、陰極40に設けた切欠き部46のような切欠き部に関しては、機能上は、陽極30に設ける必要はない。
陽極30においては、溶融塩20の電解により陽極面部30aで生成された電解生成ガスは、溶融塩20中において、凸部32の第1の傾斜面32a及び第2の傾斜面32bに沿って、それらが対応して連なる凹部34に集まり、このように集まった電解生成ガスは、その気泡を合一しながら対応する凹部34に沿って上昇して、陽極30の上面30cを超えて上昇し、溶融塩20の液面20aから外方に放出される。なお、第1の傾斜面32a及び第2の傾斜面32bは、便宜上、図7中に図示する。
第1の中間電極50及び第2の中間電極60は、各々、陽極30及び陰極40と同様の陽極面部50a、60aや陰極面部50b、60bを有する同一の構成を備えて、同じ姿勢で溶融塩20中に配設される典型的には縦断面で菱形状のものであるため、その説明や図示等を適宜省略又は簡略化しながら、更に図6をも参照して、第1の中間電極50につき、代表的に詳細に説明する。
図6(a)は、本実施形態における溶融塩電解装置の第1の中間電極の縦断面図であり、陰極に関して示した図3(b)と同様の断面態様で示し、図6(b)は、図6(a)の
D−D断面図である。
図6にも更に詳細に示すように、第1の中間電極50においては、互いに連なる第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有してx’方向と反対方向に突設された凸部52と、一定の深さ及び幅を有して斜断面で矩形状の溝部であってx’方向に陥設されたる凹部54と、が、y軸の方向に互いに隣接しながら連なることにより、ジグザグ形状部ZGである陰極面部50bが構成される。かかる陰極面部50bは、陰極40における陰極面部40bと同様の構成であり、一の凸部52において、第1の傾斜面及び第2の傾斜面の接続部は、第1の中間電極50の上面50c及び下面50dの間でx−z平面で正の傾きを持って上方に延在する延在する稜部を成し、かかる第1の傾斜面及び第2の傾斜面は、それらが隣接すると共に第1の中間電極50の上面50c及び下面50dの間で稜部と同一の傾きを持って上方に延在する凹部54に対して、各々傾斜しながら下降して連なる。また、かかる凸部52及び凹部54は、それらの上部で切欠き部56に連なる。かかる態様は、陰極40におけるものと同様である。
また、第1の中間電極50においては、互いに連なる第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有してx’方向に突設された凸部52’と、一定の深さ及び幅を有して斜断面で矩形状の溝部であってx’方向と反対方向に陥設された凹部54’と、が、y軸の方向に互いに隣接しながら連なることにより、ジグザグ形状部ZGである陽極面部50aが構成される。かかる陽極面部50aは、陽極30における陽極面部30aと同様の構成であり、一の凸部52’において、第1の傾斜面及び第2の傾斜面の接続部が、第1の中間電極50の上面50c及び下面50dの間でx−z平面で正の傾きを持って上方に延在する稜部を成し、かかる第1の傾斜面及び第2の傾斜面が、それらが隣接すると共に第1の中間電極50の上面50c及び下面50dの間で稜部と同一の傾きを持って上方に延在する延在する凹部54’に対して、各々傾斜しながら下降して連なる。かかる態様は、陽極30におけるものと同様である。
ここで、第1の中間電極50の陰極面部50bは、陽極30の陽極面部30aと互いに平行であって所定の間隔で対向し、陽極面部30aとの間に電解反応空間を画成すると共に、第1の中間電極50の陽極面部50aは、第2の中間電極60の陰極面部60bと互いに平行であって所定の間隔で対向し、陰極面部60bとの間に電解反応空間を画成する。また、第2の中間電極60の陽極面部60aは、陰極40の陰極面部40bと互いに平行であって所定の間隔で対向し、陰極面部40bとの間に電解反応空間を画成する。
第1の中間電極50においては、溶融塩20の電解により陽極面部50aで生成された電解生成ガスは、溶融塩20中において、対応して、凸部52’の第1の傾斜面及び第2の傾斜面に沿って、それらが対応して連なる凹部54’に集まり、このように集まった電解生成ガスは、対応する凹部54’に沿って気泡を合一しながら上昇して、第1の中間電極50の上面50cを超えて上昇し、溶融塩20の液面20aから外方に放出される。一方で、溶融塩20の電解により陰極面部50bで生成された電解生成金属は、溶融塩20中において、凸部52の第1の傾斜面及び第2の傾斜面に沿って流れ、それらが対応して連なる凹部54に集まり、このように集まった電解生成金属は、対応する凹部54に沿って流下し、更に第1の中間電極50の下面50dを超えて流下して、より低い電解槽10の底部において溶融塩20中に溜められる。
同様に、第2の中間電極60においては、溶融塩20の電解により陽極面部60aで生成された電解生成ガスは、集まりながら上昇して、その上面60cを超えて上昇し、溶融塩20の液面20aから外方に放出される。一方で、溶融塩20の電解により陰極面部60bで生成された電解生成金属は、集まりながら流下して、その下面60dを超えて流下し、より低い電解槽10の底部において溶融塩20中に溜められる。
ここで、陽極30の陽極面部30a、第1の中間電極50の陽極面部50a及び第2の中間電極60の陽極面部60a、並びに陰極40の陰極面部40b、第1の中間電極50の陰極面部50b及び第2の中間電極60の陰極面部60bにおけるジグザグ形状部ZGの傾斜角度(z軸に対する角度)αは、各々、10度以上50度以下の範囲にあることが好適である。かかる傾斜角度αは、図1中では、陽極30の陽極面部30aにおいて代表的に示す。
というのは、ジグザグ形状部ZGの傾斜角度αが、各々、10度以上に設定されることにより、電解生成ガスを対応する凹部に沿って確実に上昇させ始めることができると共に、電解生成金属を対応する凹部に沿って確実に流下させ始めることができるからである。併せて、ジグザグ形状部ZGの傾斜角度αが、各々、50度以下に設定されることにより、電解生成ガスにおける対応する凹部に沿った必要な上昇速度を維持することができると共に、電解生成金属における対応する凹部に沿った必要な流下速度を維持することができるからである。つまり、陽極面部及び陰極面部のジグザグ形状部ZGの傾斜角度αが、各々、10度以上50度以下の範囲内に設定されることにより、互いに対応する陽極面部及び陰極面部の間において、電解生成ガスや電解生成金属の必要な移動を図りながら、それらの滞留時間を短く維持して良好な電解電流効率を実現することができるからである。
また、これらの陽極面部30a等及び陰極面部40b等における第1の傾斜面32a、42a等及び第2の傾斜面32b、等42bが成すジグザグ角度(斜断面におけるy軸に対する角度)βは、5度以上45度以下の範囲にあることが好適である。かかるジグザク角度βは、図4(a)及び図6(b)において代表的に示す。
というのは、ジグザグ形状部ZGのジグザグ角度βが、各々、5度以上に設定されることにより、電解生成ガスを対応する凹部に確実に集め始めることができると共に、電解生成金属を対応する凹部に確実に集め始めることができるからである。併せて、ジグザグ形状部ZGのジグザグ角度βが、各々、45度以下に設定されることにより、対応する凹部内の容積を過剰に狭めずに所要容積に確保することができ、電解生成ガスを対応する凹部に確実に相対的に多く集めることができると共に、電解生成金属を対応する凹部に確実に相対的に多く集めることができるからである。つまり、ジグザグ形状部ZGのジグザグ角度βが、各々、5度以上45度以下の範囲に設定されることにより、陽極面部及び陰極面部の間において、電解生成ガスや電解生成金属を確実に集中して集めることができると共に、それらの集められる量も相対的に多くすることができるからである。
また、再び、図1を参照すると、絶縁外装70は、陽極30、陰極40、第1の中間電極50及び第2の中間電極60の外周を全体的に覆うものであるが、これらの電極の間に画成される電解反応空間、これらの電極の陽極面部のジグザグ形状部ZGにおける凹部の上端部、及びこれらの電極の陰極面部のジグザグ形状部ZGにおける凹部の下端部を含むように対応した形状を各々有する上方開口70a及び下方開口70bを備える。
具体的には、かかる上方開口70a及び下方開口70bは、陽極30の陽極面部30aと第1の中間電極50の陰極面部50bとの間に画成される電解反応空間、第1の中間電極50の陽極面部50aと第2の中間電極60の陰極面部60bとの間に画成される電解反応空間、及び第2の中間電極60の陽極面部60aと陰極40の陰極面部40bとの間に画成される電解反応空間に対応して設けられており、上方開口70aは、これらの電解反応空間の上方に対応して配置される一方で、下方開口70bは、これらの電解反応空間の下方に対応して配置される。溶融塩20の電解により陽極面部30a、50a、60aで生成され各々集合して上昇する電解生成ガスは、上方開口70aを各々介して電極ユニットU外に排出されて上昇し、溶融塩20の液面20aから外方に放出される。一方で、
溶融塩20の電解により陰極面部40b、50b、60bで生成され各々集合して流下する電解生成金属は、下方開口70bを各々介して電極ユニットU外に排出されて流下し、より低い電解槽10の底部において溶融塩20中に溜められる。
なお、以上説明したジグザグ形状部ZGは、陽極30の陽極面部30a、第1の中間電極50の陽極面部50a及び第2の中間電極60の陽極面部60a、並びに陰極40の陰極面部40b、第1の中間電極50の陰極面部50b及び第2の中間電極60の陰極面部60bの全てではなく、必要に応じ、そのいずれかに選択的に設けてもかまわない。
ついで、以上の構成の溶融塩電解装置Sを用いて、溶融塩を電解する電解方法につき、詳細に説明する。なお、かかる電解方法の一連の工程は、各種センサからの検出データを参照しながら各種データベース等を有するコントローラで自動制御してもよいし、一部又は全部を手動で行ってもよい。
まず、電解槽10の内部に、電極ユニットUを所定位置に配置して固定すると共に、電極ユニットUを完全に沈め切るように所定の液面高さまで溶融塩20を満たす。溶融塩20としては、各々の溶融状態において、溶融金属とその溶融金属塩化物との比重差が大きく、電解生成金属の流れと電解生成ガスの流れとの分離を簡便かつ確実に行い得る溶融塩化亜鉛を用いた。
次に、電極棒80a及び80bを介して、陽極30及び陰極40間に電解電流を流し始める。
すると、陽極30においては、陽極30の陽極面部30aと第1の中間電極50の陰極面部50bとの間に画成される電解反応空間における溶融塩20の電解により、陽極面部30aで電解生成ガスが生成され、このように生成された電解生成ガスは、溶融塩20中において、凸部32の第1の傾斜面32a及び第2の傾斜面32bに沿って、それらが対応して連なる凹部34に集まり、このように集まった電解生成ガスは、対応する凹部34に沿って上昇し、陽極30の上面30cを超えて絶縁外装70の上方開口70aを介して電極ユニットU外に排出されて更に上昇して、溶融塩20の液面20aから外方に放出される。かかる現象は、第1の中間電極50の陽極面部50a及び第2の中間電極60の陽極面部60aにおいて同様である。
同時に、陰極40においては、第2の中間電極60の陽極面部60aと陰極40の陰極面部40bとの間に画成される電解反応空間における溶融塩20の電解により、陰極面部40bで電解生成金属が生成される。このように生成された電解生成金属は、溶融塩20中において、凸部42の第1の傾斜面42a及び第2の傾斜面42bに沿って流れ、それらが対応して連なる凹部44に集まり、このように集まった電解生成金属は、対応する凹部44に沿って流下し、陰極40の下面40dを超えて絶縁外装70の下方開口70bを介して電極ユニットU外に排出されて更に流下して、より低い電解槽10の底部において溶融塩20中に溜められる。かかる現象は、第1の中間電極50の陰極面部50b及び第2の中間電極60の陰極面部60bにおいて同様である。
そして、所定の電解時間が経過したならば、電極棒80a及び80bを介して、陽極30及び陰極40間に流していた電解電流を停止して、今回の一連の工程は終了する。かかる一連の工程の結果、溶融塩20の上方では、電解生成ガスが得られると共に、電解槽10の底部においては、電解生成金属が得られる。
次に、本実施形態における溶融塩電解装置Sにおける電極ユニットUの各変形例につき、図面を適宜参照して、詳細に説明する。かかる各変形例においては、特記する構成以外
は、以上説明してきた実施形態の構成と同一であるため、その説明や図示等を適宜省略又は簡略化する。
図7(a)から図7(d)は、各々、本実施形態の各変形例における溶融塩電解装置の陽極の部分拡大斜断面図であり、陰極に関して示した図4(b)と同様の斜断面態様でもって示す。
図7(a)で示す変形例では、陽極130の凹部34自体は、図5で示した構成と同じであるが、更に、その最深部で放射方向に延在する複数の分岐溝34a、34b、34cを有する。併せて、図1にも示すが、かかる分岐溝34a、34b、34cを有する凹部34には、それらを囲うように排出管Pが接続される。排出管Pは、このように分岐溝34a、34b、34cを有する凹部134にその内部を連通して陽極130に取り付けられると共に、溶融塩20の液面20aを超えてその上方で開口する。排出管Pの材質は、アルミナ、ムライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素、グラファイト及び石英のいずれかであることが好ましい。また、かかる排出管Pは、図5で示した分岐溝無しの凹部34を有する陽極30に対しても適用可能である。なお、排出管Pは、図中、1点鎖線で示す。
図7(b)で示す別の変形例では、陽極230の凹部134は、その開口端部でのy軸方向の幅は陽極30、130の凹部34のものと同じであるが、その深さ方向に行くに従って拡幅された縦断面形状を有する。本別の変形例でも、同様に、かかる凹部34には、それを囲うように排出管Pが接続される。
図7(c)で示す別の変形例では、陽極330の凹部134は、その深さ方向に行くに従って漸増的に拡幅された縦断面形状を有すると共に、その最深部で放射方向に延在する複数の分岐溝134a、134b、134cを有する。本別の変形例でも、同様に、かかる複数の分岐溝134a、134b、134cを有する凹部134には、それを囲うように排出管Pが接続される。
図7(d)で示す変形例では、陽極430の凹部34自体は、図5及び図7(a)で示した構成と同じであるが、更に、その最深部からx’方向に突出する複数の突起34a’、34b’、34c’を有する。本別の変形例でも、同様に、かかる複数の突起34a’、34b’、34c’を有する凹部34には、それを囲うように排出管Pが接続される。
以上の構成の各比較例の構成においては、溶融塩20の電解により、陽極面部30aで電解生成ガスが生成され、このように生成された電解生成ガスは、溶融塩20中において、凸部32の第1の傾斜面32a及び第2の傾斜面32bに沿って、それらが対応して連なる分岐溝34a、34b、34cを有する凹部34、凹部134及び分岐溝134a、134b、134cを有する凹部134に対応して集まり、このように集まった電解生成ガスは、対応する分岐溝34a、34b、34cを有する凹部34、凹部134及び分岐溝134a、134b、134cを有する凹部134に沿って上昇し、陽極30の上面30cを超えて絶縁外装70の上方開口70aを介して排出管P内に至り、排出管P内を上昇して、溶融塩20の液面20aから外方に放出される。
ここで、図7(a)で示す変形例における陽極130の凹部34は、分岐溝34a、34b、34cを有するものであるため、電解生成ガスをより確実に分岐溝34a、34b、34c内に留めながら上昇させると共に、溶融塩20が分岐溝34a、34b、34cの奥まで侵入し難くなり、電解生成ガスの上昇速度を低下させる要因となる分岐溝34a、34b、34c溝内での気液混合状態が現出し難くなる。図7(b)で示す別の変形例における陽極230の凹部134は、その深さ方向に行くに従って漸増的に拡幅された縦断面形状を有するものであるため、電解生成ガスをより確実に凹部134内に留めながら
上昇させる。また、図7(c)で示す別の変形例における陽極330の凹部134は、その深さ方向に行くに従って漸増的に拡幅された縦断面形状を有することに加えて分岐溝134a、134b、134cを有するものであるため、電解生成ガスを更により確実に分岐溝134a、134b、134cを有する凹部134内に留めながら上昇させる。また、図7(d)で示す別の変形例における陽極430の凹部34は、突起34a’、34b’、34c’を有するものであるため、電解生成ガスをより確実に突起34a’、34b’、34c’間の溝内に留めながら上昇させると共に、溶融塩20がかかる溝の奥まで侵入し難くなり、電解生成ガスの上昇速度を低下させる要因となる溝内での気液混合状態が現出し難くなる。ここで、電解生成ガスをより確実に突起34a’、34b’、34c’間の溝内に留めながら上昇させると共に、溶融塩20がかかる溝の奥まで侵入することを抑制して気液混合状態の発生を抑制する見地からは、突起34a’、34b’、34c’の幅の合計が、陽極面部32の幅の30%以下に設定されることが好ましい。
なお、以上の各変形例の構成は、図1に各排出管Pを示すように、第1の中間電極50の陽極面部50a及び第2の中間電極60の陽極面部60aに適用してもよい。
また、図7(b)に示す拡幅された凹部134自体の形状は、陰極40の陰極面部40b、第1の中間電極50の陰極面部50b及び第2の中間電極60の陰極面部60bに適用してもよい。
図8(a)は、本実施形態の別の変形例における溶融塩電解装置の陰極の縦断面図であり、位置的には図3(b)に相当し、図8(b)は、かかる陰極の縦断面図であり、位置的には図3(c)に相当する。
図8に示す別の変形例では、陰極140は、図2から図4で示した陰極40とは異なり、切欠き部46は設けられておらず、閉塞部146及び閉塞部146を貫通した貫通孔148を設けた構成を有する。
具体的には、閉塞部146は、凹部44の上方を塞ぐ突出部である。貫通孔148は、閉塞部146中を貫通して、それを介して凹部44を上面40cに向けて開口させる。
かかる変形例においては、溶融塩20の電解により陰極面部40b等で生成された電解生成金属が、仮に上方に移動して陰極140の上面40cに滞留したとしても、かかる電解生成金属は、貫通孔148に流れ込むため、陰極面部40bと対応する陽極面部との間で画成される電解反応空間に向かって不要に拡散することなく、貫通孔148を介して凹部44に沿って流下可能である。つまり、かかる貫通孔148は、陰極40の上部に存在する電解生成金属を集めて凹部44に導く導入部として機能する。また、上面40cにおける貫通孔148の開口の周りで上面40cを座ぐった座ぐり部を設けることも可能である。かかる構成では、上面40cに滞留した電解生成金属を、座ぐり部を介して貫通孔148に導入し、下方に流下させ易くなる。
なお、かかる変形例の構成は、陰極40の陰極面部40b、第1の中間電極50の陰極面部50b及び第2の中間電極60の陰極面部60bに各々適用してもよい。
次に、種々の変形例を含む本実施形態における各実験例につき、各比較例をも参照しながら詳細に説明する。
以下の(表1)に示すように、比較例A、B及び実験例CからEでは、いずれも、電極ユニットUは、陽極30、陰極40、第1の中間電極50及び第2の中間電極60を有する複極式とし、電極傾斜として示す陽極30の陽極面部30a、第1の中間電極50の陽
極面部50a及び第2の中間電極60の陽極面部60a、並びに陰極40の陰極面部40b、第1の中間電極50の陰極面部50b及び第2の中間電極60の陰極面部60bの大きさは各々等しく設定して、それらの傾斜角度αは、45℃に設定した。
また、比較例A、B及び実験例CからEでは、いずれも、溶融塩20には、溶融塩化亜鉛を単独塩系で用い、その温度は、550℃で一定に保つように制御し、電解電流密度は、0.55A/cmの一定値に設定した。かかる溶融塩化亜鉛の比重は、電解生成金属である溶融亜鉛の比重よりも大きいため、溶融塩化亜鉛の電解反応では、電解生成金属である溶融亜鉛は、電解液である溶融塩化亜鉛中で下方に沈んでいく。陽極30、陰極40、第1の中間電極50及び第2の中間電極60は、グラファイト製とし、絶縁外装70は、アルミナ製とした。
具体的には、比較例Aでは、電極間隔として各々示す陽極30の陽極面部30aと第1の中間電極50の陰極面部50bとの間隔、第1の中間電極50の陽極面部50aと第2の中間電極60の陰極面部60bとの間隔、並びに第2の中間電極60の陽極面部60aと陰極40の陰極面部40bとの間隔を10mmとし、陽極30の陽極面部30a、第1の中間電極50の陽極面部50a及び第2の中間電極60の陽極面部60a、並びに陰極40の陰極面部40b、第1の中間電極50の陰極面部50b及び第2の中間電極60の陰極面部60bには、ジグザグ形状部ZGは設けられておらず、対応して陽極面部30a、陽極面部50a及び陽極面部60a、並びに陰極面部40b、陰極面部50b及び陰極面部60bの全てには、凸部32等及び凹部32等は設けられていない。また、比較例Bでは、比較例1に対して、電極間隔を1mmとしたことが相違点であり、その他の点では同一である。
比較例Aに対して比較例Bを比べると、比較例Bにおいては、電流効率が、83.0%から28.1%に低下している。これは、電極間隔が10mmから1mmに小さくなることで、陽極面部30a、50a、60a側から生成する塩素ガスと陰極面部40b、50b、60b側から生成する溶融亜鉛の接触機会が増大することに起因する逆反応の増大によるものと考えられる。また、このように電極間隔が10mmから1mmに小さくなることで、過電圧が、0.0Vから、2.5Vへと増大している。ここで、過電圧は、塩化亜鉛の液抵抗及び分解電圧から計算される理論電解電圧と実際の電解電圧との差とした。つまり、1mmという小さな電極間隔では、正常な溶融塩電解が、一般的には不可能であることを示している。
実験例Cでは、比較例Bに対して、陽極30の陽極面部30a、第1の中間電極50の陽極面部50a及び第2の中間電極60の陽極面部60a、並びに陰極40の陰極面部40b、第1の中間電極50の陰極面部50b及び第2の中間電極60の陰極面部60bにジグザグ形状部ZGを各々設けたことが相違点であり、その他の点では同一である。かかるジグザグ形状部ZGのジグザグ角は、いずれも10度に設定し、それらの凹部34等は、いずれも溝を有さない第1の傾斜面42a等及び第2の傾斜面42b等間が単純に交差する谷部に設定した。
比較例Bに対して実験例Cを比べると、実験例Cにおいては、電流効率が、28.1%から48.5%へと大幅に向上されている。これは、陽極面部30a、50a、60a及び陰極面部40b、50b、60bの全てにジグザグ形状部が付与されていることで、陽極面部30a、50a、60aの凸部32等から凹部34等には塩素ガスが集まる一方で、陰極面部40b、50b、60bの凸部42等から凹部44等には溶融亜鉛が集まるため、塩素ガスと溶融亜鉛との分離効果が増大し、逆反応が抑制されたためと考えられる。併せて、過電圧も、2.5Vから1.8Vへ低減されている。これは、塩素ガスが、陽極面部30a、50a、60aの凹部34等に集まりながら合一して抜けることで、塩素ガ
スの抜けが速くなったためと考えられる。そして、これらの事象が合わさって、結果として、亜鉛を生成するための電力原単位(電力効率)が、5.33k・Wh/kg(Zn)から3.87kW・h/kg(Zn)へ向上されており、陽極面部30a、50a、60a及び陰極面部40b、50b、60bの全てにジグザグ形状部ZGを付与した効果が現れている。
実験例Dでは、実験例Cに対して、陰極40の陰極面部40b、第1の中間電極50の陰極面部50b及び第2の中間電極60の陰極面部60bにおいて、それらの凹部44等を溝部として構成したことが相違点であり、その他の点では同一である。かかる溝部は、代表的に図4で示すように、斜断面で矩形状とし、溝部の幅は、0.5mm以上であって、かつ、それらの総和が陰極面部50b等の幅の20%以下になる範囲で所定値に設定した。
実験例Cに対して実験例Dを比べると、電流効率が、48.5%から61.3%へと更に向上されている。これは、陰極面部40b、50b、60bの凹部44等が溝部として構成されていることで、陰極面部40b、50b、60bの溝部である凹部44等に溶融亜鉛がより効果的に集まるため、塩素ガスと溶融亜鉛との分離効果がより増大し、逆反応が抑制されたためと考えられる。一方で、過電圧は、1.8Vから1.7Vへ若干低減されているものの実験例Cの値とほぼ同等である。これは、陽極面部30a、50a、60aのジグザグ形状部ZGが実験例Cにおける単純な谷部のままであるため、塩素ガスの抜け自体には変化がないためと考えられる。そして、これらの事象が合わさって、結果として、亜鉛を生成するための電力原単位が、3.87k・Wh/kg(Zn)から3.09kW・h/kg(Zn)へ向上されている。
実験例Eでは、実験例Dに対して、陽極30の陽極面部30a、第1の中間電極50の陽極面部50a及び第2の中間電極60の陽極面部60aにおいて、それらの凹部34等を実験例Cにおける溝部と同等の溝部として構成し、かつ、それらの凹部34等に対してアルミナ製の排出管Pを付与したことが相違点であり、その他の点では同一である。かかる排出管Pは、かかる溝部である凹部34等の周囲を囲うに足る所定径を有する設定にした。
実験例Dに対して実験例Eを比べると、電流効率が、61.3%から70.0%へと更に向上されている。これは、陽極面部30a、50a、60aの凹部34等が溝部として構成されていることに加えて、陽極面部30a、50a、60aの溝部である凹部34等に排出管Pを付与したことで、塩素ガスの上昇速度が大きくなり、塩素ガスが陽極面部30a、50a、60aの溝部である凹部から迅速に溶融塩20外に抜けるため、電極間に滞留する塩素ガスが大幅に減少して、塩素ガスと溶融亜鉛との分離効果がより増大し、逆反応がより抑制されたためと考えられる。このように、電解反応空間内の溶融塩化亜鉛の体積に対する塩素ガスの体積が大幅に減るので、過電圧も、1.7Vから0.5Vへ大幅に低減されている。そして、これらの事象が合わさって、結果として、亜鉛を生成するための電力原単位が、3.09k・Wh/kg(Zn)から2.24 kW・h/kg(Zn)へ向上されている。
また、表中では示していないが、実験例Dの構成において陽極面部30a、50a、60aの凹部34等も実験例Cにおける溝部と同等の溝部とした実験例、つまり、実験例Eの構成から排出管Pを省略した実験例を実験例E、Dに対して比べると、電流効率及び過電圧は、実験例Eのレベルまでは到達しないが実験例Dのものよりも向上していた。これは、排出管Pを設けてはいないものの陽極面部30a、50a、60aの凹部34等を溝部としているため、塩素ガスの抜けが、実験例Dよりも速くなっているためであると考えられる。
Figure 2014025134
以上の各実験例及び各比較例からは、正常な溶融塩電解が、一般的には不可能である狭い電極間隔を採用した場合であっても、適宜選択的に、陽極面部30a、50a、60a及び陰極面部40b、50b、60bにジグザグ形状部ZGを付与し、それらの凹部34、44等を溝部に設定し、更に排出管Pを付与する有意性が確認できたものといえる。
なお、本発明においては、部材の種類、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明においては、電極間隔を狭めて溶融塩の液抵抗による発熱を抑制することができると共に、電解電流効率の悪化や電解電圧の上昇を抑制して電解時の電力原単位を向上することができる溶融塩電解装置及び方法を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から、溶融金属塩化物の電解の分野、特に、太陽電池用ポリシリコンの製造方法の一つである亜鉛還元法に適応可能な塩化亜鉛溶融塩化亜鉛の電解の分野に広範に適用され得るものと期待される。
S…溶融塩電解装置
P…排出管
U…電極ユニット
ZG…ジグザグ形状部
10…電解槽
20…溶融塩
20a…液面
30、130、230、330、430…陽極
30a…陽極面部
30c…上面
30d…下面
32…凸部
32a…第1の傾斜面
32b…第2の傾斜面
34、134…凹部
34a、34b、34c、134a、134b、134c…分岐溝
34a’、34b’、34c’…突起
40、140…陰極
40b…陰極面部
40c…上面
40d…下面
42…凸部
42a…第1の傾斜面
42b…第2の傾斜面
42t…端部
44…凹部
46…切欠き部
146…閉塞部
148…貫通孔
50…第1の中間電極
50a…陽極面部
50b…陰極面部
50c…上面
50d…下面
52…凸部
54…凹部
56…切欠き部
60…第2の中間電極
60a…陽極面部
60b…陰極面部
60c…上面
60d…下面
70…絶縁外装
70a…上方開口
70b…下方開口
80a、80b…電極棒

Claims (15)

  1. 溶融金属塩化物である溶融塩を電解液として収容する電解槽と、
    陽極面部を有する陽極及び前記陽極面部に対向した陰極面部を有する陰極を有して、前記溶融塩中に浸漬されるべき電極ユニットと、
    を備え、
    前記陽極面部及び前記陰極面部の各々は、鉛直方向である第1の方向に対して傾斜する傾斜方向に傾斜配置され、
    前記陽極面部及び前記陰極面部の対応して対向するもの同士は、各々、ジグザグ形状部を有し、
    前記ジグザグ形状部は、前記傾斜方向に垂直な第2の方向において突設されながら前記傾斜方向に延在する凸部、及び前記第2の方向において陥設されながら前記傾斜方向に延在する凹部を有し、前記凸部及前記凹部は、それらの内の対応するもの同士を隣接して連ねた状態で、前記傾斜方向及び前記第2の方向に垂直な第3の方向に配設される溶融塩電解装置。
  2. 前記陽極面部及び前記陰極面部の前記ジグザグ形状部の前記傾斜方向における傾斜角度は、各々、10度以上50度以下の範囲内に設定され、前記凸部は、稜部で連なる一対の斜面を有し、前記ジグザグ形状部は、前記一対の斜面の各々における前記第3の方向に対する角度が各々5度以上45度以下の範囲に設定されたジグザグ角度を有する請求項1に記載の溶融塩電解装置。
  3. 前記凹部は、前記第3の方向における幅が0.5mm以上である溝を各々有し、前記溝の前記幅の合計は、前記複数の凹部が設けられた前記陽極面部及び前記陰極面部の前記少なくとも一方の前記第3の方向における幅の20%以下である請求項2に記載の溶融塩電解装置。
  4. 前記溝の前記幅は、前記溝の深さ方向に拡幅される請求項3に記載の溶融塩電解装置。
  5. 前記溝は、前記溝の深さ方向の底部に分岐溝又は突起を有する請求項3又は4に記載の溶融塩電解装置。
  6. 更に、前記溝の上端部の周囲を囲うと共に、前記溶融塩の液面の上で開口する排出管を備えた請求項3から5のいずれかに記載の溶融塩電解装置。
  7. 前記排出管の材質は、アルミナ、ムライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素、グラファイト及び石英のいずれかである請求項6に記載の溶融塩電解装置。
  8. 前記陽極面部及び前記陰極面部は、互いに平行であり、それらの間に電解反応空間が画成される請求項1から7のいずれかに記載の溶融塩電解装置。
  9. 前記陽極面部及び前記陰極面部の間の距離は、1mm以上5mm以下である請求項8に記載の溶融塩電解装置。
  10. 前記陽極及び前記陰極の材質は、グラファイトを90重量%以上含有する請求項1から9のいずれかに記載の溶融塩電解装置。
  11. 前記電極ユニットは、更に、前記陽極及び前記陰極の外周を、前記電解反応空間の上下を除いて全体的に覆う絶縁外装を備える請求項1から10のいずれかに記載の溶融塩電解装置。
  12. 前記絶縁外装の材質は、アルミナ、ムライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素、グラファイト及び石英のいずれかである請求項11に記載の溶融塩電解装置。
  13. 前記溶融塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム及び塩化亜鉛のいずれかを含む請求項1から12のいずれかに記載の溶融塩電解装置。
  14. 前記溶融塩が、塩化亜鉛を含む単独塩系である請求項13に記載の溶融塩電解装置。
  15. 溶融金属塩化物である溶融塩を電解液として収容する電解槽と、陽極面部を有する陽極及び前記陽極面部に対向した陰極面部を有する陰極を有して、前記溶融塩中に浸漬されるべき電極ユニットと、を備え、前記陽極面部及び前記陰極面部の各々は、鉛直方向である第1の方向に対して傾斜する傾斜方向に傾斜配置され、前記陽極面部及び前記陰極面部の対応するもの同士は、各々、ジグザグ形状部を有し、前記ジグザグ形状部は、前記傾斜方向に垂直な第2の方向において突設されながら前記傾斜方向に延在する凸部、及び前記第2の方向において陥設されながら前記傾斜方向に延在する凹部を有し、前記凸部及前記凹部は、それらの内の対応するもの同士を隣接して連ねた状態で、前記傾斜方向及び前記第2の方向に垂直な第3の方向に配設される溶融塩電解装置を用意する工程と、
    前記電極の陽極面部においては電解生成ガスが生成され、前記陽極面部に対応する陰極面部においては前溶融塩より比重の大きな電解生成金属が生成される電解工程と、
    前記電解生成ガス及び電解生成金属の対応するものを、前記凸部に沿って前記凹部に集めながら、前凹部に沿って移動させる工程と、
    を備えた溶融塩電解方法。
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