JP6889640B2 - 溶融塩電解槽 - Google Patents

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Description

本発明は、塩化マグネシウムを含有する溶融塩を電気分解して、金属を得る溶融塩電解法に用いられる溶融塩電解槽に関する。
金属チタンは、工業的にはクロール法によって製造されたスポンジチタンをもとに製造されている。そして、このクロール法によるスポンジチタン製造工程は、塩化精留工程、還元分離工程、破砕工程及び電解工程の四工程に大別される。
これらの工程の一つである電解工程は、四塩化チタンを金属マグネシウムで還元してスポンジチタンを製造する還元工程の副生成物である塩化マグネシウムを、溶融塩電気分解して、金属マグネシウムを再生する工程である。
電解工程において用いられる溶融塩電解槽は、例えば、特許文献1に開示されているように、溶融塩の電気分解を行う電気分解室と、生成した金属マグネシウムが回収されるメタル回収室と、から構成される。
そして、溶融塩の電気分解により、塩素ガスが発生するので、生成塩素の回収については、排ガス配管を電気分解室の上部空間に接続させることや(特許文献2)、排ガス配管を電気分解室の上部空間とメタル回収室の上部空間の両方に接続させること(引用文献3)等が提案されている。
特開2012−149301号公報 特表2004−502879号公報 特開2001−355089号公報
しかしながら、特許文献2や特許文献3に開示されている構造では、金属マグネシウムおよび溶融塩からの塩素の脱泡が不十分であるため、金属マグネシウムおよび溶融塩の流れに、塩素ガスが混ざり乱れが生じることで、電気分解によって分解した塩素と金属マグネシウムが再反応し、塩化マグネシウムとなり、再度電気分解しなくてはならず、電流が有効に使用されていない問題があった。また、塩素の脱泡が不十分なことで、塩素ガスが隔壁を超えてメタル回収室に入り込み、メタル回収室で塩素と金属マグネシウムの再反応し、電流効率が低下する問題や、メタル回収室に設置されている温度計や液面制御装置などの金属製装置を腐食させる問題があった。
従って、本発明の目的は、電気分解室で生成した金属マグネシウムおよび溶融塩からの塩素ガスの脱泡性が良好な溶融塩電解槽を提供することにある。
上記課題は、以下に示す本発明により解決される。
すなわち、本発明(1)は、内側に角柱状または円柱状の空間を有する陰極と、該陰極の内側に配置される角柱状または円柱状の陽極と、該陰極と該陽極の間に配置される1以上の複極と、が設置され、溶融塩が電気分解される電気分解室と、上部に該溶融塩の電気分解により生成する金属マグネシウムが保持される金属マグネシウム保持部を有するメタル回収室と、からなる溶融塩電解槽であって、
該電気分解室と該メタル回収室の上部は、隔壁により分離されており、
該電気分解室と該メタル回収室の境界部の下部には、該メタル回収室から該電気分解室に該溶融塩が流入する溶融塩流入経路が形成されており、且つ、該電気分解室と該メタル回収室の境界部の、該溶融塩流入経路より上には、該電気分解室で生成した金属マグネシウムおよび溶融塩が、該メタル回収室側の陰極の上を通過し、金属マグネシウム流入経路縦部を下方に流れてから、該メタル回収室に流入する金属マグネシウム流入経路が形成されており、
該陰極の高さ(C)に対する、該金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/C)が0.08〜0.40であり、
該陰極の高さ(C)が500〜2000mmであること
を特徴とする溶融塩電解槽を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記金属マグネシウム流入経路縦部の垂直方向長さ(A)に対する前記金属流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/A)が0.2〜1.0であることを特徴とする(1)の溶融塩電解槽を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)が50〜300mmであることを特徴とする(1)又は(2)いずれかの溶融塩電解槽を提供するものである。
本発明によれば、電気分解室で生成した金属マグネシウムおよび溶融塩からの塩素ガスの脱泡性が良好な溶融塩電解槽を提供することができる。
本発明の溶融塩電解槽の形態例を示す模式的な斜視図である。 図1中の溶融塩電解槽の溶融塩流入経路及び金属マグネシウム流入経路を示す図である。 図1中の溶融塩電解槽を垂直な面で切った端面図である。 図1中の溶融塩電解槽を図3とは別の垂直な面で切った端面図である。 図3中の金属マグネシウム流入経路近傍の拡大図である。 本発明の溶融塩電解槽の形態例を示す模式的な端面図である。 図6中の金属マグネシウム流入経路近傍の拡大図である。 図3中の金属マグネシウム流入経路近傍の拡大図である。 本発明の溶融塩電解槽の形態例の金属マグネシウム流入経路近傍の拡大図である。
本発明の溶融塩電解槽は、内側に角柱状または円柱状の空間を有する陰極と、該陰極の内側に配置される角柱状または円柱状の陽極と、該陰極と該陽極の間に配置される1以上の複極と、が設置され、溶融塩が電気分解される電気分解室と、上部に該溶融塩の電気分解により生成する金属マグネシウムが保持される金属マグネシウム保持部を有するメタル回収室と、からなる溶融塩電解槽であって、
該電気分解室と該メタル回収室の上部は、隔壁により分離されており、
該電気分解室と該メタル回収室の境界部の下部には、該メタル回収室から該電気分解室に該溶融塩が流入する溶融塩流入経路が形成されており、且つ、該電気分解室と該メタル回収室の境界部の、該溶融塩流入経路より上には、該電気分解室で生成した金属マグネシウムおよび溶融塩が、該メタル回収室側の陰極の上を通過し、金属マグネシウム流入経路縦部を下方に流れてから、該メタル回収室に流入する金属マグネシウム流入経路が形成されており、
該陰極の高さ(C)に対する、該金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/C)が0.08〜0.40であり、
該陰極の高さ(C)が500〜2000mmであること、
を特徴とする溶融塩電解槽である。
本発明の溶融塩電解槽について、図1〜図5を参照して説明する。図1は、本発明の溶融塩電解槽の形態例を示す模式的な斜視図であり、金属マグネシウムを製造するための溶融塩電解槽である。図2は、図1中溶融塩電解槽の溶融塩流入経路及び金属マグネシウム流入経路を示す図である。図3は、図1中の溶融塩電解槽を垂直な面で切った端面図である。図4は、図1中の溶融塩電解槽を、図3とは別の垂直な面で切った端面図である。図5は、図4中の金属マグネシウム流入経路の近傍を拡大した図である。なお、図1では、説明の都合上、側壁2、炉床3及び蓋4については、輪郭のみを点線で記載する。
図1〜図4に示すように、溶融塩電解槽1の外側は、側壁2、炉床3及び蓋4で構成されている。側壁2及び炉床3は、耐火レンガで構築されており、また、蓋4は、キャスタブル耐火物で構築されている。また、図示しないが、メタル回収室22の上側部分の蓋4には、マグネシウム保持部14に貯まった金属マグネシウムを、連続的又は一定間隔毎若しくは不定期に、回収するためのマグネシウム回収口及び溶融塩が電気分解により消費されて少なくなったときに、溶融塩電解槽1内に溶融塩を補給するための溶融塩補給口が形成されており、電気分解室21の上側部分の蓋4には、塩素ガスの回収口が形成されており、塩素ガスを外に排出するための塩素ガス排出管が付設されている。
溶融塩電解槽1の内側の上部は、隔壁5により、電気分解室21とメタル回収室22に分離されている。電気分解室21とメタル回収室22の境界部の下部には、メタル回収室22から電気分解室21に溶融塩が流入するための流入経路である溶融塩流入経路8が形成されている。電気分解室21とメタル回収室22の境界部の、溶融塩流入経路8より上の部分には、電気分解室22で生成した金属マグネシウムおよび溶融塩がメタル回収室22に流入するための経路である金属マグネシウム流入経路7が形成されている。なお、電気分解室21とメタル回収室22の下部とは、それぞれの隔壁5より下側部分を指す。また、電気分解室21とメタル回収室22の境界部とは、横方向に見たときに、隔壁5が設置されている位置近傍から、メタル回収室22側の陰極25が設置されている位置近傍までの範囲を指す。
電気分解室21の上側には、1対以上の陰極25及び陽極23と、陰極25と陽極23の間に装入される1以上の複極24と、が設置されている。陰極25、陽極23及び複極24は、電気分解室21の側壁2側の下部に設けられている電極支持部151と、電気分解室21とメタル回収室22の境界部の下部に設けられている電極支持部152の上に設置されることにより、電気分解室21の上側に設置されている。そのため、電気分解室21は、下側に、溶融塩保持部26を有する。
陰極25の形状は、内側に角柱状の空間を有する形状である。そして、陰極25のうち、メタル回収室22に近い方の陰極が、メタル回収室側の陰極25aである。なお、陰極の形状としては、内側に角柱状の空間を有する形状、内側に円柱状の空間を有する形状が挙げられる。
メタル回収室22の上側には、マグネシウムが保持されるマグネシウム保持部14を有する。また、メタル回収室22の下側には、溶融塩保持部27を有する。
金属マグネシウム流入経路7は、メタル回収室22側の陰極25の外側に設置される金属マグネシウム流入経路形成部材6aと、隔壁5が間隔を開けて配置されることにより、形成されている。
図4に示すように、溶融塩電解を行っているときは、溶融塩電解槽1の電気分解室21の上側にある陰極25、陽極23及び複極24で、塩化マグネシウムを含有する溶融塩11が電気分解される。そのため、溶融塩電解槽1では、電気分解室21の上側にある陰極25、陽極23及び複極24の近傍で溶融塩11が電気分解されて溶融マグネシウムと塩素ガスが生成し、どちらも溶融塩より比重が小さいため、上側に移動する溶融塩の流れが発生し、電気分解室21の下側の溶融塩11が上側に移動し、その溶融塩の移動により、メタル回収室22の下側にある溶融塩11が、溶融塩流入経路8を通って、電気分解室21の下側に移動する溶融塩の流れ111が生じている。そして、電気分解室21の上側で電気分解により生成した金属マグネシウム10が、溶融塩とともに、金属マグネシウム流入経路7を通って、メタル回収室21の上側に移動する金属マグネシウムの流れ101が生じている。メタル回収室21の上側に移動した金属マグネシウム10は、メタル回収室21の上部のマグネシウム保持部14に保持される。また、溶融塩11の電気分解により金属マグネシウム10と共に塩素ガス12が発生し、発生した塩素ガス12は、金属マグネシウムおよび溶融塩から脱泡して、浴面9から上部空間に移動し、図示しない蓋4に形成されている塩素ガス回収口及び塩素ガス排出管により、外に排出される。
溶融塩電解槽1では、隔壁5の電気分解室側と、メタル回収室22側の陰極25aの外側に設置される金属マグネシウム流入経路形成部材6aのメタル回収室側とが規定の距離を有することで、金属マグネシウム流入経路7が形成されている。そのため、図3に示すように、電気分解室21で生成した金属マグネシウムおよび溶融塩は、メタル回収室22側の陰極25aの上を通過し、金属マグネシウム流入経路縦部7aを、下方(符号101bで示す向き)に流れてから、メタル回収室22に流入する。
そして、金属マグネシウム流入経路縦部7aの水平方向の幅34が、陰極の高さ33に対して、所定の比であることにより、金属マグネシウム流入経路縦部7aでの、金属マグネシウムおよび溶融塩からの塩素ガスの脱泡が、良好となる。金属マグネシウム流入経路縦部7aの水平方向の幅34が、陰極の高さ33に対して、所定の比であることにより、金属マグネシウム流入経路縦部7aを通過するときの、金属マグネシウムおよび溶融塩の流速が制御され、金属マグネシウムおよび溶融塩から塩素ガスの脱泡性が制御される。つまり、塩素ガスの浮上速度が、金属マグネシウムおよび溶融塩の下方の流れの速度を上回り、かつ、溶融塩の渦流を発生させないことで、塩素ガスが脱泡され易くなる。
金属マグネシウム流入経路縦部7aへの金属マグネシウムおよび溶融塩の流入速度は、金属マグネシウムおよび塩素ガスの発生量と正の相関があるが、電流密度は適した範囲があるため、陰極の高さ33と正の相関がある。つまり、陰極の高さ33に対応した、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅34にすることで、塩素ガスが良好に脱泡される。一方、陰極の高さ33に対し、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅34が小さ過ぎると、金属マグネシウムおよび溶融塩の流速が速すぎるため、塩素ガスが隔壁を超えてメタル回収室に入り込み、マグネシウム保持部の金属マグネシウムと反応し、電流効率が低下する。また、陰極の高さ33に対し、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅34が大き過ぎると、金属マグネシウム流出経路縦部7aに渦が発生し、金属マグネシウムと塩素ガスの接触頻度が増え、反応が頻発することにより、電流効率が低下する。
本発明の溶融塩電解槽は、内側に角柱状または円柱状の空間を有する陰極と、該陰極の内側に配置される角柱状または円柱状の陽極と、該陰極と該陽極の間に配置される1以上の複極と、が設置され、溶融塩が電気分解される電気分解室と、上部に該溶融塩の電気分解により生成する金属マグネシウムが保持される金属マグネシウム保持部を有するメタル回収室と、からなる溶融塩電解槽であって、
該電気分解室と該メタル回収室の上部は、隔壁により分離されており、
該電気分解室と該メタル回収室の境界部の下部には、該メタル回収室から該電気分解室に該溶融塩が流入する溶融塩流入経路が形成されており、且つ、該電気分解室と該メタル回収室の境界部の、該溶融塩流入経路より上には、該電気分解室で生成した金属マグネシウムおよび溶融塩が、該メタル回収室側の陰極の上を通過し、金属マグネシウム流入経路縦部を下方に流れてから、該メタル回収室に流入する金属マグネシウム流入経路が形成されており、
該陰極の高さ(C)に対する、該金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/C)が0.08〜0.40であり、
該陰極の高さ(C)が500〜2000mmであること、
を特徴とする溶融塩電解槽である。
本発明の溶融塩電解槽は、耐火レンガで構築されていることが好ましい。例えば、本発明の溶融塩電解槽の側壁、炉床、電気分解室とメタル回収室の隔壁、電極の支持部材等は、耐火レンガで形成されている。耐火レンガは、650〜800℃の温度に対して耐熱性を有し、溶融塩及び生成金属に対して耐食性を有するものであればよく、耐火レンガの材質としては、通常、溶融塩電解槽の構築材料として用いられているものであれば、特に制限されない。耐火レンガの材質としては、例えば、Alレンガ、SiOレンガ、MgOレンガ等が挙げられる。
本発明の溶融塩電解槽の側壁及び炉床は、内側を耐火レンガで構築し、外側を断熱レンガで構築する二重構造であってもよい。断熱レンガの材質としては、通常、溶融塩電解槽の構築材料として用いられているものであれば、特に制限されず、例えば、Alレンガ、SiOレンガ、MgOレンガ等が挙げられる。
蓋は、キャスタブル耐火物で構築されていることが好ましい。キャスタブル耐火物の材質としては、通常、溶融塩電解槽の構築材料として用いられているものであれば、特に制限されず、例えば、Alキャスタブル、SiOキャスタブル等が挙げられる。蓋のうち、電気分解室の上を塞ぐ部分には、塩素ガスの回収口が形成されており、塩素ガスの回収管が付設されている。また、蓋のうち、メタル回収室の上を塞ぐ部分には、金属回収口及び溶融塩補給口が形成されている。
本発明の溶融塩電解槽の内側の上部は、隔壁により、電気分解室とメタル回収室に分離されている。電気分解室とメタル回収室の境界部の下部には、メタル回収室から電気分解室に溶融塩が流入するための流入経路である溶融塩流入経路が形成されている。電気分解室とメタル回収室の境界部の、溶融塩流入経路より上の部分には、電気分解室で生成した金属マグネシウムが溶融塩とともにメタル回収室に流入するための経路である金属マグネシウム流入経路が形成されている。なお、電気分解室の下部とは、隔壁より下側の電気分解室の部分を指し、メタル回収室の下部とは、隔壁より下側のメタル回収室の部分を指す。また、電気分解室とメタル回収室の境界部とは、横方向に見たときに、隔壁が設置されている位置近傍から、メタル回収室側の陰極が設置されている位置近傍までの範囲を指す。本発明において、横方向とは、隔壁の伸長方向に対して垂直な面で見たときの左右方向を指し、上方及び下方とは、隔壁の伸長方向に対して垂直な面で見たときの上方向及び下方向を指す。また、横方向とは、水平方向のみを指すのではなく、略水平方向ということであり、本発明の効果を奏する範囲で、水平方向に対して多少の角度を有する方向も含まれる。また、下方とは、垂直方向のみを指すのではなく、略垂直方向ということであり、本発明の効果を奏する範囲で、垂直方向に対して多少の角度を有する方向も含まれる。
電気分解室の上側には、1対以上の陰極と陽極が設置されている。陰極は、内側に角柱状または円柱状の空間を有する形状である。陽極は、陰極の内側に配置されている。陽極は、角柱状または円柱状の形状である。陰極と陽極の間には、1以上の複極が装入されて設置されている。陰極の材質及び陽極の材質は、電気伝導性に優れ、塩素ガスや高温の溶融塩に対する化学的耐久性があれば、特に制限されず、また、陰極の材質と陽極の材質の組み合わせも、特に制限されない。陽極の材質としては、例えば、黒鉛等が挙げられる。また、陰極の材質としては、例えば、鉄、グラファイト等が挙げられる。複極の材質は、電気伝導性に優れ、塩素ガスや高温の溶融塩に対する化学的耐久性があれば、特に制限されず、例えば、黒鉛等が挙げられる。
陰極の形状は、内側に角柱状または円柱状の空間を有する形状である。そして、本発明では、陰極のうち、メタル回収室に近い方の陰極が、メタル回収室側の陰極である。
陰極、陽極及び複極は、支持部材等の適切な支持部で、電気分解室の上側に支持される。そのため、電気分解室は、下側に、溶融塩保持部を有する。
メタル回収室は、上部に、溶融塩の電気分解により生成する金属マグネシウムが保持される金属マグネシウム保持部を有する。金属マグネシウム保持部は、金属マグネシウム流入経路の出口の位置より上のメタル回収室に形成される。また、メタル回収室は、下側に、溶融塩保持部を有する。
本発明の溶融塩電解槽を用いて、溶融塩電解を行っているときは、溶融塩電解槽の電気分解室の上側にある陰極、陽極及び複極で、溶融塩が電気分解される。そのため、溶融塩電解槽では、電気分解室の上側にある陰極、陽極及び複極の近傍で溶融塩が電気分解されて金属マグネシウムと塩素ガスが発生し、どちらも溶融塩より比重が小さいため、上側に移動する溶融塩の流れが発生し、電気分解室の下側の溶融塩が上側に移動し、その溶融塩の移動により、メタル回収室の下側にある溶融塩が、溶融塩流入経路を通って、電気分解室の下側に移動する溶融塩の流れが生じている。そして、電気分解室で生成した金属マグネシウムが、メタル回収室側の陰極の上を通過し、金属マグネシウム流入経路を通って、メタル回収室の上側に移動する金属の流れが生じている。メタル回収室の上側に移動した金属マグネシウムは、メタル回収室の上部の金属マグネシウム保持部に保持される。また、溶融塩の電気分解により金属マグネシウムと共に塩素ガスが発生し、発生した塩素ガスは、金属マグネシウムおよび溶融塩から脱泡して、浴面から上部空間に移動し、蓋に形成されている塩素ガス回収口及び塩素ガス排出管により、外に排出される。
電気分解室とメタル回収室の境界部には、金属マグネシウムおよび溶融塩が下方に流れる金属マグネシウム流入経路縦部が形成されており、且つ、電気分解室で生成した金属マグネシウムおよび溶融塩が、メタル回収室側の陰極の上を通過し、金属マグネシウム流入経路縦部を下方に流れてから、メタル回収室に流入する金属マグネシウム流入経路が形成されている。そして、本発明の溶融塩電解槽では、金属マグネシウム流入経路縦部の下方の流れを制御することにより、金属マグネシウムおよび電解浴中の塩素ガスが脱泡され易くなる。金属マグネシウム流入経路縦部の伸長方向は、垂直方向又は垂直方向に対して適切な傾きをもって傾斜する方向である。なお、金属マグネシウム流入経路とは、メタル回収室側の陰極の外側から、メタル回収室の内側に至るまでの金属が流れる部分を指す。
そして、陰極の高さ(C)に対する、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/C)が0.08〜0.40、好ましくは0.10〜0.35であり、さらに好ましくは0.12〜0.30である。陰極の高さ(C)は、500〜2000mm、好ましくは800〜1500mmである。陰極の高さ(C)に対する、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/C)および陰極の高さ(C)が、上記範囲にあることにより、金属マグネシウムおよび溶融塩からの塩素ガスの脱泡性が良好になる。一方、陰極の高さ(C)に対する、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/C)が上記の範囲より小さいと、金属マグネシウム流入経路縦部を通過するときの、金属マグネシウムおよび溶融塩の流速が速くなり過ぎるため、塩素ガスが金属マグネシウム流入経路縦部で十分に脱泡されないまま、隔壁を超えてメタル回収室に入り込み、金属マグネシウム保持部の金属マグネシウムと反応し、電流効率が低下する。また、陰極の高さ(C)に対する、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/C)が上記の範囲より大きいと、金属マグネシウム流出経路縦部に渦流が発生し、金属マグネシウムと塩素ガスの接触頻度が増え、反応が頻発することにより、電流効率が低下する。つまり、メタル回収室側の陰極の近傍で生成する塩素ガスは、発生位置が金属マグネシウム流入経路に近いため、金属マグネシウム流入経路縦部に流入する。そして、金属マグネシウム流入経路縦部を流れるときの、金属マグネシウム及び溶融塩の流速が速過ぎると、金属マグネシウム流入経路縦部内で、塩素ガスが浮上せずに、金属マグネシウムおよび溶融塩に伴われて、メタル回収室に流入することになり、電流効率が低下する。また、金属マグネシウム流入経路縦部を流れるときの、金属マグネシウム及び溶融塩の流速が遅過ぎると、金属マグネシウム流入経路縦部内に、塩素ガスが滞留し、電流効率が低下する。本発明では、電気分解室で生成した金属マグネシウムおよび溶融塩が、金属マグネシウム流入経路縦部を下方に流れてから、メタル回収室に流入する金属マグネシウム流入経路が形成されており、且つ、陰極の高さ(C)に対する、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/C)が0.08〜0.40、好ましくは0.10〜0.35であり、さらに好ましくは0.12〜0.30に、且つ、陰極の高さ(C)が500〜2000mm、好ましくは800〜1500mmに規定されているので、金属マグネシウム流入経路縦部内での、金属マグネシウムおよび溶融塩の流速が、塩素ガスの浮上速度を上回らないため、塩素ガスの脱泡性が良好となり、且つ、溶融塩の渦流を発生させないように、制御されている。そのため、本発明の溶融塩電解槽によれば、電流効率が高くなる。
なお、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)とは、隔壁の伸長方向に対して垂直な面で見たときの、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅を指す。図8に示す形態例のように、隔壁の伸長方向に対して垂直な面で見たときに、メタル回収室側の金属マグネシウム流入経路縦部7aの壁面51と、陰極側の金属マグネシウム流入経路縦部7aの壁面61aとが、垂直な場合には、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅34とは、水平方向における、メタル回収室側の金属マグネシウム流入経路縦部7aの壁面51から、陰極側の金属マグネシウム流入経路縦部7aの壁面61aまでの長さを指し、メタル回収室側の金属マグネシウム流入経路縦部7aの壁面51と、陰極側の金属マグネシウム流入経路縦部7aの壁面61aとの距離でもある。また、図9に示す形態例のように、隔壁の伸長方向に対して垂直な面で見たときに、メタル回収室側の金属マグネシウム流入経路縦部7bの壁面51bと、陰極側の金属マグネシウム流入経路縦部7bの壁面61bとが、垂直方向に対して、傾斜している場合には、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅34bとは、水平方向における、メタル回収室側の金属マグネシウム流入経路縦部7bの壁面51bから、陰極側の金属マグネシウム流入経路縦部7bの壁面61bまでの長さを指す。また、陰極の高さ(C)とは、陰極の上端から下端までの長さを指す。
金属マグネシウム流入経路縦部の垂直方向の長さ(A)に対する金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/A)は、好ましくは0.2〜1.0、特に好ましくは0.3〜0.7である。金属マグネシウム流入経路縦部の垂直方向の長さ(A)に対する金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/A)が、上記範囲にあることにより、塩素ガスの金属からの脱泡性が良好になる。
なお、金属マグネシウム流入経路縦部の垂直方向の長さ(A)とは、隔壁の伸長方向に対して垂直な面で見たときの、金属マグネシウム流入経路縦部の垂直方向の長さを指し、金属マグネシウム流入経路縦部のメタル回収室側の壁面と陰極側の壁面とが、対向している部分の長さを指す。図8に示す形態例のように、隔壁の伸長方向に対して垂直な面で見たときに、メタル回収室側の金属マグネシウム流入経路縦部7aの壁面51と、陰極側の金属マグネシウム流入経路縦部7aの壁面61aとが、垂直な場合には、金属マグネシウム流入経路縦部の垂直方向の長さ32とは、メタル回収室側の金属マグネシウム流入経路縦部7aの壁面51と、陰極側の金属マグネシウム流入経路縦部7aの壁面61とが、対向している部分の垂直方向の長さを指し、メタル回収室側の金属マグネシウム流入経路縦部7aの壁面51の下端位置から、陰極側の金属マグネシウム流入経路縦部7aの壁面61aの上端位置までの垂直方向の長さでもある。また、図9に示す形態例のように、隔壁の伸長方向に対して垂直な面で見たときに、メタル回収室側の金属マグネシウム流入経路縦部7bの壁面51bと、陰極側の金属マグネシウム流入経路縦部7bの壁面61bとが、垂直方向に対して、傾斜している場合には、金属マグネシウム流入経路縦部の垂直方向の長さ32bとは、メタル回収室側の金属マグネシウム流入経路縦部7bの壁面51bと、陰極側の金属マグネシウム流入経路縦部7bの壁面61bとが、対向している部分の垂直方向の長さを指し、メタル回収室側の金属マグネシウム流入経路縦部7bの壁面51bの下端位置から、陰極側の金属マグネシウム流入経路縦部7bの壁面61bの上端位置までの垂直方向の長さでもある。
金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)は、好ましくは50〜300mm、特に好ましくは100〜250mmである。金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅が、上記範囲にあることのより、塩素ガスの金属からの脱泡性が良好になる。
本発明の溶融塩電解槽において、金属マグネシウム流入経路は、金属マグネシウムおよび溶融塩が下方に流れる金属マグネシウム流入経路縦部を有し、且つ、電気分解室で生成し、メタル回収室側の陰極の上を通過した金属マグネシウムおよび溶融塩が、金属マグネシウム流入経路縦部を下方に流れてから、メタル回収室に流入する経路であれば、特に制限されない。
図6は、本発明の溶融塩電解槽の形態例を示す模式的な端面図である。図7は、図6中の金属マグネシウム流入経路近傍の拡大図である。溶融塩電解槽41の外側は、側壁2、炉床3及び蓋4で構成されている。また、図示しないが、メタル回収室22の上側部分の蓋4には、金属マグネシウム保持部14に貯まった金属マグネシウムを、連続的又は一定間隔毎若しくは不定期に、回収するための金属回収口及び溶融塩補給口が形成されており、電気分解室21の上側部分の蓋4には、塩素ガスの回収口が形成されており、塩素ガスを外に排出するための塩素ガス排出管が付設されている。
溶融塩電解槽41の内側の上部は、隔壁5により、電気分解室21とメタル回収室22に分離されている。電気分解室21とメタル回収室22の境界部の下部には、メタル回収室22から電気分解室21に溶融塩が流入するための流入経路である溶融塩流入経路8が形成されている。電気分解室21とメタル回収室22の境界部の、溶融塩流入経路8より上の部分には、電気分解室22で生成した金属マグネシウムおよび溶融塩がメタル回収室22に流入するための経路である金属マグネシウム流入経路71が形成されている。
電気分解室21の上側には、1対以上の陰極25及び陽極23と、陰極25と陽極23の間に装入される1以上の複極24と、が設置されていることが好ましい。陰極25、陽極23及び複極24は、電気分解室21の側壁2側の下部に設けられている電極支持部151と、電気分解室21とメタル回収室22の境界部の下部に設けられている電極支持部152の上に設置されることにより、電気分解室21の上側に設置されていることが好ましい。そのため、電気分解室21は、下側に、溶融塩保持部261を有する。
メタル回収室22の上側には、金属マグネシウムが保持される金属マグネシウム保持部141を有する。また、メタル回収室22の下側には、溶融塩保持部271を有する。金属マグネシウム流入経路71は、メタル回収室22側の陰極25の外側に設置される金属マグネシウム流入経路形成部材6bと、隔壁5とが間隔を開けて配置されることにより、形成されている。
溶融塩電解槽41では、隔壁5の電気分解室側と、メタル回収室22側の陰極25aの外側が規定の距離を有することで、金属マグネシウム流入経路71が形成されている。そのため、図5に示すように、電気分解室21で生成した金属マグネシウムおよび溶融塩は、メタル回収室22側の陰極25aの上を通過し、金属マグネシウム流入経路縦部71aを、下方(符号101bで示す向き)に流れてから、メタル回収室22に流入する。
そして、金属マグネシウム流入経路縦部71aの水平方向の幅が、陰極の高さに対して、所定の比であることにより、金属マグネシウム流入経路縦部71aでの、金属マグネシウムおよび溶融塩からの塩素ガスの脱泡が、良好となる。金属マグネシウム流入経路縦部71aの水平方向の幅が、陰極の高さに対して、所定の比であることにより、金属マグネシウム流入経路縦部71aを通過するときの金属マグネシウムおよび溶融塩の流速が制御され、金属マグネシウムおよび溶融塩から塩素ガスの脱泡性が制御される。つまり、塩素ガスの浮上速度が、金属マグネシウムおよび溶融塩の下方の流れの速度を上回り、塩素ガスが脱泡され易くなる。
金属マグネシウム流入経路縦部71aへの金属マグネシウムおよび溶融塩の流入速度は、金属マグネシウムおよび塩素ガスの発生量と正の相関があるが、電流密度は適した範囲があるため、陰極の高さと正の相関がある。つまり、陰極の高さに対応した、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅にすることで、塩素ガスが脱泡され易くなる。一方、陰極の高さに対し、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅が小さ過ぎると、金属マグネシウムおよび溶融塩の流速が速くなり過ぎるため、塩素ガスが隔壁を超えてメタル回収室に入り込み、マグネシウム保持部の金属マグネシウムと反応し、電流効率が低下する。また、陰極の高さに対し、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅が大き過ぎると、金属マグネシウム流出経路縦部に渦が発生し、金属マグネシウムと塩素ガスの接触頻度が増え、反応が頻発することにより、電流効率が低下する。
本発明の溶融塩電解槽で溶融塩電解を行う溶融塩としては、電圧の印加により電気分解されて、金属マグネシウムを生成する溶融塩であればよく、塩化マグネシウムを含有する溶融塩である。つまり、本発明の溶融塩電解槽は、塩化マグネシウムを含有する溶融塩を電気分解して金属マグネシウムを製造する金属マグネシウムの製造用の溶融塩電解槽である。
塩化マグネシウムを含有する溶融塩は、電気伝導度調整、比重調整、及び融点調節等のために、塩化カリウム、塩化カルシウム及び塩化ナトリウムのうち1以上を含有することが好ましい。また、塩化マグネシウムを含有する溶融塩は、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び塩化ナトリウムの他に、マグネシウムのフッ化物、水酸化物、炭酸塩や硝酸塩等のマグネシウム塩、酸化マグネシウム、金属マグネシウムが含まれていてもよい。
塩化マグネシウムを含有する溶融塩としては、電気伝導度、比重、融点、蒸気圧、粘性の点で、10〜30質量%の塩化マグネシウムと、20〜40質量%の塩化カルシウムと、40〜60質量%の塩化ナトリウムと、を含有する溶融塩が好ましく、20±5質量%の塩化マグネシウムと、30±5質量%の塩化カルシウムと、49±5質量%の塩化ナトリウムと、1±1質量%のフッ化マグネシウムと、を含有する溶融塩が特に好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(溶融塩電解槽の作製)
図1〜5に示す構造の溶融塩電解槽であり、以下に示す詳細形状の溶融塩電解槽を作製した。
<溶融塩電解槽の構造>
・耐火レンガ:ロザイ工業社製 HIGH ROZX−98、Alが98.0質量%、SiOが0.5質量%
・モルタル:ロザイ工業社製 HR95モルタル、Alが95.0質量、SiOが3質量%
・電分解室:2m
・メタル回収室:1m
・単位電気分解セルの数:2
・陰極の形状:内側に四角柱状の空間を有する形状
・陽極の材質:黒鉛
・陰極の材質:鉄
・複極の材質:黒鉛
・陰極と陽極間の複極の数:2
・金属マグネシウム流入経路縦部の垂直方向の長さ(A):表1に示す。
・金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B):表1に示す。
・陽極の浸漬高:表1に示す。
・陰極の高さ(C):表1に示す。
・陰極の高さ(C)に対する、金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/C):表1に示す。
・金属マグネシウム流入経路縦部の垂直方向の長さ(A)に対する金属流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/A):表1に示す。
・理論Mg生産量:表1に示す。
(実施例1〜7、比較例1〜2)
上記のようにして作製した溶融塩電解槽に、MgClが20質量%、CaClが30質量%、NaClが49質量%、MgFが1質量%の組成の溶融塩を2900kg投入した。
次いで、以下に示す条件で、溶融塩の電気分解を3日間行った。溶融塩の電気分解を継続している間は、金属マグネシウムの生成量に対応した塩化マグネシウムを補給するために、補給溶融塩として、クロール法による副生物の塩化マグネシウムを、電解槽に供給し、溶融塩中の塩化マグネシウムの含有量が15〜25質量%となるように調節した。
溶融塩の電気分解開始から3日後の電流効率を測定した。
<溶融塩電解条件>
・溶融塩の温度:平均660℃
・印加電圧:10V
・電流密度:0.48A/cm
・理論Mg生産量:表1に示す。
・補給溶融塩:クロール法により副生した塩化マグネシウム
Figure 0006889640
1、41 溶融塩電解槽
2 側壁
3 炉床
4 蓋
5、5b 隔壁
6a、6b 金属マグネシウム流入経路形成部材
7、71 金属マグネシウム流入経路
7a、7b、71a 金属マグネシウム流入経路縦部
8 溶融塩流入経路
9 浴面
10 金属マグネシウム
11 溶融塩
12 塩素ガス
14、141 マグネシウム保持部
21 電気分解室
22 メタル回収室
23 陽極
24 複極
25、25a 陰極
26、27、261、271 溶融塩保持部
32、32b 金属マグネシウム流入経路縦部の垂直方向の長さ
33 陰極の高さ
34、34b 金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅
51、51b メタル回収室側の金属マグネシウム流入経路縦部の壁面
61、61b 陰極側の金属マグネシウム流入経路縦部の壁面
101、101a、101b 金属マグネシウムの流れ
111 溶融塩の流れ
151、152 電極支持部

Claims (3)

  1. 内側に角柱状または円柱状の空間を有する陰極と、該陰極の内側に配置される角柱状または円柱状の陽極と、該陰極と該陽極の間に配置される1以上の複極と、が設置され、溶融塩が電気分解される電気分解室と、上部に該溶融塩の電気分解により生成する金属マグネシウムが保持される金属マグネシウム保持部を有するメタル回収室と、からなる溶融塩電解槽であって、
    該電気分解室と該メタル回収室の上部は、隔壁により分離されており、
    該電気分解室と該メタル回収室の境界部の下部には、該メタル回収室から該電気分解室に該溶融塩が流入する溶融塩流入経路が形成されており、且つ、該電気分解室と該メタル回収室の境界部の、該溶融塩流入経路より上には、該電気分解室で生成した金属マグネシウムおよび溶融塩が、該メタル回収室側の陰極の上を通過し、金属マグネシウム流入経路縦部を下方に流れてから、該メタル回収室に流入する金属マグネシウム流入経路が形成されており、
    該陰極の高さ(C)に対する、該金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/C)が0.08〜0.40であり、
    該陰極の高さ(C)が500〜2000mmであること、
    を特徴とする溶融塩電解槽。
  2. 前記金属マグネシウム流入経路縦部の垂直方向の長さ(A)に対する前記金属流入経路縦部の水平方向の幅(B)の比(B/A)が0.2〜1.0であることを特徴とする請求項1記載の溶融塩電解槽。
  3. 前記金属マグネシウム流入経路縦部の水平方向の幅(B)が50〜300mmであることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の溶融塩電解槽。
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