JP2024005002A - 複極の製造方法及び金属マグネシウムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩化マグネシウムの電気分解において生じる貫通電流を低減することが可能な複極を提供する。【解決手段】塩化マグネシウムの電気分解をするための溶融塩電解装置に使用される複極の製造方法であって、貫通孔を含む孔部を有する黒鉛製の多孔体を備える電極の貫通孔に、溶融塩の成分と、水及び/又は酸素とを含ませる含浸ステップと、含浸ステップ後、電極を加熱する加熱ステップとを含む、複極の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、複極の製造方法及び金属マグネシウムの製造方法に関する。
金属チタンの鋳塊等は、工業的にはクロール法によって製造されたスポンジチタンを使用して製造されている。そして、このクロール法を含むスポンジチタン製造プロセスは、塩化工程、還元工程、破砕工程及び電解工程の四工程に大別しうる。これらの工程のうち、還元工程では、四塩化チタンを金属マグネシウムで還元してスポンジチタンを製造し、電解工程では、還元工程の副生成物である塩化マグネシウムを電気分解して、金属マグネシウムを得る。
電解工程にて塩化マグネシウムの電気分解に用いる溶融塩電解装置では、電解槽に陽極、複極及び陰極をこの順に配置し、それらの陽極、複極及び陰極を当該電解槽内の溶融塩浴中に浸漬させることがある。複極を使用することは、製造効率の向上の観点から望ましい。
上述した溶融塩電解装置では、電解槽内に貯留させた溶融塩浴中に、陽極、複極及び陰極を浸漬させて配置しているので、電流が溶融塩浴中で複数の経路に流れることが避けられない場合がある。より詳細には、1つの経路では、陽極からの電流が複極を介して陰極に流れ、複極でも電気分解が生じる。これは、意図した箇所で電気分解が行われるので、正常電流と呼ぶことができる。一方、他の経路では、陽極からの電流が、例えば多孔質材料からなる複極の孔部の貫通孔内に浸入した溶融塩浴を介して複極を貫通し、陰極に直接流れることにより、複極で電気分解が行われず、陽極と陰極との間のみで電気分解が生じる。この場合は、意図した箇所で電気分解が行われず、前記複極を貫通する電流は貫通電流と呼ぶことができる。また、貫通電流が生じた場合は複極での電気分解が行われないため、貫通電流の発生量に応じて電力あたりの金属マグネシウム製造量は低下する。当該貫通電流を低減させる方法としては、以下の技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、「貫通イオン電流(いわゆる、貫通電流)を低減して効率を向上させる」ため、「細孔容積が0.12mL/g以下のグラファイトで構成された複極を少なくとも1つ有する」溶融塩電解槽が開示されている。
特開2018-70924号公報
ところで、溶融塩浴に含まれる塩化マグネシウムの電気分解では、複極の一方の表面(陽極側の電解面)に金属マグネシウムが生成し、複極の他方の表面(陰極側の電解面)に塩素ガスが生じる。金属は当該塩素によって腐食されやすいので、これを回避するため、複極は黒鉛製であることが一般的である。
黒鉛製の複極は、焼結を経て製造されたこと等により、孔部を有する多孔体である場合がある。当該孔部は通常、不規則な網目状(以下、単に網目状と呼ぶことがある。)であるため、多孔体の孔部には、多孔体の一方の表面から他方の表面まで内部で貫通して延びる貫通孔も含まれ得る。そのような黒鉛製の複極を溶融塩浴に浸漬させると、溶融塩浴を構成する溶融塩が、多孔体の表面における貫通孔の開口から流入して貫通孔の内部に浸入する。このことが、電気分解中に、特許文献1に記載されたような貫通電流の発生を招くと考えられる。
特許文献1では、溶融塩電解槽の電解室において比較的小さい細孔容積のグラファイト(黒鉛)で構成された複極を使用している。しかしながら、細孔容積の小さい黒鉛は高価であるといった問題がある。よって、黒鉛製の複極の細孔容積を低減させること以外の方法で貫通電流を抑えることが望まれていた。
そこで、本発明の一実施形態によれば、塩化マグネシウムの電気分解において生じる貫通電流を低減することが可能な複極を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討したところ、貫通孔を含む孔部を有する黒鉛製の多孔体を備える電極の前記貫通孔に、溶融塩の成分と、水及び/又は酸素とを含ませる含浸ステップと、該含浸ステップ後、前記電極を加熱する加熱ステップとを含むことが有効であることを見出し、以下によって例示される発明を創作した。
[1]
塩化マグネシウムの電気分解をするための溶融塩電解装置に使用される複極の製造方法であって、
貫通孔を含む孔部を有する黒鉛製の多孔体を備える電極の前記貫通孔に、溶融塩の成分と、水及び/又は酸素とを含ませる含浸ステップと、
前記含浸ステップ後、前記電極を加熱する加熱ステップとを含む、複極の製造方法。
[2]
前記含浸ステップと、前記加熱ステップとの間に、前記電極を真空乾燥する乾燥ステップを更に含む、[1]に記載の複極の製造方法。
[3]
電解槽と、該電解槽内に配置された陽極と、[1]又は[2]に記載の複極の製造方法で製造された複極と、陰極とを備える溶融塩電解装置を使用する金属マグネシウムの製造方法であって、
前記塩化マグネシウムを電気分解して金属マグネシウムを生成する電解工程を含む、金属マグネシウムの製造方法。
本発明の一実施形態によれば、塩化マグネシウムの電気分解において生じる貫通電流を低減することができる。
本発明に係る溶融塩電解装置の内部構造の一例を模式的に示す正面図である。 図1AのX-Xにおける端面図である。 本発明に係る溶融塩電解装置の内部構造の他の例を模式的に示す正面図である。 図2AのY-Yにおける端面図である。
本発明は以下に説明する各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除して発明を形成してもよい。また、図面では、発明に含まれる実施形態等の理解を助けるため概略として示す部材もあり、図示された大きさや位置関係等については必ずしも正確でない場合がある。
さらに、本明細書において、「上方」は、例えば図1A、図1B及び図2Aにおいて矢印で示すように、電解槽120の底壁123側から上蓋130側へ向かう方向を意味し、「下方」は、上蓋130側から電解槽120の底壁123側へ向かう方向を意味する。また、本明細書において、「溶融金属マグネシウム」は、例えば塩化マグネシウムを電解分解したことで得られた、溶融状態の金属マグネシウムを意味する。当該電気分解において外部から別途供給する溶融塩はその組成を適宜調整可能であり、例えば、塩化マグネシウムとすることができるし、また溶融塩浴と同様の組成とすることができる。また、「未使用品」とは、溶融塩の電気分解に使用しておらず、かつ、セラミックスの生成処理も実施していないものを意味する。
[1.複極の製造方法]
本発明に係る複極の製造方法は、塩化マグネシウムの電気分解をするための溶融塩電解装置に使用される複極の製造方法であって、含浸ステップと加熱ステップとを含む。また、乾燥ステップを更に含んでもよい。
先述した塩化マグネシウムの電気分解で生じる貫通電流を低減させるため、黒鉛製の複極の細孔容積を極小化すること以外の方法について、本発明者は鋭意検討した。
その結果、本発明者は、意外にも、電気分解での使用等によって溶融塩浴に浸漬させたことがある黒鉛製の電極を、複極として使用してリサイクルすることが有用であるという知見を得るに至った。通常、黒鉛製の陽極が酸素との接触により酸化して消耗することや塩素ガスが外部に漏洩しないこと等の理由から、溶融塩電解装置の電解槽内には大気等が実質的に混入せず、陽極等の黒鉛製の電極は、大気との接触が抑制されている。また、黒鉛製の電極は多孔体であるため溶融塩浴が前記多孔体の孔部内に浸入することで不具合が生じる。すなわち、溶融塩には潮解性が高い塩化マグネシウムが含まれ、塩化マグネシウムの水和物を形成することから水を除去するのは困難である。水は酸素源であるので、黒鉛製の電極を損耗するおそれがあり、電気分解で製造される金属マグネシウムの不純物量が増えるおそれがあり、又は製造効率が低下するおそれがある、等を鑑み、溶融塩電解槽内への水の混入を避けたいという要求がある。よって、塩化マグネシウムの溶融塩電解において、従前は、未使用である黒鉛製の電極が有利であると考えられてきた。
一方、未使用品の電極を用いた塩化マグネシウムの電気分解の終了後、溶融塩電解装置の電解槽を解体して該電解槽から回収した電極を、大気に晒した後に乾燥させるために加熱し、これを複極として用いて再度、溶融塩の電気分解を行ったところ、槽効率が向上するという予期せぬ結果が得られた。なお、電解槽の解体をせずに、未使用品であった複極を同一の電解槽内の溶融塩浴に浸漬させたまま長時間使用しても、槽効率の向上は得られないことが経験的に判明している。
これについて本発明者は鋭意検討した結果、上記の電気分解で電極の貫通孔の内部に浸入した金属ハロゲン化物等の溶融塩が、大気に晒されたことで大気中の水分を吸湿し、その後の加熱により、貫通孔の内部で所定の金属酸化物、金属窒化物及び/又は金属酸窒化物等のセラミックスに変化したことにより上記槽効率の向上が実現されると考えた。当該セラミックスは固体であって、比抵抗が比較的高い傾向にある。また、セラミックスは融点が比較的高く、当該融点と比べると非常に低い温度の溶融塩浴中では固体のままで維持される。したがって、前記セラミックスを貫通孔の内部に含む複極を溶融塩浴に浸漬させて電気分解を行うと、該溶融塩浴がその貫通孔の内部をほとんど通過できず、かつ電流も遮断される。その結果、該セラミックスの存在により、電気分解における貫通電流を低減することができる。なお、黒鉛自体は通電によって分極可能であるので、複極としての機能を発揮できる。
よって、複極内にセラミックスを形成させれば、貫通電流を低減できる。以上の知見に基づき本発明は完成された。
<含浸ステップ>
含浸ステップは、貫通孔を含む孔部を有する黒鉛製の多孔体を備える電極の貫通孔に、溶融塩の成分と、水及び/又は酸素とを含ませる。これにより、その後に、後述する加熱ステップを行った場合、多孔体の表面に開口する前記貫通孔の内部の少なくとも一部に、セラミックスが形成されうる。
当該含浸ステップでは、以下の態様が例示される。なお、下記説明において、セラミックスの生成機構については定かではないが、推察可能な理論に基づき説明する。ただし、当該生成機構については当該説明に限定されるものではない。
第1の態様として、溶融塩の成分を先に黒鉛製の電極の多孔体に含ませ、その後水及び/又は酸素を黒鉛製の多孔体に含ませる態様がある。例えば、溶融塩電解装置を用いて溶融塩の電気分解終了後、該溶融塩電解装置の電解槽を解体した後、該電解槽から黒鉛製の複極を回収する。この電気分解で電極を溶融塩浴に浸漬させている間、電極の多孔体の表面に開口する貫通孔の開口から溶融塩が流入し、貫通孔の内部の多くの部位に溶融塩が浸入する。ここで、貫通孔の内部に溶融塩が流入する他の形態としては、黒鉛製の電極に溶融塩をかけたり、又は溶融塩に含まれる成分(例えば金属ハロゲン化物等)の固体を黒鉛製の電極に載置した状態で加熱溶融する、等がある。なお、前記溶融塩浴は、主成分として塩化物を含有することが好ましい。溶融塩浴は、塩化マグネシウムを含むことが好ましいが、塩化マグネシウムからなるものでもよい。ここで、溶融塩浴の塩化物の含有量は、好ましくは95質量%以上である。なお、前記電解槽から回収される黒鉛製である電極は、陽極や陰極であっても構わない。陽極や陰極であったとしても複極と同様に取り扱いできる。
次に、電極を、水分を含む雰囲気下、例えば大気雰囲気下等に配置して、水及び酸素を含ませる。この場合、窒素がさらに含まれることもある。貫通孔の内部に含浸した塩化マグネシウムをはじめとする溶融塩に含まれる成分は吸湿しやすいので、大気雰囲気下の水分を取り込む。なお、大気雰囲気下での配置の他、水蒸気の噴霧、水洗浄、水浸漬等の水との接触により、溶融塩に含まれる成分を吸湿させることができる。電極を水と接触させる場合は、例えば塩化マグネシウム等の溶融塩浴に含まれる成分の水和物が生成した後、次に述べる加熱処理の前に、余分な水を除去するために乾燥することが望ましい。ここでは、例えば、真空乾燥等を採用することができる。
吸湿した溶融塩に含まれる成分からセラミックスを得るために、水の使用量は適宜調整することが好ましい。例えば、後述の実施例のように、多孔体である黒鉛製の電極の貫通孔に溶融塩が入り込んだ後であれば、前記電極を短時間水洗したり水に浸漬させたりしても貫通孔内に吸湿した溶融塩に含まれる成分が残りうる。他方、適切な量を超えて水を供給すると溶融塩に含まれる成分が水に溶解して除去されてしまうおそれがある。よって、電極の形状や性状等に鑑みて水量を適宜調整すればよい。
第2の態様として、水及び/又は酸素を先に黒鉛製の電極の多孔体に含ませ、その後溶融塩の成分を電極の多孔体に含ませる態様がある。例えば、未使用品の電極を水へ浸漬させる等し、電極の貫通孔の内部に水を含浸させる。その後、水を含浸させた電極を溶融塩浴内に浸漬させると、溶融塩浴の溶融塩成分が電極内に含浸される。すなわち、電極の貫通孔に水を含侵させた後、溶融塩浴に浸漬させることで、電極の貫通孔に、溶融塩の成分と、水及び/又は酸素とを含ませる。なお、電極を溶融塩浴に浸漬させると、その際に、後述する加熱ステップも行われ得る。また、電極の貫通孔に水を含侵させた後、溶融塩浴に浸漬させる前に、ある程度水を除去するため、例えば常圧乾燥を実施してもよい。常圧乾燥の温度及び時間等は適宜調整すればよい。
第2の態様と第1の態様との相違は、黒鉛製の電極の多孔体に成分を含浸させる順序である。よって、第1の態様で示した形態は、第2の態様にも適用できる。一例を挙げると、第2の態様にて、未使用品の電極を水へ浸漬させる等をし、その後、黒鉛製の電極に溶融塩をかけることができる。他の一例を挙げると、第2の態様にて、黒鉛製の未使用品の電極を水へ浸漬させる等をし、その後、電極に溶融塩に含まれる成分(例えば金属ハロゲン化物等)と同じ成分である粉体等の固体を黒鉛製の複極に配置できる。
すなわち、一実施形態においては、下記(A)及び(B)を順不同で含むことができる。
(A)黒鉛製の電極を、溶融塩を含む溶融塩浴に浸漬させること、
(B)黒鉛製の電極を水と接触させること、及び/又は黒鉛製の電極を酸素に接触させること。
当該製造後に複極として使用される電極の形状としては、当該複極が使用される溶融塩電解装置に配置されうる陽極及び陰極の形状にもよるが、例えば板状、円筒状、角筒状等が挙げられる。
また、複極の厚さは、電解槽の構成や金属マグネシウム製造スケジュール等に鑑みて適宜決定可能である。複極の厚さは、槽効率を向上させる観点から、下限側として例えば20mm以上であり、また例えば40mm以上である。複極の厚さは、電解槽への設置容易性や製造コストの観点から、上限側として例えば100mm以下であり、また例えば80mm以下である。
当該電極の細孔容積は特に限定されるものではないが、下限側として例えば0.13mL/g以上である。特許文献1に開示があるように、0.12mL/g以下の細孔容積である黒鉛製多孔体はそもそも貫通電流を良好に抑制できるため、細孔容積を0.13mL/g以上とすれば発明の効果がより顕著に発現する。ただし、0.12mL/g以下の細孔容積である黒鉛製多孔体に対して上記処理を適用しても構わない。
なお、当該細孔容積の測定方法は、後述する実施例の記載の方法や、特許文献1に開示の方法に従うことができる。
<乾燥ステップ>
乾燥ステップでは、含浸ステップで得られた電極を真空乾燥する。この乾燥ステップは、含浸ステップにおいて水の供給量が多かった場合に実施することが好ましい。より詳細には、複極を水と接触させる場合は、例えば塩化マグネシウム等の溶融塩浴に含まれる成分の水和物が生成した後、次に述べる加熱処理の前に、余分な水を除去するために乾燥することが望ましい。
<加熱ステップ>
加熱ステップは、先述の含浸ステップ後または乾燥ステップ後に、貫通孔の内部に溶融塩に含まれる成分及び水や酸素を含む電極を、例えば加熱維持温度500℃以上で加熱処理する。加熱処理としては、例えば炉内での加熱すること、前記電極を溶融塩浴に浸漬させること等が挙げられる。加熱処理により、セラミックスが生成すると考えられる。
加熱ステップにより、黒鉛製の複極の多孔体の表面に開口する貫通孔の内部の少なくとも一部にセラミックスが形成される。当該製造方法で得られる複極は、電極(陽極及び陰極)への電圧の印加により分極する点では従来の複極と同様であるが、貫通孔の内部の少なくとも一部にセラミックスが存在する点で従来の複極と異なる。
なお、セラミックスは、溶融塩の電気分解で使用する溶融塩浴の温度よりも融点が高く、かつ、溶融塩よりも比抵抗が高い。また、当該セラミックスは、溶融塩の成分由来の金属と酸素とを有する金属酸化物、前記金属と窒素とを有する金属窒化物及び/又は前記金属と酸素と窒素と有する金属酸窒化物を含有してもよい。ここで、溶融塩の成分由来の金属としては、例えばNa、Mg、K及びCaが挙げられる。
[2.溶融塩電解装置]
次に、陽極と、先述した複極の製造方法で製造された複極と、陰極とを備えた溶融塩電解装置の一例について説明する。
図1Aに示す溶融塩電解装置100は、電解槽120と、上蓋130とを備える。電解槽120は、後述する第1の隔壁121及び第2の隔壁122の存在により、電解室140と、金属回収室150とに区画されている。さらに、図1Bに示すように、電解槽120の電解室140には、陽極142と、第1の複極110及び第2の複極115と、陰極144とがこの順序で配列されており、それらの陽極142、第1の複極110、第2の複極115及び陰極144は、電解槽120内に貯留される溶融塩浴Bfに浸漬させて配置されている。上下方向に直交する方向で、陽極142、第1の複極110、第2の複極115及び陰極144が配列された方向を、配列方向という。図示の電解室140内には、複極として、第1の複極110及び第2の複極115が2つ配置されているが、複極は少なくとも1つ配置されていればよい。配置される複極のうち少なくとも1つが先述した複極であればよく、すべての複極が先述した複極であってもよい。貫通電流は陽極から陰極に複極の孔部内に存在する溶融塩浴を介して流れると思われるので、セラミックスを有する複極が少なくとも1枚あれば貫通電流を良好に低減可能である。そして、セラミックスを有する複極が増えれば、さらに貫通電流を低減可能である。溶融塩電解装置100は陽極及び/または陰極を複数備えて良い。この場合、陽極及び陰極の数に応じて複極の数も増えることとなる。
(電解槽)
電解槽120は、上側に開口部が形成された容器形状であり、例えば主として酸化アルミニウム等の耐火煉瓦その他の適切な材料からなる。図1Aに示す電解槽120は、底壁123と該底壁123に連結されて上方に延在した2対の側壁124とで構成される。この電解槽120には、その内部に供給された、塩化マグネシウムを含む溶融塩からなる溶融塩浴Bfが貯留される。電解室140においては塩化マグネシウムの電解で生成された金属マグネシウムを金属回収室150に送るとともに、溶融塩を金属回収室150から電解室140に送って、溶融塩浴Bfを循環させるため、第1の隔壁121及び第2の隔壁122が配置される。ここでは、溶融塩電解装置100は、第1の隔壁121と第2の隔壁122との間に、流通口125を形成したことで、矢印Aに示す溶融塩浴の流動(電解室140から金属回収室150への流れ)を確保することができる。また、第2の隔壁122の下面側にも溶融塩浴の流動が可能な通路が形成されており、矢印Bの流動(金属回収室150から電解室140への流れ)を確保できる。
(溶融塩)
塩化マグネシウムの電気分解により、溶融金属として金属マグネシウム(Mg)が生成されるとともに、ガスとして塩素ガス(Cl2)が発生する。溶融塩には、上記の塩化マグネシウム(MgCl2)の他、支持塩として、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化カリウム(KCl)、フッ化マグネシウム(MgF2)及び/又は、フッ化カルシウム(CaF2)等を含ませる場合がある。支持塩として使用される成分は、塩化マグネシウムよりも電気分解される電圧が高いものを使用することが好ましい。金属マグネシウムは、金属チタンを製造するクロール法における四塩化チタンの還元に、また塩素ガスは、チタン鉱石の塩化にそれぞれ用いることができる。この電気分解の原料とする塩化マグネシウムとしては、クロール法で副次的に生成されるものを使用可能である。
(上蓋)
上蓋130は、溶融塩浴Bfが高温であることから電解槽120の外部に対する断熱の役割を果たす。また、上蓋130を配置して電解槽120を閉空間とし、塩化マグネシウムの電気分解時に陽極141から生じる塩素ガスの漏洩を防止するために外部に対して電解槽120内を負圧にする。
上蓋130には、第1のガス回収口132と、第2のガス回収口133と、給排口134とが設けられてよい。これらの口はそれぞれ1つでもよく、複数でもよい。
(電解室)
電解室140では、塩化マグネシウムを電気分解して、該電気分解により溶融金属マグネシウム及び塩素ガスが生成される。図1Bに示すように、電解槽120の電解室140では、貯留される溶融塩浴Bfに陽極142と、第1の複極110及び第2の複極115と、陰極144との順序で浸漬配置されてよい。このとき、電解室140内において、陽極142、第1の複極110及び第2の複極115、陰極144の各電解面は、溶融塩浴Bfの深さ方向(図1Bでは上下方向)と略平行となるように配置されている。
陽極141は、上蓋130に挿通され下方に延在し、溶融塩浴Bfにその一部が浸漬するように配置されている。陽極142の形状としては特に限定されず、例えば板状、円柱状及び角柱状等が挙げられる。電気分解による金属マグネシウムの製造効率の観点から、溶融塩電解装置100は陽極142及び陰極144をそれぞれ複数備えるものとしてよい。
なお、陽極142の材質は特に限定されるものではないが、例えば黒鉛等が挙げられる。黒鉛製の陽極を使用して塩化マグネシウムの電気分解を実施した場合、電気分解の終了後、陽極142の貫通孔内は、塩化マグネシウムを含有する溶融塩浴で満たされている。当該陽極142に先述したように、水の供給、真空乾燥処理、加熱処理を施すことで、陽極142の貫通孔内に、例えば酸化マグネシウム等を含有するセラミックスが形成される。この陽極を、貫通電流の低減の観点から、複極として用いて、新たに塩化マグネシウムの電気分解を実施することができる。すなわち、使用した陽極を複極としてリサイクルすることができる。
第1の複極110及び第2の複極115は、例えば耐火煉瓦製の台座(不図示)の上にそれぞれ配置されてよい。
陽極142と陰極144とは、不図示であるブスバーや導電線等を介して電源に接続されている。塩化マグネシウムの電気分解では、該陽極142及び該陰極144で、例えば下記化学式(1)等といった所定の反応に基づいて、塩化マグネシウムが塩素と金属マグネシウムに分解される。
MgCl2→Mg+Cl2・・・化学式(1)
陰極144は、図1Aに示すように、外側に延長する延長部分144aを有し、この延長部分144aが、側壁124を貫通して電解槽120の外部へ突き出るように配置されている。陰極144の形状は、板状とすることがあるが、陽極142の形状等を勘案して適宜変更可能であり、角筒状や円筒状等でもよい。この場合であっても、前記延長部分144aを陰極144は有する。例えば、図2A及び図2Bに示す溶融塩電解装置200では、陽極242から配列方向に沿って(図示の態様では陽極242から離れる方向において)、陽極242、第1の複極210、第2の複極215、陰極244の順に配列されている。より詳細には、陽極242の周囲を取り囲んで陽極242から間隔をおいて、角筒状の第1の複極210が配置され、第1の複極210の周囲を取り囲んで第1の複極210から間隔をおいて、角筒状の第2の複極215が配置され、第2の複極215の周囲を取り囲んで第2の複極215から間隔をおいて角筒状の陰極244が配置されている。陰極244は、角筒状の一部から外側に延長する延長部分244aをさらに有し、この延長部分244aが、側壁124を貫通して電解槽120の外部へ突き出るように配置されている。
なお、陰極144、244の材質は特に限定されるものではないが、黒鉛、炭素鋼等が挙げられる。黒鉛製の陰極144、244を使用した場合、先述した陽極と同様、当該陰極144、244を溶融塩電解装置100、200に備わる複極としてリサイクルすることができる。また、例えば陰極144の電解面145からは、塩化マグネシウムの電気分解により溶融金属マグネシウムが生成される。
塩化マグネシウムの電気分解中、陽極142と第1の複極110との極間距離、第1の複極110と第2の複極115との極間距離及び第2の複極115と陰極144との極間距離を適宜調整すればよく、これらの極間距離は、例えば5mm以上かつ20mm以下である。なお、陽極と複極、複極と複極及び陰極と複極の極間距離はそれぞれ、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
(金属回収室)
金属回収室150では、電解室140において電気分解により生成した溶融金属マグネシウムを回収する。金属回収室150は、電解室140と連通しており、熱交換器(不図示)を有することがある。
なお、別の実施形態としては、溶融塩電解装置に、横方向に並んで電解室、金属回収室の他、熱交換器(不図示)を有する熱交換室(不図示)を更に備えてもよい。例えば、溶融金属マグネシウムの回収は金属回収室の給排口を使用して行い、溶融塩化マグネシウム等の溶融塩の補充は熱交換室に対して行うことができる。その結果、金属回収室内にて溶融金属マグネシウムをより安定して貯留できる。熱交換室はこれらの他、溶融塩浴を撹拌するための撹拌機(不図示)を更に有してよい。
[3.金属マグネシウムの製造方法]
本発明に係る金属マグネシウムの製造方法の一実施形態においては、電解槽と、該電解槽内に配置された陽極と、先述した複極の製造方法で製造された複極と、陰極とを備える溶融塩電解装置を使用する金属マグネシウムの製造方法であって、溶融塩浴に含有される塩化マグネシウムの電気分解をして金属マグネシウムを生成する電解工程を含んでいる。以下、図1A及び図1Bに示す溶融塩電解装置100を用いた場合を例として前記電解工程について好適な態様を説明する。
<電解工程>
電解工程においては、溶融塩浴Bfに含有される塩化マグネシウムの電気分解を実施する。溶融塩浴Bfが、図1Aに示す矢印Aのように電解室140から流通口125を通って金属回収室150に流動し、図1Aに示す矢印Bのように金属回収室150から第2の隔壁122の下側を通って電解室140に流動する。電解室140では、溶融塩浴Bf中の塩化マグネシウムが電気分解されて、溶融金属マグネシウムが生成される。そして、この溶融金属マグネシウムは、溶融塩浴Bfの流動によって金属回収室150に流入する。その後、溶融塩に対する比重の小さい溶融金属マグネシウムは、金属回収室150の浅い箇所に浮上してそこに溜まる。金属回収室150で浮上した溶融金属マグネシウムは、給排口134に回収用のパイプ等を挿通して回収することができる。
一実施形態において、溶融塩の電気分解では、先述した複極が浸漬されているが、溶融塩浴の浴温よりも、複極の貫通孔内に形成されたセラミックスの融点が高いので、溶融塩浴よりも電気抵抗率が高いセラミックスが固体のまま維持される。その結果、複極への貫通電流を低減することができるので、槽効率を向上させることができる。
本発明を実施例、比較例に基づいて具体的に説明する。以下の実施例、比較例の記載は、あくまで本発明の技術的内容の理解を容易とするための具体例であり、本発明の技術的範囲はこれらの具体例によって制限されるものではない。
[実施例1]
[セラミックスが形成された複極の製造]
まず、使用する複極110の数が1つである点を除き図1A及び図1Bに示す構成を備える第1の溶融塩電解装置100を設置した。当該溶融塩電解装置100は、電解槽120の底壁123、側壁124、隔壁121、122の材質をそれぞれレンガとした。なお、各電極は以下の条件でそれぞれ配置した。また、各電極の細孔容積については後述した方法により測定した。
<各電極の条件>
(1)陽極142
本数:1本(未使用品)
形状:板状
サイズ:厚さ20mm
材質:黒鉛
細孔容積:0.13mL/g
(2)陰極144
本数:1本(未使用品)
形状:板状
サイズ:厚さ20mm
材質:黒鉛
細孔容積:0.13mL/g
(3)複極110
本数:1本(未使用品)
形状:板状
サイズ:厚さ15mm
材質:黒鉛
細孔容積:0.13mL/g
(4)各電極の配置
各電極の電極間距離は全て10mmとした。
各電極の電解面の面積は同じとした。
(細孔容積の測定)
各電極の細孔容積の測定方法は、株式会社島津製作所製のオートポアIII9400シリーズを使用して水銀圧入法により測定した。この測定では、複極に使用する黒鉛から切り出した試験片を測定セル内に収納し、セル内を0.003MPaまで減圧した後、水銀を導入して421MPaまで加圧した。水銀圧力が0.015MPa~413MPaにおいて、試験片内に存在する細孔中に押し込まれた水銀の体積を測定することで、細孔容積を把握することができた。
[セラミックス生成処理]
(含浸ステップ)
次に、電解槽120に溶融塩(組成:50mol%NaCl-25mol%CaCl2-25mol%MgCl2)を投入した。投入後、溶融塩浴Bfの温度が650℃以上かつ700℃以下の範囲内となるように加熱維持した。これにより、各電極が溶融塩浴Bfに浸漬された。そして、電源から導線を介して陽極142と陰極144との間に電圧を印加することで塩化マグネシウムの電気分解を3時間実施した。
(乾燥ステップ)
電気分解の終了後、電解槽120から複極110を取り出して、水に10分浸漬させた。その後、複極110を取り出して、複極110の表面及び内部の水を除去するため、真空乾燥を80℃、24時間実施した。
(加熱ステップ)
次に、先述した第1の溶融塩電解装置100と別の装置として、第2の溶融塩電解装置100を設置した。このとき、第2の溶融塩電解装置100の構成は、真空乾燥後の複極を取り付け、且つ電解槽120に溶融塩(組成:50質量%NaCl-30質量%CaCl2-20質量%MgCl2)を投入したこと以外、使用する複極の数が1つとした第1の溶融塩電解装置100の構成と同一にした。そして、複極110を、温度が650℃以上かつ700℃以下の範囲内に維持された溶融塩浴Bfに60分浸漬させた。
(金属マグネシウムの製造)
電源から導線を介して陽極142と陰極144との間に電圧を印加することで塩化マグネシウムの電気分解を5時間実施した。なお、表1に槽効率を示す。
ここで、槽効率とは、陽極と陰極間に複極を配置した電解槽に特有の評価指標であり、槽効率が高いほど、複極での塩化マグネシウムの電気分解に寄与している割合が多いことを意味し、すなわち、漏れ電流が少なく、生産性が高いことを意味する。なお、槽効率ηは、数1により定義される。
[比較例1]
比較例1では、前記セラミックス生成処理(複極の多孔体の表面に開口する貫通孔の内部にセラミックスを形成する処理)を実施せずに、未使用品の複極を使用し、溶融塩(組成:50質量%NaCl-30質量%CaCl2-20質量%MgCl2)を用いた塩化マグネシウムの電気分解をしたこと以外、実施例1と同様に塩化マグネシウムの電気分解を5時間実施して金属マグネシウムを製造した。なお、表1に槽効率を示す。
[実施例2]
実施例2では、未使用品の複極の厚さを50mmにしたこと以外、実施例1と同様に塩化マグネシウムの電気分解を5時間実施した。なお、表1に槽効率を示す。
[比較例2]
比較例2では、前記セラミックス生成処理(複極の多孔体の表面に開口する貫通孔の内部にセラミックスを形成する処理)を実施せずに、未使用品の複極を使用したこと以外、実施例2と同様に塩化マグネシウムの電気分解を5時間実施して金属マグネシウムを製造した。なお、表1に槽効率を示す。
[実施例3]
まず、電極を水に10分浸漬させた。水中から電極を取り出して、ある程度水を除去するため、常圧乾燥を50℃、1時間実施した。
<電極の条件>
本数:1本(未使用品)
形状:板状
サイズ:厚さ15mm
材質:黒鉛
細孔容積:0.13mL/g
次に、実施例1と同様に使用する複極の数を1つとした第1の溶融塩電解装置100を設置した。次に温度が650℃以上かつ700℃以下の範囲内に維持された溶融塩(組成:50mol%NaCl-25mol%CaCl2-25mol%MgCl2)に常圧乾燥後の電極を1時間浸漬した。
前記浸漬の終了後、電極を取り出し、実施例1と同様に使用する複極の数を1つとした第2の溶融塩電解装置100を組み立てた。このとき、第2の溶融塩電解装置100の構成は、セラミックスが形成された電極を複極110として取り付け、且つ電解槽120に溶融塩(組成:50質量%NaCl-30質量%CaCl2-20質量%MgCl2)を投入したこと以外、第1の溶融塩電解装置100の構成と同一にした。複極110を、浴温が650℃以上かつ700℃以下の範囲内に維持された溶融塩浴Bfに浸漬させた。そして、電源から導線を介して陽極142と陰極144との間に電圧を印加することで塩化マグネシウムの電気分解を5時間実施した。なお、表1に槽効率を示す。
[電気分解後の複極の確認]
実施例1~3における塩化マグネシウムの電気分解後、溶融塩電解装置の電解槽に貯留された溶融塩浴を冷却した後、該固化した浴を公知の手段で除去し、電解槽を解体した。解体後の複極を取り出し、高さ方向に沿って切断し、その切断後の複極の断面を目視で観察した。観察した結果、貫通孔の内部の一部に白い粉末が確認された。黒鉛製の複極の多孔体は網目状の孔部を有し、厚さ方向において一定程度の深さ位置で前記白い粉末が確認された。また、当該白い粉末は水に晒しても残存していた。すなわち、上記粉末は、水を含んだ溶融塩浴成分の加熱により生成し、水に難溶なので、セラミックであると推察される。
[実施例による考察]
実施例1~3では、貫通電流を低減させる観点から、貫通孔を含む孔部を有する黒鉛製の多孔体を備える電極の前記貫通孔に、溶融塩の成分と、水及び/又は酸素とを含ませる含浸ステップと、該含浸ステップ後、前記電極を加熱する加熱ステップとを含むことが有用であることを確認した。なお、実施例2では、実施例1と比べ、複極の厚みを厚くしたことで、槽効率が向上していた。即ち、貫通電流は複極の厚さの影響も受ける。よって、同じ厚さの複極を使用した実施例と比較例との対比により、貫通電流低減効果を検証できる。また、実施例3では、実施例1と同等の槽効率であったことから、水及び/又は酸素を先に黒鉛製の電極の多孔体に含ませ、その後溶融塩の成分を電極の多孔体に含ませることで、貫通電流を良好に低減できることを確認した。
一方、比較例1~2では、実施例1~2と比べ、含浸ステップと加熱ステップを施さなかったことで槽効率が低下していた。
100、200 溶融塩電解装置
110、210 第1の複極(複極)
115、215 第2の複極(複極)
120 電解槽
121 第1の隔壁(隔壁)
122 第2の隔壁(隔壁)
123 底壁
124 側壁
125 流通口
130 上蓋
132 第1のガス回収口
133 第2のガス回収口
134 給排口
140 電解室
142、242 陽極
144、244 陰極
145 電解面
150 金属回収室

Claims (3)

  1. 塩化マグネシウムの電気分解をするための溶融塩電解装置に使用される複極の製造方法であって、
    貫通孔を含む孔部を有する黒鉛製の多孔体を備える電極の前記貫通孔に、溶融塩の成分と、水及び/又は酸素とを含ませる含浸ステップと、
    前記含浸ステップ後、前記電極を加熱する加熱ステップとを含む、複極の製造方法。
  2. 前記含浸ステップと、前記加熱ステップとの間に、前記電極を真空乾燥する乾燥ステップを更に含む、請求項1に記載の複極の製造方法。
  3. 電解槽と、該電解槽内に配置された陽極と、請求項1又は2に記載の複極の製造方法で製造された複極と、陰極とを備える溶融塩電解装置を使用する金属マグネシウムの製造方法であって、
    前記塩化マグネシウムを電気分解して金属マグネシウムを生成する電解工程を含む、金属マグネシウムの製造方法。
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