JP6465816B2 - HClを生成する水素ガス拡散陽極の集成装置及び当該集成装置を含む電解セル - Google Patents

HClを生成する水素ガス拡散陽極の集成装置及び当該集成装置を含む電解セル Download PDF

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Description

[0001]本発明は、副生物として塩化水素(HCl)を生成するマグネシウムやアルミニウムなどの金属の電解製造において用いるための水素ガス拡散陽極の集成装置に関する。
[0002]アルミニウムとマグネシウムは、商業上重要性が高い一般的な構造用金属である。
[0003]純粋なアルミニウム(Al)は銀白色で可鍛性かつ延性の金属であり、鋼の三分の一の密度を有する。アルミニウムは地殻の中に最も豊富に存在する金属である。アルミニウムは優れた電気伝導体であり、銅の二倍の電導度を有する。アルミニウムはまた、効率的な熱伝導体であり、そして光と輻射熱の良好な反射体である。
[0004]他の主要な金属の大部分と異なり、アルミニウムはその本来の状態では存在しないが、ナトリウムやフッ素のような他の元素との組み合わせや有機物質との錯体として、ケイ酸塩、酸化物および水酸化物として自然環境中の至るところに存在する。水や他の微量の元素との組み合わせとして、ボーキサイトとして知られるアルミニウムの主要な鉱石を生成する。
[0005] 主として酸化マグネシウム(MgO)などのマグネシウム化合物は、鉄、鋼、非鉄金属、ガラスおよびセメントを製造するための炉のライニング(内張り)における耐火材料として用いられる。酸化マグネシウムおよびその他のマグネシウム化合物は、農業、化学、自動車、航空宇宙および建設の産業においても用いられる。
[0006]現在、アルミニウムは、精錬装置においてボーキサイトから純粋なアルミナを分離し、次いで、ホール・エルー(Hall-Heroult)法及びバイヤー(Bayer)法を用いる電気分解によってアルミナを処理することによって製造される。アルミナが溶解している溶融電解質を通して流れる電流によって、酸化アルミニウムは酸素とアルミニウム地金に分離する。酸素は電解液中に浸漬した炭素の陽極上に集まり、アルミニウム地金は炭素で裏打ちした電解セル(電解槽)の底部(陰極)に集まる。平均して、2tの酸化アルミニウムを得るためには約4tのボーキサイトを必要とし、それにより1tの地金を産する。120年以上にわたって、バイヤー法とホール・エルー法はともに、アルミニウム地金の製造の標準的な商業的方法である。これらの方法は大量の電気を必要とし、またホール・エルー法の場合はフッ化物、バイヤー法の場合は赤泥などの望ましくない副生物を生成する。
[0007]塩化アルミニウムの電気分解によるアルミニウムの製造は長年の念願であって、理論上は実行可能な目標であるが、その経済上の到達点は未だに経済的に現実のものとはなっていない。その理由の多くは、多くの未解決の問題が生じていることであり、例えば、電気分解から発生する高度に腐食性の塩素の蒸気またはガスならびに浴成分の錯塩または共融混合物および電気分解の生成物(本明細書では、これらは全て、電解質という用語で大まかに包含される)は腐食性のものであり、明らかに問題を増幅させる。それらの問題の中には、それらの電解質と電解セルにおける制限的な周囲の構成要素との反応によって、電解セルの構成要素の寿命が短くなることや浴の有害な汚染物質の発生がある。
[0008]未精錬の物質からマグネシウム地金を取り出すことは効果を消耗する工程であって、十分に利益を産む技術を必要とする。現在、マグネシウムを抽出するために、電気分解の工程が一般に用いられる。塩酸の中に選鉱屑が浸出され、ブラインが生成して、それから電気分解を用いてマグネシウムが抽出される。酸化マグネシウムのサーマルレスニング(thermal lessening)も鉱石からマグネシウムを抽出するために用いられる。
[0009]一般に、マグネシウムの電解生成の過程で、陽極において塩素ガスが形成される(陰極では金属マグネシウムが形成される)。そのような工程において用いられる従来の陽極は黒鉛から成る。必要とする高温において、塩素ガスは黒鉛の陽極を腐食する傾向があり、また様々な塩素化炭素化合物が形成されるかもしれない。塩素ガス自体と塩素化炭素化合物は環境上有害であり、それらを除去するのは困難であって、処理するのに費用がかさむ。加えて、この反応によって黒鉛の陽極がゆっくりと消耗するので、陽極自体を定期的に交換しなければならず、それにかかる費用は取るに足りないものではない。
[0010]従って、アルミニウムやマグネシウムのような金属を抽出するための改良されたプロセスを提供する必要性が依然として存在する。
[0011]本発明によれば、金属の電解製造において用いるための陽極の集成装置が提供され、この集成装置は、陽極の第一の端部から第二の端部まで長手方向に延びる空洞を含む中空の本体を有する陽極を含み、前記本体は、前記空洞と流体連通状態に接続されている少なくとも一つのガス出口と、前記陽極の空洞と流体連通状態に接続されているガス入口を有し、前記ガス入口は前記陽極の空洞の中に水素ガスを供給するための水素ガスの供給源と接続可能であり、また前記本体は、電気分解を行う間に陽極において電流を発生させるための電気コネクターと、電気分解を行う間に陽極の外表面において少なくとも一つのガス出口を通して放出されるHClガスを回収するために陽極の少なくとも一部分を囲んでいる塩化水素(HCl)のレキュペレーターを有し、HClのレキュペレーターはHClの再分配器に接続可能な出口を有する。
[0012]一つの態様において、第一の端部は陽極の頂部であり、また第二の端部は陽極の底部であり、ガス入口は陽極の頂部または底部に接続されている。
[0013]別の態様において、電気コネクターは陽極の空洞の中に延びている。
[0014]さらなる態様において、電気コネクターは陽極の空洞へ向かうガス入口の中に延びている。
[0015]一つの態様において、金属はマグネシウムまたはアルミニウムである。
[0016]代替の態様において、陽極は円筒形の陽極である。
[0017]さらなる態様において、陽極は、陽極の本体上で対称的に間隔をおいた複数のガス出口を有する。
[0018]別の態様において、ガス出口の大きさは陽極の頂部から陽極の底部へ向かって増大する。
[0019]さらなる態様において、ガス出口は陽極の本体上に行列状に離間されている。
[0020]別の態様において、各行の各ガス出口は同じ大きさである。
[0021]補足的な態様において、ガス出口は円筒形の穴である。
[0022]別の態様において、ガス出口は陽極の底部から頂部までの細長いテーパーチャネルである。
[0023]さらなる態様において、陽極は金属製の拡散体である。
[0024]別の態様において、陽極は焼結した金属粉末から成る。
[0025]さらなる態様において、陽極は黒鉛またはハスタロイXから成る。
[0026]一つの態様において、ガス入口はHClのレキュペレーターであり、陽極の少なくとも一部分に部分的に延びていてそれを囲んでいて、電気分解を行う間に陽極の外表面においてガス出口を通して放出されるHClガスを回収するものである。
[0027]さらなる態様において、HClのレキュペレーターは焼結したアルミナの管である。
[0028]一つの態様において、少なくとも一つのガス出口は少なくとも5μmの開口である。
[0029]別の態様において、本明細書における陽極は電極触媒をさらに含んでいる。
[0030]一つの態様において、金属の塩化物を電気分解するための電解セルも提供され、この電解セルは、本明細書における陽極の集成装置と、陽極から分離している陰極とを有し、陽極の外表面におけるガス出口を通して放出されるHClガスが陰極で生成される金属から分離され、また電解セルは、電解液と前記陰極および前記陽極の集成装置を含む電解室を有する。
[0031]本発明によれば、アルミニウムの電解製造において用いるための陽極の集成装置も提供され、この集成装置は、第一の端部から第二の端部まで長手方向に延びる空洞を含む中空の本体を有する陽極を含み、前記本体は、前記空洞と流体連通状態に接続されている少なくとも一つのガス出口と、前記陽極の空洞と流体連通状態に接続されているガス入口を有し、前記ガス入口は前記陽極の空洞の中に水素ガスを供給するための水素ガスの供給源と接続可能であり、また前記本体は、電気分解を行う間に陽極において電流を発生させるための電気コネクターと、電気分解を行う間に陽極の外表面において少なくとも一つのガス出口を通して放出されるHClガスを回収するために陽極の少なくとも一部分を囲んでいる塩化水素(HCl)のレキュペレーターを有し、HClのレキュペレーターはHClの再分配器に接続可能な出口を有する。
[0032]また本発明によれば、マグネシウムの電解製造において用いるための陽極の集成装置が提供され、この集成装置は、第一の端部から第二の端部まで長手方向に延びる空洞を含む中空の本体を有する陽極を含み、前記本体は、前記空洞と流体連通状態に接続されている少なくとも一つのガス出口と、前記陽極の空洞と流体連通状態に接続されているガス入口を有し、前記ガス入口は前記陽極の空洞の中に水素ガスを供給するための水素ガスの供給源と接続可能であり、また前記本体は、電気分解を行う間に陽極において電流を発生させるための電気コネクターと、電気分解を行う間に陽極の外表面において少なくとも一つのガス出口を通して放出されるHClガスを回収するために陽極の少なくとも一部分を囲んでいる塩化水素(HCl)のレキュペレーターを有し、HClのレキュペレーターはHClの再分配器に接続可能な出口を有する。
[0033]添付図面を参照されたい。
[0034]図1は一つの態様に係る陽極の集成装置の概略的な断面図である。 [0035]図2は図1の陽極集成装置に係るガス入口に接続されている陽極の拡大断面図である。 [0036]図3Aは一つの態様に係る陽極の側面図である。 [0037]図3Bは図3Aの陽極の断面図である。 [0038]図4Aは別の態様に係る陽極の側面図である。 [0039]図4Bは図Aの陽極の断面図である。 [0040]図5は4ホール水素陽極を用いて0.5A/cmおよび845cm/分における電解時間に対して測定したセル電圧をグラフで示したものである。 [0041]図6は4ホール陽極について376cm/分、Ar-5Hにおいて、またHを伴わずに測定したターフェル図(Tafel plots)をグラフで示したものである。 [0042]図7は、焼結金属拡散陽極を用いて、異なる電流密度(0.13〜0.4A/cm)について、ガス流量の関数として測定したセル電圧をグラフで示したものである。 [0043]図8Aは、炭素陽極を用いて電極の軸に沿って優先的なガス拡散があるときに、0、9、18および30cm/分のH流量について、電流密度の関数として測定したセル電圧をグラフで示したものである。 [0044]図8Bは、炭素陽極を用いて電極の軸に沿って優先的なガス拡散があるときに、0、9、18および30cm/分のH流量について、700℃における実験で測定したターフェル図をグラフで示したものである。 [0045]図9Aは、0.5A/cmとした場合に、理論上および実験上で生成するHClの測定量を水素の流量の関数としてグラフで示したものである。 [0046]図9Bは、0.25A/cmとした場合に、理論上および実験上で生成するHClの測定量を水素の流量の関数としてグラフで示したものである。 [0047]図10Aは、多孔質の電極について、電極の軸に沿って優先的な拡散があるときの水の中での気泡発生試験を写真で示したものである。 [0048]図10Bは、多孔質の電極について、電極に対して垂直な方向に優先的な拡散があるときの水の中での気泡発生試験を写真で示したものである。 [0049]図11は、炭素陽極を用いて電極の軸に対して垂直な方向に優先的なガス拡散があるときに、0、9、18および30cm/分のH流量について、700℃において測定したターフェル図をグラフで表示したものである。 [0050]図12は、軸に沿って優先的な拡散がある電極と、軸に対して垂直な方向に優先的なガス拡散がある電極について得られた、電流密度に伴う最大セル電圧の低下量をグラフで示したものである。 [0051]図13は、0.35A/cmにおいて18cm/分の水素流量の下でMgの電気分解を行う間に測定したセル電圧の変化量をグラフで示したものである。
[0052]添付した図面を通して、同じ特徴点は同じ参照符号によって特定されていることに留意されたい。
[0053] 副生物として塩化水素(HCl)ガスを生成するマグネシウムやアルミニウムなどの金属の電解製造において用いるための水素ガス拡散陽極の集成装置が提供される。
[0054]本明細書で記述する陽極は、塩酸を用いるマグネシウムとアルミニウムの抽出プロセスにおいて用いることができて、その塩酸は、国際出願PCT/CA2013/050659号および米国特許出願61/827709号(2013年5月27日提出)に記載されているように、そのプロセスを実施する間に再循環される。それらの出願の内容はそれらの全体が参考文献として本明細書に取り込まれる。
[0055]マグネシウムまたはアルミニウムの電解製造を行う過程で、塩素ガスが陽極において形成され、そして金属のマグネシウムまたはアルミニウムが陰極において形成される。溶融電解質を通って流れる電流は、塩化アルミニウムまたは塩化マグネシウムをHCl(これは電解液の中に浸漬された陽極の上に集まる)とアルミニウム地金およびマグネシウム地金(これらは陰極に集まる)に分離する。
[0056]陽極は溶融塩の電解液の中に浸漬され、そして表面で発生したHClガスは電解セルの頂部へ向かう。一般に、溶融した金属との酸素の接触を防ぐために、セルには不活性ガスが供給される。このとき、HClはこの不活性ガスと混合される。この極めて乾燥した混合物は700℃でセルから出て、それを、例えばMgCl水和物のブラインをMgClの金属粒に転化するための乾燥剤として用いることができるだろう。次いで、ガスは水スクラバー装置(HCl再分配器)を通り、そこでHClガスはHClの液体に転化され、そして不活性ガスは乾燥工程を経た後に電解セルへ戻される。そのHCl液の濃度は、その液体がHClを含む混合ガスと接触する通過回数によって調節される。濃度が32wt%に達したならば、HCl液の溶液はフラッシュ(flush)されてタンクへ戻され、そして新しい水がスクラバーの中に導入される。
[0057]マグネシウムとアルミニウムは現在、電解プロセスを用いて分離されている。溶融した塩化マグネシウム(MgCl)の電解還元が、マグネシウムを製造するために一般的に用いられるプロセスである。このプロセスには主に二つの問題が関係している。第一に、このプロセスによって大量のClが発生し、それは陽極の炭素と結合して多くの有機塩素化合物を形成するが、それらの化合物のほとんどは、国際連合環境計画によって除去すべき対象物とされている12の残留性有機汚染物質の一部である。加えて、マグネシウムの製造には大量のエネルギーを必要とする。形成についてのギブズの自由エネルギーに基づくと、1kgのMgを製造するためには最低でも5.5kWhの電力が必要である。しかし、システム中に存在する様々な抵抗要素(電解液、気泡および電極)を考慮に入れると、セルの構成に応じて、実際の電力消費量は10〜18kWh/kgの間で変動する。
[0058]米国特許公開2002/0014416号明細書は大きな表面積の陽極の使用を記載していて、その陽極は多孔質で、そこに水素ガスが供給され、塩化マグネシウムの電気分解によってマグネシウム地金が製造される。2002/0014416号公報における陽極の構成は、(電気分解の前に)電解セルの中で溶融塩化マグネシウムによって付与される静水圧の変動を考慮に入れていない。陽極は直立したセルであるため、溶融塩化マグネシウムによって付与される静水圧は、陽極の頂部におけるよりも陽極の底部における方が大きい。従って、静水圧は陽極の頂部の近くで特定の値で始まって、陽極の底部に向かって増大し、そこで最大になる。このため、2002/0014416号公報のもののような陽極は(場合によりチャネルまたは孔は相似のものであって、陽極に沿ってその周囲および上下に等間隔に離間されている)、底部(静水圧は大きい)において出るよりも多くの水素ガスが頂部(静水圧は小さい)において陽極から出ていく構造になる。この結果、(陽極の空洞内での水素ガスの圧力と容量に応じて)不十分な量の水素ガスが底部の近傍で陽極から出ていくか、あるいは過剰な量の水素ガスが頂部の近傍で出ていくことになる。しかし、これらのいずれでもない状態が理想的である。
[0059]米国特許公開2002/0014416号明細書に記載された陽極とは異なり、本明細書に記述される陽極は、生成したHClの回収を可能にする集成体の一部である。さらに、本明細書に記述される陽極は、例えば、溶融したマグネシウムによって引き起こされる静水圧の変動を補うように変化するチャネルまたは孔の容積を有する。従って、本明細書に開示される陽極においては、陽極の頂部により近い位置(静水圧は小さい)において、陽極は比較的小さなチャネルまたは孔の容積を有する。陽極の底部により近い位置(静水圧は大きい)において、陽極は比較的大きなチャネルまたは孔の容積を有する。好ましくは、陽極の長さ方向で頂部から底部へ下がって行くに従って、チャネルまたは孔の容積は次第に大きくなる。チャネルまたは孔の容積は計算することができて、それは静水圧が増大するのに比例して大きくすることができ、従って、陽極の頂部または底部から如何なる距離の箇所であっても、その外表面の全体で実質的に同じ量の水素ガスが陽極から出ることを確実にすることができる。これにより十分な量の水素ガスが陽極から出て、陽極における炭素への塩素ガスによる攻撃が減少するか、または解消され、塩素化した炭素化合物の生成も減少または解消し、塩素ガスの生成が減少または解消し、それに代わって塩化水素ガスが生成し、そして過剰な水素ガスを必要とすることなく塩化マグネシウムまたは塩化アルミニウムの電気分解のために必要な電圧を低下させることができる。
[0060]塩化アルミニウムの電気分解におけるセルの反応は次の通りである:
2AlCl → 2Al +6Cl
[0061]700℃におけるこの反応について、可逆的な分解の電圧は約1.8Vとなる。
[0062]アルミニウムの抽出について、全体的な反応は次のようになる:
2AlCl + 3H → 2Al +6HCl (式1)
[0063]従来のマグネシウムの電気分解を行う間に、MgClは式に従って陰極における液体マグネシウムと陽極における気体状の塩素に分解する。この場合、反応の理論上の電圧は2.50Vである:
MgCl → Mg + Cl (式2)
[0064]水素ガス拡散陽極を用いるプロセスについて、全体的な反応は次のようになる:
MgCl + H → Mg + 2HCl (式3)
[0065]この反応について、分解の電圧は1.46Vまで低下し、約1Vの理論上の電圧の低下が可能であり、全体的なセル電圧の低下は0.86Vに達しうる。これはエネルギー消費量において25%の低下に相当する。
[0066]本明細書に記述される陽極によって与えられる一つの重要な利益は、プロセスの副生物としてHClが生成することである。MgClとAlClの鉱石の精製プロセスは脱水工程のための気体状のHClを消費するので、このことは、このプロセスのために必要なHClを現場で製造するために極めて重要なことである。このことが経済的な利益とプロセスの単純化をもたらすのであり、何故ならば、電気分解によって生成するHClの量は脱水プロセスのための化学反応体を供給するのに十分な量とすべきだからである。マグネシウムの電気分解を行う間に生成し得るHClの理論量は、式4から見積もることができる:
Figure 0006465816
ここで、iは電流(A)であり、n(e)は交換される電子の数であり(この場合、HClの1モル当りn(e) =1)、Fはファラデー定数であり、そしてtは電解時間(秒)である。従って、電解プロセスから抽出することができて、MgClまたはAlClの精製設備に供給しうるHClの最大量は、理論上は37.3×10−3mol・h−1・A−1に達するだろう。従って、300kAで運転する一つの電気化学セルについて、1時間当りに約410kgの気体状のHClを生成することができて、そしてこれをマグネシウムとアルミニウムの抽出のために用いることができる。
[0067]加えて、陽極においてClの代わりにHClが形成することによって、望ましくない有機塩素化合物の形成を劇的に低下させることができ、それは環境保全性のより高いプロセスにつながり、また温室効果ガスの排出に関する制限の増大に最適である。さらなる利益として、陽極の炭素との塩素の反応が低下することによって、陽極の寿命が増大し、陽極を交換する頻度の低下につながり、その結果、Mgの製造コストが低下する。
[0068]図1を参照すると、一つの態様として、本発明に含まれる陽極10が示されている。
[0069]電気分解のための陽極(本発明に含まれるもの)は、ランタン、テルビウム、エルビウム、イッテルビウム、トリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、クロムおよびタンタルからなる群から選択される少なくとも一つの金属の少なくとも一つのオキシ化合物(例えば、S-オキシド、複合酸化物、混合酸化物、オキシハロゲン化物およびオキシ炭化物)の焼結粉末の自立性基材と、少なくとも一つの導電剤で製造することができて、この陽極にはその表面の少なくとも一部分の上に電解反応のための少なくとも一つの電極触媒とセルのための双極電極が設けられていて、それらの電極は溶融塩電解において耐食性であり、また良好な導電性と良好な電極触媒活性を有する。
[0070]陽極10は細長い本体12を有する。本体12は、例えば黒鉛、好ましくは多孔質の黒鉛で製造することができる。本体は如何なる形状のものであってもよく、例えば円筒形である。陽極の形状は理想的には、容易に機械加工することができて、その表面において均一なガス分布を与え、そして電気化学セルの構成要素と容易にぴったりと合う必要がある。あるいは、陽極の本体は、焼結した金属粉末で製作された金属製の拡散体であってもよく、それによりガスが拡散することができるような連続した細孔が得られる。表面で発生した気泡は均一に分布し、そしてそれらの大きさは細孔の直径に応じて容易に変えられる。焼結金属の拡散体は、材料の広い選択肢と様々な範囲の多孔度で入手することができて、それは例えばハスタロイXである。そのような金属製の拡散体においては、5μm程度に小さな細孔サイズを用いることができる。
[0071]陽極10は、一方の末端においてキャップ(蓋)26によって閉じられたHClレキュペレーターからなる管22の中に挿入されている。HClレキュペレーター22は、例えば、1インチの焼結したアルミナの管である。図1に示すように、キャップ26はT形のスウェージロック継手であってもよい。図1でわかるように、陽極10の表面で生成した気泡20はアルミナ管の内部に制限されて、HClレキュペレーター22の内部を上昇する他はない。陽極のガス20は陰極において生成したマグネシウムまたはアルミニウムから分離され、いかなる逆反応も防がれる。次いで、陽極で形成されたガス20は、ガス出口27を通ってHClの再分配器の中へ移動する。実験では、生成するHClのレベルを測定する目的で、ガス出口27を通るHClガスを回収するためにバブラーが用いられる。バブラーにはNaOH溶液を充填することができる。生成したHClの定量化のために、電気分解を行った後のNaOH溶液の酸塩基滴定が行われる。
[0072]陽極10の本体12の内部には、(図2に示すように)長手方向の空洞14があり、この空洞には、水素ガスを供給するためのガス入口のコネクター(接合具)18が接続されている。ガス入口18は、例えば、陽極10の頂部または陽極10の底部において接続することができる。陽極10の底部で接続された場合、ガス入口18からの水素ガスは陽極10において気泡化することができる。ガス入口18はHClレキュペレーター22によって保護されていてもよい。ガス入口18のコネクターはステンレス鋼で製造することができ、またこれはHClレキュペレーターとして作用することもできる。従って、HClレキュペレーター22とガス入口18のコネクターは同じ管とすることができる。陽極10はさらに、陽極10の長手方向の空洞を通るガス入口を通過する電気コネクター16を含む(図2)。
[0073]一つの態様において、図3Aに示すように、ガス入口118に接続された陽極110は、本体112に沿って一連のチャネル120を有する。チャネル120は本体112の外表面から長手方向の空洞114まで延びている(図3B)。従って、チャネル120は一連のガス出口を形成している。これらのチャネルは本体112の周りで一連の行124と列126で概ね対称的に配置されている。チャネル120は本体112において直円柱の穴として形成されている。各々の行124の中で(例えば、行124aの中で)、各々のチャネル120は概ね同じ容積を有する(例えば、各々のチャネル120の直径は基本的に同じである)。各々の列126の中で(例えば、列126aの中で)、チャネル120の容積は本体112の頂部128から底部130へ行くに従って大きくなる(例えば、各々のチャネル120の直径は頂部128から底部130へ行くに従って大きくなる)。
[0074]代替の態様において、図4Aと4Bを参照すると、黒鉛から成る細長い直円柱の本体212を有していて、ガス入口218に接続された陽極210が開示されている。本体212は一連のチャネル220を有する。従って、チャネル220は一連のガス出口を形成している。これらのチャネル220は本体212の周りで概ね対称的に配置されていて、本体212の外表面から長手方向の空洞214まで延びている。チャネル220は本体212の底部230から頂部228まで細長くてテーパーになっている。(226a、226b、226c等と表示している)各々のチャネル220は、概ね同じ大きさと形状のものである。
[0075]本明細書に記述される水素陽極を用いることによって、セル電圧の顕著な低下とHClの現場での(in-situ)生成が達成されうることが示される。反応の転化効率は、実験で生成するHClと理論上のHClの生成量の比率に相当する。理論上のHClの生成量は、ファラデーの法則から得られるClの理論量と、陽極を通して注入されるHの量を考慮に入れることによって計算された。実験で生成するHClを求めるために、様々な電流密度において、Ar-5%Hガス混合物については376〜845cm/分で変動し、そして純粋なHについては9〜30cm/分で変動する陽極でのガス流量を用いて、短い電気分解の試験が行われた。
[0076]0.5A/cmにおいて転化率が80%に近いという事実は、それがMgClまたはAlClの脱水について現場でのHClの生成を行うための実行可能な解決策であることを示している。電流密度に応じて、0.2〜0.4Vの顕著な電圧低下が達成される。例えば、Mgの電解プロセスにおいては最少でも莫大な電力消費があることを考えると、そのようなセル電圧の低下は、かなりのコストの節減を伴う魅力的な利益をもたらすだろう。電極の軸に対して垂直な黒鉛面を有する炭素陽極を用い、その黒鉛面を通して水素が拡散することによって、極めて小さくて比較的良好に分布するHの気泡を陽極の表面上に発生させると、最良の結果が得られた。
[0077]黒鉛の陽極を通してのガスの拡散を最大限にすることによって、水素陽極をさらに改良することができる。陽極に電極触媒を含ませるとHの酸化のための過電圧が低下し、従って、セル電圧の低下も達成される。
[0078]以下の実施例を参照することによって本開示はさらに容易に理解されるだろう。これらの実施例は本発明の範囲を限定するのではなく、実施態様を例示するために提示される。
実施例1 様々なタイプの陽極の製作
4ホール黒鉛陽極
[0079]陽極の下方の部分の縁に4つの穴をあけた。この種の電極は、安価で迅速かつ容易に機械加工できるという主たる利点を有する。しかし、穴が比較的大きかった(直径が約0.3mm)ので、発生する気泡のサイズが大きく、不均一に分布し、また陽極の表面上に極めて速く拡散する。陽極の表面上での気泡の拡散を遅くするために、陽極の軸に対して垂直に穴あけを行った。
焼結金属拡散陽極
[0080]評価を行った第二のタイプの水素ガス拡散陽極は、金属の拡散体であった。この陽極はハスタロイXから成る焼結金属粉末で製作され、それによりガスが拡散することができるような連続した細孔が得られる。表面で発生した気泡は均一に分布し、そしてそれらの大きさは細孔の直径に応じて容易に変えられるので、このような陽極は極めて魅力的である。最小の気泡を得るために、約5μmの可能な最も細かい細孔サイズが選ばれた。電解セルの頂部から底部にかけての静水圧の変化を考慮して、表面に沿っての細孔サイズの分布を改変することができる。
多孔質黒鉛陽極
[0081]最後のタイプの電極として、多孔質黒鉛陽極について評価を行った。この種の電極は、約1/8インチの壁厚を得るために、その軸に沿って穴をあけた黒鉛棒から成る。ガス入口のコネクター管(接合管)と黒鉛の境界面でのHの漏れを完全に防ぐために、黒鉛電極の上側の部分を、ガス入口のコネクター管の内径と正確に同じ直径になるように切削加工した。次いで、ガス入口のコネクター管の最も下の部分を加熱して熱膨張させ、それにより黒鉛電極を挿入可能にした。冷却する間にガス入口のコネクター管は黒鉛電極の周りで収縮し、それら二つの部品の間で強くて漏れの無い結合が生じた。ガス入口のコネクター管と黒鉛の境界面の近傍で生じる腐食に対してステンレスの管を保護するために、この領域を焼結したアルミナ管によって保護し、一方、上方の部分はアルミナセメントによって保護した。
[0082]水中での気泡発生試験により、電極を通して水素が良好に拡散し、陽極の表面上に極めて小さな気泡が形成されることが証明された。この種の陽極は、Mgの電気分解のための水素ガス拡散陽極として試験された。続いて、電極の表面上でのHの気泡の大きさと分布を最適にするために、黒鉛の大きな塊りから黒鉛の幾つかの試験片を、異なる配向(orientation)に従って切削加工した。これにより、電極の軸に対して垂直な黒鉛面の優先的配向を有する黒鉛棒が得られ、陽極の表面上に水素の気泡が良好に分布し、また大きな気泡への成長は何ら観察されなかった。
[0083]合成黒鉛のための黒鉛化の程度が、陽極の断面の中での黒鉛面の配向の程度を決定する。この黒鉛化の程度は、陽極を製造する際の温度、圧力および反応時間などのパラメーターの結果である。この性質を用いて、静水圧を制御するためのアノードに沿うチャネルの多孔度(channeling-porosity)を制御することができた。
実施例2 4ホール水素ガス拡散陽極を用いる電解試験
[0084]棒の最も下の部分の縁に4つの穴をあけて穿孔を形成した黒鉛陽極について、マグネシウムを製造するための水素陽極としての評価を行った。前述した通りのガスの捕捉のための装置を用いて、700℃において電気化学的な測定を行った。845cm/分のAr-5%Hの流量を用いて0.5A/cmにおいて1時間行った電解試験によって、図5に示す通りの安定した挙動が示された。セル電圧はおよそ4.0Vである。最大振幅が0.1Vの電圧の短時間での変動は、ガス流量が多いことによるものかもしれない。これらの変動は、もっと少ない流量(例えば、376cm/分)を用いたときは観察されなかった。水素を用いない電気分解と比較して、この場合に観察される低いセル電圧は低い電流密度によるものであり、それは特に、陽極を取り囲むアルミナ管が分離壁よりも低い抵抗をもたらしたという事実による。
[0085]セル電圧に及ぼす水素の影響について評価するために、水素がある場合と無い場合について、様々な電流密度において短時間のクロノポテンシオメトリー測定を行った。この実験のために、最初に水素を用いずにセル電圧を記録し、それを安定した電圧に達するまで行い、次いで、376cm/分のAr-5Hを陽極の中に注入した。電流密度に対するセル電圧の発生量を図6に示す。
[0086]H陽極の使用によりセル電圧が低下することが認められた。しかし、電圧の低下は熱力学的な計算によって予測されるよりもずっと小さく、また電流密度が大きくなるのに伴って減少する傾向がある。実際のところ、二つの曲線の間の差は、0.6A/cmにおいて4.5Vの同じ値になって、その差は無くなる。しかし、低い電流密度においてセル電圧について0.15Vの顕著な低下を認めることができるという事実は、最適化されていないH陽極を使用したことを考慮すると、有望なことである。
実施例3 焼結金属拡散陽極を用いる電解試験
[0087]高温の腐食環境に対して一般に用いられるハスタロイXから成る陽極を用いて電気化学的な測定を行った。前のタイプの電極と比較して、焼結金属の拡散体は、ガスを極めて均一に拡散するという利点を有する。従って、陽極の表面で発生する水素の気泡は極めて小さく、また良好に分布する。異なる流量のAr-5%Hを用いて様々な電流密度においてクロノポテンシオメトリー測定を行った。様々な電流密度について、ガスの流量に対するセル電圧の発生量を図7にプロットする。全ての電流密度について、低いガス流量(65〜145cm/分)においてセル電圧の低下のわずかな減少が認められる。前のケース(0.15V)と比べて、観察された電圧の低下は小さい(0.1V未満)とはいえ、0.4A/cmまでの高さの電流密度についてそれを認めることができる。このことは、優れたガス拡散が高い電流密度における電圧の低下を得ることを可能にすることを確認するものである。さらに、全ての曲線が、65〜145cm/分の間のAr-5H流量について得られる最小のセル電圧とともに、同じ挙動を示す。比較的高いガス流量においては、全ての電流密度について、セル電圧は急激に増大する。これは高いガス流量のためであるが、電極の表面全体に小さな気泡が均一に分布する場合には、抵抗性の層が生成するはずである。このことは極めて興味深いことである。なぜなら、それは、これまでに用いられた流量は過剰であって、ガス拡散性陽極のためには適切ではないことを示しているからである。しかし、わずかに5原子%のHを含むガス混合物を用いての低い流量は電解反応のために十分な水素を与えず、このことにより、前に観察された小さな電圧低下を説明することもできる。理想的には、セル電圧の著しい低下を達成するためには、純粋な水素を用いなければならない。
実施例4 多孔質黒鉛陽極を用いる電解試験
[0088]試験を行ったマグネシウムの電気分解について、多孔質の黒鉛は最も有望なタイプの水素陽極となる。炭素の陽極の上に腐食の顕著な痕跡は見いだされなかった。従って、MgClをベースとする溶融塩の中での高温における優れた耐食性の故に、マグネシウムの電気分解のための陽極材料として炭素は理想的な選択になると思われる。加えて、水素は電極の壁を通して拡散することができ、それにより電極の表面において小さな気泡の良好な分布が形成されることが観察された。しかしながら、最初の試験は、水素が炭素棒の軸に沿って優先的に拡散すると思われるような炭素棒を用いて行われ、そのため電極の底の部分において比較的高い濃度の気泡が生じた。炭素棒を製造するための最も一般的な方法は熱間押出し加工であることがわかっているので、ガスは押出しの軸に沿って優先的に拡散すると想定することができる。第二の試験の部分において、棒の軸に対して垂直な方向への優先的なガス拡散を示す陽極を用いて測定を行った。ガスの拡散についての(水中に浸漬することによる)予備的な試験により、気泡は陽極の表面上に均一に分布することと、電極の底の部分において大きな気泡への成長は認められないことが示された。
[0089]セル電圧に及ぼす水素の流量の影響について測定を行った。その目的のために、様々な電流密度において様々な流量のHを用いて、700℃において短時間(1〜5分)のクロノポテンシオメトリー測定を行った。0、9、18および30cm/分のHについて、電流密度の関数としてのセル電圧の変化を図8Aにプロットし、それらの対応するターフェル図を図8Bに示す。低い電流密度において、陽極の表面における水素の存在はセル電圧に顕著な影響を及ぼすことを認めることができる。しかし、電流密度が増大すると水素の影響は低下する傾向があり、およそ0.2A/cmになると、水素の存在はセル電圧に顕著な影響を及ぼさないと思われる。
[0090]低い電流密度については、Hの流量が増加するとセル電圧は低下する傾向があることがわかる。30cm/分のH流量の場合に0.03A/cmの電流密度において、最も大きな電位の低下(0.35V)が得られる。このことは、セルの反応が最適ではなく、電極の表面においてHの気泡を良好に分布させることによって反応を確かに改善させることができた、ということを示している。
[0091]その一方で、30cm/分という最も高いH流量についてセル電圧の最も大きな低下が得られたとはいえ、セル電圧の低下はHの流量が増大するのに伴ってそれほど顕著ではなくなる、ということを指摘できる。実際のところ、Hの流量が0cm/分から9cm/分まで増大する間のセル電圧の低下量(0.25V)は、9cm/分と30cm/分の間の低下量(0.1V)よりもずっと大きい。
[0092]大きな電流においてセル電圧の低下を達成するためには、陽極でのHの酸化を優勢にしなければならず、それは例えば、陽極の有効表面積を増大させること(それにより、電流密度が低下する)、または/および、Hの酸化のための電極触媒を添加すること(それにより、陽極の過電圧が低下する)によって行われる。
[0093]電気分解を行う間に生成するHClの量と理論上で生成するHClの量を比較することによって、転化効率を計算した。
[0094]陽極を通して注入される水素ガスの量は流量計によって制御される。ガスの輸送管の内部の圧力に応じて、換算表を用いることによって流量を容易に補正することができる。ボール流量計の精度は±1〜2cm/分に制限され、従って、この精度が理論上で生成するHClの計算に及ぼす影響はわずかである。生成し得るHClの量はHの流量だけに依存すると仮定すると、生成するHClの理論上のモル流量は図9における黒い実線によって表される線形則に従う。
[0095]HClはH+Cl=HClの反応によっても生成するのであるから、HClの形成を制限するかもしれない第二の要素は、電解試験を行う間に陽極において生成するClである。Clの理論上の生成量はファラデーの法則から計算することができ、これは陽極の電流に依存する。計算すると、0.5A/cmの電流密度について、生成するClの量は9cm/分と18cm/分のH流量の場合には過剰であり、そして30cm/分の場合に等モルであることが見いだされる。0.5A/cmにおいて検討した全ての流量について、反応はHの流量によってのみ限定される。一方、0.25A/cmの電流密度において、転化反応は9cm/分においては過剰量のClを用いて生じ、それは15cm/分において等モルであり、従って、図9Bにおける実線の直線性の変わり目によって示されるように、もっと高い流量(すなわち、18cm/分および30cm/分)については過剰量のHを用いて生じる。従って、図9Aと図9Bにおいて示される二つの黒い実線は、所定の条件について生成し得るHClの最大限の量を示している。
[0096]図9Aと図9Bにおいてプロットした点線は、生成したHClの実験データを表し、それは酸塩基滴定によって定量化されたものである。0.5A/cmの電流密度(図9A)については、生成したHClの量はHの流量が18cm/分まで増大するまで増加することが認められ、そのうえ、それは理論上の線に極めて近く、このことは高い効率の転化を示している。従って、0〜18cm/分の範囲において、転化効率は77〜85%の間であったことが見いだされる。30cm/分のH流量については、HClの生成量は増加せず、その結果、転化の効率はおよそ50〜60%に劇的に低下する。実際には、18cm/分以降に観察される平坦域は、Mgの電解反応のファラデー収率と関連するかもしれない。実際に、最初の実験を行う間に認められる66%のファラデー収率を考慮することによって、0.1モル/hの最大のHCl生成量が見いだされたが、これは18cm/分のH流量に相当する。従って、HClの生成量は18cm/分よりも高いH流量においては増加しないことを観察するのは意外なことではなく、さらに、Mgの電解反応のファラデー収率は66%以下に限定されることが確証されるだろう。このことはまた、H+Cl=HClの化学反応を通してのHClの形成は起らないことも意味しているのである。何故ならば、もしこの後者の反応が起るのであれば、生成するHClの量はMgの電気分解のファラデー収率には依存しないはずだからである。
[0097]0.25A/cmの電流密度(図9B)については、9cm/分において、転化率は極めて高く(100%に近い)、生成するHClの量は0.055モル/hに達したことが認められる。前のケースと同様に、この値に達すると、それ以上のHClは生成され得ない。電流密度は前の実験における値の半分の低さであるから、生成するHClの量の最大値も半分の低さ(0.055モル/h)になり、それはMgの電気分解についての約70%のファラデー収率に相当することは、意外なことではない。
[0098]従って、このプロセスの転化効率は極めて高く、80%とほぼ100%の間であると考えることができる。一方、試験を行う間に認められるMgの電気分解の比較的低いファラデー収率は、それが限度であると見るべきではない。なぜなら、工業上の電解セルは通常、それらの最適化された設計と運転条件のために、はるかに高いファラデー収率で運転されるからである。このようにして、工業上の電解セルにおいて90%のファラデー収率と90%の転化効率を達成できると仮定すると、300kAで運転される電気化学セルによって約365kg/hのHClを生成できると見積もることができる。
[0099]陽極の軸に対して垂直な方向に優先的なガス拡散がある多孔質炭素陽極の使用について調査した。図10は、30cm/分のガス流量の下で水の中で気泡発生試験を行う間の二つの電極を示す。図10Aにおいて、陽極の軸に沿って優先的なガス拡散がある電極は、棒の底の部分で大きな気泡を生じ、円筒の周りに比較的小さな気泡が分散した。これを、軸に対して垂直な方向に優先的な拡散を示す電極(図10B)と比較すると、気泡の分散はもっと均一であることがわかる。このような電極は、表面全体を囲んでもっと小さな多数の気泡を生じる。最も下の部分では、大きな気泡は全く観察されず、小さな気泡だけを認めた。より小さなサイズの細孔を有する炭素を用いることによって気泡の均一さをさらに増大させることができたことを、特筆しておく。
[00100]電極の表面で発生する水素の気泡の分布と大きさの影響を評価するために、クロノポテンシオメトリー測定を行った。Hの流量が0cm/分から30cm/分まで変化するときの電流密度の関数としてのセル電圧を図11に示す。前に観察したように、電極の表面に水素が存在するとセル電圧は著しく低下すると思われる。加えて、0、9および18cm/分についての曲線を比較すると、水素の流量が高くなるほど、電圧の低下は大きくなることがわかる。しかし、ガスの流量が30cm/分まで増加すると、セル電圧はさらに低下することにはならない。軸に沿って優先的な拡散がある電極について前に示したように(図12)、0.03A/cmにおいて約0.35Vの最大のセル電圧の低下が得られ、この低下は0.2A/cmよりも大きな電流密度については無くなる傾向があることが観察された。このケースにおいては、最大の電圧低下は0.05A/cmにおいて得られ、そのときの差異は約0.4Vである。これは前のケースを0.05V上回る改善にすぎないけれども、主要な効果は、より大きな電流密度についてセル電圧の顕著な低下が得られる、という事実にある。
[00101]もっと良く理解するために、二つのタイプの電極についてのセル電圧の最大低下量の変化を図12にプロットする。両方のケースにおいて、セル電圧の低下は電流密度が増大するのに伴って減少するという事実にもかかわらず、最適化した電極については、その低下は0.25A/cmと0.5A/cmの間で約0.2Vで完全に安定した値に達したことがわかる。この領域においてセル電圧の低下を得ることは重要な結果を意味していて、何故ならば、工業的な電解セルは通常、この範囲の電流密度において操作されるからである。この結果は、Hの気泡の分布がプロセスの効率に強い影響を及ぼすことを示している。かくして、単に陽極の表面においてHの気泡のサイズを小さくして、そして気泡の密度を増大させることによって、反応の効率を向上させ得ることが証明された。最後に、水素陽極の安定性について試験するために、0.35A/cmの陽極電流密度において18cm/分のH流量の下で2時間にわたってクロノポテンシオメトリー測定を行った。セル電圧の変化を図13に示す。水素陽極を用いるマグネシウムの電気分解は、安定した挙動を伴って極めて良好に操作されることが、観察された。電解曲線上で観察される小さな変動は気泡によるものであり、わずか0.05Vの振幅に過ぎない。
[00102]例示の態様を特に参照して本発明を説明したが、本発明に対する多くの修正が可能であることは当業者にとっては自明であると理解されよう。従って、以上の説明と添付図面は本発明を例証するものと解釈すべきであり、それらによって本発明を限定する意図はない。
[00103]本発明をその特定の態様との関連において説明したが、本発明のさらなる修正を行うことができて、本明細書は本発明のあらゆる変動、用途または改変を含むことが意図されていて、また本発明は、本発明が属する分野における公知の慣行や通例の慣行に含まれるような本開示からの逸脱や、以上で示された本質的な態様に適用できたり、また添付する特許請求の範囲に従うような本開示からの逸脱を含むものである、ということが理解されよう。
10、110、210 陽極、 12、112、212 陽極の本体、 14、114、214 空洞、 16 電気コネクター、 18、118、218 ガスの入口(コネクター)、 20 気泡(ガス)、 22 HClレキュペレーター(管)、 26 キャップ、 27 ガスの出口、 120、220、226a〜c チャネル、 124a〜d 行、 126a〜c 列、 128、228 頂部、 130、230 底部。

Claims (20)

  1. 金属の電解製造において用いるための陽極の集成装置であって、次の各要素:
    第一の端部から第二の端部まで長手方向に延びる空洞を含む中空の本体を有する陽極、ここで、前記本体は、前記空洞と流体連通状態に接続している少なくとも一つのガス出口を有する;
    前記陽極の空洞と流体連通状態に接続しているガス入口、ここで、前記ガス入口は前記陽極の空洞の中に水素ガスを供給するための水素ガスの供給源と接続可能である;
    電気分解を行う間に前記陽極において電流を発生させるための電気コネクター;および
    電気分解を行う間に前記陽極の外表面において少なくとも一つの前記ガス出口を通して放出されるHClガスを回収するために前記陽極の少なくとも一部分を囲んでいる塩化水素(HCl)のレキュペレーター、ここで、前記HClのレキュペレーターはHClの再分配器に接続可能な出口を有する;
    を含む、前記陽極の集成装置。
  2. 前記第一の端部は前記陽極の頂部であり、また前記第二の端部は前記陽極の底部であり、前記ガス入口は前記陽極の頂部または底部に接続されている、請求項1に記載の陽極の集成装置。
  3. 前記電気コネクターは前記陽極の空洞の中に延びている、請求項1または2に記載の陽極の集成装置。
  4. 前記電気コネクターは前記陽極の空洞へ向かうガス入口の中に延びている、請求項3に記載の陽極の集成装置。
  5. 前記金属はマグネシウムまたはアルミニウムである、請求項1から4のいずれかに記載の陽極の集成装置。
  6. 前記陽極は円筒形の陽極である、請求項1から5のいずれかに記載の陽極の集成装置。
  7. 前記陽極は、前記陽極の本体上で対称的に間隔をおいた複数のガスの出口を有する、請求項1から6のいずれかに記載の陽極の集成装置。
  8. 前記ガス出口の大きさは前記陽極の頂部から陽極の底部へ向かって増大する、請求項7に記載の陽極の集成装置。
  9. 前記ガス出口は前記陽極の本体上に行列をなして離間されている、請求項7または8に記載の陽極の集成装置。
  10. 各々の前記ガス出口は各々の行の中で大きさが同じである、請求項9に記載の陽極の集成装置。
  11. 前記ガス出口は円筒形の穴である、請求項7から10のいずれかに記載の陽極の集成装置。
  12. 前記ガス出口は陽極の底部から頂部までの細長いテーパーチャネルである、請求項7に記載の陽極の集成装置。
  13. 前記陽極は金属製の拡散体である、請求項1から12のいずれかに記載の陽極の集成装置。
  14. 前記陽極は焼結した金属粉末から成る、請求項1から13のいずれかに記載の陽極の集成装置。
  15. 前記陽極は黒鉛またはハスタロイXから成る、請求項1から14のいずれかに記載の陽極の集成装置。
  16. 前記ガス入口はHClのレキュペレーターであり、前記陽極の少なくとも一部分に部分的に延びていてそれを囲んでいて、電気分解を行う間に前記陽極の外表面において前記ガス出口を通して放出されるHClガスを回収するものである、請求項1から15のいずれかに記載の陽極の集成装置。
  17. HClのレキュペレーターは焼結したアルミナの管である、請求項1から16のいずれかに記載の陽極の集成装置。
  18. 少なくとも一つの前記ガス出口は少なくとも5μmの開口である、請求項1から17のいずれかに記載の陽極の集成装置。
  19. 前記陽極の中に電極触媒をさらに含む、請求項1から18のいずれかに記載の陽極の集成装置。
  20. 金属の塩化物を電気分解するための電解セルであって、次の各要素:
    請求項1から19のいずれかに記載の陽極の集成装置;
    前記陽極から分離している陰極、ここで、前記陽極の外表面における前記ガス出口を通して放出されるHClガスが陰極で生成される金属から分離される;および
    電解液と前記陰極および前記陽極の集成装置を含む電解室;
    を含む前記電解セル。
JP2015557304A 2013-02-14 2014-02-14 HClを生成する水素ガス拡散陽極の集成装置及び当該集成装置を含む電解セル Active JP6465816B2 (ja)

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