JPH0593291A - 金属製造用電解槽 - Google Patents
金属製造用電解槽Info
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- JPH0593291A JPH0593291A JP27633591A JP27633591A JPH0593291A JP H0593291 A JPH0593291 A JP H0593291A JP 27633591 A JP27633591 A JP 27633591A JP 27633591 A JP27633591 A JP 27633591A JP H0593291 A JPH0593291 A JP H0593291A
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- cathode
- electrolytic cell
- alumina
- insulating
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐火物による汚染を少なく金属を効率良く生
成する金属製造用電解槽を得る。 【構成】 電解液に浸っている壁面を貫通する少なくと
も1つの陰極を有し、その壁面内で、アルミナが95重
量%以上で、且つβアルミナの全アルミナに対する重量
%が10%未満で、見掛け気孔率が1.0%以下である
アルミナ電鋳耐火物をその奥行きが電解液に接する面か
ら外向きに該当壁面内温度が、使用している電解液の融
点に低下する位置より若干外まで、陰極全周を取り囲ん
で配置した絶縁耐火物の構造を持ち、更にメタル収集室
の液面付近壁面の表層に、電解生成金属が接触する可能
性のある高さにわたって、アルミナ75重量%以上、シ
リカ25重量%未満を主とする耐火物を配置した金属製
造用電解槽。 【効果】 長期間の操業後も生成する金属は操業当初の
品質を維持し、しかもバイポーラ型電解槽の槽効率は高
い水準を保つ。
成する金属製造用電解槽を得る。 【構成】 電解液に浸っている壁面を貫通する少なくと
も1つの陰極を有し、その壁面内で、アルミナが95重
量%以上で、且つβアルミナの全アルミナに対する重量
%が10%未満で、見掛け気孔率が1.0%以下である
アルミナ電鋳耐火物をその奥行きが電解液に接する面か
ら外向きに該当壁面内温度が、使用している電解液の融
点に低下する位置より若干外まで、陰極全周を取り囲ん
で配置した絶縁耐火物の構造を持ち、更にメタル収集室
の液面付近壁面の表層に、電解生成金属が接触する可能
性のある高さにわたって、アルミナ75重量%以上、シ
リカ25重量%未満を主とする耐火物を配置した金属製
造用電解槽。 【効果】 長期間の操業後も生成する金属は操業当初の
品質を維持し、しかもバイポーラ型電解槽の槽効率は高
い水準を保つ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属ハロゲン化物溶融
塩電解液を用いて、直流電気分解により金属を製造する
電解槽において、得られる金属中の、電解槽を構成する
耐火物に由来する不純物量を抑制すると共に、特に複極
式多極電解槽(以下バイポーラ型電解槽という)に於い
ては耐火物を介してのバイパス電流を抑制することを目
的とする耐火物組成及びその配置に関する。本発明は、
主に金属ハロゲン化物を還元性金属を用いて還元して金
属を製造する際、副生する還元性金属ハロゲン化物を電
気分解して還元性金属とハロゲンを回収し、リサイクル
するための電解槽に有用であり、特にクロール法による
金属チタニウム製造の際、副成する塩化マグネシウムを
電気分解して金属マグネシウムと塩素をリサイクルする
ための電解槽に有用である。
塩電解液を用いて、直流電気分解により金属を製造する
電解槽において、得られる金属中の、電解槽を構成する
耐火物に由来する不純物量を抑制すると共に、特に複極
式多極電解槽(以下バイポーラ型電解槽という)に於い
ては耐火物を介してのバイパス電流を抑制することを目
的とする耐火物組成及びその配置に関する。本発明は、
主に金属ハロゲン化物を還元性金属を用いて還元して金
属を製造する際、副生する還元性金属ハロゲン化物を電
気分解して還元性金属とハロゲンを回収し、リサイクル
するための電解槽に有用であり、特にクロール法による
金属チタニウム製造の際、副成する塩化マグネシウムを
電気分解して金属マグネシウムと塩素をリサイクルする
ための電解槽に有用である。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連する従来の技術を、その代
表的な例である金属マグネシウム製造用電解槽について
説明する。現在主流の金属マグネシウム製造用電解槽で
は、図3に示すように塩素ガスが生成するグラファイト
製陽極1は、電解槽上部蓋6を貫通して電解液8に挿入
され、金属マグネシウムが溶融状態で生成する鉄系金属
製陰極2は、アルミナ及びシリカを主成分とする耐火物
から構成されていて、本質的に電解液に浸っている絶縁
壁4面を貫通している構造が一般的である。陰極2が貫
通する絶縁壁4面は、図2及び後述の表1−Aあるいは
Bに示すような材質構成で、数層に渡って同じ大きさ方
形の耐火物26,27を積み重ねる構造で構築するのが
一般的である。
表的な例である金属マグネシウム製造用電解槽について
説明する。現在主流の金属マグネシウム製造用電解槽で
は、図3に示すように塩素ガスが生成するグラファイト
製陽極1は、電解槽上部蓋6を貫通して電解液8に挿入
され、金属マグネシウムが溶融状態で生成する鉄系金属
製陰極2は、アルミナ及びシリカを主成分とする耐火物
から構成されていて、本質的に電解液に浸っている絶縁
壁4面を貫通している構造が一般的である。陰極2が貫
通する絶縁壁4面は、図2及び後述の表1−Aあるいは
Bに示すような材質構成で、数層に渡って同じ大きさ方
形の耐火物26,27を積み重ねる構造で構築するのが
一般的である。
【0003】金属マグネシウム製造用電解槽は、特公昭
45−31529号公報及び特公昭57−36356号
公報などに示されるような単極式多極電解槽(以下シン
グル型電解槽という)と、特公昭62−30273号公
報、特公平3−2958号公報、特開平1−24758
7号公報、特開平2−258993号公報等で提案され
ているバイポーラ型電解槽がある。
45−31529号公報及び特公昭57−36356号
公報などに示されるような単極式多極電解槽(以下シン
グル型電解槽という)と、特公昭62−30273号公
報、特公平3−2958号公報、特開平1−24758
7号公報、特開平2−258993号公報等で提案され
ているバイポーラ型電解槽がある。
【0004】バイポーラ型の電解槽には、壁面を貫通す
る陰極2、上部蓋を貫通する陽極1の他に、図4に示す
ように、それらに挟まれて配置される本質的にグラファ
イト製の中間電極3(以下バイポーラ極という)が存在
する。
る陰極2、上部蓋を貫通する陽極1の他に、図4に示す
ように、それらに挟まれて配置される本質的にグラファ
イト製の中間電極3(以下バイポーラ極という)が存在
する。
【0005】図3に示すように電極群が配置された電解
室11において生成した溶融金属マグネシウムは、耐火
物から構成される仕切り壁5によって隔離されたメタル
収集室7の液面付近に、電解液との比重差を利用して分
離、層状になるまで溜め置かれ、電解槽外に汲み出され
るのが一般的である。このメタル収集室7の液面付近の
壁面9には、表1−Aのような耐火物を使用するのが一
般的である。
室11において生成した溶融金属マグネシウムは、耐火
物から構成される仕切り壁5によって隔離されたメタル
収集室7の液面付近に、電解液との比重差を利用して分
離、層状になるまで溜め置かれ、電解槽外に汲み出され
るのが一般的である。このメタル収集室7の液面付近の
壁面9には、表1−Aのような耐火物を使用するのが一
般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の、溶融金属マグ
ネシウムが生成する陰極が、本質的に電解液に浸った壁
面を貫通する構造の電解槽において、該当する壁面の耐
火物(耐火物それ自体若しくは構造全体)に要求される
主な特性は以下の3点である。即ち、
ネシウムが生成する陰極が、本質的に電解液に浸った壁
面を貫通する構造の電解槽において、該当する壁面の耐
火物(耐火物それ自体若しくは構造全体)に要求される
主な特性は以下の3点である。即ち、
【0007】(1)耐溶融マグネシウム性:陰極(バイ
ポーラ型電解槽についてはバイポーラ極の陰極機能面も
含む)に生成する溶融金属マグネシウムは非常に活性に
富むため、それに接触する耐火物の主成分であるアルミ
ナ及びシリカが還元されやすい。耐火物中のアルミナ及
びシリカがマグネシウムで還元されて生成した金属アル
ミニウム、金属シリコンはマグネシウムに取り込まれて
それを汚染する。耐火物の耐溶融マグネシウム性は、生
成したマグネシウムが溜め置かれる前述のメタル収集室
7の液面付近の耐火物については特に要求される特性で
ある。
ポーラ型電解槽についてはバイポーラ極の陰極機能面も
含む)に生成する溶融金属マグネシウムは非常に活性に
富むため、それに接触する耐火物の主成分であるアルミ
ナ及びシリカが還元されやすい。耐火物中のアルミナ及
びシリカがマグネシウムで還元されて生成した金属アル
ミニウム、金属シリコンはマグネシウムに取り込まれて
それを汚染する。耐火物の耐溶融マグネシウム性は、生
成したマグネシウムが溜め置かれる前述のメタル収集室
7の液面付近の耐火物については特に要求される特性で
ある。
【0008】(2)耐電蝕性:気孔率が高い通常の耐火
物は、大気中では、その組成からみて絶縁物であって
も、電解槽中でその気孔中に溶融電解液が含浸された状
態では電気伝導性を持つようになる。特に陰極2が貫通
する絶縁壁4面の耐火物が、このようにして電気伝導性
を持つようになると、陽極1と陰極2の間に塩化マグネ
シウムの分解電圧以上の電圧が印加されている運転状態
では陽極1から耐火物の内部を通じて耐火物壁面内の陰
極2に電流が流れ、含浸された電解液が分解されて生成
したマグネシウムが、原子としてその耐火物組織内に侵
入し、耐火物組織が変質して膨張や脆弱化を引き起こ
す。この状態が継続すると、耐火物組織内に金属マグネ
シウムが粒状に析出してくるが、その金属マグネシウム
は、周囲の脆くなった耐火物組織からアルミナやシリカ
の微粒子を取り込む一方、前述のようにアルミナやシリ
カを還元もしているので、生成した金属アルミニウムや
金属シリコンによっても非常に高濃度に汚染されてい
る。
物は、大気中では、その組成からみて絶縁物であって
も、電解槽中でその気孔中に溶融電解液が含浸された状
態では電気伝導性を持つようになる。特に陰極2が貫通
する絶縁壁4面の耐火物が、このようにして電気伝導性
を持つようになると、陽極1と陰極2の間に塩化マグネ
シウムの分解電圧以上の電圧が印加されている運転状態
では陽極1から耐火物の内部を通じて耐火物壁面内の陰
極2に電流が流れ、含浸された電解液が分解されて生成
したマグネシウムが、原子としてその耐火物組織内に侵
入し、耐火物組織が変質して膨張や脆弱化を引き起こ
す。この状態が継続すると、耐火物組織内に金属マグネ
シウムが粒状に析出してくるが、その金属マグネシウム
は、周囲の脆くなった耐火物組織からアルミナやシリカ
の微粒子を取り込む一方、前述のようにアルミナやシリ
カを還元もしているので、生成した金属アルミニウムや
金属シリコンによっても非常に高濃度に汚染されてい
る。
【0009】以上2つの特性は、本質的にシングル型電
解槽、バイポーラ型電解槽を問わず要求されるものであ
る。しかし、後者は前者に対し陽極陰極間電圧(以下電
圧という)が数倍以上高く、従って壁面に印加される電
位差も数倍以上という特徴があるので、特に(2)の耐
電蝕性については、格段に高い水準の特性が要求され
る。
解槽、バイポーラ型電解槽を問わず要求されるものであ
る。しかし、後者は前者に対し陽極陰極間電圧(以下電
圧という)が数倍以上高く、従って壁面に印加される電
位差も数倍以上という特徴があるので、特に(2)の耐
電蝕性については、格段に高い水準の特性が要求され
る。
【0010】(3)高絶縁性:この特性は(2)の耐電
蝕性と関連し、本質的にバイポーラ型電解槽に特有な要
求特性である。
蝕性と関連し、本質的にバイポーラ型電解槽に特有な要
求特性である。
【0011】バイポーラ型電解槽では、特公昭64−3
957号公報、特開昭59−43890号公報等で指摘
されているように、電解液と生成金属マグネシウムとの
混合物を介してバイポーラ極を迂回して流れる電解電流
(以下バイパス電流という)が多いと、バイポーラ型電
解槽としての本質的な性能を悪化させ、ひいてはマグネ
シウムの生産効率及びエネルギー効率を悪化させるの
で、バイパス電流を極力排除する公知の配慮がされてい
るが、その中に電極群(陽極、陰極、バイポーラ極)が
電解液に浸かっている部分を絶縁耐火物から構成される
壁で囲いこむというものがある。図3にもこの配慮がな
されている。具体的には陰極2が貫通する絶縁壁4と絶
縁壁10で電極群を囲いこむ。
957号公報、特開昭59−43890号公報等で指摘
されているように、電解液と生成金属マグネシウムとの
混合物を介してバイポーラ極を迂回して流れる電解電流
(以下バイパス電流という)が多いと、バイポーラ型電
解槽としての本質的な性能を悪化させ、ひいてはマグネ
シウムの生産効率及びエネルギー効率を悪化させるの
で、バイパス電流を極力排除する公知の配慮がされてい
るが、その中に電極群(陽極、陰極、バイポーラ極)が
電解液に浸かっている部分を絶縁耐火物から構成される
壁で囲いこむというものがある。図3にもこの配慮がな
されている。具体的には陰極2が貫通する絶縁壁4と絶
縁壁10で電極群を囲いこむ。
【0012】この配慮において、電極群と絶縁壁10及
び陰極2が貫通する絶縁壁4との間のギャップは極力少
なくされており、特にバイポーラ極とこれらの絶縁壁は
実質的に接触して配置される。従って当然ながら、これ
らの絶縁壁及びそれを構成する耐火物自体の特性として
その内部を流れるバイパス電流を極力排除する高い絶縁
性が要求されることになる。絶縁性が高ければ当然耐電
蝕性も高くなる。以上のことは、特に陰極2が貫通する
絶縁壁4に強く要求される。これに対し、絶縁壁10に
ついては陰極2は近接するのみであるから、それが要求
される絶縁性は前者より低い。
び陰極2が貫通する絶縁壁4との間のギャップは極力少
なくされており、特にバイポーラ極とこれらの絶縁壁は
実質的に接触して配置される。従って当然ながら、これ
らの絶縁壁及びそれを構成する耐火物自体の特性として
その内部を流れるバイパス電流を極力排除する高い絶縁
性が要求されることになる。絶縁性が高ければ当然耐電
蝕性も高くなる。以上のことは、特に陰極2が貫通する
絶縁壁4に強く要求される。これに対し、絶縁壁10に
ついては陰極2は近接するのみであるから、それが要求
される絶縁性は前者より低い。
【0013】以下では特に断らないかぎり、バイポーラ
型電解槽に限定して説明する。又、一般的な耐火物の材
質例を表1に、電鋳耐火物の材質例を表2に示す。前述
した3つの要求特性を鑑みると、図2及び表1−A又は
Bに示すような従来の陰極2が貫通する絶縁壁4面の耐
火物材質及び壁面の構成には、下記(1)〜(4)の、
又、メタル収集室の液面付近の耐火物材質には下記
(5)の問題点が存在する。
型電解槽に限定して説明する。又、一般的な耐火物の材
質例を表1に、電鋳耐火物の材質例を表2に示す。前述
した3つの要求特性を鑑みると、図2及び表1−A又は
Bに示すような従来の陰極2が貫通する絶縁壁4面の耐
火物材質及び壁面の構成には、下記(1)〜(4)の、
又、メタル収集室の液面付近の耐火物材質には下記
(5)の問題点が存在する。
【0014】
【表1】
【0015】即ち、 (1)耐火物に10%以上の気孔率があるため、耐火物
内部への電解液の侵入が激しく、それが溶融状態で存在
する範囲では絶縁性が著しく低下するので、耐火物内部
を流れるバイパス電流が非常に多く、且つ耐電蝕性も著
しく低下する。
内部への電解液の侵入が激しく、それが溶融状態で存在
する範囲では絶縁性が著しく低下するので、耐火物内部
を流れるバイパス電流が非常に多く、且つ耐電蝕性も著
しく低下する。
【0016】この、気孔の存在によって生じる問題につ
いては、表2−D又はEに示すような組成比で原料を一
旦溶融させ、鋳込み成形した本質的に内部の気孔がゼロ
の、所謂電鋳耐火物を、陰極2が貫通する絶縁壁4の電
解液に接する表面から電解槽外側に向かってある程度の
奥行きで配置するという方法がシングル型電解槽で採用
されてきた。
いては、表2−D又はEに示すような組成比で原料を一
旦溶融させ、鋳込み成形した本質的に内部の気孔がゼロ
の、所謂電鋳耐火物を、陰極2が貫通する絶縁壁4の電
解液に接する表面から電解槽外側に向かってある程度の
奥行きで配置するという方法がシングル型電解槽で採用
されてきた。
【0017】
【表2】
【0018】しかし、表2−Dに示すような電鋳耐火物
ではシリカ比率が高いため、耐溶融マグネシウム性が不
十分であり、表2−Eに示すような電鋳耐火物では、電
池電極材料としても用いられる、Naによる高いイオン
伝導性を持つβアルミナの比率が高いために、シングル
型電解槽より壁面に印加される電位差が数倍大きいバイ
ポーラ型電解槽の陰極2が貫通する絶縁壁4材として
は、絶縁性・耐電蝕性とも不十分である。更に、電鋳耐
火物特有の鋳込み成形時の収縮によって生じる収縮孔
も、電鋳耐火物に熱衝撃等で微細なクラックが生じた場
合に、気孔と同じ悪影響を及ぼす。
ではシリカ比率が高いため、耐溶融マグネシウム性が不
十分であり、表2−Eに示すような電鋳耐火物では、電
池電極材料としても用いられる、Naによる高いイオン
伝導性を持つβアルミナの比率が高いために、シングル
型電解槽より壁面に印加される電位差が数倍大きいバイ
ポーラ型電解槽の陰極2が貫通する絶縁壁4材として
は、絶縁性・耐電蝕性とも不十分である。更に、電鋳耐
火物特有の鋳込み成形時の収縮によって生じる収縮孔
も、電鋳耐火物に熱衝撃等で微細なクラックが生じた場
合に、気孔と同じ悪影響を及ぼす。
【0019】(2)同一水平面、同一垂直面内に配置さ
れる、結果として壁面が電解液と接する面aから陰極2
面に達するメジ−例えば図2の20,20−が多いた
め、メジを通じて壁面内に侵入した電解浴が溶融状態で
存在する範囲では、メジ内の電解液を通じた陰極−バイ
ポーラ極間のバイパス電流が流れやすい。
れる、結果として壁面が電解液と接する面aから陰極2
面に達するメジ−例えば図2の20,20−が多いた
め、メジを通じて壁面内に侵入した電解浴が溶融状態で
存在する範囲では、メジ内の電解液を通じた陰極−バイ
ポーラ極間のバイパス電流が流れやすい。
【0020】(3)耐電蝕性が不十分なために、耐火物
組織内に析出したマグネシウムが一層絶縁性を悪化させ
て、それが更なる電蝕を進行させるという悪循環に陥
る。
組織内に析出したマグネシウムが一層絶縁性を悪化させ
て、それが更なる電蝕を進行させるという悪循環に陥
る。
【0021】(4)耐電蝕性が不十分なために、耐火物
組織内部に析出した金属アルミニウム及び金属シリコン
により、高濃度に汚染されたマグネシウムの分析例を表
3に示すが、この場合耐火物組織崩壊の進行によって生
成マグネシウムが耐火物より遊離し、電極面での電解に
よって生成したマグネシウム全体を、電解槽の運転継続
日数に比例する濃度で汚染する。
組織内部に析出した金属アルミニウム及び金属シリコン
により、高濃度に汚染されたマグネシウムの分析例を表
3に示すが、この場合耐火物組織崩壊の進行によって生
成マグネシウムが耐火物より遊離し、電極面での電解に
よって生成したマグネシウム全体を、電解槽の運転継続
日数に比例する濃度で汚染する。
【0022】
【表3】
【0023】(5)表1−Aに示すような耐火物では、
メタル収集室7の液面付近の壁面9用として耐溶融マグ
ネシウム性が不十分であり、層状に溜め置かれているマ
グネシウムは金属アルミニウム及び金属シリコンで汚染
される。
メタル収集室7の液面付近の壁面9用として耐溶融マグ
ネシウム性が不十分であり、層状に溜め置かれているマ
グネシウムは金属アルミニウム及び金属シリコンで汚染
される。
【0024】耐火物に由来する以上のようなマグネシウ
ムの汚染は、該金属マグネシウムを金属チタニウムの製
造原料である4塩化チタニウムの還元剤として使用する
場合には、製品のスポンジ状チタニウムに前記の汚染が
ほぼ完全に移行してしまうため、品質上非常に重大な問
題となる。
ムの汚染は、該金属マグネシウムを金属チタニウムの製
造原料である4塩化チタニウムの還元剤として使用する
場合には、製品のスポンジ状チタニウムに前記の汚染が
ほぼ完全に移行してしまうため、品質上非常に重大な問
題となる。
【0025】本発明は、上記のような問題点を解決し、
長期にわたる運転を通じても安定した電解生成金属品質
の確保と、それに加えて特にバイポーラ型電解槽におい
てはバイパス電流の抑制が可能である金属製造用電解槽
の提供を目的としている。
長期にわたる運転を通じても安定した電解生成金属品質
の確保と、それに加えて特にバイポーラ型電解槽におい
てはバイパス電流の抑制が可能である金属製造用電解槽
の提供を目的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達
し、ここに提案するものである。
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達
し、ここに提案するものである。
【0027】すなわち、本発明は本質的に電解液に浸っ
ている絶縁壁4面を貫通する複数の陰極2を有し、その
絶縁壁4面内で、アルミナが95重量%以上で、且つβ
アルミナの全アルミナに対する重量%が10%未満であ
って、見掛け気孔率が1.0%以下であるアルミナ電鋳
耐火物からなる絶縁耐火物21を、図1に示すように奥
行きが電解液に接する面aから電解槽の外へ向けて該当
壁面内温度が、使用している電解液の融点に低下する位
置より若干外となるまで、又、幅方向は陰極面間距離の
1/3〜1/5の厚さで陰極全周を取り囲んで配置した
絶縁耐火物の構造を持ち、更にメタル収集室7の液面付
近壁面9の表層に、電解生成金属が接触する可能性のあ
る高さにわたって、アルミナ75重量%以上シリカ25
%未満を主とする耐火物を配置した金属製造用電解槽を
要旨としている。
ている絶縁壁4面を貫通する複数の陰極2を有し、その
絶縁壁4面内で、アルミナが95重量%以上で、且つβ
アルミナの全アルミナに対する重量%が10%未満であ
って、見掛け気孔率が1.0%以下であるアルミナ電鋳
耐火物からなる絶縁耐火物21を、図1に示すように奥
行きが電解液に接する面aから電解槽の外へ向けて該当
壁面内温度が、使用している電解液の融点に低下する位
置より若干外となるまで、又、幅方向は陰極面間距離の
1/3〜1/5の厚さで陰極全周を取り囲んで配置した
絶縁耐火物の構造を持ち、更にメタル収集室7の液面付
近壁面9の表層に、電解生成金属が接触する可能性のあ
る高さにわたって、アルミナ75重量%以上シリカ25
%未満を主とする耐火物を配置した金属製造用電解槽を
要旨としている。
【0028】
【作用】本発明の構成と作用を説明する。図1に示すよ
うに、本発明の金属製造用電解槽においては、陰極2が
貫通する本質的に電解液に浸っている絶縁壁4面は、ア
ルミナ比率が95重量%以上で、且つ、Naを含むため
に高い電気伝導性を有するβアルミナの全アルミナに対
する重量%が10%未満であって、見掛け気孔率が1.
0%以下である表2−Fに示すようなアルミナ電鋳耐火
物からなる絶縁耐火物21を、各陰極2周囲を取り囲む
ように、その奥行きが電解液に接する面aから電解槽外
側に向けて、陰極2の長手方向に対し、壁面内の温度が
使用している電解液の融点に低下する位置より若干外と
なるまで、又幅方向は陰極面間距離の1/3〜1/5の
厚さで配置する。すなわち、陰極2が電解槽の壁面を貫
通し、壁内面に電解液が浸透する恐れのある部分に、前
記したアルミナ電鋳耐火物による囲いを設けるのであ
る。
うに、本発明の金属製造用電解槽においては、陰極2が
貫通する本質的に電解液に浸っている絶縁壁4面は、ア
ルミナ比率が95重量%以上で、且つ、Naを含むため
に高い電気伝導性を有するβアルミナの全アルミナに対
する重量%が10%未満であって、見掛け気孔率が1.
0%以下である表2−Fに示すようなアルミナ電鋳耐火
物からなる絶縁耐火物21を、各陰極2周囲を取り囲む
ように、その奥行きが電解液に接する面aから電解槽外
側に向けて、陰極2の長手方向に対し、壁面内の温度が
使用している電解液の融点に低下する位置より若干外と
なるまで、又幅方向は陰極面間距離の1/3〜1/5の
厚さで配置する。すなわち、陰極2が電解槽の壁面を貫
通し、壁内面に電解液が浸透する恐れのある部分に、前
記したアルミナ電鋳耐火物による囲いを設けるのであ
る。
【0029】本発明の金属製造用電解槽において、陰極
2が貫通する本質的に電解液に浸っている絶縁壁4面に
用いる絶縁耐火物として、アルミナ比率が95重量%以
上で、且つ、Naを含むがゆえに高い電気伝導性を有す
るβアルミナの全アルミナに対する重量%が10%未満
であって、見掛け気孔率が1.0%以下のアルミナ電鋳
耐火物とした理由は、この範囲を外れると、耐溶融マグ
ネシウム性、耐電蝕性及び高絶縁性のいずれも本発明の
目的を達成することができなくなるためである。
2が貫通する本質的に電解液に浸っている絶縁壁4面に
用いる絶縁耐火物として、アルミナ比率が95重量%以
上で、且つ、Naを含むがゆえに高い電気伝導性を有す
るβアルミナの全アルミナに対する重量%が10%未満
であって、見掛け気孔率が1.0%以下のアルミナ電鋳
耐火物とした理由は、この範囲を外れると、耐溶融マグ
ネシウム性、耐電蝕性及び高絶縁性のいずれも本発明の
目的を達成することができなくなるためである。
【0030】また、各陰極2周囲を取り囲む絶縁耐火物
の厚さは、高絶縁性を維持することが出来る範囲としな
ければならない。
の厚さは、高絶縁性を維持することが出来る範囲としな
ければならない。
【0031】これら図1の絶縁耐火物21を貫通するメ
ジ22の数は出来るかぎり少なくすることが必要で、電
鋳耐火物の最大制作可能サイズにもよるが、好ましくは
陰極2の全周で8箇所以下とすべきである。メジに用い
るメジ材としてはなるべくアルミナ比率の高いものを用
いることが好ましい。
ジ22の数は出来るかぎり少なくすることが必要で、電
鋳耐火物の最大制作可能サイズにもよるが、好ましくは
陰極2の全周で8箇所以下とすべきである。メジに用い
るメジ材としてはなるべくアルミナ比率の高いものを用
いることが好ましい。
【0032】陰極2を囲む絶縁耐火物21の厚さは、厚
いほど効果的であるが、この耐火物は一般に高価である
ので、経済性を考慮すれば、隣接する陰極同志の面間距
離dの1/3〜1/5であれば十分な効果が得られ、且
つ経済性に優れる。更に絶縁耐火物21,21の間に挟
まれる耐火物のうち、電解液及び実質的にバイポーラ極
に直接接触する、最内層の絶縁耐火物23については、
耐溶融マグネシウム性、耐電蝕性及び高絶縁性のいずれ
の特性についても強く要求されるので、絶縁耐火物21
と同様の材質であることが必要である。
いほど効果的であるが、この耐火物は一般に高価である
ので、経済性を考慮すれば、隣接する陰極同志の面間距
離dの1/3〜1/5であれば十分な効果が得られ、且
つ経済性に優れる。更に絶縁耐火物21,21の間に挟
まれる耐火物のうち、電解液及び実質的にバイポーラ極
に直接接触する、最内層の絶縁耐火物23については、
耐溶融マグネシウム性、耐電蝕性及び高絶縁性のいずれ
の特性についても強く要求されるので、絶縁耐火物21
と同様の材質であることが必要である。
【0033】前記最内層絶縁耐火物23の厚みは絶縁耐
火物21の奥行きの1/3〜1/5である方が効果的且
つ経済的である。又、絶縁耐火物21を貫通するメジ2
2と、絶縁耐火物21に挟まれて隣接する絶縁耐火物2
3、該絶縁耐火物23より外側に位置する層に配置され
る耐火物24の各メジ25は、メジを通るバイパス電流
回路の抵抗を高めるため図1に示すように、同一の水平
及び垂直面内に存在しないように配置する。
火物21の奥行きの1/3〜1/5である方が効果的且
つ経済的である。又、絶縁耐火物21を貫通するメジ2
2と、絶縁耐火物21に挟まれて隣接する絶縁耐火物2
3、該絶縁耐火物23より外側に位置する層に配置され
る耐火物24の各メジ25は、メジを通るバイパス電流
回路の抵抗を高めるため図1に示すように、同一の水平
及び垂直面内に存在しないように配置する。
【0034】絶縁耐火物21に挟まれるが、最内層の絶
縁耐火物23より外側に位置する層に配置される耐火物
24は、表2に示すような材質の耐火物を使用すること
が好ましいが、表1に示す材質の耐火物でも使用に耐え
得る。絶縁壁10は、表2に示すような絶縁耐火物を用
いることが好ましい。
縁耐火物23より外側に位置する層に配置される耐火物
24は、表2に示すような材質の耐火物を使用すること
が好ましいが、表1に示す材質の耐火物でも使用に耐え
得る。絶縁壁10は、表2に示すような絶縁耐火物を用
いることが好ましい。
【0035】図3に示すメタル収集室7の液面付近で
は、金属マグネシウムが接触する可能性のある高さ範囲
にわたって壁面の表層9には、表1−B若しくはC、又
は表2−Dのような耐火物を配置する。
は、金属マグネシウムが接触する可能性のある高さ範囲
にわたって壁面の表層9には、表1−B若しくはC、又
は表2−Dのような耐火物を配置する。
【0036】このような耐火物の材質及び配置を採用す
ることにより、陰極貫通面については例えば図2の2
0,20のように、同一水平面若しくは垂直面に配され
て、陰極面に簡単に達するメジの集合体を排除すること
が出来、更に高い耐溶融マグネシウム性・耐電蝕性・高
絶縁性を従来より高め、又、メタル収集室7液面付近の
壁面9についても耐溶融マグネシウム性を従来より高め
られ、安定した生成マグネシウム品質の確保とバイパス
電流の抑制が保証される。
ることにより、陰極貫通面については例えば図2の2
0,20のように、同一水平面若しくは垂直面に配され
て、陰極面に簡単に達するメジの集合体を排除すること
が出来、更に高い耐溶融マグネシウム性・耐電蝕性・高
絶縁性を従来より高め、又、メタル収集室7液面付近の
壁面9についても耐溶融マグネシウム性を従来より高め
られ、安定した生成マグネシウム品質の確保とバイパス
電流の抑制が保証される。
【0037】
【実施例】本発明の実施例を金属マグネシウムの製造に
ついて具体的に説明する。 実施例 図1に示す本発明の耐火物構成及びメジの配置におい
て、陰極2が貫通する絶縁壁4の絶縁耐火物21は、表
2−Fの電鋳耐火物を、その奥行きが電解液に接する面
aから電解槽の外へ向かって該当壁面内温度が以下に示
す組成の電解液の融点以下である400℃となる位置ま
で、又その厚みが陰極面間距離dの1/5として配置
し、絶縁耐火物23は、絶縁耐火物21と同じ材質でそ
の奥行きの1/4とし、次の耐火物24は、厚みは絶縁
耐火物23と同じで材質を表2−Eとし、残りの壁面は
表1−Aの耐火物で構築する。絶縁壁10は全体を表2
−Eの耐火物で構築する。更にメタル収集室7液面付近
の壁面9は、仕切り壁5のすべての部分と、他の壁部に
おいてはメタルに接する面から当該壁部の厚さの1/3
の部分まで表1−Bの耐火物で構築し、他の残りの部分
は表1−Aの耐火物で構築した図3及び図4に示すバイ
ポーラ型電解槽を、次の条件下で12ヵ月運転した。
ついて具体的に説明する。 実施例 図1に示す本発明の耐火物構成及びメジの配置におい
て、陰極2が貫通する絶縁壁4の絶縁耐火物21は、表
2−Fの電鋳耐火物を、その奥行きが電解液に接する面
aから電解槽の外へ向かって該当壁面内温度が以下に示
す組成の電解液の融点以下である400℃となる位置ま
で、又その厚みが陰極面間距離dの1/5として配置
し、絶縁耐火物23は、絶縁耐火物21と同じ材質でそ
の奥行きの1/4とし、次の耐火物24は、厚みは絶縁
耐火物23と同じで材質を表2−Eとし、残りの壁面は
表1−Aの耐火物で構築する。絶縁壁10は全体を表2
−Eの耐火物で構築する。更にメタル収集室7液面付近
の壁面9は、仕切り壁5のすべての部分と、他の壁部に
おいてはメタルに接する面から当該壁部の厚さの1/3
の部分まで表1−Bの耐火物で構築し、他の残りの部分
は表1−Aの耐火物で構築した図3及び図4に示すバイ
ポーラ型電解槽を、次の条件下で12ヵ月運転した。
【0038】電解液組成:塩化マグネシウム20重量
%、塩化カルシウム30重量%、塩化ナトリウム49重
量%、ふっ化マグネシウム1重量%。 電解液液温:660〜680℃ 通電電流量:100KA
%、塩化カルシウム30重量%、塩化ナトリウム49重
量%、ふっ化マグネシウム1重量%。 電解液液温:660〜680℃ 通電電流量:100KA
【0039】その結果、数1で定義されるバイポーラ型
電解槽としての本質的な指標である槽効率ηは、図5−
曲線1に示すように、運転開始直後の94%が、12ヵ
月後でも93%とほとんど悪化せずに推移した。
電解槽としての本質的な指標である槽効率ηは、図5−
曲線1に示すように、運転開始直後の94%が、12ヵ
月後でも93%とほとんど悪化せずに推移した。
【0040】
【数1】
【0041】又、この時の生成マグネシウムの金属アル
ミニウム、金属シリコンによる汚染度は、図6−1、2
に示すように金属アルミニウムによる汚染度(図6−曲
線1)は、運転開始直後の約80ppmが12ヵ月後で
もほぼ同様の値、金属シリコンによる汚染度(図6−曲
線2)は、運転開始直後の約10ppmが、12ヵ月後
には約20ppmと、いずれもほとんど汚染度の悪化が
みられなかった(分析はInductively−Co
uppling−Plasma法による)。
ミニウム、金属シリコンによる汚染度は、図6−1、2
に示すように金属アルミニウムによる汚染度(図6−曲
線1)は、運転開始直後の約80ppmが12ヵ月後で
もほぼ同様の値、金属シリコンによる汚染度(図6−曲
線2)は、運転開始直後の約10ppmが、12ヵ月後
には約20ppmと、いずれもほとんど汚染度の悪化が
みられなかった(分析はInductively−Co
uppling−Plasma法による)。
【0042】比較例 陰極2が貫通する絶縁壁4について、図2に示す構成に
おいて、電解液面に接する耐火物26を、壁面全体の1
/5の厚みとして、表2−Eの電鋳耐火物を配置し、メ
ジを挾んでその外側は同様の厚み・材質で電鋳耐火物
を、更にその外側の耐火物は表1−BもしくはAの耐火
物で構築し、更にメタル収集室7液面付近の壁面9は、
仕切り壁5とその他の壁部のすべてを表1−Aの耐火物
で構築した他は、実施例と同じサイズ及び構造の電解槽
を、実施例と同じ条件下で12ヵ月運転した。
おいて、電解液面に接する耐火物26を、壁面全体の1
/5の厚みとして、表2−Eの電鋳耐火物を配置し、メ
ジを挾んでその外側は同様の厚み・材質で電鋳耐火物
を、更にその外側の耐火物は表1−BもしくはAの耐火
物で構築し、更にメタル収集室7液面付近の壁面9は、
仕切り壁5とその他の壁部のすべてを表1−Aの耐火物
で構築した他は、実施例と同じサイズ及び構造の電解槽
を、実施例と同じ条件下で12ヵ月運転した。
【0043】この時槽効率ηは、図5−曲線2に示すよ
うに、運転開始直後の92%が12ヵ月後には78%に
まで低下した。又、この時の生成マグネシウムの金属ア
ルミニウム、金属シリコンによる汚染度は、図6−曲線
3,4に示すように、金属アルミニウムによる汚染度
(図6−曲線3)は、運転開始直後の約100ppm
が、12ヵ月後には5倍の約500ppmに、金属シリ
コンによる汚染度(図6−曲線4)は、運転開始直後の
約10ppmが12ヵ月後には20倍の約200ppm
にそれぞれ悪化した。
うに、運転開始直後の92%が12ヵ月後には78%に
まで低下した。又、この時の生成マグネシウムの金属ア
ルミニウム、金属シリコンによる汚染度は、図6−曲線
3,4に示すように、金属アルミニウムによる汚染度
(図6−曲線3)は、運転開始直後の約100ppm
が、12ヵ月後には5倍の約500ppmに、金属シリ
コンによる汚染度(図6−曲線4)は、運転開始直後の
約10ppmが12ヵ月後には20倍の約200ppm
にそれぞれ悪化した。
【0044】即ち、本発明により槽効率ηが初期で2
%、12ヵ月後で15%向上し、生成マグネシウムの金
属アルミニウム、金属シリコンによる汚染度は12ヵ月
後でそれぞれ約1/6、約1/10に激減した。
%、12ヵ月後で15%向上し、生成マグネシウムの金
属アルミニウム、金属シリコンによる汚染度は12ヵ月
後でそれぞれ約1/6、約1/10に激減した。
【0045】前記実施例は金属マグネシウムの電解製造
について説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグ
ネシウム以外のアルカリ土類金属、アルミニウム等、溶
融塩を用いる電解金属製造用として、それぞれの金属の
電解条件に適合させることにより本発明電解槽が使用で
きることは言うまでもない。
について説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグ
ネシウム以外のアルカリ土類金属、アルミニウム等、溶
融塩を用いる電解金属製造用として、それぞれの金属の
電解条件に適合させることにより本発明電解槽が使用で
きることは言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りに構成され
ているから、長期間の操業後も生成する金属は操業当初
の品質が維持され、しかも電解槽の効率は高い水準で維
持されるという顕著な効果が奏され、産業上極めて有用
である。又バイポーラ型電解槽のみならずシングル型電
解槽においても生成金属の品質維持については、同様な
効果を期待できる。
ているから、長期間の操業後も生成する金属は操業当初
の品質が維持され、しかも電解槽の効率は高い水準で維
持されるという顕著な効果が奏され、産業上極めて有用
である。又バイポーラ型電解槽のみならずシングル型電
解槽においても生成金属の品質維持については、同様な
効果を期待できる。
【図1】本発明電解槽内部から壁面をみた、陰極貫通壁
面の耐火物構造の概要斜視図である。
面の耐火物構造の概要斜視図である。
【図2】従来の電解槽内部から壁面をみた、陰極貫通壁
面の耐火物構造の概要斜視図である。
面の耐火物構造の概要斜視図である。
【図3】公知の金属マグネシウム製造用電解槽の縦断面
図である。
図である。
【図4】公知の金属マグネシウム製造用電解槽における
電極配置説明図である。
電極配置説明図である。
【図5】本発明電解槽と従来の電解槽の槽効率ηの経時
変化の比較グラフである。
変化の比較グラフである。
【図6】本発明電解槽と従来の電解槽の生成金属マグネ
シウム中の金属アルミニウム及び金属シリコンによる汚
染度の経時変化の比較グラフである。
シウム中の金属アルミニウム及び金属シリコンによる汚
染度の経時変化の比較グラフである。
1 陽極 2 陰極 4 陰極2が貫通する絶縁壁 5 仕切り壁 7 メタル収集室 9 メタル収集室7液面付近の壁面 10 絶縁壁 11 電解室 20,22,25 メジ 21,23, 絶縁耐火物 24,26,27 耐火物
Claims (5)
- 【請求項1】 本質的に電解液に浸っている壁面を貫通
する複数の陰極を有し、その壁面内で、アルミナが95
重量%以上で、且つβアルミナの全アルミナに対する重
量%が10%未満であって、見掛け気孔率が1.0%以
下であるアルミナ電鋳耐火物を用いて、その奥行きが、
電解液に接する面から電解槽の外へ向けて該当壁面内温
度が、使用している電解液の融点に低下する位置より若
干外となるまで、陰極全周を取り囲んで配置してなる絶
縁耐火物の構造を持つ金属製造用電解槽。 - 【請求項2】 陰極を取り囲む絶縁耐火物の、少なくと
も隣接する陰極に対峙する面間の厚みが、陰極面間距離
の1/3〜1/5である請求項1記載の金属製造用電解
槽。 - 【請求項3】 陰極とそれに隣接する陰極の各々を取り
囲む絶縁耐火物の間に、それと同じ材質の絶縁耐火物を
電解液に接する面を含み更に外側に陰極を取り囲む絶縁
耐火物の奥行きの1/3〜1/5である位置まで配置さ
れた請求項1又は2記載の金属製造用電解槽。 - 【請求項4】 陰極を取り囲む絶縁耐火物内を貫通し、
それが取り囲む陰極面に到達するメジと、その絶縁耐火
物の外周と隣接する耐火ブロックを貫通するメジが、如
何なる場所でも同一平面内に存在しないように配置され
た請求項1、2又は3記載の金属製造用電解槽。 - 【請求項5】 メタル収集室の液面付近壁面の表層に、
電解生成金属が接触する可能性のある高さにわたって、
アルミナ75重量%以上シリカ25重量%未満を主とす
る耐火物を配置した請求項1、2、3又は4記載の金属
製造用電解槽。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27633591A JPH0593291A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 金属製造用電解槽 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27633591A JPH0593291A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 金属製造用電解槽 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0593291A true JPH0593291A (ja) | 1993-04-16 |
Family
ID=17568013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27633591A Pending JPH0593291A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 金属製造用電解槽 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0593291A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005105373A (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-21 | Nippon Light Metal Co Ltd | 金属酸化物の還元方法及び金属酸化物の還元装置 |
JP2006028570A (ja) * | 2004-07-14 | 2006-02-02 | Sumitomo Titanium Corp | 電解槽 |
JP2014025134A (ja) * | 2012-07-30 | 2014-02-06 | Asahi Glass Co Ltd | 溶融塩電解装置及び方法 |
US9932681B2 (en) | 2012-01-20 | 2018-04-03 | Saint-Gobain Centre De Recherches Et D'etudes Europeen | Electrolytic cell |
WO2019130378A1 (ja) * | 2017-12-25 | 2019-07-04 | 東邦チタニウム株式会社 | 溶融塩電解槽およびそれを用いた金属マグネシウムの製造方法並びにスポンジチタンの製造方法。 |
-
1991
- 1991-09-30 JP JP27633591A patent/JPH0593291A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005105373A (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-21 | Nippon Light Metal Co Ltd | 金属酸化物の還元方法及び金属酸化物の還元装置 |
JP2006028570A (ja) * | 2004-07-14 | 2006-02-02 | Sumitomo Titanium Corp | 電解槽 |
JP4489520B2 (ja) * | 2004-07-14 | 2010-06-23 | 株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ | 電解槽 |
US9932681B2 (en) | 2012-01-20 | 2018-04-03 | Saint-Gobain Centre De Recherches Et D'etudes Europeen | Electrolytic cell |
JP2014025134A (ja) * | 2012-07-30 | 2014-02-06 | Asahi Glass Co Ltd | 溶融塩電解装置及び方法 |
WO2019130378A1 (ja) * | 2017-12-25 | 2019-07-04 | 東邦チタニウム株式会社 | 溶融塩電解槽およびそれを用いた金属マグネシウムの製造方法並びにスポンジチタンの製造方法。 |
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