JP4489520B2 - 電解槽 - Google Patents

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本発明は、溶融塩化マグネシウムの電解槽に関し、さらに詳しくは、溶融塩化マグネシウムを電気分解し、金属マグネシウムおよび塩素ガスを回収する電解槽の構造に関するものである。
四塩化チタンと金属マグネシウム(Mg)を還元反応させて金属チタンを製造する際に副生物として溶融塩化マグネシウムが生成される。生成された溶融塩化マグネシウムは、電解槽に装入され、CaCl2、NaCl、およびMgF2などと混合され溶融塩を形成し、電気分解によって電解槽のアノード(陽極)で生成する塩素ガスおよびカソード(陰極)で生成するMgに分離される。通常、回収された塩素ガスおよびMgは、再度四塩化チタンおよび金属チタンの製造に使用される。
複極を備えた電解槽は、アノードとカソード間に複極を配置することによって、上記の電気分解に際し、Mg、塩素ガスを生成する電極の極数を増加させるので生産性を改善できることから、広く使用されている。
電解槽は、後述する図1および図2に示すように、電解室2と金属集積室3に区分され、これらの間に耐火物の壁4およびカーテンウォール5が設けられ、蓋6で密封された構造となっている。電解室2には、アノード7とカソード8がそれぞれ内側を耐火物で構成される炉壁9と蓋6に電気的に絶縁されたシール構造を通じて固定され、これらの炉内側にあるアノード7とカソード8の電極部が耐火物台座10、11に載せられる。
また、アノード7とカソード8の電極部の間に、この構造例では2枚の複極12、13が所定の間隔、例えば、5〜25mmの間隔をおいて耐火物台座14、15に載せられている。そして、これら耐火物台座10、11、14および15は、炉壁9と耐火物の壁4に設けられた棚16、17にそれぞれ所定の幅の絶縁ブロック18によって固定されている。
さらに、複極12、13は、それぞれに埋め込まれたスペーサー19aによって、アノード7およびカソード8並びに複極12、13のそれぞれの電極間を所定間隔に保持される構造となっている。
そして、アノード7とカソード8は、外部の直流電源に接続されている。また、電解槽における溶融塩の液面は、カソード8と複極とがこの溶融塩に浸漬し、カーテンウォール5の上部と下部の中間位の位置とする。さらに、この液面高さが一定になるよう、図示しないが、金属集積室3には液面調整装置が設けられ、液面高さが制御されるようにしている。
このような電解槽を使用し、外部の直流電源によってアノード7とカソード8間に通電することにより、電流がアノード7から複極12、13を通じてカソード8に流れる。この電流によって、アノード7と複極12、13のカソード8側の表面で塩素ガスが生成し、カソード8と複極12、13のアノード7側の表面でMgが生成する。生成する塩素ガスは溶融塩より比重が小さいため、アノード7およびカソード8並びに複極のそれぞれの電極間で上昇流を生じ、電解室2の液面が上昇する。この上昇流により、Mgは溶融塩とともに電極部分から排出される。
上昇した塩素ガスは、電解室2の上部の空間に溜まり、圧力調整され、導管20を通じて外部に取り出される。また、電解室2で上昇したMgと溶融塩が耐火物の壁4およびカーテンウォール5の間を金属集積室3に矢印Bで示すように流入する。
そして、金属集積室3では、流入したMgが比重差によって矢印Cで示すように浮上して上部に溜まり、溶融塩は矢印Dで示すように流れ、再び耐火物の壁4の下部を経由して矢印Eで示すように電解室2に流れる。
このように、電解槽では、電気分解によって塩素ガスとMgに分離されるが、一方、溶融塩が電解室2と金属集積室3を循環する。
ところが、電解槽を長期使用する間に、次に挙げるような電流のロスが増加するため、電解槽における電流効率は徐々に悪化していく。
(1)アノードやカソードの変形、または複極の位置ずれなどに起因する電気分解の安定性の悪化に伴う電流ロス。
(2)電極間のスペーサーや電極を載せる耐火物台座を通じて電流が洩れること、または耐火物台座などに堆積したスラッジを通じて電流が洩れることに起因する電流ロス(以下、「リーク電流によるロス」という)。
(3)複極を備えた多極電解槽を用いる場合に、複数のカソード間で炉壁耐火物を通じて電流が洩れることに起因する電流ロス。
上記の(1)〜(3)に述べた電流のロスのうち、(3)の電流のロスは、(1)および(2)の電流のロスに比較して、そのロスの量や経時変化が小さく電流効率に対する影響が少ない。そこで、(1)および(2)の電流のロスを低減することは、Mgの回収コストの面から重要である。
上記の(1)および(2)に述べたリーク電流によるロスについて、さらに説明する。まず、(1)の電流のロスは、複極の位置がずれて電極間の所定間隔を維持できなくなると、アノード7およびカソード8並びに複極のそれぞれの電極間で塩素ガスおよびMg並びに溶融塩の上昇流が乱れることになり、これら電極間に流れる電流の密度が、それぞれの電極面内で徐々に不均一となることから、増加する。
次に、(2)の電流ロスは、電解槽に使用するスペーサー、耐火物台座などがアルミナ製耐火物などで形成されているため、耐火物の気孔中に溶融塩が含浸して電気伝導性が高くなって電流が電極間で漏洩したり、スラッジが堆積したとき、そのスラッジに金属Mgが含まれる場合があり、その金属Mg粒を経由して電流が炉壁などへ漏洩したりすることによって生じるものである。
このため、電力を多量に使用する電解槽では、電流効率が悪化することによって電力費が増加するので、その改善が求められている。
このような状況に鑑み、電解槽におけるリーク電流によるロスを低減し、電流効率を維持するため、従来から複極の保持方法、電解槽の構造などに関し種々の提案がなされている。例えば、特許文献1では、複極の上部に樋状の溝を設ける電解槽の構造が提案され、使用に際し、上昇流の速度を高め、生成したMgを電解室から金属集積室に流れ易くして、アノードおよびカソード並びに複極のそれぞれの電極間で生成する塩素ガスとMgが電解室の上部で再結合しないようにしている。そして、アノードとカソードの電極間に設ける黒鉛スラブで造られる中間電極(複極と同意)は、この黒鉛スラブの孔に埋め込まれた絶縁スペーサーによって、その間隔が4〜25mmに保持されている。
しかし、特許文献1では、用いられる絶縁スペーサーの材質については何ら記載されていないが、その明細書の記載の全体から絶縁スペーサーの材質が通常の耐火物と考えられ、前述のように上昇流の速度を高めて、複極の上部付近のMgの流れを良くしても絶縁スペーサーおよび耐火物などがその気孔中に溶融塩が含浸して電気伝導性をもち、絶縁スペーサーからリーク電流によるロスが増加することがある。さらに、リーク電流によりスペーサーが損傷し、所定の電極間隔を維持できなくなる。
また、特許文献2では、壁面を貫通するカソード(陰極)の全周囲をアルミナ電鋳製の絶縁耐火物で取り囲んだ電解槽が提案されている。提案の電解槽は、カソードから耐火物を介してのバイパス電流によるロスを抑制しようとするものである。前述のように、耐火物は気孔率が高いのでその気孔中に溶融塩が含浸して電気伝導性をもち、これを起因としてバイパス電流によるロスが発生するので、気孔率の低いアルミナ電鋳製の絶縁耐火物を使用することによって、バイパス電流を抑制できるとしている。
しかし、特許文献2において、カソードの全周囲をアルミナ電鋳製の絶縁耐火物で取り囲み、その絶縁耐火物の厚さが隣のカソードとの面間距離の1/3〜1/5とする場合、高価なアルミナ電鋳製の絶縁耐火物の使用量が多くなり設備費が多大になる。そのため、カソードと同様に、複極の全周囲をこのようにアルミナ電鋳製の絶縁耐火物で取り囲むことは、設備費が多大となり、また電解槽の構造が複雑になり、カーボン製の複極に過度の荷重が加わり破損することがある。
また、特許文献3では、双極電極(複極と同意)を使用するバイポーラ型電解槽において、アノードおよびカソード並びに双極電極の下部を支持する耐火物台座の両端を、炉壁、および電解室と金属集積室間の耐火物壁に設けた棚に固定するため、この棚の幅に合わせた断面三角形状の絶縁ブロックを用いた電解槽が提案されている。このような構造にすることで、この棚において溶融塩の澱みを防止するようにしている。
このようにして、MgOを主成分とし、金属Mg粒が混在するスラッジの堆積を防止して、アノードおよびカソード並びに複極のそれぞれの電極間で発生するリーク電流によるロスを低減できるとしている。
しかし、特許文献3の電解槽において、上昇流に乱れがない通常の状態では、短期間の使用でスラッジの堆積が一定量になるので、電流効率を悪化させることにはならない。しかし、耐火物の気孔中に溶融塩が含浸して電気伝導性が高くなって電流が電極間で洩れることに起因する電流ロスは避けられない。
さらに、特許文献4では、リーク電流によるロスを低減して電流効率の低下を防止するために、複極を含む電極の周端の一部又はすべてに絶縁体を被覆する複極式電解槽が提案されている。
提案の複極式電解槽では、電極がチタン等を基板とし、白金、イリジウム、ルテニウム等の単体または酸化物を含む電極としている。また、用いるスペーサーは、非導電性の樹脂を使用している。これによって、電流が電極の周端に集中するのを抑制することができるとしている。しかしながら、この複極式電解槽は、使用例として記載されているような腐食性の高い次亜塩素酸溶液を得るための電解槽であり、溶融塩や塩素ガス雰囲気の660〜670℃というような高温で使用する溶融塩化マグネシウムの電気分解に適用することはできない。
特開昭59−6389号公報
特開平5−93291号公報 特許第2772954号 特開2002−186970号公報
前述の通り、従来の電解槽では、長期使用する際に、耐火物製の絶縁スペーサーなどが、その気孔中に溶融塩が含浸してリーク電流によるロスを低減できず、電流効率の悪化が避けられない。また、複極の全周囲をアルミナ電鋳製の絶縁耐火物で取り囲んだり、電極(複極も含む)の周端の一部又はすべてに絶縁体を被覆するにしても、電解槽の構造が複雑になり設備費が多大になる上、カーボン製の複極に過度の荷重が加わり破損したりして寿命が短くなることがある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、電解槽を長期使用する際に、スペーサーに用いる材料を窒化珪素セラミックスで構成することで、スペーサーの電気比抵抗が高くなり、また劣化せずかつ溶融塩が含浸しないのでスペーサーを通じた電流の洩れによるロスを低減でき、さらにスペーサーが摩耗しにくいので、複極の位置ずれが起こりにくく、浴対流も乱れず電気分解に与える影響が少なく、またMgと塩素ガスとの再反応も低減し、その上耐火物台座にスラッジの堆積が少なくなるのでスラッジを通じて生じる電流の洩れによるロスを低減できる電解槽を提供することを目的としている。
本発明者は、上記の課題を解決するため、従来の電解槽について種々の検討を加えた結果、気孔率が低くてかつ電気比抵抗が高い窒化珪素セラミックスを、複極を保持するスペーサーとして用いることで、リーク電流によるロスが低減でき、さらにこのスペーサーには耐食性や対摩耗性があり、複極の位置ずれを防止できることを知見した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)〜(2)の電解槽を要旨としている。
(1)溶融塩化マグネシウムの電解槽において、炉壁に埋め込まれたスペーサーによって、アノードおよびカソードもしくは複極のそれぞれの電極間隔が所定間隔に保持され、前記スペーサーが窒化珪素セラミックスで構成されていることを特徴とする電解槽である。
(2)前記スペーサーの電気比抵抗が1×105Ω・cm以上であることを特徴とする前記(1)の電解槽である。
本発明の電解槽によれば、スペーサーとして窒化珪素セラミックス製を用いることで、長期使用の際に、複極の位置ずれを低減できるので電気分解が安定して電流ロスを低減でき、またスペーサーを通じた電流の洩れによるロスを低減でき、さらに、スラッジを通じて生じる電流の洩れによるロスを低減できるので、電流効率の悪化を低減でき、電力費の増加を抑制することができる。
本発明の電解槽は、複極の下部が複極を支持する耐火物台座の上部に載せられ、窒化珪素セラミックス製のスペーサーが複極、アノードおよびカソードの電極間にあって所定間隔に保持することを特徴としている。
本発明の電解槽について、その内容を説明する。
図1は、本発明の電解槽の構造例を示す図である。前述のように、電解槽1は、電解室2と金属集積室3に耐火物の壁4およびカーテンウォール5によって区分され、蓋6で密封された構造となっている。
図2は、前記図1に示す構造例のA−A矢視による正面断面図であり、複極がスペーサーによって保持される状況を示す図である。図2に示すように、複極12、13は、アノード7およびそれぞれの複極に埋め込まれた窒化珪素セラミックス製のスペーサー19aによって、電極間を所定間隔に保持される構造としている。
スペーサー19aは、例えば、アノードおよび複極の表面に複極の厚さの半分ほどの深さの孔に彫り込みが設けられ、この孔に挿入して固定され、またアノード7およびカソード8並びに複極12、13のそれぞれの電極間隔を保持するようにしている。
図1および図2の構造例では、スペーサー19aが、アノードおよびそれぞれの複極の片面に9個ずつ取り付けられている。この例で、スペーサー19aをアノードおよび複極に孔明けし固定するのは、通常カソードが鉄製で孔明け加工がしにくく、また孔明け部での変形の可能性があるのに対し、アノードおよび複極がグラファイト製で孔明け加工が容易で変形の可能性も少ないからである。なお、他の構造例として、複極の両面または片面にスペーサー19aを取り付けてもよい。
図3は、本発明の電解槽の他の構造例を示す図である。図3に示す構造例では、スペーサー19bが、炉壁に固定されている状況を示している。
また、図4は、前記図3に示す構造例でのスペーサーが炉壁の耐火物に固定され、複極を保持している状況を示す平面断面図である。図4に示すように、複極12、13は、窒化珪素セラミックス製のスペーサー19bが炉壁9、および耐火物の壁4の耐火物21に固定されるので、スペーサー19bの突起部に挟まれて保持される。このようにして、アノードと複極の間隔a、複極同士の間隔bおよび複極とカソードの間隔cは、所定間隔に設定される。
窒化珪素セラミックスのスペーサー19aは、加工がし易く、また塩素ガスおよびMg並びに溶融塩の上昇流に対する抵抗を少なくするため、その断面形状が円形または縦長の長円形が望ましい。また、アノードや複極に彫り込む孔の数、その位置、孔の大きさは、電極の表面積やそれぞれの強度に応じて選択すれば良い。
また、スペーサー19bは、突起部の幅が、a、bまたはcとする寸法とし、築炉上、奥行きの寸法が突起部の高さに耐火物の1枚分の厚さを加えた寸法で良く、さらにその高さについて耐火物の1段分の高さまたは2〜3段分の高さで選択すれば良い。この場合、スペーサー19bの突起部の高さは、30mm以上とするのが望ましい。30mm未満であると、位置ずれ防止の効果が小さくなる。
また、スペーサー19aと19bの特性を比較すると、スペーサー19aは、電解槽の築炉時の作業が容易であり、かつ安価であるが、常に上昇流に曝される。一方、スペーサー19bは、複極に孔を彫り込まないので複極が破損しにくく、また複極を強固に保持できるとともに炉壁付近で複極を保持するので上昇流に曝されにくいが、窒化珪素セラミックスが大型となるので築炉時のコストが高くなる。このように、複極の保持の方法の選択は、これらを考慮して適宜決めることができる。
本発明のスペーサーの望ましい特性は、高温の溶融塩や生成する塩素ガスやMgに対して耐食性があり、また溶融塩の循環流に対して対摩耗性があり、さらに見かけ気孔率が低く、溶融塩やMgが気孔中に含浸せず、加えて電気比抵抗が高いことである。そして、その見かけ気孔率は10%以下とし、望ましくは5%以下である。
このような特性に対し、本発明で用いるスペーサーを窒化珪素セラミックスで構成したのは、前述のように耐食性および対摩耗性に優れ、見かけ気孔率が非常に低く、かつ電気比抵抗が高いからである。そして、特に重要なのは、通常の耐火物に比較して高い電気比抵抗であり、それが1×105Ω・cm以上であり、望ましくは1×1010Ω・cm以上である。さらに望ましくは、1×1013Ω・cm以上である。
本発明の効果を確認するため、前記図1および図2に示すようなスペーサー19aを使用した電解槽を用いて、溶融塩を電解した。
本発明の効果を評価する方法は、炉壁および耐火物台座がアルミナ製の耐火物で、複極がカーボン製とし、スペーサーがアルミナ製の耐火物および各種窒化珪素セラミックスを用意して試験し、電解槽の操業開始から寿命で停止するまでの電流効率を平均した平均電流効率で比較した。この場合、スペーサーがアルミナ製の耐火物としたときの平均電流効率を100として各種窒化珪素セラミックスでの平均電流効率をその相対比(%)で比較した。なお、平均電流効率は、電解槽の操業開始から寿命で停止するまでの電流効率を平均したものである。
表1は、スペーサーの材質がアルミナ製の耐火物(従来例)と、電気比抵抗と気孔率の異なる窒化珪素セラミックス(実施例1〜3)を平均電流効率の相対比(電流効率比)で比較したものである。この表1から、平均電流効率は、電気比抵抗が高くなるほど、また気孔率が低くなるほど良くなることが分かる。
また、表1には、電気比抵抗の大きい窒化珪素セラミックスを使用し、さらに複極の下部と耐火物台座の上部が嵌め合わせ構造としてこれらが摩耗することに伴う複極の位置ずれを防止した場合(実施例4)の平均電流効率の相対比も比較したところ、平均電流効率がさらに良くなった。
Figure 0004489520
本発明の電解槽によれば、電気比抵抗が高く、かつ気孔率が低い窒化珪素セラミックスをスペーサーとして使用するので、長期間の操業において電気分解が安定し、またリーク電流によるロスを低減することができ、電力費の増加を抑制できる。さらに、スペーサーの摩耗が低減し、複極の位置ずれが生じにくくなり電解槽の寿命を延長できるので、溶融塩の電解槽として、広く採用される。
本発明の電解槽の構造例を示す図である。 前記図1に示す構造例のA−A矢視による正面断面図である。 本発明の電解槽の他の構造例を示す図である。 前記図3に示す構造例でのスペーサーが炉壁の耐火物に固定され、複極を保持している状況を示す平面断面図である。
符号の説明
1:電解槽、 2:電解室、 3:金属集積室、 4:耐火物の壁
5:カーテンウォール、 6:蓋、 7:アノード、 8:カソード、 9:炉壁
10、11:耐火物台座、 12、13:複極、 14、15:耐火物台座
16、17:棚、 18:絶縁ブロック、 19a:スペーサー
19b:スペーサー、 20:導管、 21:耐火物

Claims (2)

  1. 溶融塩化マグネシウムの電解槽において、炉壁に埋め込まれたスペーサーによって、アノードおよびカソードもしくは複極のそれぞれの電極間隔が所定間隔に保持され、前記スペーサーが窒化珪素セラミックスで構成されていることを特徴とする電解槽。
  2. 前記スペーサーの電気比抵抗が1×105Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の電解槽。
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