JP7206160B2 - 溶融塩電解槽及びこれを用いた金属の製造方法。 - Google Patents

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本発明は、溶融塩電解槽及びこれを用いた金属の製造方法に関する。
金属チタンの鋳塊等は、工業的にはクロール法によって製造されたスポンジチタンを使用して製造されている。そして、このクロール法を含むスポンジチタン製造プロセスは、塩化蒸留工程、還元分離工程、破砕工程及び電解工程の四工程に大別しうる。これらの工程の一つである電解工程は、四塩化チタンを金属マグネシウムで還元してスポンジチタンを製造する還元分離工程の副生成物である塩化マグネシウムを、溶融塩電解により分解して、金属マグネシウムに戻す工程である。
電解工程においては、金属マグネシウムを効率よく生成させることが重要である。そのため、電流効率の向上や電流効率の経時的な低下の抑制等といった観点から、電解工程で用いられる溶融塩電解槽に関する様々な技術開発が行われている。
例えば、特許文献1では、「電解槽と、前記電解槽の上部から垂下した隔壁を備え、前記隔壁を挟んで両側に生成金属の貯留室と電解室が形成され、電解槽上部の電解室側にガス排出ノズルを備えるとともに、前記電解室に陰極及び陽極を備え、さらに、電解槽上部の貯留室側に蓋を備えるとともに、外部から前記蓋を貫通して前記電解槽内の貯留室側に鉛直方向に延在する2本の導管と前記2本の導管の一方から他方に水平方向に延在する複数の枝管とを有する熱交換器を備える溶融金属塩化物の電解装置」が提案されている。
特開2005-171357号公報
特許文献1の図2に示されるような電解槽では、溶融金属の回収と、熱交換器による溶融塩の冷却が、いずれも貯留室に相当するメタル回収室で行われている。ここで、例えば、溶融塩として溶融塩化マグネシウムを用いた場合、電解室では電気分解により、下記式(1)の反応が生じる。
MgCl2→Mg+Cl2・・・式(1)
上記式(1)の反応により電解室で発生した塩素ガスの多くは、電解室から電解槽の外部に送られて回収されるが、その残りの塩素ガスは電解室で回収されずに、メタル回収室に移動することがある。そして、貯留室に移動した残りの塩素ガスは、メタル回収室に設けられた熱交換器と接触し、それを腐食させてしまう。
したがって、これまでの溶融塩電解槽には、電気分解の実施によって熱交換器の劣化が比較的短い期間のうちに生じ、この点においては未だ改良の余地があった。
そこで、本発明は、一実施形態において、熱交換器の寿命を長くすることが可能な溶融塩電解槽を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は一側面において、溶融塩浴で溶融塩の電気分解を行う溶融塩電解槽であって、陽極及び陰極を含む電極、並びに前記電気分解で発生するガスを回収する第1のガス回収口を有する電解室と、前記電解室と連通して、前記ガスを回収する第2のガス回収口を有するメタル回収室とを備え、当該溶融塩電解槽は、熱交換室を更に備え、前記熱交換室は、前記メタル回収室及び前記電解室とそれぞれ連通し、熱交換器を有する、溶融塩電解槽である。
本発明に係る溶融塩電解槽の一実施形態においては、前記電解室と前記メタル回収室とを区画するために第1の隔壁が設けられ、前記メタル回収室と前記熱交換室とを区画するために第2の隔壁が設けられ、前記第2の隔壁の下面の高さ位置は、高さ方向において前記第1の隔壁の下面の高さ位置よりも底部側に位置される。
本発明に係る溶融塩電解槽の一実施形態においては、前記熱交換室は、撹拌機を更に有する。
本発明に係る溶融塩電解槽の一実施形態においては、前記熱交換室と前記電解室とが、前記メタル回収室の下方の底部側に配置された溶融塩循環路を介して連通されている。
本発明に係る溶融塩電解槽の一実施形態においては、前記電解室は、前記電極を複数対有する。
また、本発明は別の側面において、上記いずれかの溶融塩電解槽を用いて、前記溶融塩を電気分解し、溶融金属及び前記ガスを回収する電解工程を含む、金属の製造方法である。
本発明に係る金属の製造方法の一実施形態においては、前記電解工程では、前記溶融塩電解槽内の前記メタル回収室及び前記熱交換室のうちの一方又は両方に溶融塩を供給する工程を更に含む。
本発明に係る金属の製造方法の一実施形態においては、前記溶融塩浴の溶融塩は、溶融塩化マグネシウムを含む。
本発明に係る金属の製造方法の一実施形態においては、前記溶融塩電解槽内に供給する前記溶融塩の溶融塩化マグネシウム濃度が90質量%以上である。
本発明に係る金属の製造方法の一実施形態においては、前記溶融塩電解槽内に前記溶融塩を間欠的に供給する。
本発明に係る金属の製造方法の一実施形態においては、前記電解工程では、前記電気分解により発生するガスの全ガス量のうち、95.0~99.9体積%のガスを前記第1のガス回収口で回収する。
本発明の一実施形態によれば、熱交換器の寿命を長くすることができる。
本発明に係る溶融塩電解槽の一実施形態の内部構造を説明するために模式的に示す概略断面図である。 図1AのI-I線矢視部分断面図である。 本発明に係る溶融塩電解槽の別の実施形態の内部構造を説明するために模式的に示す概略断面図である。 従来の溶融塩電解槽の内部構造を説明するために模式的に示す概略断面図である。 図1AのII-II線矢視部分断面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。また、本明細書において、「上方」は、図1A及び図2に示すように、外壁10の底部側から上蓋20へ向かう方向を意味し、「下方」は、上蓋20から外壁10の底部側へ向かう方向を意味する。
[1.概要]
従来、電気分解においては、電解室130と、その電解室130と連通したメタル回収室140とを備える溶融塩電解槽100(図3参照。)が用いられている。この溶融塩電解槽100においては、メタル回収室140に、熱交換器151が設けられている。この溶融塩電解槽100を用いた電気分解において消費した溶融塩、例えば塩化マグネシウムを供給する場合に、溶融塩電解槽に投入される塩化マグネシウムの温度は、溶融塩浴とは異なり、支持塩を含んでいないこと等の理由から、その溶融塩浴温度より高い。高温の塩化マグネシウムが投入された場合、高温化された溶融塩が電解室に流入し、電解室にて上記式(1)の逆反応である下記式(2)が生じ得る。このため、塩化マグネシウムを再度電気分解することとなり電気分解の電流効率が低下する。よって、塩化マグネシウム投入後において溶融塩浴の温度を、所望とする温度に戻すため、効率的に下げる必要があり熱交換器が使用されている。しかしながら、従来より使用されている溶融塩電解槽100ではメタル回収室140内に熱交換器151を設置していることに起因して、以下2つの問題が生じていた。
Mg+Cl2→MgCl2・・・式(2)
第1に、電解室130で生成した塩素ガスのほとんどは電解室130から第1のガス回収口121を介して溶融塩電解槽100外に排出されるが、わずかな塩素ガスがメタル回収室140に混入する。メタル回収室140に到達した塩素ガスは、メタル回収室140内の金属製(炭素鋼製やステンレス製)の表面を有する熱交換器151を腐食させる。これが熱交換器の寿命を短くさせる要因となっている。
第2に、高温の塩化マグネシウムがメタル回収室140から供給されると、メタル回収室140で溶融塩浴の温度が上昇して、上記熱交換器151の腐食の進行が早まると考えられる。なお、この問題に対する対策としては、例えば、高温のMgCl2を少量ずつ連続して溶融塩浴に供給することが考えられるが、MgCl2リザーバー内の高温維持、圧力の連続的な制御など、負荷の大きな作業となってしまう。また、溶融塩浴は十分に冷却されず高温のまま電解室130に流れて循環する。この場合、電解室130にて生成したMgとCl2は上記式(2)のように高温下でMgCl2となるため電流効率が低くなる。
そこで、本発明者は、溶融塩電解槽に、熱交換器を収容する熱交換室を別途設けることを案出した。メタル回収室を熱交換室と電解室の間に配置すれば、メタル回収室で微量塩素を除去した溶融塩を熱交換室に流入させることができ、熱交換器の腐食を抑制できる。また、メタル回収室から電解室にいたるまでの流路が適切に長くなったことで、溶融塩電解槽の系外に溶融塩浴の熱が放熱されるので、塩化マグネシウム等のような高温の溶融塩の投入に起因する電解室の高温化を抑制可能となり電流効率が向上する。本発明者は上記知見に基づいて更なる検討を重ね、本発明を完成するに至った。
以下、各実施形態について、それぞれ説明する。
[2.溶融塩電解槽]
本発明に係る溶融塩電解槽1の一実施形態においては、図1Aに示すように、外壁10と、上蓋20と、電解室30と、メタル回収室40と、熱交換室50とを備える。図1Aの溶融塩電解槽では、電解室30、メタル回収室40、及び熱交換室50が、図示横方向にこの順でそれぞれ並んで位置している。
(外壁)
外壁10は、上側に上面開口部が形成された容器形状であり、例えば主としてAl23等の耐火レンガその他の適切な材料からなる。この外壁10は、その内部に供給された金属塩化物を含む溶融塩からなる溶融塩浴が貯留されている。また、電解室30の内部には、溶融塩浴の深さ方向(図1A及び図1Bでは上下方向)と平行に電解面を有する陽極31及び陰極32を含む電極が配置されている。
以下、溶融塩に塩化マグネシウム(MgCl2)が含まれる場合を例として説明する。この場合、塩化マグネシウムの電気分解により、図1Aに示すように、溶融金属として金属マグネシウム(Mg)が生成されるとともに、ガスとして塩素ガス(Cl2)が発生する。溶融塩には、上記の塩化マグネシウム(MgCl2)の他、支持塩として、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化カリウム(KCl)及び/又は、フッ化カルシウム(CaF2)等を含ませる場合がある。支持塩として使用される成分は、塩化マグネシウムより電気分解される電圧が高いものを使用することが好ましい。金属マグネシウムは、金属チタンを製造するクロール法における四塩化チタンの還元に、また塩素ガスは、チタン鉱石の塩化にそれぞれ用いることができる。この電気分解の原料とする塩化マグネシウムとしては、クロール法で副次的に生成されるものを使用可能である。
上蓋20は、溶融塩が高温であることから溶融塩電解槽1の外部に対する断熱のため、また、塩素漏洩防止のために外部に対して溶融塩電解槽1内を負圧にしてその外壁10の上面開口部を閉じている。
(電解室)
電解室30は、溶融塩中の金属塩化物を電気分解して、該電気分解により溶融金属を生成する機能を持つ。塩化マグネシウムの電気分解では、溶融金属マグネシウムの他、塩素ガスが生成する。電解室30は、電極と第1のガス回収口21とを有する。
(電極)
電極は、少なくとも、電源に接続された陽極31及び陰極32を有する。これらの陽極31及び陰極32では、たとえば上記式(1)等といった所定の反応に基づいて、陽極31の溶融塩中に浸漬した表面で酸化反応により塩素等のガスが生じるとともに、陰極32の溶融塩中に浸漬した表面で還元反応により金属マグネシウム等の溶融金属が生成される。
電極は、少なくとも陽極31及び陰極32を有するものであれば、溶融塩中の金属塩化物の電気分解を行うことができる。更に、電解室30は、電気分解の生産効率を向上させるという観点から、電極を複数対有してもよい。また、電極は、電気分解の生成効率向上等の観点より、図1Bに示すように、陽極31と陰極32との間に、陽極31及び陰極32間への電圧の印加によって分極する一枚以上のバイポーラ電極33a、33bをさらに有することが好ましい。この例では、バイポーラ電極33a、33bは二枚としているがバイポーラ電極の数は適宜調整可能である。但し、このようなバイポーラ電極33a、33bは必ずしも必要ではない。なお、陽極31とバイポーラ電極33a、陰極32とバイポーラ電極33b、バイポーラ電極33aと33bの極間距離はそれぞれ、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
(第1のガス回収口)
第1のガス回収口21は、電解分解で発生したガスを回収する機能を持つ。第1のガス回収口21は、電解室30が位置する領域における上蓋20に形成されている。例えば第1のガス回収口21を電解室内に対して負圧として電気分解で発生した塩素ガスを回収できる。
(メタル回収室)
メタル回収室40は、電解室30において電気分解により生成した溶融金属を回収する機能を持つ。メタル回収室40は、電解室30と連通しており、第2のガス回収口22と、溶融塩及び溶融金属の給排口23とを有する。そして、メタル回収室40と、電解室30とを区画するため、メタル回収室40と電解室30との間には第1の隔壁45が設けられている。
(第2のガス回収口)
第2のガス回収口22は、電解室30において電気分解により生成したガスを回収する機能を持つ。第2のガス回収口22は、メタル回収室40が位置する領域における上蓋20に形成されている。第2のガス回収口22は、電気分解で発生したガスのうち、電解室30の第1のガス回収口21で回収されずにメタル回収室40に移動した残りのガスの回収に用いられることがある。
(給排口)
給排口23は、電解室30において電気分解により生成した溶融金属を回収し、又は溶融塩を供給する機能を併せ持つ。給排口23は、メタル回収室40が位置する領域における上蓋20に形成されている。
(熱交換室)
熱交換室50は、溶融塩浴の温度を調整する機能を持つ。熱交換室50は、メタル回収室40及び電解室30とそれぞれ連通し、熱交換器51と、給液口24と、撹拌機52とを有する。熱交換室50は、底部側に設けた溶融塩循環路60を介して、電解室30と連通している。熱交換室50と、メタル回収室40とを区画するため、熱交換室50とメタル回収室40の間に第2の隔壁55が設けられている。本発明の一実施形態においては、メタル回収室40に移動した塩素ガスの熱交換室50への進入を防ぐことで熱交換器51の寿命を長くするという観点から、第2の隔壁55の下面の高さ位置は、高さ方向において第1の隔壁45の下面の高さ位置よりも底部側に位置される。
(熱交換器)
熱交換器51は、冷却用空気又は燃焼ガスを通すことで、溶融塩の温度を調整している。この熱交換器51は、外部から上蓋20を貫通して電解槽内に鉛直方向に延在し、溶融塩浴中に浸漬されている。また、熱交換器51は公知のものを適宜使用可能であり、その材質は炭素鋼やステンレス鋼を使用可能である。なお、本発明の一実施形態においては、熱交換器51を熱交換室50に備えているので、熱交換器51の材質にステンレス鋼を使用したとしても溶融マグネシウムが熱交換器51と接触することを抑制し、熱交換器51由来のNiやCrが溶融マグネシウムに移行するのを抑制できる。また、メタル回収室40に流入しうる塩素と熱交換器51の接触も抑制できる。
(給液口)
給液口24は、溶融塩を供給する機能を持つ。給液口24は、熱交換室50が位置する領域における上蓋20に形成されている。
(撹拌機)
撹拌機52は、溶融塩を熱交換器51と効率的に接触させる、又は溶融塩の流れを調整するといった機能を持つ。すなわち、熱交換室50に撹拌機52を設置している場合には、熱交換器51と溶融塩浴間の熱交換率を向上させることも可能となる。撹拌機52は、鉛直方向に外壁10と接触しないように設置されている回転軸52aと、回転軸52aの下端に取り付けられる撹拌翼52bとを備える。回転軸52aの材質は特に限定されないが、耐腐食性という観点から、例えばステンレス鋼製、炭素鋼製等が挙げられる。なお、撹拌翼52bは、回転軸52aの下端に切欠きを設け、その切欠きに嵌め込み溶接して取り付ければよい。
(撹拌翼)
撹拌翼52bの形状は特に限定されないが、例えばパドル型、傾斜パドル型、プロペラ型等が挙げられる。なお、撹拌翼52bの材質は特に限定されないが、耐腐食性という観点から、例えばステンレス鋼製、炭素鋼製等が挙げられる。
(溶融塩循環路)
電解室30は、溶融塩循環路60を介して熱交換室50と連通されている。溶融塩循環路60は、メタル回収室40の下方であって、溶融塩電解槽1の底部側に設けられ、メタル回収室40と第3の隔壁65により区画されている。本発明の一実施形態においては、熱交換器51を有する熱交換室50から電解室30にいたるまでにメタル回収室40の底側を通過する流路が適切な長さとなることで、当該溶融塩電解槽1の系外に溶融塩浴の熱が良好に放熱されるので、塩化マグネシウム等のような高温の溶融塩の投入に起因する電解室30の高温化を抑制可能となり電流効率が向上する。
更に、別の実施形態においては、図2に示すように、溶融塩電解槽2は、第1の隔壁46と第3の隔壁65との間に、流通口70を形成したことで、矢印Aに示す溶融塩浴の流動を確保することができる。
[3.金属の製造方法]
本発明に係る金属の製造方法の一実施形態においては、先述した溶融塩電解槽1を用いて、溶融塩を電気分解し、溶融マグネシウム等の溶融金属及び塩素ガス等のガスを回収する電解工程を含む。本発明の一実施形態においては熱交換率の低下を抑制することができるので、高温の塩化マグネシウムが溶融塩電解槽1に供給されても溶融塩の温度が変動しにくく、安定した操業を可能とする。
溶融塩浴の流動は、図1Aに示す矢印Aのように起こる。すなわち、溶融塩が、電解室30から第1の隔壁45の下側を通ってメタル回収室40に流動し、メタル回収室40から第2の隔壁55の下側を通って熱交換室50に流動し、熱交換室50から溶融塩循環路60を経て電解室30に流動する。電解室30では、溶融塩中の金属塩化物が電気分解されて、電解室30で溶融金属が生成される。そして、この溶融金属は、メタル回収室40に流入する。その後、溶融塩に対する比重の小さい溶融金属は、メタル回収室40の浅い箇所に浮上してそこに溜まる。メタル回収室40で浮上した溶融金属Mは、給排口23に回収用のパイプ等を挿通して回収することができる。以上より、本発明の一実施形態においては、溶融塩から溶融金属を製造することができる。
また、電解工程では、電気分解により消費した塩化マグネシウム分の溶融塩を適宜補給する観点から、溶融塩電解槽1内のメタル回収室40及び熱交換室50のうちの一方又は両方に溶融塩を供給する工程を更に含んでもよい。すなわち、本発明の一実施形態においては、給排口23を介してメタル回収室40に溶融塩を供給し、又は給液口24を介して熱交換室50に溶融塩を供給してよい。給排口23を介してメタル回収室40に溶融塩を供給する場合、メタル回収室40で浴面付近に浮上した回収対象である溶融金属がほとんど存在しない状態のときに、溶融塩を供給することが好ましい。この理由としては、回収対象である溶融金属が所定量存在しているときには、溶融塩を供給するとその影響により溶融塩浴が流動し回収対象である溶融金属が溶融塩浴中に撹拌されてしまうといったことが挙げられる。溶融塩を外部から供給したとしても溶融金属Mの良好な回収率を実現するという観点から、溶融塩を給液口24から供給することが好ましい。このとき、溶融塩を供給する方法は特に限定されず比較的多量の溶融塩を間欠的に供給する間欠式や、溶融塩を連続的に供給する連続式を採用できる。
なお、本明細書において、「回収対象である溶融金属がほとんど存在しない状態」は、例えば電気分解が開始されて間もないとき、或いはメタル回収室40の浴面付近の溶融金属を回収直後のときを意味する。
また、溶融塩電解槽1内に供給する溶融塩の溶融塩化マグネシウム濃度は、溶融塩浴における溶融塩化マグネシウムの濃度回復の観点から、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であればより好ましく、99質量%以上とすることがより好ましい。すなわち、供給する溶融塩は実質的に塩化マグネシウムのみの組成としてよい。
電解工程では、可能な限り第1のガス回収口21から電気分解により発生するガスを回収する。その目安として例えば、電気分解により発生するガスの全ガス量のうち、95.0~99.9体積%のガスを第1のガス回収口21で回収することが好ましい。
熱交換室50に配置した撹拌機52の撹拌翼52bの回転数は、電流効率の向上という観点から適宜調整可能である。
以下、本発明の内容を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、溶融塩電解槽1を組み立てた(図1A参照)。溶融塩電解槽1は、外壁10、第1の隔壁45、第2の隔壁55、及び第3の隔壁65の材質がそれぞれAl23の定型耐火物(耐火煉瓦)とし、上蓋20の材質は蓋裏にキャスタブル耐火物の層を施工した炭素鋼を使用した。この溶融塩電解槽1は、電解室30が2m3、メタル回収室40が0.8m3、熱交換室50が1.2m3であるものを用いた。次に、溶融塩電解槽1に、3800kgの溶融塩を投入して、溶融塩の温度を660℃に調整した。なお、電気分解開始前の溶融塩の組成は、塩化マグネシウムが20質量%、塩化カルシウムが30質量%、塩化ナトリウムが49質量%、およびフッ化マグネシウムが1質量%とした。また、図4に示すように、電解室30においては、単位電気分解セルを2つ作製するため、陽極31と陰極32とバイポーラ電極33a、33bをそれぞれ配置した。陽極31の材質は黒鉛とし、陰極32の材質は鉄とした。バイポーラ電極の材質は黒鉛とした。陽極と陰極間のバイポーラ電極の枚数を各2枚とした。なお、本明細書において、単位電気分解セルは、破線DLに示すように、1つの陽極31と、その陽極31の両主表面(電解面)に対向して存在する2つの陰極32と、その陽極31と陰極32との間の各2枚のバイポーラ電極33a、33bとを構成する電極群を意味する。
溶融塩電解槽1においては、電極電流密度が0.48A/cm2相当となる電流値が流れるように、陽極31と陰極32間の印加電圧を調節して、開始から3ヶ月(90日)までの間、一度も熱交換器51を交換することなく、電気分解を実施した。このとき、溶融マグネシウムの理論生産量は、12.8kg/時間であった。供給する溶融塩はクロール法で副生した塩化マグネシウム(不可避不純物を除き塩化マグネシウムのみの組成)とし、供給1回あたり100~150kgをメタル回収室40に供給した。ここでは、溶融塩を間欠的に供給する間欠式を採用した。
(電流効率)
電気分解開始後の一定期間毎(10~20日目、40~50日目、70~80日目)の平均電流効率を求めた。その求めた平均電流効率を、比較例1の電気分解開始から10~20日目の期間における平均電流効率を100とした場合の相対値に換算した。
なお、その結果を表1に示す。
この電流効率は、以下の式(3)により算出したものであり、表1の「電流効率」は、比較例1の電気分解開始から10~20日目の期間における電流効率を100とし、比較例1のその他期間および、実施例1~3の電流効率を比較例1の電気分解開始から10~20日目の期間における電流効率に対する相対値で示したものである。なお、各例の値は10日間の平均値である。
電流効率=(電解槽から回収したマグネシウム質量(kg))/(理論マグネシウム生産量(kg))・・・式(3)
理論マグネシウム生産量は、ファラデーの法則から求める金属の理論生成量であり、以下の式(4)により算出する。
理論マグネシウム生産量=((電流(A)×通電時間(秒))/(マグネシウムイオンの電荷数n×ファラデー定数F))×(電気分解回数N)×マグネシウムの原子量・・・式(4)
(熱交換器の肉厚)
3ヶ月経過後、電気分解を停止し、熱交換室50に設置した熱交換器51を取り外した。取り外した熱交換器51のパイプにおいて、溶融塩の浴面から1cm~5cm上方の気相部の範囲に相当するパイプの肉厚を厚み測定器(ノギス)で満遍なく測定した。このとき、最も低い値を、電気分解後の熱交換器51の肉厚とした。その求めた熱交換器51の肉厚を、比較例1を1.0とした場合における相対値に換算した。なお、その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例2では、熱交換室50から撹拌機52を取り外した点を変更した以外、実施例1と同様に行い、3ヶ月間、電気分解を実施した。なお、各期間の電流効率及び3ヶ月経過後の熱交換器51の肉厚については、表1に示す。
(実施例3)
実施例3では、溶融塩化マグネシウムを熱交換室50に投入し、熱交換室50から撹拌機52を取り外した点を変更した以外、実施例1と同様に行い、3ヶ月間、電気分解を実施した。なお、各期間の電流効率及び3ヶ月経過後の熱交換器51の肉厚については、表1に示す。
(比較例1)
比較例1では、外壁110と、その外壁110の上側開口部を閉じ、第1のガス回収口121と第2のガス回収口122と給排口123が形成された上蓋120と、陽極131及び陰極132からなる電極とを有する電解室130と、その電解室130と第1の隔壁145で区画され、電解室130と連通して、熱交換器151を有するメタル回収室140とを備え、溶融塩循環手段として、メタル回収室140と第3の隔壁165により区画されて、底部に溶融塩循環路160が設けられた溶融塩電解槽100を組み立てた(図3参照)。すなわち、比較例1では、熱交換室を備えずに、熱交換器151をメタル回収室140に備えた溶融塩電解槽100を使用した点以外、実施例1と同様に操業を行い、3ヶ月間、電気分解を実施した。なお、各期間の電流効率及び3ヶ月経過後の熱交換器51の肉厚については、表1に示す。
Figure 0007206160000001
(実施例による考察)
実施例1~3及び比較例1の全例において、99.0体積%以上の塩素ガスが電解室に設けられた第1のガス回収口から回収された。
実施例1~3では、比較例1と比べて、熱交換器の肉厚が厚く残存しており、電流効率も高かった。これは、実施例1~3では、熱交換器を熱交換室に備えていたので、電解室において電気分解により生じた塩素ガスが熱交換器にほとんど接触していなかったと考えられる。一方、比較例1では、熱交換器をメタル回収室に備えていたので、電解室において電気分解により生じた塩素ガスが実施例の場合よりも多く熱交換器に接触したことで、腐食が進行したと考えられる。また、実施例1は実施例2よりも電解効率が向上した理由としては、溶融塩が熱交換器と効率的に接触していたことが挙げられる。更に、実施例3は実施例2よりも電解効率が向上した理由としては、回収すべき金属マグネシウムが供給される塩化マグネシウムにより撹拌されず、供給された塩化マグネシウムが熱交換器により適切に冷却されてから電解室に流入したということが挙げられる。
以上より、実施例1~3で組み立てた溶融塩電解槽が有用であることを確認した。
1、2、100 溶融塩電解槽
10、110 外壁
20、120 上蓋
21、121 第1のガス回収口
22、122 第2のガス回収口
23、123 給排口
24 給液口
30、130 電解室
31、131 陽極
32、132 陰極
33a、33b バイポーラ電極
40、140 メタル回収室
45、46、145 第1の隔壁
50 熱交換室
51、151 熱交換器
52 撹拌機
52a 回転軸
52b 撹拌翼
55 第2の隔壁
60、160 溶融塩循環路
65、165 第3の隔壁
70 流通口
M 浮上した溶融金属

Claims (10)

  1. 溶融塩浴で溶融塩の電気分解を行う溶融塩電解槽であって、
    陽極及び陰極を含む電極、並びに前記電気分解で発生するガスを回収する第1のガス回収口を有する電解室と、
    前記電解室と連通して、前記ガスを回収する第2のガス回収口を有するメタル回収室とを備え、
    当該溶融塩電解槽は、熱交換室を更に備え、
    前記熱交換室は、前記メタル回収室及び前記電解室とそれぞれ連通し、熱交換器を有し、
    前記電解室と前記メタル回収室とを区画するために第1の隔壁が設けられ、
    前記メタル回収室と前記熱交換室とを区画するために第2の隔壁が設けられ、
    前記第2の隔壁の下面の高さ位置は、高さ方向において前記第1の隔壁の下面の高さ位置よりも底部側に位置される、溶融塩電解槽。
  2. 前記熱交換室は、撹拌機を更に有する、請求項1に記載の溶融塩電解槽。
  3. 前記熱交換室と前記電解室とが、前記メタル回収室の下方の底部側に配置された溶融塩循環路を介して連通されている、請求項1又は2に記載の溶融塩電解槽。
  4. 前記電解室は、前記電極を複数対有する、請求項1~のいずれか一項に記載の溶融塩電解槽。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載の溶融塩電解槽を用いて、前記溶融塩を電気分解し、溶融金属及び前記ガスを回収する電解工程を含む、金属の製造方法。
  6. 前記電解工程では、前記溶融塩電解槽内の前記メタル回収室及び前記熱交換室のうちの一方又は両方に溶融塩を供給する工程を更に含む、請求項に記載の金属の製造方法。
  7. 前記溶融塩浴の溶融塩は、溶融塩化マグネシウムを含む、請求項に記載の金属の製造方法。
  8. 前記溶融塩電解槽内に供給する前記溶融塩の溶融塩化マグネシウム濃度が90質量%以上である、請求項又はに記載の金属の製造方法。
  9. 前記溶融塩電解槽内に前記溶融塩を間欠的に供給する、請求項のいずれか一項に記載の金属の製造方法。
  10. 前記電解工程では、前記電気分解により発生するガスの全ガス量のうち、95.0~99.9体積%のガスを前記第1のガス回収口で回収する、請求項のいずれか一項に記載の金属の製造方法。
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