JP2003328173A - 溶融塩電解槽 - Google Patents
溶融塩電解槽Info
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- JP2003328173A JP2003328173A JP2002169267A JP2002169267A JP2003328173A JP 2003328173 A JP2003328173 A JP 2003328173A JP 2002169267 A JP2002169267 A JP 2002169267A JP 2002169267 A JP2002169267 A JP 2002169267A JP 2003328173 A JP2003328173 A JP 2003328173A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】四塩化珪素の亜鉛還元法によるシリコンの製造
の際副生する塩化亜鉛から塩素及び亜鉛を得る溶融塩電
解プロセスにおいて、電解電圧を極めて低くして省エネ
ルギー化が達成できる電解槽を提供する。 【解決手段】溶融塩化亜鉛の電気抵抗が極めて大きいの
で、電解電圧を小さくするためには、陽極、陰極間距離
を極端に小さくする必要があり、平行に設置された陽極
と陰極が陽極面が下向きに陰極面が上向きになるように
傾斜し、電解により発生した電解液より遙かに軽い塩素
ガスは下向き電極面に沿って上方に移行し、比重が大き
い生成亜鉛は上向き電極表面に沿って下方に移行するよ
うにして、極間距離を極端に小さくしても隔膜無しで電
解を行っても、生成した塩素と亜鉛の接触、反応が起こ
らないようにすることが可能となった。これによって極
めて簡単な構造で、しかも電解電圧を最小とし、取り扱
いの容易な電解槽を得ることが出来た。
の際副生する塩化亜鉛から塩素及び亜鉛を得る溶融塩電
解プロセスにおいて、電解電圧を極めて低くして省エネ
ルギー化が達成できる電解槽を提供する。 【解決手段】溶融塩化亜鉛の電気抵抗が極めて大きいの
で、電解電圧を小さくするためには、陽極、陰極間距離
を極端に小さくする必要があり、平行に設置された陽極
と陰極が陽極面が下向きに陰極面が上向きになるように
傾斜し、電解により発生した電解液より遙かに軽い塩素
ガスは下向き電極面に沿って上方に移行し、比重が大き
い生成亜鉛は上向き電極表面に沿って下方に移行するよ
うにして、極間距離を極端に小さくしても隔膜無しで電
解を行っても、生成した塩素と亜鉛の接触、反応が起こ
らないようにすることが可能となった。これによって極
めて簡単な構造で、しかも電解電圧を最小とし、取り扱
いの容易な電解槽を得ることが出来た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として金属珪素を
原料としてソーラーセル用の多結晶シリコンを製造する
プロセスすなわち四塩化珪素を亜鉛で還元して多結晶シ
リコンとするプロセスにおいて、副生する塩化亜鉛を電
解して副原料である金属亜鉛並びに塩素ガスとして再使
用し、クローズド化並びに副原料リサイクルを行う為の
塩化亜鉛電解槽に関するものである。
原料としてソーラーセル用の多結晶シリコンを製造する
プロセスすなわち四塩化珪素を亜鉛で還元して多結晶シ
リコンとするプロセスにおいて、副生する塩化亜鉛を電
解して副原料である金属亜鉛並びに塩素ガスとして再使
用し、クローズド化並びに副原料リサイクルを行う為の
塩化亜鉛電解槽に関するものである。
【0002】
【従来技術と問題点】従来ソーラーセル用のシリコンは
その使用量が比較的少ないこと、また電子デバイス基板
用の単結晶多結晶シリコンの端材が多量にあったこと、
またソーラーセル用のシリコンの純度は電子デバイス用
の10から11ナインに比較して大幅に低い純度でよい
ためにこれらの材料が広く使われてきた。しかしなが
ら、環境問題資源問題に端を発し、ソーラーセルの需要
が急速に伸びる中では従来のソースでは不足であり、積
極的に拡大していく必要が生じている。このためにソー
ラーセル用としてシリコンの製造方法の検討が最近行わ
れるようになった。それらの方法のほとんどが、シリコ
ン原材料としての金属珪素と、塩素並びに水素との化合
物であるモノシラン、ジシラン、トリクロロシランなど
を使用している。この場合、原材料が粗製の金属珪素で
あり、高純度化多結晶化が必要であるが、この為にシラ
ン類にして再び高純度の金属珪素とするが、そのシラン
類の構成物質はシリコン、塩素、水素であり、原料は、
塩素、塩酸、並びに金属珪素である。これに還元剤とし
ての水素が加わることになるので成分的に複雑であり、
シリコン以外の原材料のリサイクルによるクローズド化
が困難であるという問題を残していた。原材料をリサイ
クルしながら、トリクロロシランを使ってシリコンを製
造する技術が、所謂シーメンス法として一般化している
が、水素添加の行程を含む極めて複雑な工程を経てい
る。そのほかには原材料リサイクルに関する報告は極め
て限られており、シリコンのみに着目したケースがほと
んどである。
その使用量が比較的少ないこと、また電子デバイス基板
用の単結晶多結晶シリコンの端材が多量にあったこと、
またソーラーセル用のシリコンの純度は電子デバイス用
の10から11ナインに比較して大幅に低い純度でよい
ためにこれらの材料が広く使われてきた。しかしなが
ら、環境問題資源問題に端を発し、ソーラーセルの需要
が急速に伸びる中では従来のソースでは不足であり、積
極的に拡大していく必要が生じている。このためにソー
ラーセル用としてシリコンの製造方法の検討が最近行わ
れるようになった。それらの方法のほとんどが、シリコ
ン原材料としての金属珪素と、塩素並びに水素との化合
物であるモノシラン、ジシラン、トリクロロシランなど
を使用している。この場合、原材料が粗製の金属珪素で
あり、高純度化多結晶化が必要であるが、この為にシラ
ン類にして再び高純度の金属珪素とするが、そのシラン
類の構成物質はシリコン、塩素、水素であり、原料は、
塩素、塩酸、並びに金属珪素である。これに還元剤とし
ての水素が加わることになるので成分的に複雑であり、
シリコン以外の原材料のリサイクルによるクローズド化
が困難であるという問題を残していた。原材料をリサイ
クルしながら、トリクロロシランを使ってシリコンを製
造する技術が、所謂シーメンス法として一般化している
が、水素添加の行程を含む極めて複雑な工程を経てい
る。そのほかには原材料リサイクルに関する報告は極め
て限られており、シリコンのみに着目したケースがほと
んどである。
【0003】一方古くから亜鉛還元法によるシリコンの
製造プロセスが提案されている。これは四塩化珪素を亜
鉛で還元してシリコンを得るとともに亜鉛は塩化亜鉛と
して分離するものであり、反応自身は極めて簡単であ
る。しかしながら亜鉛還元法では十分に高純度のシリコ
ンが得られないと言われており、ほとんど検討がなされ
なかった。
製造プロセスが提案されている。これは四塩化珪素を亜
鉛で還元してシリコンを得るとともに亜鉛は塩化亜鉛と
して分離するものであり、反応自身は極めて簡単であ
る。しかしながら亜鉛還元法では十分に高純度のシリコ
ンが得られないと言われており、ほとんど検討がなされ
なかった。
【0004】しかし特開平11−92130には四塩化
珪素から亜鉛を還元剤とする基本的に亜鉛還元法に従っ
たソーラーセル用に適合するシリコンの製造条件が示さ
れている。つまり、亜鉛還元法によるシリコンが有効に
使えることが示されているわけである。ここでは四塩化
珪素から亜鉛の還元によってシリコンを採取する条件は
示されているが、副生した塩化亜鉛を高純度に保持した
まま四塩化珪素原料である塩素と還元材料である金属亜
鉛に戻す方法についての詳細な記述は無い。また過去に
おいても見られていない。クロール法チタンではここで
述べる亜鉛の代わりにマグネシウムを使用し、塩化マグ
ネシウムを溶融状態として電気分解で陽極から塩素を採
取する、また陰極で生成したマグネシウムが浮上するの
でこれを採取すると言うことを行い、クローズド化を行
っているとされる。しかしながら塩化亜鉛の場合は塩化
亜鉛の溶融塩の電気抵抗が40から45Ωcmと大き
く、塩化マグネシウムのように陰極、陽極距離を10c
m程度とすると通常の電流密度50A/dm2でも電解
液によるオーム損が200Vと極めて大きくなり経済的
には実施できない条件となる。通常このような場合は補
助電解質としてアルカリ金属塩を加えて電気抵抗を小さ
くするが、ソーラーセル用シリコンの場合アルカリ金属
の混入をppbレベルまでにしなければならないため
に、原因となるアルカリ金属塩を添加することもできな
い。従って実質的に通常の溶融塩電解では塩化亜鉛から
塩素と金属亜鉛を得ることができず、クローズド化がで
きないという問題点を持っていた。
珪素から亜鉛を還元剤とする基本的に亜鉛還元法に従っ
たソーラーセル用に適合するシリコンの製造条件が示さ
れている。つまり、亜鉛還元法によるシリコンが有効に
使えることが示されているわけである。ここでは四塩化
珪素から亜鉛の還元によってシリコンを採取する条件は
示されているが、副生した塩化亜鉛を高純度に保持した
まま四塩化珪素原料である塩素と還元材料である金属亜
鉛に戻す方法についての詳細な記述は無い。また過去に
おいても見られていない。クロール法チタンではここで
述べる亜鉛の代わりにマグネシウムを使用し、塩化マグ
ネシウムを溶融状態として電気分解で陽極から塩素を採
取する、また陰極で生成したマグネシウムが浮上するの
でこれを採取すると言うことを行い、クローズド化を行
っているとされる。しかしながら塩化亜鉛の場合は塩化
亜鉛の溶融塩の電気抵抗が40から45Ωcmと大き
く、塩化マグネシウムのように陰極、陽極距離を10c
m程度とすると通常の電流密度50A/dm2でも電解
液によるオーム損が200Vと極めて大きくなり経済的
には実施できない条件となる。通常このような場合は補
助電解質としてアルカリ金属塩を加えて電気抵抗を小さ
くするが、ソーラーセル用シリコンの場合アルカリ金属
の混入をppbレベルまでにしなければならないため
に、原因となるアルカリ金属塩を添加することもできな
い。従って実質的に通常の溶融塩電解では塩化亜鉛から
塩素と金属亜鉛を得ることができず、クローズド化がで
きないという問題点を持っていた。
【0005】
【本発明の解決しようとする課題】本発明は如上の問題
点を解決して容易な条件で、プロセスのクローズド化と
原料の完全リサイクル化を実現すると共に、極めて低い
電力消費で電解を可能とする溶融塩電解槽を提供する事
である。
点を解決して容易な条件で、プロセスのクローズド化と
原料の完全リサイクル化を実現すると共に、極めて低い
電力消費で電解を可能とする溶融塩電解槽を提供する事
である。
【0006】
【発明の手段】本発明は溶融塩化亜鉛を電解して金属亜
鉛と塩素ガスを製造する電解槽において平行に設置され
た陽極と陰極が陽極面が下向きに陰極面が上向きになる
ように傾斜し、該電極の上方にガス収集部分、下方に亜
鉛融体だまりを有することを特徴とする、塩化亜鉛から
亜鉛と塩素を製造するための電解槽であり、無隔膜の極
めて簡単な電解槽であるにも関わらず電極間距離を1m
m程度という最小限にまで小さくしても陰極生成物と陽
極生成物の混合が起こらず、生成ガスを上部に抜くと共
に、生成した溶融金属亜鉛を垂直に下部にスムーズに抜
くことことが出来しかも発生ガスのガスリフト効果で電
解液の流れを作ることにより常に新鮮な電解液が供給さ
れるので、極めて低い電解電圧すなわち低い電力消費を
可能とする電解槽が可能となった。以下詳細に説明す
る。
鉛と塩素ガスを製造する電解槽において平行に設置され
た陽極と陰極が陽極面が下向きに陰極面が上向きになる
ように傾斜し、該電極の上方にガス収集部分、下方に亜
鉛融体だまりを有することを特徴とする、塩化亜鉛から
亜鉛と塩素を製造するための電解槽であり、無隔膜の極
めて簡単な電解槽であるにも関わらず電極間距離を1m
m程度という最小限にまで小さくしても陰極生成物と陽
極生成物の混合が起こらず、生成ガスを上部に抜くと共
に、生成した溶融金属亜鉛を垂直に下部にスムーズに抜
くことことが出来しかも発生ガスのガスリフト効果で電
解液の流れを作ることにより常に新鮮な電解液が供給さ
れるので、極めて低い電解電圧すなわち低い電力消費を
可能とする電解槽が可能となった。以下詳細に説明す
る。
【0007】溶融塩化亜鉛は電気抵抗が約40Ωcmと
高い電気抵抗を有するが、極間距離を2mm程度とする
ことによって溶融塩化亜鉛をそのまま電解し、電流密度
15A/dm2で電解を行っても電解液による抵抗損を
1.2V程度とすることが出来、また10A/dm2で
は抵抗損が約0.8V、塩素発生電位が1.36V、亜
鉛の析出が−0.7V程度であり、全体で3から4Vと
することが可能となる。これを実現したのが本電解槽で
あり、これによって、不純物を含まない塩化亜鉛の直接
溶融電解が可能となった。つまり本発明では生成物であ
る亜鉛の比重が室温ではあるが7.14g/cm3とさ
れこれに対して塩化亜鉛の比重が2.51g/cm3と
圧倒的に製品亜鉛の方が大きいこと、またもう一方の製
品である塩素ガスは気体であり比重は空気よりは重いも
のの0.003g/cm3程度である。このように原料
並びに製品に極めて大きな密度差を有しているので、溶
融状態の金属亜鉛は傾斜した電極表面に沿って極めて速
い速度で電解液中を落下、また塩素ガスは同じく傾斜し
た電極面に沿って速い速度で上方に移動し、液から離脱
する。本技術はこのような現象を利用して、事実上問題
となるガスの拡散を最小となるようにして、電極間距離
を最小限まで小さくすることに成功したものである。す
なわち、電極表面で生成した金属亜鉛は重力によって傾
斜した電極部押しつけられながら、電極表面を下方に落
下し、また同様に塩素ガスはその比重差による垂直方向
への力によって傾斜した電極表面に押しつけられながら
上方に移動する。この時に電極表面に陰陽極とも移動方
向に沿った溝があれば溝に沿って電解生成物が下方或い
は上方によりスムーズに移動する。この様に電極を垂直
方向からわずかに傾けることによって、電解生成物の動
きを制御することが出来、発生塩素ガスの対極側への拡
散がほとんど無くなるので、生成物同士の会合が実質的
になくなり、電極間距離を2mm程度に縮めてもほとん
ど電流効率の低下の起こらないことがわかった。またこ
れによって電解生成物の会合を防ぐための隔膜の必要も
なくなった。平行に置かれた電極の垂直方向からの傾き
の角度は、上記条件を満足されれば特には指定されない
が、3度から45度であることが望ましく、特に5度か
ら30度がより望ましい。これは3度より小さいと陽極
で発生した塩素ガスが電極表面から離れる可能性のある
こと、又傾き角度が大きくなるほどガスの上方へ移動を
大きく制限される結果、ガス抜きの速度が遅くなり、電
解液に占める塩素ガスの割合が大きくなるために電気抵
抗が大きくなり極間距離を縮めても電解電圧を十分に低
下できなくなるためである。
高い電気抵抗を有するが、極間距離を2mm程度とする
ことによって溶融塩化亜鉛をそのまま電解し、電流密度
15A/dm2で電解を行っても電解液による抵抗損を
1.2V程度とすることが出来、また10A/dm2で
は抵抗損が約0.8V、塩素発生電位が1.36V、亜
鉛の析出が−0.7V程度であり、全体で3から4Vと
することが可能となる。これを実現したのが本電解槽で
あり、これによって、不純物を含まない塩化亜鉛の直接
溶融電解が可能となった。つまり本発明では生成物であ
る亜鉛の比重が室温ではあるが7.14g/cm3とさ
れこれに対して塩化亜鉛の比重が2.51g/cm3と
圧倒的に製品亜鉛の方が大きいこと、またもう一方の製
品である塩素ガスは気体であり比重は空気よりは重いも
のの0.003g/cm3程度である。このように原料
並びに製品に極めて大きな密度差を有しているので、溶
融状態の金属亜鉛は傾斜した電極表面に沿って極めて速
い速度で電解液中を落下、また塩素ガスは同じく傾斜し
た電極面に沿って速い速度で上方に移動し、液から離脱
する。本技術はこのような現象を利用して、事実上問題
となるガスの拡散を最小となるようにして、電極間距離
を最小限まで小さくすることに成功したものである。す
なわち、電極表面で生成した金属亜鉛は重力によって傾
斜した電極部押しつけられながら、電極表面を下方に落
下し、また同様に塩素ガスはその比重差による垂直方向
への力によって傾斜した電極表面に押しつけられながら
上方に移動する。この時に電極表面に陰陽極とも移動方
向に沿った溝があれば溝に沿って電解生成物が下方或い
は上方によりスムーズに移動する。この様に電極を垂直
方向からわずかに傾けることによって、電解生成物の動
きを制御することが出来、発生塩素ガスの対極側への拡
散がほとんど無くなるので、生成物同士の会合が実質的
になくなり、電極間距離を2mm程度に縮めてもほとん
ど電流効率の低下の起こらないことがわかった。またこ
れによって電解生成物の会合を防ぐための隔膜の必要も
なくなった。平行に置かれた電極の垂直方向からの傾き
の角度は、上記条件を満足されれば特には指定されない
が、3度から45度であることが望ましく、特に5度か
ら30度がより望ましい。これは3度より小さいと陽極
で発生した塩素ガスが電極表面から離れる可能性のある
こと、又傾き角度が大きくなるほどガスの上方へ移動を
大きく制限される結果、ガス抜きの速度が遅くなり、電
解液に占める塩素ガスの割合が大きくなるために電気抵
抗が大きくなり極間距離を縮めても電解電圧を十分に低
下できなくなるためである。
【0008】又本電解法では、電解質の抵抗が十分に大
きいので、槽内で片面を陽極、片面を陰極とする複極板
を多数平行におき、その両端から通電する複極式電解槽
とすることも容易であり、その場合も漏洩電流はほとん
ど起こらないと言う特徴を有することがわかった。ここ
で使用する電極は特には指定されないが、片面を陽極、
片面を陰極として使用する複極であることを考慮すると
導電性の炭素板からなることが望ましく、グラファイト
製の板の両面に溝加工を行ったものでも良い。但し高価
であるので、例えばグラファイト粉末をフェノール樹脂
のような安定で焼結によりある程度の導電性を示すよう
になる、樹脂バインダーを用いて、ホットプレス法によ
って直接形状加工をする事もできる。つまり、複極式電
解槽の場合はこのグラファイト系炭素を主体とする電極
の片面が陽極、反対面が陰極として作用することとな
る。 このように多数の電極を平行に並べるに当たっ
て、電極間距離を一定に保つことが望ましく、又平行に
保つために、電極間に電極面のガス、液の流れの方向に
平行にスペーサーを置くことが出来る。このスペーサー
について特には指定されないが、電解液が横方向へ漏れ
ないような構造が望ましく、それによって電解部分が上
下を開いた箱状となるために、発生した気泡によって電
解液の下から上に向かっての流れを生じて、より均一な
電解を行えるようになる。尚、スペーサー材料は運転温
度である450から800℃で電解液、生成物と反応し
ないもので有れば差し支えない。材質として、特には指
定されないが、アルカリ金属を含むガラスなどではアル
カリ金属の溶出汚染の恐れがあるので使用しない方がよ
い。比較的安価であり入手しやすいものとしてはアルミ
ノシリケート系のムライトやシリマナイト系の焼結体が
望ましく、或いはマグネシア系、ジルコニア系の焼結体
でも良い。また非導電性の所謂グラッシーカーボンなど
も有効な手段である。
きいので、槽内で片面を陽極、片面を陰極とする複極板
を多数平行におき、その両端から通電する複極式電解槽
とすることも容易であり、その場合も漏洩電流はほとん
ど起こらないと言う特徴を有することがわかった。ここ
で使用する電極は特には指定されないが、片面を陽極、
片面を陰極として使用する複極であることを考慮すると
導電性の炭素板からなることが望ましく、グラファイト
製の板の両面に溝加工を行ったものでも良い。但し高価
であるので、例えばグラファイト粉末をフェノール樹脂
のような安定で焼結によりある程度の導電性を示すよう
になる、樹脂バインダーを用いて、ホットプレス法によ
って直接形状加工をする事もできる。つまり、複極式電
解槽の場合はこのグラファイト系炭素を主体とする電極
の片面が陽極、反対面が陰極として作用することとな
る。 このように多数の電極を平行に並べるに当たっ
て、電極間距離を一定に保つことが望ましく、又平行に
保つために、電極間に電極面のガス、液の流れの方向に
平行にスペーサーを置くことが出来る。このスペーサー
について特には指定されないが、電解液が横方向へ漏れ
ないような構造が望ましく、それによって電解部分が上
下を開いた箱状となるために、発生した気泡によって電
解液の下から上に向かっての流れを生じて、より均一な
電解を行えるようになる。尚、スペーサー材料は運転温
度である450から800℃で電解液、生成物と反応し
ないもので有れば差し支えない。材質として、特には指
定されないが、アルカリ金属を含むガラスなどではアル
カリ金属の溶出汚染の恐れがあるので使用しない方がよ
い。比較的安価であり入手しやすいものとしてはアルミ
ノシリケート系のムライトやシリマナイト系の焼結体が
望ましく、或いはマグネシア系、ジルコニア系の焼結体
でも良い。また非導電性の所謂グラッシーカーボンなど
も有効な手段である。
【0009】本電解槽では電解により生成した亜鉛は電
極面に沿って下方に移動し、電解槽底部にたまるがそれ
を底部ドレインから温度を保ち液状のまま取り出して四
塩化珪素の還元プロセスに直接接続することが出来る。
電極面に沿って上昇した陽極ガスはミストキャッチャー
を経由して純塩素ガスとして原料シリコンとの反応によ
る四塩化珪素生成用に使う。本プロセスではミストキャ
ッチャーとなるフィルター層を通してその上部に被処理
用の原料シリコン槽を置き、そこにミストを除いた塩素
ガスを通すことによって、塩素ガスが原料シリコンと反
応し、目的の四塩化珪素ガスとして取り出すことが出来
る。塩素とシリコンの反応は発熱反応であり、溶融電解
温度である450℃以上では特に反応速度も十分に速い
ために特別な反応槽を用いなくても、接触スペースを作
るだけでも十分に目的にかなう。この様にして亜鉛−塩
素−塩化亜鉛並びに製品となるシリコンの一体となった
プロセスが可能となる。ここでは、塩化亜鉛−亜鉛−塩
素は内部を、反応過程を通りながら循環し、外部には出
てこないので、微量な減少分を除いては外部より原料を
加える必要が無く、ほぼ、完全なクローズド化が完成す
る。
極面に沿って下方に移動し、電解槽底部にたまるがそれ
を底部ドレインから温度を保ち液状のまま取り出して四
塩化珪素の還元プロセスに直接接続することが出来る。
電極面に沿って上昇した陽極ガスはミストキャッチャー
を経由して純塩素ガスとして原料シリコンとの反応によ
る四塩化珪素生成用に使う。本プロセスではミストキャ
ッチャーとなるフィルター層を通してその上部に被処理
用の原料シリコン槽を置き、そこにミストを除いた塩素
ガスを通すことによって、塩素ガスが原料シリコンと反
応し、目的の四塩化珪素ガスとして取り出すことが出来
る。塩素とシリコンの反応は発熱反応であり、溶融電解
温度である450℃以上では特に反応速度も十分に速い
ために特別な反応槽を用いなくても、接触スペースを作
るだけでも十分に目的にかなう。この様にして亜鉛−塩
素−塩化亜鉛並びに製品となるシリコンの一体となった
プロセスが可能となる。ここでは、塩化亜鉛−亜鉛−塩
素は内部を、反応過程を通りながら循環し、外部には出
てこないので、微量な減少分を除いては外部より原料を
加える必要が無く、ほぼ、完全なクローズド化が完成す
る。
【0010】これらを纏めると本電解槽は電解液である
溶融塩化亜鉛電解液保持槽であり、底部に溶融亜鉛の液
だまり並びにそれを取り出すためのドレインを有する本
体と電極の集積からなる電極集積体、発生ガスの集積
部、並びに必要に応じて発生ガス集積部と電極集積体と
の間にあるミストキャッチャーを設ける。
溶融塩化亜鉛電解液保持槽であり、底部に溶融亜鉛の液
だまり並びにそれを取り出すためのドレインを有する本
体と電極の集積からなる電極集積体、発生ガスの集積
部、並びに必要に応じて発生ガス集積部と電極集積体と
の間にあるミストキャッチャーを設ける。
【0011】なお運転温度は450℃から800℃であ
り、塩化亜鉛、亜鉛金属とも溶融する450から550
℃が望ましい。このための保温機構、加熱機構が必要な
ことは言うまでもない。以下実施例によって説明する
が、それに制限されないことは言うまでもない。
り、塩化亜鉛、亜鉛金属とも溶融する450から550
℃が望ましい。このための保温機構、加熱機構が必要な
ことは言うまでもない。以下実施例によって説明する
が、それに制限されないことは言うまでもない。
【0012】
【実施例】「実施例1」電極板として厚さ5mmのグラ
ファイト板の片面に深さ0.2mm幅5mmの立て溝を
5mm間隔で形成したものを2枚用意した。このものを
見かけ厚さ2mm角、アルミナ製の棒状体をスペーサー
として使用して二枚の電極板の溝側が向かい合うように
固定して電極部分を構成した。電極の高さは100mm
であり、スペーサーは電極板の左右の両端に置いた。こ
の電極部分を深さ200mmの石英ガラスからなる縦型
容器に底部を30mmあけて設置した。なお電極部は水
平側を軸として回転できるようにして電極を垂直から傾
けるようにした。この電解槽を下部から加熱するように
した。またここで電解液として水分を除去した塩化亜鉛
を溶融状態で高さ15cmになるまで加えた。電極の背
面に導電材としてチタンフレームを取り付け、導電線を
取り付けて直流電源と接続した。温度を500℃として
電解を行った。石英ガラスを通して内部の様子を観察し
たところ、電解液の対流は認められ、温度が一定に保た
れていることがわかった。これについて電極の傾き角度
を変えて電流密度10A/dm2で電解を行った。陰極
生成物である亜鉛は電解槽底部にたまった。また発生ガ
スは電解部分を出た後上部に上っていくのが見られた。
又電解によって、電解部分で電極間に新たな電解液の上
昇流れが認められた。この電解槽を使って電極の傾き角
度を変えた場合の電解電圧と、発生塩素から測定した電
流効率を測定した。その結果を表1に示した。 表1に示したように、電極に傾きを付けない場合は発生
塩素ガスの一部が陰極側亜鉛と反応することによって、
電流効率が低下していると考えられ、電極を傾けること
によって、槽電圧は変わらないが、ガスの流れが制限さ
れることによって電流効率が改良された。傾きを30度
より大きくなるとガスの抜けが若干悪くなるせいか、槽
電圧がわずかに上昇し、更に傾けるとガスの抜けが悪く
なりその集積が陰極側に影響するためか電流効率も若干
低下することがわかった。尚電解槽の断面の模式図を図
1に示した。
ファイト板の片面に深さ0.2mm幅5mmの立て溝を
5mm間隔で形成したものを2枚用意した。このものを
見かけ厚さ2mm角、アルミナ製の棒状体をスペーサー
として使用して二枚の電極板の溝側が向かい合うように
固定して電極部分を構成した。電極の高さは100mm
であり、スペーサーは電極板の左右の両端に置いた。こ
の電極部分を深さ200mmの石英ガラスからなる縦型
容器に底部を30mmあけて設置した。なお電極部は水
平側を軸として回転できるようにして電極を垂直から傾
けるようにした。この電解槽を下部から加熱するように
した。またここで電解液として水分を除去した塩化亜鉛
を溶融状態で高さ15cmになるまで加えた。電極の背
面に導電材としてチタンフレームを取り付け、導電線を
取り付けて直流電源と接続した。温度を500℃として
電解を行った。石英ガラスを通して内部の様子を観察し
たところ、電解液の対流は認められ、温度が一定に保た
れていることがわかった。これについて電極の傾き角度
を変えて電流密度10A/dm2で電解を行った。陰極
生成物である亜鉛は電解槽底部にたまった。また発生ガ
スは電解部分を出た後上部に上っていくのが見られた。
又電解によって、電解部分で電極間に新たな電解液の上
昇流れが認められた。この電解槽を使って電極の傾き角
度を変えた場合の電解電圧と、発生塩素から測定した電
流効率を測定した。その結果を表1に示した。 表1に示したように、電極に傾きを付けない場合は発生
塩素ガスの一部が陰極側亜鉛と反応することによって、
電流効率が低下していると考えられ、電極を傾けること
によって、槽電圧は変わらないが、ガスの流れが制限さ
れることによって電流効率が改良された。傾きを30度
より大きくなるとガスの抜けが若干悪くなるせいか、槽
電圧がわずかに上昇し、更に傾けるとガスの抜けが悪く
なりその集積が陰極側に影響するためか電流効率も若干
低下することがわかった。尚電解槽の断面の模式図を図
1に示した。
【0013】「実施例2」電極として、グラファイト粉
末及びその10%量のフェノール樹脂を混練して作成し
たペーストを成形型に入れ最初200℃、20気圧でホ
ットプレスし、次いで350℃50気圧で二度目のホッ
トプレスにより両面に深さ0.2mm幅5mmの溝を5
mm間隔に設けた厚さ5mmのグラファイト複極板を作
成した。この板は更にアルゴン雰囲気中で500℃まで
加熱してフェノール樹脂を完全に分解した。この時に変
形は見られなかった。スペーサーとして厚さ2mm幅3
mmのカーボンコンポジット板を電極間に電極間距離が
2mmとなるように挟んで電極板総数で11枚を平行に
組み、電解部分を作った。なおこの電解部分は電極板を
垂直から10度傾けるようにした。これにより電解ユニ
ットが10ユニットからなる複極式電解部分を形成し
た。両端の電極板には給電体と給電棒を取り付けた。こ
の電解ユニットをおけ型の電解槽中へ入れた。電極の大
きさは高さが15cmであり、幅10cmであった。お
け型電解槽の大きさは深さ25cmであり、幅15cm
奥行きが20cmであった。電解ユニットは電解槽の底
部から3cm高さのところにその底部が来るように置い
た。尚電解槽底部には液だめとその取り出し口を付け
た。また電解槽上部はガス通路として螺旋状にした石英
ガラスパイプを通してガスを取り出すようにした。螺旋
によって電解液成分がほぼ完全に除かれガスは純塩素の
みが取り出せる様になった。電解温度510℃、電流密
度10A/dm2で電解を行ったところ槽電圧は29か
ら31Vであり、1セルあたりでは2.9から3.1V
であって、実施例1の単セルとほぼ同じかやや低い電圧
を示した。尚このような小さな電極間距離に置いても電
流効率は98%以上を保持しておりこの点からこの様な
複極式としても漏洩電流のほとんど無いことがわかっ
た。概念図を図2に示した。
末及びその10%量のフェノール樹脂を混練して作成し
たペーストを成形型に入れ最初200℃、20気圧でホ
ットプレスし、次いで350℃50気圧で二度目のホッ
トプレスにより両面に深さ0.2mm幅5mmの溝を5
mm間隔に設けた厚さ5mmのグラファイト複極板を作
成した。この板は更にアルゴン雰囲気中で500℃まで
加熱してフェノール樹脂を完全に分解した。この時に変
形は見られなかった。スペーサーとして厚さ2mm幅3
mmのカーボンコンポジット板を電極間に電極間距離が
2mmとなるように挟んで電極板総数で11枚を平行に
組み、電解部分を作った。なおこの電解部分は電極板を
垂直から10度傾けるようにした。これにより電解ユニ
ットが10ユニットからなる複極式電解部分を形成し
た。両端の電極板には給電体と給電棒を取り付けた。こ
の電解ユニットをおけ型の電解槽中へ入れた。電極の大
きさは高さが15cmであり、幅10cmであった。お
け型電解槽の大きさは深さ25cmであり、幅15cm
奥行きが20cmであった。電解ユニットは電解槽の底
部から3cm高さのところにその底部が来るように置い
た。尚電解槽底部には液だめとその取り出し口を付け
た。また電解槽上部はガス通路として螺旋状にした石英
ガラスパイプを通してガスを取り出すようにした。螺旋
によって電解液成分がほぼ完全に除かれガスは純塩素の
みが取り出せる様になった。電解温度510℃、電流密
度10A/dm2で電解を行ったところ槽電圧は29か
ら31Vであり、1セルあたりでは2.9から3.1V
であって、実施例1の単セルとほぼ同じかやや低い電圧
を示した。尚このような小さな電極間距離に置いても電
流効率は98%以上を保持しておりこの点からこの様な
複極式としても漏洩電流のほとんど無いことがわかっ
た。概念図を図2に示した。
【0014】「実施例3」実施例2と同じ電解槽から出
てきた塩素ガスを、塊状金属珪素を充填した石英ガラス
製の反応器の下側から通した。反応器にヒーターは取り
付けなかったが、ガス発生電解槽に近接して取り付けた
ために、塩素温度が比較的高く、200℃以上を保持出
来た。これにより、反応器からは塩素ガスが全く出ずに
四塩化珪素ガスが得られ、これを直接四塩化珪素の還元
プロセスにおくり、多結晶シリコンの製造に使えること
がわかった。
てきた塩素ガスを、塊状金属珪素を充填した石英ガラス
製の反応器の下側から通した。反応器にヒーターは取り
付けなかったが、ガス発生電解槽に近接して取り付けた
ために、塩素温度が比較的高く、200℃以上を保持出
来た。これにより、反応器からは塩素ガスが全く出ずに
四塩化珪素ガスが得られ、これを直接四塩化珪素の還元
プロセスにおくり、多結晶シリコンの製造に使えること
がわかった。
【0015】
【発明の効果】本発明により、四塩化珪素の亜鉛還元法
によるシリコン製造の際副生する塩化亜鉛を、極めて電
極間距離を小さくした簡単な構造の電解槽を使用し、容
易な操作で高純度の塩素と金属亜鉛に分解できるように
なった。その効果は 1) 溶融状態で極めて大きな電気抵抗を有する塩化
亜鉛の電解を補助電解質無しで、しかも低い電解電圧で
行うことが可能となった。 2) 電極間距離を極端に縮めることが出来る様にな
り電解槽自身を極めてコンパクトにまとめることが出来
るようになった。 3) 複極式電解槽として多数の電極を直列に接続す
る事が出来、全体として電極面積を大きく取ることが出
来るようになったために、運転電流密度を10A/dm
2程度と低くしても小型の電解槽とすることが可能とな
った。従って溶融塩電解としても必要な加温エネルギー
を減少させることが出来るようになった。 4) このように小型化し、しかも複極式電解槽とし
て一般に必須である漏洩電流対策が電解液の液抵抗が大
きいために不要となり、簡単な構造の複極電解槽が可能
となった。 5) 電解槽内での複極方式を採用できるようになっ
たために電極間接続が極めて簡単になると共に、接続並
びに配線部分の電気抵抗ロスがほとんどなくなり、全電
力消費量を大幅に減少させることが可能となった。 6) 陽極ガス温度が高いためにそれをそのまま原料
シリコン反応槽に送ること、又は直結することにより、
実質的に塩素発生ではなく四塩化珪素として取り出すこ
とも可能となり、シリコン製造にかかる全プロセスの簡
易化が可能となった。 7) 陰極生成物である亜鉛は液状であり、温度を保
持しながら塩化珪素の還元槽に送ることで取り扱いが極
めて容易になった。 8) 電解部が無隔膜式で簡単な構造であるので、保
守が極めて容易になった。 9) 塩素、亜鉛は系内に保持されるために完全なク
ローズド化が可能であり、材料の完全リサイクルが可能
となる。等の効果が確認された。
によるシリコン製造の際副生する塩化亜鉛を、極めて電
極間距離を小さくした簡単な構造の電解槽を使用し、容
易な操作で高純度の塩素と金属亜鉛に分解できるように
なった。その効果は 1) 溶融状態で極めて大きな電気抵抗を有する塩化
亜鉛の電解を補助電解質無しで、しかも低い電解電圧で
行うことが可能となった。 2) 電極間距離を極端に縮めることが出来る様にな
り電解槽自身を極めてコンパクトにまとめることが出来
るようになった。 3) 複極式電解槽として多数の電極を直列に接続す
る事が出来、全体として電極面積を大きく取ることが出
来るようになったために、運転電流密度を10A/dm
2程度と低くしても小型の電解槽とすることが可能とな
った。従って溶融塩電解としても必要な加温エネルギー
を減少させることが出来るようになった。 4) このように小型化し、しかも複極式電解槽とし
て一般に必須である漏洩電流対策が電解液の液抵抗が大
きいために不要となり、簡単な構造の複極電解槽が可能
となった。 5) 電解槽内での複極方式を採用できるようになっ
たために電極間接続が極めて簡単になると共に、接続並
びに配線部分の電気抵抗ロスがほとんどなくなり、全電
力消費量を大幅に減少させることが可能となった。 6) 陽極ガス温度が高いためにそれをそのまま原料
シリコン反応槽に送ること、又は直結することにより、
実質的に塩素発生ではなく四塩化珪素として取り出すこ
とも可能となり、シリコン製造にかかる全プロセスの簡
易化が可能となった。 7) 陰極生成物である亜鉛は液状であり、温度を保
持しながら塩化珪素の還元槽に送ることで取り扱いが極
めて容易になった。 8) 電解部が無隔膜式で簡単な構造であるので、保
守が極めて容易になった。 9) 塩素、亜鉛は系内に保持されるために完全なク
ローズド化が可能であり、材料の完全リサイクルが可能
となる。等の効果が確認された。
【図1】本発明の電解槽模式図である。
【図2】本発明の複極式電解槽及び四塩化珪素製造反応
槽の模式図である。
槽の模式図である。
【符号の説明】
電解槽
陽極
陰極
集電体
電解液(塩化亜鉛)
陰極液 亜鉛だまり
加熱バーナー
溶融亜鉛取り出し
塩素ガス取り出し
▲10▼複極式電極部分
▲11▼螺旋状石英ガラス(ミストキャッチャー)
Claims (9)
- 【請求項1】溶融塩化亜鉛を電解して金属亜鉛と塩素ガ
スを製造する電解槽において平行に設置された陽極と陰
極が陽極面を下向きに陰極面を上向きになるように傾斜
し、該電極の上方にガス収集部分、下方に亜鉛融体だま
りを有することを特徴とする、塩化亜鉛から亜鉛と塩素
を製造するための電解槽。 - 【請求項2】電極が片面を陽極とし、片面を陰極とする
複極板であり、複数の陽極陰極を平行に傾斜させたこと
を特徴とする請求項1の塩化亜鉛から塩素と亜鉛を製造
するための電解槽。 - 【請求項3】陽極と陰極の間に隔膜を有しないことを特
徴とする請求項1の塩化亜鉛から塩素と亜鉛を製造する
ための電解槽。 - 【請求項4】陽極と陰極の傾斜角が垂直に対して3から
45度であることを特徴とする請求項1の塩化亜鉛から
塩素と亜鉛を製造するための電解槽。 - 【請求項5】陽極と陰極が電極の高さ方向に平行なスペ
ーサーを介して設置され、該スペーサーを通して横方向
には液、気泡が流れないようにしたことを特徴とする請
求項1塩化亜鉛から塩素と亜鉛を製造するための電解
槽。 - 【請求項6】陽極、陰極間の距離が1から4mmである
ことを特徴とする請求項1の塩化亜鉛から塩素と亜鉛を
製造するための電解槽。 - 【請求項7】電極が炭素製であることを特徴とする請求
項1の電解槽。 - 【請求項8】電極の陽極面及び/又は陰極面にガス或い
は液の流れに沿った溝を有することを特徴とする請求項
1の塩化亜鉛から塩素と亜鉛を製造するための電解槽。 - 【請求項9】発生塩素ガスを、原料シリコン層を通して
反応させ四塩化珪素ガスとして取り出すようにしたこと
を特徴とする請求項1の電解槽。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002169267A JP2003328173A (ja) | 2002-05-08 | 2002-05-08 | 溶融塩電解槽 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002169267A JP2003328173A (ja) | 2002-05-08 | 2002-05-08 | 溶融塩電解槽 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003328173A true JP2003328173A (ja) | 2003-11-19 |
Family
ID=29706821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002169267A Pending JP2003328173A (ja) | 2002-05-08 | 2002-05-08 | 溶融塩電解槽 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003328173A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005200758A (ja) * | 2004-01-15 | 2005-07-28 | Takayuki Shimamune | 電解槽構造体 |
JP2011122191A (ja) * | 2009-12-09 | 2011-06-23 | Cosmo Oil Co Ltd | 亜鉛の回収方法 |
JP2012158786A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Matsuda Sangyo Co Ltd | 電解回収装置およびそれを使用する方法 |
JP2013006741A (ja) * | 2011-06-24 | 2013-01-10 | Epsilon Co Ltd | 多結晶シリコンの製造方法 |
CN103118990A (zh) * | 2010-09-30 | 2013-05-22 | 大金工业株式会社 | 电解装置及具备该电解装置的热泵式供热水器 |
JP2014025134A (ja) * | 2012-07-30 | 2014-02-06 | Asahi Glass Co Ltd | 溶融塩電解装置及び方法 |
WO2016013234A1 (ja) * | 2014-07-25 | 2016-01-28 | シャープ株式会社 | 電解装置 |
-
2002
- 2002-05-08 JP JP2002169267A patent/JP2003328173A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005200758A (ja) * | 2004-01-15 | 2005-07-28 | Takayuki Shimamune | 電解槽構造体 |
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CN103118990A (zh) * | 2010-09-30 | 2013-05-22 | 大金工业株式会社 | 电解装置及具备该电解装置的热泵式供热水器 |
JP2012158786A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Matsuda Sangyo Co Ltd | 電解回収装置およびそれを使用する方法 |
KR101483547B1 (ko) * | 2011-01-31 | 2015-01-16 | 마츠다 산교 가부시끼가이샤 | 전해 회수 장치 및 그것을 사용하는 방법 |
TWI503452B (ja) * | 2011-01-31 | 2015-10-11 | ||
JP2013006741A (ja) * | 2011-06-24 | 2013-01-10 | Epsilon Co Ltd | 多結晶シリコンの製造方法 |
JP2014025134A (ja) * | 2012-07-30 | 2014-02-06 | Asahi Glass Co Ltd | 溶融塩電解装置及び方法 |
WO2016013234A1 (ja) * | 2014-07-25 | 2016-01-28 | シャープ株式会社 | 電解装置 |
JP2016029204A (ja) * | 2014-07-25 | 2016-03-03 | シャープ株式会社 | 電解装置 |
CN106661742A (zh) * | 2014-07-25 | 2017-05-10 | 夏普株式会社 | 电解装置 |
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