JP2011122191A - 亜鉛の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】四塩化珪素の亜鉛還元法により副生する塩化亜鉛含有物から、高効率に亜鉛を回収する方法を提供する。
【解決手段】亜鉛の回収方法であって、四塩化珪素の亜鉛還元法により副生する塩化亜鉛含有物を、上部に生成ガス捕集部を有する溶融塩電解槽中で溶融塩電解することにより、溶融塩電解槽上部から塩素ガスを取り出すとともに溶融塩電解槽下部から溶融亜鉛を取り出す工程と、溶融塩電解槽内の残留融液を冷却した後、塩酸水溶液を加えて残留物水溶液を作製する工程と、上部に生成ガス捕集部を有する水溶液電解槽中で前記残留物水溶液を水溶液電解することにより、水溶液電解槽上部から塩素ガスを取り出すとともに電極上に亜鉛を析出させる工程とを含むことを特徴とする亜鉛の回収方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、亜鉛の回収方法に関し、特に多結晶シリコンの製造方法である四塩化珪素の亜鉛還元法により副生する塩化亜鉛含有物から亜鉛を回収する方法に関する。
近年、CO排出量を削減し省エネ化を促進する手段として、太陽光発電装置が普及しつつあり、これに伴って太陽電池材料である多結晶シリコンの需要も急激に増加する傾向にある。
高純度の多結晶シリコンを製造する代表的な方法としては、気化された高純度のトリクロロシラン(SiHCl)を高純度の水素(H)とともに反応炉内に導入し、トリクロロシランを下記反応式(1)に従って還元、分解して、心棒表面に多結晶シリコンを気相成長させるシーメンス法(Siemens Method)が挙げられる。
SiHCl+H→Si+3HCl (1)
シーメンス法により製造される多結晶シリコンは、純度がイレブン−ナイン(11−N)と非常に高いことから、半導体用シリコンとして好適に使用されている。太陽電池用多結晶シリコンとしては、従来、上記半導体用の多結晶シリコンが流用されてきたが、太陽電池に用いる多結晶シリコンには11−Nほどの純度が必要とされず、また、シーメンス法においては多くの電力が消費されることから、太陽電池用シリコンに適した安価な製造方法が求められるようになっている。
このような状況下、太陽電池用多結晶シリコンの製造方法として、液体または気体状態の四塩化珪素(SiCl)を下記反応式(2)に従って溶融状態の亜鉛(Zn)により還元、分解する、亜鉛還元法による多結晶シリコンの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1(特開平11−11925号公報参照)および特許文献2(特開平11−92130号公報)参照)。
SiCl+2Zn→Si+2ZnCl (2)
四塩化珪素の亜鉛還元法による多結晶シリコンの製造方法においては、得られる多結晶シリコンの純度はシックス−ナイン(6−N)程度であり、シーメンス法により得られる半導体用多結晶シリコンに比較すると純度は低いものの、反応平衡上ほぼ全ての四塩化珪素が反応し、シリコン(Si)の分離回収も比較的容易であることから、シーメンス法と比較して収率が5倍程度にも達し、反応効率に優れ、製造コストの低減が可能であるとされている。
そして、特許文献1および特許文献2に記載の方法においては、四塩化珪素の亜鉛還元法により副生した塩化亜鉛(ZnCl)を電解槽中で溶融状態で電気分解することにより、金属亜鉛(Zn)と塩素(Cl)を回収し、回収された金属亜鉛を亜鉛還元法による四塩化珪素の還元剤として再利用するとともに、回収された塩素を四塩化珪素の製造原料に利用して、原料コストや廃棄物処理費用を抑制できるとされている。
特開平11−11925号公報 特開平11−92130号公報
しかしながら、本発明者等が検討したところ、特許文献1や特許文献2に記載の方法においては、上記副生物から金属亜鉛を回収する効率は、四塩化珪素と亜鉛の反応量が増加するに従って低下することが判明した。
この点について本発明者等がさらに検討したところ、(i)上記副生物中には塩化亜鉛とともに反応に供しなかった金属亜鉛も含まれており、この反応に供しなかった金属亜鉛が副生成物の抜き出し、搬送工程等で空気と接触した場合に酸化亜鉛を生成すること、(ii)酸化亜鉛は塩化亜鉛を溶融塩電解する500℃程度の温度では溶融せず、溶融槽中に不純物として残留する結果、金属亜鉛の回収効率が低下することが判明した。
酸化亜鉛が生成して金属亜鉛の回収効率が低下すると、原料コストが上昇するばかりでなく、酸化亜鉛を廃棄物として処理する必要が生じるため、多結晶シリコンの製造コストや環境負荷が増大することになる。
このような状況下、本発明は、四塩化珪素の亜鉛還元法により副生する塩化亜鉛含有物から高効率に亜鉛を回収して、多結晶シリコンの製造コストや環境負荷を低減する方法を提供することを目的とするものである。
上記技術課題を解決するために、本発明者等が鋭意検討した結果、亜鉛の回収方法として、四塩化珪素の亜鉛還元法により副生する塩化亜鉛含有物を、上部に生成ガス捕集部を有する溶融塩電解槽中で溶融塩電解することにより、溶融塩電解槽上部から塩素ガスを取り出すとともに溶融塩電解槽下部から溶融亜鉛を取り出す工程と、溶融塩電解槽内の残留融液を冷却した後、塩酸水溶液を加えて残留物水溶液を作製する工程と、上部に生成ガス捕集部を有する水溶液電解槽中で前記残留物水溶液を水溶液電解することにより、水溶液電解槽上部から塩素ガスを取り出すとともに電極上に亜鉛を析出させる工程とを含む方法を採用することにより、上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)亜鉛の回収方法であって、
四塩化珪素の亜鉛還元法により副生する塩化亜鉛含有物を、上部に生成ガス捕集部を有する溶融塩電解槽中で溶融塩電解することにより、溶融塩電解槽上部から塩素ガスを取り出すとともに溶融塩電解槽下部から溶融亜鉛を取り出す工程と、
溶融塩電解槽内の残留融液を冷却した後、塩酸水溶液を加えて残留物水溶液を作製する工程と、
上部に生成ガス捕集部を有する水溶液電解槽中で前記残留物水溶液を水溶液電解することにより、水溶液電解槽上部から塩素ガスを取り出すとともに電極上に亜鉛を析出させる工程と
を含むことを特徴とする亜鉛の回収方法、
(2)前記塩化亜鉛含有物が、四塩化珪素ガスを亜鉛ガスで還元反応させて得られた混合ガスを58℃〜730℃で冷却することにより得られるものである上記(1)に記載の亜鉛の回収方法、
(3)前記溶融塩電解が、420℃〜730℃で行われる上記(1)または(2)に記載の亜鉛の回収方法、
を提供するものである。
本発明によれば、四塩化珪素の亜鉛還元法により副生する塩化亜鉛含有物を溶融塩電解した後、さらに溶融塩電解槽中の残留融液を水溶液電解することにより、塩化亜鉛含有物が酸化亜鉛を含む場合であっても、塩素ガスを回収するとともに、高効率に亜鉛を回収することができる。
本発明で使用する溶融塩電解槽の概略説明図である。 本発明で使用する水溶液電解槽の概略説明図である。
本発明の亜鉛の回収方法は、
四塩化珪素の亜鉛還元法により副生する塩化亜鉛含有物を、上部に生成ガス捕集部を有する溶融塩電解槽中で溶融塩電解することにより、溶融塩電解槽上部から塩素ガスを取り出すとともに溶融塩電解槽下部から溶融亜鉛を取り出す工程と、
溶融塩電解槽内の残留融液を冷却した後、塩酸水溶液を加えて残留物水溶液を作製する工程と、
上部に生成ガス捕集部を有する水溶液電解槽中で前記残留物水溶液を水溶液電解することにより、水溶液電解槽上部から塩素ガスを取り出すとともに電極上に亜鉛を析出させる工程と
を含むことを特徴とするものである。
本発明において亜鉛の回収源となる塩化亜鉛含有物としては、四塩化珪素の亜鉛還元法によって副生するものであれば特に制限されないが、塩化亜鉛含有物を構成する各成分の沸点や蒸気圧を考慮すると、四塩化珪素ガスを亜鉛ガスで還元反応させて得られた混合ガスを58℃〜730℃で冷却することにより得られるものであることが好ましく、上記混合ガスを290℃〜550℃で冷却することにより得られるものであることがより好ましく、上記混合ガスを420℃〜500℃で冷却することにより得られるものであることがさらに好ましい。
四塩化珪素ガスを亜鉛ガスで還元反応させて得られる混合ガス中には、未反応ガスである四塩化珪素ガスおよび亜鉛ガスと、副生成ガスである塩化亜鉛ガスが含まれ、さらに反応ガス供給時に反応ガスが空気に接触したり反応炉内の気密が低いために炉内に空気が混入した場合には酸化亜鉛ガスも含まれるが、この混合ガスを特に58〜290℃で冷却することにより、四塩化珪素ガス以外のガス(亜鉛ガス、塩化亜鉛ガス、酸化亜鉛ガス)を容易に粉末化することができるので、回収源中の亜鉛含有成分の含有割合を高めることができる。
本発明において、塩化亜鉛含有物は、上部に生成ガス捕集部を有する溶融塩電解槽中で溶融塩電解される。
本発明で用いる溶融塩電解槽としては、例えば図1(a)または図1(b)に示す形態を有する溶融塩電解槽1を挙げることができる。
以下、本件発明における溶融塩電解の具体的内容を、適宜図1を参照しつつ説明するものとする。図1(a)に示す形態と図1(b)に示す形態は、電極4を構成する(「+」記号で表記される)陽極と(「−」記号で表記される)陰極の数が異なるだけで、それ以外は共通することから、以下、特に断らない限り、図1(a)および図1(b)に示す形態をまとめて説明することとする。
図1に示す溶融塩電解槽1は、電解槽1の内部に融液2を保持する空間を有するとともに、上部に(図示しない)生成ガス捕集部に連通する生成ガス排出管3を有しており、さらに(図示しない)電解槽加熱部と電極4とを有している。
溶融塩電解槽1は、例えば、容量が30L〜100L程度のものであり、効率的な加熱を可能にするために槽内部が外部から断熱されたものであることが好ましい。
図1に示す溶融塩電解槽1には、粉末状の塩化亜鉛含有物が、溶融塩電解槽1に別途設けられた(図示しない)供給管から供給される。
本発明において、溶融塩電解は、バッチ式により行ってもよいし連続式で行ってもよいが、バッチ式で行うことが好適である。バッチ式で溶融塩電解を行う場合、電解反応を行う都度、電解槽1中に塩化亜鉛含有物を供給することになり、亜鉛還元反応の副生成物である塩化亜鉛含有物を反応槽から抜き出し、溶融塩電解槽へ搬送する際にも塩化亜鉛含有物中の未反応亜鉛が空気により酸化されて酸化亜鉛を生成する場合があるが、本発明においては、この酸化亜鉛も金属亜鉛として回収することができる。
本発明においては、図1に示すように、溶融塩電解槽1に電極4が設けられる。
本発明で用いる溶融塩電解装置において、電極は単極式であってもよいし複極式であってもよいが、複極型であることが好ましい。また、電極4は、図1(a)に示すように、(「+」記号で表記される)陽極一つと(「−」記号で表記される)陰極一つが一対になったものであってもよいし、図1(b)に示すように、(「+」記号で表記される)複数の陽極と(「−」記号で表記される)複数の陰極とが交互に配置されてなるものであってもよい。電極4の形状、材料も特に限定されないが、グラファイトなどの炭素系材料が望ましく、平板状あるいは溝のついた平板状とし、その片面を陽極として、対向面を陰極として使いそれを複数平行に並べ両端の電極に通電する複極式とすることが望ましい。
複極式電極を用いた電解槽にすることによって電極間の電気的接続による抵抗損をきわめて小さくすることができ、電力消費を最少限に抑えることができる。陰極と陽極が対面する電極間には液/ガス流れのためのすき間を空けて組み立てることにより、陽極と陰極間において、電解生成物である塩素ガスを電極に沿って上方に移動させ、生成した亜鉛を溶融塩電解槽の下方に速やかに移動させることができる。
複極式電極を用いる場合、電極間距離については特には制限されないが、5〜10mm程度が適当であり、10mmを超えると電解電圧が高くなるとともに複極式電解槽で問題となりやすい漏洩電流が大きくなり、5mmより小さいと運転温度にも依るが、発生気泡並びに生成亜鉛の電解部分からの分離が困難となる。
溶融塩電解槽1に供給された塩化亜鉛含有物に対し、(図示しない)加熱部から熱が供給されて塩化亜鉛含有物が溶融し、電解に適した温度まで加熱される。加熱温度(溶融塩電解温度)は420〜730℃が好ましく、450〜550℃がより好ましく、480〜500℃がさらに好ましい。
上記温度下において、電極4に対し、(図示しない)外部電源から電圧が引加されることにより溶融塩電解が行われる。
溶融塩電解時において、引加電圧は1〜10Vであることが好ましく、1〜5Vであることがより好ましく、1.5〜4Vであることがさらに好ましい。電解電流密度は5〜100A/dmであることが好ましく、10〜100A/dmであることがより好ましく、20〜100A/dmであることがさらに好ましい。
上記溶融塩電解により、塩化亜鉛が分解されて亜鉛融液と塩素ガスが生成する。
図1中に「+」記号で表記する陽極から生成した塩素ガスは、溶融塩電解槽1の上部に設けられた、(図示しない)生成ガス捕集部に連通する生成ガス排出管3から排出し、回収すればよい。
図1中に「−」記号で表記する陰極上に生成した溶融亜鉛は、陰極を伝って下方に落ち、溶融塩電解槽1の底部に集められる。
溶融塩電解槽1中の融液2を構成する成分としては、未反応塩化亜鉛(比重2.9)、(固体状)酸化亜鉛(比重5.6)、生成した金属亜鉛(比重6.6)を挙げることができ、槽内の融液2の上部から下部に向けて比重の小さいものから順に存在することになることから、例えば、図1に示すように電解槽下部に設けられたバルブ5を開放することにより、溶融塩電解槽1の最下部から溶融亜鉛のみを容易に抜き出すことができる。
溶融亜鉛の抜き出し量は、溶融塩電解槽1の容量や溶融塩電解条件を考慮して適宜決定すればよい。
本発明において、塩化亜鉛含有物の溶融塩電解をバッチ式で行う場合には、上記溶融亜鉛の抜き出し後に再度電解槽中に塩化亜鉛含有物を加えて溶融塩電解処理を行ってもよく、このように溶融塩電解処理を繰り返し複数回行う場合、溶融塩電解処理数は2〜50回程度であることが好ましい。
本発明においては、次いで、溶融塩電解槽内の残留融液を冷却した後、塩酸水溶液を加えて残留物水溶液を作製する。
残留融液は、溶融塩電解槽から抜き出した後、室温程度の温度になるまで自然冷却により冷却することが好ましい。
残留融液に加える塩酸水溶液中の塩酸濃度は0.01〜10規定(N)であることが好ましく、0.1〜5Nであることがより好ましく、0.5〜2Nであることがさらに好ましい。
塩酸水溶液は、得られる残留物水溶液のpHが0〜6程度になるまで加えることが好ましく、0.01〜5程度になるまで加えることがより好ましく、0.1〜4程度になるまで加えることがさらに好ましい。
残留物水溶液は、次工程で用いる水溶液電解槽内で調製してもよいし、水溶液電解槽とは異なる槽内で調製した後、水溶液電解槽に導入してもよい。
溶融塩電解槽内の残留融液の構成成分としては、未反応の塩化亜鉛と、酸化亜鉛と、溶融亜鉛残部とを挙げることができる。通常、溶融塩電解時の温度は500℃程度であり、この程度の温度では酸化亜鉛が溶融しないことから、固体状態で電解槽内に残留することになるが、バッチ処理により溶融塩電解を繰り返し行った場合等、処理量が多くなると、残留融液中に不純物である酸化亜鉛が相当量蓄積してしまい、亜鉛回収量が低下することになる。本発明においては、上記残留融液に塩酸水溶液を加えることにより上記酸化亜鉛も溶解させて残留物水溶液(塩化亜鉛水溶液)を成し、この残留物水溶液を次工程で水溶液電解することにより、亜鉛の回収量を向上させることができる。
本発明においては、上記残留物水溶液を、上部に生成ガス捕集部を有する水溶液電解槽中で水溶液電解することにより、水溶液電解槽上部から塩素ガスを取り出すとともに、電極上に亜鉛を析出させる。
本発明において、水溶液電解は、例えば図2(a)または図2(b)に示す電解槽11により行うことができる。以下、本件発明における水溶液電解の具体的内容を、適宜図2を参照しつつ説明するものとする。図2(a)に示す形態と図2(b)に示す形態は、電極14を構成する(「+」記号で表記される)陽極と(「−」記号で表記される)陰極の数が異なるだけで、それ以外は共通することから、以下、特に断らない限り、図2(a)および図2(b)に示す形態をまとめて説明することとする。
図2に示す形態において、水溶液電解槽11は、残留物水溶液(塩化亜鉛水溶液)12を含んでおり、電極14に対し(図示しない)電源装置から電圧を引加することにより、陰極上に金属亜鉛を析出させることができる。
電極14の材質は、グラファイト等の炭素系物質や、チタン、鉄、イリジウム、ルテニウム、白金などの金属系物質や、該金属系物質の酸化物や、さらには上記金属系物質および金属系物質の酸化物の複合材を挙げることができる。また、電極14の形状も特に制限されず、平板状または棒状等の形状を挙げることができる。
残留物水溶液(塩化亜鉛水溶液)に引加する電圧は0.1〜10Vであることが好ましく、0.5〜7Vであることがより好ましく、1〜4Vであることがさらに好ましい。水溶液電解時の電流密度は0.1〜100A/dmであることが好ましく、0.5〜80A/dmであることがより好ましく、1〜60A/dmであることがさらに好ましい。
水溶液電解温度は特に制限されないが、通常10〜60℃であることが好ましい。
水溶液電解による電解時間は、0.1〜10時間であることが好ましく、0.2〜5時間であることがより好ましく、0.5〜3時間であることがさらに好ましい。
上記水溶液電解により発生する塩素ガスは、水溶液電解槽11の上部に設けられた、(図示しない)生成ガス捕集部に連通する生成ガス排出管13から排出し、回収すればよい。
上記水溶液電解により、水溶液電解槽11において、「−」符号を付した電極(陰極)上に金属亜鉛が析出する。
この金属亜鉛は、公知の方法で回収することができ、適宜塩酸と反応させ塩化亜鉛とした後に上記溶融塩電解槽1に加え、溶融塩電解槽1の下部から金属亜鉛として回収することもできる。
このように、本発明は、四塩化珪素の亜鉛還元法により生成する塩化亜鉛含有物中に酸化亜鉛が含まれ、溶融塩電解後に溶融塩電解槽内に相当量の酸化亜鉛が不純物として残留する場合においても、この酸化亜鉛を亜鉛として回収することができることから、亜鉛の回収効率を飛躍的に向上させることができ、多結晶シリコンの製造コストや環境負荷を大幅に低減することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、これらは例示であって、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるものではない。
(実施例1)
図1(b)に示す溶融塩電解槽1および図2(b)に示す水溶液電解槽を用いて塩化亜鉛含有物から亜鉛を回収した。
図1(b)に示す溶融塩電解槽1において、電極4はグラファイト板(縦100mm、横100mm、厚さ8mm)を平行に9枚並べたものを用い、各電極の端部から導線を取り出して(図示しない)外部電源に電気的に接続した。グラファイト板間に隔膜は設けなかった。
塩化亜鉛含有物としては、四塩化珪素ガスを亜鉛ガスで還元反応させて得られた混合ガスを100℃で冷却することにより得られた粉末状のものを用いた。この粉末状塩化亜鉛含有物は、塩化亜鉛とともに、酸化亜鉛と未反応亜鉛を含有するものであった。
上記塩化亜鉛含有物100kgを、図1(b)に示す容量50Lの溶融塩電解槽1に投入し、外部電源に電気的に接続する電極4から電圧3Vで400Aの直流電流を供給し電解電流密度50A/dmとして、図示しない加熱部により電解温度を500℃にして溶融塩電解を行った。
図1(b)で「+」記号で表記する陽極から生成した塩素ガスは電解槽上部に設けられた生成ガス排出管3から排出して、52kgの塩素ガスを(図示しない)生成ガス捕集部に回収した。
図1(b)で「−」記号で表記する陰極表面に生成した金属亜鉛は陰極を伝って下方に落ち、溶融塩電解槽の底部に集め、電解反応完了後、電解槽底部のバルブ5を開放することによって底部に蓄積した金属亜鉛46kgを取り出して回収した。この亜鉛の純度を測定したところ、フォーナイン(4−N)以上であった。
回収した塩素ガスを金属珪素の塩素化槽に送ることにより、多結晶シリコンの製造原料となる四塩化珪素の製造に供するとともに、回収した金属亜鉛は、適宜(図示しない)ヒーターによって反応温度まで加温した後、還元剤として多結晶シリコンの製造に供した。
上記の溶融塩電解処理をバッチ式で10回繰り返すことにより、溶融塩電解槽中の溶融亜鉛上部に酸化亜鉛が相当量蓄積した。
上記酸化亜鉛を含む残留融液1kgを取り出して、室温まで冷却した後、図2(b)に示す水溶液電解槽11中に投入するとともに、濃度1Nの塩酸水溶液100Lを加えて、pH0.1の残留物水溶液(塩化亜鉛水溶液)12を100L作製した。
水溶液電解槽2には、外部電源と電気的に接続する3枚のグラファイト板(縦100mm、横100mm、厚さ8mm)からなる電極14が設けられ、(図示しない)外部電源に電気的に接続している。
上記電極14に上記外部電源から、引加電圧3.5Vで40Aの直流電流を供給して水溶液電解を行った。
図2(b)中で「+」記号で表記する陽極から生成した塩素ガスは電解槽上部に設けられた生成ガス排出管13から排出して、0.55kgの塩素ガスを(図示しない)生成ガス捕集部に回収した。
図2(b)中で「−」記号で表記する陰極表面に析出した金属亜鉛は、電極から分離され、0.45kgの金属亜鉛を回収した。
回収した塩素ガスを金属珪素の塩素化槽に送ることにより、多結晶シリコンの製造原料となる四塩化珪素の製造に供するとともに、回収した金属亜鉛は、適宜(図示しない)ヒーターによって反応温度まで加温した後、還元剤として多結晶シリコンの製造に供した。
本発明によれば、塩化亜鉛含有物が酸化亜鉛を含む場合であっても、塩素ガスを回収するとともに高効率に亜鉛を回収することができる亜鉛の回収方法を提供することができる。
1 溶融塩電解槽
2 融液
3 生成ガス排出管
4 電極
5 バルブ
11 水溶液電解槽
12 残留物水溶液(塩化亜鉛水溶液)
13 生成ガス排出管
14 電極

Claims (3)

  1. 亜鉛の回収方法であって、
    四塩化珪素の亜鉛還元法により副生する塩化亜鉛含有物を、上部に生成ガス捕集部を有する溶融塩電解槽中で溶融塩電解することにより、溶融塩電解槽上部から塩素ガスを取り出すとともに溶融塩電解槽下部から溶融亜鉛を取り出す工程と、
    溶融塩電解槽内の残留融液を冷却した後、塩酸水溶液を加えて残留物水溶液を作製する工程と、
    上部に生成ガス捕集部を有する水溶液電解槽中で前記残留物水溶液を水溶液電解することにより、水溶液電解槽上部から塩素ガスを取り出すとともに電極上に亜鉛を析出させる工程と
    を含むことを特徴とする亜鉛の回収方法。
  2. 前記塩化亜鉛含有物が、四塩化珪素ガスを亜鉛ガスで還元反応させて得られた混合ガスを58℃〜730℃で冷却することにより得られるものである請求項1に記載の亜鉛の回収方法。
  3. 前記溶融塩電解が、420℃〜730℃で行われる請求項1または請求項2に記載の亜鉛の回収方法。
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