JP2013006741A - 多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 溶融金属亜鉛中においてクロルシランと金属亜鉛を反応させ多結晶シリコンと塩化亜鉛とを反応生成物として生じさせる還元反応部分の位置が、反応生成物である塩化亜鉛を電気分解することによって塩素と金属亜鉛を生成させる電解部分の位置より下部にある。還元反応部分でクロルシランと金属亜鉛とを反応させ多結晶シリコンと塩化亜鉛を反応生成物として生じさせる。反応生成物である多結晶シリコンを分離し、塩化亜鉛を電気分解することによって塩素と金属亜鉛を生成させこの塩素はクロルシランの製造用に使用する。金属亜鉛はクロルシランとの反応に使用する。
【選択図】 図1
Description
図1は本発明の基本的な工程図を示しており、図2は図1を説明するため装置を用いて表している。図1中、角型の枠は工程、楕円枠は物質を示している。図1は、クロルシランを製造する塩素化工程S1、クロルシランを金属亜鉛と反応させシリコンと塩化亜鉛を生成させる還元反応工程S2、生成シリコンを塩化亜鉛から分離しシリコンを取り出す分離工程S3、塩化亜鉛を溶融塩電解により塩素と金属亜鉛を生成させる工程S5を備えている。そして、電気分解により生成した塩素をクロルシラン製造用に使用(再利用)する工程R1、シリコンを分離した金属亜鉛をクロルシランとの反応に再利用する工程F4、R2を備え、これらが全体としてクローズドサイクルを形成する。
塩素化炉42において金属シリコンを塩素と反応させてクロルシランを製造する。本実施形態では四塩化珪素にする。必要な純度になるように蒸留操作を行いクロルシラン貯槽41に保持される。次いで蒸発器43aにより気体にする。
還元・電解炉45Aにおいて四塩化珪素が亜鉛で還元され、多結晶シリコンと塩化亜鉛になる。還元・電解炉45Aは上部に電解部分、下部に還元反応部分からなっている。還元反応は下部の溶融亜鉛中にクロルシランが送入され、生成シリコンは亜鉛中に留まり、塩化亜鉛は上部の溶融塩層に混合塩となる。
目的の反応生成物である珪素(多結晶シリコン)を亜鉛から分離し回収する。還元反応炉45Aでの生成物を順次粗分離器46a、46b、精密分離器47C、そして最終的にシリコン溶解炉47で多結晶シリコンが取り出され分離工程が完了することを示している。
溶融塩はKCl−NaClを用いこれに塩化亜鉛が20〜50wt%含まれた混合塩を使用する。必要な溶融温度が得られれば、また塩化亜鉛の電気分解に障害が無ければ、アルカリ金属の塩化物やアルカリ土類金属の塩化物から適宜選んでも構わない。温度は500〜550℃を維持する。下部の四塩化ケイ素導入孔からあるいは上部からパイプを通して四塩化ケイ素を送入する。送入管の先端は気泡ができるだけ細かく分散するようにメッシュか焼結セラミックス製が好ましい。溶融金属亜鉛の底部に送入された四塩化ケイ素は気泡となって上昇する間に亜鉛と反応し、シリコンと塩化亜鉛になる。
直径50mm、長さ300mmの容器に、ガスを微細気泡とするため多孔質体を取り付けてある上部から底まで達するガス送入パイプを設置した反応器に金属亜鉛2500g、NaCl−KClの等モルの混合塩150gを入れ昇温した。これらの溶解後、挿入されたパイプを通して四塩化ケイ素ガスを送入した。冷却後亜鉛中にシリコン、混合塩中に塩化亜鉛が確認された。
塩化亜鉛電解槽を製作し、実験を行った。陽極と陰極の間に2枚の複極を入れたものを使用し、500℃で1100Aの電流を流した。電解浴塩はZnCl255wt%−KCl−NaClを用いた。電流効率は50%程度だったが、3Kgの亜鉛が得られた。
実施例2の電解槽を改造して、陰極を溶融亜鉛、陽極をグラファイト、浴塩は同じZnCl255wt%−KCl−NaClを用いた。短時間であったが、冷却後、亜鉛中にシリコン、混合塩中に塩化亜鉛が確認された。
Claims (14)
- クロルシランと金属亜鉛を反応させ多結晶シリコンを製造する多結晶シリコンの製造方法であって、
クロルシランと金属亜鉛を反応させ多結晶シリコンと塩化亜鉛とを反応生成物として生じさせる還元反応部分と反応生成物の塩化亜鉛を電気分解することによって塩素と金属亜鉛を生成させる電解部分とが溶融塩を介してつながった装置となっており、溶融金属亜鉛中においてクロルシランと金属亜鉛を反応させ多結晶シリコンと塩化亜鉛とを反応生成物として生じさせる還元反応部分の位置が、反応生成物である塩化亜鉛を電気分解することによって塩素と金属亜鉛を生成させる電解部分の位置より下部にあり、還元反応部分でクロルシランと金属亜鉛とを反応させ多結晶シリコンと塩化亜鉛を反応生成物として生じさせ、反応生成物である多結晶シリコンを分離し、塩化亜鉛を電気分解することによって塩素と金属亜鉛を生成させこの塩素はクロルシランの製造用に使用し、金属亜鉛はクロルシランとの反応に使用する多結晶シリコンの製造方法。 - クロルシランと金属亜鉛との反応によって生成する反応熱が、塩化亜鉛電解の溶融塩温度維持に使用される請求項1に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- クロルシランと金属亜鉛との反応によって生成する反応熱によって加熱された浴塩が、電解室と壁によって隔てられた流路を通って電解室内に供給される請求項1に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- 上部に位置する電解室から塩化亜鉛の電解によって生成した金属亜鉛が浴塩中を下方に移動するとき、四塩化ケイ素の気泡を避けて、底部の亜鉛層に到達するための導入管を設けた請求項1に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- 陽極と1つ以上の複極と陰極を絶縁締め具で組み立てることによりなる電極セットを挿入することにより電解を行う請求項1に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- クロルシランと金属亜鉛を反応させ多結晶シリコンを製造する多結晶シリコンの製造方法であって、塩化亜鉛を含む溶融塩を電解浴塩、溶融金属亜鉛を陰極、不溶性材料を陽極として電気分解することによって金属亜鉛と塩素を生成し、陰極である溶融金属亜鉛中ではクロルシランと反応させて多結晶シリコンと塩化亜鉛を生成させ、多結晶シリコンは溶融金属亜鉛中に捕集し、塩化亜鉛は電解浴塩中に捕集し、多結晶シリコンを含んだ溶融亜鉛は連続または間歇的に抜き取られ、多結晶シリコンを分離し、再び連続または間歇的に陰極である前記溶融金属亜鉛中に戻され、塩素はクロルシランの製造用に使用する多結晶シリコンの製造方法。
- 導電性のある反応器を陰極と同電位にする請求項6に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- 還元反応部分にある溶融金属亜鉛を、錫、ビスマス、アンチモンから選ばれる1種以上の金属と亜鉛との合金とする請求項1および請求項6に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- クロルシランと金属亜鉛を反応させ多結晶シリコンを製造する多結晶シリコンの製造方法であって、溶融金属亜鉛中にシリコン粒あるいはシリコン材を存在させ、その後溶融金属亜鉛中にクロルシランを送入し、シリコン粒子の粒径を大きくする請求項1および請求項6に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- 四塩化ケイ素送入孔上は壁などで周囲と隔てる請求項1および請求項6に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- 溶融塩から脱熱するための熱交換器を溶融金属亜鉛中あるいはその直上に設置する請求項1および請求項6に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- 溶融塩が、1)”塩化亜鉛”、2)”アルカリ金属塩化物及びアルカリ土類金属塩化物よりなる群から1つ以上選ばれた塩化物と塩化亜鉛との混合物”、およびこれらに金属亜鉛が溶解した溶融塩である請求項1および請求項6に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- クロルシランと金属亜鉛の反応生成物であるシリコンを捕集した金属亜鉛を、最初に金属亜鉛層の上部から抜き取り、次に固液分離装置さらに金属亜鉛の蒸発装置を経てシリコンを得る請求項1および請求項6に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- クロルシランが四塩化珪素である請求項1〜13のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
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