JP2012158786A - 電解回収装置およびそれを使用する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電解装置に使用する固定式電極において、カソード形状や構造を工夫するこにより、金属イオンを含む液とカソードの接触方法の改善を図り、カソード回転式と同等以上の金属の回収能力を持つ電解装置およびそれを使用する方法を提供する。
【解決手段】 金属を含有する液からの金属を電解回収する装置において、電解槽内にカソード形状を分割多段化し、その多段化した各板に傾斜を付け一体構造としたカソードからなることを特徴とする電解回収装置およびそれを使用する方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、金属を含有する液中からの金属を電解回収する装置およびそれを使用する方法に関するものである。
従来、金属を含む液中からの一般的な金属の回収方法としては、イオン交換樹脂やキレート樹脂、活性炭等に金属イオンを吸着回収する方法や電気化学的に金属イオンを電気分解させ、金属として電解回収する方法がある。イオン交換樹脂やキレート樹脂による金属の回収原理については、金属イオンをイオン交換やキレート化により、化学的な反応のため反応速度に優れている。
一方、電解にて液中の金属イオンを回収する方法は、電気化学的に液中の金属イオンの電気分解により、金属に電解還元させる方法である。電解回収の場合、液中の金属イオン濃度や金属醋体の安定性、液中の電解質量、液温度、通電電流、電解装置構造、その他等により、金属イオンを回収するために働く電流の効率等が異なり、金属イオンを金属として還元析出させる反応時間は、イオン交換樹脂やキレート樹脂等にて回収する速度に比べて劣るのが実状である。
また、イオン交換樹脂やキレート樹脂による金属回収方法と電解回収法による金属回収法について、金属が含まれる液からの金属の回収コスト面については、例えば貴金属めっき等の水洗水に含まれる比較的低濃度の貴金属回収について述べると、イオン交換樹脂やキレート樹脂、活性炭等を用いた回収方法が一般的に用いられ、貴金属めっき液の老朽化液や貴金属めっき液に浸漬しためっき対象物やめっき治具等に付着した貴金属めっき液成分を回収する槽中(回収槽)の、比較的高濃度の貴金属回収については、電気分解による電解回収法が一般的になっている。
また、イオン交換樹脂やキレート樹脂に吸着した金属を取り出す方法として、焼却によりイオン交換樹脂やキレート樹脂を燃焼させ、金属成分を取り出す方法と金属を吸着したイオン交換樹脂やキレート樹脂から、抽出剤を用いて金属を取り出し、イオン交換樹脂やキレート樹脂を再生する方法がある。
上記した焼却処理による金属回収の場合、焼却費用や新たに購入するイオン交換樹脂やキレート樹脂の費用が必要となり、コスト的には高価な回収方法となる。また、抽出剤によるイオン交換樹脂やキレート樹脂からの金属回収の場合、抽出剤の種類や抽出方法、さらには、吸着した金属の結合状態により、完全な金属抽出が出来ず、イオン交換樹脂やキレート樹脂の再利用をしても、再利用時の金属の吸着能力に問題が多い。
さらに、電解により回収した金属の抽出については、カソード表面上に金属として析出するため、カソード材質の耐食性を考慮した薬品を使用することにより、電解析出した金属のみを溶解させ、使用したカソードの再利用が出来、貴金属を回収する単価としては、電解による回収方法が良い。また、電解による金属を含む排水中からの金属の電解回収装置については、アノード、カソードの平板を並行に対極させた方法が一般的であるが、この場合、電極間での金属イオンの接触にムラが起こりやすく、電解での反応効率が低下し、金属の回収効率が低下するという問題がある。
これにより、電解回収装置を設計製造している各メーカーにおいては、貴金属の回収速度向上のため、アノード、カソード形状や電解槽構造等に工夫を凝らし、金属の電解回収速度の向上を行っている。この電解回収装置に特徴を持たせた一例として、例えば特開平11−92985号公報(特許文献1)に開示されているような、陰極回転式の電解回収装置が提案されている。
上記装置は、金属を含む液からの金属回収について、電解槽内にて陰極を回転させることにより、貴金属イオンの攪拌効果により、カソード表面での貴金属イオン欠乏を防ぐ役割を果たし、金属イオンの電気分解効率を向上させ、金属の電解析出量を増加させ、金属含有液からの金属イオンの回収速度向上を図っている。また、このカソード回転式の電解装置は、カソードの回転効果として、カソード表面に析出する金属が緻密な状態となり、カソードへの密着性がアノード、カソードを並行に配置する平板電解に比べ、非常に密着性に優れている。
特開平11−92985号公報
しかしながら、上述した特許文献1の場合は、電解装置にカソード回転させる機能を持たせるには、電解装置内部の機械部分が複雑化し、定期的なメンテナンスと回転に係る部品交換が必要となり、電解回収装置の管理面での負担が大きいという問題がある。
上述のような問題を解消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、電解装置に使用する固定式電極において、カソード形状や構造を工夫することにより、金属イオンを含む液とカソードの接触方法の改善を図り、カソード回転式と同等以上の金属の回収能力を持つ電解装置およびそれを使用する方法を提供するものである。
その発明の要旨とするところは、
(1)金属を含有する液からの金属を電解回収する装置において、電解槽内にカソード形状を分割多段化し、その多段化した各板に傾斜を付け一体構造としたカソードからなることを特徴とする電解回収装置。
(2)前記(1)に記載のカソードとして、銅板、ニッケル板、チタン材、ステンレス材、活性炭、カーボン、および活性炭やカーボンの繊維状のもの、樹脂材料にコーティングさせた材料からなる板状、網状、ラス状、パンチングメタルを用いた金属の電解回収装置。
(3)前記(1)に記載の各板の傾斜角度を9〜45°としたことを特徴とする電解回収装置。
(4)金属を含有する液からの金属を電解回収する方法において、電解槽内にカソード形状を分割多段化し、その多段化した各板に傾斜を付け一体構造とし、その両側にアノードを配設し、金属を含有する液を電解槽下部から流入させ上部から排出させ、アノード・カソード間を流通させて分割多段化した一体構造のカソードの表面上に効率良く液を接触させることを特徴とする電解回収方法にある。
以上述べたように、本発明により、金属を含む液からの金属の電解回収装置およびその方法において、一般的に用いられていた、カソード回転方式の電解装置と同程度またはそれ以上の回収速度とカソード表面に析出する金属についても、非常に密着性の良い皮膜が得られる工業的に極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明について図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係る金属電解回収装置の一連の説明図である。この図に示すように、金属めっき廃液の貯槽1からの回収液をポンプ2により流量計3を介して電解槽4に供給され貴金属を回収する一連の装置において、電解槽4の内部には、陰極(カソード)の両側に陽極(アノード)を配置し、金属を含む液を、電解槽4の下部より流入し、電極間を通液させ、金属イオンを電気分解により、カソード表面に金属として還元析出させるものである。なお、符号5は整流器、6は液循環用パイプ、7は温度計を示す。
図2は、電解槽内部のアノードとカソードの拡大図である。図2(a)は全体図であり、図2(b)は電解槽の外枠でポリ塩化ビニル樹脂(PVC)等の透明円柱状容器8から構成される。また、図2(c)は、アノード部を示し、アノード9が上部支持体10にボルト固定11がされている。符号12は正端子部を示す。図2(d)はカソード部を示し、多段化されたカソード13は上部支持体10にボルト固定された支持板14に一体に角度を持たせて固定されている。なお、符号15は負端子部を示す。
図3は、本発明に係るカソードを分割多段化し、その多段化した各板に傾斜を付けた状態を示す図である。図3(a)はカソードを分割多段化し、その多段化し各傾斜を持たせた状態を示す斜視図であり、図3(b)は正面図である。この図3(a)および図3(b)に示すように、カソードの形状については、平板を数段に分け、各板の配置に角度θを持たせて一体化し、カソード表面ヘの液の接触効果の向上を行う。
そのためには角度θは9〜45°とする。しかし、9°未満では液の接触効果が十分に現れず、また、45°を超えるとその効果が飽和することから、9°〜45°とした。好ましくは10〜30°とした。また、液が電極間を下部から上方に流れることにより、多段化したカソードの効果により、各カソード板に液が通過することによる液の攪拌性、カソードとアノード間の金属イオンの接触性、電気分解の反応性による、金属の電解回収速度の向上と緻密な金属膜の成長による金属の析出皮膜の密着性向上を図るものである。
カソードの材質については、銅板、ニッケル板、チタン材、ステンレス材、活性炭、カーボン、および活性炭やカーボンの繊維状のもの、樹脂材料にコーティングさせた材料からなるものを使用する。また、カソードの再利用を考える場合は、表面に析出した金属を溶解する薬品に耐食性を示す材料を使用するものが良い。チタン材やステンレス材、銅やニッケル材については、板状、網状、ラス状、パンチングメタル等の使用が好ましい。
アノードの形状や材質については、Ti基材をベースとした、Pt、Pt合金、酸化Ir等のコーティング品、または、Ti基材、Pt等のクラッド品の不溶性電極を用いることが好ましく、金属の電解対象液により、ステンレス、グラファイトカーボンを使用することも出来る。金属を含む液より金属を電解回収する場合、一般的に金属を含んだ液を蓄えたタンクと本電解装置(電解槽)とをポンプ等を使用し液循環させ、液中の金属を電解回収する。
電解槽の形状や材質については、筒型や角型など特に限定されない。通液量0〜200L/minで、耐久性を持つ形状や構造であれば良い。また、材質については、金属回収の対象となる液の耐食性を有するものを使用し、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリプロピレン(PP)、繊維強化プラスチック(FRP)等の樹脂製品やステンレス(SUS)やTi等の金属を掲げることができる。
電解槽に液を通液する場合、ポンプにより電解槽下部から液を入れ、電解槽上部に液を排出させることにより、電解槽内の液のデッドスペースやアノードとカソードの電極の接触性向上を考え、通液量(液循環量)0〜200L/minにより、電解槽内での液の滞留(デッドスペース)が無くなることとアノードとカソードの各電極表面の接触性の向上や、さらには、電解時の各電極から発生するガスの排出を効率的に行う。
なお、本発明に係る金属を含む液中からの金属の電解回収としては、金、銀、パラジウム等の貴金属めっきを主に対象として、これら貴金属めっきラインから発生する貴金属めっき廃液や貴金属を含む水洗水からの金属回収を主に行うものである。
(実施例1)
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
本実施例に使用する、電解槽の容積:4.04L、カソード面積:3.12dm2 、アノード面積:3.90dm2 、流速:40L/分、電解電流値:1.0(A)なる条件にて、Auめっき工程より発生するAu水洗水(Au:117.1mg/L)15Lを用いて、多段状のカソードと平板状のカソードによる金属の回収速度を比較した。
なお、試験装置として、電解槽は透明PVC製のパイプを用い、カソード表面上に金の析出が目視確認できるようにした。また、カソード材質については、それぞれTi板を用い、有効面積(3.12dm2 )について一定にした。アノード材については、カソードの両側に挟むように配置した。なお、アノード材については、Ti基材上に酸化イリジウムをコーティングしたものを使用した。その結果を表1、および図4に示す。
Figure 2012158786
表1、および図4は、カソードを本発明例と平板とした際の電解時間(hr)とAu濃度(mg/L)との関係を示す。
上記、表1、および図4に示すように、液中に残留するAu濃度について比較したところ、本発明に係る多段式カソードの方が、液中Au濃度が速く減少することが確認され、平板カソードにて9時間掛かってAu8.9mg/Lに対して、多段式カソードを使用することにより、6時間で同等レベル(Au8.0mg/L)まで低下することができた。これからも分かるように、約3時間の短縮を図ることができた。さらに、平板カソードにて13時間掛かってAu2.7mg/Lに対して、多段式カソードを使用することにより、8時間で同等レベル(Au2.7mg/L)まで低下することができた。これから分かるように、約5時間の短縮を図ることができた。
また、この実施例で得られたカソード表面への金皮膜の密着性について、ピーリング試験にて確認を行った。ピーリング試験の条件として、日東電工株式会社製セロハンテープ(登録商標)を金皮膜に張り、布ロールでこすりつけた後、指先でテープの端を持ち、一挙にテープを引き剥がすことにより行った。これにより、本発明例(多段式カソード)においては、金の密着試験の結果は良好であり、セロハンテープ(登録商標)への金の付着は確認されなかった。また、平板カソードにおいては、ピーリング密着試験の結果は不良であり、セロハンテープ(登録商標)への金の付着が認められた。
(実施例2)
回転電極式電解装置と本発明に係るカソード形状による金属回収速度の比較を行った。その際の回転電極式電解装置と本発明に係るカソード形状の場合の条件は次の通りである。電解槽の容積は、本発明例:12.10L、回転電極式:13.00L
カソード面積は、本発明例:9.36dm2 、回転電極式:9.23dm2
アノード面積は、本発明例:10.66dm2 、回転電極式:7.80dm2
流速は、本発明例:40L/分、回転電極式:8L/分
使用液量は、本発明例と回転電極式共に20L
電解電流値(A)は、本発明例と回転電極式共に1.4(A)にて、本発明例とカソード回転型の電解装置との金属の回収速度を比較した。
Auめっき工程より発生するAu水洗水(Au:117.1mg/L)20Lを用いて、一定電流(1.4A)による液中の金属濃度減少について確認した。なお、多段式カソードの試験装置としては、電解槽は透明PVC製のパイプを用い、カソード表面上に金の析出が目視確認できるようにした。また、カソード材質については、それぞれTi板を用いた。多段式のカソード電解装置のアノード配置は、カソードの両側を挟むように配置した。また、カソード回転電極式のアノード配置については、円柱状のカソードの周囲の四面に配置した。なお、それぞれに使用したアノードについては、Ti基材上に酸化イリジウムをコーティングしたものを使用した。その結果を表2、および図5に示す。
Figure 2012158786
表2、および図5は、本発明例と回転式での電解時間(hr)とAu濃度(mg/L)との関係を示す。
表2および図5に示すように、液中に残留するAu濃度について比較したところ、多段式カソードの方が液中Au濃度を速く減少することが確認され、回転電極式にて11時間掛かってAu2.2mg/Lに対して、多段式カソードを使用することにより、9時間で同等レベル(Au2.4mg/L)まで低下することができた。これからも分かるように、約2時間の短縮を図ることができた。
また、この実施例で得られたカソード表面への金皮膜の密着性について、ピーリング試験にて確認を行った。ピーリング試験の条件として、日東電工株式会社製セロハンテープ(登録商標)を金皮膜に張り、布ロールでこすりつけた後、指先でテープの端を持ち、一挙にテープを引き剥がすことにより行った。これにより、本発明例(多段式カソード)と回転電極式共に、金の密着試験の結果は良好であり、セロハンテープ(登録商標)への金の付着は確認されなかった。
(実施例3)
本発明に係るカソード形状での流速変化による金属回収速度との比較を行った。その際の多段式カソードの試験装置としては、電解槽は透明PVC製のパイプを用い、カソード表面上に金の析出が目視確認できるようにした。また、カソード材質については、Ti板を用い、多段式のカソード有効面積は14.40dm2 とした。多段式のカソード電解装置のアノード配置は、カソードの両側を挟むように配置した。また、アノード有効面積は18dm2 のものを使用した。その試験条件としては、電解槽の容積は19.20L、流速は20〜200L/分、Auめっき工程より発生するAu水洗水(Au:117.1mg/L)各30Lを用いて、電解電流値2.2(A)にて、流速変化による金属回収速度を比較した。その結果を表3、および図6に示す。
Figure 2012158786
表3は、各電解時間(hr)での流速とAu濃度(mg/L)との関係を示す。
本発明に係る多段式カソード表面への金属イオンの接触性向上による金属の電解回収速度の確認について、通液速度変化による確認を行った。Auめっき工程より発生するAu含有水洗水について、Au回収電極間に通液する速度を、20〜200L/minに変化させ、金属の回収速度を比較した。また、Auめっき工程より発生するAu水洗水(Au:117.1mg/L)30Lを用いて、一定電流(2.2A)による液中の金属濃度減少について確認した。
表3、および図6に示すように、液中に残留するAu濃度については、通液速度を高めることにより、液中Au濃度が速く減少することが分かる。すなわち、Auが1mg/Lに到達する電解時間について、20L/minにて15時間、40L/minにて10時間、60L/minと80L/minにて9時間、100L/minにて8時間、200L/minにて7時間を要し、流速を上昇させることにより、金の回収速度が向上することが分かる。したがって、その速度は200L/minを超えるとその効果は飽和することから200L/min以下とした。好ましくは20L/min〜200L/minとする。また、この実施例で得られたカソード表面への金皮膜の密着性について、ピーリング試験にて確認を行ったところ、金の密着試験の結果は良好であり、セロハンテープ(登録商標)への金の付着は確認されなかった。
以上のように、本発明による電解装置に使用する固定式電極において、カソード形状や構造を工夫することにより、金属イオンを含む液とカソードの接触方法の改善を図り、一般的に用いられていた、カソード回転方式の電解装置と同程度またはそれ以上の回収速度とカソード表面に析出金属についても、非常に密着性の良い皮膜が得られる工業的に極めて有利な回収装置およびそれを使用した方法を提供することを可能とした。
本発明に係る金属電解回収装置の一連の説明図である。 電解槽内部のアノードとカソードの拡大図である。 本発明に係るカソードを分割多段化し、その多段化した各板に傾斜を付けた状態を示す図である。 カソードを本発明例と平板とした際の電解時間(hr)とAu濃度(mg/L)との関係を示す図である。 本発明例と回転式での電解時間(hr)とAu濃度(mg/L)との関係を示す図である。 各電解時間(hr)での流速とAu濃度(mg/L)との関係を示す図である。
1 貯槽
2 ポンプ
3 流量計
4 電解槽
5 整流器
6 液循環用パイプ
7 温度計
8 透明円柱状容器
9 アノード
10 上部支持体
11 ボルト固定
12 正端子部
13 多段化されたカソード
14 支持板
15 負端子部


特許出願人 松田産業株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊

Claims (4)

  1. 金属を含有する液からの金属を電解回収する装置において、電解槽内にカソード形状を分割多段化し、その多段化した各板に傾斜を付け一体構造としたカソードからなることを特徴とする電解回収装置。
  2. 請求項1に記載のカソードとして、銅板、ニッケル板、チタン材、ステンレス材、活性炭、カーボン、および活性炭やカーボンの繊維状のもの、樹脂材料にコーティングさせた材料からなる板状、網状、ラス状、パンチングメタルを用いた金属の電解回収装置。
  3. 請求項1に記載の各板の傾斜角度を9〜45°としたことを特徴とする電解回収装置。
  4. 金属を含有する液からの金属を電解回収する方法において、電解槽内にカソード形状を分割多段化し、その多段化した各板に傾斜を付け一体構造とし、その両側にアノードを配設し、金属を含有する液を電解槽下部から流入させ上部から排出させ、アノード・カソード間を流通させて分割多段化した一体構造のカソードの表面上に効率良く液を接触させることを特徴とする電解回収方法。
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