JP2011168811A - 電解採取カソードの割れ防止方法 - Google Patents

電解採取カソードの割れ防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 煩雑なカソード板の前処理を必要とせず、肌別れを防止できる電解採取カソードの割れ防止方法を提供する。
【解決手段】 金属の電解採取において、金属を含む酸性の電解液が循環されている電解槽にカソードを装入し、電解槽にカソードを装入してから通電を開始するまで静置させ、前記カソードを静置させる静置時間Tが、電解槽の容量Aと、電解槽に循環させる電解液の流量Bとの関係において、BT/A≧0.03を満たすように静置させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電解採取により製造されるニッケル、コバルトなどのカソード板の切断時に発生する割れを防止する電解採取カソードの割れ防止方法に関する。
金属を含む水溶液から高純度金属を回収する方法として、電解採取法が広く用いられている。電解採取法とは、電解槽内に、不溶性アノードと、精製金属を電着させる種板カソード(以下、単に「カソード」ともいう。)とを装入し、これに金属を含む水溶液からなる電解液(例えば、塩化浴や硫酸浴又はその混合浴などの酸性水溶液)を通液しながら、電極に通電する方法である。このような電解採取法により、種板カソード上に目的金属が電着するという電解反応が行われ、電解採取カソードとして種板カソード上に目的金属が電着した高純度金属が回収される。
ここで、使用される種板カソードは、例えば、上記の電解に先立って、予め種板製造用電解槽において、ステンレススチール板、チタン板や鉛板などの母板と称される陰極を用いて電解した後、母板上に厚さが1mm未満程度に薄く電着した金属を剥ぎ取ることにより、製造されている。
電解採取カソードの殆どは、顧客の要請に応じた形状に切断し、製品とされている。例えば、ニッケルを目的金属とした電解採取カソードは、メッキ工程において取り扱いが容易となるように、所定の大きさに切断される。
切断後の電解採取カソードは、切断面においてその中心部に種板カソードに由来する部分があり、その両側に電解採取によって高純度金属が電着しているというサンドイッチの構造になっている。電解採取による電着が非常に良好な状態であれば、前記の種板カソードに由来する部分と、電解採取によって高純度金属が電着した電着部との境界は、見分けがつかないほどに一体化する。
しかし、ニッケルやコバルトなどの電着応力の大きな金属では、上述の高純度金属が電着した電着部(以下、単に「電着部」ともいう。)に発生する残留応力により、種板カソード表面と、電着部との密着性が悪くなる。その結果、ニッケル、コバルトなどの電着応力の大きな金属では、電解採取カソードを切断した際に、前記の種板カソード表面と、電着部との境界面で電着部が剥離するといった割れ(以下、「肌別れ」ともいう。)が発生することがある。例えば、ニッケルの電解採取においては、通常、0.8〜1.2%程度の発生率で肌別れが発生している。このような肌別れが発生すると、不良品として回収再生工程に送られ、製品の歩留まりを低下させるという問題があった。
このような割れを防止する方法として、例えば、特許文献1に記載されているように、種板カソードを稀薄硫酸水溶液に浸漬してカソード表面を活性化し、次いで電解槽に装入する時までこの種板カソードを水槽に浸漬しておき、表面の変質を防止する方法がある。
しかし、この特許文献1に記載の方法は、製造した種板カソードをそのまま電解槽に装入する場合と比較すると、クレーンなどによる種板カソードの搬送回数が略2倍に増加するため工場全体の操業効率に悪影響を与えてしまう。したがって、特許文献1に記載の方法は、例えば1日に1000枚以上の電解採取カソードを取り扱う必要がある工場では、現実的な方法とはいえない。
また、別の方法として、特許文献2に記載されているように、種板カソードを電着させる母板の表面を、ブラスト処理により表面粗さRz5〜40μmとして無配向にする方法がある。しかし、この特許文献2に記載の方法を実施した場合も、次のような操業条件の場合には、上述した割れが発生してしまう。
通常、種板カソードは、表面に付着している不純物を電解槽に装入する前に除去するために、洗浄後に電解槽に装入する。電解槽内に装入後の種板カソード近傍は、種板カソードに付着した洗浄水のために金属イオン濃度が極端に低下している。この金属イオン濃度が低いまま通電してしまうと、種板カソード表面に水酸化物が生成してしまい、肌別れの原因となる。
また、電解槽に装入直後の種板カソード表面には、気泡が付着している場合があり、この気泡を種板カソード表面に巻き込んだ状態で種板カソードに金属を電着させると、切断時の肌別れの原因となる。
以上のことから、大量のカソードを電解採取処理する場合でも、作業負荷が小さく、且つ、肌別れを大幅に低減できる操業方法が求められていた。
特開平05−287573号公報 特開平05−106077号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、煩雑なカソード板の前処理を必要とせず、肌別れを低減できる電解採取カソードの割れ防止方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の電解採取条件を検討した結果、種板カソードを電解槽に装入してから、充分な時間静置した後に通電を開始することにより、種板カソード表面と電解採取によって高純度金属が電着した電着部との密着性を向上させ、肌別れを防止できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る電解採取カソードの割れ防止方法は、金属の電解採取において、前記金属を含む酸性の電解液が循環されている電解槽にカソードを装入し、該電解槽に該カソードを装入してから通電を開始するまで静置させ、前記カソードを静置させる静置時間Tが、前記電解槽の容量Aと、該電解槽に循環させる電解液の流量Bとの関係において、BT/A≧0.03を満たすように静置させることを特徴とすることを特徴とすることを特徴とする。
ここで、前記酸性の電解液は、塩化浴、硫酸浴又はその混合浴からなることが好ましい。また、前記金属は、ニッケル又はコバルトであることが好ましい。
本発明によれば、酸性の水溶液からの金属を電解採取する際において、種板カソード表面と、電解採取によって高純度金属が電着した電着部との密着性を良くすることができる。これにより、種板カソード表面と電解採取によって高純度金属が電着した電着部との肌別れの発生率を低減し、実質的に肌別れを防止することができる。
以下、本発明を適用した電解採取カソードの割れ防止方法の具体的な実施の形態の一例について詳細に説明する。
本実施の形態に係る電解採取カソードは、例えば、種板製造工程と、電解採取工程とによって製造される。
種板製造工程では、電解槽において、電着応力が大きな金属を含む酸性の電解液と、隔膜で覆った不溶性アノードからなる陽極と、例えばチタン等からなる母板と称される陰極とを使用し、母板上に電着応力が大きな金属の種板カソードを電着させる。これにより、種板カソードを製造する。種板カソードは、例えば、上述したように、予め種板製造用電解槽において母板を陰極として用いて電解した後、母板上に厚さが1mm未満程度に薄く電着した金属を剥ぎ取ることにより製造することができる。母板としては、例えば、酸性水溶液中で耐食性に優れたもの、具体的には、ステンレススチール板、チタン板、鉛板などを用いることができる。
続いて、電解採取工程では、製造した種板カソードを用いて電着応力が大きな金属の電解採取を行う。ここで、電解採取とは、上述したように種板カソードと不溶性アノードとを備え、電着応力が大きな金属を含む酸性の電解液が循環されている電解槽において電解を行うことにより、この金属を種板カソード上に電着させることをいう。電解液の循環とは、上述の如く種板カソードの表面に付着した洗浄水や気泡の影響を取り除くと同時に、電解液により種板カソード表面を活性化させるために、例えば電解槽内の電解液を一定量ずつ排出するとともに、濃度を調整した新たな電解液を一定量ずつ電解槽に供給(給液)することをいう。すなわち、電解液の循環とは、種板カソードの表面に付着した洗浄水や気泡の影響を取り除くと同時に、電解液により種板カソード表面を活性化させるために、電解槽内の電解液を新たな電解液と交換することをいう。電解採取工程では、金属の電解採取を行う前に、金属を含む酸性の電解液が循環されている電解槽にカソードを装入し、電解槽に種板カソードを装入してから通電を開始するまで所定時間静置させる静置工程がある。
電解液中に含まれる金属としては、電着応力が大きなもの、例えば、ニッケルやコバルトが挙げられる。
酸性の電解液としては、特に限定されるものではなく、電着応力が大きな金属を含み、後に詳述するように、種板カソード表面を活性化させることが可能なもの、具体的には、塩化浴、硫酸浴又はその混合浴を用いることができる。塩化浴としては、塩酸や塩化物をベースとする電着応力が大きな金属を含む水溶液、例えば、塩化ニッケル水溶液、塩化コバルト水溶液等が挙げられる。また、硫酸浴としては、硫酸をベースとする電着応力が大きな金属を含む水溶液、例えば、硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液等が挙げられる。
電解槽としては、特に限定されるものではなく、例えば、種板カソードと不溶性アノードとを備え、隔膜により種板カソードとアノードとが仕切られた構造のものを用いることができる。隔膜としては、特に限定されるものではなく、濾布、イオン交換膜等が用いられる。濾布としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の材質からなるものが用いられる。
不溶性のアノードとしては、特に限定されるものではなく、例えば、チタン、白金被覆チタン、酸化ルテニウム被覆チタン、イリジウム酸化物系被覆チタン、黒鉛等が用いられる。また、不溶性アノードとしては、板状、穿孔板状、棒状等の形状のものが用いられる。
電解採取工程は、金属を含む酸性の電解液が循環されている電解槽にカソードを装入してから通電を開始するまでに所定時間(以下、「静置時間T」ともいう。)静置させる静置工程を経た後、金属の電解採取を行う。静置工程は、後に詳述するように、種板カソード表面と電解採取によって高純度金属が電着した電着部との密着性を良くし、肌別れを防止するために行う。
静置工程では、カソード表面に付着した洗浄水や気泡を除去し、種板カソード表面を活性化させるために、電解槽にカソードを挿入してから通電を開始するまでの所定時間(静置時間)、種板カソードを電解液中に静置させる。ただし、静置時間が短すぎる場合には、洗浄水及び気泡の除去が十分でなく、種板カソード表面が十分に活性化されないため、金属を電解採取すると、金属の密着性が悪く、肌別れが生じてしまう。一方、静置時間が長過ぎる場合には、カソード表面に付着した洗浄水や気泡を除去し、種板カソード表面を活性化させることができ、金属の密着性を向上させ、肌別れを防止できるという効果が得られるものの、操業時間が長くなってしまい、金属の電解採取効率が悪くなってしまう。そこで、静置工程では、適切な時間、種板カソードを電解液が循環されている電解槽内に静置させることで、種板カソード表面に付着した洗浄水及び気泡を除去し、種板カソード表面を活性化して、肌別れを防止する。
ここで、静置時間は、電解槽の容量や循環させる電解液の流量によって異なり、電解槽の容量と、循環させる電解液の流量とによって決定され、以下の(1)式を満たす時間である。
BT/A≧0.03 (1)
(1)式において、Aは、電解槽の容量(L)、Bは、電解槽に循環させる電解液の流量(L/分)、Tは、上述した静置時間(分)、BT/Aは、電解槽の容量全体に対して循環した電解液の割合を示す。所定の流量で入れ替わった電解液の割合が、電解槽の容量全体の3%以上となるのに必要な時間を、静置時間とする。
(1)式を満たす静置時間、循環する電解液中に種板カソードを静置することにより、種板カソードの表面に付着した洗浄水や気泡の影響を取り除くと同時に、酸性の水溶液により種板カソード表面を活性化させることができる。これにより、種板カソード表面と電解採取によって高純度金属が電着した電着部との密着性を良くし、肌別れを防止することができる。
また、電解液組成や電解液循環ポンプの操業上の変動を考慮すると、電解槽の容量全体に対して、5%以上の電解液を循環させることが好ましい。これにより、より効果的に、種板カソード表面と電解採取によって高純度金属が電着した電着部との密着性を良くし、肌別れを防止することができる。
次に、より具体的に、容量が6500〜7500(L)の電解槽において、塩化浴からなる酸性の電解液を流量30〜50(L/分)で供給するような場合を例に挙げて説明する。
一例として、容量が7000(L)の電解槽において、酸性の電解液を流量40(L/分)で供給する電解槽においては、種板カソードを電解槽に装入後、6分以上(流量40(L/分)×6(分)=240(L)、BT/A×100=3.4%)静置してから通電することが好ましい。これにより、種板カソード表面と電解採取によって高純度金属が電着した電着部との密着性を良くし、肌別れを防止することができる。また、この例に挙げた電解槽及び電解液の流量の条件において、静置時間Tは、8分以上(流量40(L/分)×8(分)=320(L)、BT/A×100=4.6%)とするのがより好ましい。静置時間Tは、6分以上であれば、それより長くしても肌別れを防止する効果は変わらないが、電解液組成や電解液循環ポンプの操業上の変動を考慮すると、肌別れをより防止する観点から好ましいためである。
また、本実施の形態に係る電解採取カソードの割れ防止方法では、電解槽の容量全体に対して3%以上且つ30%未満の電解液を循環させるために必要な時間を静置時間Tとするのが好ましい。すなわち、本実施の形態に係る電解採取カソードの割れ防止方法では、静置時間Tは、電解槽の容量Aと、電解槽に循環させる電解液の流量Bとの関係において、0.03≦(BT/A)<0.3を満たすようにすることが好ましい。例えば、電解工場設備の稼働上の待ち時間以上(一般的には最大でも60分程度)(流量40(L/分)×60分=2400L、BT/A×100=34.2%)の静置時間Tを確保しても、肌別れ防止の効果に大差が無く、操業時間が長くなってしまうためである。
以上説明したように、本発明に係る電解採取カソードの割れ防止方法では、金属の電解採取において、金属を含む酸性の電解液が循環されている電解槽に種板カソードを装入し、電解槽に種板カソードを装入してから通電を開始するまで静置させ、種板カソードを静置させる静置時間Tが、電解槽の容量Aと、電解槽に循環させる電解液の流量Bとの関係において、BT/A≧0.03を満たすように静置させる。このように、充分な時間静置した後に通電を開始することにより、種板カソードの表面に付着した洗浄水や気泡の影響を取り除くと同時に、酸性の水溶液により種板カソード表面を活性化させることができる。これにより、本実施の形態に係る電解採取カソードの割れ防止方法では、煩雑な前処理を必要とせずに、種板カソード表面と電解採取によって高純度金属が電着した電着部との密着性を向上させることにより、肌別れを低減することができる。
例えば、本発明に係る電解採取カソードの割れ防止方法では、ニッケル、コバルトなどの電着応力の大きな金属を電解採取する場合においても、電解採取カソードを切断した際に肌別れの発生を防止して、製品の歩留まり低下を抑制することができる。
なお、本発明において、電解槽に種板カソードを挿入してから通電を開始するまでの時間(静置時間)は、上述した例に限定されるものではなく、例えば、上述した(1)式を満たす範囲で電解槽のサイズや電解液の循環液量などを適宜調整することにより変更することができる。また、本発明において、種板製造工程で製造した種板カソード以外のものを電解採取工程においてカソードとして使用してもよい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、下記のいずれかの実施例に本発明の範囲が限定されるものではない。
[実施例1]
Ni濃度90〜100(g/L)、pH=2.2の塩化ニッケル水溶液を電解液として、陽極に隔膜で覆ったTi製の不溶性アノード、陰極に表面粗さRz=30μmのTi製母板を使用し、電流密度287(A/m)で22時間の電解採取を実施し、母板上にNi種板を電着させ、厚さ0.8mmの種板を得た。この種板をカソードとし、陽極には隔膜で覆ったTi製不溶性アノードを用いた。また、電解液は、Ni濃度90〜100(g/L)、pH=2.2の塩化ニッケル水溶液を使用した。電解液は30〜40(L/分)で電解槽へ給液し、電流密度270(A/m)で7日間の電解採取を実施した。なお、この際、種板カソードを電解槽に装入してから、10分間静置(電解槽の容量A:7000(L)、循環させる電解液流量B:35(L/分)、静置時間T:10(分)として、BT/A×100=5%)した後に、電解操業を開始した。
上記のような電解採取操業を1ヶ月間実施し、30000枚の電解採取カソードを得た。このようにして製造した1000mm×800mm×13mmの電解採取カソードの全数を、切断機にて25〜100mm角に切断し、肌別れの発生率を調べた。
[実施例2]
静置時間T:40(分)とした以外は、実施例1と同じ条件で操業((BT/A)=0.2)し、実施例1と同様に肌別れの発生率を調べた。
[比較例1]
種板カソードを電解槽に装入後、すぐに通電開始(電解槽の容量A:7000(L)、循環させる電解液流量B:35(L/分)、静置時間:T=0(分)として、BT/A×100=0%)する以外は実施例1と同じ条件でニッケル板の電解採取を行い、1ヶ月で30000枚のニッケル板を得た。製造した1000mm×800mm×13mmのニッケル板を切断機にて25〜100mm角に切断し、肌別れの発生率を調べた。
[比較例2]
種板カソードを電解槽に装入後、5分後(電解槽の容量A:7000(L)、循環させる電解液流量B:35(L/分)、静置時間:T=5(分)として、BT/A×100=2.5%)に通電開始する以外は実施例1と同じ条件でニッケル板の電解採取を行い、1ヶ月で30000枚のニッケル板を得た。製造した1000mm×800mm×13mmのニッケル板を切断機にて25〜100mm角に切断し、肌別れの発生率を調べた。
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の結果をまとめたものを表1に示す。
Figure 2011168811
実施例1及び実施例2では、肌別れが発生した電解採取カソードは15枚/月であり、肌別れの発生率は0.05%であった。比較例1では、肌別れが発生した板は341枚/月であり、発生率は1.10%であった。比較例2では、肌別れが発生した板は241枚/月であり、発生率は0.80%であった。
このように、実施例1及び実施例2では、((BT/A)×100)≧3を満たすため、肌別れ発生率を従来の10分の1以下の0.05%程度まで低減させることができた。一方、比較例1及び比較例2では、((BT/A)×100)≧3を満たさないため、肌別れ発生率が、実施例1及び実施例2と比較して高かった。

Claims (3)

  1. 金属の電解採取において、
    前記金属を含む酸性の電解液が循環されている電解槽にカソードを装入し、該電解槽に該カソードを装入してから通電を開始するまで静置させ、
    前記カソードを静置させる静置時間Tが、前記電解槽の容量Aと、該電解槽に循環させる電解液の流量Bとの関係において、BT/A≧0.03を満たすように静置させることを特徴とする電解採取カソードの割れ防止方法。
  2. 前記電解液は、塩化浴、硫酸浴又はその混合浴からなることを特徴とする請求項1に記載の電解採取カソードの割れ防止方法。
  3. 前記金属は、ニッケル又はコバルトであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電解採取カソードの割れ防止方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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