JP7334095B2 - 錫の電解採取方法 - Google Patents

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Description

本発明は、錫の電解採取方法に関し、詳しくは不純物の少ない高純度錫を製造できる錫の電解採取方法に関する。
従来より、廃電子基板などのリサイクル原料から錫を回収する技術が提案されているが、錫鉛合金のはんだのみでなく、錫と銀、錫とビスマス、錫と亜鉛及びそれらに適宜添加される銀、銅、ビスマス、亜鉛、アルミニウムなどの金属元素を同時に含む場合に、容易に錫を単体で得るのは困難である。
このため、錫製錬では、原料の溶錬工程を行い、溶錫からアノードを鋳造し、電解工程で、このアノードとステンレス製カソードを用いて4N電気錫を製造し、この4N電気錫をさらに再溶解してステンレス製カソードを用いた隔膜電解を行い、5N電気錫を製造することが開示されている(例えば非特許文献1参照)。
しかしながらこの錫製錬では、純度99.999%のSnを得るために繰り返し電解精製を行う必要があり、作業が煩雑になるという課題があった。
そこで、以上のリサイクル原料に対して、本願出願人は、アノードとしてSUS316板、カソードとしてチタン板を用いて、錫含有塩基性溶液から効率的に錫を電解採取する方法を提案している(特許文献1参照)。
特開2009-74131号公報
資源と素材 Vol. 109 p.1069-1071(1993)生野製作所における錫製錬(三菱マテリアル株式会社)
しかしながら、特許文献1の方法で得られる電着錫中には、Feが680ppmと多く含有されており、Snの純度は99.99%以上にとどまることから、純度の向上が求められていた。
本発明の目的は、錫を含有するアルカリ性の電解液からの1回の電解採取にて比較的高純度の金属錫を効率良く、低コストで得ることにある。
本発明者らは、特定のアノード及びカソードを用いることで上記問題が解決できることを見出した。以下、この知見に基づく具体的な態様を示す。
本発明の第1の態様は、
錫を含有するアルカリ性の電解液からカソードに錫を電着させる錫の電解採取方法であって、
アノード材質をNiとし、カソード材質をTiとし、このカソードの面粗さRzを5μm~50μmとすることを特徴とする錫の電解採取方法である。
本発明の第2の態様は、 錫を含有するアルカリ性の電解液からカソードに錫を電着させる錫の電解採取方法であって、
アノード材質をステンレス鋼とし、カソード材質をTiとし、このカソードの表面粗さRzを30μm~50μmとすることを特徴とする錫の電解採取方法である。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様に記載の発明において、
金、錫、チタン及びニッケルから選ばれた少なくとも1種の金属、又はそれらを銅の母材にメッキして成るブスバー及びクロスバーの少なくともいずれかを使用することを特徴とする。
本発明によれば、錫を含有するアルカリ性の電解液からの1回の電解採取にて比較的高純度の金属錫を効率良く得ることが可能となる。
以下、本実施形態について説明する。本明細書における「~」は所定の数値以上かつ所定の数値以下を指す。また、天地の天の方向を上方、天地の地の方向を下方とする。
<実施形態1>
実施形態1に係る錫の電解採取方法は、錫を含有するアルカリ性の電解液からカソードに錫を電着させる方法を採用したものである。その上で以下の条件で電解採取を行う。
・アノード材としてNi(例えば、NAS規格 Ni201等)を用いる。
・カソード材としてTi(例えば、JIS H4600 2種等)を用いる。
・カソードの表面粗さRzを5μm~50μmとする。
前記条件を満たすことにより、1回の電解採取にて、Ag,Cu,Pb,Zn,As,Bi,Sb,Cd,Al,In,Feといった不純物の品位を1ppm未満とした5N相当の金属錫を効率良く得ることができる。
なお、錫を含有するアルカリ性の電解液としては、金属錫の電解採取が可能なものであれば特に限定は無い。例えばSnイオンを含有する苛性ソーダ水溶液であってもよいし、それ以外だと水酸化カリウム水溶液であってもよい。
前記条件を満たすことに加え、好適には以下の構成を採用する。
・金、錫、チタン及びニッケルから選ばれた少なくとも1種の金属、又はそれらを銅の母材にメッキして成るブスバー若しくはクロスバーを使用する。
以下、前記列挙した態様について説明する。
本実施形態では、電解採取に用いるアノード材質にはNiを用いる。この知見に至った経緯は以下のとおりである。
本発明者らは、候補となる各種アノードを選択した。そして、錫を含むアルカリ性電解液におけるアノードの耐食性及び得られる金属錫(電着錫)の品質について、比較評価を行った。その結果、本発明においてアノード材質をNiとした。
アノードとして、まず、Ti母板に酸化イリジウムをコーティングしたDSE(寸法安定性電極)を選択した場合、コーティング層の劣化が見られ、電着錫中のIr品位もわずかに上昇した。
アノードとして、次に、Ti母板にPtをコーティングした白金めっき電極を選択した場合、耐食性及び錫品位ともに良好ではあるが、高価である。
アノードとして、次に、黒鉛(カーボン)電極を選択した場合、錫品位は良好である一方、アノード表面が脆化するため耐食性に問題があった。
アノードとして、次に、ハステロイ電極(Ni-Cr-Mo)を選択した場合、耐食性は良好である一方、電着錫のNi品位の上昇が見られた。
これらに対し、アノード材質をNiとした場合、耐食性及び錫品位ともに良好であった。また材料コストもPt被覆Tiより安価である。
以上の比較結果と経済性を鑑みて、本実施形態においては、アノード材質をNiとし、アノードとしてNi電極を使用することとした。
本実施形態における“アノード材質をNiとする”とは、アノード母材をNiにて作製されたものとすることであり、例えばTi母板に対してNiをメッキしたものは含まない。なお、アノード母材をNiにて作製する場合、もちろんアノード母材が100%Niであるのがよいが、不純物を含むものも1質量%以下であれば許容される。これは、以下に記載のカソード材質についても同様とする。
カソード材質は、液温70℃以上の強アルカリで使用実績のあるTiとする。
Tiカソード表面の表面粗さRzが5.0μm未満(Ra<1.0μm)の場合は、カソードと電着錫の密着性が足りず、電着錫が脱落して電解層の底に沈むことや、剥離して電着錫がアノードと接触しショートすることで生産性が著しく低下する。例えば、一般用材に代表される表面粗さNo.2B相当の表面粗さが該当する。
カソードとしてTi板を使用した場合には、電解中に電解で生じたSnがカソードから脱落することがあった。Snが脱落した場合には、Snの回収率が低下し、精製の効率やコストに悪影響を及ぼすことがあった。
本実施形態においては、一定の表面粗さRzを有するものを用いる。具体的には、最大高さである表面粗さRzが5.0μm~50.0μmであるTiアノードを用いる。この範囲に対応する算術平均粗さRaは通常1.0μm~5.0μmである。カソードの少なくとも一部において前記Rzの範囲を満たすことにより、カソード表面の電着錫の密着性が向上し、電着錫の脱落・剥離が抑制される。
本実施形態にて採用するカソードの形状は板状であり、相対的に大きな面積を有する2つの主面が表裏の関係にて備わる。アノードについても同様の形状を有する。電解採取中にカソードから電着物が剥がれやすいのは、比較的物理的な衝撃を受けやすい電解液の液面近傍である。そのため、カソードの二つの対向する主面上であって電解液の液面に設定される部分を含むようにカソードの主面の表面粗さRzを5μm~50μmとするのが好ましい。もちろん、カソードの二つの主面全体の表面粗さを上記範囲に設定してもよい。
なお、本明細書にて規定するRz、Raは、以下の手法で得られたものである。
カソードの1つの主面の中央に測定点1を設け、この測定点1における、縦方向配置での測定値と横方向配置での測定値との平均値1を得る。同様に、カソードの主面の上下左右であって測定点1から等距離であって測定点1とカソード端部との中間位置にある測定点2~5での平均値2~5を得る。そして、平均値1~5の平均値Aを得る。この平均値Aが前記条件(Rzが5.0μm~50.0μm)でのRzである。そしてこのRzからRaが得られる。
本明細書においてRzは、カソードの主面を粗さ曲線化(主面方向X軸、高さ方向Y軸)したものからX軸方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線のY軸方向に測定した値である。具体的には、後掲の実施例の項目にて挙げた小形表面粗さ測定機(ミツトヨ社製、サーフテストSJ-210)を用いて測定した結果をRzとして採用する。算術平均粗さRaについても同装置で得る。なお、同装置での表面粗さの算出はJIS B 0601:2001(ISO 4287:1997)を採用する。本明細書に記載のRz、Raは、同装置および同算出手法により得られる。
一方、Rzが30μmを超える(Ra>5.0μm)までブラスト処理したTiカソードは、電着錫の密着性が高すぎるため、剥離性が悪く、作業性・生産性が低下する。
以上の結果、本実施形態においては、Rzが5.0μm~50.0μm(Raが1.0μm~10.0μm)であるTiアノードを用いる。より好ましくはRz(μm)=10.0~20.0、Ra(μm)=1.0~5.0とすることが良い。
Tiカソード表面の粗面加工は、例えば、ドライカップ、ジスクペーパー、ワイヤーブラシ、サンドブラスト等を用いて研削すればよい。
更に、本発明の錫の電解採取方法では、作業コスト・導電性の観点からブスバー及びクロスバー(電流導入桿)を設けることが好ましい(詳しくは特開2001-11555号公報)。
クロスバーは、電解槽の液面より上に張り渡されている。そしてクロスバーは、板状のアノードの端部と接合し、アノードが電解液に垂直に吊るされる。なお、アノードと主面にて対向するように隣接して板状のアノードが別のクロスバーにて吊るされる。これにより、クロスバーとアノード(及びカソード)との間の導通が確保される。
ブスバーは、クロスバーを載置するための部分である。これにより、ブスバーとクロスバーとの間の導通が確保される。ひいては、ブスバーとアノード(及びカソード)との間の導通が確保される。
ブスバー及びクロスバーの少なくともいずれかの(好ましくは両者の)材質としては、金(Au)、錫(Sn)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、又はこれらを銅(Cu)母材にメッキして成るものを使用するのが好ましい。経済性や耐食性を考慮すると、チタン、ニッケルめっき銅、Cu-Tiクラッドを使用することがより好ましい。
一般には、Cu製のブスバーやクロスバーを使用し、電極に電気を流しやすくしている。ところが、アルカリ電解液がミスト化することにより、Cu製のブスバーやクロスバーの表面に、酸化物などのスケールが発生することもある。このスケールは電気抵抗の上昇をもたらす。後掲の実施例に示すように、電解採取は数日かけて行われる。この数日の間すなわち電解採取の最中に、酸洗浄や研磨等といったスケール除去の作業が必要となることがある。このスケール除去作業時にCuの一部が電解槽内に入ると、Cuが電着し、得られる金属錫のCu品位が上昇してしまうことがある。
従って、上記材質のブスバーやクロスバーを設けることより、電極表面に発生する酸化物スケールを防ぐことができる。また、スケール除去作業をなくすことで、Cuがコンタミするリスクを減らすことができる。
なお、電解採取で得られる金属錫(電着錫)には、巻き込まれた電解液分が一部含まれることがあり、電解液の巻き込みが多くなると不純物品位も上昇する。
不純物は、得られた金属を熔解することでドロスと呼ばれる酸化物として除去できるため、金属錫は熔解及びドロス除去後の段階でFe品位を50ppm未満とすることができる。同様にCrやTiも熔解及びドロス除去により0.5ppm未満とすることができる。
その際、使用する鍋又は坩堝からのコンタミ(金属錫への不純物拡散)が問題となるため、高純度錫を製造する場合は、Ti又は黒鉛といった材質の鍋や坩堝を選択して、コンタミを発生させない又はコンタミ量が問題にならないようにすることが望ましい。
本発明の技術的範囲は上述した実施形態1に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。例えば、実施形態1以外に、以下の実施形態2も本発明の範囲内である。なお、実施形態1と重複する内容については記載を省略する。
<実施形態2>
実施形態2においては、以下の条件で電解採取を行う。
・アノード材としてステンレス鋼(例えば、SUS430板等)を用いる。
・カソード材としてTi(例えば、JIS H4600 2種等)を用いる。
・カソードの表面粗さRzを30μm~50μmとする。
本実施形態における“アノード材質をステンレス鋼とする”とは、アノード母材をステンレス鋼にて作製されたものとすることである。なお、アノード母材をステンレス鋼にて作製する場合、もちろんアノード母材が100%ステンレス鋼であるのがよいが、ステンレス鋼以外の不純物を含むものも1質量%以下であれば許容される。これは、以下に記載のカソード材質についても同様とする。
前記条件を満たすことでも、1回の電解採取にて、Ag,Cu,Pb,Zn,As,Bi,Sb,Cd,Al,In,Feといった不純物の品位を1ppm未満とした5N相当の金属錫を効率良く得ることができる。
なお、カソードの一主面の面積にてRzを規定することも有効である。
例えば、「錫を含有するアルカリ性の電解液からカソードに錫を電着させる錫の電解採取方法であって、
アノード材質をNiまたはステンレス鋼とし、カソード材質をTiとし、このカソードの(表面粗さRz(μm))/(一主面の面積S(m))を30μm/m以上とする錫の電解採取方法」としても良い。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下に記載のない内容は、前記本実施形態で述べた内容と同様とする。
(実施例1)
実施例1、2は、実施形態1に対応する。
接液部の面積が縦43cm×横36cmの純Ni板アノード7枚と、縦45cm×横40cmの純Ti板カソード6枚(TKファクトリー社製)とを準備し、純Ti板カソードはドライカップにて粗面加工した。純Ti板カソードの表面粗さを、小形表面粗さ測定機(ミツトヨ社製、サーフテストSJ-210)を用いて測定したところ、Rzが13.4μm(Raが1.6μm)であった。
電解(元)液として、100g/LのSnを含む(遊離NaOH15g/L)Sn含有苛性ソーダ水溶液を用意し、電解時にSn65g/L(遊離NaOH43g/L)で平衡するように200Lの電解槽に分取した。
電解槽に対してポリプロピレン(PP)ライニング処理を行った。この電解槽に対し、純Ni板アノードの主面と純Ti板カソードの主面とが水平方向にて対向するように配置した。この配置は、純Ni板アノードの上端をクロスバーに固定して吊り下げ、純Ti板カソードの上端を別のクロスバーに固定して吊り下げることにより実現した。そしてクロスバーの両端を支持すべく、クロスバーの延在方向に対して垂直方向に延在するようにブスバーをクロスバーの両端に配置した。なお、ブスバー及びクロスバーの材種としてはニッケルめっき銅を採用した。
そして、分取したSn含有苛性ソーダ水溶液を電解槽に供給し、液温63℃、カソード電流密度100A/mで、7日間電解採取を行った。
この結果、金属錫35kgを回収した。その際の電流効率は88%であった。
得られた金属錫の純度は差数法で99.999%(5N)以上であった。不純物をICP-OESで測定したところ、Ag,Cu,Pb,Zn,Fe,As,Bi,Sb,Cd,Ni,Al,Inのいずれも1ppm未満であった。実施例1、2及び比較例1~3の詳細を後掲の表1、表2に示す。なお、以下の実施例2では、不純物をICP-MASS(ICP質量分析装置)で測定した。
(実施例2)
接液部の面積が縦1m×横1mの純Ni板アノード41枚と、縦1m×横1mの純Ti板カソード40枚(三井金属エンジニアリング社製)とを準備し、純Ti板カソードはサンドブラストにて粗面加工した。純Ti板カソードの表面粗さを、小形表面粗さ測定機(ミツトヨ社製、サーフテストSJ-210)を用いて測定したところ、Rzは30~50μm(具体的には41.0μm(Raが5.5μm))であった。
上記以外の内容は、実施例1と同様とした。純Niライニングした5.5m電解槽に電解液を供給し、液温75℃、カソード電流密度50A/mで、11日間電解採取を行った。
この結果、金属錫1.2tを回収した。その際の電流効率は90%であった。
(比較例1)
縦1m×横1mのSUS304板アノードを41枚、縦1m×横1mのSUS430板カソード(東光鉄工社製)を40枚準備し、粗面加工は行わなかった。前記SUS430板カソードは、No.2B(Rz=0.5μm程度)であった。
錫濃度が50g/Lである以外は実施例1と同じSn含有苛性ソーダ水溶液を電解液とした。
電解液を硬質天然ゴム(NR)ライニングした電解槽に供給し、液温75℃、カソード電流密度100A/mで、12日間電解採取を行った。
この結果、金属錫2.2tを回収した。その際の電流効率は85%であった。
得られた金属錫の純度は差数法で99.986%であった。実施例1と同様のICP-OES測定の結果、特にFe品位が127ppmと高かった。
(比較例2)
カソードの材質が比較例1と同じSUS430であることを除き、実施例1と同じSn含有苛性ソーダ水溶液を電解液として電解採取を行った。
この結果、金属錫32kgを回収した。その際の電流効率は80%であった。
得られた金属錫の純度は差数法で99.999%であった。実施例1と同様のICP-OES測定の結果、Fe品位のみ1.3ppmと高かった。
(比較例3)
純Tiカソードの粗面加工は行わず、表面粗さがNo.2B(Rz=0.5μm程度)である純Tiカソードを使用したことを除き、実施例1と同じSn含有苛性ソーダ水溶液を電解液として電解採取を行った。
カソード6枚中4枚は電着した金属錫が脱落し、アノードと接触してショートしたため中断した。
Figure 0007334095000001
Figure 0007334095000002
(実施例3)
実施例3は、実施形態2に対応する。
縦1m×横1mのSUS304板アノードを41枚、縦1m×横1mの純Tiカソード(三井金属エンジニアリング社製)を40枚準備し、粗面加工を行った。前記SUS430板カソードのRzは30μm~50μmの範囲内に設定した。なお、Raは5.5μmであった。それ以外の内容は、実施例1と同様とした。
この結果、金属錫739kgを回収した。その際の電流効率は91%であった。
(比較例4)
縦1m×横1mのSUS304板アノードを41枚、縦1m×横1mの純Tiカソード(三井金属エンジニアリング社製)を40枚準備し、粗面加工を行った。但し、前記SUS430板カソードのRzは10μm以上30μm未満の範囲内に設定した。なお、Raは2.5μmであった。それ以外の内容は、実施例1と同様とした。
この結果、金属錫1.1tを回収した。その際の電流効率は89%であった。但し、試験自体は実施できたものの、電着した金属錫がカソードから剥離した。実施例3及び比較例4の詳細を以下の表3に示す。
Figure 0007334095000003

Claims (3)

  1. 錫を含有するアルカリ性の電解液からカソードに錫を電着させる錫の電解採取方法であって、
    アノード材質をNiとし、カソード材質をTiとし、このカソードの表面粗さRzを5μm~50μmとすることを特徴とする錫の電解採取方法。
  2. 錫を含有するアルカリ性の電解液からカソードに錫を電着させる錫の電解採取方法であって、
    アノード材質をステンレス鋼とし、カソード材質をTiとし、このカソードの表面粗さRzを30μm~50μmとすることを特徴とする錫の電解採取方法。
  3. 金、錫、チタン及びニッケルから選ばれた少なくとも1種の金属、又はそれらを銅の母材にメッキして成るブスバー及びクロスバーの少なくともいずれかを使用することを特徴とする請求項1または2に記載の錫の電解採取方法。
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