JP2014007194A - 太陽電池素子およびその製造方法 - Google Patents

太陽電池素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体基板の反りを抑制させ、かつ良好な特性を得られる太陽電池素子およびその製造方法を得ること。
【解決手段】半導体基板であるシリコン基板1と、前記半導体基板の受光面側に形成された集電電極2であって、互いに直交するバス電極3およびグリッド電極4と、前記半導体基板の裏面側に形成された裏面電極5と、を有し、バス電極3は、グリッド電極4に対し、受光面に垂直な法線方向における厚みを増大させて形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池素子およびその製造方法に関する。
従来の太陽電池は、多結晶シリコンもしくは単結晶シリコンのp型シリコン基板の面全体にn型の拡散層が形成され、受光面側の表面に微小な凹凸が設けられている。微小な凹凸上には反射防止膜が形成され、その上に櫛形状の受光面側電極が設けられている。p型シリコン基板の裏面全体には、裏面電極が設けられている。このような太陽電池においては、受光面側の表面に設けた微小な凹凸により、外部から太陽電池に入射する光の反射を抑えて光を太陽電池内に閉じ込め、光を電気に変換する光電変換効率を向上させている。
このような従来の太陽電池の製造方法について説明する。まず、p型多結晶シリコン基板の表面に微小凹凸を形成する。微小凹凸の形成には、例えばアルカリ溶液とアルコールとの混合液やフッ酸と硝酸との混酸溶液によるウェットエッチングプロセス、または反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)法によるドライエッチングプロセスを用いる。
次に、例えばオキシ塩化リン(POCl)ガス中での気相拡散法によりp型多結晶シリコン基板の表面にリンを拡散してn型拡散層を形成する。次に、p型多結晶シリコン基板をフッ化水素に浸して、リンの拡散工程において表面に形成された酸化膜を除去する。その後、p型多結晶シリコン基板の受光面側の表面(n型拡散層の表面)に、反射防止膜として窒化シリコン膜をプラズマ化学的気相成長(プラズマCVD)法により形成する。
次に、p型多結晶シリコン基板の受光面側の表面に、ガラス成分を含む銀ペーストを用いた印刷法により、櫛形状にパターン化した受光面側電極の電極パターンを形成する。そして、パターン形成した銀ペーストを例えば200℃で乾燥した後に例えば700℃〜800℃で焼成することにより、銀ペースト中のガラス成分によって反射防止膜が除去されて(ファイヤースルー)、受光面側電極とn型拡散層との間で電気的な導通が得られる。
次に、アルミニウムペーストを用いた印刷法により、p型多結晶シリコン基板の裏面のほぼ全面に裏面電極の電極パターンを形成し、また銀ペーストを用いた印刷法によりp型多結晶シリコン基板の裏面の一部に外部取り出し電極の電極パターンを形成する。そして、電極パターンを例えば200℃で乾燥した後に例えば700〜800℃で焼成して裏面電極を形成する。以上のようにして、太陽電池が完成する。
集電電極である受光面側電極は、複数本の太いバス電極と数十本の細いグリッド電極とを直交させた櫛形をなす。一般に、受光面側電極の面積は、裏面全体に形成される裏面電極の面積に比べて小さい。シリコン基板への密着力は、受光面側電極に比べ裏面電極のほうが強い。
電極形成後の焼成工程の後に基板が冷却されたとき、裏面一面に形成されたアルミニウム電極の残留応力によって、裏面側を内側として基板が反ってしまうことが課題となっている。基板の反りが大きいと、焼成後の運搬の際やモジュールの組み立てにおいて引き出し電極を接着する際における、基板の破損、接着強度の不十分などの不具合が発生することとなる。
そこで、従来、焼成後の基板の反りを低減させるために、裏面電極を分割する方法、電極材料の成分を変える方法、焼成後に冷却する方法などが提案されている(例えば、特許文献1から3参照)。
特開2001−313402号公報 特開2002−217435号公報 特開2005−183457号公報
焼成後の冷却による基板の反りを低減させるために、裏面電極の材料として、残留応力の小さいアルミニウムペーストを採用した場合、ペーストの密着力が低下し、シリコン基板との接合面におけるBSF(Back Surface Field)層の十分な形成が困難となる。
裏面電極とするアルミニウム膜を薄くすることで残留応力を低減させることとした場合、アルミニウム膜の表面上に突起物ができやすくなり、モジュールの組み立てにおける破損が発生しやすくなる。BSF層の不十分な形成やアルミニウム膜の破損は、太陽電池素子の変換効率を劣化させる原因となり得る。
このほか、アルミニウムペーストを塗布しない部分をスリット状に設け、応力を緩和することで反りを抑える方法がある。この場合、アルミニウムペーストを塗布しないスリットの部分にはBSF層が形成されないため、太陽電池素子の特性を劣化させることとなる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、半導体基板の反りを抑制させ、かつ良好な特性を得られる太陽電池素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、半導体基板と、前記半導体基板の受光面側に形成された集電電極であって、互いに直交するバス電極およびグリッド電極と、前記半導体基板の裏面側に形成された裏面電極と、を有し、前記バス電極は、前記グリッド電極に対し、前記受光面に垂直な法線方向における厚みを増大させて形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、太陽電池素子は、受光面側の集電電極の引っ張り応力を増加させることで、裏面電極の残留応力による半導体基板の反りを低減させる。裏面電極は、BSF層を十分に形成可能な材料および形状を採用可能とする。また、バス電極およびグリッド電極のうちバス電極のみに厚みを持たせ、グリッド電極の方向への引っ張り応力を緩和させることで、バス電極とグリッド電極との接続部における断線を抑制させる。これにより、太陽電池素子は、半導体基板の反りを抑制させ、かつ良好な特性を得ることが可能となるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池素子の受光面側における平面図である。 図2は、図1に示す線分AA’における太陽電池素子の断面図である。 図3は、集電電極形成工程のうちの第1印刷工程について説明する要部断面図である。 図4は、集電電極形成工程のうちの第2印刷工程について説明する要部断面図である。 図5は、受光面のうちの周辺部について、バス電極の厚みを増大させた構成例を示す断面図である。 図6は、実施の形態の変形例にかかる太陽電池素子の受光面側における平面図である。
以下に、本発明にかかる太陽電池素子およびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態にかかる太陽電池素子の受光面側における平面図である。図2は、図1に示す線分AA’における太陽電池素子の断面図である。太陽電池素子は、半導体基板として、p型の単結晶もしくは多結晶のシリコン基板(以下、単に「シリコン基板」と称する)1を用いる。半導体基板は、n型のシリコン基板であっても良い。
シリコン基板1の受光面側の表面には、光利用率を向上させるためのテクスチャー構造として微小凹凸(図示省略)が10μm程度の深さで形成されている。微小凹凸は、受光面において外部から太陽電池素子に入射する光を吸収する面積を増加し、受光面における反射を抑え、光を閉じ込める光閉じ込め効果を有する。
微小凹凸には、0.2μm程度の厚みをなすn型拡散層(図示省略)が形成され、PN接合部を形成している。n型拡散層の上には、反射防止膜(図示省略)が形成されている。反射防止膜は、受光面における反射を抑え、光利用率の向上に寄与する。反射防止膜は、シリコン窒化膜(SiN膜)、シリコン酸化膜(SiO膜)や酸化チタン膜(TiO)膜などの、透光性を有する絶縁膜からなる。
反射防止膜には、開口が形成されている。複数本の太いバス電極3と多数本の細いグリッド電極4とは、反射防止膜に形成された開口に設けられている。バス電極3およびグリッド電極4は、シリコン基板1の受光面側に形成された集電電極2である。バス電極3およびグリッド電極4は、互いに直交する。バス電極3およびグリッド電極4は、銀材料により構成されている。
グリッド電極4は、所定の幅および間隔で略平行に配置され、シリコン基板1の内部で発電した電気を集電する。バス電極3は、所定の幅を有するとともに太陽電池素子1つ当たりに例えば5本配置されている。バス電極3は、グリッド電極4で集電した電気を外部に取り出す。なお、バス電極3は、太陽電池素子1つ当たりに5本である場合に限られず、複数、例えば3本以上であれば良いものとする。バス電極3は、互いに均等な間隔を設けて配置されている。
シリコン基板1のうち、受光面側とは反対の裏面側の表面には、裏面全体に形成されたアルミニウム電極7と、外部取り出し電極である銀電極6とが形成されている。銀電極6およびアルミニウム電極7は、裏面電極5を構成する。
シリコン基板1のうちアルミニウム電極7が設けられた部分には、電極形成時の焼成によるアルミニウムとシリコンとの合金層と、アルミニウム拡散による高濃度不純物を含んだp+層(BSF層)(いずれも図示省略)が形成されている。p+層は、BSF効果を得るために設けられ、p型層(シリコン基板1)中の電子が消滅しないようにバンド構造の電界でp型層の電子濃度を高めるようにする。
次に、実施の形態にかかる太陽電池素子の製造方法について説明する。まず、シリコン基板1として例えば数百μm厚のp型単結晶シリコン基板を用意し、基板洗浄を行う。p型単結晶シリコン基板は、溶融したシリコンを冷却固化してできたインゴットをワイヤーソーでスライスして製造するため、表面にスライス時のダメージが残っている。そこで、p型単結晶シリコン基板をフッ酸などの酸または加熱したアルカリ溶液中、例えば水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して表面をエッチングすることにより、p型単結晶シリコン基板の切り出し時に発生しp型単結晶シリコン基板の表面近くに存在するダメージ領域を取り除く。その後、p型単結晶シリコン基板を純水で洗浄する。
ダメージ除去に続いて、例えば水酸化ナトリウムとイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶液にp型単結晶シリコン基板を浸漬して該p型単結晶シリコン基板の異方性エッチングを行ない、p型単結晶シリコン基板の受光面側の表面に10μm程度の深さの微小凹凸からなるテクスチャー構造を形成する。
このようなテクスチャー構造をp型単結晶シリコン基板の受光面側に設けることで、太陽電池素子の受光面側で光の多重反射を生じさせ、太陽電池素子に入射する光を効率的にシリコン基板1の内部に吸収させることができ、実効的に反射率を低減して変換効率を向上させることができる。アルカリ溶液で、ダメージ層の除去およびテクスチャー構造の形成を行う場合は、アルカリ溶液の濃度をそれぞれの目的に応じた濃度に調整し、連続処理をする場合がある。また、RIEなどドライエッチングプロセスでp型単結晶シリコン基板の表面に1〜3μm程度の深さの微小凹凸を形成してもよい。
次に、拡散処理を行ってシリコン基板1にpn接合を形成する。すなわち、リン(P)等のV族元素をシリコン基板1に拡散等させて数百nm厚のn型不純物拡散層を形成する。ここでは、表面にテクスチャー構造を形成したp型単結晶シリコン基板に対して、オキシ塩化リン(POCl)ガス中で気相拡散法により高温で熱拡散によりリンを拡散させてpn接合を形成する。これにより、p型単結晶シリコンからなるシリコン基板1と、該シリコン基板1の受光面側に形成されたn型不純物拡散層とによるpn接合が構成される。
このときの拡散させるリン濃度は、オキシ塩化リン(POCl)ガスの濃度および温度雰囲気、加熱時間により制御することが可能である。シリコン基板1の表面に形成されたn型不純物拡散層のシート抵抗は、例えば40〜60Ω/□とする。
ここで、n型不純物拡散層の形成直後の表面には拡散処理中に表面に堆積したガラス質(燐珪酸ガラス、PSG:Phospho-Silicate Glass)層が形成されているため、該リンガラス層を、フッ酸溶液等を用いて除去する。
次に、印刷法により裏面電極5を形成する。印刷は、電極材料を含むペーストをスキージによって印刷マスクに押し込み、マスクの開口部を通過させてパターンを転写することにより行う。印刷マスクは、金属メッシュ上に、写真製版法によって電極形状が取り抜かれた樹脂膜のパターンがマスクとして形成されている。
まず、シリコン基板1の裏面に、外部との導通を取るための取り出し電極である銀電極6を印刷する。銀電極6は、電極材料である銀粒子を含むペーストを印刷することにより形成する。印刷された銀電極6が乾燥した後、銀電極6の領域を除いた裏面全体を覆うアルミニウム電極7を印刷する。アルミニウム電極7は、電極材料であるアルミニウム粒子を含むペーストを印刷することにより形成する。
印刷されたアルミニウム電極7は、乾燥炉において例えば180℃で5分間乾燥させる。このとき、シリコン基板1には、アルミニウム電極7の残留応力による反りは生じていない。
次に、印刷法によりバス電極3およびグリッド電極4を形成する(集電電極形成工程)。バス電極3およびグリッド電極4は、電極材料である銀粒子を含むペーストを印刷することにより形成する。バス電極3およびグリッド電極4についても、印刷されたペーストを乾燥させる。
集電電極2および裏面電極5の印刷を終えると、次にシリコン基板1の表裏面の電極焼成を行う。焼成は、例えば赤外線加熱炉を用いて750〜800℃以上で行う。電極焼成により、シリコン基板1の受光面側では、集電電極2のガラス成分が溶融し、反射防止膜を侵食しシリコン基板1に達する。
また、シリコン基板1の裏面側では、アルミニウム電極7のアルミニウムとシリコン基板1とが溶融して、シリコン基板1の裏面の表層にアルミニウムとシリコンとの合金層が形成される。合金層の下部領域には、アルミニウムが拡散されたp+層(BSF層)が形成される。以上の工程を実施することにより、本実施の形態にかかる太陽電池素子が得られる。
焼成工程では、温度上昇により電極材料のガラス成分が溶融し、シリコン基板1と反応する。焼成の後の冷却においては、熱膨張率2.55×10−6/Kのシリコンに対し、熱膨張率の高い銀(18.9×10−6/K)およびアルミニウム(23×10−6/K)が大きく収縮し、シリコン基板1を引っ張る応力が加わる。
裏面側の裏面電極5は、受光面側における集電電極2に対して広い領域を占めて設けられている。この場合、裏面側の裏面電極5と受光面側の集電電極2とでは、裏面電極5のほうがシリコン基板1を引っ張る応力が強くなることで、焼成後のシリコン基板1は、裏面側を内側として反った形状となる。
シリコン基板1の反りを低減させるために、アルミニウム電極7の材料として、残留応力の小さいアルミニウムペーストを採用した場合、ペーストの密着力が低下し、BSF層の十分な形成が困難となる。アルミニウム電極7を薄くすることで残留応力を低減させることとした場合、アルミニウム電極7の表面上に突起物ができやすくなり、モジュールの組み立てにおける破損が発生しやすくなる。BSF層の不十分な形成やアルミニウム電極7の破損は、太陽電池素子の変換効率を劣化させる原因となり得る。
本発明の太陽電池素子では、裏面電極5の残留応力を低減させることに代えて、集電電極2による引っ張り応力の強度を増加させることで、シリコン基板1の反りを低減させることとしている。
太陽電池素子は、集電電極2の厚さを増大させることにより、集電電極2による引っ張り応力の強度を増加させる。ただし、バス電極3およびグリッド電極4の双方について一律に厚さを増大させる場合、バス電極3とグリッド電極4との接続部が焼成後に断線することがあり得る。
そこで本発明の太陽電池素子は、図2に示すように、バス電極3およびグリッド電極4のうちバス電極3のみについて厚みを増大させる。グリッド電極4は、例えば、通常設けられる一般的な集電電極と同等の厚みを持たせて形成されている。バス電極3は、グリッド電極4に対し、受光面に垂直な法線方向における厚みを増大させて形成されている。
太陽電池素子は、バス電極3に厚みを持たせ、グリッド電極4については引っ張り応力を緩和させることで、バス電極3による引っ張り応力の強度を増加させるとともに、バス電極3とグリッド電極4との接続部における断線を抑制させる。
また、太陽電池素子は、バス電極3およびグリッド電極4の電極材料に含有するガラス成分を増やすことで、厚みを持たせたバス電極3を、シリコン基板1に対し強固に密着させることができる。
図3および図4は、集電電極形成工程の詳細について説明する要部断面図である。図3に示す第1印刷工程では、バス電極3を形成する領域とグリッド電極4を形成する領域との双方に対し、電極材料であるペーストを印刷する。これにより、バス電極3を形成する領域とグリッド電極4を形成する領域とに、電極材料層を形成する。
次に、図4に示す第2印刷工程では、第1印刷工程により形成された電極材料層のうち、バス電極3を形成する領域に対し、さらに電極材料であるペーストを印刷する。これにより、バス電極3を形成する領域において、電極材料層の上に電極材料を上乗せする。集電電極形成工程では、このようにして、厚みを増大させたバス電極3を形成する。
太陽電池素子は、バス電極3の全体について厚みを増大させるほか、バス電極3のうちの一部について厚みを増大させることとしても良い。図5は、受光面のうちの周辺部について、バス電極の厚みを増大させた構成例を示す断面図である。図示する断面は、図2に示す断面に垂直であって、かつバス電極3の長手方向に沿う断面とする。
バス電極3のうち受光面の中心部8に含まれる部分は、例えば、グリッド電極4と同等の厚みを持たせて形成されている。バス電極3のうち受光面の周辺部9に含まれる部分は、グリッド電極4に対し、受光面に垂直な法線方向における厚みを増大させて形成されている。
バス電極3の引っ張り応力の強度が、バス電極3とシリコン基板1との接合力より強まった場合、バス電極3がシリコン基板1から剥離してしまう可能性がある。太陽電池素子は、バス電極3のうち周辺部9のみについて厚みを増大させることで、周辺部9における引っ張り応力の強度を増大させる。また、太陽電池素子は、バス電極3のうち中心部8についてはグリッド電極4と同等の厚みとすることで、シリコン基板1からのバス電極3の剥離を抑制させる。
図5に示すバス電極3は、例えば、図4に示す第2印刷工程において、バス電極3を形成する領域のうち周辺部9に含まれる部分のみに対し、電極材料層の上に電極材料を上乗せすることにより形成される。
本発明の太陽電池素子は、バス電極3を複数本、例えば3本以上とし、受光面における間隔を均等に配分することで、バス電極3による引っ張り応力をシリコン基板1の全体に均一化させる。よって、太陽電池素子は、シリコン基板1の全体について反りを低減させることができる。
図6は、実施の形態の変形例にかかる太陽電池素子の受光面側における平面図である。本変形例において、バス電極3は、受光面のうちの中心部8に対し、受光面のうちの周辺部9において幅を拡大させて形成される。ここで、バス電極3の幅とは、受光面に平行かつバス電極3の長手方向に垂直な方向における幅とする。
図示する例では、5本のバス電極3のうちの2本は、全体が周辺部9に含まれている。かかる2本のバス電極3は、全体について幅を拡大させて形成されている。他の3本のバス電極3は、中心部8に含まれる部分に対し、周辺部9に含まれる部分において幅を拡大させて形成されている。
太陽電池素子は、バス電極3のうち周辺部9のみについて幅を拡大させ、面積を増大させることで、周辺部におけるバス電極3とシリコン基板1との接合力の強度を増大させる。これにより、太陽電池素子は、周辺部9における引っ張り応力の強度を増大させる。
バス電極3およびグリッド電極4は、ガラス成分の含有率を同じとする電極材料を用いて形成するほか、電極材料におけるガラス成分の含有率を異ならせることとしても良い。例えば、バス電極3は、グリッド電極4に対し、ガラス成分の含有率を高くして構成されたものであっても良い。
電極材料におけるガラス成分の含有率は、電極の接合強度に大きな関わりを持つ。ガラス成分を多くするほど、電極の接合強度を高められる一方、シリコン基板1と電極との界面にガラス成分が広く分布するようになることで、シリコン基板1と電極の間の電気抵抗を高めることにもなる。電気抵抗の増加は、発生させた電力の取り出し効率を悪化させる原因となり得る。
本発明の太陽電池素子は、例えば、グリッド電極4の形成には、ガラス成分の含有率を2〜5%とした銀ペーストを使用し、バス電極3の形成には、ガラス成分の含有率を5〜8%とした銀ペーストを使用する。これにより、太陽電池素子は、グリッド電極4についてはシリコン基板1との接合強度を保ちつつ電気抵抗の増加を抑制させることとし、バス電極3についてはシリコン基板1との接合強度を高めることとする。太陽電池素子は、このようにしてバス電極3とグリッド電極4とでガラス成分の含有率を異ならせることで、シリコン基板1の反りを効果的に抑制させるとともに、良好な特性を得ることができる。
電極を焼成する工程において、前段として例えば15〜30秒間、ガラスの軟化点である400〜550℃の温度領域で焼成してから、750〜800℃の焼成を実施することとしても良い。これにより、電極を焼成する工程の前段にてガラス成分を軟化させる反応を十分に取ることにより、ガラス成分による密着性を高めることができる。
本実施の形態で説明する条件にしたがって作製された太陽電池素子について、検証を行った。バス電極3の幅1.0mm、スクリーンメッシュの線径20μm、メッシュ数290、乳剤の厚さ20μmの印刷マスクを使用して銀ペーストを印刷した。この1回目の印刷(第1印刷工程)により、厚さ15μmの電極材料層が形成された。
次の2回目の印刷(第2印刷工程)により、バス電極3を形成する領域に対しさらに銀ペーストを重ねて印刷することで、バス電極3となる電極材料層の厚さを25μmとすることができた。1回目の印刷のみを行ってから焼成を実施した場合、シリコン基板1の周辺部の4点から観測されたシリコン基板1の反り量の平均値は2.8mmであった。これに対し、1回目および2回目の印刷を経てから焼成を実施した場合の、シリコン基板1の周辺部の4点から観測されたシリコン基板1の反り量の平均値は2.6mmであった。これにより、太陽電池素子は、本実施の形態により作製することで、シリコン基板1の反り量を0.2mm低減させることができた。
1 シリコン基板
2 集電電極
3 バス電極
4 グリッド電極
5 裏面電極
6 銀電極
7 アルミニウム電極
8 中心部
9 周辺部

Claims (6)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の受光面側に形成された集電電極であって、互いに直交するバス電極およびグリッド電極と、
    前記半導体基板の裏面側に形成された裏面電極と、を有し、
    前記バス電極は、前記グリッド電極に対し、前記受光面に垂直な法線方向における厚みを増大させて形成されていることを特徴とする太陽電池素子。
  2. 前記バス電極は、前記受光面のうちの周辺部において、前記グリッド電極に対し前記厚みを増大させて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池素子。
  3. 前記バス電極は、前記受光面のうちの中心部に対し、前記受光面のうちの周辺部において、前記受光面に平行かつ前記バス電極の長手方向に垂直な方向における幅を拡大させて形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池素子。
  4. 前記バス電極は、3本以上設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の太陽電池素子。
  5. 前記バス電極は、前記グリッド電極に対し、ガラス成分の含有率を高くして構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の太陽電池素子。
  6. 半導体基板の受光面側に、集電電極として、互いに直交するバス電極およびグリッド電極を形成する集電電極形成工程を含み、
    前記集電電極形成工程は、
    前記バス電極を形成する領域と前記グリッド電極を形成する領域との双方に対し電極材料を印刷し、前記バス電極および前記グリッド電極を構成する電極材料層を形成する第1印刷工程と、
    前記第1印刷工程により形成された前記電極材料層のうち、前記バス電極を形成する領域に対しさらに前記電極材料を印刷し、前記バス電極を構成する電極材料層を形成する第2印刷工程と、を含むことを特徴とする太陽電池素子の製造方法。
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