JP5349523B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池の製造方法に関するものである。
従来の太陽電池は、多結晶シリコンもしくは単結晶シリコンのp型シリコン基板の面全体にn型の拡散層が形成され、受光面側の表面の微小な凹凸が設けられている。また、微小な凹凸上には反射防止膜が形成され、その上に櫛形状に受光面側電極が設けられている。また、p型シリコン基板の裏面には、裏面全体に電極が設けられている。このような太陽電池においては、受光面側の表面に設けた微小な凹凸により、外部から太陽電池に入射する光の反射を抑えて光を太陽電池内に閉じ込め、光を電気に変換する光電変換効率を向上させている。
このような従来の太陽電池の製造方法について説明する。まず、p型多結晶シリコン基板の表面に微小凹凸を形成する。微小凹凸の形成には、例えばアルカリ溶液とアルコールとの混合液やフッ酸と硝酸との混酸溶液によるウェットエッチングプロセス、または反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法によるドライエッチングプロセスを用いることができる。
つぎに、例えばオキシ塩化リン(POCl)ガス中での気相拡散法によりp型多結晶シリコン基板の表面にリンを拡散してn型拡散層を形成する。つぎに、p型多結晶シリコン基板をフッ化水素に浸して、リンの拡散工程において表面に形成された酸化膜を除去する。その後、p型多結晶シリコン基板の受光面側の表面(n型拡散層の表面)に、反射防止膜として窒化シリコン膜をプラズマ化学的気層成長(プラズマCVD)法により形成する。
つぎに、p型多結晶シリコン基板の受光面側の表面に、ガラス成分を含む銀ペーストを用いた印刷法により、櫛形状にパターン化した受光面側電極の電極パターンを形成する。そして、パターン形成した銀ペーストを例えば200℃で乾燥した後に例えば700℃〜800℃で焼成することにより、銀ペースト中のガラス成分によって反射防止膜が除去されて(ファイヤースルー)、受光面側電極とn型拡散層との間で電気的な導通が得られる。
つぎに、アルミニウムペーストを用いた印刷法により、p型多結晶シリコン基板の裏面のほぼ全面に裏面電極の電極パターンを形成し、また銀ペーストを用いた印刷法によりp型多結晶シリコン基板の裏面の一部に外部取り出し電極の電極パターンを形成する。そして、電極パターンを例えば200℃で乾燥した後に例えば700℃〜800℃で焼成して裏面側電極を形成する。以上のようにして、太陽電池が完成する。
また、シリコン基板を透過する1000nm以上の長波長の光を有効に利用するために裏面のp+層であるBSF(Back Surface Field)を部分的に配置し、その上に設けられたBSR(Back Surface Reflector)で光反射して取りこむ構造を有する構造も提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、シリコン基板の裏面の全面に設けられたアルミニウム電極を焼成してBSFを形成した後に塩酸エッチングでアルミニウム電極のみを除去し、その上にBSRを設けて、透過する光をBSRで全面反射して光電変換効率を向上させる方法も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
一方、シリコン基板の裏面全面に形成された裏面パッシベーション膜に部分的にアルミニウム電極を有してシリコン基板と電気的コンタクトを取る構造の太陽電池がある。このような構成では、シリコン基板の裏面における電極とシリコン基板との電気的コンタクトは局所的であるため抵抗が大きく、太陽電池の特性劣化の大きな要因となっていた。
特開平1−179373号公報 特開平5−129640号公報
しかしながら、p型結晶シリコン基板では、裏面のp+層を形成する上ではアルミニウム電極は必要不可欠であり、エッチングによるアルミニウム電極除去などが考えられたが、良好な太陽電池特性を実現することが難しかった。
すなわち、従来の技術では、半導体基板の裏面全面にパッシベーション膜を形成し、その中において部分的にアルミニウム層を形成した後に、エッチングによりアルミニウム層を除去していた。しかしながら、このような方法では、アルミニウム層を除去すると同時に受光面側の反射防止膜や裏面パッシベーション膜のエッチングによる膜減りも起こり、太陽電池の特性劣化を引き起こしていた。また、膜除去後の十分な洗浄工程も必要なので、アルミニウム層の剥離工程でのプロセス数が多くなり、時間とコストがかかる、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、基板の裏面にパッシベーション膜を有する光電変換効率に優れた太陽電池を簡略な工程で安価に製造できる太陽電池の製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池の製造方法は、第1導電型の受光面側に第2導電型の不純物拡散層を有する半導体基板の受光面と反対側の面にパッシベーション膜を有する太陽電池の製造方法であって、前記半導体基板の受光面と反対側の面にパッシベーション膜を形成する第2工程と、前記パッシベーション膜に複数の開口部を設ける第3工程と、前記開口部内にアルミニウムを含むアルミニウム層を形成する第4工程と、前記アルミニウム層上にアルミニウムよりも熱膨張率が小さい金属を含む剥離層を形成する第5工程と、前記アルミニウム層と前記剥離層とを同時に焼成して、前記アルミニウム層と前記半導体基板との合金層を形成する第6工程と、前記焼成した前記アルミニウム層と前記剥離層とを冷却することにより前記剥離層を前記半導体基板の裏面から剥離させる第7工程と、前記開口部内を埋めるように前記半導体基板の裏面側に導電性の反射膜を形成する第8工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、基板の裏面にパッシベーション膜を有する光電変換効率に優れた太陽電池を簡略な工程で安価に得ることができる、という効果を奏する。
図1−1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの構成を説明するための要部断面図である。 図1−2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルを受光面側から見た平面図である。 図1−3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルを受光面と反対側(裏面側)から見た平面図である。 図2−1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−4は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−5は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−6は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−7は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−8は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図2−9は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。 図3は、本発明の実施の形態3にかかる太陽電池セルの構成を説明するための要部断面図である。
以下に、本発明にかかる太陽電池の製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1−1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの構成を説明するための図であり、図1−1は太陽電池セルの要部断面図、図1−2は太陽電池セルを受光面側から見た平面図、図1−3は太陽電池セルを受光面と反対側(裏面側)から見た平面図である。図1−1は、図1−2および図1−3の線分A−A’における要部断面図である。
実施の形態1にかかる太陽電池セルにおいては、第1の導電型の半導体基板1であるp型単結晶シリコン基板の受光面側にリン拡散によって第2の導電型のn型不純物拡散層2が厚み0.2μm程度で形成されて、pn接合を有する太陽電池基板が形成されている。また、n型不純物拡散層2上には、シリコン窒化膜(SiN膜)からなる反射防止膜3が形成されている。なお、第1の導電型の半導体基板1としてはp型単結晶のシリコン基板に限定されず、p型多結晶のシリコン基板やn型の多結晶のシリコン基板、n型の単結晶シリコン基板を用いてもよい。
また、半導体基板1の受光面側の表面には、光利用率を向上させるためのテクスチャー構造として微小凹凸2aが10μm程度の深さで形成されている。微小凹凸2aは、受光面において外部から太陽電池セルに入射する光を吸収する面積を増加し、受光面における反射率を抑え、光を閉じ込める光閉じ込め効果を有する。
反射防止膜3は、シリコン窒化膜(SiN膜)、シリコン酸化膜(SiO膜)や酸化チタン膜(TiO)膜などの透光性を有する絶縁膜からなる。また、半導体基板1の受光面側には、長尺細長の表銀グリッド電極4aが複数並べて設けられ、この表銀グリッド電極4aと導通する太い表銀バス電極4bが該表銀グリッド電極4aと略直交するように設けられており、それぞれ底面部においてn型不純物拡散層2に電気的に接続している。表銀グリッド電極4aおよび表銀バス電極4bは銀材料により構成されている。表銀グリッド電極4aおよび表銀バス電極4bは、反射防止膜3に囲まれて形成されている。
表銀グリッド電極4aは、所定の幅および間隔で略平行に配置され、半導体基板1の内部で発電した電気を集電する。また、表銀バス電極4bは、所定の幅を有するとともに太陽電池セル1枚当たりに例えば2本〜4本配置され、表銀グリッド電極4aで集電した電気を外部に取り出す。そして、表銀グリッド電極4aと表銀バス電極4bとにより第1電極である受光面側電極4が構成される。受光面側電極4は、半導体基板1に入射する太陽光を遮ってしまうため、可能なかぎり面積を小さくすることが発電効率向上の観点では好ましく、図1−2に示すような櫛型の表銀グリッド電極4aとバー状の表銀バス電極4bとして配置してするのが一般的である。
一方、半導体基板1の受光面と反対側の面(裏面)には、全体に裏面パッシベーション膜5としてシリコン窒化膜(SiN)やシリコン酸化膜(SiOx)などが設けられており、その一部に複数の開口部5aがある。裏面パッシベーション膜5は、半導体基板1の裏面の表面におけるキャリアの再結合を抑制するパッシベーション効果を有する。
裏面パッシベーション膜5およびその開口部5aの上には、半導体基板1を透過する1000nm以上の波長の光を反射する層として、導電性の反射膜層7が形成されている。反射膜層7としては、例えば銀(Ag)膜などが形成される。
また、半導体基板1の裏面側における裏面パッシベーション膜5の開口部5aの下部領域には、電極形成時の焼成によるアルミニウム(Al)とシリコン(Si)との合金層(Al−Si合金層)6が形成され、さらにその下部領域にはアルミニウム拡散による高濃度不純物を含んだp+層(BSF(Back Surface Field))8が形成されている。p+層(BSF)8は、BSF効果を得るために設けられ、p型層(半導体基板1)中の電子が消滅しないようにバンド構造の電界でp型層(半導体基板1)の電子濃度を高めるようにする。なお、図1−3においては、反射膜層7の一部を透過して合金層(Al−Si合金層)6を示している。
このように構成された太陽電池セルでは、太陽光が太陽電池セルの受光面側から半導体基板1のpn接合面(半導体基板1とn型不純物拡散層2との接合面)に照射されると、ホールと電子が生成する。pn接合部の電界によって、生成した電子はn型不純物拡散層2に向かって移動し、ホールはp+層に向かって移動する。これにより、n型不純物拡散層2に電子が過剰となり、p+層にホールが過剰となる結果、光起電力が発生する。この光起電力はpn接合を順方向にバイアスする向きに生じ、n型不純物拡散層2に接続した受光面側電極4がマイナス極となり、p+層に接続した導電性の反射膜層7がプラス極となって、外部回路に電流が流れる。
つぎに、実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法について図面に沿って説明する。図2−1〜図2−9は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を説明するための断面図である。
まず、半導体基板1として例えば数百μm厚のp型単結晶シリコン基板を用意し、基板洗浄を行う。p型単結晶シリコン基板は、溶融したシリコンを冷却固化してできたインゴットをワイヤーソーでスライスして製造するため、表面にスライス時のダメージが残っている。そこで、p型単結晶シリコン基板をフッ酸などの酸または加熱したアルカリ溶液中、例えば水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して表面をエッチングすることにより、シリコン基板の切り出し時に発生してp型単結晶シリコン基板の表面近くに存在するダメージ領域を取り除く。その後、純水で洗浄する(図2−1)。
ダメージ除去に続いて、例えば水酸化ナトリウムとイソプロピルアルコール(IPA)との混合溶液にp型単結晶シリコン基板を浸漬して該p型単結晶シリコン基板の異方性エッチングを行ない、p型単結晶シリコン基板の受光面側の表面に10μm程度の深さで微小凹凸2aを形成してテクスチャー構造を形成する(図2−2)。
このようなテクスチャー構造をp型単結晶シリコン基板の受光面側に設けることで、太陽電池セルの表面側で光の多重反射を生じさせ、太陽電池セルに入射する光を効率的に半導体基板1の内部に吸収させることができ、実効的に反射率を低減して変換効率を向上させることができる。アルカリ溶液で、ダメージ層の除去およびテクスチャー構造の形成を行う場合は、アルカリ溶液の濃度をそれぞれの目的に応じた濃度に調整し、連続処理をする場合がある。また、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)などドライエッチングプロセスでp型単結晶シリコン基板の表面に1μm〜3μm程度の深さの微小凹凸2aを形成してもよい。
つぎに、拡散処理を行って半導体基板1にpn接合を形成する。すなわち、リン(P)等のV族元素を半導体基板1に拡散等させて数百nm厚のn型不純物拡散層2を形成する(図2−2)。ここでは、表面にテクスチャー構造を形成したp型単結晶シリコン基板に対して、オキシ塩化リン(POCl)ガス中で気相拡散法により高温で熱拡散によりリンを拡散させてpn接合を形成する。これにより、第1導電型層であるp型単結晶シリコンからなる半導体基板1と、該半導体基板1の受光面側に形成された第2導電型層であるn型不純物拡散層2と、によりpn接合が構成されたシリコン基板が得られる。
このときの拡散させるリン濃度は、オキシ塩化リン(POCl)ガスの濃度および温度雰囲気、加熱時間により制御することが可能である。半導体基板1の表面に形成されたn型不純物拡散層2のシート抵抗は、例えば40Ω/□〜60Ω/□とする。
ここで、n型不純物拡散層2の形成直後の表面には拡散処理中に表面に堆積したガラス質(燐珪酸ガラス、PSG:Phospho-Silicate Glass)層が形成されているため、該リンガラス層をフッ酸溶液等を用いて除去する。
なお、図中における記載は省略しているが、n型不純物拡散層2は半導体基板1の全面に形成される。そこで、半導体基板1の裏面等に形成されたn型不純物拡散層2の影響を取り除くために、半導体基板1の受光面側のみにn型不純物拡散層2を残して、それ以外の領域のn型不純物拡散層2を除去する。
つぎに、光電変換効率改善のために、半導体基板1の受光面側の一面、すなわちn型不純物拡散層2上に反射防止膜3を一様な厚みで形成する(図2−3)。反射防止膜3の膜厚および屈折率は、光反射を最も抑制する値に設定する。反射防止膜3の形成は、例えばプラズマCVD法を使用し、シラン(SiH)ガスとアンモニア(NH)ガスの混合ガスを原材料に用いて、例えば300℃以上、減圧下の条件で反射防止膜3として窒化シリコン膜を成膜形成する。反射防止膜3の屈折率は例えば2.0〜2.2程度であり、膜厚は例えば60nm〜80nm程度である。なお、反射防止膜3として、屈折率の異なる2層以上の膜を積層してもよい。また、反射防止膜3の形成方法は、プラズマCVD法の他に蒸着法、熱CVD法などを用いてもよい。なお、このようにして形成される反射防止膜3は絶縁体であることに注意すべきであり、受光面側電極4をこの上に単に形成しただけでは、太陽電池として作用しない。
つぎに、半導体基板1の裏面にパッシベーション膜5の形成を行う(図2−4)。裏面パッシベーション膜5は、反射防止膜3と同じ形成方法で同じ組成の成膜を行う。
つぎに、裏面の電極形成前に裏面電極を配置する場所に電極と同じ形状で開口部5aを設ける(図2−5)。開口部5aの形成は、半導体基板1のダメージを少なくするために、例えば裏面パッシベーション膜5だけを加工するYAG3倍波レーザー(355nm)を用いて行う。開口部5aは、例えば幅60μm〜100μm、長さ153mmのライン形状で、半導体基板1の面方向における位置を受光面側の表銀グリッド電極4aの位置と合わせるような配置にする。
ついで、スクリーン印刷によりアルミニウム層6a、電極剥離層9、受光面側電極4を印刷法により形成する(図2−6)。電極の印刷は、印刷マスSクに銀粒子またはアルミニウム粒子を含む電極ペーストをスキイジで押し込み、電極ペーストをマスクの開口部から透過させて行う。
まず、半導体基板1の裏面側(受光面と反対側)の面に、パッシベーション膜5の開口部5aに対応した開口部を有する印刷マスクを用いて、アルミニウム粉体と樹脂と有機溶剤とからなるアルミニウムペーストを印刷する。そして、印刷したアルミニウムペーストを200℃で乾燥してアルミニウム層6aを形成する。
つぎに、このアルミニウム層6aに重ねて、アルミニウムペーストの印刷マスクと同様にパッシベーション膜5の開口部5aに対応した開口部を有する印刷マスクを用いて、電極剥離層9を形成するためにペーストを積層印刷する。ここで電極剥離層9の印刷に用いられる材料は、下層のアルミニウム層6aよりも膨張率の小さい金属の粒子を含むペーストを用いる。アルミニウムの膨張率が23.9×10−6/℃なので、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム、タングステン、モリブデンなどの金属粉を用いたペーストを使用することができる。本実施の形態では、銀ペースト(膨張率19.7×10−6/℃)を使用して、重ねて印刷する場合について説明する。そして、印刷したペーストを200℃で乾燥して電極剥離層9を形成する。
つぎに、銀を含む電極材料ペーストを用いたスクリーン印刷法により、複数本の表銀グリッド電極4aと数本の表銀バス電極4bとからなる受光面側電極4を印刷する。受光面側電極4は、太陽電池セルの表面で発生した電子を集める機能を持つが、太陽光を遮断し、発電に寄与しない部分でもある。このため、できるだけ受光面側電極4の幅を細くして面積を小さくすることが好ましい。
つぎに、半導体基板1の表裏面の電極焼成を行う。焼成は、例えば赤外線加熱炉を用いて700℃〜800℃で行う。電極焼成により、半導体基板1の受光面側では、受光面側電極4が反射防止膜3をファイヤースルーして半導体基板1(n型不純物拡散層2)と電気的にコンタクトする。また、半導体基板1の裏面側では、アルミニウム層6aが半導体基板1と溶融して半導体基板1の裏面の表層にアルミニウム(Al)とシリコン(Si)との合金層(Al−Si合金層)6が形成され、さらにその下部領域にアルミニウムが拡散されたP+層(BFS層)8が形成される(図2−7)。このとき、アルミニウム層6aの上の電極剥離層9の銀もアルミニウム層6aと反応、溶融してアルミニウム層6aと接着する。
その後、高温で反応したアルミニウム層6aと銀を含む電極剥離層9とが積層された半導体基板1を一気に室温まで急冷する。これにより、金属層が収縮して、熱膨張率の差でアルミニウム層6aが電極剥離層9の銀に引っ張られる。この時、アルミニウム層6aは下部のAl−Si合金層6との密着力よりも銀との密着力の方が高いため、アルミニウム層6aがAl−Si合金層6から剥離される。その結果、半導体基板1の裏面側にAl―Si合金層6を残してアルミニウム層6aが剥がれる(図2−8)。ここで、開口部5aが長尺細長のライン状に形成されているため、アルミニウム層6aと電極剥離層9との熱膨張率の差による電極剥離層9の剥離がより容易となる。そして、アルミニウム層6aを完全に剥離するために、半導体基板1をフッ酸と純水とを1:100に混合した液に3分間浸漬した後に、純水で洗浄する。
つぎに、真空置換した水素雰囲気で半導体基板1を400℃に加熱する。そして、半導体基板1の裏面に導電性の反射膜層7の形成を行う。反射膜層7としては、半導体基板1を透過する1000nm以上の波長の光に対する反射率が90%以上の反射膜を形成する。反射膜層7の形成には、例えばスパッタリング法、蒸着法、印刷法などを用いることができる。本実施の形態では、スパッタリング法により銀膜を500nm〜1000nmの厚さで成膜する(図2−9)。
以上の工程を実施することにより、図1−1〜図1−3に示す実施の形態1にかかる太陽電池セルが得られる。
従来の技術では、半導体基板1の裏面全面にパッシベーション膜を形成し、その中において部分的にアルミニウム電極を形成した後に、エッチングのみによりアルミニウム電極を除去していた。しかしながら、このような方法では、アルミニウム電極を除去すると同時に受光面側の反射防止膜や裏面パッシベーション膜のエッチングによる膜減りも起こり、太陽電池の特性劣化を引き起こしていた。また、膜除去後の十分な洗浄工程も必要なので、アルミニウム層の剥離工程でのプロセス数が多くなり、時間とコストがかかる、という問題があった。
しかしながら、上述した実施の形態1においては、アルミニウム層6aと電極剥離層9との熱膨張率の差を利用してアルミニウム層6aを容易に且つ確実に剥離することができる。このため、アルミニウム層6aを除去するためのエッチングは必要最小限の実施で済む。また、従来の方法との違いは、アルミニウム層6aの印刷後に、電極剥離層9を形成することだけであり、簡略な工程で安価に実施可能である。
したがって、実施の形態1によれば、簡略な工程で光電変換効率に優れた太陽電池セルを容易に製造できる、という効果を奏する。
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1において説明した太陽電池セルの製造方法におけるアルミニウム層a6の剥離の具体的な例について説明する。ここでは、アルミニウム層6aと電極剥離層9を形成した半導体基板1を電極焼成の際に短時間で焼成し、室温で急冷する。これにより、熱による金属間の歪、すなわちアルミニウム層6aと電極剥離層9間の歪みを大きくし、アルミニウム層6aを剥離し易くする。
例えば、焼成炉には赤外線ランプを加熱源に用いたビーム式焼成炉を使用する。棒状のビーム2本の間に支持体を設けて太陽電池セルの半導体基板1を配置する。そして、半導体基板1を、高速で炉内の高温部を通過させることで2秒〜3秒の時間で基板温度が700℃〜800℃に達し、その後、半導体基板1を室温雰囲気に保持することでアルミニウム層6aと電極剥離層9とを急冷する焼成工程が可能である。これにより、アルミニウム層6aと電極剥離層9間の歪みを大きくし、アルミニウム層6aを剥離し易くすることができる。なお、実施の形態2は、後述する実施の形態3の場合にも適用可能である。
実施の形態3.
実施の形態3では、さらに太陽電池セルの特性を向上させる例について説明する。実施の形態3では、半導体基板1の焼成工程後、アルミニウム層6aの剥離を完全に行うためのフッ酸処理工程において、処理時間を長くする。これにより、Al−Si合金層6までエッチングを行って除去し、その上に反射膜層7を形成して電極の直列抵抗を小さくすることで太陽電池セルの特性を向上させる。図3は、このようにして形成された実施の形態3にかかる太陽電池セルの構成を説明するための要部断面図である。
ただし、エッチングにより裏面パッシベーション膜5もエッチングされるので、予め裏面パッシベーション膜5を厚く成膜する。例えば、裏面パッシベーション膜5としてシリコン窒化膜を130nm積層し、アルミニウム層6aの剥離のためのフッ酸処理工程を5分行う。この場合には、フッ酸処理後の裏面パッシベーション膜5は膜厚90nmまでエッチングされ、通常条件の80nmに近い値までエッチングされる。これにより、フッ酸処理による裏面パッシベーション膜5のエッチングに起因したパッシベーション効果の低減を防止することができる。
また、上記の実施の形態で説明した構成を有する太陽電池セルを複数形成し、隣接する太陽電池セル同士を電気的に直列または並列に接続することにより、光電変換効率に優れた太陽電池モジュールが実現できる。この場合は、隣接する太陽電池セルの一方の表銀バス電極4bと他方の反射膜層7とを電気的に接続すればよい。
以上のように、本発明にかかる太陽電池の製造方法は、基板の裏面にパッシベーション膜を有する光電変換効率に優れた太陽電池の実現に有用である。
1 半導体基板
2 n型不純物拡散層
2a 微小凹凸
3 反射防止膜
4 受光面側電極
4a 表銀グリッド電極
4b 表銀バス電極
5 裏面パッシベーション膜
5a 開口部
6a アルミニウム層
6 アルミニウム(Al)とシリコン(Si)との合金層(Al−Si合金層)
7 反射膜層
8 p+層(BSF(Back Surface Field))
9 電極剥離層

Claims (5)

  1. 第1導電型の受光面側に第2導電型の不純物拡散層を有する半導体基板の受光面と反対側の面にパッシベーション膜を有する太陽電池の製造方法であって、
    前記半導体基板の受光面と反対側の面にパッシベーション膜を形成する第2工程と、
    前記パッシベーション膜に複数の開口部を設ける第3工程と、
    前記開口部内にアルミニウムを含むアルミニウム層を形成する第4工程と、
    前記アルミニウム層上にアルミニウムよりも熱膨張率が小さい金属を含む剥離層を形成する第5工程と、
    前記アルミニウム層と前記剥離層とを同時に焼成して、前記アルミニウム層と前記半導体基板との合金層を形成する第6工程と、
    前記焼成した前記アルミニウム層と前記剥離層とを冷却することにより前記剥離層を前記半導体基板の裏面から剥離させる第7工程と、
    前記開口部内を埋めるように前記半導体基板の裏面側に導電性の反射膜を形成する第8工程と、
    を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 前記開口部の形状がライン状であること、
    を特徴とする請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記第7工程と前記第8工程との間に、前記半導体基板の裏面に残存する前記アルミニウム層をエッチング除去するエッチング工程を有すること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記エッチング工程において、前記合金層を除去すること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記第7工程では、前記半導体基板を室温雰囲気に保持することにより前記焼成したアルミニウム層と前記剥離層とを冷却すること、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の太陽電池の製造方法。
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