JP2001118425A - 導電性ペースト - Google Patents

導電性ペースト

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JP2001118425A
JP2001118425A JP29975399A JP29975399A JP2001118425A JP 2001118425 A JP2001118425 A JP 2001118425A JP 29975399 A JP29975399 A JP 29975399A JP 29975399 A JP29975399 A JP 29975399A JP 2001118425 A JP2001118425 A JP 2001118425A
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volume
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halide
surface electrode
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Takashi Omura
孝 大村
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、受光面電極を500〜650
℃で低温焼成する場合において、反射防止膜をファイア
スルーして半導体基板と受光面電極が互いにオーミック
接触し、かつ接着強度を十分に確保することが可能な受
光面電極を形成し得る導電性ペーストを提供することに
ある。 【解決手段】本発明の導電性ペーストは、半導体基板上
に電極を形成するための導電性ペーストであって、A
g,CuおよびNiのうち少なくとも1種からなる導電
性粉末と、ハロゲン化物と、有機ビヒクルと、を含有
し、前記ハロゲン化物の含有量は、前記導電性粉末10
0体積%に対して0.45〜15.38体積%であるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚膜電極の形成に
用いられる導電性ペーストに関するもので、特に多結晶
Si太陽電池のn型半導体層上にオーミック性の受光面
電極を形成するのに適した導電性ペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より結晶系Si太陽電池1は、例え
ば図1に示すように、半導体基板2、受光面電極3、反
射防止膜4、裏面電極5とからなり、半導体基板2は、
p型半導体層2a、n型半導体層2bとからなる。低コ
ストの太陽電池における受光面電極3の形成方法として
は、一般的に厚膜形成法が用いられている。この時、受
光面電極3を形成する材料としては、例えば、空気中で
焼成可能なAg粉末、ガラスフリットおよび各種添加材
料を有機ビヒクルに分散させた導電性ペーストを用いて
いる。受光面電極3は、スクリーン印刷法等により、上
記導電性ペーストをTiO2、SiO2やSiN等からな
る絶縁性の反射防止膜4上にグリッド状に塗布し乾燥さ
せた後、近赤外炉によって700〜850℃で焼成して
得られる。この時、導電性ペーストに含有されているガ
ラスフリットの作用により反射防止膜4を溶解・除去し
て、受光面電極3とn型半導体層2bの電気的接触が形
成される。これをファイアスルーという。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】多結晶Si基板を用い
た太陽電池では、半導体基板の粒界における活性なSi
未結合手が光エネルギーにより生成した電荷担体を電極
に到達する前にトラップするため、単結晶Si基板を用
いた太陽電池よりも発電特性が劣る。これを改善する目
的で半導体基板の水素処理がなされる場合がある。この
水素処理を行なった場合、粒界に入り込んだ水素がSi
の未結合手と結合し、未結合手が不活性化される。この
ように水素処理した多結晶Si太陽電池に上述のプロセ
スにより700〜850℃で焼成して受光面電極3を形
成すると、半導体基板の結晶粒界の水素が放出されるた
め太陽電池としての発電特性が劣化する。他方700℃
以下の温度で焼成するとガラスフリットによる十分なフ
ァイアスルー性が発揮されず、n型半導体層2bと受光
面電極3との間で電気的接触が得られず、さらに、n型
半導体層2bと受光面電極3の接着強度も弱く、後工程
で電極剥がれ等の不具合が生じる。
【0004】本発明の目的は、上述の問題点を解消すべ
くなされたもので、半導体基板を水素処理したことによ
り粒界に導入された水素の放出を防ぐために、受光面電
極を500〜650℃で低温焼成する場合において、反
射防止膜をファイアスルーして半導体基板と受光面電極
が互いにオーミック接触し、かつ接着強度を十分に確保
することが可能な導電性ペーストを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の導電性ペーストは、半導体基板上に電極を
形成するための導電性ペーストであって、Ag,Cuお
よびNiのうち少なくとも1種からなる導電性粉末と、
ハロゲン化物と、有機ビヒクルと、を含有し、前記ハロ
ゲン化物の含有量は、前記導電性粉末100体積%に対
して0.45〜15.38体積%であることを特徴とす
る。
【0006】また、本発明の導電性ペーストは、半導体
基板上に電極を形成するための導電性ペーストであっ
て、Ag,CuおよびNiのうち少なくとも1種からな
る導電性粉末と、ハロゲン化物と、有機ビヒクルと、を
含有し、前記ハロゲン化物の含有量は、前記導電性ペー
スト100体積%に対して0.1〜3.0体積%である
ことを特徴とする。
【0007】また、本発明の導電性ペースト中に含有す
る前記ハロゲン化物は、フッ化物であることを特徴とす
る。
【0008】また、本発明の導電性ペースト中に含有す
る前記ハロゲン化物は、BiF3、PbF2、ZnF2
うち少なくとも1種からなることを特徴とする。
【0009】また、本発明の導電性ペースト中に含有す
る前記ハロゲン化物は、PbCl2であることを特徴と
する。
【0010】また、本発明の導電性ペーストは、前記導
電性ペースト100体積%のうち2.0体積%以下のガ
ラスフリットを含有することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】ハロゲン化物は、ガラスフリット
や酸化物に比べて500〜650℃における活性が高
い。したがって、これを含有した導電性ペーストを焼成
する際の焼成温度を低温化しても十分なファイアスルー
性を発揮し、太陽電池の受光面電極を形成した場合に半
導体基板との間でオーミック接触が得られ、かつ接着強
度も十分に確保することが可能となる。
【0012】また、ハロゲン化合物の含有量は、導電性
粉末100体積%に対して0.45〜15.38体積%
であることが好ましい。ハロゲン化物の含有量が0.4
5体積%未満であると、導電性ペーストを焼成する際に
ハロゲン化物のファイアスルー性が十分に発揮されな
い。また、含有量が15.38体積%を超えると、焼成
して得られる受光面電極の固有抵抗が上昇し好ましくな
い。
【0013】また、ハロゲン化物の含有量は、導電性ペ
ースト100体積%に対して0.1〜3.0体積%であ
ることが好ましい。含有量が0.1体積%未満である
と、含有効果が得られない。含有量が3.0体積%を超
えると、焼成して得られる受光面電極の固有抵抗が上昇
し好ましくない。
【0014】また、ハロゲン化物としては、TiO2
SiO2、SiN等からなる反射防止膜に対する反応性
が高く、ファイアスルー性に優れる材料、例えばBiF
3、PbF2、ZnF2等のフッ化物、あるいはPbCl2
等の塩化物が好ましく、なかでも、BiF3はオーミッ
ク接触性に優れ特に好ましい。なお、BiCl3やZn
Cl2等の一部の塩化物は潮解性を持つため、導電性ペ
ーストがゲル化し、印刷性を損なうため好ましくない。
【0015】また、導電性粉末としては、従来より太陽
電池の受光面電極形成に用いられてきた導電性ペースト
を構成する金属粉末、例えばAg、あるいは従来より一
般的な導電性ペーストを構成する金属粉末、例えばC
u,Ni等を適宜選択して用いることができるが、空気
中での焼成が可能であることから、Agを選択すること
が好ましい。
【0016】また、有機ビヒクルとしては、一般に導電
性ペーストや抵抗ペーストのビヒクルとして使用されて
いるもの、例えば、α−テルピネオール溶剤にエチルセ
ルロースを溶解させた粘稠性液体等を適宜用いることで
きる。
【0017】また、本発明の導電性ペーストには、ガラ
スフリットを適宜添加することが好ましく、導電性ペー
ストに対して2.0体積%以下であることが好ましい。
導電性ペーストにガラスフリットを添加することによ
り、焼成して得られる受光面電極と半導体基板との接着
強度が増すが、含有量が2.0体積%を超えると、焼成
して得られる受光面電極の固有抵抗が上昇し好ましくな
い。ガラスフリットとしては、焼成時に基板との良好な
接着強度を得るために、焼成温度条件の合った低軟化点
ガラス粉末、例えば、B−Pb−O系、B−Si−Pb
−O系、B−Si−Bi−Pb−O系、B−Si−Zn
−O系ガラスフリット等を適宜用いることができる。
【0018】
【実施例】まず、粒径1.0〜3.0μmのAg粉から
なる導電性粉末と、粒径1.0〜5.0μmのそれぞれ
BiF3、PbF2、ZnF2,PbCl2からなるハロゲ
ン化物と、αテルピネオールに15.0重量%のエチル
セルロースを溶解させた有機ビヒクルと、Pb−B−S
i−O系、B−Si−Zn−O系のガラスフリットを準
備した。
【0019】次に、導電性粉末、有機ビヒクル、ハロゲ
ン化物、ガラスフリットを表1に示す割合で添加し混合
し、これを3本ロールで分散し混練して、それぞれ試料
1〜36の導電性ペーストを得た。
【0020】次に、導電性粉末、有機ビヒクル、ガラス
フリット、添加物を表1に示す割合で添加し混合し、こ
れを3本ロールで分散し混練して、本発明と比較する従
来技術である試料37〜42の導電性ペーストを得た。
【0021】次に、n型半導体層上に反射防止膜を形成
したSiウエハを準備し、試料1〜42の導電性ペース
トをSiウエハの反射防止膜上にスクリーン印刷して、
それぞれ試料1〜42の塗布膜を形成した。
【0022】次に、塗布膜を形成したSiウエハを15
0℃で5分間乾燥した後、近赤外焼成炉で550℃で焼
成し、試料1〜42の電極を形成した。なお、接触抵
抗、発電特性、接着強度の測定に際して、それぞれ別の
試料1〜42の電極を作成した。
【0023】接触抵抗は、長さ10mm×巾7mmのS
iウエハの受光面に、6mm×200μmの電極を6本
を形成し、TLM法によって測定した。
【0024】発電特性は、14mm角のSiウエハの受
光面に巾200μmで片側の櫛数が7本からなる櫛形電
極を形成し、Siウエハの裏面に全面電極を形成して太
陽電池を作製し、ソーラーシュミレーターを用いて、2
5℃、Am−1.5の条件でFF値を測定した。なお、
FF値とは、I−V特性曲線から求められる曲線因子を
指し、電極の接触抵抗や配線抵抗が高い場合に小さい値
となる。最大値は1.00で、最小値は0となる。
【0025】接着強度は、Siウエハの受光面に2mm
角の電極を形成して、この電極に導線を半田付けした後
に、導線をSiウエハの受光面に対して垂直方向に引張
り、基板から電極を引き剥がすのに要する力を測定し
た。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかであるように、フッ化物で
あるBiF3、PbF2、ZnF2をそれぞれ0.1〜
3.0体積%含有した実施例2〜6,9〜13,16〜
20、ならびに塩化物であるPbCl2を0.1〜3.
0体積%含有した実施例23〜27、さらにガラスフリ
ットを0.5〜3.0体積%含有した実施例29〜3
1,33〜35、塩化物とフッ化物の両ハロゲン化物を
組み合わせた36は、接触抵抗が0.01〜0.15Ω
/cmで低く優れ、発電特性のFF値が0.66〜0.
80で高く優れ、接着強度が2.5〜7.0kgfで実
用的な強度を示した。
【0028】ハロゲン化物を0.05体積%含有した実
施例1,8,15,22は、接触抵抗が0.71〜1.
30Ω/cmと高く劣った。
【0029】また、ハロゲン化物を5.0体積%含有し
た実施例7,14,21,28は、接着強度は高く優れ
るものの発電特性のFF値が0.47〜0.53で何れ
も0.6未満と低く劣った。
【0030】また、ハロゲン化物を含有せずにガラスフ
リットやBi23,Pb34,ZnOといった酸化物を
0.5体積%含有した実施例37〜42は、接触抵抗が
0.65〜1.13Ω/cmで高く劣り、発電特性のF
F値も0.6を下回り低く劣った。
【0031】また、ハロゲン化物を0.5体積%、ガラ
スフリットを3.0体積%含有した実施例32は、接触
抵抗0.48Ω/cmで高く劣り、FF値は0.6を下
回り低く劣った。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、受光面電
極を500〜650℃で低温焼成する場合においても、
反射防止膜をファイアスルーして半導体基板と受光面電
極が互いにオーミック接触し、かつ接着強度を十分に確
保することが可能な受光面電極を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一つの実施の形態の導電性ペース
トを用いて受光面電極を形成した多結晶Si太陽電池の
断面図である。
【符号の説明】
2 半導体基板 3 受光面電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に電極を形成するための導
    電性ペーストであって、Ag,CuおよびNiのうち少
    なくとも1種からなる導電性粉末と、ハロゲン化物と、
    有機ビヒクルと、を含有し、 前記ハロゲン化物の含有量は、前記導電性粉末100体
    積%に対して0.45〜15.38体積%であることを
    特徴とする導電性ペースト。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に電極を形成するための導
    電性ペーストであって、Ag,CuおよびNiのうち少
    なくとも1種からなる導電性粉末と、ハロゲン化物と、
    有機ビヒクルと、を含有し、 前記ハロゲン化物の含有量は、前記導電性ペースト10
    0体積%のうち0.1〜3.0体積%であることを特徴
    とする導電性ペースト。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン化物は、フッ化物であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電性
    ペースト。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン化物は、BiF3、Pb
    2、ZnF2のうち少なくとも1種からなることを特徴
    とする請求項3に記載の導電性ペースト。
  5. 【請求項5】 前記ハロゲン化物は、PbCl2である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電
    性ペースト。
  6. 【請求項6】 前記導電性ペースト100体積%のうち
    2.0体積%以下のガラスフリットを含有することを特
    徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の導電性ペ
    ースト。
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