JP2014005287A - フルオロメチル2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエーテルの生産 - Google Patents

フルオロメチル2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエーテルの生産 Download PDF

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Abstract

【課題】商業的に入手可能な出発物質を基礎として、従来の技術方法に比べ、より高い収率を供し、一層経済的であるフルオロメチル2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエーテルの調製方法の提供。
【解決手段】1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールとホルムアルデヒド及びフッ化水素とのA)蒸留条件下又はB)選択的にセボフルランを抽出できる溶媒の存在に於いて又は2次的な添加により反応させることで、フルオロメチル2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエーテル(セボフルラン)を調製する為の改良した工程である。
【選択図】なし

Description

1.発明の分野
本発明は、吸引麻酔薬、フルオロメチル2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエーテル(又セボフルランとして周知である)を、活性平衡条件の下の蒸留による産物の除去により又は平衡混合物から産物の抽出により、平衡を好適にシフトさせる平衡工程を経て調製する方法である。本法は、商業的に入手可能な出発物質を基礎として、従来の技術方法に比べ、所望の産物のより高い収率を供し、一層経済的である。
2.関連技術の記載
セボフルラン(SVF)を調製する為の数多くの技術が開示されて来た。米国特許第3,683,092号及び3,689,571号には、120℃で、溶媒スルホラン中の塩化カリウムを用いて、クロロメチル2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエーテル中の塩素とフッ素との置換反応が開示してあり、米国特許第4,874,901号には、高温(185℃)高圧(280psi )圧で、更に溶媒を加えることを伴わぬ置換反応が開示してある。塩素を置換する為に他のフッ素化剤も又使用される。米国特許第5,886,239号は、ジイソプロピルエチルアミンハイドロフルオライドを使用し、ヨーロッパ特許出願EP0901999A1は、アミン及びフッ化水素(HF)混合物を使用する。出発物質クロロメチル2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエーテルは、商業的に入手できない。米国特許第3,683,092号によると、米国特許第3,911,024号に記載の通りに1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールから合成できうる、メチル2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエーテルの塩素化によりそれは調製される。
メチル2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエーテルのSVFへの直接フッ素化は、米国特許第3,683,092号に於ける三フッ化臭素及び米国特許第3,897,502号に於けるアルゴン中20%の分子状フッ素のような極端な反応性があり高価な試薬を使用することが要求される。
SVFに至る他の経路は、米国特許第4,874,902号に開示されており、メチル2,2,2−トリクロロ−1−(トリクロロメチル)エチルエーテルへと転化される1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロ−2−プロパノールを出発物質として使用し、次いでSVFを与える為に三フッ化臭素によりフッ素化される。代わって、メチル2,2,2−トリクロロ−1−(トリクロロメチル)エチルエーテルは、塩素化され、対応のクロロメチルエーテルは、三フッ化臭素を使用することで多重フッ素化(multipli−fluorinated)される。
米国特許第5,705,710号に、三フッ化臭素を使用するメトキシマロノニトリルのフッ素化によるSVFの調製法の記載がある。
先に述べたSVFの調製法は、多段階もしくは、商業的に入手可能な出発物質を基礎とするもしくは、危険な試薬を用いるものである。
商業的に入手可能な1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP)のSVFに至る為の直接フルオロメチル化はいくつかの特許に於いて記載がある。米国特許第4,250,334号に於いて、HFIP、HF、及びホルムアルデヒド(CH2 O)は、冷却トラップ中で、収集されるSVFを連続的に生産する為に、濃硫酸の存在に於いて加熱される。
米国特許第4,469,898号に従い、SVFの収率は、HFIPのフルオロメチル化に於いて生じた水を封鎖する為に過剰の硫酸又は他の添加物を、添加することにより改善された。
Figure 2014005287
しかしながら多量の濃硫酸又は他のブロンステッド酸及び/又はルイス酸(重量比でHFIPより各々約3倍大きい)は、76〜78%の収率を得る為に用いられるべきである。最終的に、多量の(有機的及び無機的な)廃棄が工程を経て生じる。
PCT国際出願WO97/25303は、硫酸の存在に於いてHFIPとビス(フルオロメチル)との反応によるSVFの調製法が開示されている。この反応に於いて、所望の産物は、アセタール副産物を伴って55〜60%の収率で生産される。
もし、硫酸又は脱水、プロトン化(protonating)及びフッ素イオン生成試薬が使用されなければ、1968年10月28日に提出され、放棄した米国特許出願第771,365号及び又米国特許第3,689,571号に示されるようにSVFの収率はとても低い。
発明の要約
本発明は、A)蒸留により又はB)抽出により、継続中の平衡から所望の産物SVFを取り除く条件の下で、HFIPとCH2 O及びHFとの反応によるSVFの調製の為の方法を供する。
SVF及びHFの低沸点共沸混合物は、SVFが蒸留により取り除かれたことにより発見され、HFを有する共沸混合物として取り除かれる。この工程の間又、水は、水とHFとの定沸点混合物(沸点115℃)の蒸留により取り除かれる。HF共沸点混合物として取り除かれたSVFは、いくつかの方法:(i)水による当該混合物の洗浄(ii)HFではなくSVFを溶解する溶媒による抽出(iii )層を分離する為に当該共沸混合物を冷却すること及び(iv)SVFに富む混合物を得る為に様々な圧力下当該SVF/HF共沸混合物を蒸留することによりHFから分離される。
抽出工程に於いて、SVFを選択的に溶解することが出来る溶媒及び出発物質及び水ではない他の反応産物により、SVFは平衡から取り除かれる。
本発明の詳細な説明
1.反応の間蒸留することによるSVFの除去
本発明のある好適な実施態様は、蒸留の間のフルオロメチル化反応を続けることを含む。これは、2つのカラムを備えたリアクターにより達成される。1つは、HF/SVF混合物を平衡混合物の上方の蒸気から、頭上産物(overhead product)として分離する為に使用される。我々は、SVF及びHFが表4に記載した低沸点共沸混合物を形成することを発見した。他のカラムは、リアクター中の液体から送られ、足元の産物(bottom product)としてHF/水定沸点混合物を取り除く。この第2のカラムからの頭上の蒸留物は、当該リアクター中へ回収される。
実際、HF/SVF蒸留物は、共沸混合物は、単にHFよりわずかに低い温度で沸騰するので過剰のHFを含みうる。〔本文を通じて、当該用語SVF/HF共沸混合物の使用は、実際の共沸混合物及び余剰のHFを含む時の共沸混合物を含むことを意味する。〕「HF/SVF共沸混合物」と呼ばれる、第一カラム由来の頭上の(産物)は、純粋なSVFを得る為及びHFを反応/蒸留工程へ戻す為のいくつかの分離方法の1つへと進められる。
A.純粋なSVFを得るに至るHF/SVF共沸混合物の分離
前記HF/SVF共沸混合物は、当該HFを水により洗浄することによって簡単に分離できうる。当該SVFは約99%の純度を有する。
水の代わりに、SVFは、フッ化水素中で不溶性である様々な適切な溶媒(以下の第2節を参照のこと)を有する抽出法により、HFから分離できうる。SVFの抽出の後、HFは反応の為に回収され、当該SVFは、溶媒から分離され、所望の純度へと精製される。
HFからSVFを分離する為の他の方法は、混合物を冷却することである。HF/SVF混合物の組成に依存し、冷却により分離はより低い温度で始まる。当該SVF/HF比率は、各層で異なる。富んだSVFを有する分離された層は、より低い沸点産物としてSVF/HF共沸混合物及びより高い沸点産物として過剰のSVFを得る為に蒸留されうる。HFに富む層は反応/蒸留工程へ戻されうる。
尚SVF/HFを分離する他の手段は、様々な圧力の使用を通じて変化するSVF/HF共沸混合物の組成を変化させることによる(表4)。より高いSVF含量を有する共沸混合組成物は、より低い沸点産物として少ないSVF及び純粋なより高い沸点産物として過剰のSVFを含む共沸混合物を得る為に、様々な圧力で蒸留されうる。
B.副産物の回収
4つの主要な副産物:ビス{〔2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エトキシ〕メチル}エーテル(化合物A)、ホルムアルデヒドジ〔2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル〕アセタール(化合物B)、ホルムアルデヒドフルオロメチル〔2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル〕アセタール(化合物C)、及びビス(フルオロメチル)エチル(化合物D)が発見された。バッチ試験に於いて、蒸留の最終迄に、殆ど検出できないレベル迄にそれらの濃度が減少したことが分かった。4つの全ての化合物は、以下の平衡式により更なるSVFを生じる連続的な蒸留の間同じように反応するであろう。
Figure 2014005287
これらの副産物は、刊行物(米国特許第3,689,571号及び第4,469,898号、国際出願WO97/30961、及び国際出願WO97/25303)に報じられており、これら刊行物はSVFの情報源として用いられた。
先に記述した化学的視野から、一般式R1 O(CH2 O)2 のポリエーテル、(式中、nは小さな数でありR1 及びR2 は水素、アルキル基、又はハロアルキル基であるが、R1 及びR2 はある式に於いて水素ではない)は反応/蒸留条件下でそれらの開始物質に逆戻りする。当該ハロアルキル基が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピルの時SVFが形成されるであろう。
C.一般的な条件
反応条件下のこの蒸留がバッチ方式又は連続に於いて行われうることは、当業者に於いて明白であろう。連続条件下で反応物は、蒸留系に添加されうる。新しい成分の量は、連続的に回収される反応物の量により減少する。反応/蒸留は、所望の処理量を維持する為に、他の反応物及び、水とHFの混合物からSVF共沸混合物を分離することが可能且つ十分なサイズのカラム例えば再沸騰器により連続的に運転されなければならない。この工程に於いて、装置は、HF及びSVFの分離に関連し又、純粋なSVF及び連続的な回収の為の流れを司る。条件は反応と蒸留の双方に対して最適に近いように調節するべきである。
反応は平衡を前進方向へ駆る為及びHF/SVF及びHF/H2 O共沸混合物を供する為にHFの理論的な過剰量で行わなければならない。工程は、HFIPに対し15〜18又は好適には25〜30モル当量のHFで首尾良く行われる。
何らかの断わりがない限り、本出願を通して用いたように、用語「ホルムアルデヒド(CH2 O)」は、例えば好適には、トリオキサンのようなホルムアルデヒドポリマー等、及びパラホルムアルデヒド等を意図する。
反応温度は重要ではない。しかし、収率は50℃を超えて実質改善された。好適に、反応性の蒸留は、容器温度45〜75℃を確保する30〜40psigの自己圧力下で行われうる。
2.反応の間抽出によるSVFの取り除き
第2の好適な実施態様に於いて、本発明は、反応が進行している間反応混合物からSVFを抽出することを含む。
この抽出の為の最適な溶媒の為の要件は以下のように:
1.当該溶媒は、フルオロメチル化混合物からHFIPではなくSVFを選択的に抽出しなければならない。
2.疎水性でなければならない。
3.実体的な量のHFを抽出しない。
4.実体的な量のCH2 O又はそのポリマー形態を抽出してはならない。
5.当該溶媒は、SVFから容易に分離可能でなければならない。
A.抽出SVFに対する様々な溶媒の安定性
様々な非極性溶媒は、それらのHFからSVF及びHFIPを抽出する能力を評価されて来た。溶媒/HF系に於けるSVF及びHFIPの分配は、25℃で少量のSVF又はHFIPと特殊な溶媒の同体積の2相混合物との混合により測定される。平衡に至る為の十分な混合の後、溶媒中で見られた最初の化合物の分率が、ガスクロマトグラフィー(GC)及び標準品を用いた定量により決定された。当データは表1に与えられた。
Figure 2014005287
表1に表示するように、様々な溶媒はHFからSVFを抽出することが可能である。これらの溶媒の中で、HC−0.8油が優れていると示している。一方、検討した溶媒いづれもHFから任意の多量のHFIPを抽出しない。これらのデータから、CFC溶液は又抽出の為の良い候補であることを示すであろう。故に、先に述べた要件を満足する、クロロフルオロカーボン、クロロハイドロカーボン、ペルフルオロハイドロカーボン、ペルフルオロエーテル、ハイドロカーボン及び他の溶媒は、平衡をシフトさせる為に最適であると期待される。
B.一般的な条件
反応物を添加する順番は重要ではない一方、反応は、撹拌の下にHFIPを無水HF、ホルムアルデヒド及びHC−0.8の混合物に添加することにより、行われる。SVP及び他の産物(下記を参照のこと)は、溶媒により抽出された。
層は分離され、更にHC−0.8油が添加され、当該反応は、更なる進展が見られなくなる迄続けた。
反応温度は重要ではないが、反応時間及び収率は50℃超で実質的に改善された。好適に、反応温度は60〜70℃に維持されるべきである。高い転化を達成する為に、HF及びCH2 O両方が過剰のHFIPより多く存在しなければならない。好適に、過剰のCH2 Oの50〜100%分子量、及び1000モル過剰量迄のHFが使用された。
抽出の為に用いられる溶媒の量は、SVFを蒸留した後容易に回収されうるので、重要ではない。バッチ反応に於いて、抽出の頻度は、効率的に平行をシフトさせ反応時間を短縮する為の重要な因子である。理想的には、工程は連続抽出条件下で行われるべきである。
米国特許第4,469,898号により従来示されているように、SVFの収率は、HFIPのフルオロメチル化に於いて生産された水を封鎖する為に、過剰の硫酸又は他の添加物を添加することによって改善される。HFは水を封鎖する為の試薬として働くことは周知である。従って、米国特許第4,469,898号の教示することは、更なる水を封鎖する試薬を使用することである。本発明の文章中で、そのような更なる水封鎖試薬の使用は必須ではなく、抽出工程は、HF出発物質以外の、水封鎖試薬の不在に於いて有益に実行することが出来うることが分かる。
C.副産物の回収
HC−0.8により、反応混合物からSVFと共に抽出された主要な4つの副産物(A−D)に加えて、蒸留の後、少量のホルムアルデヒドメチル〔2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル〕アセタール(化合物E)があったと分かった。
Figure 2014005287
典型的な実施例に於いて、HC−0.8に於ける産物の組成は、1%のD、63%のSVF、1%のHFIP、8%のB、15%のA及び11%のCである。少量のHFIPは、水による洗浄により抽出物から取り除かれた。HC−0.8抽出物の蒸留は、50〜75%の単離されたSVF収率を与える。
化合物Aは反応混合物に再導入(実施例8を参照のこと)及び更なるSVFの資源となりうる。アセタールCは、HC−0.8抽出物の蒸留に耐えられず、SVF及びホルムアルデヒド(実施例7を参照のこと)に逆戻りする。エーテルD,E及び先に記述した一般化された公式のポリエーテルは又反応条件下でそれらの出発物質に逆戻りすることが期待される。従って、HFIPとHF及びCH2 Oとの反応により形成される有為な副産物並びに溶媒及び未反応のHFIPは回収でき、既存の工程より、一層環境的及び商業的に魅力のある工程にする。
本発明は、今、引き続く限定されない実施例を参照にすることで、より詳細に記述される。
実施例1.
大気圧でのHFIP/HF/CH2 Oの反応/蒸留によるSVFの調製。
4′×1″の蒸留カラム、圧力計、熱電対、ガス流出口、液体流入口及び撹拌棒を装備する0.3LのMonelリアクターに於いて、トリオキサン(15.0g,CH2 Oとして0.5mol ,67%余剰に)を充填した。当該リアクターを−30℃に冷却し、排気して、無水HF(175g,8.75mol )及びHFIP(56.0g,0.333mol )を装填した。混合物を加熱し、蒸留を大気圧で開始した。物質105gを沸点19〜20℃で収集した。更にHF(139g)を加え、沸点19℃で第2留分(157g)を得る迄蒸留を続けた。HFの他の一部(157g)を導入し、19℃で第3留分を生じるまで蒸留を続けた。試料と水を混合することにより、組み合わせた蒸留物を分析し、有機層を分離及びGCにより分析した。純度>99%で全37.4g(0.187mol )のSVFを単離した。容器試料を水に入れ、水酸化カリウム溶液により中性化し、21.1g(0.126mol )の出発HFIPを示す外部標準で、GC−MSにより分析した。このようにして、転化率は62%であり、そしてSVFの収率は92%であった。
実施例2.
上昇した圧力でHFIP/HF/CH2 Oの反応/蒸留によるSVFの調製。
反応を実施例1に於いて記載したように開始したが、蒸留は、上昇した圧力で導かれた(表2を参照のこと)。蒸留物及び容器成分を、未反応のHFIP残留物及びSVF生成物の量を決定する為に、先に記載したように分析した。
Figure 2014005287
実施例3.
希薄なCH2 OレベルでHFIP/HF/CH2 Oの反応/蒸留によるSVFの調製。
実施例1に類似の方法に於いて、トリオキサン(9.0g CH2 Oとして0.3mol )HFIP(169.7g,1.01mol. HFIP 237%過剰)、及びHF(362.4g,18.12mol )を1.0Lの容器に装填した。
混合物を、18〜20psigの圧力で蒸留した。SVFは99.5%超の純度を有し、水により洗浄した試料から得た。同時に、容器試料(約10g以下)を水により洗浄し、テトラクロロヘキサフルオロブタンとハロカーボン0.8油(2×2ml)との混合物で抽出し、反応の進行をモニタリングする為にその抽出物をGCにより分析した(表3を参照のこと)。反応/蒸留の約6時間後、水を容器に添加し、容器中の成分を水酸化カリウム溶液で中性にし、未反応のHFIPを回収する為に、大気圧で蒸留した。
全99.6gの(0.593mol )HFIPを有する沸点58〜60℃(99%HFIP)及び67〜98℃(39%HFIP)を有する2つの留分が回収された。HFIPの転化率は29%及びSVFの収率は79%であった。
Figure 2014005287
実施例4.
−63℃に至る冷却によるHF/SVF共沸混合物(63:37)の分断。
開始混合物、重量 155.8g
HF/SVF比率 63:37
−63℃に至る冷却により、低層の体積は約20〜25mlであった。当該層を分離し、秤量し氷水と混合した。各層由来の氷水から分離したSVFを収集し秤量した。
低層、重量 30.4g
氷水 140.1g
SVF分離物 27.1g
低層におけるHF/SVF 11:89
上層、重量 125.1g
氷水 377.9g
SVF分離物 30.1g
上層におけるHF/SVF 76:24
両層からの全SVF 57.2g
SVF回収率% 57.2/155.8×0.37= 99
分かるようにHF/SVF比率は、冷却した混合物の低層中で、周囲温度よりも驚く程SVFに富む。この濃縮された混合物は、蒸留により容易に純粋なSVF及びHF/SVF共沸混合物へと分離される。
実施例5.
蒸留の為の様々な圧力を用いて、共沸混合物の組成を変えることによりHF/SVFを分離すること。
表4には、様々な圧力による蒸留により発見した共沸混合物の沸点及びSVFとHFとの組成を列挙する。65psiaで得た当該共沸混合物は45%のSVFを含む。この組成の混合物を、低沸点成分として20%のSVF及び高沸点成分として純粋SVFを含む共沸点混合物を得る為に、15psiaで蒸留できうる。
Figure 2014005287
実施例6.
HFIPのフルオロメチル化とHC−0.8油による二次抽出によるSVFの調製。
圧力計、熱電対、ガス流出口、液体流入口及び撹拌棒を装備する、0.3L Monelリアクターを使用した。トリオキサン(10.9g,0.12mol )を当該リアクターに入れ、リアクターを閉じ、−30℃に冷却し、排気及び無水HF(36.6g,1.83mol )を装填した。混合物をマグネティックスターラーを使用し撹拌しながら31℃迄温ため、よって圧力が10psig上昇した。HFIP(30.3g,0.18mol )をN2 により圧縮したボンベから、添加した。当該リアクターを、60〜65℃、16〜33psigで6時間に渡り加熱した。試料(7.93g)を氷水(49.7g)に注入し、有機層(1.56g)を分離及びGCにより分析した。有機混合物は、5%のE、10%のHFIP、55%のSVF及び30%の化合物A〜Cで構成される。試料(0.9g)中のSVFの量は、全SVFの23%と計算できうる。
試料を混ぜた後、HC−0.8(98g,57ml)を容器へ添加し、撹拌を60〜62℃、38〜40psigで1時間に渡り続けた(系内にN2 がいくらか存在した)。HC−0.8抽出物の95gを取り出し、8%SVFを示すようにした。HC−0.8の他の一部(70g)を添加し、油層を約1時間後に取り除いた。第2抽出物中のSVF含有率は5%であった。複合HC−0.8抽出物と共に、更なるSVFが本質的に抽出されなくなる迄反応を続けた。組み合わさった抽出物を、28時間で4.5%又は18.3g,0.092mol のSVF含有率を有し、全量で391g収集した。抽出物中の生成物の組成は2%のD、60%のSVF、3%のHFIP、4%のB、15%のC、及び13%のAであった。
抽出の後、残留物(31g)を氷水へ注入した。水層は280gであると分かった。10gのこの溶液を、13.3gの新しい溶液を得る為に、水酸化アンモニウムにより中性にし、HFIP濃度を決定する為にGC−MSにより分析した。水中及びHC−0.8抽出物0.3g又は0.018mol 中のHFIP全量は、0.51%であることが分かった。従って、HFIPの転化率は90%及び、直接的なSVF収率は57%であった。副産物から利用可能な量は計算に入れなかった。
実施例7.
出発からHFIPのフルオロメチル化とHC−0.8の存在によるSVFの調製。
圧力計、熱電対、ガス流出口、液体流入口及び撹拌棒を装備した0.3L Monelリアクターに於いて、トリオキサン(32.4g,0.36mol 又は1.08mol CH2 O)を装填した。当該リアクターを閉じ、−30℃へ冷却、排気し、無水HF(125g,6.25mol )を入れた。混合物をマグネティックスターラーを使用し撹拌しながら56℃に加熱し、圧力が29psig上昇した。HFIP(89.3g,0.532mol )をN2 により圧縮されボンベから添加し、しかる後HC−0.8(70g,40.5ml)を添加した。反応を50〜60psig圧力で進めた。
約1時間後、60gのHC−0.8抽出物を使用した。10%SVFを含むことが分かった。HC−0.8の他の一部(71g)を添加し、60〜65℃で抽出物中にSVF発見されなくなる迄、いくつかの油の部分を取り除きながら及び、これらの部分の殆どを置換しながら反応を続けた。組み合わされた抽出物の重さは1228gであり3.7%のSVF含有率を有する。全生産物の組成は:1%のD、1%のHFIP、63%のSVF、8%のB、11%のC及び15%のAであった。
NH4 OHによる洗浄及びSiO2 による乾燥の後、1.123gのHC−0.8抽出物の蒸留は:99.7%のSVF並びに微量のB及びEからなり58〜59℃の沸点を有する産物42.8g;第2留分に於いて70〜130℃の沸点を有し、9%のSVF、29%のB、58%のHC−0.8及び微量のEから成る産物を与えた。第2分留を採取する間、コンデンサーに於いて、白い結晶化産物(CH2 Oのポリマー)の沈着があった。蒸留物質又は容器中にCは認められなかった。最初のHC−0.8溶液に基づくSVFの全量は47.8g又は0.243mol であった。未反応のHFIPの量は、8.4g又は0.05mol であり副産物から回収可能な当該SVFを考慮せず、消費されたHFIPに基づいて、SVFの転化率91%及び収率50%と計算された。
実施例8.
AとHFとの反応によるSVFの調製。
圧力計、熱電対、ガス流出口、液体流入口、及び撹拌棒を有する0.3L Monelリアクターに対して、A(20.6g,0.054mol )を加えた。当該リアクターを閉じ、−30℃に冷却し、排気し、無水HF(25g,1.25mol )及びHC−0.8(44g)を入れ、反応混合物を60〜70℃に加熱した。HC−0.8抽出物(28g)を使用した1.5時間後、反応を実施例7に記載の複合的な抽出条件の下で続けた。SVF含有率3.9%の全量284gのHC−0.8抽出物が収集され、11.1g又は0.055mol の物質と計算された。HC−0.8溶液(0.3%)中のAの含有率に基づき、SVFの転化率は96%及び収率は53%であることが分かった。
本明細書及び請求項は、以後引例により一組であり、限定ではないと評されるであろう、並びに本発明の精神及び領域から出発せず、様々な改良や進展がなされうる。

Claims (3)

  1. a)セボフルラン及びフッ化水素を含んで成る混合物を供し;並びに
    b)前記混合物を冷却し、前記冷却により2つの層の確立がもたらされ、その1つはセボフルランに富み蒸留により、より純粋なセボフルランが得られうることを含んで成る方法であり、セボフルラン及びフッ化水素を含んで成る混合物から、フルオロメチル2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエーテル(セボフルラン)を分離する為の方法。
  2. a)フッ化水素及び水を含んで成る混合物を供し;並びに
    b)フッ化水素との定沸点混合物として混合物から水を取り除くこと
    を含んで成る方法であり、フッ化水素及び水を含んで成る混合物から水を取り除く為の方法。
  3. a)セボフルランを形成する為に、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP)、ホルムアルデヒド及びフッ化水素を含んで成る混合物を反応させ;
    b)セボフルランを含んで成る留分を回収する為に、反応混合物を分留にさらし;並びに
    c)当該留分からより純粋なセボフルランを回収する
    段階を含んで成る、フルオロメチル2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチルエーテル(セボフルラン)を調製する為の方法。
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