JP2014001333A - 一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤及びこれを用いる硬化促進方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一液性湿気硬化型樹脂を用いて、1cmを越える厚みで、あるいは広い面積にわたって、または密閉空間で、シ−リングや接着を行う場合などのように、空気中の水分を充分に取り込めない状況下でも、一液性湿気硬化型樹脂の硬化反応を効果的に促進し、かつ硬化反応後の塗膜が水と接触してもシーリング効果や接着効果が低下しない、一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤及び当該硬化促進剤を用いる硬化促進方法を提供する。
【解決手段】一液性湿気硬化型樹脂の硬化に用いる硬化促進剤であって、2〜27の結晶水を含有する粉末状の無機含水塩から成ることを特徴とする一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤であり、該硬化促進剤を、シリコーン樹脂系または変成シリコーン樹脂系の一液性湿気硬化型樹脂に対して所定量を配合してなる配合物を被着体に塗布することにより、一液性湿気硬化型樹脂の硬化を促進させる。
【選択図】なし
【解決手段】一液性湿気硬化型樹脂の硬化に用いる硬化促進剤であって、2〜27の結晶水を含有する粉末状の無機含水塩から成ることを特徴とする一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤であり、該硬化促進剤を、シリコーン樹脂系または変成シリコーン樹脂系の一液性湿気硬化型樹脂に対して所定量を配合してなる配合物を被着体に塗布することにより、一液性湿気硬化型樹脂の硬化を促進させる。
【選択図】なし
Description
本発明は、一液性湿気硬化型樹脂の硬化に用いられる硬化促進剤及びこれを用いる硬化促進方法に関する。詳細には、空気中からの湿気や水分の供給が充分に行えない条件下で一液性湿気硬化型樹脂を使用しても、硬化反応を進行させることができる硬化促進剤及びこれを用いる硬化促進方法に関する。
土木や建築における構造物の水密や気密のため目地や隙間などに充填する材料として、また、土木・建築あるいは各種輸送機器などの部材を接着する材料として、合成樹脂や合成ゴムなどからなる、ペースト状のシーリング材や接着剤が広範に用いられている。
これらのシーリング材や接着剤として、空気中の湿気や水分と反応して硬化が進行する一液性湿気硬化型の材料が用いられるようになってきており、一液性湿気硬化型のシーリング材や接着剤では、施工現場で樹脂と硬化剤をそれぞれ量り取って均一に混合する作業が不要となるため、簡便にシーリング作業や接着作業を行えるという利点がある。
しかしながら、例えば、1cmを越えるような厚さでシーリングを行う場合や壁貫通部配管のシーリングなど大規模シーリングの場合では、一液性湿気硬化型のシーリング材の硬化反応は、空気と接触する表面から中心部へと順次進行するので、中心部まで硬化が進行するのに極めて長時間を要し、完全に硬化するのに数週間を要したり、場合によっては中心部では硬化反応が進まないといった問題がある。また、広い面積で隙間にシーリング材を充填する場合に、一液性湿気硬化型のシーリング材では、周縁部だけ硬化反応が進行し、中央部では硬化反応がほとんど進行しないことがあり、密閉された空間で水分の供給が困難な場合にも、一液性湿気硬化型のシーリング材ではほとんど硬化反応が進まないといった問題がある。
一液性湿気硬化型の接着剤についても同様で、広い面積で下地と被着体を接着する場合に、所定の接着強度を得るのに極めて長時間を要する、あるいは、被着体が不透湿性の素材の場合には硬化反応が進まないため所定の接着強度が得られないといった問題がある。
シーリング材や接着剤として用いられる一液性湿気硬化型樹脂の硬化反応を促進する、硬化触媒や硬化促進剤として、テトラブチルチタネートなどのチタン酸エステル、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ジブチルスズジアセチルアセトナートなどの有機スズ化合物や、ブチルアミン、オクチルアミンなどのアミン類などが知られている(特許文献1〜2参照)。
しかし、これらの硬化触媒や硬化促進剤は、通常の条件下、すなわち一液性湿気硬化型樹脂の硬化反応に必要な水分が空気中より充分供給される条件下において、効率的に硬化反応を進行させるものであって、空気との接触が充分でないような条件下では、効果を発揮することができない。
そこで、一液性湿気硬化型樹脂と空気との接触が充分ではなく、硬化反応に必要な水分が不足する場合でも硬化を進行させることができる硬化促進剤が提案されている。例えば、特許文献3では、水を吸収させた高吸収性ポリマーが開示されており、また特許文献4では、小麦粉、大豆粉、ヤシガラ粉、コーンスターチ、セルロース粉末などの有機フィラーが開示されている。
しかしながら、特許文献3に開示された高吸収性ポリマーの場合には、高吸水性ポリマーが水を吸収する機能が高すぎるため、一液性湿気硬化型樹脂が硬化した後の塗膜が水と接触した場合には、塗膜中の高吸収性ポリマーが水を吸収して膨潤し塗膜を破壊することがある。そのため、屋外や水回りなどの水と接触する箇所や部材等のシーリング材や接着剤に適用した場合には、シーリング効果や接着効果の耐久性に問題が生じる場合がある。
また、特許文献4の有機フィラーの場合には、有機フィラーが保持できる平衡水分量が少なすぎるため、一液性湿気硬化型樹脂を完全に硬化させるのに充分な量の水を確保するためには、多量の有機フィラーを混合しなければならず、一液性湿気硬化型樹脂が硬化した後の塗膜には多量の有機フィラーが含まれることとなる。そのため、屋外や水回りなどの水と接触する箇所や部材等のシーリング材や接着剤に適用した場合には、塗膜中に多量に含まれる有機フィラーが水を含むことで、塗膜のシーリング機能が低下したり、有機フィラーが溶け出したり洗い流されることで塗膜が破壊され、シーリング効果や接着効果の耐久性に問題が生じることがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、一液性湿気硬化型樹脂を用いて、1cmを越える厚みで、あるいは広い面積にわたって、または密閉空間で、シ−リングや接着を行う場合などのように、空気中の水分を充分に取り込めない状況下でも、一液性湿気硬化型樹脂の硬化反応を効果的に促進し、かつ硬化反応後の塗膜が水と接触してもシーリング効果や接着効果が低下しない、一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤及び当該硬化促進剤を用いる硬化促進方法を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意検討し、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)一液性湿気硬化型樹脂の硬化に用いる硬化促進剤であって、2〜27の結晶水を含有する粉末状の無機含水塩から成ることを特徴とする一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤。
(2)前記無機含水塩が、16〜24の結晶水を含有する粉末状の無機含水塩である上記(1)に記載の一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤。
(3)前記無機含水塩が、硫酸アルミニウムである上記(2)に記載の一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤。
(4)前記一液性湿気硬化型樹脂が、加水分解性のケイ素基を含有するシリコーン樹脂または変成シリコーン樹脂である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤。
(5)一液性湿気硬化型樹脂100重量部に対して、2〜27の結晶水を有する粉末状の無機含水塩を0.5〜100重量部配合してなる配合物を、被着体に塗布することを特徴とする一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進方法。
(2)前記無機含水塩が、16〜24の結晶水を含有する粉末状の無機含水塩である上記(1)に記載の一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤。
(3)前記無機含水塩が、硫酸アルミニウムである上記(2)に記載の一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤。
(4)前記一液性湿気硬化型樹脂が、加水分解性のケイ素基を含有するシリコーン樹脂または変成シリコーン樹脂である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤。
(5)一液性湿気硬化型樹脂100重量部に対して、2〜27の結晶水を有する粉末状の無機含水塩を0.5〜100重量部配合してなる配合物を、被着体に塗布することを特徴とする一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進方法。
本発明は、一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤として、結晶水を含有する粉末状の無機含水塩を用いるものであり、無機含水塩に含まれる結晶水により、一液性湿気硬化型樹脂の硬化反応が徐々に進行する。そのため、シ−リング材や接着剤として多量厚塗りした場合の中心部分や、広範囲にわたってシーリングや接着を施した場合の中央部分、不透湿性の素材を接着した場合など、空気中の湿気が取り込まれない部分でも硬化反応が進行するため、一液性湿気硬化型樹脂の使用が困難であった箇所や素材に対しても、適用することが可能となる。
本発明の硬化促進剤としては、粉末状の無機含水塩で、2〜27の結晶水を有する無機含水塩が用いられるが、6〜24の結晶水を有する無機含水塩がより好ましく、特に16〜24の結晶水を有する無機含水塩が好ましい。
結晶水を多く有する無機含水塩ほど、少量の使用で多くの水を導入できるので好ましい。結晶水が少ない無機含水塩の場合には、必要な量の水を導入するために、多くの無機含水塩を使用しなければならず、そのため一液性湿気硬化型樹脂が硬化した後の塗膜中に多くの無機塩が含まれることとなる。例えば、外壁などのシーリング材として使用した場合、降雨等で水と接触した際に無機塩が水を吸収することで、シーリング機能が低下するといったおそれがある。
本発明で用いることができる無機含水塩としては、特に限定されるものではなく、塩を構成する酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、炭酸などが挙げられるが、多くの結晶水を有する含水塩を形成しやすいことから硫酸が好ましい。
また、塩を構成する陽イオンとしては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属イオン;マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属イオン;アルミニウム、鉄などの多価金属イオン;等が挙げられるが、一液性湿気硬化型樹脂との間で架橋反応を生じ、当該一液性湿気硬化型樹脂の硬化反応の進行に寄与しうることより、多価イオンを形成する金属イオンが好ましい。中でも、価数が大きく、かつ含水塩が無色であることからアルミニウムが好ましく用いられる。
また、塩を構成する陽イオンとしては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属イオン;マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属イオン;アルミニウム、鉄などの多価金属イオン;等が挙げられるが、一液性湿気硬化型樹脂との間で架橋反応を生じ、当該一液性湿気硬化型樹脂の硬化反応の進行に寄与しうることより、多価イオンを形成する金属イオンが好ましい。中でも、価数が大きく、かつ含水塩が無色であることからアルミニウムが好ましく用いられる。
無機含水塩として、具体的には、例えば、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウムが挙げられる。硫酸アルミニウムは通常18水塩として、硫酸カリウムアルミニウムおよび硫酸ナトリウムアルミニウムは通常24水塩として用いられる。
これらの無機含水塩は粉末状で用いられる。粉末の粒子径は1,000μm以下が好ましく、より好ましくは45〜150μmである。粒子径が大きすぎる場合には、単位重量当りの表面積が小さくなるため、硬化反応に必要な水が充分に供給されず、一液性湿気硬化型樹脂の硬化反応が均一に進まなくなり未硬化の部分が生じることがある。また、粒子径が小さすぎる場合には、一液性湿気硬化型樹脂と均一に混合するのが困難になることがある。
本発明の一液性湿気硬化型樹脂としては、水と反応して架橋反応を生じ硬化する樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、変成シリコーン系樹脂などが挙げられる。なかでも、加水分解性のケイ素基を含有するシリコーン系樹脂あるいは変性シリコーン系樹脂が好適に用いられる。
加水分解性のケイ素基を含有するシリコーン系樹脂は、シロキサン結合を主鎖とし、かつ加水分解性ケイ素基を有する樹脂である。加水分解性ケイ素基としては、アルコキシシリル基、オキシムシリル基、ハロゲン化シリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノオキシシリル基などが挙げられる。
加水分解性のケイ素基を含有する変成シリコーン系樹脂は、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリエーテル系ポリマーあるいはポリイソブチレンなどを主鎖とし、かつ加水分解性ケイ素基を有する樹脂である。加水分解性ケイ素基としては、前記と同様のものが挙げられる。
変成シリコーン系樹脂の主鎖となる(メタ)アクリル系ポリマーを構成するアクリル系またはメタクリル系モノマーは特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレートなどのアラルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;などが挙げられ、これらのモノマーは単独で、あるいは2種以上を併用して用いられる。また、アクリル系やメタクリル系以外のビニルモノマーが共重合されていてもよい。
変成シリコーン系樹脂の主鎖となるポリエーテル系ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリイソブチレンオキサイドやこれらの共重合体が挙げられる。
本発明においては、一液性湿気硬化型樹脂は、硬化促進剤である無機含水塩を添加混合した配合物として用いられる。硬化促進剤である無機含水塩の配合量は、無機含水塩が有する結晶水の量によって異なるが、通常、一液性湿気硬化型樹脂100重量部に対して、0.5〜100重量部、好ましくは1.0〜10.0重量部配合する。無機含水塩の量が0.5重量部以上であれば、一液性湿気硬化型樹脂が空気と接触できず空気中の湿気による硬化が起こらないような場合でも、硬化反応を効果的に進行させることができる。また、無機含水塩の量が100重量部以下であれば、一液性湿気硬化型樹脂をシーリング材に用いた場合などで、硬化後の塗膜が水と接触しても、無機塩が水を吸収することでシーリング機能を低下させるといったことが起こり難い。
一液性湿気硬化型樹脂と硬化促進剤としての無機含水塩を混合する方法は特に限定されず、例えば、一液性湿気硬化型樹脂を撹拌しながら、所定量の粉末状の無機含水塩を少しずつ添加して均一に混ぜ合わせるなどの方法にて行うことができる。
本発明においては、配合物の中に、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲で、硬化触媒、接着付与剤、可塑剤等を添加してもよい。
硬化触媒としては、例えば、ブチル錫トリス(2−エチルヘキサノエート)等のモノアルキル錫エステル化合物;ジブチル錫アセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫アセトアセテート、オクタン酸第1錫等のジアルキル錫エステル化合物;テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、チタンテトラアセチルアセトナート等の有機チタン化合物;などが挙げられる。
接着付与剤としては、例えば、公知のアミノシラン化合物などを用いることができ、具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
可塑剤としては、例えば、フタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸等の脂肪族カルボン酸のエステルや、リン酸エステル、エポキシ化大豆油、ポリプロピレングリコールオリゴマーなどが挙げられる。
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の粘度調節剤や無機顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを併用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
密閉空間のように空気中の水分を充分に取り込めない状況下における、一液性湿気硬化型樹脂に対する硬化促進剤の効果について、確認試験を行った。
密閉空間のように空気中の水分を充分に取り込めない状況下における、一液性湿気硬化型樹脂に対する硬化促進剤の効果について、確認試験を行った。
空気の進入の無い密閉空間を再現するために、ファスナー式のポリエチレンバック((株)LIXILビバ製 フリーザーバッグ 厚さ0.07mm)を選定し、内部に本硬化促進剤を添加し混合・攪拌した一液性湿気硬化型樹脂を封入し、20℃の温度条件下で硬化性について確認を行った。一液性湿気硬化型樹脂100重量部に対し、2重量部および5重量部の硬化促進剤を添加した。なお、比較として硬化促進剤を添加しない場合についても試験を行った。
材料としては、一液性湿気硬化型樹脂として「シリコーン樹脂100%無機系弾性シーリング材(GP−CS100:(株)エムテック製)」を使用し、硬化促進剤として「硫酸アルミニウム微粉末(A剤−N2:浅田化学工業(株)製)」を使用した。
試験結果は以下の通りである。表1参照。試験結果より、一液性湿気硬化型樹脂は本発明の硬化促進剤の添加により、空気中からの水分の供給の無い密閉空間においても、優れた硬化性を有することが確認された。なお、硬化性の評価は指蝕により、比較対象である通常硬化シートとの相対性比較により数値化した。
[実施例2]
硬化促進剤の添加率を変化させて、添加量の多寡による硬化物物性への影響の有無およびその程度の確認を行った。
硬化促進剤の添加率を変化させて、添加量の多寡による硬化物物性への影響の有無およびその程度の確認を行った。
試験は、本発明における硬化促進剤の性能を確認するため本発明硬化促進剤の添加量と硬化性能、硬化物の物性の関係について確認することを目的に行った。
試験用供試体は、一液性湿気硬化型樹脂100重量部に、2重量部および5重量部の硬化促進剤を添加し、厚さ2mmのシート状に成形したものを、20℃、湿度60%の恒温恒湿槽内に7日間静置し、硬化させた後、3号ダンベルの金型にて打ち抜き成形したものを用いた。また、対照として、硬化促進剤を添加しない場合についても試験を行った。
材料としては、実施例1と同様、一液性湿気硬化型樹脂として「シリコーン樹脂100%無機系弾性シーリング材(GP−CS100:(株)エムテック製)」を使用し、硬化促進剤として「硫酸アルミニウム微粉末(A剤−N2:浅田化学工業(株)製)」を使用した。
試験装置としては、(株)島津製作所製のオートグラフAG−10kNXplusSC(容量:10kN、制御方式:ひずみ制御、載荷速度:無断階任意設定、有効試験幅:420mm)を使用した。
試験結果は以下の通りである。表2参照。試験結果より、一液性湿気硬化型樹脂において、本発明における硬化促進剤の添加による顕著な物性変化は見られず、十分な強度と伸び性能を有することが確認された。なお、表2には、試験用供試体のシートがタックフリーとなるまでの時間を指触にて判定した結果も併せて記載した。
[実施例3]
次に、本発明における硬化促進剤を添加した一液性湿気硬化型樹脂の耐水性の確認を行った。
次に、本発明における硬化促進剤を添加した一液性湿気硬化型樹脂の耐水性の確認を行った。
試験用供試体は、上記実施例1及び2と同様に「シリコーン樹脂100%無機系弾性シーリング材(GP−CS100:(株)エムテック製)」100重量部に「硫酸アルミニウム微粉末(A剤−N2:浅田化学工業(株)製)」を2重量部および5重量部添加し、実施例2と同様にして、厚さ2mmのシート状に硬化・成形したものを、3号ダンベルの金型にて打ち抜き成形したものを用いた。なお、比較として、硫酸アルミニウムを添加しない場合についても試験を行った。
試験内容としては、上記供試体を20℃の水中に28日間浸漬し、吸水の有無、物性の劣化の有無などについて確認し、本硬化促進剤の添加による一液性湿気硬化型樹脂への影響を確認した。
試験結果は以下の通りである。表3参照。試験結果より、一液性湿気硬化型樹脂において、本発明における硬化促進剤の添加による顕著な耐水性物性の低下は見られず、十分な耐水性と強度特性を有することが確認された。
本発明の硬化促進剤及び硬化促進方法は、土木・建築あるいは輸送機器等の分野において、一液性湿気硬化型のシーリング材や接着剤として好適に用いることができる。とりわけ、空気と充分に接触することができないため、空気中の水分による硬化反応が充分に進行しないような条件下でも、一液性湿気硬化型樹脂の硬化反応を完結させることができることから、1cmを越えるような厚みや広い面積にわたってシールや接着するための一液性シーリング材や接着剤、あるいは密閉空間でも使用できる一液性接着剤に好適である。
Claims (5)
- 一液性湿気硬化型樹脂の硬化に用いる硬化促進剤であって、2〜27の結晶水を含有する粉末状の無機含水塩から成ることを特徴とする一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤。
- 前記無機含水塩が、16〜24の結晶水を含有する粉末状の無機含水塩である請求項1に記載の一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤。
- 前記無機含水塩が、硫酸アルミニウムである請求項2に記載の一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤。
- 前記一液性湿気硬化型樹脂が、加水分解性のケイ素基を含有するシリコーン樹脂または変成シリコーン樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進剤。
- 一液性湿気硬化型樹脂100重量部に対して、2〜27の結晶水を有する粉末状の無機含水塩を0.5〜100重量部配合してなる配合物を、被着体に塗布することを特徴とする一液性湿気硬化型樹脂の硬化促進方法。
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