JP2013543930A - N−アルコキシル化接着促進化合物を用いることによる、銅表面の前処理用溶液及び方法 - Google Patents

N−アルコキシル化接着促進化合物を用いることによる、銅表面の前処理用溶液及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、銅表面を前処理するための前処理溶液、及び、プラスチック加工部品と気密結合を形成させるための銅表面の前処理方法に関連している。前記溶液は、a)過酸化水素、b)少なくとも一つの酸、及び、c)少なくとも一つの含窒素五員複素環式化合物、及び、さらにd)ラクタム、非四級脂肪族アミン、アミド、及び、ポリアミドを含む又はから成る群から選択され、且つ、その一つ以上窒素原子において化学式(I)の少なくとも一つの残基と結合される、少なくとも一つの含窒素接着量促進化合物であって、ここで、当該化学式中のnは1から約100までの整数、Rは水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基、Rは、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基、及び、−(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能である、化合物を含んでおり、成分c)として選択された含窒素五員複素環式化合物は、そのいかなる窒素原子においても化学式(I)の残基と結合しないという条件を有する。

Description

本発明は、銅表面を前処理するための溶液と処理方法とに関連しており、当該前処理した銅表面とプラスチック物質との間には引き続き密着(気密性)結合を形成することが可能である。前記溶液は、引き続いてプリント回路基板の内層と合成樹脂で作られた当該基板の内層との間に密着結合をもたらすために、プリント回路基板の銅被覆した内層を前処理するために用いることが好ましい。
プリント回路基板の製造において、銅表面を有機系加工部品に密着結合しなければならない様々な処理工程(処理段階)が実施される。場合によっては、形成された結合に要求された結合が長期間に渡って確保されなければならない。その他の場合では、密着結合が、短期間だけ、例えばプリント回路基板の製造中にだけ銅表面上に有機系加工部品が止まっていればよい。例えば、(プリント回路基板上への導線を構造化するための)銅表面への乾燥塗膜めっきレジストの密着結合は、プリント回路基板製造中にだけ存在すればよい。導線構造体が形成された後、前記レジストは除去できうる。
接着力を増すための最も簡単な手法は食刻(腐食)し、それにより前記結合を形成する前に銅表面を粗くすることである。過酸化水素の硫酸溶液又はペルオキソ二硫酸ナトリウムのようなマイクロ腐食液(マイクロエッチ液)が用いられる。
別の処理法が特許文献1に記載されている。例えば、5−アミノテトラゾールを含有する前処理液が、銅表面に対して用いられる。
多層プリント回路基板を貼り合わせる(ラミネートする)際には、長期安定性が特に必須である。この場合には、銅表面に対し別の処理が必要である。
多層基板を製造する際に、複数の内層が絶縁合成樹脂層(いわゆるプリプレグ:例えばガラス繊維網によって強化したエポキシ樹脂フィルム)に貼り合わせられる。前記ラミネートの内部結合は、プリント回路基板の全耐用期間中ずっと維持しなければならない。内層上の銅層(好ましくは導線構造体)は、表面処理しなければならない。この問題を解決するために、様々な手法が開発されてきた。
貼り合わせ前に材料を前処理するための通常の手法は、銅表面上に酸化物層(酸化被膜)を形成することである。この手法では、茶色又は黒色酸化処理として知られている、非常に激しい反応条件を用いて酸化物を形成する。この手法の不利な点は、合成樹脂層への接着力を高めるために用いられる酸化物層が、酸、特に塩酸の処理液に対しあまり耐性が無いことである。したがって、基板内の通し孔をめっきするための次の処理で腐食されてしまう。接着結合が除去されてしまい、腐食された箇所で剥離が発生する(ピンクリング現象:本来黒色の酸化物膜の脱色により、外側から見ることのできる、プリント回路基板内の孔の直ぐ隣にある黒色酸化物層への腐食)。内層のピンク色をした銅被膜は、環状欠陥、楔形空洞、つまり、(黒色酸化物層への酸性処理液の攻撃から、銅内層と隣接するプリント回路基板樹脂との間にクラックの形の、プリント回路基板内の(処理孔の顕微鏡写真において認識可能な))欠陥として認識されている。
先に指摘した問題は、ラミネーション前に前記酸化物層表面を還元することによって解決される。還元された黒色酸化物は、通し孔のめっきにおいて用いられる化学物質に対し、通常の黒色酸化物よりもずっと安定である。しかしながら、追加の還元工程は多額の費用がかかる。また、還元に用いられる化学物質は、空気による酸化にあまり耐性が無いので、浴の耐用期間(寿命)、ならびに、補充化学物質の貯蔵寿命は限定される。この問題を解決するための試みが、特許文献2において成されている。還元された銅酸化物層をアミノチアゾール、及び/又は、アミノベンゾチアゾール化合物を含有する水溶液で処理することにより、当該還元された銅酸化物層に保護層をもたらす。しかしながら、高価な還元化学物質に係る問題、それらの酸化作用に対する低い耐性、ならびに、酸への当該層の高い反応性については、完全に解決されたわけではない。
接着力を促進するための別の選択肢は、アゾール化合物の水溶液又はアルコール溶液により、銅表面を処理することである。そのような手法は、例えば特許文献3に提案されている。銅表面は、0.1−20重量%の過酸化水素、無機酸(例えば硫酸)、有機系防錆剤(例えばベンゾトリアゾール)、及び、湿潤剤を含有する溶液で処理される。過酸化水素は、銅表面を腐食して、ミクロレベルの粗面を作り出す。
特許文献4は、しかしながら、プリント回路基板の材料表面の銅被覆を腐食するために用いられる腐食液を開示している。過酸化水素、硫酸、及び、含窒素化合物(アミノ安息香酸、アミノテトラゾール、又は、フェニル尿素が好ましい)も、これら溶液中に存在する。
特許文献5は、酸化剤、酸、防錆剤、ハロゲン化物イオン源、及び、任意に金属表面へのポリマー材料の接着力を増加するための水溶性ポリマーを含む配合物での金属表面処理工程を記載している。前記水溶性ポリマーが、エチレンオキシドのポリマー、エチレンオキシド−プロピレンオキシドのコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又は、ポリビニルアルコールであることが最も好ましい。そのようなポリマーは、前記配合物中で迅速に分解し、当該工程中に剥離強度の著しい減少を導く。
特許文献6は、引き続いて有機系加工部品と密着結合される銅表面の前処理用溶液に関連している。前記溶液は、特にラミネートされた多層プリント回路基板を密着結合するために、及び、プリント回路基板の銅表面にレジストを密着結合するために用いられる。当該溶液は、(a)過酸化水素と、(b)少なくとも一つの酸と、(c)少なくとも一つの含窒素五員複素環式化合物であって、当該複素環内に硫黄、セレン、又は、テルル原子のいずれも含有しない複素環式化合物と、及び、(d)(b)とは異なるスルフィン酸、セレン酸、テルル酸と、複素環式化合物であって、硫黄、セレン、及び/又は、テルル原子をその複素環中に少なくとも一つ含有する複素環式化合物と、ならびに、スルホニウム塩、セレノニウム塩、及び、テルロニウム塩と、から成る群から選択された、少なくとも一つの接着性化合物とを含有する。また、特許文献6は、銅表面を前処理して、次に当該銅表面とプラスチック加工部品との間に密着結合を形成させる工程を記載しており、当該工程では、銅表面は先に述べた溶液と接触するようにもたらされる。
特許文献6とは対照的に、特許文献7は、次に有機系加工部品と密着結合すべき銅表面の別の前処理工程を記載している。銅表面は、最初に、過酸化水素と、少なくとも一つの酸と、ならびに、少なくとも一つの含窒素五員複素環式化合物であって、当該複素環内に硫黄、セレン、又は、テルル原子のいずれも含有しない複素環式化合物とを含有する、第一液と接触するようにもたらされる。当該銅表面は、次に、スルフィン酸、セレン酸、テルル酸と、複素環式化合物であって、硫黄、セレン、及び/又は、テルル原子をその複素環中に少なくとも一つ含有する複素環式化合物と、ならびに、スルホニウム塩、セレノニウム塩、及び、テルロニウム塩と、から成る群から選択された、少なくとも一つの接着性化合物を含有する第二液と接触するようにもたらされる。この工程は、特に、ラミネートされた多層プリント回路基板を密着結合するために、及び、プリント回路基板の銅表面にレジストを密着結合するために用いられる。
米国特許3,645,772号 JP A 08097559 WO 96/19097 A1 米国特許4,917,758号 米国特許5,869,130号 WO 99/40764 US 6552091 DE 3836521
"Fettamine" in Roempp Chemielexikon, Thieme, 1989-1992, ISBN 3-13-102759-2
本発明の課題は、銅表面とプラスチック表面との間で密着結合を創り出すことのできる、前処理液と前処理工程(方法)とをもたらすことであった。全処理工程中で安定である、より高い剥離強度を達成すべきである。当該処理工程は単純で、取り扱いが簡単、且つ、安価であるべきである。前記溶液による処理が、次のプリント回路基板製造工程において、例えば、基板材料中の通し孔をめっきする工程において、問題をはらんでいない(ピンクリング現象、楔形空洞、又は、樹脂割れの無い)材料結合を製造することも重要である。したがって使用される前処理液は、プリント回路基板製造に適しているべきである。
これら課題は、請求項1に記載の前処理液と、請求項8に記載の処理方法によって解決される。
本発明に係る前処理液は、プラスチック加工部品と密着結合を形成できるようにする、銅表面の前処理用であって、
a)過酸化水素と、
b)少なくとも一つの酸と、及び、
c)少なくとも一つの含窒素五員複素環式化合物と、さらに、
d)ラクタム、非四級脂肪族アミン、アミド、及び、ポリアミドから成る、又は、これらを含む群から選択された、少なくとも一つの含窒素接着力促進化合物であって、当該化合物は、その一つ以上の窒素原子において化学式(I)の少なくとも一つの残基と結合しており、
Figure 2013543930
ここで、nは1から約100までの整数であり、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素残基であり、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素残基であり、且つ、−(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能であり、
成分c)として選択された含窒素五員複素環式化合物は、化学式(I)の残基とそのいかなる窒素原子においても結合しないという条件を有する、化合物を含んでいる。
本発明の前処理液とその処理工程により、従来公知の剥離強度と匹敵する剥離強度に、従来技術よりもより低い(深い)腐食深さで到達できる、これは、より短い処理時間と経済的利点を意味する。
「ラクタム、脂肪族アミン、アミド、及び、ポリアミドから成る、又は、含む群から選択された、少なくとも一つの含窒素接着力促進化合物」という記載は、様々なラクタムの、様々な脂肪族アミンの、様々なアミドの、様々なポリアミドの混合物、ならびに、ラクタム、非四級脂肪族アミン、アミド、及び、ポリアミドのうち二つ以上の混合物を意味する。
酸性溶液、好ましくは硫酸溶液に十分に可溶である接着力促進化合物が選択されるべきである。
成分a)−d)を含有する、本発明に係る前処理液は、以後「溶液(液)」とも略す。
本発明が基礎としている課題は、特に請求項15に記載の溶液を用いることによって解決され、当該溶液は銅層を備えたプリント回路基板内層の前処理において、当該プリント回路内層と合成樹脂層との間に密着性接着結合を形成するために用いられる。記載の溶液は、プリント回路基板の銅被覆した内層を、当該プリント回路基板の内層とプラスチック樹脂層との間に密着結合を形成できるように前処理するために用いられることが好ましい。
記載の溶液はまた、銅層を有するプリント回路基板を、当該銅層とプラスチック材料で作られたレジストとの間に気密性接着結合を形成できるように前処理するために用いることもできる。
本発明はさらに、先に規定したような化合物d)を、銅層を備えたプリント回路基板内層について、当該プリント回路基板内層と合成樹脂層との間に気密性接着結合を形成するための前処理液をもたらすために用いることを開示している。
本発明の好ましい実施形態は従属請求項においてわかる。
溶液の成分c)として選択した含窒素五員複素環式化合物は、成分d)として選択した含窒素接着力促進化合物と同一ではない。成分c)として選択した含窒素五員複素環式化合物は、上記化学式(I)の残基とそのいかなる窒素原子においても結合されないという違いが少なくとも存在する。
本発明において、「脂肪族」という用語は、構成要素である炭素原子の直鎖配列又は枝分かれ配列によって特徴づけられる、炭化水素基を意味し、飽和であっても、部分的に一つ、二つ、又は、それ以上の二重結合又は三重結合を有する不飽和であってもよい。
本発明のための「アルキル」という用語は、炭素原子を除くその骨格内に一価の直鎖状又は枝分かれした飽和炭化水素基を有することを意味し、アルキル基は、考えられうるその全ての異性体を含む。例えば、C−Cアルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2,3−ジエチルブチルを意味し、且つ、C−Cアルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルを意味する。
本発明のための「アルキレン」という用語は、炭素原子を除くその骨格内に二価の直鎖状又は枝分かれした飽和炭化水素基を有することを意味し、アルキレン基は、考えられうるその全ての異性体を含む。
「シクロアルキル」という用語は、一価の飽和、又は、部分的に不飽和な非芳香族炭素環基を意味し、単環式又は二環式リングで構成される。シクロアルキルは、任意に一つ以上の置換基で置換することも可能であり、各置換基は独立しており、特に示されていない限り、水酸基、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基(ハロアルキル基)、アミノ基、モノアルキルアミノ基、又は、ジアルキルアミノ基である。シクロアルキル基の例はこれに限定されないが、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等を含んでおり、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基等これらの部分的に不飽和な誘導体も含む。
「シクロアルキレン」という用語は、二価の飽和、又は、部分的に不飽和な非芳香族炭素環基を意味し、単環式又は二環式環で構成される。シクロアルキル基は、任意に一つ以上の置換基で置換することも可能であり、各置換基は独立しており、特に示されていない限り、水酸基、アルキル基、アルコキシル基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、又は、ジアルキルアミノ基である。
本発明のための「アルケニル」という用語は、炭素原子を除くその骨格内に一価の直鎖状、又は、枝分かれした不飽和炭化水素基を有することを意味し、アルキル基は、考えられうるその全ての異性体を含む。
「アリール」は、単環式、二環式、又は、三環式芳香環で構成される、一価の芳香族環式炭化水素基を意味する。前記アリール基は任意に置換されうる。アリール基の例は、これに限定されないが、フェニル基、ナフチル基、ナフタレニル基、フェナントリル基を含む。
「アリーレン」は、単環式、二環式、又は、三環式芳香環で構成される、二価の芳香族環式炭化水素基を意味する。前記アリーレン基は、任意に置換することもできる。
化学式(I)について、nは1から約100までの、好ましくは1から約50までの整数である。
先に述べたように、−(CHR−CHR−O)−基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−基中の各R及びRとは無関係に選択することができる。よって、ブロックコポリマー及びランダムコポリマー構造が生じうる。例えば、第一の−(CHR−CHR−O)−基が互いに続いており、続いて第二の−(CHR−CHR−O)−基が続き、第一の基におけるR及び/又はRが、第二の基におけるR及び/又はRと異なっている場合にブロックコポリマー構造を生じることができる。
一実施形態におけるRは水素、アルキル基、フェニル基から選択される。Rは、好ましくはC−Cアルキル又は水素であり、より好ましくはメチル基又はエチル基又は水素であり、最も好ましくはメチル基又は水素である、これらはnについて上記した全ての値と組み合わせ可能である。
一実施形態におけるRは水素、アルキル基、フェニル基から選択される。Rは、好ましくはC−Cアルキル又は水素であり、より好ましくはメチル基又はエチル基又は水素であり、最も好ましくはメチル基又は水素である、これらはnについて上記した全ての値、及び、上記した全てのRと組み合わせ可能である。
nについて上記した全ての値と組み合わせ可能な一実施形態において、化学式(I)の残基中のRは水素であり、且つ、Rは1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、好ましくはアルキル基又はフェニル基、より好ましくはC−Cアルキル基、もっと好ましくはメチル基又はエチル基、最も好ましくはメチル基である。先に述べたように、−(CHR−CHR−O)−基中の各R及びRは、別の−(CHR−CHR−O)−基中の各R及びRとは無関係に選択されうる。特定の実施形態では、全ての−(CHR−CHR−O)−基中でRは水素であり、且つ、全ての−(CHR−CHR−O)−基中でRはメチル基である。別の特定実施形態では、全ての−(CHR−CHR−O)−基中でRは水素であり、且つ、全ての−(CHR−CHR−O)−基中でRはエチル基である。
nについて上記した全ての値と組み合わせ可能な別の実施形態において、化学式(I)の残基中のRは、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素であり、好ましくはアルキル基又はフェニル基、より好ましくはC−Cアルキル基、もっと好ましくはメチル基又はエチル基、最も好ましくはメチル基であり、且つ、Rは水素である。特定の実施形態では、全ての−(CHR−CHR−O)−基中でRは水素であり、且つ、全ての−(CHR−CHR−O)−基中でRはメチル基である。別の特定実施形態では、全ての−(CHR−CHR−O)−基中でRは水素であり、且つ、全ての−(CHR−CHR−O)−基中でRはエチル基である。
先に述べた実施形態と組み合わせ可能な別の実施形態において、RとRの合計で最大6つの炭素原子を、より好ましくは最大で4つの炭素原子を含有する。
非常に好ましい実施形態において、Rは水素又はメチル基であり、且つ、Rは水素又はメチル基であり、−(CHR−CHR−O)−基中の各R及びRは、別の−(CHR−CHR−O)−基中の各R及びRとは無関係に選択可能であり、且つ、各基において、Rがメチル基ならばRは水素であるという条件、及び、Rがメチル基ならばRは水素であるという条件を有している。
非常に好ましい別の実施形態において、全ての−(CHR−CHR−O)−基中のR及びRは水素である。
上記開示に鑑みて、化学式(I)の残基は、非常に好ましい実施形態においてポリエチレングリコール(PEG)又はポリプロピレングリコール(PPG)残基である。
本発明はまた、プラスチック加工部品との密着結合を形成可能にするために、銅表面を前処理するための前処理液を開示しており、以下を含んでいる。:
a)過酸化水素、
b)少なくとも一つの酸、及び、
c)少なくとも一つの含窒素五員複素環式化合物と、
d)さらに、一つ以上の化学式(Ia)の化合物による、ラクタム、脂肪族アミン、アミド、又は、ポリアミドのアルコキシル化によって得られうる、又は、得られた、少なくとも一つの含窒素接着力促進化合物であって、
Figure 2013543930
ここで、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基、及び、
成分c)として選択した、含窒素五員複素環式化合物は、化学式(Ia)の化合物によっていずれの窒素原子もアルコキシル化されないこと、及び、脂肪族アミンのアルコキシル化によって得られうる、又は、得られた生成物は、非四級脂肪族アミンであることを条件としている。
化学式(Ia)中のRは、一実施形態において、水素、アルキル基、フェニル基から選択される。Rは、C−Cアルキル基、又は、水素であることが好ましく、メチル基、エチル基、又は、水素であることがより好ましく、メチル基、又は、水素であることが最も好ましい。
化学式(Ia)中のRは、Rの全実施形態と組み合わせることが可能な、水素、アルキル基、フェニル基から選択された一実施形態である。Rは、C−Cアルキル基、又は、水素であることが好ましく、メチル基、エチル基、又は、水素であることがより好ましく、メチル基、又は、水素であることが最も好ましい。
一実施形態において、化学式(Ia)中のR又はRのうち一つが水素であり、もう一つは1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、好ましくはアルキル基、又は、フェニル基であり、より好ましくはC−Cアルキル基であり、もっと好ましくはメチル基、又は、エチル基であり、最も好ましくはメチル基である。
別の好ましい実施形態では、化学式(Ia)中のR及びRが水素である。
好ましい化学式(Ia)の化合物は、2から約8までの炭素原子を含有し、最も好ましくはエチレンオキシド(オキシエチレンとも呼ばれる)、プロピレンオキシド(オキシプロピレンとも呼ばれる)、1−ブチレンオキシド、2−ブチレンオキシド、又は、スチレンオキシドである。
アルコキシル化という用語は、ラクタム、ポリアミド、又は、脂肪族アミンの窒素原子と化学式(Ia)の化合物との反応を意味する。よって、本発明におけるアルコキシル化とは、N−アルコキシル化を意味する。したがって、アルコキシル化ラクタム、ポリアミド、脂肪族アミン、又は、アミドとは、各化合物のアルコキシル化によって得られうる反応生成物である。アルコキシル化は当業者にとって公知であり、科学文献ならびに特許文献において広く記載されている。
アルコキシル化ラクタム、脂肪族アミン、アミド、又は、ポリアミドは、アルコキシル化のために化学式(Ia)の複数の化合物を用いて作成されうる。アルコキシル化ラクタム、脂肪族アミン、アミド、又は、ポリアミドは、例えば特許文献7に記載されるように、二つ以上の前記化合物との逐次アルコキシル化によって作成されうる。
含窒素接着力促進化合物は、アルコキシル化ラクタム、アルコキシル化脂肪族アミン、アルコキシル化アミド、及び、アルコキシル化ポリアミドのうち一つ以上を選択することができ、アルコキシル化は、化学式(Ia)の一つ以上の化合物によって実施された。
一実施形態において、本発明の溶液の成分d)として選択された含窒素接着力促進化合物は、化学式(II)のラクタムである。
Figure 2013543930
ここで、
nは1から約100までの整数であり、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
−(CHR−CHR−O−)−残基中の各RとRは、他の−(CHR−CHR−O−)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能であり、且つ、
は、2から約20までの炭素原子を有する炭化水素基である。
特定の実施形態及びn、R及びRの組み合わせについて、化学式(I)に対する上記開示を参照。
全ての特定実施形態とn、R及びRの全ての組み合わせとを組み合わせることができる一実施形態において、Rは、C−C20−アルキレン、好ましくはC−C12−アルキレンであって、非置換であるか、又は、アルキレン、シクロアルキレン、及び、アリーレンから成る群から互いに関係なく選択された、1、2、3、4、5、又は、6つの置換基によって置換されている。
好ましい実施形態において、Rは、化学式−(CH−のアルキレン基であって、yは2から約20までの整数であり、2から約12までの整数であることがより好ましく、2から約7までの整数であることが最も好ましい。
非常に好ましい実施形態において、溶液の成分d)として選択したラクタムは、エトキシル化βプロピオラクタム、ヘキサエトキシル化γブチロラクタム、オクタエトキシル化δバレロラクタム、ペンタプロポキシル化δバレロラクタム、ヘキサエトキシル化εカプロラクタム、ドデカエトキシル化εカプロラクタム、又は、これら化合物の二つ以上の混合物である。
化学式(II)の適切なラクタム類は特許文献8に記載されており、参照することによってその全てを包含する。
別の実施形態では、本発明の溶液の成分d)として選択された含窒素接着力促進化合物は、化学式(III)のポリアミドである。
Figure 2013543930
ここで、nは、1から約100までの整数であり、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
−(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRとは無関係に選択可能であり、
は、1から約20までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
−(N−R−CO)−残基中の各Rは、別の−(N−R−CO)−残基中の各Rとは無関係に選択可能であり、且つ、
−(CHR−CHR−O)−残基又は鎖中の各nは、別の−(CHR−CHR−O)−残基又は鎖中の各nとは無関係に選択可能である。
「−(CHR−CHR−O)−残基」という用語は、n=1である場合に用いられ、且つ、「−(CHR−CHR−O)−鎖」という用語は、n<1である場合に用いられる。
化学式(III)中の()という印は、−(N−R−CO)−残基が高分子鎖を形成し、且つ、化学式(III)中の「X」が、高分子鎖中の−(CHR−CHR−O)−残基の繰り返し数であることを表しており、様々なXを有する鎖が存在しうる。
特定の実施形態及びn、R及びRの組み合わせについて、化学式(I)に対する上記開示を参照。
全ての特定実施形態とn、R及びRの全ての組み合わせとを組み合わせることができる一実施形態において、Rは、C−C20−アルキレン、好ましくはC−C12−アルキレンであって、非置換であるか、又は、アルキレン、シクロアルキレン、及び、アリーレンから成る群から互いに関係なく選択された、1、2、3、4、5、又は、6つの置換基によって置換されている。
好ましい実施形態において、Rは、化学式−(CH−のアルキレン基であって、yは2から約20までの整数であり、2から約12までの整数であることがより好ましく、2から約7までの整数であることが最も好ましい。
先に記載したようなポリアミドは、例えば、先に記載したラクタムの開環重合によって、又は、先に記載した少なくとも二つのラクタムの開環共重合によって作られうる。
本発明において採用可能な他のポリアミドは、ジカルボン酸とジアミンから作られたポリアミドであって、上記のように一つ以上の化学式(I)でその一つ以上の窒素原子をアルコキシル化されている。一実施例は、これに限定されないが、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンから作られた、N−アルコキシル化ポリアミド6,6である。
別の適切なポリアミドは、N−アルコキシル化、特に、N−エトキシル化εカプロラクタムから作られうる、N−アルコキシル化ポリアミド6、特に、N−エトキシル化ポリアミド6である。
化学式(III)のポリアミド類は、アルコキシル化ラクタムから作られうる。アルコキシル化ラクタム類は特許文献8中に記載されており、参照することによりその全てを包含する。
本発明の溶液成分d)として用いられる、含窒素接着力促進化合物は、脂肪族アミンであってもよく、先に述べたようにその一つ以上の窒素原子で化学式(I)の残基と結合している。
化学式(I)の残基が前記脂肪族アミンの窒素原子に結合する前に、本発明における当該脂肪族アミンは、一般化学式RNHの脂肪族アミンであるか、又は、一般化学式RNHを有する脂肪族アミンであり、RとRは、互いに独立した脂肪族残基であって、好ましくは2から約40までの炭素原子を有している。脂肪族アミンは脂肪酸から得られる、つまり、脂肪酸とアンモニアの反応により脂肪族ニトリルが得られて、当該脂肪族ニトリルと水素の反応により脂肪族アミンが得られる。
「脂肪酸」という用語は、本発明の意味では、脂肪族鎖を有するカルボン酸を意味し、上記規定にしたがうと、飽和又は不飽和、及び、枝分かれ又は直鎖であってもよい。本発明の意味では、脂肪酸は、カルボキシル基C原子を含む少なくとも2つの炭素原子を含有する。脂肪酸は、自然に発生する脂肪酸、硬化した脂肪酸、修飾した天然脂肪酸、及び、合成脂肪酸を含みうる。
化学式RNHの脂肪族アミンへ化学式(I)の一残基を導入した後、接着力促進化合物として二級アミンが形成される。化学式RNHの脂肪族アミンへ化学式(I)の二残基を導入した後には、最終接着力促進化合物として三級アミンが形成される。二級脂肪族アミン(RNH)へ化学式(I)の一残基を導入した後には、接着力促進化合物として三級アミンが形成される。
前記含窒素接着力促進化合物、特にその窒素原子で上記化学式(I)の少なくとも一つの残基と結合された脂肪族アミンは、非四級アミン化合物である。換言すれば、本発明において採用されたような、その窒素原子で化学式(I)の少なくとも一残基と結合された脂肪族アミンは、四級アンモニウムカチオンを含有しない、又は、四級アンモニウムカチオンではない。
四級アミン化合物は、正に荷電され、且つ、一般構造式N(R’)(R’’)(R’’’)(R’’’’)を有し、R’、R’’、R’’’、及び、R’’’’は炭化水素基であって、互いに同じか異なっており、酸素及び窒素のようなヘテロ原子を含有してもよい、四級アンモニウムカチオンを含有している。アンモニウムイオン(NH )及び一級(NH(R’))、二級(NH(R’))、又は、三級(NH(R’)(R’’)(R’’’))アンモニウムカチオンとは異なり、四級アンモニウムカチオンは、pHとは関係なく永続的に荷電している。
本発明の溶液の成分d)として選択される含窒素接着力促進化合物は、本発明の一実施形態において、化学式(IV)の脂肪族アミンである。
Figure 2013543930
ここで、nとmは互いに独立した、1から約100までの整数であり、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
−(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能であり、且つ、
は、2から約40までの炭素原子を有する脂肪族残基である。
特定の実施形態及びn、R及びRの組み合わせについて、化学式(I)の上記開示を参照。n及びmは互いに独立しており、好ましくは1から約50までである。
全ての特定実施形態及びn、m、R及びRの組み合わせと組み合わせ可能な一実施形態では、RはC12からC24までの脂肪族残基であり、既に上記で規定したように脂肪族という用語は、飽和及び不飽和、直鎖及び枝分かれした基を含んでいる。Rが、飽和又は不飽和のC12からC24までの直鎖脂肪族残基であることが最も好ましい。
化学式(IV)の化合物は、Rが上記のように規定されている一般化学式R−NHの一級脂肪族アミンのアルコキシル化によって得られうる。
一実施形態において、様々な残基Rを有する化学式(IV)の化合物の混合物が採用され、当該化学式(IV)の化合物は様々な残基Rを備えた一級脂肪族アミンの混合物をアルコキシル化することによって得られうる。前記アミンの混合物は、公知の方法で脂肪族アミンと反応した様々な脂肪酸の混合物から得られうる。様々な脂肪酸の混合物は、自然源から、例えば動物性脂肪、又は、植物油から得られうる。植物油の例は、パーム油、大豆油、菜種油、ヒマワリ種子油、ピーナツ油、綿実油、パーム核油、ココナッツ油、オリーブ油、コーン油、ぶどう種子油、ヘーゼルナッツ油、あまに油、米ぬか油、ベニバナ油、及び、ごま油である。動物性脂肪の例は、獣脂、例えば牛脂、羊脂、硬化獣脂、及び、(ブタ)ラードである。
特定の実施形態において、化学式(IV)の化合物は、アルコキシル化獣脂アミン、又は、アルコキシル化水素化獣脂アミンである。「水素化」獣脂アミンという用語は、脂肪酸残基中の不飽和結合を水素化によって飽和結合に転化した、獣脂アミンを意味する。この実施形態では、化学式(IV)中のnとmは、互いに関係の無い1から約50までの整数であることが好ましく、且つ、RとRは、水素であることが好ましい。
「獣脂アミン」という用語は、獣脂から得られた脂肪族アミンの混合物を意味する。獣脂アミンを製造するためには、獣脂を当業者に公知の反応、つまり、けん化によって脂肪酸へ転化し、このようにして得られた脂肪酸を別の工程において当業者に公知の反応によって脂肪族アミンへ転化する(非特許文献1参照)。
一実施形態において、化学式(IV)の化合物の主成分である獣脂アミンは、獣脂から得られた脂肪酸化合物で作られており、以下を重量%で含有している。
オレイン酸:38−47%
パルミチン酸:22−28%
ステアリン酸:14−22%
パルミトオレイン酸:2−5%
ミリスチン酸:2−5%
リノール酸:2−5%
マルガリン酸:1−4%
ペンタデカン酸:1−2%
ミリストオレイン酸:0−1%
リノレン酸:0−1%
アラキン酸(アラキジン酸):0−1%
ベヘン酸:0−1%
別の実施形態において、化学式(IV)の化合物の主成分である獣脂アミンは、水素化獣脂から得られた脂肪酸化合物で作られており、以下を重量%で含んでいる。
ステアリン酸:50−55%
パルミチン酸:28−32%
ミリスチン酸:2−6%
マルガリン酸:1−4%
ペンタデカン酸:0.5−2%
アラキン酸:0.5−2%
本発明に採用されうる好ましい脂肪族アミンと獣脂アミンは、(登録商標)Berol 387、(登録商標)Ethomeen OV/22、及び、(登録商標)Ethomeen HT/60であって、Akzo-Nobel社の製品ならびに登録商標である。これら化合物についての詳細は実施例において示す。
本発明の溶液の成分d)として選択された、含窒素接着力促進化合物は、本発明の別の実施形態では化学式(V)の脂肪族アミンである。
Figure 2013543930
ここで、nは1から約100までの整数であり、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
−(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能であり、且つ、
とRは、2から約40までの炭素原子を有する互いに無関係な脂肪族残基である。
特定の実施形態及びn、R及びRの組み合わせについて、化学式(I)の上記開示を参照。
全ての特定実施形態及びn、m、R及びRの組み合わせと組み合わせ可能な一実施形態では、RとRはC12からC24までの互いに無関係な脂肪族残基であり、既に上記で規定したように脂肪族という用語は、飽和及び不飽和、直鎖及び枝分かれした基を含んでいる。RとRが、飽和又は不飽和のC12からC24までの互いに無関係な直鎖脂肪族残基であることが最も好ましい。
化学式(V)の化合物は、一般化学式(R)(R)NHを有し、RとRは上記のように規定されている、二級脂肪族アミンのアルコキシル化によって得られうる。
一実施形態において、化学式(V)の化合物の混合物が採用され、当該化学式(V)の化合物は、様々な二級脂肪族アミンの混合物のアルコキシル化によって作られうる。二級脂肪酸アミンの混合物は、公知の方法で様々な脂肪酸の混合物を二級脂肪族アミンと反応させることで得られうる。先に述べたように、様々な脂肪酸の混合物は、自然源、例えば、先に述べた動物性油脂、又は、植物油から得られうる。
特定の実施形態において、化学式(V)の化合物はアルコキシル化獣脂アミン、又は、アルコキシル化水素化獣脂アミンである。この実施形態において、化学式(V)中のnは、1から約50までの整数であることが好ましく、且つ、RとRは水素であることが好ましい。これに関して、上記の獣脂は、獣脂アミンを製造するための開始材料として採用されうる。
本発明の溶液の成分d)として選択された含窒素接着力促進化合物は、本発明のさらに別の実施形態において、化学式(VI)のアミドである。
Figure 2013543930
ここで、nとmは、互いに無関係な1から約100までの整数であり、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
−(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能であり、且つ、
は、1から約39までの炭素原子を有する脂肪族残基である。
特定の実施形態、及び、RとRの組み合わせについては、化学式(I)の上記開示を参照。nとmは互いに無関係であり、1から約50までであることが好ましい。
全ての特定実施形態及びn、m、R及びRの組み合わせと組み合わせ可能な一実施形態では、Rは、C11からC23までの脂肪族残基であり、既に上記で規定したように脂肪族という用語は、飽和及び不飽和、直鎖及び枝分かれした基を含んでいる。Rが、飽和又は不飽和でC11からC23までの直鎖型脂肪族残基であることが最も好ましい。
本発明の溶液の成分b)として用いられる酸は、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸のような無機酸、又は、鉱酸であることが好ましく、硫酸が最も好ましい。他の酸も採用可能である。前記酸は、スルフィン酸、セレン酸、又は、テルル酸ではない。
本発明の溶液の成分c)として採用される含窒素五員複素環式化合物は、単環式、又は、多環式縮合環系であってもよい。例えば当該化合物は、環置換した(anellated)ベンゼン、ナフタレン、又は、ピリミジン環を含有することができる。これら化合物を選択する際、酸性溶液中に十分に溶解できることを確認すべきである。溶液が、トリアゾール、テトラゾール、イミダゾール、ピラゾール、及び、プリン、又は、それらの誘導体を含むことが好ましい。
特に、溶液は化学式(VIIa)のトリアゾールを含有する。
Figure 2013543930
その際、R17、R18=水素、アルキル基、置換アルキル基、アミノ基、フェニル基、置換フェニル基、カルボキシアルキル基であり、R17とR18は同一であるか、又は、異なっており、トリアゾール環に縮合した単素環又は複素環の一部であってもよい。
ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、及び、ジメチルベンゾトリアゾールが特に好ましい。
また、溶液は化学式(VIIb)のテトラゾールを含有することができる。
Figure 2013543930
その際、R19=水素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、R20−CONH基であり、ここで、R20=水素、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基、又は、置換フェニル基である。
好ましいテトラゾール化合物は、5−アミノテトラゾールと5−フェニルテトラゾールであろう。好ましいイミダゾール化合物は、ベンズイミダゾールであろう。5−アミノテトラゾール、5−フェニルテトラゾール、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、及び、エチルベンゾトリアゾールは、前処理溶液中での好ましい溶解度とそれらの入手し易さという点から好ましい化合物である。
好ましい組み合わせは、含窒素複素環式化合物としてのベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、5−アミノテトラゾール、及び、5−フェニルテトラゾールと、複素環式化合物としてのアミノチオフェンカルボン酸、そのエステル及びアミド、アミノチアゾール及び置換アミノチアゾールとの組み合わせである。
溶液中の成分c)として選択された含窒素五員複素環式化合物は、硫黄原子、セレン原子、又は、テルル原子のいずれもその複素環中に含まない。
本発明の溶液は、先に述べた成分a)−d)に加え、さらなる成分として、スルフィン酸、セレン酸、テルル酸、少なくとも一つの硫黄、セレン、及び/又は、テルル原子をその複素環内に含有する複素環式化合物、一般化学式(VIII)を有する化合物であるスルホニウム塩、セレノニウム塩、及び、テルロニウム塩であって、
Figure 2013543930
ここで、A=S、Se、又は、Te、
、R10、及び、R11は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基であり、R、R10、及び、R11は同一か異なっており、且つ、Z=無機酸又は有機酸のアニオン、又は、水酸化物である、前記スルホニウム塩、セレノニウム塩、及び、テルロニウム塩、から成る群から選択される、少なくとも一つの含硫黄、含セレン、又は、含テルル接着化合物を含有することができる。
先に述べたような含硫黄、含セレン、又は、含テルル接着化合物がさらなる成分として添加される場合には、溶液中の成分b)として選択された酸は、いずれにしても、含硫黄、含セレン、又は、含テルル接着化合物として選択された、スルフィン酸、セレン酸、テルル酸と同一ではなく、且つ、溶液中の成分c)として選択された含窒素五員複素環式化合物は、硫黄原子、セレン原子、又は、テルル原子のいずれもその複素環内に含有しない。
好ましいスルフィン酸は、化学式(IX)の化合物、つまり、
Figure 2013543930
その際、R12、R13、及び、R14=水素、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基、置換フェニル基、又は、R15−(CO)−基であり、ここで、R15=水素、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基、又は、置換フェニル基であり、R12、R13、及び、R14は同一であるか、又は、異なっている、化学式(IX)の化合物と、
芳香族スルフィン酸である。
溶液が、接着化合物としてホルムアミジンスルフィン酸を含有していると好ましい。好ましい芳香族スルフィン酸は、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸、クロロベンゼンスルフィン酸、ニトロベンゼンスルフィン酸、及び、カルボキシベンゼンスルフィン酸である。
他の好ましい複素環式接着化合物は、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、及び、チアトリアゾールである。
適切なチオフェンは、化学式(X)の化合物である。
Figure 2013543930
その際、R21、R22、R23、R24=水素、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ハロゲン基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、水酸基、アルコキシル基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、R25−CONH−であり、ここで、R25=水素、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基、又は、置換フェニル基であり、R21、R22、R23、R24は同一であるか、又は、異なっており、チオフェン環に縮合された単素環又は複素環の一部であってもよい。
特に好ましいチオフェンは、アミノチオフェンカルボン酸、それらのエステル及びアミドである。例えば、3−アミノチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルが有利に用いられうる。
適切なチアゾールは、化学式(XI)の化合物である。
Figure 2013543930
その際、R26、R27、R28=水素、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ハロゲン基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、水酸基、アルコキシル基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、R29−CONH−であり、ここで、R29=水素、アルキル基、置換アルキル基、フェニル基、又は、置換フェニル基であり、R26、R27、及び、R28は同一であるか、又は、異なっており、チアゾール環に縮合された単素環又は複素環の一部であってもよい。
特に適切なチアゾールは、アミノチアゾール、及び、置換アミノチアゾールである。
他に好ましいチアジアゾール接着化合物は、アミノチアジアゾール、及び、置換アミノチアジアゾールから成る群由来である。
さらに、接着化合物として用いられる好ましいスルホニウム塩は、トリメチルスルホニウムの塩、トリフェニルスルホニウムの塩、メチオニンアルキルスルホニウムの塩、及び、メチオニンベンジルスルホニウムの塩である。
本発明の溶液中における別の任意成分は塩化物イオンであって、好ましくは5−500mg/l、より好ましくは10−50mg/lのCl濃度である。
溶液の好ましい溶媒は水である。アルコールのような他の有機溶媒も、例えば含有成分、特に、含窒素五員複素環式化合物と、含硫黄、含セレン、又は、含テルル接着化合物の溶解度を増すために添加可能である。
分解しないように過酸化水素を安定化するために、溶液は、p−フェノールスルホン酸のような安定化化合物を含有することができる。
また、他の無機化合物及び有機化合物、例えば硫酸銅及び湿潤剤が溶液中に存在してもよい。
別の態様において、本発明は、銅表面とプラスチック材料加工部品との間に気密性接着結合を引き続いて形成するための、銅表面の前処理方法に向けられており、前記銅表面は、次のa)〜d)、即ち、
a)過酸化水素、
b)少なくとも一つの酸、
c)少なくとも一つの含窒素五員複素環式化合物、及び、
d)ラクタム、非四級脂肪族アミン、アミド及びポリアミドから成る群から選択された、少なくとも一つの含窒素接着力促進化合物であって、その一つ以上の窒素原子で少なくとも一つの上記化学式(I)の残基と結合される、化合物、と接触するようにもたらされる。
本発明の方法において採用された成分a)−d)について、全ての特定実施形態及び好ましい実施形態を含む、先の開示を参照。
「銅表面」という用語は、多数(多重)の銅表面も含むことも意図している。よって、本発明の方法は、多数の銅表面の同時処理を含む。
本発明に係る処理は、銅表面をプラスチックと密着結合させるために銅表面を前処理する非常に簡単な方法である。前記接着力は長時間後ですら弱まらない。先に記載した接着力促進化合物が溶液中に存在しない場合には、そのような結合強度を獲得することができない。また、本発明の接着力促進化合物の無い溶液で銅を処理した後の結合の長期安定性は、前記接着力促進化合物が用いられた場合よりも実質的に低い。
また、プリント回路基板内の通し孔めっきに関連して生じる問題(即ち、ピンクリングと楔形空洞)は、接着力促進化合物を加えた処理液を用いることによって回避される。本発明に係る溶液を用いて作り出された接着力促進層は優れた耐酸性を有する一方で、黒色酸化層、及び、還元された黒色酸化層は、塩酸溶液に対して幾らか影響を受け易い。有機系加工部品への銅の接着性は、上記成分a)−d)による処理後、及び、接着が作り出される前に希酸で銅表面を処理した場合に改善されることが示された。硫酸、塩酸、硝酸、燐酸のような無機酸、又は、鉱酸を用いることが好ましく、硫酸が最も好ましい。
本発明に係る前処理が有効であることを確証するために、銅表面を洗浄することが好ましい。あらゆる従来の洗浄液を用いることができる。通常、湿潤剤としばしば錯化剤(トリエタノールアミンのような)を含有する水溶液が用いられる。
洗浄した銅表面をすすいだ後、五員複素環式化合物のうち一つ(成分c)を好ましくは0.1−10g/lの濃度で、特に0.5−2g/lの濃度で含有するのが好ましい「プレディップ(前浸漬)」とも略される、いわゆるプレディップ(前浸漬)液と接触するようにもたらすことができる。この処理は、次の処理段階で接着力促進層を形成するのに役立つ。特に、層形成におけるあらゆる遅延を防ぐ。当該表面は次に、その前にすすぐことなく成分a)−d)で処理される。
本発明は、成分a)−d)による前処理をどのようにして実行できるかという二つの好ましい実施形態を開示する。一つ目の好ましい実施形態では、銅表面は、一つの溶液を用いて同時に全成分a)−d)で処理される。二つ目の好ましい実施形態では、銅表面は、二つの溶液を用いて連続的に処理され、最初の溶液は成分a)−c)から成り又は含有し、二番目の溶液は成分d)から成る又は含有する。
本発明の方法に係る一つ目の好ましい実施形態では、銅表面は、成分a)−d)から成る上記溶液と接触するようにもたらす。これに関して、溶液の全ての実施形態と好ましい実施形態は、本方法に採用されうる。本発明の方法に係る一つ目の実施形態では、基本的に一段階である必要がある、つまり、本発明に係る溶液で銅表面を処理して有機系加工部品と結合させる必要がある。
接着力促進層が形成されるにつれて、銅表面は、含窒素五員複素環式化合物と接着力促進化合物との組み合わせに応じ、通常はピンクから茶色へ、色変化する。
酸と絡めた過酸化水素によるマイクロ腐食は、ミクロレベルで粗い(microrough)銅表面を生じる。これが表面積を増大するので、続くプラスチック加工部品への銅表面の接着力も増大する。処理中における表面の色変化は、薄い酸化銅層によって引き起こされる。銅表面上に形成し、おそらく銅又は酸化銅と、五員複素環式化合物と、含窒素接着力促進化合物とから成る、有機系銅化合物の形成によっても接着性が向上したのかもしれない。本発明に係る溶液中の酸が無機酸であり、特に硫酸であることが好ましい。他の酸も勿論使用可能である。
前記処理は、20−60℃で実行するのが好ましい。処理時間は、10−600秒であることが好ましい。温度が高ければ高いほど、溶液は速く作用する。したがって、処理時間は遥かに短くさえできる。実用的な観点から、より良く反応を制御するには、平均温度が25−45℃であることが好ましい。平均処理時間は20−90秒である。
また、温度上限は、高温における或る溶液成分の間で起こりうる不適合性、例えば、高温で難溶解である湿潤剤、に従って設定すべきであるかもしれない。
溶液中の好ましい濃度範囲は、以下のとおり。
酸、好ましくは濃硫酸 10−250g/l
過酸化水素、30重量パーセント 1−100g/l
(対応する過酸化水素濃度 0.3−30g/l)
N−含有五員複素環式化合物 0.5−50g/l
含窒素接着力促進化合物
ラクタム 0.05−10g/l、好ましくは、0.1−6g/l
非四級脂肪族アミン 0.05−10g/l、好ましくは、0.1−6g/l
アミド 0.05−10g/l、好ましくは、0.1−6g/l
ポリアミド 0.05−10g/l、好ましくは、0.1−6g/l
先に述べたように、様々なラクタムの、様々な脂肪族アミンの、様々なアミドの、及び、様々なポリアミドの混合物、ならびに、二つ以上のラクタム、非四級脂肪族アミン、アミド、及び、ポリアミドの混合物が利用可能である。様々なラクタム、様々な脂肪族アミン、様々なアミド、又は、様々なポリアミドが用いられる場合には、上記化合物(例えばラクタム)の濃度範囲は、当該化合物又は化合物の混合物(例えば、ラクタム、又は、複数ラクタムの混合物)の全(合計)濃度範囲を意味する。含窒素接着力促進化合物の全濃度が10g/lを越えないことが好ましい。
引き合いに出した浴成分の最適濃度は、五員複素環式化合物と含窒素接着力促進化合物の種類に依存する。
溶液の可使時間(寿命)を増すために、処理を実施する直前に使用可能処理液を調製することが好ましい。例えば、五員複素環式化合物と含窒素接着力促進化合物の硫酸溶液と過酸化水素とを混合するか、又は、作成した溶液を、使用前に直接加えて各成分の所望の濃度に調製することも可能である。
本発明の方法に係る二つ目の好ましい実施形態では、第一段階(工程)において銅表面は、以下の成分、つまり、
a)過酸化水素
b)少なくとも一つの酸、及び、
c)少なくとも一つの含窒素五員複素環式化合物とを含む第一液と接触するようにもたらされ、
第二段階において銅表面は、以下の成分、つまり、
d)ラクタム、非四級脂肪族アミン、アミド、及び、ポリアミドから成る群から選択された、少なくとも一つの含窒素接着力促進化合物であって、その一つ以上の窒素原子において、先に規定した化学式(I)の少なくとも一つの残基と結合される、化合物を含む第二液と接触するようにもたらされる。
第二液の含窒素接着力促進化合物は、先に記載した成分d)と同じである。したがって、成分d)の全ての実施形態と好ましい実施形態を参照。
表面は、濯がれることなく、成分a)、b)及びc)を含有する本発明に係る第一液で処理される。前記加工部品は、次に濯がれて、あらゆる接着している液を当該加工部品から除去することができる。続いて、前記表面は、成分d)を含む第二液で処理される。本発明及び添付の実施例では、当該第二液は「ポストディップ(後浸漬)液」又は単に「ポストディップ(後浸漬)」とも呼ばれている。銅表面は、第一液で処理された後、濯ぐことなく直ぐに第二液で処理することも可能である。
この処理によって、銅表面は、第一液中の含窒素五員複素環と第二液中の接着力促進化合物との組み合わせに依存することにより接着力促進層が形成されるにつれて、ピンクから茶色に色変化する。
第一液中の酸が、無機酸、特に硫酸であることが好ましい。勿論、他の酸も使用可能である。
分解しないように過酸化水素を安定化するために、p−フェノールスルホン酸のような他の添加化合物を第一液に用いることも可能である。
両液は、例えば含有された成分、特に、含窒素五員複素環式化合物と接着力促進化合物の溶解度を上げるために、水のような溶媒と更にアルコールのような他の有機溶媒を含有することが可能である。
また、他の無機系及び有機系化合物、例えば湿潤剤を両液中に加えることができる。硫酸銅も第二液に加えることができる。
前記二液での処理は、20−60℃で実施されることが好ましい。処理時間は5−600sであることが好ましい。温度が高いほど液は速く作用する。したがって、処理時間は遥かに短くさえできる。実用的な観点から、より良く反応を制御するには、平均温度が25−45℃のように選択されることが好ましい。平均処理時間は10−60秒である。また、温度上限は、高温における或る溶液成分間で起こりうる不適合性、例えば、高温で難溶解である湿潤剤、に従って設定すべきであるかもしれない。
溶液中の好ましい濃度範囲は以下のとおり。
第一液:
酸、好ましくは、濃硫酸 10−250g/l
過酸化水素、30重量パーセント 1−100g/l
(対応する過酸化水素濃度 0.3−30g/l)
N−含有五員複素環式化合物 0.5−50g/l
第二液:
含窒素接着力促進化合物
ラクタム 0.05−10g/l、好ましくは、0.1−6g/l
非四級脂肪族アミン 0.05−10g/l、好ましくは、0.1−6g/l
アミド 0.05−10g/l、好ましくは、0.1−6g/l
ポリアミド 0.05−10g/l、好ましくは、0.1−6g/l
及び、任意に酸、好ましくは無機酸、最も好ましくは硫酸であって、10−250g/lの濃度である。
前に述べたように、様々なラクタムの、様々な脂肪族アミンの、様々なアミドの、及び、様々なポリアミドの混合物、ならびに、ラクタム、非四級脂肪族アミン、アミド、及び、ポリアミドのうち二つ以上の混合物が利用可能である。様々なラクタム、脂肪族アミン、様々なアミド、又は、ポリアミドが用いられる場合には、成分(例えばラクタム)の上記濃度範囲は、成分又は成分混合物(例えば、ラクタム、又は、複数ラクタムの混合物)の全(合計)濃度範囲を意味する。含窒素接着力促進化合物の全合計濃度が10g/lを越えないことが好ましい。
引き合いに出した浴成分の最適濃度は、含窒素複素環式化合物と接着力促進化合物の種類に依存する。
本発明の第一液及び第二液の貯蔵寿命を増すために、処理を実施する直前に直ぐに使える処理液を作成することが好ましい。例えば、前記第一液は、含窒素複素環式化合物の硫酸溶液と過酸化水素とを混合するか、又は、調製した溶液を、使用前に直接加えて各成分を所望の濃度に到達させることができる。
本発明の方法が実行された後、銅表面は、好ましくは脱イオン温水で濯ぐ。次に、例えば熱風で乾燥させる。
銅表面を有する加工部品は、従来の浸漬システムにおいて処理可能である。プリント回路基板を処理するための代替に、いわゆる連続システム(連続系)を用いることが特に好ましい。基板は、水平移送路に沿って前記システムを通るようにガイドされる。それらは、処理路の初めと終わりに配置された絞りローラーの間にある液床をガイドされて通ることによるか、及び/又は、噴霧ノズル又はサージノズルのような適切なノズルを用いることによって処理液と接触するようにもたらすことによって、処理液と接触するようになる。プリント回路基板は、水平又は垂直位置に、又は、あらゆる他の角度で保持可能である。
本発明をさらに明確にするために以下の実施例を供する。
Duraver 104MLエポキシベース18μm銅内層被覆材料(製造者:Isola)を、以下の処理方法にしたがい処理した。
先ず、試料を洗浄液(登録商標)BondFilm Cleaner Alk(Atotech Deutschland GmbH社製)により、50℃で5分間処理した。その後、試料を濯いで、以下の実施例の配合にしたがい代替の酸化物成分により35℃において60−70秒間エッチング(腐食)した。全ての試験標本に対して1.2μmと同等の腐食深さを得るために、処理時間を調整した。再度濯いだ後、試料を乾燥した。全ての腐食試料群は、茶色から暗茶色の表面仕上がりを示した。
化学物質データシート(製造者:Isola)にしたがい、全ての試料を(登録商標)Duraver 104 MLエポキシベースプリプレグ層によって多層圧縮にラミネートした。この処理中に、半硬化エポキシプリプレグ層は硬化し、処理された金属銅表面に結合された。
最後に、ミクロレベルで粗い銅表面とエポキシポリマーとの間の接着力を測定した。IPC-TM-650 試験方法マニュアル番号 2.4.8 改訂版 Cに記載の方法にしたがい、剥離強度値を測定した。
(実施例1:比較例)
以下の水溶性配合を調製した。
ベンゾトリアゾール 10g/l
過酸化水素35% 30g/l
硫酸50% 186g/l
塩化物イオン 20mg/l
60秒の処理時間、ならびに、それに続くプリプレグ層のラミネーションの後に、7.5N/cmの剥離強度値を測定した。
(実施例2)
ε−カプロラクタムヘキサエトキシラートモノマーから得られる、N−エトキシル化ポリアミド6を1.25g/l加えたことを除き、実施例1の溶液を用いた。
70秒の処理時間、ならびに、それに続くプリプレグ層のラミネーションの後に、9.5N/cmの剥離強度値を測定した。
(実施例3a)
及びR=水素、及び、n=40である化学式(I)に記載の残基を有する獣脂アミン((登録商標)Berol 387、Akzo Nobel社)を0.01g/l加えたことを除き、実施例1の溶液を用いた。
70秒の処理時間、ならびに、それに続くプリプレグ層のラミネーションの後に、8.0N/cmの剥離強度値を測定した。
(実施例3b)
及びR=水素、及び、n=40である化学式(I)に記載の残基を有する獣脂アミン((登録商標)Berol 387、Akzo Nobel社)を0.05g/l加えたことを除き、実施例1の溶液を用いた。
70秒の処理時間、ならびに、それに続くプリプレグ層のラミネーションの後に、8.3N/cmの剥離強度値を測定した。
(実施例3c)
及びR=水素、及び、n=40である化学式(I)に記載の残基を有する獣脂アミン((登録商標)Berol 387、Akzo Nobel社)を0.1g/l加えたことを除き、実施例1の溶液を用いた。
70秒の処理時間、ならびに、それに続くプリプレグ層のラミネーションの後に、8.7N/cmの剥離強度値を測定した。
(実施例3d)
及びR=水素、及び、n=40である化学式(I)に記載の残基を有する獣脂アミン((登録商標)Berol 387、Akzo Nobel社)を0.2g/l加えたことを除き、実施例1の溶液を用いた。
70秒の処理時間、ならびに、それに続くプリプレグ層のラミネーションの後に、9.5N/cmの剥離強度値を測定した。
(実施例3e)
及びR=水素、及び、n=40である化学式(I)に記載の残基を有する獣脂アミン((登録商標)Berol 387、Akzo Nobel社)を0.5g/l加えたことを除き、実施例1の溶液を用いた。
70秒の処理時間、ならびに、それに続くプリプレグ層のラミネーションの後に、10.3N/cmの剥離強度値を測定した。
(実施例4)
及びR=水素、及び、n=50である化学式(I)に記載の残基を有する水素化獣脂アルキルアミン((登録商標)Ethomeen HT/60、Akzo Nobel社)を0.5g/l加えたことを除き、実施例1の溶液を用いた。
70秒の処理時間、ならびに、それに続くプリプレグ層のラミネーションの後に、10.3N/cmの剥離強度値を測定した。
(実施例5)
オレイルアミンエトキシラート(R及びR=水素、及び、n=12である化学式(I)に記載の残基を有する一級オレイルアミンを基にした三級アミン)((登録商標)Ethomeen OV/22、Akzo Nobel社)を0.5g/l加えたことを除き、実施例1の溶液を用いた。
70秒の処理時間、ならびに、それに続くプリプレグ層のラミネーションの後に、9.4N/cmの剥離強度値を測定した。
(実施例6)
実施例1に記載の溶液で処理した試料を、次に、ε−カプロラクタムヘキサエトキシラートから得られる、N−エトキシル化ポリアミド6の1.25gの後浸漬水溶液に、25℃で30秒間浸漬した。
それに続くプリプレグ層のラミネーションの後に、8.9N/cmの剥離強度値を測定した。
(実施例7)
実施例1に記載の溶液で処理した試料を、次に、ε−カプロラクタムヘキサエトキシラートから得られる、N−エトキシル化ポリアミド6の0.2gの後浸漬水溶液に、25℃で30秒間浸漬した。
それに続くプリプレグ層のラミネーションの後に、8.3N/cmの剥離強度値を測定した。

Claims (15)

  1. 銅表面とプラスチック材料加工部品との間に気密性接着結合を引き続いて形成するために、前記銅表面を前処理するための溶液であって、以下の成分、つまり、
    a)過酸化水素と、
    b)少なくとも一つの酸と、及び、
    c)少なくとも一つの含窒素五員複素環式化合物と、を含む溶液において、
    d)ラクタム、アミド、及び、ポリアミドから成る群から選択された、少なくとも一つの含窒素接着力促進化合物をさらに含み、当該含窒素接着力促進化合物は、その一つ以上の窒素原子において、化学式(I)の少なくとも一つの残基と結合しており、
    Figure 2013543930
    ここで、
    nは1から約100までの整数であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、且つ、
    −(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能であり、
    前記成分c)として選択された含窒素五員複素環式化合物は、そのいかなる窒素原子においても化学式(I)の残基と結合しないという条件であることを特徴とする、溶液。
  2. 溶液が、含窒素接着力促進化合物として、化学式(II)の少なくとも一つのラクタムであって、
    Figure 2013543930
    ここで、
    nは1から約100までの整数であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
    −(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能であり、且つ、
    は、1から約20までの炭素原子を有する炭化水素基である、ラクタムを含有することを特徴とする、請求項1に記載の溶液。
  3. 溶液が、含窒素接着力促進化合物として、化学式(III)の少なくとも一つのポリアミドであって、
    Figure 2013543930
    ここで、
    nは1から約100までの整数であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
    −(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能であり、
    は、1から約20までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
    −(N−R−CO)−残基中の各Rは、別の−(N−R−CO)−残基中の各Rとは無関係に選択可能であり、且つ、
    −(CHR−CHR−O)−残基又は鎖中の各nは、別の−(CHR−CHR−O)−残基又は鎖中の各nとは無関係に選択可能である、ポリアミドを含有することを特徴とする、請求項1に記載の溶液。
  4. は化学式−(CH−を有するアルキレン基であり、yが2から約12までの整数であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の溶液。
  5. スルフィン酸と、セレン酸と、テルル酸と、複素環式化合物であって、少なくとも一つの硫黄、セレン、及び/又は、テルル原子をその複素環内に含む複素環式化合物と、スルホニウム塩、セレノニウム塩、及び、テルロニウム塩であって、当該スルホニウム塩、セレノニウム塩、及び、テルロニウム塩は、一般化学式(VIII)を有する化合物であって、
    Figure 2013543930
    A=S、Se、又は、Te、
    、R10、及び、R11は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基であり、R、R10、及び、R11は同一であるか、又は、異なっており、且つ、
    =無機酸のアニオン、又は、有機酸のアニオン、又は、水酸化物のアニオン、である、
    スルホニウム塩と、セレノニウム塩と、及び、テルロニウム塩とから成る群から選択される、含硫黄、含セレン、又は、含テルル接着力促進化合物を、前記溶液が含有しており、
    溶液中の成分b)として選択された酸は、含硫黄、含セレン、又は、含テルル接着力促進化合物として選択された、スルフィン酸、セレン酸、テルル酸とは同一ではなく、且つ、
    溶液中の成分c)として選択された、含窒素五員複素環式化合物は、硫黄原子、セレン原子、又は、テルル原子のいずれもその複素環内には含まないという条件であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の溶液。
  6. 銅表面とプラスチック材料加工部品との間に気密性接着結合を引き続いて形成するために銅表面を前処理する方法であって、前記銅表面は、以下の成分、即ち、
    a)過酸化水素と、
    b)少なくとも一つの酸と、
    c)少なくとも一つの含窒素五員複素環式化合物と、及び、
    d)ラクタム、アミド、及び、ポリアミドから成る群から選択された、少なくとも一つの含窒素接着力促進化合物であって、その一つ以上の窒素原子において化学式(I)の少なくとも一つの残基と結合され、
    Figure 2013543930
    ここで、
    nは1から約100までの整数であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、且つ、
    −(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能である、化合物と接触するようにもたらされ、
    成分c)として選択された含窒素五員複素環式化合物は、そのいかなる窒素原子においても化学式(I)の残基と結合しないという条件である、方法。
  7. 銅表面が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶液と接触するようにもたらされる、請求項6に記載の方法。
  8. 第一段階で、前記銅表面は以下の成分、即ち、
    a)過酸化水素と、
    b)少なくとも一つの酸と、及び、
    c)少なくとも一つの含窒素五員複素環式化合物とを含有する、第一液と接触するようにもたらされ、且つ、
    第二段階で、前記銅表面は以下の成分、即ち、
    d)ラクタム、アミド、及び、ポリアミドから成る群から選択された、少なくとも一つの含窒素接着力促進化合物であって、当該含窒素接着力促進化合物は、その一つ以上の窒素原子において化学式(I)の少なくとも一つの残基と結合され、
    Figure 2013543930
    ここで、
    nは1から約100までの整数であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、且つ、
    −(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能である、含窒素接着力促進化合物を含有する、第二液と接触するようにもたらされる、請求項6に記載の方法。
  9. 第二液が、請求項2又は4に記載のラクタムを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 第二液が、請求項3又は4に記載のポリアミドを含む、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 第二液には、請求項4に記載の、少なくとも一つの含硫黄、含セレン、又は、含テルル接着力促進化合物が含有され、以下の条件、即ち、
    第一液の成分b)として選択された酸が、含硫黄、含セレン、又は、含テルル接着力促進化合物として選択されたスルフィン酸、セレン酸、又は、テルル酸と同一でないこと、及び、
    第一液の成分c)として選択された含窒素五員複素環式化合物が、その複素環内に硫黄原子、セレン原子、又は、テルル原子のいずれも含まないことを条件とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 銅層を有するプリント回路基板内層を、当該プリント基板内層と合成樹脂層との間に気密性接着結合を形成するための前処理用の、請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶液の使用。
  13. 銅層を備えたプリント回路基板内層を、当該プリント回路基板内層と合成樹脂層との間に気密性接着結合を形成するために前処理するための溶液を調製するための、ラクタム、非四級脂肪族アミン、アミド、及び、ポリアミドから成る群から選択された化合物の使用であって、当該化合物は、その一つ以上の窒素原子において化学式(I)の少なくとも一つの残基と結合され、
    Figure 2013543930
    ここで、
    nは1から約100までの整数であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、且つ、
    −(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能である、化合物の使用。
  14. 前記脂肪族アミンが、化学式(IV)の脂肪族アミンであって、
    Figure 2013543930
    ここで、
    n及びmは、互いに無関係な1から約100までの整数であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
    は、水素、又は、1から約6までの炭素原子を有する炭化水素基であり、
    −(CHR−CHR−O)−残基中の各RとRは、別の−(CHR−CHR−O)−残基中の各R及びRとは無関係に選択可能であり、且つ、
    は、1から約40までの炭素原子を有する脂肪族残基であることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
  15. 前記脂肪族アミンが、アルコキシル化獣脂アミン、又は、アルコキシル化水素化獣脂アミンであることを特徴とする、請求項13又は14に記載の使用。
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