JP6192181B2 - 電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は電子機器用接続部品であるコネクタ等の電子部品およびその製造方法に関する。
電子機器用接続部品であるコネクタには、黄銅やリン青銅にニッケル下地めっきを施し、さらに、その上に金めっきを施した材料が一般に使用される。しかし、金は高価であるために、コネクタ製造コストを下げる目的で様々な方法が採られている。その代表的な方法が金めっきの厚みを下げる方法であるが、金めっき厚を薄くするに伴って、皮膜のピンホールが指数関数的に増え、耐食性が著しく低下するという問題を抱えている。
この問題を解決する方法のひとつに封孔処理がある。すなわち、各種の無機あるいは有機性の薬品で金めっき表面を処理し、ピンホールを塞ぎ、耐食性を向上させようとするものである。封孔処理液には有機系と水系の2種類がある。有機系では溶媒としてハロゲン系有機溶剤が一般に使用されているため、オゾン層破壊などの問題で現在有機系封孔処理液の使用は大きく制限されている。一方、水系では溶媒として水を使用するため環境汚染の点で問題はないが、従来の有機系封孔処理液に使用されている水に難溶性のパラフィン等の潤滑剤が使用できないため、水系で処理しためっきは潤滑性が低く、コネクタの耐久性が有機系よりも劣るという問題があった。
そこで、環境汚染性に問題なく、かつ、従来と同等もしくはそれ以上の封孔処理効果を有する封孔処理剤として、インヒビターとして、ベンゾトリアゾール系化合物、メルカプトベンゾチアゾール系化合物、またはトリアジンチオール系化合物を用いた封孔処理剤が特許文献1〜3に、インヒビターとして特定のトリアジン系化合物を有する封孔処理剤が特許文献4〜5記載されている。
リン青銅基材は、スイッチやコネクタ部に使用される傾向があり、ばね性や耐摩耗性がより求められるバッテリー端子用コネクタ等にはベリリウム銅が使用されている。
ベリリウム銅には延性があり、溶接や機械加工もできる金属材料である。また、非酸化性の酸(塩酸や炭酸など)・プラスチックを分解する物質・アブレシブ摩耗やかじり傷に対しても耐える素材である。さらに、熱処理を加えれば強度や耐久性、電気伝導度を増すこともできる。ベリリウム銅は、銅をベースとした合金の中で最高の強度(〜1400MPa)を誇っている。しかし、ベリリウム化合物には毒性があるので、ベリリウム銅合金についても安全上注意すべき点がある。固体や最終製品については、ベリリウム銅が健康へ特に影響を与えることはないが、機械加工や溶接の過程で出るベリリウム銅の塵を吸い込むと、肺に深刻な影響の出る危険性がある。また、ベリリウム化合物はIARCによって発がん性がある(Type1)と勧告されている。その結果、ニッケル青銅(Cu−Ni−Sn系)、チタン銅など、より危険性の低い銅合金がベリリウム銅の代替として用いられることもある。しかし、ニッケル青銅は歩留りが悪いという問題がある。
チタン銅はTiを主な副成分とする特殊銅合金である。強度、耐応力緩和特性、曲げ加工性においては、高強度・高機能銅合金の代表格であるベリリウム銅合金に匹敵する特性を有している。このため、パソコンや携帯電話等の電子機器の主にコネクタ端子、バッテリー端子、バーンインソケット等の基材の用途でベリリウム銅合金に変えてチタン銅の使用が近年大きく伸びてきている。
コルソン合金はNi、Siを主な副成分とする特殊銅合金の1種である。強度、電気伝導度が高く、曲げ加工性に優れるためパソコンや携帯電話等の電子機器の主にコネクタ端子やリードフレーム等に使用されている。
しかし、チタン銅やコルソン合金を電子機器用接続部品であるコネクタの基材として用い、基材としてリン青銅を用いた場合と同様に、ニッケル下地めっきを施し、さらにその上に金めっきを施すと、チタン銅はチタンの酸化物が、コルソン合金はSiの酸化物が銅基材表面に顔を出すため、ニッケル下地めっきの密着性が悪く、リン青銅を用いた場合よりめっき物の耐食性が悪くなる。従って、通常、これらの酸化物をエッチングして金めっきを行うが、酸化物を完全に取り除くことはできず、めっき物の耐食性が悪くなる。
更に、封孔処理を行っても、被めっき材の酸化された点を起因にピンホールが多数発生し、その上に形成した金めっき膜や封孔処理剤ではピンホールを完全に塞ぐことができず腐食や変色の原因となっていた。
また、前記金めっき膜の厚さを薄くした際の、皮膜のピンホールが指数関数的に増え、耐食性が著しく低下するという問題を解決するために、導電性の基材金属上に、ニッケル層、金−ニッケル合金層および金層を順次積層してなる3層構造の電気接点が特許文献6に開示されている。また、銅合金上に、ニッケル層、Pd−ニッケル合金層および金層を順次積層してなる3層構造の電気接点も既に知られている。しかし、これらの技術において、封孔処理については記載されていない。
さらに、特許文献7〜8には、銅系の基材上に、Niめっき、Pd又はPd合金めっき、Au又はAu合金めっきをした材料にキレート形成性環状窒素化合物を含む封孔処理剤で封孔処理することが開示されている。封孔処理剤は、有機溶媒溶液であり、処理方法としては、含浸処理、塗布等である。特許文献7〜8において、実施例では銅系の基材としてリン青銅を用いている。しかし、本発明者らが検討したところ、基材として、チタン銅やコルソン銅を用いた場合、前記封孔処理剤を用いた含浸処理、塗布による封孔処理では、耐食性効果が得られなかった。
特許第2804452号公報 特許第2717062号公報 特開2003−129257号公報 特開平5−311490号公報 特開平5−311491号公報 特開2002−231357号公報 特開平4−193982号公報 特開平4−193990号公報
本発明は、基材としてチタン銅やコルソン合金を用い、AuまたはAu合金めっき膜を有する電子部品において、AuまたはAu合金めっき膜が薄くてもピンホールの発生が少なく、チタン銅やコルソン合金の腐食や変色が起こりにくく、耐食性に優れた電子部品、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、以下により前記課題が解決されることを見い出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)チタン銅またはコルソン合金からなる基材上に、Niめっき膜、Pd−Niめっき膜、AuまたはAu合金めっき膜の3層を順に有し、さらにAuまたはAu合金めっき膜表面が、インヒビターとして、メルカプトベンゾチアゾール系化合物およびトリアジンチオール系化合物を含有する封孔処理剤を用いて電着処理されてなることを特徴とする電子部品。
(2)前記基材がチタン銅であることを特徴とする前記(1)に記載の電子部品。
(3)前記電着処理された後、リフロー処理されてなることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電子部品。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法であって、チタン銅またはコルソン合金からなる基材上に、Niめっき膜、Pd−Niめっき膜、AuまたはAu合金めっき膜の3層を順に形成し、AuまたはAu合金めっき膜表面に、インヒビターとして、メルカプトベンゾチアゾール系化合物およびトリアジンチオール系化合物を含有する封孔処理剤を用いて電着処理することを特徴とする電子部品の製造方法。
本発明によると、基材としてチタン銅やコルソン合金を用いAuまたはAu合金めっき膜を有する電子部品において、AuまたはAu合金めっき膜が薄くてもピンホールの発生が少なく、チタン銅の腐食や変色が起こりにくく、耐食性に優れた電子部品、およびその製造方法を提供することができる。
実施例で行ったリフロー処理のプロファイルを示すグラフである。
本発明の電子部品は、チタン銅またはコルソン合金からなる基材上に、Niめっき膜、Pd−Niめっき膜、AuまたはAu合金めっき膜の3層を有し、さらにAuまたはAu合金めっき膜表面が、インヒビターとしては、ベンゾトリアゾール系化合物、メルカプトベンゾチアゾール系化合物、またはトリアジンチオール系化合物からなる群から選ばれる化合物を使用する封孔処理剤を用いて電着処理されてなる。
本発明は、基材として、チタン銅またはコルソン合金を用いる。
チタン銅は銅にチタンを1.0〜4.0質量%添加した特殊銅合金であり、更に鉄等を含有していても良い。チタン銅は、強度、耐応力緩和特性、曲げ加工性においては、高強度・高機能銅合金の代表格であるベリリウム銅合金に匹敵する特性を有している。
コルソン合金は銅を主成分とし、Ni、Siを主な副成分とする特殊銅合金の1種であり、更にマグネシウム、スズ、亜鉛、コバルト、クロム、マンガン等を含有しても良い。コルソン合金は、強度、電気伝導度が高く、曲げ加工性に優れる。
しかし、これらの銅合金を基材として用いて、その上にNiめっき膜、Auめっき膜を形成すると、チタン銅はチタンの酸化物が、コルソン合金はSiの酸化物が銅基材表面に顔を出すため、ニッケル下地めっきの密着性が悪く、めっき物の耐食性が悪くなった。
本発明において、基材であるチタン銅またはコルソン合金の腐食/変色を防止する方法として、該基材上にNiめっき膜、Pd−Niめっき膜、AuまたはAu合金めっき膜の3層を形成する。
基材上に、Niめっき膜と、Pd−Niめっき膜を形成することにより、Pd−Ni膜中に存在するピンホールを減らすことができ、基材が露出することを防ぐことができる。また、AuまたはAu合金めっき膜の厚さを薄くすることができる。
さらに、本発明の電子部品は、AuまたはAu合金めっき膜表面が、インヒビターとしては、ベンゾトリアゾール系化合物、メルカプトベンゾチアゾール系化合物、またはトリアジンチオール系化合物からなる群から選ばれる化合物を使用する封孔処理剤を用いて電着処理されてなることが重要である。特定のインヒビターを含有する封孔処理剤を用いて電着処理することにより、一層ピンホールを低減でき、基材の腐食、変色をより確実に防止することができる。
封孔処理しない場合、また封孔処理が電着処理でない場合は、ピンホールを低減する効果が十分ではなく、基材が腐食、変色する。
また、前記ベンゾトリアゾール系化合物、メルカプトベンゾチアゾール系化合物、トリアジンチオール系化合物以外のインヒビターを用いた封孔処理剤や、前記インヒビターを用いた処理剤であっても浸漬処理を行った場合は、リフロー処理を行うと封孔処理の効果がなくなる。しかし、前記封孔処理剤を用いて電着処理することにより、よりピンホールの内部への処理が可能となるため、リフロー処理しても封孔処理の効果がなくなることはない。リフロー処理において、最高温度が240℃以上に加熱されても封孔処理の効果が維持される。本発明では、280℃まで、封孔処理の効果があることを確認している。
本発明の電子部品の製造方法は、チタン銅またはコルソン合金からなる基材上に、Niめっき膜、Pd−Niめっき膜、AuまたはAu合金めっき膜の3層を順に形成し、AuまたはAu合金めっき膜表面を、インヒビターとしては、ベンゾトリアゾール系化合物、メルカプトベンゾチアゾール系化合物、またはトリアジンチオール系化合物からなる群から選ばれる化合物を使用する封孔処理剤を用いて電着処理する。
特にチタン銅は、強度、耐応力緩和特性、曲げ加工性においては、高強度・高機能銅合金の代表格であるベリリウム銅合金に匹敵する特性を有している。このため、基材としてチタン銅を用いた本発明の電子部品は、パソコンや携帯電話等の電子機器の主にコネクタ端子、バッテリー端子、バーンインソケット等の用途で好適に用いることができる。
前記Niめっき膜は、電解めっきにより形成することが好ましく、電解Niめっき液としては、電子部品の製造に用いられる公知のめっき液を用いることができる。例えば、スルファミン酸浴、ワット浴等のNiめっき液を好ましく用いることができる。
Niめっき条件も公知のめっき条件でよい。
Niめっき膜の厚さは0.5〜5μmが好ましい。
Pd−Niめっき膜は、電解めっきにより形成することが好ましく、電解Pd−Niめっき液としては、電子部品の製造に用いられる公知のめっき液を用いることができる。例えば、アンモニア浴等のPd−Niめっき液を好ましく用いることができる。
Pd−Niめっき膜は、Niを5〜50質量%含有することが好ましい。
Pd−Niめっき条件も公知のめっき条件でよい。
また、Pd−Niめっき膜の厚さは0.05〜1μmが好ましい。
AuまたはAu合金めっき膜は、電解めっきにより形成することが好ましく、電解Auめっき液、Au合金めっき液としては、電子部品の製造に用いられる公知のめっき液を用いることができる。弱酸性タイプのAuめっき液、Au−Co系合金(Co 0.2〜0.5質量%)めっきが好ましく、例えば、クエン酸浴のめっき液を好ましく用いることができる。
Auめっき、Au合金めっきの条件も公知のめっき条件でよい。
AuまたはAu合金めっき膜の厚さは0.01〜0.1μmが好ましい。
本発明の電子部品は、Auめっき膜上に封孔処理剤を用いて電着処理を行ったものである。封孔処理剤としては、インヒビターとしては、ベンゾトリアゾール系化合物、メルカプトベンゾチアゾール系化合物、またはトリアジンチオール系化合物からなる群から選ばれる化合物を使用する封孔処理剤を用いる。
前記ベンゾトリアゾール系化合物は下記一般式(1)
Figure 0006192181
(式中、Rは水素、アルキル、置換アルキルを表わし、Rはアルカリ金属、水素、アルキル、置換アルキルを表わす)
で表わされる。
この一般式(1)で表わされる化合物のうち好ましいものを挙げると、例えば、1Hベンゾトリアゾール(R,Rとも水素)、1−メチルベンゾトリアゾール(Rが水素、Rがメチル)、トリルトリアゾール(Rがメチル、Rが水素)、1−(N,N−ジオクチルアミノメチル)ベンゾトリアゾール(Rが水素、RがN,N−ジオクチルアミノメチル)などである。
前記メルカプトベンゾチアゾール系化合物は一般式(2)
Figure 0006192181
(式中、Rはアルカリ金属又は水素を表わす)
で表わされる。
この一般式(2)で表わされる化合物のうち好ましいものを挙げると、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのカリウム塩などがある。
一般式(2)においてR3がアルカリ金属の場合メルカプトベンゾチアゾール系化合物の水への溶解が容易となる。
トリアジンチオール系化合物は一般式(3)
Figure 0006192181
〔式中、R4は−SH、アルキル基かアリール基で置換されたアミノ基、又はアルキル置換イミダゾリルアルキル、R5、R6は−NH2、−SH又は−SM(Mはアルカリ金属を表わす)を表わす。ただし、前記R4、R5、R6のうち少なくともいずれか1つは−SH又は−SMである。〕
で表わされる。
この一般式(3)で表わされる化合物のうち好ましいものを挙げると例えば以下のものがある。
Figure 0006192181
あるいはこれらのNaまたはKなどのアルカリ金属塩がある。一般式(3)においてR5,R6が−SMである場合にはトリアジンチオール系化合物の水への溶解が容易となる。
インヒビターの添加量は0.001〜1wt%の範囲であり、0.001wt%未満では封孔処理効果が認められず、1wt%を越えると接触抵抗への悪影響が認められる。
本発明の封孔処理に用いる処理剤は、更に潤滑剤を含有しても良い。潤滑剤としては、脂肪酸が好ましく、封孔処理剤に添加することにより、金めっき材の潤滑性向上に寄与する。
前記脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸などが挙げられる。
潤滑剤の添加量は0.05wt%〜2wt%の範囲が好ましい。0.05wt%未満では潤滑効果が得られにくく、2wt%を越えると封孔処理後の材料の外観への悪影響が認められる。
本発明の封孔処理に用いる処理剤は、乳化剤を含有しても良く、乳化剤としては、モノアルキルリン酸エステル、ジアルキルリン酸エステルが好ましい。乳化剤は、処理剤に添加され、潤滑剤の乳化剤としての機能をはたす。さらに乳化剤には潤滑作用もある。
前記モノアルキルリン酸エステル、ジアルキルリン酸エステルは、リン酸と脂肪族アルコールを脱水縮合したものであり、該脂肪族アルコールとしては、例えばデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどが好ましい。
これらは、モノエステルでもジエステルでも良く、それぞれ単独で用いても良いが、モノエステルとジエステルの混合物や、アルコール成分が異なる複数のリン酸エステルの混合物を用いても良く、これらの混合比も問わない。これらのモノアルキルリン酸エステル、ジアルキルリン酸エステルとしては、市販品を用いることができる。
乳化剤の添加量は0.05wt〜2wt%の範囲であり、0.05wt%未満では乳化効果が得られにくく、2wt%を越えるとはんだ付け性への悪影響が認められる。
封孔処理液は上述の成分を有する水溶液であるが、溶液の温度は10〜80℃が好ましく、30〜50℃がより好ましい。10〜80℃にすることにより、成分の水への乳化がより速やかに進行し、さらに封孔処理後の材料の乾燥が容易になる。
処理方法としては、めっき品を処理液中に浸漬させ、材料を陽極として極間に直流またはパルス電流を流して行う。めっき品を陽極にすることにより、溶液中のインヒビターはめっき品のピンホール内部の下地金属に吸着し、その腐食を防止する。電流密度は0.1mA/dm2以上であることが好ましく、1〜100mA/dm2がより好ましい。0.1mA/dm2未満では封孔処理効果が得られない。処理時間は1〜10秒が望ましい。また、電流密度と処理時間の積が10〜1000mA・sec/dm2であることが好ましく、20〜200mA・sec/dm2であることがより好ましい。
本発明の電子部品としては、電子機器用接続部品であるコネクタ等が挙げられる。特にばね性や耐摩耗性がより求められるバッテリー端子用コネクタに好適に用いることができる。
以下に示す参考例、実施例及び比較例により更に本発明を説明する。
参考例1、実施例1〜、及び比較例1〜3:
チタン銅材(NKT322,25mm×20mm×0.2mmt)、もしくはコルソン合金材(C7025,25mm×20mm×0.2mmt)に、スルファミン酸浴により、全面に電解ニッケルめっきを3μm行なった後、アンモニア浴により、電解Pd−Ni合金めっき(Pd/Ni=8/2(質量比))を0.2μm行い、その後、クエン酸浴で、電解金めっきを0.05μm行なっためっき基板を供試材とした。
チタン銅を基材としためっき基板を表1の参考例1、実施例1〜、または比較例3の条件で電着により封孔処理し、十分に水洗した後、ドライヤーで乾燥することにより、封孔処理剤被膜を形成させた。また、コルソン合金を基材としためっき基板を実施例の条件で同様に電着により封孔処理被膜を形成させた。比較例1はチタン銅を基材としためっき基板に封孔処理を行わなかったものである。比較例2は、チタン銅を基材としためっき基板に封孔処理を浸漬処理により行ったものである。
なお、封孔処理剤の溶媒にはイオン交換水を用いた。また、封孔処理剤に用いたラウリルリン酸エステル、デシルリン酸エステルは、モノエステルとジエステルとの混合物である。
得られた基板に対し、図1に示すプロファイルでリフロー処理(大気雰囲気)を行った後、塩水噴霧試験(JISZ2371準拠)を72時間行い、耐食性の評価を行った。結果を表1に示す。
評価基準:
○:ほとんど腐食なし。
△:所々に黒点状の腐食が見られる。
×:所々に茶褐色及び/または緑色の腐食点が見られる。
尚、比較例3は、本発明に係る封孔処理剤とは異なった封孔処理剤を用いた例である。比較例3で用いた封孔処理剤は、基材としてリン青銅(C5210,25mm×20mm×0.2mmt)を用いた場合は、耐食性の効果が得られることを確認している。即ち、比較例3は、リン青銅基材に有効な封孔処理剤がそのまま同様にチタン銅基材の封孔処理に有効とはならないことを示すものである。
Figure 0006192181
Figure 0006192181

Claims (4)

  1. チタン銅またはコルソン合金からなる基材上に、Niめっき膜、Pd−Niめっき膜、AuまたはAu合金めっき膜の3層を順に有し、さらにAuまたはAu合金めっき膜表面が、インヒビターとしては、メルカプトベンゾチアゾール系化合物およびトリアジンチオール系化合物からなる群から選ばれる化合物を使用する封孔処理剤を用いて電着処理されてなることを特徴とする電子部品。
  2. 前記基材がチタン銅であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記電着処理された後、リフロー処理されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部品の製造方法であって、チタン銅またはコルソン合金からなる基材上に、Niめっき膜、Pd−Niめっき膜、AuまたはAu合金めっき膜の3層を順に形成し、AuまたはAu合金めっき膜表面に、インヒビターとしては、メルカプトベンゾチアゾール系化合物およびトリアジンチオール系化合物からなる群から選ばれる化合物を使用する封孔処理剤を用いて電着処理することを特徴とする電子部品の製造方法。
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