JP2013541954A - 組換え生物触媒を用いた二酸化炭素の炭酸塩への転換および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【選択図】なし
Description
大気中の二酸化炭素は、下記反応式のように、水に溶解して炭酸を形成し、最終的には炭酸イオン(CO3 2−)の形態で存在するが、ここに金属陽イオンが存在する場合、沈殿を形成する。
CO2(aq)+H2O→H2CO3
H2CO3→H++HCO3 −
HCO3 −→H++CO3 2−
CO3 2−+Ca2+→CaCO3
炭酸脱水酵素が存在する場合、二酸化炭素水和の触媒化と共に、沈殿形成も加速化させることができる。これは、水和が触媒化されて炭酸イオンがより速く生じることにより、炭酸塩の沈殿も速くなり得るからである。
このために、好ましい一例として、ナイセリアゴノレア由来の炭酸脱水酵素として配列番号1のアミノ酸配列を有する蛋白質を使用することができ、これは、細胞質で発現できる。配列番号1のアミノ酸配列を有する炭酸脱水酵素をコーディングする核酸は、代表例として配列番号2の核酸配列を有するものであるが、これに制限されない。
さらに、本発明において、ナイセリアゴノレア由来の炭酸脱水酵素として配列番号5のアミノ酸配列を有する蛋白質を使用することができ、これは、配列番号1のN−末端に大腸菌細胞表面に分泌するための表面発現母体(surface anchoring motif)である氷核活性蛋白質(ice nucleation protein)配列を挿入したものであるため、細胞表面で発現できる。配列番号5のアミノ酸配列を有する炭酸脱水酵素をコーディングする核酸は、代表例として配列番号6の核酸配列を有するものであるが、これに制限されない。
さらに、本発明において、炭酸脱水酵素として配列番号9のアミノ酸配列を有する蛋白質を使用することができ、これは、配列番号7のN−末端に大腸菌細胞間隙に蛋白質の発現を誘導する信号配列であるTorA配列を挿入したもので、細胞間隙で発現できる。配列番号9のアミノ酸配列を有する炭酸脱水酵素をコーディングする核酸は、代表例として配列番号10の核酸配列を有するものであるが、これに制限されない。
前記炭酸脱水酵素をコーディングする核酸は、好ましくは、ナイセリアゴノレア、シネコシスティスまたは大腸菌由来のものを例示することができ、宿主細胞の細胞質、細胞間隙または細胞表面などの所望の部位に発現できるように、当業界に知られた通常の方法により適切に変形できる。具体的には、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11または配列番号13のアミノ酸配列をコーディングする核酸であり、代表的には、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12または配列番号14の核酸配列を有するものを例示することができる。
前記核酸を挿入するためのベクターとしては、プラスミド、ウイルス、コスミドなど、多様な形態の組換えベクターを使用することができる。本願において、用語「組換えベクター」は、通常、外来DNAの断片が挿入されたキャリアであって、一般に二重鎖のDNAの断片を意味する。本願において、用語「外来DNA」とは、外来種に起源するDNAを意味するか、同一種に起源する場合には、本来の形態から実質的に変形した形態を意味し、外来遺伝子は、転写される特定の目的核酸でポリペプチドをコーディングする。本発明の目的上、本願において、前記外来DNAは、炭酸脱水酵素をコーディングする核酸を意味する。
組換えベクターを宿主細胞に導入して形質転換体を製造するための方法は、当業界で核酸を細胞内に導入する通常の方法を用いることができ、例えば、燐酸カルシウム法または塩化カルシウム/塩化ルビジウム法、エレクトロポレーション法(electroporation)、電気注入法(electroinjection)、熱衝撃法、PEGなどの化学的処理方法、遺伝子銃(gene gun)、レトロウイルス感染(retroviral infection)、微細注入法(microinjection)、DEAE−デキストラン(DEAE−dextran)、陽イオンリポソーム法(cationic liposome)などを利用することができるが、これらに制限されない。
本発明の具体的な実施例では、前記作製されたベクター、つまり、炭酸脱水酵素をコーディングする核酸をpET22b(+)またはpTrcHisに挿入した発現ベクターを、大腸菌BL21(DE3)菌株に42℃で2分間放置する熱衝撃方法によって導入し、炭酸脱水酵素を大量発現する形質転換体を製造した。
前記組換えベクターが発現する形質転換体を栄養培地で培養すると、有用な蛋白質を大量に製造および分離することができる。培地と培養条件は、宿主細胞に応じて慣用のものを適当に選択して用いることができる。培養時、細胞の生育と蛋白質の大量生産に適合するように、温度、培地のpHおよび培養時間などの条件を適切に調節することができる。発現誘導因子としてIPTG(isopropyl−β−D−thiogalactopyranoside)を用いて蛋白質の発現を誘導することができ、誘導時間は、蛋白質の量が最大化できるように調節することができる。
他の好ましい態様として、炭酸脱水酵素を発現する形質転換細胞は、凍結−解凍の繰り返し、超音波処理、機械的破壊または細胞分解剤のような多様な物質的または化学的手段によって破砕することができ、このような細胞破砕物を含む細胞破砕液を生物触媒として直ちに使用することができる。
さらに他の好ましい態様として、前記細胞破砕物を含む細胞破砕液を水溶性分液と不溶性分液とに分けることができ、これら水溶性分液または不溶性分液を生物触媒として使用することができる。さらに、細胞質分液、細胞間隙分液または細胞膜分液も生物触媒として使用することができる。
さらに他の好ましい態様として、前記形質転換体内で発現によって生産された炭酸脱水酵素を分離および精製して生物触媒として使用することができる。発現した炭酸脱水酵素は、形質転換細胞の破砕後、通常の生化学分離技術により分離および精製可能である。例えば、このような分離および精製方法として、電気泳動、遠心分離、ゲル濾過、沈殿、透析、クロマトグラフィー(イオン交換クロマトグラフィー、親和力クロマトグラフィー、免疫吸着親和力クロマトグラフィー、逆相HPLC、ゲル浸透HPLC)、等電点フォーカスおよびその多様な変化および複合方法を含むが、これらに制限されない。
したがって、さらに他の態様として、本発明は、前記二酸化炭素捕集用組成物を用いて二酸化炭素を捕集する方法に関するものである。
二酸化炭素捕集用組成物を製造するステップは、前述のように、(1)炭酸脱水酵素をコーディングする核酸を含むベクターを製造するステップと、(2)前記ベクターで形質転換された形質転換細胞を製造するステップと、(3)前記形質転換体を培養して炭酸脱水酵素の発現を誘導および蓄積するステップと、(4)前記形質転換体自体、前記形質転換細胞の細胞破砕液またはその分液、および前記形質転換細胞から分離された炭酸脱水酵素からなる群より選択された1種以上を含む組成物を製造するステップとによって具体化することができる。
前記二酸化炭素捕集用組成物に二酸化炭素を供給する方法には特に制限がなく、二酸化炭素を多量含有しており、二酸化炭素を除去する必要がある供給源、例えば、廃水または煙道ガスなどの形態で供給することができるが、これらに制限されるものではない。
したがって、さらに他の態様として、本発明は、前記二酸化炭素捕集用組成物および金属陽イオンを含む炭酸塩または重炭酸塩製造用組成物に関するものである。
好ましくは、本発明は、前記二酸化炭素捕集用組成物を製造するステップと、前記二酸化炭素捕集用組成物に金属陽イオンおよび二酸化炭素を供給するステップとを含む炭酸塩または重炭酸塩を製造する方法に関するものである。
例えば、金属イオン源として、Na+イオン、Ca2+イオン、Fe2+イオン、Mn2+イオン、Sr2+イオン、Ca2+イオン、Ba2+イオン、Zn2+イオン、またはPb2+イオンなどを使用することができ、これらを含む硝酸塩、塩酸塩、水酸化物または塩基性溶液などを使用することができる。
特に、炭酸カルシウムの場合、自然界に存在する最も豊富な鉱物の一つであり、このうち、沈降性炭酸カルシウム(Precipitated calcium carbonate)は、純水では溶けにくく、適当な比重を有し、高白色度、不燃性などの特徴を有する無機粉体であって、多様な産業で無機充填剤として広範囲に使用される。また、アラゴナイト型沈降性炭酸カルシウムは、アスペクト比(結晶の大きさに対する長さの比、Aspect Ratio)が非常に大きい針状形であって、ゴム、プラスチック、塗料の充填剤や製紙用の顔料などの工業原料として用いた時、強度の増進はもちろん、針状形の複雑な表面構造によって白色度の向上および不透明度の調節が可能になり、機械的機能性および光学的機能性を付与できる新たな機能性無機粉体として代用可能なことから、本発明は、最終的に炭酸カルシウムを提供する上でも有用性を提供することができる。
1−1.細胞質での発現のためのベクターの製造
ナイセリアゴノレアのゲノムDNAを、2つのプライマーforward primer:5’−CATATGCACGGCAATCACACC−3’(配列番号15)およびbackward primer:5’−AAGCTTTTCAATAACTACACGTGCATT−3’(配列番号16)と、Taq DNA重合酵素、dNTP混合液およびPCRバッファーを用い、ナイセリアゴノレアの炭酸脱水酵素遺伝子を増幅し(変性ステップ95℃、30秒、結合ステップ55℃、30秒、重合ステップ72℃、1分の過程を30サイクル繰り返し後、4℃で冷やす)、これをNdeI、XhoI制限酵素を用いてpET−22b(+)ベクターに導入し、ナイセリアゴノレア由来の炭酸脱水酵素の細胞質発現用ベクターを製造した。
ナイセリアゴノレアのゲノムDNAを、2つのプライマーforward primer:5’−CCATGGGACACGGCAATCACACC−3’(配列番号21)およびbackward primer:5’−AAGCTTTTCAATAACTACACGTGCATT−3’(配列番号16)と、Taq DNA重合酵素、dNTP混合液およびPCRバッファーを用い、ナイセリアゴノレアの炭酸脱水酵素遺伝子を増幅し(変性ステップ95℃、30秒、結合ステップ55℃、30秒、重合ステップ72℃、1分の過程を30サイクル繰り返し後、4℃で冷やす)、これをNdeI、XhoI制限酵素を用いてpET−22b(+)ベクターに導入し、これをNcoI、HindIII制限酵素を用いてGFPを除去したpETGベクター(大韓民国特許出願第2005−0099758号)に導入し、ナイセリアゴノレア由来の炭酸脱水酵素の細胞間隙発現用ベクターを製造した。
ナイセリアゴノレアのゲノムDNAを、2つのプライマーforward primer:5’−AGATCTCACGGCAATCACACCCATTGG−3’(配列番号24)およびbackward primer:5’−AAGCTTTCAGTGGTGGTGGTGGTGGTG−3’(配列番号25)と、Taq DNA重合酵素、dNTP混合液およびPCRバッファーを用い、炭酸脱水酵素遺伝子を増幅し(変性ステップ95℃、30秒、結合ステップ55℃、30秒、重合ステップ72℃、1分の過程を30サイクル繰り返し後、4℃で冷やす)、これをBglII、HindIII制限酵素を用いてpINPNC−OPHベクター(Li L,Kang DG,Cha HJ.2004,Biotechnol Bioeng85:214−221)に導入し、ナイセリアゴノレア由来の炭酸脱水酵素の細胞表面発現用ベクターを製造した。
前記実施例1−1、1−2および1−3でそれぞれ製造した細胞質、細胞間隙、および細胞表面発現用ベクターを含み、組換え炭酸脱水酵素を発現する形質転換体を製造するために、42℃で2分間熱衝撃を加え、それぞれのベクターをそれぞれ大腸菌BL21(DE3)に導入した。ベクターが導入されたそれぞれの形質転換体は、アンピシリンが添加されているLB培地で選別した。
前記実施例2で製造した形質転換体を50μg/mLのアンピシリンが添加された通常の37℃、LB培地で培養し、培養液の吸光度(OD600)が0.6〜0.8程度となった時、誘導物質のIPTG(isopropyl−β−D−thiogalactopyranoside、1mM)を添加して蛋白質の発現を誘導した。IPTG添加後、追加的に20時間25℃で培養した後、培養された細胞を4000rpmで10分間遠心分離した後、上澄液を除去し細胞を回収した。回収された細胞を、細胞破砕のための溶液(50mM sodium phosphate buffer、300mM NaCl、pH8)に浮遊させた後、超音波紛砕機を用いて破砕した。
ナイセリアゴノレア由来の炭酸脱水酵素の細胞質発現ベクターを含む破砕された細胞は、全細胞分液(T)とその水溶性分液(S)および不溶性分液(IS)に分け、SDS−PAGEおよびウェスタンブロットを利用して分析した。その結果、図2に示されるように、組換え炭酸脱水酵素は、約25kDaの分子量を有し、大腸菌での発現が成功し、これは、理論的に計算された炭酸脱水酵素の分子量である25.3kDaとよく一致することを確認することができた。そして、発現した蛋白質の大部分は、正しい折り畳み(folding)が生じて活性を示すことが可能な水溶性分液(lane S)として発現することを確認することができた。
ナイセリアゴノレア由来の炭酸脱水酵素の細胞間隙発現ベクターを含む破砕された細胞は、全細胞分液(T)、細胞破砕液(CL)、水溶性分液(S)、不溶性分液(IS)および細胞間隙分液(PP)に分け、ウェスタンブロットを利用して分析した。ここで、細胞間隙分液を収得するために、細胞破砕液を4000rpmで10分間遠心分離した後、上澄液を捨て、TEXバッファー(50mM Tris、3mM EDTA、0.1%Triton X−100、pH8.0)に浮遊させた後、1時間撹拌した。これを再び4000rpmで10分間遠心分離すると、上澄液は細胞間隙分液(PP)となる。
大腸菌由来の炭酸脱水酵素の細胞間隙発現ベクターを含む破砕された細胞(TECA)は、全細胞分液(T)、水溶性分液(S)、不溶性分液(IS)および細胞間隙分液(PP)に分け、ウェスタンブロットを利用して分析した。その結果、図4に示されるように、発現した組換え炭酸脱水酵素は、細胞間隙に多量分泌されたことを確認することができた(lane PP)。
ナイセリアゴノレア由来の炭酸脱水酵素の細胞表面発現ベクターを含む破砕された細胞は、細胞破砕液(CL)、水溶性分液(S)、不溶性分液(IS)、細胞質分液(CP)および細胞膜分液(TM)での発現確認のために、追加的に細胞質分液と細胞膜分液とに分けた。ここで、細胞質と細胞膜分液の準備過程は、次のとおりである。培養された細胞を遠心分離して回収した後、PBS(130mM NaCl、2.5mM KCl、10mM Na2HPO4、1.7mM KH2PO4)で洗浄し、9000rpmで30分間遠心分離した。上澄液を捨て、PBSに1mM EDTA、10μg/mlが添加された溶液を入れて2時間反応させた後、超音波紛砕機を用いて細胞破砕液を準備した。こうして得られた細胞破砕液は、超遠心分離機を用い、39,000rpmで1時間遠心分離すると、沈殿した分液は全細胞膜分液(TM)、上澄液は細胞質分液(CP)となる。
実施例3−1で製造した、細胞質で炭酸脱水酵素の発現が確認された大腸菌全細胞生物触媒の水溶性分液から、ニッケルカラムクロマトグラフィーによって蛋白質を分離精製した。具体的には、蛋白質水溶性分液をニッケルレジンが充填されたカラムに適用して蛋白質とカラムとが結合するようにし、洗浄バッファー(50mM sodium phosphate buffer、300mM NaCl、40mM imidazole、pH8.0)でカラムに結合しない蛋白質を洗い出した。カラムからの蛋白質の溶出は、50mM燐酸ナトリウムバッファー、300mM NaClおよび250mMイミダゾール(pH8.0)を用いて進行し、前記精製された溶液は、100mM Tris−sulfate(pH7.6)を用いた透析により含まれている塩を除去した。
実施例4で精製した蛋白質(NCA)と、実施例3で製造した、細胞質で炭酸脱水酵素の発現が確認された大腸菌全細胞生物触媒の水溶性分液(S)および全細胞(W)をそれぞれ用い、二酸化炭素の水和に関する活性を確認した。陽性対照群としては、ウシ血清から抽出して商業的に販売されている酵素(bovine carbonic anhydrase、BCA)を使用し、陰性対照群としては、二酸化炭素の水和に関する活性を有さないウシ血清アルブミン(bovine serum albumin、BSA)を使用した。活性の測定過程は、準備した各分液と20mM Tris−sulfateバッファー(pH8.3)、CO2飽和されたH2O溶液を共に使用し、pHが8.0から7.0に減少する時間をモニタリングして比較した。pHが速く低下するほど、二酸化炭素の捕集に関する活性が高いことを意味する。
実施例5で使用していた陰性対照群(BSA)、陽性対照菌(BCA)、細胞質発現細胞の3つのサンプル(精製された炭酸脱水酵素、水溶性分液、全細胞)および細胞間隙発現全細胞を、200mM Tris−sulfateバッファー(pH10.5)、そして、カルシウムイオンの供給のために100mM CaCl2溶液を使用し、炭酸カルシウムの沈殿形成の有無を確認した。具体的には、バッファーとCaCl2溶液各20ml、そして、各サンプルと共に混合して撹拌する状態で、気体CO2を一定の流量で流しながら沈殿の様相を観察した。
実施例6で得られたそれぞれのパウダーは、X線回折(X−ray diffraction)と走査電子顕微鏡(SEM)を用いて炭酸カルシウム結晶であることを確認した。その結果、図11に示されるように、X線回折ピークパターンの分析により、沈殿物は、カルサイト(calcite)とバテライト(vaterite)が共存する炭酸カルシウム結晶であることを確認することができ、陽性対照群の炭酸脱水酵素(BCA)、精製された炭酸脱水酵素、水溶性分液、全細胞の場合には、沈殿形成の加速化と共に、バテライトのカルサイトへの転移も促進されたことを確認することができた。酵素が作用しない陰性対照群のBSAの場合は、沈殿形成が遅く、カルサイトへの転移はまだなされていないことを確認することができた。そして、図12に示されるように、走査電子顕微鏡を通して六面体のカルサイトと球形のバテライトが共存する炭酸カルシウム結晶であることを確認することができ、同様に、炭酸脱水酵素が作用した場合、沈殿形成の加速化と共に、バテライトのカルサイトへの転移も促進されたことを確認することができた。
Claims (16)
- 組換え炭酸脱水酵素(carbonic anhydrase)をコーディングする核酸を含むベクターで形質転換された形質転換体の全細胞(whole cell)と、
前記全細胞の細胞破砕液またはその分液と、
前記全細胞から分離された炭酸脱水酵素とからなる群より選択された1種以上を含む、二酸化炭素捕集用組成物。 - 前記形質転換体の全細胞は、炭酸脱水酵素が細胞質(cytoplasm)、細胞間隙(periplasmic space)または細胞表面(cell surface)に発現したものである、請求項1記載の組成物。
- 前記分液は、前記細胞破砕液の全細胞分液、水溶性分液、不溶性分液、細胞質分液、細胞間隙分液または細胞膜分液である、請求項1記載の組成物。
- 前記組換え炭酸脱水酵素は、ナイセリアゴノレア(Neisseria gonorrhoeae)、シネコシスティス(Synechocystis PCC6803)または大腸菌(Escherichia coli)由来のものである、請求項1記載の組成物。
- 前記炭酸脱水酵素は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11または配列番号13のアミノ酸配列を有するものである、請求項1記載の組成物。
- 前記炭酸脱水酵素をコーディングする核酸は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12または配列番号14の核酸配列を有するものである、請求項1記載の組成物。
- 前記炭酸脱水酵素をコーディングする核酸を含むベクターは、図1の開裂地図を有するものである、請求項1記載の組成物。
- 前記形質転換体は、大腸菌である、請求項1記載の組成物。
- 請求項1ないし8のいずれか1項記載の組成物および金属陽イオンを含む、炭酸塩または重炭酸塩製造用組成物。
- 前記金属陽イオンは、Na+イオン、Ca2+イオン、Fe2+イオン、Mn2+イオン、Sr2+イオン、Ca2+イオン、Ba2+イオン、Zn2+イオン、Pb2+イオン、またはこれらの硝酸塩、塩酸塩、水酸化物または溶液である、請求項9記載の組成物。
- 前記炭酸塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸鉄、炭酸マンガン、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛または炭酸鉛である、請求項9記載の組成物。
- 請求項1ないし8のいずれか1項記載の二酸化炭素捕集用組成物を製造するステップと、
前記二酸化炭素捕集用組成物に二酸化炭素を供給するステップとを含む、二酸化炭素を捕集する方法。 - 請求項1ないし8のいずれか1項記載の二酸化炭素捕集用組成物を製造するステップと、
前記二酸化炭素捕集用組成物に金属陽イオンおよび二酸化炭素を供給するステップとを含む、炭酸塩または重炭酸塩を製造する方法。 - 前記二酸化炭素捕集用組成物に金属陽イオンおよび二酸化炭素を供給するステップは、金属陽イオンを先に供給した後、二酸化炭素を順次に供給するか、二酸化炭素を先に供給した後、金属陽イオンを順次に供給するか、または金属陽イオンおよび二酸化炭素を同時に供給するものである、請求項13記載の方法。
- 前記金属陽イオンは、Na+イオン、Ca2+イオン、Fe2+イオン、Mn2+イオン、Sr2+イオン、Ca2+イオン、Ba2+イオン、Zn2+イオン、Pb2+イオン、またはこれらの硝酸塩、塩酸塩、水酸化物または溶液である、請求項13記載の方法。
- 前記炭酸塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸鉄、炭酸マンガン、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛または炭酸鉛である、請求項13記載の方法。
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