JP4391328B2 - 新規グルコン酸脱水酵素 - Google Patents
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Description
Analytical Biochemistry,(1974),61,275 Methods in Enzymology,(1975),41,99 Biotechnol.Lett.,(1986),8,497
3−デオキシアルドン酸を効率よく生成することのできる新規なグルコン酸脱水酵素、及びそれを用いた2−ケト−3−デオキシアルドン酸の製造方法を提供することである。
[1]D−グルコン酸を脱水し2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸を生成する機能を有し、1mM D−グルコン酸ナトリウム及び1mM塩化マグネシウムを含む30mMトリス緩衝液(pH8.5)中において、55℃、2時間保持した場合に95%以上の活性を保持することを特徴とするグルコン酸脱水酵素。
[2]アクロモバクター・キシロソキシダンス(Achromobacter xylosoxidans)に由来する[1]記載のグルコン酸脱水酵素。
[3]配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列で表される[1]記載のグルコン酸脱水酵素。
[4]配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を示すアミノ酸配列で表される[1]記載のグルコン酸脱水酵素。
[5][1]乃至[4]記載のグルコン酸脱水酵素をコードする遺伝子。
[6]配列表の配列番号1記載の塩基配列で表される[1]乃至[3]記載のグルコン酸脱水酵素をコードする遺伝子。
[7][5]乃至[6]記載の遺伝子とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列で表される、[1]乃至[4]記載のグルコン酸脱水酵素をコードする遺伝子。
[8][5]乃至[7]記載のグルコン酸脱水酵素をコードする遺伝子を含むプラスミド。
[9][8]記載のプラスミドにより宿主細胞を形質転換して得られる形質転換細胞。
[10]宿主細胞が、大腸菌である[9]記載の形質転換細胞。
[11][1]乃至[4]記載のグルコン酸脱水酵素、[9]乃至[10]記載の形質転換細胞、又はそれらの処理物の何れかを用い、水性媒体中にてアルドン酸を対応する2−ケト−3−デオキシアルドン酸に変換する方法。
[12]以下の工程からなることを特徴とする2−デオキシアルドン酸の製造方法。
イ)アルドン酸類またはそれらの塩に、請求項1乃至4の何れか一項記載のグルコン酸
脱水酵素、または9または10記載の形質転換細胞またはそれらの処理物の何れか
を水性媒体中で作用させ、2−ケト−3−デオキシアルドン酸に変換する工程。
ロ)工程イ)で得られた2−ケト−3−デオキシアルドン酸に、水性媒体中で酸化剤を
作用させ脱炭酸反応を行ない、炭素数が1減少した2−デオキシアルドン酸を得る
工程。
[13]以下の工程からなることを特徴とする2−デオキシアルドースの製
造方法。
イ)アルドン酸類またはそれらの塩に、請求項1乃至4の何れか一項記載のグルコン酸
脱水酵素、または9または10記載の形質転換細胞またはそれらの処理物の何れか
を水性媒体中で作用させ、2−ケト−3−デオキシアルドン酸に変換する工程。
ロ)工程イ)で得られた2−ケト−3−デオキシアルドン酸に、水性媒体中で還元剤を
作用させ、2−ヒドロキシ−3−デオキシアルドン酸を得る工程。
ハ)工程ロ)で得られた2−ヒドロキシ−3−デオキシアルドン酸に、水性媒体中で酸
化剤を作用させ脱炭酸反応を行ない、炭素数が1減少した2−デオキシアルドース
を得る工程。
[14]アルドン酸が、D−グルコン酸、D−ガラクトン酸、D−フコン酸、D−キシロン酸又はL−アラボン酸の何れかである請求項11乃至13の何れか一項記載の方法。
脱炭酸反応における反応温度は溶媒が凍らない温度以上、溶媒の沸点以下、好ましくは20℃〜50℃である。
生成する2−ケト−3−デオキシアルドン酸、2−デオキシアルドン酸および2−デオキシアルドースの反応液中からの分離・回収は、金属塩として沈殿させる方法やカラムクロマトグラフィーなどの、通常行われる分離・回収方法を用いることができる。
アクロモバクター・キシロソキシダンスATCC9220の培養
D−グルコン酸ナトリウム10g/l、酵母エキス5g/l、ポリペプトン5g/l、塩化ナトリウム3g/l、硫酸マグネシウム七水和物0.2g/lから成る液体培地(pH7.0に調整)に、あらかじめブイヨン培地に生育させたアクロモバクター・キシロソキシダンス(Achromobacter xylosoxidans)ATCC9220菌体を接種し、30℃で20時間通気攪拌培養し、遠心分離によって菌体を回収し、グルコン酸脱水酵素活性を有する菌体を得た。
アクロモバクター・キシロソキシダンスATCC9220による2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸の合成
実施例1に示した方法で得られたアクロモバクター・キシロソキシダンスの湿菌体120gを200mlの50mMトリス緩衝液(pH7.0、D−グルコン酸ナトリウム1mM及び塩化マグネシウム1mMを含有する)に懸濁した後、超音波菌体破砕機にて破砕し、粗酵素液を得た。この粗酵素液を、D−グルコン酸ナトリウム120.0g、塩化マグネシウム1mmoleを600mlの水に溶解した水溶液に加え、6M水酸化ナトリウムでpH8.5に調整した後、50℃で反応を行なった。反応中、2M水酸化ナトリウム溶液を適宜添加することにより、pHが8.5となるように調整した。反応40時間後、反応液中にD−グルコン酸は残存せず、95gの2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸が生成した。
アクロモバクター・キシロソキシダンスATCC9220由来グルコン酸脱水酵素の精製とN末端アミノ酸配列の決定
実施例1に示した方法で得られた菌体を1mM D−グルコン酸ナトリウム及び1mM塩化マグネシウムを添加した50mMトリス緩衝液(pH7.0、以下バッファーと表記する)に懸濁し、超音波菌体破砕機により破砕した後、冷却遠心機により上清を回収し、無細胞抽出液を得た。無細胞抽出液に硫酸ストレプトマイシンを1%となるように添加し、30分間攪拌して生じた沈殿を遠心分離により除去した後、遠心上清に硫酸アンモニウムを添加し、20から60%飽和画分を集めた。硫酸アンモニウム画分を限外ろ過膜(ミリポア製ウルトラフリー15、分子量10万カット)により脱塩濃縮した後、DEAE−SepharoseFFカラム(アマルシャムバイオサイエンス製)を通過させ、バッファーと1M NaClを含むバッファーとの直線的な濃度勾配で溶出させた。活性画分を回収し、硫酸アンモニウムを1Mとなるように添加した後、Phenyl−SepharoseHPカラム(アマルシャムバイオサイエンス製)を通過させ、1M硫酸アンモニウムを含むバッファーとバッファーとの直線的な濃度勾配で溶出させた。活性画分を回収し、Superose12HRカラム(アマルシャムバイオサイエンス製)を通過させ、0.15M NaClを添加したバッファーで溶出させた。活性画分を回収し、硫酸アンモニウムを0.5Mとなるように添加した後、Phenyl−SepharoseHPカラムを通過させ、0.5M硫酸アンモニウムを含むバッファーとバッファーとの直線的な濃度勾配で溶出させた。活性画分を回収し、硫酸アンモニウムを0.5Mとなるように添加した後、Phenyl−SepharoseHPカラムを通過させ、0.5M硫酸アンモニウムを含むバッファーとバッファーとの直線的濃度勾配で溶出させた。活性画分を回収し、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行なったところ、約60kDaの位置に単一のバンドとして確認された。この活性画分について、1mM D−グルコン酸ナトリウム及び1mM塩化マグネシウムを添加した30mMトリス緩衝液(pH8.5)に対して透析を行ない、緩衝液を置換した。この酵素溶液を精製グルコン酸脱水酵素溶液とした。精製総括表を表1に示した。
アクロモバクター・キシロソキシダンスATCC9220由来グルコン酸脱水酵素の熱安定性
実施例3に示した方法で得られた、1mM D−グルコン酸ナトリウム及び1mM塩化マグネシウムを添加した30mMトリス緩衝液(pH8.5)に溶解している精製グルコン酸脱水酵素溶液を、4、20、30、40、50、55、60、65又は70℃で、30分間、2時間又は12時間放置した。また、4℃では7日間及び30日間放置した。次いで、これらの熱処理を施した酵素溶液と、トリス緩衝液(pH8.5)1mmole、D−グルコン酸ナトリウム40μmole、塩化マグネシウム1μmoleを含む反応液1mlを、37℃で反応した。10分後、1M塩酸を200μl添加することにより反応を停止した。反応停止後、2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸の生成量を高速液体クロマトグラフィーで定量し、反応速度を算出した。結果は、熱処理前の酵素活性を100とした相対活性値で表2に示した。55℃では2時間の保持の後、100%の活性を保持しており、また、4℃では30日間、活性は安定に保持されていた。
アクロモバクター・キシロソキシダンスATCC9220由来グルコン酸脱水酵素の内部アミノ酸配列の決定
実施例3に示した方法で得られた精製グルコン酸脱水酵素溶液(タンパク質として124μg)を凍結乾燥した後、6M塩酸グアニジンを含む0.5Mトリス緩衝液(pH8.4)100μlに溶解し、37℃で15分間保温した。この溶液に、0.2Mジチオスレイトール及び6M塩酸グアニジンを含む0.5Mトリス緩衝液(pH8.4)10μlを添加し、60℃で1時間保温した。次いで、この溶液に0.4Mヨード酢酸及び6M塩酸グアニジンを含む0.5Mトリス緩衝液(pH8.4)10μlを添加し、37℃で15分間保温した。得られた溶液を、あらかじめ8M尿素を含む0.5M炭酸水素アンモニウム溶液(pH7.8)で平衡化しておいたSephadex G−50の充填されたクイックスピンカラム(ロシュ・ダイアグノスティックス製)に供して脱塩し、400μlの溶液を得た。次に、この溶液に、2mg/mlのV8プロテアーゼ(和光純薬製)溶液を1μl加え、30℃で23時間反応させた。反応液を、Vydac 214TP54PROTEIN C4カラム(アジレント製)を用いた逆相高速液体クロマトグフィーに供し、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液と0.1%トリフルオロ酢酸を含む90%アセトニトリル水溶液との濃度勾配により、生成したペプチドを分離し、そのうちのひとつのペプチドを分取した。分取したペプチドのN末端アミノ酸配列の分析を行なったところ、配列表の配列番号3に示したようにAla−Arg−Ala−Ile−Val−Phe−Glu−Gly−Pro−Glu−Asp−Tyr−His−Ala−Argと決定された。
アクロモバクター・キシロソキシダンスATCC9220のグルコン酸脱水酵素をコードするDNAの取得
実施例1に示した方法で得られたアクロモバクター・キシロソキシダンスATCC9220菌体から、「基礎生化学実験法2 抽出・分離・精製 阿南功一他著 丸善株式会社出版」記載によるバクテリアゲノムDNAの分離方法に従い、ゲノムDNAを調製した。該ゲノムDNAを鋳型とし、実施例3にて決定したN末端アミノ酸配列に基づいて合成した配列表の配列番号4記載のオリゴヌクレオチド及び実施例5にて決定した内部アミノ酸配列に基づいて合成した配列表の配列番号5記載のオリゴヌクレオチドをプライマーとしてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行ない、約1.2kbのDNA断片を得た。ゲノムDNAを代表的な制限酵素で消化し、PCRにより得られた約1.2kbのDNA断片をラベル化して作製したプローブを用いたトータルサザンハイブリダイゼーションを実施した結果、ゲノムDNAを制限酵素PstIで完全消化した場合に約4kbの断片に陽性シグナルが見出された。ゲノムDNAを制限酵素PstIで完全消化して得られるDNA断片を長さによって分画するために濃度勾配超遠心分離に供し、4kbのDNA断片を主に含む画分を回収した。その画分と制限酵素PstIで消化して5’末端を脱リン酸化したベクターpUC118とをDNA連結反応に供し、プラスミドライブラリーを作成した。このプラスミドライブラリーによって大腸菌DH5αを形質転換したものを50μg/mlのアンピシリンを添加したLB(Luria-Bertani)アガロース培地に塗布して静置培養し、コロニーを出現させた。上記の約1.2kbのDNA断片をラベル化して作製したプローブを用いたコロニーハイブリダイゼーションを行ない、陽性シグナルを示すコロニーを単離した。陽性のコロニーからプラスミドを回収し、得られたプラスミドの塩基配列の解析を行なった。塩基配列の解析はApplied Biosystems社、BigDye Teminator Cycle Sequencing kitを用い、同社製GeneticAnalyzer 310にて行った。プラスミドの塩基配列情報に基づいて二種のプライマー、配列表の配列番号6及び配列番号7記載のオリゴヌクレオチドを設計した。配列表の配列番号6記載のプライマーには制限酵素HindIII部位を、配列表の配列番号7記載のプライマーには制限酵素XbaI部位を加えた。ゲノムDNAを鋳型とし、上記プライマーによりPCRを行ない、グルコン酸脱水酵素をコードするDNAが含まれる領域を増幅させた。得られたPCR産物を、アガロースゲル電気泳動に供し、目的とする移動度のバンドを切り出し、キアクイック(キアゲン製)によりゲルからDNAを抽出した。この抽出物と制限酵素HindIII及びXbaIで消化して5’末端を脱リン酸化したベクターpMW119とをDNA連結反応に供し、グルコン酸脱水酵素をコードするDNAを含むプラスミドを得た。
グルコン酸脱水酵素遺伝子をコードするDNAの塩基配列の決定
実施例6により得られたプラスミドの物理的地図を調べたところ、図1の様であることが判明した。さらにその塩基配列の解析を行った。塩基配列の決定はApplied Biosystems社、BigDye Teminator Cycle Sequencing kitを用い、同社製GeneticAnalyzer 310にて行った。その結果、配列表の配列番号1に示すグルコン酸脱水酵素遺伝子をコードするDNAの全塩基配列が得られた。該グルコン酸脱水酵素遺伝子の塩基配列をアミノ酸翻訳したものを配列表の配列番号1に示した。そのN末端のアミノ酸配列は実施例3に示したN末端アミノ酸配列と一致した。
アクロモバクター・キシロソキシダンスATCC9220由来グルコン酸脱水酵素遺伝子を含むDNAによって形質転換した大腸菌を用いた2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸の合成
実施例7の図1で示されるプラスミドで形質転換した大腸菌K12W3110を、50μg/mlのアンピシリンを添加したLB液体培地で、37℃で一晩振とう培養した。培養後、遠心分離により菌体を回収した。得られた湿菌体0.3g、D−グルコン酸ナトリウム6.0g、塩化マグネシウム50μmole、トリス緩衝液(pH8.5)2.5mmoleを含む反応液50.0gを、50℃で反応を行なった。反応24時間後、反応液中にD−グルコン酸は残存せず、4.8gの2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸が生成した。
アクロモバクター・キシロソキシダンスATCC9220由来グルコン酸脱水酵素遺伝子を含むDNAによって形質転換した大腸菌を用いた2−ケト−3−デオキシ−D−ガラクトン酸の合成
実施例7の図1で示されるプラスミドで形質転換した大腸菌K12W3110を、50μg/mlのアンピシリンを添加したLB液体培地で、37℃で一晩振とう培養した。培養後、遠心分離により菌体を回収した。得られた湿菌体0.6g、D−ガラクトン酸ナトリウム6.0g、塩化マグネシウム50μmole、トリス緩衝液(pH8.5)2.5mmoleを含む反応液50.0gを、50℃で反応を行なった。反応24時間後、反応液中にD−ガラクトン酸は残存せず、4.5gの2−ケト−3−デオキシ−D−ガラクトン酸が生成した。
アクロモバクター・キシロソキシダンスATCC9220由来グルコン酸脱水酵素遺伝子を含むDNAによって形質転換した大腸菌を用いた2−ケト−3−デオキシ−D−キシロン酸の合成
実施例7の図1で示されるプラスミドで形質転換した大腸菌K12W3110を、50μg/mlのアンピシリンを添加したLB液体培地で、37℃で一晩振とう培養した。培養後、遠心分離により菌体を回収した。得られた湿菌体0.7g、D−キシロン酸アンモニウム塩13.0g、塩化マグネシウム50μmole、トリス緩衝液(pH8.5)5.5mmoleを含む反応液110.0gを、50℃で反応を行なった。反応24時間後、反応液中にD−キシロン酸は残存せず、9.9gの2−ケト−3−デオキシ−D−キシロン酸が生成した。
アクロモバクター・キシロソキシダンスATCC9220由来グルコン酸脱水酵素遺伝子を含むDNAによって形質転換した大腸菌を用いた2−ケト−3−デオキシ−L−アラボン酸の合成
実施例7の図1で示されるプラスミドで形質転換した大腸菌K12W3110を、50μg/mlのアンピシリンを添加したLB液体培地で、37℃で一晩振とう培養した。培養後、遠心分離により菌体を回収した。得られた湿菌体0.7g、L−アラボン酸ナトリウム1.0g、塩化マグネシウム10μmole、トリス緩衝液(pH8.5)500μmoleを含む反応液10.0gを、50℃で反応を行なった。反応24時間後、反応液中にL−アラボン酸は残存せず、0.7gの2−ケト−3−デオキシ−L−アラボン酸が生成した。
アルドン酸としてグルコン酸ナトリウムを用いた2−デオキシリボースの合成
実施例7の図1で示されるプラスミドで形質転換した大腸菌K12W3110を、50μg/mlのアンピシリンを添加したLB液体培地で、37℃で一晩振とう培養した。培養後、遠心分離により菌体を回収した。得られた湿菌体3.3gを、D−グルコン酸ナトリウム130g、塩化マグネシウム10μmoleを含み、水酸化ナトリウムでpH8.5に調製した反応液400gに添加し40℃で反応を行なった。反応24時間後、反応液中にD−グルコン酸は残存せず、106gの2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸が生成した。
アルドン酸としてグルコン酸ナトリウムを用いた2−デオキシ−D−リボノラクトンと2−デオキシ−D−リボン酸ナトリウムとの混合物の合成
実施例7の図1で示されるプラスミドで形質転換した大腸菌K12W3110を、50μg/mlのアンピシリンを添加したLB液体培地で、37℃で一晩振とう培養した。培養後、遠心分離により菌体を回収した。得られた湿菌体3.3gを、D−グルコン酸ナトリウム130g、塩化マグネシウム10μmoleを含み、水酸化ナトリウムでpH8.5に調製した反応液530gに添加し40℃で反応を行なった。反応24時間後、反応液中にD−グルコン酸は残存せず、106gの2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸が生成した。
アルドン酸としてキシロン酸ナトリウムを用いた3,4−ジヒドロキシブタン酸ナトリウムの合成
実施例7の図1で示されるプラスミドで形質転換した大腸菌K12W3110を、50μg/mlのアンピシリンを添加したLB液体培地で、37℃で一晩振とう培養した。培養後、遠心分離により菌体を回収した。得られた湿菌体0.5gを、D−キシロン酸ナトリウム13g、塩化マグネシウム10μmoleを含み、水酸化ナトリウムでpH8.5に調製した反応液53gに添加し40℃で反応を行なった。反応24時間後、反応液中にD−キシロン酸は残存せず、9.8gの2−ケト−3−デオキシ−D−キシロン酸が生成した。
Claims (10)
- D−グルコン酸を脱水し2−ケト−3−デオキシ−D−グルコン酸を生成する機能を有し、1mM D−グルコン酸ナトリウム及び1mM塩化マグネシウムを含む30mMトリス緩衝液(pH8.5)中において、55℃、2時間保持した場合に95%以上の活性を保持し、配列表の配列番号8記載のアミノ酸配列で表されることを特徴とするグルコン酸脱水酵素。
- アクロモバクター・キシロソキシダンス(Achromobacter xylosoxidans)に由来する請求項1記載のグルコン酸脱水酵素。
- 配列表の配列番号1記載の塩基配列で表される請求項1または2に記載のグルコン酸脱水酵素をコードする遺伝子。
- 請求項3に記載のグルコン酸脱水酵素をコードする遺伝子を含むプラスミド。
- 請求項4に記載のプラスミドにより宿主細胞を形質転換して得られる形質転換細胞。
- 宿主細胞が大腸菌である請求項5に記載の形質転換細胞。
- 請求項1または2に記載のグルコン酸脱水酵素、請求項5または6に記載の形質転換細胞、又はそれらの処理物の何れかを用い、水性媒体中にてアルドン酸を対応する2−ケト−3−デオキシアルドン酸に変換する方法。
- 以下の工程からなることを特徴とする2−デオキシアルドン酸の製造方法。
イ)アルドン酸類またはそれらの塩に、請求項1または2に記載のグルコン酸脱水酵素、または請求項5または6に記載の形質転換細胞またはそれらの処理物の何れかを水性媒体中で作用させ、2−ケト−3−デオキシアルドン酸に変換する工程。
ロ)工程イ)で得られた2−ケト−3−デオキシアルドン酸に、水性媒体中で酸化剤を作用させ脱炭酸反応を行ない、炭素数が1減少した2−デオキシアルドン酸を得る工程。 - 以下の工程からなることを特徴とする2−デオキシアルドースの製造方法。
イ)アルドン酸類またはそれらの塩に、請求項1または2に記載のグルコン酸脱水酵素、または請求項5または6に記載の形質転換細胞またはそれらの処理物の何れかを水性媒体中で作用させ、2−ケト−3−デオキシアルドン酸に変換する工程。
ロ)工程イ)で得られた2−ケト−3−デオキシアルドン酸に、水性媒体中で還元剤を作用させ、2−ヒドロキシ−3−デオキシアルドン酸を得る工程。
ハ)工程ロ)で得られた2−ヒドロキシ−3−デオキシアルドン酸に、水性媒体中で酸化剤を作用させ脱炭酸反応を行ない、炭素数が1減少した2−デオキシアルドースを得る工程。 - アルドン酸が、D−グルコン酸、D−ガラクトン酸、D−フコン酸、D−キシロン酸又はL−アラボン酸の何れかである請求項7乃至9の何れか一項記載の方法。
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