JP2013539717A - ガスからのf2および/またはof2の除去方法 - Google Patents

ガスからのf2および/またはof2の除去方法 Download PDF

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Abstract

および/またはOFをガスから除去する方法を記載する。ここで、Fおよび/またはOFを含み、任意選択でHFを含有していてもよいガスと、塩基、および溶解したチオ硫酸塩または亜硝酸アルカリ金属塩、好ましくはそれぞれのナトリウム化合物を含む液体とを接触させる。好ましい塩基は、アルカリ金属水酸化物および炭酸アルカリ金属塩であって、特にそれぞれのカリウム化合物である。この方法は、工業プロセスに由来する、Fが使用されるか形成されるガス、例えば半導体、光起電力電池、またはTFTの製造からもたらされるガスを処理するためにきわめて好適である。この方法は、例えば、非常の事象からもたらされるFを含むガス、F生成の開始フェーズからもたらされるFを含むガス、チャンバクリーニング廃ガスを含む半導体エッチング装置由来の廃ガス、および、規格外Fを含むガスに適用することができる。この方法は、処理されたガス中にOFを顕著な濃度で形成させることなく、Fの除去を可能にする。

Description

2010年9月15日に出願の米国仮特許出願第61/383204号明細書および2010年9月16日に出願の米国仮特許出願第61/383533号明細書;2010年9月16日に出願の欧州特許出願第10177188.9号明細書;2010年9月16日に出願の欧州特許出願第10177216.8号明細書;2010年9月16日に出願の欧州特許出願第10177206.9号明細書、および、2011年5月10日に出願の欧州特許出願第11165500.7号明細書(これらの特許出願の内容は、すべての目的について本明細書において参照により援用される)に基づく優先権の利益を主張する本発明は、ガスからFおよび/またはOFを除去する方法に関する。特に、本発明は、Fおよび/またはOFの除去に関して、半導体、光起電力電池、薄膜トランジスタ(TFT)液晶ディスプレイおよび微小電気機械システム(MEMS)の製造に由来するガスからFを除去する際に形成される、処理されたガス中のOF含有量の低減の達成に関する。上記製造プロセスでは、Fは、例えば窒素および/もしくはアルゴンとの混合物中に、多くの場合1〜50体積%の濃度でエッチングガスおよびチャンバクリーニングガスとして用い得るものであり、あるいは、Fは、例えばフッ素置換有機エッチング剤もしくは無機フッ化物(例えばSFもしくはNF)などの上記プロセスにおいて用いられる前駆体から形成され得る。
半導体、光起電力電池、薄膜トランジスタ(TFT)液晶ディスプレイおよび微小電気機械システム(MEMS)の製造においては、材料の堆積工程および個々の部品のエッチング工程が好適なチャンバ内で連続的に実施されることが多く;これらのプロセスでは、プラズマが使用されることが多い。堆積工程において、堆積物は、部品の上だけではなく、チャンバの壁部および他の内部にも形成されることが多い。これらの堆積物は、頻繁にエッチング剤を適用することにより除去される。元素フッ素が、不要な堆積物を除去するための部品のエッチングおよびチャンバのクリーニングの両方についてきわめて効果的な薬剤であることが観察された。この種のプロセスは、例えば、(特許文献1)(フッ素および特定の混合物のエッチング剤およびチャンバクリーニング剤としての使用が記載されている)、(特許文献2)(MEMSの製造が記載されている)、(特許文献3)(太陽電池の製造が記載されている)、およびTFTの製造に関する未公開の(特許文献4)に記載されている。チャンバから回収されるガスはF分子を含むことが多い。エッチングプロセスまたはチャンバクリーニングプロセスの最中に、例えばCFなどのフッ素置換有機化合物、または、例えばSFもしくはNFなどの無機エッチング剤などの特定のエッチング剤が例えば高温またはプラズマに供されると、Fラジカルが形成される。これらのFラジカルの一部は再結合してFを形成する。エッチングまたはチャンバクリーニングに用いられるFは、導電性の塩の存在下、特にHFと付加物を形成するKFの存在下で、HFの電気分解によりオンサイトで生成されることが多い。開始フェーズにおいて、または、陽極破壊が生じた際には、半導体、TFT、光起電力電池またはMEMS(微小電気機械装置)の製造に必要な純度条件を満たさない純度でFが生成され得ることが知られており;このようなガスはFを多量に含有し得る。上記のとおり製造プラントにあるオンサイトか、または、一般的なF生成プラント中のオフサイトにあるFの生成および輸送設備は、例えば、製造ユニットの腐食による、保管もしくは輸送中における、または、例えば地震などの危険な脅威の際の事故もしくは漏出などの、F含有ガスの非常時の処理に対する予防策を見越している場合がある;2010年9月16日に出願の未公開の(特許文献5)を参照のこと。このような場合において、施設(例えば、2010年9月15日に出願の(特許文献6)および2010年9月16日に出願の(特許文献7)に記載際のスキッド仕様に基づくF生成ユニット)内からのHF、Fまたはこの両方を含有するガスは循環空気で希釈され得、低F濃度のガス流が大量にもたらされる。
従って、広く様々な濃度および様々なガス体積流量でF、およびしばしばHFを含むガスが、多くのプロセスにおいてFまたは個々の前駆体の製造および使用の際に発生する。Fはきわめて反応性の高い化合物であるために、このようなガスからFを除去する信頼性の高いプロセスが必要とされている。ガスからのFの除去プロセスは既に公知である。例えば、F含有ガスを例えばCaCOなどの固体処理剤と接触させるガス−固体プロセスは、熱損失が問題であること、および、さらなる反応を妨げる固体上での層の形成などの不利益を有する。ウェットプロセスもまた公知である。水が処理剤として用いられる場合、長期の接触時間が設定されなければOFが形成してしまう。さらに、爆発が観察されている。水酸化カリウム(KOH)の水溶液が適用される場合にも、OFが形成されてしまう。(非特許文献1)を参照のこと。OFはきわめて反応性であると共に有毒性の化合物であり、これが処理されたガス中に存在していることはきわめて望ましくない。(特許文献8)には、処理すべきガスを、例えばチオ硫酸ナトリウム、ヨウ化アンモニウムまたはヨウ化カリウムなどの還元剤を含む水性組成物と接触させるF排除プロセスが開示されている。
国際公開第2007/116033号パンフレット 国際公開第2009/080615号パンフレット 国際公開第2009/092453号パンフレット 国際特許出願第PCT/EP2010/066109号パンフレット 欧州特許出願第10177216.8号明細書 米国仮特許出願第61/383204号明細書 米国仮特許出願第61/383533号明細書 国際公開第99/61132号パンフレット
H.R.Leech,J.W.Mellor (編者)「Comprehensive treatise of inorganic and theoretical chemistry」,付録II,第I部,(Longmans,Green & Co,ロンドン 1956年),186〜197頁
本発明は、Fおよび/またはOFをガスから除去するためのプロセスであって、Fおよび/またはOFの濃度ならびに単位時間当たりで処理される体積の観点からきわめて自由度の高いプロセスを提供することを目的とする。また、本発明は、Fおよび/またはOF、ならびに、処理すべきガスに存在する場合には、HFをガスから除去するための工程であって、Fおよび/またはOFの濃度ならびに単位時間当たりで処理される体積の観点からきわめて自由度の高いプロセスを提供することを他の目的とする。本発明によって、これらの目的および他の目的が達成されている。
本発明は、Fおよび/またはOFが低減され、処理すべきガスに存在する場合には、HFの含有量が低減されたガスを得る方法を提供し、この方法は、Fおよび/またはOFを含み、任意選択でHFを含んでいてもよいガスから、Fおよび/またはOF、ならびに存在する場合にはHFを除去する少なくとも1つの工程であって、ガスを、水と、チオ硫酸アルカリ金属塩および亜硝酸アルカリ金属塩からなる群から選択される溶解した還元剤と、アルカリ金属水酸化物および炭酸アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の溶解した塩基とを含む液体組成物と接触させる工程を含む。
一実施形態によれば、実質的にOFのみを含むガス、または実質的にOFを含むガスを処理することができる。「実質的に」という用語は、除去されるべき汚染物の総含有量におけるOFの含有量が90体積%以上であり、100体積%に対する残りがF、HFまたはその両方であることを示す。このようなガスは、F含有ガスが添加剤として還元剤を含まない苛性アルカリ液で処理されるガス処理装置を出るガスであり得る。それ故、この実施形態における処理は後処理であり得る。
他の実施形態によれば、FおよびOFを含み、任意選択でHFを含んでいてもよいガスを処理することができる。このようなガスは、F含有ガスが、添加剤として塩基、または塩基と還元剤との組み合わせを用いて、不十分に処理される処理工程に由来するガスであり得る。
さらに他の実施形態によれば、Fのみを含むか、任意選択でHFをも含むガスが処理される。このようなガスは、特に、F製造の開始フェーズに由来するガスであり、あるいは、ガスは、規格外Fを含み得、または、このような装置における非常の事象に由来し;好ましい装置は、以下に記載のスキッド仕様による装置である。この実施形態を考慮して、本発明を詳細に説明する。
「規格外」という用語は、所望される程度の純度を有していないFを示す。例えば、CFの含有量が過度に高い場合があり、これは、電解セル中の陽極の破損により生じる可能性がある。このような規格外に充填されたFは、通常は、半導体製造分野における使用に好適ではないと考えられるので分解される。
上記の実施形態においては、Fおよび/またはOFを含有し、任意選択でHFを含有していてもよい、ガスが処理される。これらの実施形態において、処理すべきガスがHFのみを含有し、FおよびOFを含有していないことはほとんどない。それにもかかわらず、このような状況が発生した場合、HFのみを含むガスも本発明による処理により処理され得る。この場合還元剤の存在は必須ではないが、HFのみを含有するガスも同様に処理可能であるという利点がある。処理すべきガスの含有量が変わり得る場合が生じ得る。例えば、処理すべきガスは、最初はFおよびHFを含み、後に、フッ素発生器の停止により、このガスが例えばHFのみを含むこととなってもよい。
好ましい実施形態においては、処理装置に進入する際に、Fのみを含み、任意選択でHFをも含有していてもよいガスが処理される。上述したとおり、Fの水または苛性水性組成物での処理では、OFの形成がもたらされ得る。本発明のプロセスは形成されるOFを除去し、従って、本発明のプロセスが実施された場合の処理されたガスに含有されるOFは、最大でもごくわずかな量である。それ故、本発明の好ましい実施形態は、Fの含有量が低く、かつ、存在する場合にもHFの含有量が低く、また存在するとしても、OFの含有量がごくわずかであるガスを得る方法を提供し、この方法は、Fを含み、任意選択でHFを含有していてもよいガスから、F、および、存在する場合にはHFを除去する少なくとも1つの工程であって、ガスを、チオ硫酸アルカリ金属塩および/または亜硝酸アルカリ金属塩からなる群から選択される溶解された還元剤、アルカリ金属水酸化物および炭酸アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の溶解した塩基、ならびに水を含む液体組成物と接触させる。「存在する場合にもごくわずかな含有量」という用語は、処理の最中に形成されるOFは完全に除去されるか、または、処理の最中にOFが完全に除去されない場合、処理が実施される反応器を出るガス中のOFの含有量は、体積基準で200ppm以下、好ましくは、体積基準で150ppm以下であることを示す。
処理すべきガスと液体組成物とは、専門家に気液反応に有用であると公知である任意の装置を用いて接触させられることが可能である。例えば、ガスを、反応器中の液体組成物中に通してもよい。例えば、Fに耐性の例えば鋼鉄もしくはモネル金属などの材料製のフリットなどの液体中にガスを微小な泡で分散させる手段、および/または、例えば回転シャフトにより駆動されるミキサなどの混合手段を備えていることが好ましい。
タワー中でガスと液体とを向流で接触させることも可能であり、特に、タワーは、ガスと液体との間での物質の交換を向上する手段を備えており、例えばラシヒリングもしくはポールリングなどの特に充填材などの内部部材、または、大きい気液接触面積をもたらす他の手段が例えばタワー内部に設けられている。例えば、バブルキャップトレイまたはThormannトレイを有するカラムがきわめて好適である。カラム中では、気液間で大量の物質移動が発生する。
ジェットスクラバーもまた好適である。例えば、ライン中に1つのジェットスクラバーと充填材を有する1つのタワーがF含有量が高く低ガス流のガスの処理にきわめて好適である一方で、ラインに2つのジェットスクラバーが設けられたものは、非常時に発生するガスなどの、F含有量が低く、高ガス流のガスの処理にきわめて好適である。当然、他の構成の装置も、気液反応技術において一般に公知であるとおり有用であり得る。
当然、例えばチオ硫酸ナトリウムおよびチオ硫酸カリウムなどの2種以上のチオ硫酸アルカリ金属塩化合物を還元剤として適用することができ、あるいは、例えば水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの2種以上のアルカリ金属水酸化物、2種以上の炭酸アルカリ金属塩、もしくは1種以上のアルカリ金属水酸化物と1種以上の炭酸アルカリ金属塩との組み合わせを適用することが可能である。チオ硫酸アルカリ金属塩の使用の代わりに、あるいは、これに追加して、アルカリ金属亜硝酸塩を還元剤として適用してもよい。
アルカリ金属がカリウムである化合物を適用することが好ましい。
「液体組成物」という用語は、好ましくは、有機溶剤を含んでいないことが好ましい水性組成物を示す。
「F」という用語は元素フッ素を示し、特に、電気分解によりFを生成する装置の開始フェーズに由来するF含有ガス、または、このような装置に由来する規格外F、および、Fの生成に用いられるプラントにおける非常の事象に由来するF、特に希釈されたFを示す。
液体組成物は、溶解したチオ硫酸塩と、水酸化物および/または炭酸塩とを含む。これは、固体のチオ硫酸塩、固体の水酸化物および/または固体の炭酸塩の追加的な存在を排除するものではない。
液体組成物は、例えば、ヨウ化アンモニウムまたはヨウ化カリウムなどの、Fに対して反応性であるさらなる化合物を含んでいてもよい。チオ硫酸アルカリ金属塩および/または亜硝酸アルカリ金属塩、より好ましくは、チオ硫酸アルカリ金属塩と、アルカリ金属水酸化物および炭酸アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の溶解した塩基とだけが、Fおよび存在する場合には形成されたOFと反応する化合物(水および組成物もしくは処理されるガスに由来する不要な不純物を除く)であることが好ましい。液体組成物は、ヨウ化アンモニウムおよびヨウ化カリウムを含んでいないことが好ましい。
チオ硫酸アルカリ金属塩のうち、チオ硫酸ナトリウムおよびチオ硫酸カリウムが好ましい。チオ硫酸ナトリウムが特に好ましい。
アルカリ金属亜硝酸塩のうち、亜硝酸ナトリウムおよび亜硝酸カリウムが好ましい。亜硝酸カリウムが特に好ましい。
アルカリ金属水酸化物のうち、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムが好ましい。水酸化カリウムが特に好ましい。
炭酸アルカリ金属塩のうち、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムが好ましい。炭酸アルカリ金属塩のうち、炭酸カリウムが特に好ましい。
炭酸水素アルカリ金属塩、特に炭酸水素ナトリウムを用いることもできる。
炭酸(水素)アルカリ金属塩は、発泡を生じさせ得る二酸化炭素が形成され得るという不利益を有する。炭酸塩は、フッ素およびOFとの反応における消費によりチオ硫酸塩の含有量が低い場合、そのFを除去し、形成されたOFを分解する効力は、水酸化物ほど効果的ではないという他の不利益を有する。従って、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムが好ましい。
チオ硫酸アルカリ金属塩、特にチオ硫酸ナトリウムが好ましい処理剤である。
特に、チオ硫酸ナトリウムおよびKOHを含む液体組成物、ならびに、チオ硫酸ナトリウムおよび炭酸カリウムを含む液体組成物が、Fと、ガス中に副産物として形成される実質的にすべてのOFとを除去するために適用されることが好ましい。水、チオ硫酸ナトリウム、ならびに、水酸化カリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1種の塩基から実質的に構成される液体組成物がきわめて好ましい。「から実質的になる」という用語は、液体組成物中の活性を有する薬剤を指し、すなわち、水、チオ硫酸塩および水酸化物の含有物を指し;組成物は、例えば、水、チオ硫酸塩、水酸化物中に含まれる望ましくない不純物、あるいは、Fと、これらの薬剤および水との反応に由来する液体組成物中に存在する反応生成物をさらに含んでいてもよい。水、アルカリ金属水酸化物およびチオ硫酸アルカリ金属塩とFとの反応の際にアルカリ金属硫酸塩およびアルカリ金属フッ化物が形成されることが見出され;従って、水、チオ硫酸アルカリ金属塩およびアルカリ金属水酸化物「から実質的になる」液体組成物は、顕著な量のアルカリ金属硫酸塩およびアルカリ金属フッ化物を含有していてもよい。
チオ硫酸アルカリ金属塩の濃度は、組成物の総重量に対して、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは、0.3重量%以上である。チオ硫酸塩の濃度が1重量%以上であることが特に好ましい。
チオ硫酸アルカリ金属塩の濃度は飽和濃度以下である。液体組成物は未溶解のチオ硫酸アルカリ金属塩を含有していてもよい。好ましくは、チオ硫酸アルカリ金属塩の濃度は、液体組成物の総重量に対して、10重量%以下、より好ましくは、5重量%以下である。液体組成物は、0.3重量%以上〜5重量%以下のチオ硫酸塩、より好ましくは0.5以上〜5重量%以下、最も好ましくは1重量%以上〜5重量%以下のチオ硫酸塩を含んでいることが好ましい。チオ硫酸アルカリ金属塩の代わりに亜硝酸アルカリ金属塩が存在している場合、その量はチオ硫酸塩に関して示されているものに相当する。
一般に、アルカリ金属水酸化物の濃度は、組成物の総重量に対して、好ましくは10重量%以上、より好ましくは、15重量%以上である。
アルカリ金属水酸化物の濃度は、存在する場合には、飽和濃度以下である。液体組成物は、未溶解のアルカリ金属水酸化物さえ含有していてもよい。アルカリ金属水酸化物の濃度は、液体組成物の総重量に対して、好ましくは45重量%以下、より好ましくは、35重量%以下である。
炭酸アルカリ金属塩の濃度は、存在する場合には、組成物の総重量に対して、好ましくは10重量%以上、より好ましくは、15重量%以上である。より好ましくは、組成物の総重量に対する溶解した塩基の濃度は、15重量%以上、かつ、飽和濃度以下である。
炭酸アルカリ金属塩の濃度は飽和濃度以下である。液体組成物は、未溶解の炭酸アルカリ金属塩を含有していてもよい。炭酸アルカリ金属塩の濃度は、液体組成物の総重量に対して、好ましくは45重量%以下、より好ましくは、35重量%以下である。
アルカリ金属水酸化物および炭酸アルカリ金属塩の両方が液体組成物中に存在している場合、これらの総含有量の好ましい範囲は、組成物の総重量に対して、10重量%〜45重量%である。
好ましい実施形態において、チオ硫酸アルカリ金属塩の濃度は1〜5重量%であり、および、アルカリ金属水酸化物の濃度は10〜45重量%である。さらに好ましい実施形態において、チオ硫酸ナトリウムの濃度は1〜5重量%であり、および、水酸化カリウムの濃度は10〜45重量%である。
他の好ましい実施形態において、チオ硫酸アルカリ金属塩の濃度は1〜5重量%であり、かつ、アルカリ金属水酸化物の濃度は15〜45重量%である。さらに好ましい実施形態において、チオ硫酸ナトリウムの濃度は1〜5重量%であり、かつ、水酸化カリウムの濃度は15〜45重量%である。
他の好ましい実施形態において、亜硝酸アルカリ金属塩の濃度は1〜5重量%であり、かつ、アルカリ金属水酸化物の濃度は10〜45重量%である。さらに好ましい実施形態において、亜硝酸ナトリウムの濃度は1〜5重量%であり、かつ、水酸化カリウムの濃度は10〜45重量%である。
他の好ましい実施形態において、亜硝酸アルカリ金属塩の濃度は1〜5重量%であり、かつ、アルカリ金属水酸化物の濃度は15〜45重量%である。さらに好ましい実施形態において、亜硝酸ナトリウムの濃度は1〜5重量%であり、かつ、水酸化カリウムの濃度は15〜45重量%である。
液体組成物が用いられる一実施形態によれば、チオ硫酸アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物および炭酸アルカリ金属塩は反応の最中に補充されない。この場合、上記の濃度は、気液接触開始時のそれぞれの濃度を指す。チオ硫酸塩および水酸化物は反応において徐々に消費されるため、それぞれ濃度は最初の値を下回ることとなる。
他の実施形態によれば、チオ硫酸アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物および/または炭酸アルカリ金属塩は、それぞれの濃度を予め定められたレベルに維持するために、液体組成物に連続的に、または、時々補充される。この場合、それぞれの試薬は、液体組成物における濃度がそれぞれの上記の最低濃度以上となるよう補充されることが好ましい。他の代替は、チオ硫酸アルカリ金属塩を、非常時にガス検出器がFアラームを報知した場合にのみ、または、念のために、HFアラームの場合にもアルカリ金属水酸化物または炭酸アルカリ金属塩を含有するスクラビング液に添加剤を供給する自動化機構を含む個別の小容器から添加することである。この容器は、例えば、スクラビング液を循環させるためのポンプの吸込側に接続されていてもよい。ポンプは非常時にのみ作動することが好ましく、この場合、チオ硫酸アルカリ金属塩は循環しているスクラビング液に自動的に導入される。
これらの代替は、亜硝酸アルカリ金属塩が、チオ硫酸アルカリ金属塩の代わりに、または、これに追加して添加剤として適用される場合にも適用可能である。
気液接触は、1bar(絶対圧)以上、より好ましくは、1.1bar(絶対圧)以上の圧力で行われることが好ましい。気液接触中の圧力は、好ましくは3bar(絶対圧)以下、より好ましくは、2bar(絶対圧)以下である。好ましい圧力範囲は1〜3bar(絶対圧)、より好ましくは1.1〜2bar(絶対圧)、特に1.1bar(絶対圧)〜1.5bar(絶対圧)である。
気液接触中の温度は、10℃〜80℃の範囲内、より好ましくは、20℃〜40℃の範囲内に維持されることが好ましい。Fと、水、塩基およびチオ硫酸塩との反応は発熱性であり、効果的に冷却を行うことが有利であることに注目すべきである。温度が予め定めたレベルを超える場合であって、例えば洗浄液の温度が80℃を超えている場合、冷却が必要であり得るか、または、処理が妨げられ得る。
処理すべきガス中のFの濃度は広範囲で変化し得る。これは、本発明の方法の利点の1つである。
本発明の方法は、体積基準で0.5%以上、さらには0.5体積%未満のFを含むガス(例えば、このプロセスは、Fの含有量がppmの範囲、例えば100ppm以上であっても適用可能である)から含有されるFを除去するために好適である。本発明の方法はまた、100体積%以下で含有されるFをガスから除去するために好適である。
それ故、プロセスは、すべての濃度のFを除去するために適用可能であり、この柔軟性が、エッチングもしくはチャンバクリーニングの目的のためのフッ素のオンサイト製造に関する特に大きな利点である。
濃度および体積流に関して、処理すべきガスに対する2つの主な発生源がある。
第1の主な発生源は、開始フェーズおよび規格から外れた充填に由来するF含有ガスである。この発生源からのガスは、F濃度が高く、ガス体積流量は比較的低いことが多い。処理すべきガスがFを生成するための電解セルの開始フェーズに由来するか、または、規格から外れた充填に由来する場合、Fは、例えば70〜98体積%ときわめて高い場合がある。好ましくは、この実施形態において、チオ硫酸アルカリ金属塩の濃度は1〜5重量%であり、アルカリ金属水酸化物の濃度は15〜45重量%であり、処理すべきガス中のFの濃度は70〜98体積%である。さらに好ましい実施形態において、チオ硫酸ナトリウムの濃度は1〜5重量%であり、水酸化カリウムの濃度は15〜45重量%であり、処理すべきガス中のFの濃度は70〜98体積%である。この実施形態におけるガス体積流量は1.5〜15m/時間であることが好ましい。
他方の主な発生源は、非常の事象に由来するガスである。この発生源に由来するガスにおいて、F含有量は比較的低いことが多く、かつガス体積流量は比較的多い。処理すべきガスが非常の事象に由来する場合、これは、循環空気により希釈され得ることが多く、および、F含有量は0.5〜5体積%の範囲であり得る。
好ましくは、非常の事象に由来するガスの処理に係るこの実施形態において、チオ硫酸アルカリ金属塩の濃度は1〜5重量%であり、アルカリ金属水酸化物の濃度は15〜45重量%であり、かつ、処理すべきガス中のFの濃度は70〜98体積%である。さらに好ましい実施形態において、チオ硫酸ナトリウムの濃度は1〜5重量%であり、および、水酸化カリウムの濃度は15〜45重量%であり、かつ、処理すべきガス中のFの濃度は0.5〜10体積%である。この実施形態におけるガス体積流量は、100〜15.000m/時間であることが好ましい。
処理すべきガスが規格外のFの充填に由来する場合、Fの含有量は、精製または希釈の程度に応じて0.5〜およそ100体積%のいずれかの範囲内であり得、チオ硫酸アルカリ金属塩の濃度は好ましくは1〜5重量%であり、アルカリ金属水酸化物の濃度は好ましくは15〜45重量%である。さらに好ましい実施形態において、Fの含有量は、精製または希釈の程度に応じて0.5〜およそ100体積%のいずれかの範囲内であり、チオ硫酸ナトリウムの濃度は1〜5重量%であり、および、水酸化カリウムの濃度は15〜45重量%である。
処理すべきガスが電気分解によるF製造の開始フェーズに由来する場合、Fの含有量は、好ましくは70体積%〜およそ100体積%の範囲内、好ましくは98体積%であり、チオ硫酸アルカリ金属塩の濃度は好ましくは1〜5重量%であり、アルカリ金属水酸化物の濃度は好ましくは15〜45重量%である。さらに好ましい実施形態において、処理すべきガスは規格外の充填に由来し、Fの含有量は、70体積%〜およそ100体積%の範囲内、好ましくは98体積%であり、チオ硫酸ナトリウムの濃度は1〜5重量%であり、水酸化カリウムの濃度は15〜45重量%である。
非常の事象に由来する希釈されたガスが生じ得る。このような非常の事象において、Fは、例えば、地震による脅威がある場合、または、例えば破損したラインもしくはバルブ破壊などの設備の一部が破損している場合に、漏出し得るか、または、潜在的なFの漏出の危険性が存在する。設備は、漏出Fの潜在的な危険性を低減するために、非常時には例えば通風空気によりFを希釈し得る。このような事例において、5.000〜15.000m/hであることの多い大体積の希釈Fは、効率的に、および、高い信頼性をもって処理されなければならない。本発明の方法は、このような処理にきわめて好適である。さらに、本発明者らは、NaのKOH中の溶液は、数週間にわたって空気と接触した後であっても酸化に対してきわめて安定であることを見出しており、これが別の利点を追加している。これにより、事前に作って置いたいずれのチオ硫酸アルカリ金属塩の水溶液も有効性が非常の事象が発生するまで保護される。
本発明者らは、例えば亜硝酸カリウムなどの亜硝酸塩は、水酸化カリウムの水溶液で、数日間にわたって空気と接触した後でもきわめてゆっくりと酸化されることを見出した。それにもかかわらず、亜硝酸塩の塩基性溶液中の溶液は実際の条件下で十分に安定であり、安全な処理剤として大いに許容可能である。
の除去および形成されるOFの除去の程度に作用する主な要因は、ガス体積流量に逆比例する滞留時間、および、チオ硫酸塩の濃度である。それ故、ガス体積流量を増やすか減らすことにより、滞留時間をより低いレベルもしくはより高いレベルに設定することが可能である。特定のチオ硫酸塩濃度を含む液体処理組成物と接触するガスの滞留時間は、処理後にガス中のFおよびOFが十分に除去されるように設定される。滞留時間は、例えば、1秒〜10分間の範囲内であり得る。好ましい滞留時間は、1秒以上〜5分間以下である。
本発明の方法は、Fを含むガスの任意の発生源に適用することが可能である。この方法は、例えば、Fを提供するすべてのプラントにおいて、ならびに、例えばKFのHF中の溶液の電気分解によるFを生成するいずれかの方法に対して、または、より高次の原子価状態の金属フッ化物からFを遊離させるプロセスに対して、例えば、FおよびMnFが形成されるようMnFを加熱した際に生成されるガスに対して適用され得る。本発明の方法は、含有されるFの濃度の観点および処理すべきガスの体積の観点からきわめて自由度が高く、ならびに、きわめて効率的であると共に信頼性が高いために、このプロセスは、Fがオンサイトで生成される、半導体、光起電力電池、TFTおよびMEMSからなる群から選択される部品の製造、または、前記部品の製造に用いられたチャンバのクリーニングに用いられるプラントに特に好適である。
さまざまな種類のF含有ガスを処理しなければならないことが多い。第1のガス種は、予測可能なF濃度を有する予め定めたガス流に通常見出されるものであり;例えば、電気分解によるFの製造の開始フェーズまたは規格外の充填に由来するガスである。第2のガス種は、予測不可能なものであり、例えば、非常の事象に由来する希釈されたFを含むガスである。
従って、Fを含むガスは、半導体、MEMSまたは光起電力電池の製造プロセスにおけるエッチングまたはチャンバクリーニングに由来するものであることが好ましく;より好ましくは、Fガスの規格外の充填に由来するものであるか、Fの電気分解による製造の開始フェーズに由来するものであるか、非常の事象に由来するものである。
第1のガス種(例えば、F生成の開始フェーズ、規格から外れた充填に由来する)の処理に関して、好ましい実施形態においては、F含有ガスを処理するための装置が2つ、または、さらには3つが直列に設けられている。このようなガスは高いF濃度を有することが多いが、比較的低いガス体積流量で生じる。従って、第1のガス種を処理するための装置は、ガス流が比較的少ないガスの処理に好適な少なくとも1つの反応器を備える。HF/KFからFを生成するための電解セルの数に応じて、反応器の体積は、1.5m/h〜15m/hの範囲内のガス体積流量が処理されて、満足なレベルにまで、Fが除去され、および、OFが除去されるかその形成が妨げられるようなものであり得る。ラインに設置されたジェットスクラバー、または、ジェットスクラバーと充填材を備えるスクラバータワーとの組み合わせが反応器としてきわめて好適である。必要に応じて、2つ以上の処理装置が直列に設置される場合、第1の処理装置は、アルカリ金属水酸化物を伴って還元剤の不在下に、例えば、KOHを伴って、チオ硫酸塩、KIなどのヨウ化アンモニウムまたはヨウ化アルカリ金属の不在下に操作され得る。この処理装置を出るガスは、OFを特定の含有量で含んでいてもよく、残存Fを含んでいてもよい。次いで、ガスは、KOHまたはKCO、好ましくはKOH、および、例えばNaなどのチオ硫酸塩を含む第2の装置において処理される。必要に応じて、数々の装置は、直列に(高度な精製をもたらす)または並列に設置され得る;これにより、例えば維持管理のために装置を停止させなければならない場合でも連続的な処理が可能である。当然のように、気液反応に適用化能であると公知である他の装置もまた用いられることが可能である。
第2のガス種(非常の事象に由来することが多い)を処理するための装置は、このようなガスは、度々、低いF含有量を有するが、ガス体積流量/単位時間(例えば、5.000m/h以上、例えば10.000〜15.000m/h以上)がきわめて大きく、それ故、比較的短い滞留時間を有しているという事実に適応することができる。これらのガスを処理するために、好ましくは、処理装置は、このような大量のガスを妥当な時間で処理すると共に、好ましくは1.5重量%以上、より好ましくは2重量%の量のチオ硫酸塩などの比較的高含有量のチオ硫酸塩を開始時にまたは常に含む液体組成物が十分に大体積で適用されるよう設計されていなければならない。非常装置における液体組成物は、KOH(または、他の塩基、例えばNaOH)を、好ましくは10〜35重量%、好ましくは25〜35重量%の範囲で含み得る。Naを1重量%〜2重量%の範囲内で含み得るこのような液体組成物は、「大型の」非常装置にきわめて好適であることが実証可能であろう。用いられる工業用装置において、K2SOの形成および析出によって生じる詰まりの恐れが、実験室用の装置と比して、および、他の装置を考慮しても大きなパイプ寸法のためにきわめて低い一方;例えば、ジェットスクラバーは、無作為に充填材が充填されている実験室用のスクラバーカラムと比して詰まり難いが、それにもかかわらず、KOHの濃度をわずかに低くすることで詰まりの恐れが低減される。しかしながら、必要に応じて、KOHまたは他の塩基の含有量は、例えば45重量%以下、もしくは、それ以上と、より高くてもよい。
この非常装置は比較的小さいガス体積流および長い滞留時間を有するF含有ガスの処理に対しては大型過ぎるとみなされ得るが、それにもかかわらず、これは有利であると共に、非常時の状況における恐れがある場合には必要でさえある。非常時の状況に由来するフッ素含有ガスは、非常時スクラバー(または、非常時のガス処理用に設計された他の装置)のみに直接的に通され得る。必要に応じて、非常装置は、消費されたチオ硫酸塩を補充するためにチオ硫酸塩溶液のリザーバに接続されていてもよい。例えば、自動化機構を備えていることが好ましい、1.5重量%以上の濃度でチオ硫酸塩を含むリザーバは、液体組成物を循環させるポンプの入口(吸込側)に接続されていてもよい。非常の事例において、このポンプが作動されると新たなチオ硫酸塩溶液が非常装置に供給される。「自動化機構」という用語は、リザーバなどのチオ硫酸塩の濃度を計測する器具、および、計測された濃度が過度に低い場合に追加のチオ硫酸塩のリザーバへの補充を開始するための手段を示す。
第1のガス種および第2のガス種を処理するための装置は、並列に設置されてもよい。
きわめて信頼性が高く、かつ、好ましい実施形態において、Fを含有する第1のガス種(開始フェーズおよび規格から外れたガスに由来)を処理するための装置および第2のガス種(非常時の処理に由来するF含有ガス)を処理するための装置は直列に設置されている。第1のガス種を処理するための2つのスクラバー(例えば、2つのジェットガススクラバー、または、1つのジェットガススクラバーと内部部材または充填材を備える1つのスクラバータワー)(ここで、第2のスクラバーは、度々、第1のスクラバーにおける効率の高さのために既に余分である)と、非常時の処理のための1つの「大型の」スクラバーが直列に設置されていることが多い。第1のガス種は、3つのスクラバーのすべてを通過し、一方で非常の事象に由来するガスは、非常時の処理用のスクラバーに直接的に通される。このような設備において、FおよびOFを除去する安全性レベルはきわめて高い。
反応器を出るガスがごく少量のOFを含有する、Fを含有するガスを処理するための本発明の方法は、チャンバクリーニングからのF含有廃ガス、または、半導体、MEMS、光起電力電池あるいはTFTのエッチングからのF含有ガスを含むいずれかの発生源に由来するこのようなガスを処理するために適用され得る。この方法は、オンサイトで直接Fが生成されると共に送出されるプロセスに組み込まれることが好ましい。上述のような部品のエッチングに、または、チャンバクリーニングに必要とされるFは、それ故、車両または鉄道を介して使用サイトに輸送されるわけではない。このような一貫したFの製造および使用プロセスが本発明の第2の態様である。
本発明の第2の態様は、従って、少なくとも1つのチャンバにおいて半導体、光起電力電池、TFTおよびMEMSからなる群から選択される部品を製造するプロセスに関し、エッチングに好適なF含有ガスで部品をエッチングする工程およびチャンバクリーニングに好適なF含有ガスでチャンバをクリーニングする工程の群から選択される少なくとも1つの工程を含み、ここで、Fは、KF(電解質)のHF中の溶液の電気分解によりオンサイトで製造され、また、ここで、F製造の開始フェーズに由来する充填物を含有するFもしくは規格外に充填されたFまたは非常の事象に由来するF含有ガスは処理工程に供されて、この処理工程の最中に形成されるFおよび/またはOF含有量が低いガスが得られ、ここでは、F含有ガスが、溶解したチオ硫酸アルカリ金属塩および/または亜硝酸アルカリ金属塩と、アルカリ金属水酸化物および炭酸アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の溶解した塩基とを含む液体組成物に接触させられる。処理すべきガス中にHFが存在している場合にはこれも除去される。
従って、本発明の第2の態様の第1の実施形態は、半導体、光起電力電池、TFTおよびMEMSからなる群から選択される部品の製造に関し、部品がチャンバ内に置かれ、F含有エッチングガスが加えられ、部品がエッチングされ(任意選択で、プラズマの印加により補助される)、F含有ガス雰囲気がチャンバから除去され、ここで、除去されたガスが、溶解したチオ硫酸アルカリ金属塩と、アルカリ金属水酸化物および炭酸アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の溶解した塩基とを含む液体組成物と接触させられて、Fの含有量が低減したガスが得られる工程を含む。利点は、とりわけ、上記のとおり、装置を出るOFのレベルがきわめて低く、かつ、存在する場合にはHFも除去されることである。
本発明の第2の態様の第2の実施形態は、半導体、光起電力電池、TFTおよびMEMSからなる群から選択される部品の製造、または、チャンバクリーニングに関し、ここでは、Fが溶解したKFの電気分解により生成され、生成されたFは、部品のエッチングガスとしての使用もしくはチャンバクリーニングのための使用が意図され、および、生成されたFは、電解セルの開始フェーズに由来するか、もしくは、規格外であるために使用に好適ではなく、それ故、本発明の方法に基づいて、溶解したチオ硫酸アルカリ金属塩と、アルカリ金属水酸化物および炭酸アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の溶解した塩基とを含む液体組成物で処理されて、Fの含有量が低減されているガスが得られ;また、この実施形態において、利点は、とりわけ、上記のとおり、OF形成のレベルがきわめて低く、かつ、ガス中に含有されている場合においてもHFが除去されることである。本発明の第2の態様の第3の態様は、半導体、光起電力電池、TFTおよびMEMSからなる群から選択される部品の製造に関し、ここで、
・クリーニングおよび使用場所への輸送を含む、HF/KF溶液の電気分解によるFの製造、
・F含有エッチングガスが追加されるチャンバ中への部品の配置、
・任意選択でプラズマの印加によって補助される部品のエッチング、
・チャンバからのF含有ガス雰囲気の除去、
からなる群から選択される工程において、非常の事象が発生すると、F含有ガスが空気で希釈され、この希釈されたガスが、溶解したチオ硫酸アルカリ金属塩と、アルカリ金属水酸化物および炭酸アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の溶解した塩基とを含む液体組成物と接触させられて、Fの含有量が低減したガスが得られる。
本発明の上記の記載は、開始フェーズに由来するF含有ガス、規格外に充填されたF含有ガス、および、非常の事象に由来することが多い、希釈されたF含有ガスの処理などの特定の実施形態に関する。これらの特定の実施形態が好ましい。
しかし、本発明のプロセスはまた、エッチングおよびチャンバクリーニングの枠組みにおける他の発生源に由来するF含有ガスの処理にも適用され得る。例えば、フッ素原子により置換されている特定の有機化合物もしくは無機化合物が処理チャンバにおいてエッチングガスとして、または、チャンバクリーニングガスとして、特にプラズマにより補助されたプロセスにおいて使用される場合、チャンバを出るガスはFを含有している場合がある。このようなガスもまた本発明のプロセスに基づいて処理され得る。
本発明の方法は、Fのオンサイト製造に由来するガスの処理に特に好適であるが、本方法はまた、半導体、MEMSまたは光起電力電池の製造プロセスにおけるエッチングまたはチャンバクリーニングに由来するFを含むガスの処理にも適用され得る。
本発明を含む好ましい実施形態において、本発明の方法は、スキッド仕様に基づいてF製造ユニットに組み込まれた例えばスクラバーなどの処理手段で実施される。Fの製造、その精製、保管、ある場合には使用場所への輸送および補助施設設備のためのスキッド仕様は、上記の2010年9月15日に出願の米国仮特許出願第61/383204号明細書および2010年9月16日に出願の米国仮特許出願第61/383533号明細書に詳細に記載されている。
本発明は、特に半導体、光起電力電池、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイおよび微小電気機械システムの製造においてエッチング剤およびチャンバクリーニング剤として用いられるフッ素のオンサイトでの生成に好適である、改良されたプラントをもたらす。
スキッド仕様は、フッ素ガスを反応体として用いてその中で化学反応を行うツールにフッ素ガスを供給するプラントをもたらし、この装置は、
−スキッド1と表される、HF用の少なくとも1つの保管タンクを備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド2と表される、Fを生成する少なくとも1つの電解セルを備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド3と表される、Fを精製するための精製手段を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド4と表される、フッ素ガスを使用場所に吐出する手段を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド5と表される、冷却水循環路を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド6と表される、廃ガスを処理するための手段を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド7と表される、Fを分析するための手段を備えるスキッド載置モジュール、および
−スキッド8と表される、電解セルを操作するための手段を備えるスキッド載置モジュール
からなる群から選択される少なくとも1つのスキッド載置モジュールを含むスキッド載置モジュールを備えている。
本発明の好ましいプラントは、フッ素ガスを反応体としてその中で化学を行うツールにフッ素ガスを供給し、この装置は、
−スキッド1と表される、HF用の少なくとも1つの保管タンクを備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド2と表される、Fを生成する少なくとも1つの電解セルを備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド3と表される、Fを精製するための精製手段を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド4と表される、フッ素ガスを使用場所に吐出する手段を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド5と表される、冷却水循環路を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド6と表される、廃ガスを処理するための手段を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド7と表される、Fを分析するための手段を備えるスキッド載置モジュール、および
−スキッド8と表される、電解セルを操作するための手段を備えるスキッド載置モジュール
を含むスキッド載置モジュールを備える。
プラントはまた、スキッドモジュール1〜8に近接して位置されていても、これらから離れていてもよいスキッドモジュール、すなわち、
−主に中電圧を低電圧に変圧する変電器であるスキッドモジュール9、および/または
−ユーティリティを収容するスキッドモジュール10(制御室、実験室、休憩室)
を備えていることが好ましい。
さらに、装置は、例えば、液体窒素および窒素ガスを供給する手段などの不活性ガスを供給する手段;圧縮空気および水を供給する手段;ならびに、付随施設および補助施設を備えていてもよい。少なくとも、スキッド1、2、3、4および7、好ましくはすべてのスキッドは、安全上の理由のために筐体を備えている。
スキッド1において、各フッ化水素保管コンテナは、一般に、10〜5000リットル、度々500リットル〜4000リットル、好ましくは500〜3000リットルの容量を有している。フッ化水素保管コンテナの特定の例は、RID/ADR−IMDG−により認可されているUN T22または、好ましくはUN T20タイプのタンクである。このようなタンクは市販されている。
スキッド1における各HF保管コンテナは、マニホルドを介してフッ化水素供給ラインに好適に接続され得る。
スキッド1における各HF保管コンテナは、フッ化水素供給ラインから個別に隔離可能であることが好ましい。
スキッド1におけるHF保管コンテナは、一般に、好ましくは遠隔制御されるバルブである遠隔制御されるデバイスによりフッ化水素供給ラインから隔離され得る。より好ましくは、各保管コンテナは、コンテナをフッ化水素供給ラインから隔離させる好ましくは遠隔制御されるバルブである遠隔制御されるデバイスを備えている。
遠隔制御されるバルブが存在している場合、好適な手動バルブが追加的に設けられている。遠隔制御されるバルブにより、例えば、遠隔制御室からのHF−保管−コンテナの運転が可能である。
好ましい実施形態において、HF保管コンテナは自動HFレベルセンサを備えている。特にHF保管コンテナは計量はかり上に設置され得る。このような場合には、プロセス制御システム、特に自動プロセス制御システムは、第1の空のHFコンテナの遠隔制御されるバルブを閉じて他の第2のHF−含有フッ化水素保管コンテナの遠隔制御されるバルブを開くよう操作可能であることが好ましい。この実施形態は、手動によるHFバルブの扱いを回避すると共に、確実にHFを連続して供給するために特に効果的である。
好ましい態様において、バルブは、例えば、HF供給ラインに接続されたプロセス−器具におけるプロセスの中断などの異常な運転状態の場合に、自動的に閉じられるよう操作可能である。
他の好ましい態様において、バルブはスキッド1においてHFが漏出した場合に自動的に閉じられるよう操作可能である。このようなHF漏出は、例えばHF保管−コンテナ内部における任意選択的なフランジ−接続部の漏出によって生じる可能性があり、これらのバルブが遠隔制御により閉じられることが可能である。これにより、特に、この場合にはフッ化水素供給ユニットにアプローチする必要性が回避される。
スキッドはまた、HFおよび窒素の供給を遮断するためのバルブを備えている。好ましくは、スキッド1は、3〜10つのHFコンテナを備えており;特に好ましくは、4、5、6、7または8つのコンテナを備えている。4つのHFコンテナが、150トンF/年の生産能力に好適である。個別にバルブを介して閉鎖され得る場合には、特により小型サイズのタンクによりプラントの安全性が向上される。タンクは、耐HF性の材料で形成されているか、少なくとも内張りされていなければならない。壁は十分な厚さを有しているべきであり;好ましくは、10mm IMDG code(international Maritime Dangerous Goods code)に等しい厚さを有している。
特定の実施形態において、スキッド1は、好ましくは常設的な少なくとも1つのHF非常用コンテナを備えている。このようなHF非常用コンテナは、好ましくはHF供給ラインに接続されている本明細書に記載の空のHF保管コンテナであることが好ましい。HF非常用コンテナは、一般に、HF保管コンテナから漏出するHFを収容するよう運用可能である。HF非常用コンテナは、好適には、不活性ガスによる加圧下に、または、減圧下で保持されている。
タンクは、トラックによる輸送が可能であるよう、および/または、フォークリフトによる取り扱いが可能であるよう可搬式であることが好ましい。
スキッド1は通気システムを備えており、周囲の空気が、特にHFおよびFを除去するための「非常時対応用スクラバー」(ERS)(以下に記載のとおり)などのスクラバーに常に通気されていることが好ましい。
スキッド2:電解セル(スキッド2)を備えるスキッドをここで詳細に説明する。スキッドは少なくとも1つの電解セルを備えている。好ましくは、少なくとも2つの電解セルを備えている。より好ましくは、少なくとも6つの電解セルを備えている。8つの電解セルを備えているスキッド2がきわめて好適である。スキッドは、必要に応じて、フッ素ガスに対する需要が高まった場合に追加の電解セルを加えることが可能であるよう構成されていることが好ましい。これらのセルは、冷却水を循環させることが可能であるジャケットを備えている必要に応じて、スキッド2は、個別のサブスキッド2A、2B等の形態で提供され得る。これらのサブスキッドにおいては、特定の数の電解セルが集合されている。個別のサブスキッド2Aおよび2B(および、いずれかの他のサブスキッド)は一緒に結合されて1つのセル室を形成している。セル室は、4、6つまたはそれ以上のセル、例えば、8つ以上のセルを備えていることが多いであろう。数々の電解セルを設ける利点は、維持管理または修理のために1つ以上のセルを停止しても、他のセルの出力を上げることによりこれを相殺することが可能であることである。数々のサブスキッドを集合させることにより、通常の道路輸送に許容される最大寸法の範囲内に寸法を維持することが可能であるという利点が奏される。電解セルは、生成されるFおよびH用のコレクタに接続される。スキッド8は、DC電流をセル陽極に供給するための少なくとも1つの整流器を備えている。各セルは1個以上の陽極を備えていてもよいことに注目すべきである。典型的には、各セルは、20〜30個、ならびに、さらには70個以下およびそれ以上の陽極を備えている。1本のケーブルが、陽極の各々と整流器とを接続している。各セルの陰極は、1本の銅またはアルミニウム母線を介して整流器に接続されている。1つの整流器は、1つまたは複数のセルの数々のまたはすべての陽極に電流を供給することが可能である。1つの陽極に対して1つの整流器を使用することが好ましい。個別の陽極の各々における強度を特定の陽極特徴に応じて細かく調節することが可能であり、特定の陽極における異常な状況(例えば、過電圧、短絡、または破損した陽極)を直ぐに検知して、異常陽極を自動的に停止させながらすべての他の陽極およびセルでは継続してFを生成させることが可能であるという利点がある。
スキッド2は、セルのジャケットに冷却水を供給する冷却水循環路を備えている。
スキッド2はまた沈降槽を備えており;好ましくは、F用の沈降槽およびH用の沈降槽がセルの各々に接続されている。沈降槽は、セルにおいて生成されるFおよびHのガス速度を低減させて、電解質の塵埃が運ばれることを防止する。沈降槽は、バイブレータ、および、分離された電解質の塵埃を溶融させて除去を容易にする加熱器を備えていることが好ましい。
生成されたFを回収するためのコレクタが、パイプによってスキッド3に接続されており、生成されたH用のコレクタは、パイプによってスキッド5BにおけるH用スクラバーに接続されている(これは以下において詳細に説明する)。好ましい実施形態において、スキッド2は、事故により放出されたFをHFおよび/またはHで処理するための通気システムも備えている。
スキッド2の周囲の空気が、安全上の理由のためにスクラバー、特にERSスクラバーに通気されている(スクラバーは以下に説明されている)。
スキッド3:スキッド3は、生成されたFを精製するための手段を備えている。スキッド3はFが予冷却される冷却器を備えている。スキッド3はまた、予冷却されたFがきわめて低温に維持されたHFと接触させられるHF洗浄器を備えている。HF洗浄器は、クーラントが通される冷却ジャケットを備えている。クーラントは当業者に周知である液体クーラントでもよく、または、より好ましくは、既定の混合温度の蒸発された液体窒素および窒素ガスの混合物である。スキッド3は、緩衝剤タンク、コンプレッサ、例えばダイヤフラム圧縮機、低温で作動するHF凝縮器、および、HF用の吸収剤としてNaFを含有していることが好ましい少なくとも1つのHF吸収カラムをさらに備えている。好ましくは、少なくとも2つの吸収カラムがスキッド3に備えられている。必要に応じて、吸収カラムは、一方の組が吸収モードであり、他方の組が再生用となるよう冗長化されている。吸収カラムは加熱器を備えている。必要に応じて、さらなる組の吸収カラムがスキッド3または吸収剤の再充填サイトに存在していてもよい。HF凝縮器はパイプを介して電気分解スキッド2に接続されている。好ましくは、少なくとも1組のカラムが、車輪付きのトロリー上に設けられてスキッドから(再)移動可能なままとされている。
HF凝縮器は、HFが凝縮して液体、さらには固体を形成する温度に冷却され得る。凝縮された液体HFが形成されることが好ましい。トラップを−60℃〜−80℃、好ましくは約−70℃の温度に冷却することがきわめて好適である。冷却媒体としては、所望の低温で用いることが可能である周知の冷却液が好適である。液体Nと気体Nとを適切な量で混合することにより得たNガスを使用することが好ましい。この冷却法はきわめて信頼性が高い。それ故、スキッド3は、冷却媒体を吐出および引き出すためのラインを備えている。
スキッド3の周囲の空気が、安全上の理由のために、スクラバー、特にERSスクラバー(以下に説明されている)に通気されている。
スキッド4:このスキッドは、フッ素ガスの保管およびフッ素ガスの使用場所への輸送のためのものである。スキッド4は、いずれかの残留する混入した固形分を除去するためのフィルタを備えている。好ましくは、スキッド4はまた、固形分を除去するためのフィルタを備えている。例えば、電解セルにおいて生成されたFは、通常は、KFおよびHFの付加物であるセルからの混入した固体電解質を含んでいる場合がある。フィルタは、耐HFおよびフッ素性の材料で構成されていることが好ましく;ステンレス鋼、銅、モネル金属、および、特にニッケルが特に好適である。半導体グレードFを提供するためナノメートル範囲の孔径を有するこれらの金属の焼結粒子製のフィルタであって、例えば、5nm以下の孔径、および、より好ましくは3nm以下の孔径を有するものがきわめて好適である。
必要に応じて、スキッド4は、1μm以下の孔径を有する粗大粒子をFから除去するためのプレフィルタを備えている。
スキッド4は、フッ素ガスの保管手段を備えていることが好ましい。これは、例えば、フッ素ガス用の緩衝剤タンクを備えているものでもよい。
緩衝剤タンクに追加して、好ましくはこれの代わりに、スキッド4は、Fを保管するための複数の中空体の形態の常設のまたは一時的なフッ素ガス保管ユニットを備えていてもよい。保管ユニットは他のスキッドに接続可能である。
「常設式フッ素ガス保管ユニット」は、特に、フッ素プラントに組み込まれたフッ素ガス保管ユニットを指していると理解される。例えば、フッ素ガス保管ユニットは、可搬式であることが可能であるか、フッ素プラントの運用を通じてスキッド4中に存在している固定ユニットであることが好ましい。好ましくは、常設式フッ素ガス保管ユニットは、プラントに保管されているフッ素ガスの総重量に対して、90重量%超、より好ましくは95重量%超、最も好ましくは約100重量%のフッ素ガスを含有するよう設計される。
スキッド4は、さらに、フッ素ガスをスキッド2から使用場所に運搬することが可能である。スキッド4の考えられ得るコンポーネントとしては、これらに限定されないが、供給ライン、コンプレッサ、ミキサーおよび緩衝剤タンクが挙げられる。フッ素分析用に単一セルFT−IRが備えられていてもよい。
「接続可能」とは、特に、常設式フッ素ガス保管ユニットが、スキッド4のコンポーネントに接続され得るよう装備を有していることを示すと理解される。好ましくは、常設式フッ素ガス保管ユニットは、フッ素ガス供給ラインに接続され得るよう装備を有している。好ましい態様において、フッ素ガス保管ユニットは、スキッド4のコンポーネント、特にフッ素ガス供給ラインにフッ素ガスプラントの運用を通じて接続されている。さらに好ましい態様において、フッ素ガス保管ユニットはスキッド4のコンポーネントに直接接続されている。
スキッド4のコンポーネントに接続されるフッ素ガス保管ユニットを接続するために好適な器具としては、フッ素ガス保管ユニットの中空体の各々にラインを介して接続されていると共に、好ましくは各中空体を個別に隔離可能であるよう各ラインに閉止バルブを有しているマニホルドが挙げられ、前記マニホルドは、スキッド4のコンポーネントにさらに接続されている。
スキッド4は、4〜25個の中空体、より好ましくは5〜8個の中空体を備えていることが好ましい。中空体は、実質的に同等の形状および寸法のものであることが好ましい。円筒形状の中空体(チューブ)が好ましい。フッ素ガス保管部の中空体の各々が閉止バルブを備えていることが好ましい。
フッ素ガス保管ユニットの中空体は、適切なフレーム手段により好適に一緒に固定され得る。特定のフレーム形状としては、三角、正方形および長方形が挙げられる。
本発明に基づくフッ素ガスプラントにおいて、フッ素ガス保管手段は、一般に、少なくとも25psig(約1.72barg)の圧力でフッ素ガスを含有することが可能である。この圧力は、35psig(約2.4barg)以上、好ましくは40psig(約2.8barg)以上であることが多い。本発明に基づくプラントにおいて、フッ素ガス保管手段は、一般に、400psig(約27.6barg)以下、好ましくは、75psig(約5.2barg)以下の圧力でフッ素ガスを含有することが可能である。この圧力は、65psig(約4.5barg)以下、好ましくは60psig(約4.1barg)以下であることが多い。フッ素ガス保管ユニットの中空体は、一般に、前記圧力でフッ素ガスを含有することが可能であることが理解される。中空体が、前記圧力でフッ素ガスを含有していることが特に好ましい。
本発明に基づくフッ素ガスプラントにおいて、フッ素保管手段のF分子保管量対F分子の1日のフッ素ガスプラントの生産能の比は、一般に、0.1〜1、好ましくは0.1〜0.25である。
好ましくは、中空体の各々は個別にプラントから遮断されることが可能であり;これにより安全性が向上する。スキッド4から出たフッ素は好ましくは二重壁パイプを介して使用場所まで輸送される。フッ素ガスは内側管中を輸送され;外側の二重包囲壁は窒素を含む。パイプは、外側二重包囲壁中の窒素圧を分析する圧力センサを備えている。パイプの壁は、通例ガスの輸送に用いられるものよりも厚いことが好ましく、すなわち、好ましくは、これらは、1mmより厚く、好ましくは4mmより厚く;5mm以上の壁厚が特に好ましい;「schedule 80」として分類されるパイプがきわめて好適である。これは安全性の向上に貢献する。X線検査された溶接パイプがきわめて好適である。
保管コンテナは車輪が設けられているか、または、フォークリフトによる搬送が可能であることが可能である。
以下に記載のとおり、スキッド4の周囲の空気が、スクラバー、特にERSスクラバーに通気されている(安全上の理由のために)。
本発明に基づくフッ素ガスプラントにおいて、使用場所は、例えば化学プラント、または、特に表面処理にフッ素ガスを用いるプラントなどのさらなる製造プラントに接続され得る。使用場所は、好ましくは光起電力デバイスまたはフラットパネルディスプレイの製造などの半導体製造プラントに接続されていることが多い。
本発明に基づくフッ素ガスプラントの好ましい実施形態において、フッ素ガス保管ユニットを備えているスキッド4は閉鎖空間である。閉鎖空間は、一般に、閉鎖空間のスクラバースキッド6への接続を開始させることが可能であるフッ素センサを備えている。この閉鎖空間は、スキッド4の閉鎖空間からスキッド6にガスを輸送するよう作動可能であるファンに接続された吸引ラインを介してスキッド6に接続されていることが好適である。
さらなる実施形態において、本発明に基づくフッ素ガスプラントは好ましくは静的ミキサであるミキサをさらに備えており、前記ミキサは、スキッド4からのフッ素、ならびに、不活性ガス供給ラインからの好ましくはアルゴンおよび/または窒素などの不活性ガスを受け取ることが可能であることが好ましい。
任意選択的な実施形態において、圧力制御ループは、一般に使用場所に供給されるフッ素ガスの圧力を所望の値に調節、一般に低減させる。
スキッド5は、プラントの一部の冷却または加熱を冷却水によって提供する。電気分解スキッド2またはサブスキッド2Aおよび2Bまたはいずれかの追加のサブスキッド2Xに近接して位置されていることが好ましく、より好ましくは、スキッドの上に位置されている。スキッド5は、電解セルを加熱して反応が開始される際に電解質塩を溶融させると共に、反応が進行している最中はセルを冷却する少なくとも1つの循環路を備えている。循環路は、水道水であっても蒸留水であってもよい冷却水で充填されている。循環路は、緩衝剤タンク、冗長化されていることが好ましいポンプ、および、可変速度で駆動されるファンを有する乾燥冷却器を備えている。運転中、冷却水は、セル中の電解質の固化を回避するために75〜95℃に維持されることが好ましい。
スキッド5に備えられている他の循環路は、装置の他の熱交換器を冷却するためのものである。これは、好ましくは水とエチレングリコールとの混合物、より好ましくは、40重量%のエチレングリコールを含む水である冷却液を含んでいる。また、この循環路は、緩衝剤、冗長性であることが好ましいポンプ、および、乾燥冷却器を備えている。冷却循環路は、冷却水の温度を計測するための検出器、例えば電気加熱器などの冷却水を加熱する手段、循環液体を冷却する熱交換器を備えている。
スキッド6は、FおよびHの各々について、少なくとも1つのスクラバーを備えている。好ましくは、スクラバーポンプ冗長性である。プラントのスキッド(特にスキッド1、2、3、4および7)は、スキッドエンクロージャの周囲の空気を常にスキッド6におけるスクラバーを介して通気する通気システムを備えている。
好ましくは、スクラバースキッド6は、安全上の理由のために、または、維持管理操作のために必要とされるいずれかのFまたはHFベントを破壊するためのFスクラバーを備えている。スキッドからの通風空気に由来するFおよびHFは、非常時対応用スクラバー(ERS)において処理される。スクラバーはジェットスクラバーであることが好ましく、吸引をもたらす。スクラバーは、例えば、少なくとも1つの非常時対応用スクラバー(ERS)を備えているサブスキッド6A、その中に混入したHFを除去するために生成されたHを洗浄するサブスキッド6Bなどのサブスキッド、ならびに、以下に説明されているとおり、スキッドからの周囲雰囲気の通気に由来する廃ガス中のHFおよび/またはFを除去するスクラバーに設置されていてもよい。
常用Fスクラバー(任意選択でサブスキッド6Bに設置されている)の容量は、通常の運転の最中に除去されるFの想定される量に少なくとも相当する。Fは、排除溶液との接触により除去される。このスクラバーは、排除溶液とFとの間の接触面積を大きくするためにジェットスクラバー、および、充填カラムを備えていることが好ましい。好ましくは、常用Fスクラバーを出るガスはERSスクラバーのバックアップスクラバーに通される。
ERSスクラバーは、通風空気からのFまたはHFの除去に用いられる常用Fスクラバーのバックアップとされ、ならびに、漏出後にHFおよび/またはFを含有する通風空気の非常時の処理用とされる。ERSスクラバー(任意選択でサブスキッド6Aに設置されている)の容量は、例えば、きわめて希なパイプ破損、フッ素を含有するまたはHF保管タンクにおける事故などの非常時に除去されるフッ素およびHFの量に少なくとも対応していることが好ましい。ERSスクラバーを最悪の事態に沿って選択することが賢明である;例えば、2mの容量を有するHFタンクおよび8kg Fの能力を有するF保管チューブが存在する場合、ERSは、HFおよびFのそれぞれの量、ならびに、プラント滞流量を軽減することが可能であるべきである。好ましくは、ERSスクラバーは、高い分解および除去効率を達成するために2つの洗浄用ユニットを備え;冗長化されたポンプは常用および非常用電源供給により給電されてる。これは、処理すべきガスと排除溶液との間の良好な接触を達成するためにジェットスクラバーおよび充填カラムを備えていることが好ましい。非常時の処理に関与する他のユニットが充填カラムを備えていてもよいが、2つのジェットスクラバーを直列に備えていることが好ましい。F除去は、Fの除去に公知である薬剤で実施され得る。例えばチオ硫酸ナトリウムもしくはチオ硫酸カリウムなどのチオ硫酸アルカリ金属塩、または、例えば亜硝酸カリウムまたは亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸アルカリ金属塩を任意選択で含んでいてもよい、KOH溶液またはNaOHが排除溶液として用いられることが好ましく、これは、存在する場合には、F用の分解試薬としてスクラバーおよびカラムを通してポンプされる。KOH溶液を冷却するための冷却器が想定されてもよい。当然、1つの非常時スクラバーがHFおよびFの処理に関与することがこの仕様の利点である。
ガス流のHF排除に係るスキッド6のスクラバーはサブスキッド6Bに設置されていてもよい。サブスキッド6Bは、HF水溶液を伴って運用されてH中のHF含有量を低減させるジェットスクラバーを備えていることが好ましい。HFの濃度は1〜10重量%の範囲内であり得る。スクラバーは、新たな水がカラムの頂部に供給されてHF含有量を低減させる充填カラムをさらに備えている。スキッド6Bはまた、スキッド3において冷却媒体として用いられた窒素によるHの希釈を可能とするラインを備えている。
スキッド6、または、スキッド6Aおよび6Bのそれぞれにおけるスクラバーの信頼性はきわめて重要である。それ故、スクラバーを通して排除溶液を循環させるファンまたはポンプの様な必須の部品は冗長化されていてもよい。時々、例えばトラックにより供給される、例えば、KOH溶液などの新たな排除剤、および/またはチオ硫酸塩もしくはその溶液が、循環している排除溶液に加えられる。
スキッド6はまた、事故での漏出に備えた液体の貯留ピットを1つ以上備えていることが好ましい。
スキッド7は、生成されたFの分析に用いられる装置に関する。これはスキッド2Aおよび2Bの近くに設置されていることが好ましく;スキッド2Aおよび2Bの上に位置されていることがきわめて好ましい。スキッド7は、例えば、分析器のシェルタである。その周囲の雰囲気がERSに通気されていることが好ましい。分析器は、生成されたFの主な不純物の含有量を判定するために好適な分析手段を備えている。任意選択的なUV分光計(これはUVスペクトルを分析する)および多入力式、マルチセルFT−IR分光計(Fourier−Transform Infra−Redスペクトル)分析器がきわめて好適である。好ましくは、セルから得られる粗Fおよび精製されたFの両方がマルチセルFT−IRに送られる。一時に1つの流路が分析される。HF、CF、C、COF、SFおよびSOの量が、例えば、FT−IRによって計測されることが可能であり、その一方で、Fの含有量がUVにより分析され得る。UV分光法をフッ素に対する直接的な計測ツールとして用いることが可能であり、これにより、陽極の焼損が生じるとフッ素濃度の急激な低下が見られ;FT−IRと同時にCFの非常に大きい増加が見られることが見出された。従って、この焼損は、不純物が形成される(主にCF、CおよびCOF)焼損の最中のF濃度の急激な低下により容易に検出され得る。この焼損(生成されたFは、正常な作動時よりも多量のCF、C、COF、HFを含有する)は、不純物含有量の変化のみならず、本発明においては特にUV分光法である検出器システムにより監視されるフッ素含有量の急激な低下をももたらす。UV分光法を用いた計測の最中に、UVスペクトル全体を用いることが可能である。好ましくは、スペクトル全体ではなく、200〜400nm、より好ましくは250〜330nm、最も好ましくは270〜290nm、さらには約280nmの特にUV分光などの特定の波長での吸収のみがFによる略最大のUV吸収であるために計測に用いられる。FTIRおよびUV計測はまた、精製されるFの純度の制御にも用いられる。それ故、分析は、粗FをUVにより、および、CFをFT−IRにより計測することにより陽極の焼損を検知し、精製されたF純度を記録し制御するためのものである。
すべてのセルの粗Fおよび精製されたFは連続的にサンプルが採られると共に分析される。現行のFT−IRは9個以下のサンプルを受け入れることが可能である。それ故、8個以下の電解セルの精製されたFおよび粗Fを、1つのマルチセルFTIRの現行の装置で分析することが可能である。あるいは、スキッド7のFT−IRおよび任意選択的なUV分析器の代わりに、スキッド4が単一−セルFT−IRを備えていてもよい。
スキッド8は、整流器または整流器ラック、BPCS(ベーシックプロセス制御システム)、ESD(非常停止システム)、火災アラームおよびガスアラームが記録されるF&G(火災およびガスシステム)パネル、小型モータスタータ、照明配線、ならびに、給電する、および、プラントの電気手段を制御する他の手段を備えている。スキッド8はスキッド2Aおよび2Bの近くに設置され;好ましくは、これらの上に位置される。各電解セルは、上述のとおり、通常、例えば26個と多数の陽極を有する。各陽極は整流器によって供給されることが好ましい。整流器は、空調された筐体に設けられた整流器キャビネットに組み付けられることが好ましい。
ガスの侵入からの保護のために、このスキッド8をわずかに過圧としておくことが好ましい。すべてのケーブルおよび陰極母線は注意深くシールされているべきである。
整流器キャビネットは、地震に対する保護のために固定されたフレームにボルト留めされていることが好ましい。
スキッド8は、壁および天井を備えている。スキッド8はまた、火災検知システム、特にVESDA(超早期煙検知装置)、および、例えばHFC−227eaまたは不活性ガスの混合物(窒素、アルゴンおよび二酸化炭素)であるInergen(登録商標)を用いて作動する消火システムを備えていることが好ましい。
スキッド9は、コンクリート壁で予め構成された室であるか、または、金属製の遮蔽壁から形成されたコンテナに類似していることが好ましい。スキッド9は、電流を接続すると共に、中電圧から低電圧に変圧する手段を備えている。スキッド9は、「電気変電器」サブスキッド9Aおよび9Bを備えていることが好ましい。スキッド9Aは、入力電流および出力電流および廻込電流用のMV(中電圧)セル、ならびに、中電圧電流を低電圧電流に変圧する変圧器を備えていることが好ましい。ローカルネットワークに適応可能であり;例えば、変圧器は、例えば、380Vまたは400V(50Hz)または440V(60Hz)であり得る局所的な電圧に適合するよう選択される。スキッド9はまた、火災検知システム、特にVESDA(超早期煙検知装置)、および、例えばHFC−227eaまたは不活性ガスの混合物(窒素、アルゴンおよび二酸化炭素)であるInergen(登録商標)を用いて作動する消火システムを備えていることが好ましい。
スキッド9Bもまた、壁および天井を備えているコンクリート壁で予め構成された室であることが好ましい。この変電器は、低電圧開閉装置(LVCS)およびディーゼル発電機を収容している。例えばケーブル溝を介して低電圧電源供給を必要とするスキッドにケーブルによって相互接続されている。スキッド9Bはまた、火災検知システム、特にVESDA(超早期煙検知装置)、および、例えばHFC−227eaまたは不活性ガスの混合物(窒素、アルゴンおよび二酸化炭素)であるInergen(登録商標)を用いて作動する消火システムを備えていることが好ましい。
スキッド9Bはまた、フォークリフト用のバッテリー充電ステーションを備えていることが好ましい。
スキッド9Bは、特にスキッド2などのプロセススキッドに相互接続されていなければならない。
スキッド10は、例えば、制御室、実験室および休憩室などの個人用ユーティリティを備えている。好ましくは、スキッド10は、サブスキッド10Aおよびサブスキッド10Bに分割されている。サブスキッド10Aは制御室および実験室を備えている。小型であり得る実験室は、例えば500m/h以下およびそれ以上で良好に通気され、フードが耐酸性材料で形成されていることが好ましくならびに分析滴定に用いられることが可能であるドラフト、試薬およびサンプル用安全キャビネット、好ましくは耐酸性材料製のドラム中に化学廃棄物を回収することが可能である洗面台および化学シンクを備えている。実験室は、外気取入口に設置されたガス検出器、および、ガスアラームの際に吸気を閉止する閉止機構を有していることが好ましい。ベントガスの侵入からの保護のために、サブスキッド10Aをわずかに過圧としておくことが好ましい。スキッド10Aは空調を備えていることが好ましい。
制御室の制御盤は、他の施設に位置していてもよい遠隔制御盤にラインで接続されていることが好ましい。これにより、単一の制御室から数々のフッ素ガス生成プラントを遠隔で操作することが可能である。
サブスキッド10Bは休憩室を備えている。サブスキッド10Bは、制御室要員に有用な設備を含む。サブスキッド10Bは、ロッカー、更衣室、手洗い、シャワー、および、化学用着衣(グローブ、ケープ他)のキャビネットを備えていることが好ましい。プラント安全シャワーは洗眼システムを含み、および、温かい飲用水が供給される必要があるのでサブスキッド10Bの外に近接して位置されていることが好ましい。スキッド10は通気および加熱手段を備えていることが好ましい。
本発明の方法は、スキッド6のフレームにおいて実施される。
本発明の他の態様は、KNO、NaNO、NaおよびKからなる群から選択される1%〜5重量%の処理剤と、10〜45重量%のKOH、10〜45重量%のNaOH、または、混合物の総含有量が溶液の10〜45重量%であるKOHおよびNaOHの混合物と、を含有するか、これらから構成される水溶液に関する。
好ましい水溶液は、NaおよびKからなる群から選択される1%〜5重量%の処理剤と、10〜45重量%のKOH、10〜45重量%のNaOH、または、混合物の総含有量が溶液の10〜45重量%であるKOHおよびNaOHの混合物と、を含有するか、これらから構成される水溶液に関する。
1%〜5重量%のNa、50重量%以上の水、および15重量%以上のKOHを含有するか、これらから構成される溶液が特に好ましい。
1%〜5重量%のNa、50重量%以上の水、および15重量%以上のKOHから構成される溶液が最も好ましい。
これらの溶液が、Fおよび/またはOFのこれらを含有するガスからの除去に好適である。これらは個別のスキッドに保管され得る。
参照により本明細書において援用されている特許、特許出願および公報のいずれかの開示が用語を不明確とし得る程度に本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先されるべきである。
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することを意図せずに、本発明の方法を詳細に説明することを意図している。
[実施例1]:KOHおよびNaまたはKCOおよびNaを用いるFの除去
用いた装置:
10体積%のFおよび90体積%のNからなるF/Nガス混合物を圧力ボトルに保管した。このボトルを、バルブおよびガスラインを介して、無作為に配置されたステンレス鋼充填材を含有するスクラバータワーと接続した。純粋なNを含有する圧力ボトルをバルブを介してガスラインに接続し;その結果、10体積%のFを含むガス混合物をいずれかの所望のF濃度に希釈可能とした。スクラバー液を保管タンクに入れた。この保管タンクをラインを介してスクラバーの頂部および底部に接続し、洗浄液を、熱交換器を介して保管タンクからスクラバーカラムの頂部に循環させ、フッ素および窒素を含有するガス混合物と向流で接触させ、洗浄液で処理し、ならびに、洗浄液と接触させた後に保管タンクに回収した。カラムの頂部から出た処理されたガス混合物を冷却トラップに通してすべての混入した液体を除去し、次いで、FTIR分析器に通して残存OF含有量を測定した。Fの含有量は0にきわめて近似していると測定された(不正確ではあり得るが、質量収支により示された)。ガス混合物をHOおよびNaを含有するトラップに通して、未だガス混合物中に含有されているFの除去を保護した。
保管タンクは4リットルの体積を有していた。
テストを、様々な含有量の塩基、チオ硫酸塩、様々な体積/単位時間の処理されたガス/様々な滞留時間、および、処理すべきガス混合物中の様々な濃度のFで実施した。いくつかのテストにおいて、塩基またはチオ硫酸塩の各々を洗浄液中に含有させなかった。
と接触させられる際のタワー中の洗浄液の温度は20〜30℃の範囲に維持した。
試験中、スクラバータワー中の処理すべきガス混合物の圧力を約1.1〜1.3bar(絶対圧)で一定に維持した。
使用した塩基:
・約30重量%のKOHの濃度を有する水中のKOH
・約20重量%の濃度を有するKCO
除去の有効性および処理されたガスにおけるOF含有量の抑制に対する以下のパラメータの影響をテストした:
・Naの濃度:0%、0.5重量%、1重量%、2重量%。
・滞留時間(ブラケット中、リットル/hでのそれぞれのガス流):140秒(25L(h);70秒(50L/h);14秒(250L/h);7秒(500L/h)(処理すべきガスにおける異なるF濃度で)。
・液体充填密度:(ブラケット中、m/(h・m)。スクラバーカラムにおけるより高い液体充填密度とは、より大体積のスクラバー液がカラムの頂部に入り、液体のより良好な分散および無作為な充填材のより良好な湿潤がもたらされることを意味する。液体充填密度の2つの範囲、すなわち、30〜50m/(h・m)および100〜120m/(h・m)をテストした。
・スクラバータワーの入口での処理すべきガス混合物のF濃度:0.8体積%;1体積%;1.6体積%;10体積%。
・スクラバーの出口でFTIRにより計測した体積基準でのppmでのOF濃度。
・質量収支は有効なFの除去を示す。
各試験を約1時間〜6時間の間実施した。スクラバーの出口におけるppmvでのOF値の最低値および最大値は、KOHスクラバー水溶液中の添加剤Naの効率およびOF分解に対する滞留時間の影響を示す。スクラバーの出口でのOF含有量が低いほど、この化合物の分解はより良好である。スクラバーにおける滞留時間が長いほど、OF除去の程度に対して有利である。
それぞれのパラメータおよび得られた濃度が表1に集計されている。テスト1、3、4、6および8が比較のために含まれている。
Figure 2013539717
以下の結論をテスト結果から得ることが可能である:
・水性水酸化カリウムおよび炭酸カリウムは共に、チオ硫酸塩と一緒に使用されると、Fの除去およびOFの分解に有効である。発泡が生じないために水酸化カリウムが好ましく、チオ硫酸塩が消費された場合には、OFの分解において炭酸塩よりも効果的である。
・F含有ガスが不活性ガスで希釈されている例えば非常時の状況に由来するガスなどの高ガス体積流量のガスからFを除去するためには、範囲上方の濃度のチオ硫酸塩が有利である。2重量%の濃度でチオ硫酸塩を含む液体組成物がきわめて効果的である。
・テストの質量収支から、特定の試験時間、および、装置に施栓しなかったなどの定義された条件で、Fの除去において良好な結果が確認される。質量収支の推定、および、テスト試験結果の比較から、特に、比較的低含有量でFを含むと共に滞留時間が短い(非常時)ガス混合物について、OFの分解に加えて、少なくとも90〜95%のF排除が達成されたことが見られた。
・より短い滞留時間およびより高いチオ硫酸塩濃度は、OFの分解を改善する。どうように、30〜50m/(h・m)と比して例えば100〜120m/(h・m)と液体充填量が高くなると、OFの分解が改善される。。
析出したKSOはすべて、水の注入によるか、スクラバー液を混合することにより溶解され得る。
[実施例2]:NaOHおよびNaを用いるFの除去
実施例1の装置において、30重量%のNaOHおよび2重量%のNaを含む液体組成物を、スクラバー液(洗浄液)として使用する。10体積%のFを含み100体積%までの残量がNであるガスを、実施例1のテスト2に記載されているとおり、スクラバータワー中のスクラビング液と向流で接触させる。OFの検出レベルは、実施例1のテスト2においてスクラビングタワーを出るガスに含有されるOFレベルに対応する。
[実施例3]:NaCOおよびNaを用いるFの除去
実施例1の装置において、18重量%のNaCOおよび1重量%のNaを含む液体組成物を、スクラバー液(洗浄液)として使用する。10体積%のFを含み100体積%までの残量がNであるガス、または、1.6体積%のFを含み100体積%までの残量がNであるガス、または、0.8体積%のFを含み、100体積%までの残量がNであるガスを、実施例1のテスト9に記載されているとおり、スクラバータワー中のスクラビング液と向流で接触させる。OFの検出レベルは、実施例1のテスト9においてスクラビングタワーを出るガスに含有されるOFレベルに対応する。
[実施例4(比較例)]:NaCO(Na不在)を用いるFの除去
実施例3を繰り返すが、Naをスクラバー液に添加しない。スクラバータワーを出るガス中のOF含有量は、実施例8のOF含有量に対応している。
[実施例5]:KOH/Na溶液の長期安定性テスト
実施例5.1:72時間テスト
100l/hの流量を有する加圧空気を、1.8重量%のNaおよび約30重量%のKOHを含む1リットル容器に入れた水溶液に72時間通した。Naの濃度に変化は観察されなかった。
実施例5.2:15日間テスト
100l/hの流量を有する加圧空気を、4.2重量%のNaおよび約30重量%のKOHを含む1リットル容器に入れた水溶液に10日間通した。Naの濃度に変化は観察されなかった。
実施例5は、KOHおよびNaを含む溶液には、空気との接触により有効性を失う可能性というリスクが存在していないことを実証しており;この観察により、特に、非常時にはスキッドからの循環空気がスクラバーに通される、スキッド仕様に組み込まれている装置などの、本発明のプロセスに対する高い安全性が確認された。
[実施例6]:KOHおよびKNOを用いるFの除去
28.6重量%のKOHおよび1.02重量%のKNOを含む3095gのスクラバー液を、実施例1のスクラバータワー中において、10体積%のFを含み100体積%までの残量がNであるガスと3.5時間接触させた。ガス流は25l/hであった。当初、スクラバータワーを出るガス中のOFの含有量は、およそ20ppmであった。いくらかの時間の経過後、処理されたガス中のOFの検出レベルが60ppmの値にまで上昇し始めた。
前記3.5時間後、Nを、得られるガス混合物が1重量%のFを含有するよう、スクラバータワーに進入するガス混合物に混合した。処理をさらに3時間継続した。スクラバータワーを出るガス中のOFレベルは初期においては約5〜10ppmと測定されたが、約20ppmにまでゆっくりと上昇した。これは、非常時に処理されるべきものなどのFを低濃度で含有すると共に低ガス流を有するガスの満足な処理には、ほとんど消費された溶液でさえも未だ好適であることを実証する。KNOの残存濃度は約0.2重量%と測定された。
前記6.5時間後、スクラバー溶液を、10Fを含み25l/hのガス流を有するガスと再度接触させた。スクラビングタワーを通るOFレベルが急速に高まり、スクラバー液が消費されたことを示した。
この実施例は、KNOが好適な還元剤であることを示す。Naに対する差異は、処理を通るOFレベルは連続的に上昇してKNOの早期の消費を示し、一方で、Naが還元剤として使用されれば、スクラバータワーを通るOFレベルは長期にわたって低レベルで維持されることである。より高いKNOの開始濃度、または、補充により、長期処理に対するKNOの適合性を向上させるであろうことが想定される。
[実施例7]:亜硝酸カリウム/KOH溶液の酸化安定性のテスト
約1.5重量%のKNOおよび30重量%のKOHを含む水溶液を調製した。24時間かけて、この溶液に約100リットル/時間で加圧空気を通気させた。初期亜硝酸塩濃度(100%と設定)の3%が酸化された。この処理の96時間後、初期に存在していた亜硝酸塩の約5%が酸化された。
このテストは、この実施例の極限条件下においてさえも、亜硝酸塩溶液は酸化に対して十分に安定であることを実証する。
[実施例8]:15重量%のKOHおよび1重量%のNaを含む溶液を用いるFの除去
15.8重量%のKOHおよび1重量%のNaを含むおよそ2800gの溶液を、実施例1のスクラバータワー中で、10体積%のFおよび90体積%のNからなるガスと5時間接触させた。ガス流は25リットル/hであった。スクラバータワーを出るガス中のOFの最大含有量は、FTIRにより20ppm未満であると測定された。
15重量%のKOHのみを含む高効率のスクラバー液が、KOHおよびチオ硫酸塩の組み合わせの効率の高さを実証する。

Claims (17)

  1. および/またはOFの含有量が低減され、かつ、処理すべきガス中にHFが存在する場合にはHFの含有量が低減されたガスを得る方法であって、
    および/またはOFを含み、任意選択でHFを含んでいてもよいガスからFおよび/またはOFを除去する少なくとも1つの工程であって、
    前記ガスを、溶解したチオ硫酸アルカリ金属塩および/または溶解した亜硝酸アルカリ金属塩と、アルカリ金属水酸化物および炭酸アルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも1種の溶解した塩基とを含む液体組成物と接触させる工程を含む、方法。
  2. 前記ガスがFを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ガスを、溶解したチオ硫酸アルカリ金属塩を含む液体組成物と接触させ、かつ、前記チオ硫酸アルカリ金属塩が、チオ硫酸ナトリウムおよびチオ硫酸カリウムからなる群から選択される、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記塩基が、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記液体組成物が、水酸化カリウムおよびチオ硫酸ナトリウムを含むか、あるいは炭酸カリウムおよびチオ硫酸ナトリウムを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記組成物の総重量に対する前記溶解したチオ硫酸塩の濃度が、0.3重量%以上および5重量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記組成物の総重量に対する前記溶解した塩基の濃度が、15重量%以上および飽和濃度以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ガスを、前記液体組成物と向流で接触させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ガスと前記組成物とを、1〜3bar(絶対圧)、好ましくは1.1〜2bar(絶対圧)の圧力下で接触させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記ガスと前記液体組成物とを、10〜80℃の範囲、好ましくは20〜40℃の範囲の温度で接触させる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. を含む前記ガスが、規格外Fガスに由来するか、電気分解によるFの製造の開始フェーズに由来するか、非常の事象に由来する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. を含む前記ガスが、規格外Fガスに由来するかまたは電気分解によるFの製造の開始フェーズに由来し、かつ、Fを70〜98体積%の量で含有するか、あるいは、非常の事象に由来し、かつ、Fを1〜5体積%の量で含有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記液体組成物と接触させた後に得られるガスが、OFを体積基準で200ppm以下の濃度で含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記処理を、スキッドに組み込まれた処理手段で実施する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法を含む少なくとも1つの工程を含む、半導体、光起電力電池、TFT、およびMEMSからなる群から選択される部品の製造方法、または、前記部品の前記製造に用いられたチャンバのクリーニング方法。
  16. KNO、NaNO、Na、またはKからなる群から選択される1%〜5重量%の処理剤と、
    10〜45重量%のKOH、10〜45重量%のNaOH、または、KOHとNaOHとの混合物であって総含有量が前記溶液の10〜45重量%である前記混合物と
    を含有するか、もしくは、これらから構成される、水溶液。
  17. 1%〜5重量%のNa、50重量%以上の水、および15重量%以上のKOHを含有するか、もしくは、これらから構成される、請求項16に記載の溶液。
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