JP2013536125A - 非空圧式タイヤ用のスポーク縁形状 - Google Patents

非空圧式タイヤ用のスポーク縁形状 Download PDF

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Abstract

本発明は、使用中に消耗しにくい非空圧式タイヤ又はハイブリッド式タイヤ用の改良型スポーク縁形状を提供する。本発明は、そのような形状を金型で製造する方法も提供する。特に、スポーク縁形状は、曲げ応力を局所的に低減する縮小断面を備えており、潜在的なばりの配置及び配向を変更し、スポークを形成する金型空洞内にポリウレタン等の液体が導入される際の他の潜在的な成形欠陥を削減するような固有の金型作製を可能にする。この変更により、応力集中部がスポークの縁付近に見出される可能性が低減され、タイヤの耐性を高めることになる。

Description

本出願は、2010年9月1日に出願され、米国整理番号第61/379,351号を割り当てられ、全ての目的のために本明細書に参照としてそのまま組み込まれている、「非空圧式タイヤ用のスポーク縁形状」と題する、以前出願された米国暫定特許出願の便宜を主張する。
本発明は、使用中に消耗しにくい非空圧式タイヤ又はハイブリッド式タイヤ用の改良型スポーク縁形状を提供する。本発明は、そのような形状を金型で製造する方法も提供する。特に、スポーク縁形状は、曲げ応力を局所的に低減する縮小断面を備えており、潜在的なばりの配置及び配向を変更し、スポークを形成する金型空洞内にポリウレタン等の液体が導入される際の他の潜在的な成形欠陥を低減するような固有の金型作製を可能にする。この変更により、応力集中部がスポークの縁近くに見出される可能性が低減され、タイヤの耐性を高めることになる。
従来技術では、非空圧式タイヤ又は構造支持型タイヤが開示されている。例えば、本発明の出願人が代表として所有する米国特許第7,201,194号は、内部空気圧力を用いずに荷重を支える、構造支持型の弾性タイヤに関する。この特許の内容は、これにより、参照としてそのまま組み込まれている。典型的実施形態では、この非空圧式タイヤは、外環状の剪断帯と、横方向にわたり、その環状帯から半径方向に内側に延びて、ホイール又はハブに固定される複数の網状スポークとを含む。ある典型的実施形態では、環状剪断帯は、剪断層と、剪断層の半径方向内領域に固着される少なくとも1つの第1部材と、剪断層の半径方向外領域に固着される少なくとも1つの第2部材とを更に含み得る。米国特許第7,201,194号の発明は、必要な膨張圧を用いずに機能する能力に加えて、接触領域の長さにわたり接地圧がより均一であることを含む利点も与える。ゆえに、このタイヤは、空圧式タイヤの性能を模倣する。
図1は、そのようなタイヤを示す。参照として、本明細書で用いられる100番台の全ての参照番号は、従来技術のタイヤ、スポーク及び金型設計を指すのに対し、本明細書で用いられる200番台の全ての参照番号は、本発明の実施形態による、新たな改良されたタイヤ、スポーク及び金型を指す。タイヤ100、200は、スポーク106、206の外領域104、204に取り付けられるトレッド102、202を含む。次に、それらのスポークは、従来技術で周知の手段により、ハブ又はホイール108、208に、それらの内領域110、210で接続される。図示されるタイヤ100の別形200では、回転式金型の中にポリウレタン液体を注ぎ込み、次に、その回転式金型内のポリウレタン液体を加硫する又は硬化することにより、スポーク106,206が形成される。スポーク106、206が組で束ねられ、各々の組内の個別のスポーク106’、106’’、206’、206’’が互いに離れており、各々の組が、タイヤの外周にわたり、隣接する組から一貫して離れていることもわかり得る。各々の組の内の間隙と、各々の隣接する組の間の間隙は、同じである必要はない。
米国特許第7,201,194号の要約及び第2欄、28〜41行により記載されるように、スポーク106、206は、タイヤ100の底部での圧縮ではなく、タイヤ100、200の頂部付近の引張でタイヤ100、200を支える。代わりに、スポーク106、206は、タイヤのトレッド102、202が路面と接触する場所である接触区画付近のタイヤの底部で圧縮される、又は、容易に曲がる。これは、タイヤが、空圧式タイヤの空圧式支持機能を擬態するのに役立つ。想像できるように、これらのスポーク106、206は、特に、タイヤ100、200が高速で回転する際に、引張から圧縮への多大な周期的応力を受ける。これにより、スポークの疲労破壊のおそれが生じる。結果として、スポーク106、206の耐性及びタイヤ100、200の運用性は、スポーク106、206が作製される形状の精度と、製造欠陥により生じる応力集中部がないこととに著しく依存する。
ここで、図2A、2B及び2Cを見れば、成形欠陥を被りやすかった従来技術のスポーク設計の側面図及び断面図がそれぞれ示される。分かり易くするために、トレッドは、省かれている。図2Cに注目すれば、スポーク106’、106’’の断面形状がわかり得る。4mmで比較的変化しないスポークの厚さT106と、成形プロセス中にばり114が頻繁に生じる、スポーク106’、106’’の縁112’、112’’とを示す。ばり114は、スポーク106’、106’’の縁112’、112’’の近くに位置し、タイヤ100が鉛直方向の負荷下で路面上を回転することでスポーク106’、106’’が圧縮と引張との間を行き来する際の応力を低減する助けとなるように、丸み領域116が加えられている。このばりが生じる理由と、そのばりが図示されるように位置する理由は、後に、更に十分に考察されることになる。スポーク106’、106’’の断面は、ほぼ真っ直ぐで、一定であるので、各々のスポーク106’、106’’が曲がるあたりの中立軸又は中立面118は、本質的に、スポーク106’、106’’の中央面上にあり、スポーク106’、106’’の真っ直ぐな外面120から中立面118までの曲げモーメントは、スポーク106’、106’’の両方の縁までずっと、ほぼ一定のままである。
この形状を形成した金型が組み立てられた方法は、ばり114に加えて、金型の両方の側で金型の不整合を作り出す。これは、ばり114が在ることに加えて、又は、時には、ばりが在ることの代わりに、スポーク106’、106’’106の隅肉付き縁部116が、スポーク106の真っ直ぐな外面120とちょうど揃わずに、スポーク106の縁の近くに小さな出っ張り又は角を作り出すことを意味する。これは、以下に記載されることになる理由ために望ましいものではない。この成形欠陥についての更に十分な説明が、後に考察されることになる。
スポーク設計を試すことにより、ばり114又は金型不整合のこれらの位置のうちのいずれかが、タイヤ100が路面上で回転する時にスポーク106が引張と圧縮との間を行き来する際に、応力集中部を作り出すことが明らかにされている。これらの製造欠陥により、亀裂が発生、伝搬し、それにより、スポーク106が破壊する場合があり、タイヤ106の運用性を悪くし、望ましくない。これらの欠陥の位置は、スポークが曲がるスポーク106の縁112の近くに見出され、高い歪みと亀裂を発生させる応力とを作り出すので、最善であるとは言えない。その上、ばり114の配向は、スポーク106の中立曲がり面118に垂直又は斜めであるので、最善であるとは言えない。これは、ばり又は金型不整合の位置が作り出す欠陥が、ばりの最長範囲が曲げられる範囲である場合、ばりが亀裂を自然に伝搬させやすい方向と並んでおり、ばり内に高いモーメントと最大応力の集中とを作り出すことを意味する。言い換えれば、ばりは、最も剛いその構造では、亀裂を被りやすくするスポークの曲がりに向いており、このために、スポーク106の破壊しやすさが増す。
図3に戻って、従来技術のスポーク構造を作製した金型122を作製した方法の一般的表記が示される。第1金型部分126から延び、第2金型部分130から延びる第2組のコア128と噛み合う、第1組のコア124は、形成されるスポークのネガ形である空洞132の大部分の表面領域を形成する。各々のコアが、側面上に0.25°の抜き勾配を有し、この抜き勾配をコア124、128の噛み合わせと組み合わせることにより、スポークは、スポークの強度を維持するのに役立つ一定の厚さを維持することができる。これらのコア124、128が、実際には、金型122中に円配列で配置されることと、この図が、説明を容易にするために、平面上に投影されたそれらのコアの断面を示していることに留意するべきである。その上、捕獲ガスの逃がしを可能にすることにより適切な金型への充填を助けるガス抜き等の通常の金型機構と、コア124、128及び金型部分126、130を金型用に整列し易くするための尖鋭ピン等の整列機構は、分かり易くするために、省かれている。その上、それらのコアは、金型部分126、130が中実に延長されているように示されるが、実際には、個別の挿入部品が、金型部分126、130内に保持され、コア124、128が損傷した場合に容易に交換され得ることが多い。
スポーク上に見出される隅肉を形成する空洞132の末端133をより近くで見れば、それらの末端が、平らな遮断面134に隣接して見られ、その場所では、一方の金型部分126、130から延びるコア124、128が、他方の金型部分126、130に接触する、又は、ほぼ接触することがわかり得る。この金型構造の結果として、機械加工公差のために十分に大きな間隙が生じ、金型加工処理条件によりコアの撓みが生じる場合、ポリウレタン等の液体が、この空間内に流れ込むことがあり得る。これにより、前に記載された望まれないばりが、スポークの縁付近に生じる。その上、区分線が、コア124、128の延長方向に垂直であるので、ばりは、スポークの曲がり面にほぼ直交することになり、これは、上に記載されたように望ましいことではない。
ここで、空洞132の丸み付き末端部分133の拡大図である図3Aを見れば、金型不整合の実例が与えられている。図示されるように、コア128は、空洞132内に延びており、相補的に形作られた出っ張り又は角形状をスポーク内に形成する、出っ張り又は角136を作り出し、望ましくない。この事例では、製造誤差及び/又は公差の積み重ねのために、丸み付き末端133の位置が不適切な場所にある、及び/又は、コアが偏って不適切に製造される等で、コア128の真っ直ぐな表面138が、空洞132の丸み付き末端133に正接せずに、図3Aに見られるように、空洞132の丸み付き末端133に対して下方に移動している。時には、この形状が反転し、コア128は、図3Aに見られるような空洞132の丸み付き末端133に対して上方に移動する。いずれの事例でも、金型不整合が作り出す出っ張り138は、配置、配向される望ましくない応力集中部も発生させ得る。なぜなら、その応力集中分は、スポークの縁付近の外面の上に位置し、スポークの自然な曲がり面に垂直であるからである。そのように、これにより、スポークを破壊させ得る亀裂が生じ得る。金型の不整合は、金型作製条件によるコアの撓み、不適切な機械加工、及び公差の積み重ね等のような多くの変数に応じて、従来技術の金型構造の空洞のうちのいずれか又は全てで生じる場合もあり、全く生じない場合もある。
従って、改良型のスポーク縁を設計することと、スポークの縁付近のばり及び金型不整合等の成形欠陥の発生を限定し、その成形欠陥の配向を変えるような、この形状を作り出す金型が必要とされる。その上、改良型スポークの縁形状は、この領域内に見出される歪み及び応力を低減するのに役立ち得る。
本発明の態様によるタイヤは、トレッドと、主要本体形状及びその主要本体形状と比べて断面が縮小された縁形状を有するスポークとを含む。
時には、主要本体形状の厚さは、約4mmであるが、特定の用途に合うように変更され得る。
スポーク縁の形状は、約1.5mmの値を有するスポークの端に見られる丸み領域を含み得る。幾つかの事例では、その丸み領域は、スポークの片側のみに見られる。
幾つかの実施形態では、スポークの縁形状の縮小断面は、徐々に先細りする部分を含む。
そのような事例では、先細り部分は、主要本体形状に対して約11.8度の開先角度を形成し得る。
スポーク縁形状は、主要本体形状と先細り部分との間に見られる、約20mmの値を有する移行丸み領域も含み得る。
別の実施形態では、スポーク縁形状の先細り部分の幅は、約15mmであり得る。
他の実施形態では、縁形状の縮小断面が、段部分を含み得る。
そのような事例では、段部分の厚さが、約2mmである。
時には、段部分の幅が、4〜11mmの範囲である。
他の実施形態では、スポーク縁形状が、約1.5mmの値を有する移行丸み領域を含む。
本発明の別の態様によるタイヤは、トレッドと、スポーク縁付近に混合形状、面取り形状、又は移行形状のない少なくとも1つの側面を有するスポーク縁形状を有するスポークとを含む。
そのような事例では、スポーク縁形状は、スポークの縁付近に縮小断面を有する部分も有してもよい。
幾つかの事例では、スポークは、中立曲がり面を有し、スポークの縁に見出されるばりは、前記中立曲がり面に実質的に平行に向いている。
本発明は、第1金型部分と、第2金型部分と、空洞と、遮断面が傾いたテレスコ式コアとを含む、タイヤ用のスポークを形成する金型も含み、前記テレスコ式コアは、空洞を通って金型部分内に延び、前記傾いた遮断面上の前記金型部分に接触する、又は、ほぼ接触する。
幾つかの事例では、空洞は、その空洞の側面とは反対のそれらの末端部分に、傾いた遮断面に隣接する丸み領域を有する。
他の事例では、空洞が、抜き勾配を有し、遮断面が、同じ勾配を有し得る。
他の実施形態では、空洞は、それらの末端部分に、縮小断面を有し得る。
いずれの事例でも、スポークを形成する金型成形により発生するばりがスポークの中立曲がり面に実質的に平行である場合が、理想的である。実質的に平行とは、ばりの方向が、ばりが見出される領域内のスポークの中立曲がり面に対して45度未満の角度を形成することを意味する。幾つかの事例では、その角度が、実質的にゼロであることが理想である。
要約部分には必ずしも表記されていない本内容の追加の実施形態は、上の要約部分で参照される形状、部品、又は工程、及び/又は、本出願で特に考察されるような他の形状、部品、又は工程の態様の様々な組み合わせを含み、それらを用い得る。当業者は、本明細書の残りを検討した後に、そのような実施形態の特徴及び態様等をより良く理解することになる。
当業者向けの、最良の形態を含む本内容の十分で有効な開示が、付属の図面を参照する明細書で説明される。
スポークを有する非空圧式タイヤの斜視図である。 分かり易くするためにトレッドが除かれている、従来技術で非空圧式タイヤに利用されている第1構造の一組のスポークの前面図である。 図2Aのスポークの側面図である。 図2Bの線2C−2Cに沿ってとられた図2Bのスポークの断面図である。 成形欠陥を被りやすい、図2A〜2Cに示されたスポーク形状を形成するのに利用された従来技術の金型構造の部分断面図である。 金型不整合をより明確に示すための、スポークを形成する図3の金型の空洞の末端の拡大図である。 本発明の別の実施形態による新たなスポーク形状を形成する、本発明の実施形態による新たな金型構造の部分断面図である。 分かり易くするためにトレッドが除かれた、本発明の実施形態による第2構造の一組のスポークの前面図である。 図5Aのスポークの側面図である。 図5Bの線5C−5Cに沿ってとられた図5Bのスポークの断面図である。 スポーク形状の範囲を示す、図5Cに示されたスポークの縁の拡大図である。 本発明の代わりの実施形態によるスポークの縁の拡大図である。 スポーク欠陥を防止するのに傾いた遮断面を利用する、ばりを再配向させるためのスポーク縁の縮小のない、空洞の末端の拡大図である。
ここで、本発明の実施形態を詳細に参照することになり、その1つ以上の実施例が、図面で示される。各々の実施例は、本発明の説明として与えられ、本発明を限定するものではない。例えば、一実施形態の一部として示される又は記載される形状は、別の実施形態で利用され、第3実施形態を更に与え得る。本発明が、これらの他の修正及び変更を含むことが意図される。1つ以上の図では、考察目的のために、典型的タイヤの実施形態の一部のみが示され得ることに留意するべきである。図中の参照番号は、読者が様々な要素を識別するのを補助することにのみ利用され、実施形態の中にいずれかの限定的な区別を導入することを意図していない。一実施形態に対する共通の番号付け又は同じ番号付けは、他の実施形態に対して同じ要素を指し示す。
従来技術の金型構造が、成形欠陥を発生させやすいことを踏まえて、本発明の発明者は、スポークが成形欠陥により破壊しないように、金型の構造とスポーク形状とを変更することに進む。図4は、具現化されている成形の解決策の一実施形態を示す。
新たに設計された金型222は、多くの点において従来技術の金型設計と同じであり、第1組のテレスコ式コア224を含み、その第1組のテレスコ式コアは、第1金型部分226から延び、第2組のテレスコ式コア228と噛み合い、その第2組のテレスコ式コアは、第2金型部分230から延び、その第2金型部分は、空洞232の大部分の表面領域を形成する。それらは、スポークのネガ型であり、スポークを形成する。これらのコア224、228は、空洞232を通り、反対側の金型部分226、230内に延びるので、テレスコ式と呼ばれる。各々のコアは、側面で0.25°の抜き勾配を有し、この抜き勾配をコア124、128の噛み合わせと組み合わせることにより、スポークは、スポークの強度を維持するのに役立つ一定の厚さを維持することができる。再び、実際には、これらのコア224、228が、金型222中に円形配列で配置されることと、説明を容易にするために、この図が、それらのコアの平面上に投影された断面を示していることに留意するべきである。その上、捕獲ガスの逃がしを可能にすることにより適切な金型への充填を助けるガス抜き等の通常の金型機構と、コア224、228及び金型部分226、230を金型用に整列し易くするための尖鋭ピン等の整列機構は、分かり易くするために省かれている。その上、コアは、金型部分226、230が中実に延長されているように示されるが、実際には、個別の挿入部品が、金型部分226、230内に保持され、コア224、228が損傷した場合に容易に交換され得ることが多い。
空洞232の末端233と、テレスコ式コア224、228の末端とをより近くで見れば、新たな設計が、空洞232の末端233の直ぐ後に見出される傾いた遮断面235を用い、それらの空洞が、反対側の金型部分226、230に接触する又はほぼ接触する平らな遮断面234で終わることがわかり得る。この特定の実施形態では、傾いた遮断面235が、コア224、228の抜き勾配の残りと平行であるが、以下に更に考察されることになるように、要望に応じて変更され得る。その上、平らな遮断面234は、コア224、228と金型部分226、230との間の線であるように、又は、それらの間で一致しているように示されているが、これは、必ずしもこの事例である必要はない。
コア224、228の全長が、反対側の金型部分226、230内へのコアの突入を制限しないことを保証するために、これらの領域には、小さな間隙が与えられ、傾いた遮断面235が、各々のコア224、228と金型部分226、230との間の接触を確保するのに役立ち得る。これは、機械加工公差のために十分に大きな間隙が生じ、金型処理条件によりコアの撓みが生じる等の場合に、ポリウレタン等の液体が亀裂内に注ぎ込むのを防止するのに役立つ。前に考察されたように、そのような間隙は、前に記載されているような望ましくないばりを、スポークの縁付近に発生させる。その上、これらの領域内の部分線は、コア224、228の延び方向に本質的に平行であるので、あらゆるばりは、スポークの曲がり面の大部分にほぼ平行であることになる。それは、後に更に十分に説明されるように、従来技術の金型設計により作り出された配向よりも望ましい。
この特定の実施形態は、コア224、228が、空洞232の末端を通り延びることで、そのような不整合を実際に起こり得ないようにしているので、金型不整合を排除することに極めて成功している。これは、正しく、なぜなら、コア224、228の真っ直ぐな表面238が、空洞232の末端233に正接し、傾いた遮断面235を形成する同じ表面の一部であるからである。
ここで、図5A、5B及び5Cに戻って、まさに記載された金型の空洞により作り出されたスポークの前面図、側面図及び断面図をそれぞれ見ることができる。分かり易くするために、トレッドは、省かれている。図5Cに注目すれば、スポーク206’、206’’の断面形状が見られ得る。4mmで比較的一定なスポークの主要部分の厚さT206と、成形プロセス中にばり214が頻繁に生じるスポーク206’、206’’の縁212’、212’’が示されている。ばり214は、スポーク206’、206’’の縁212’、212’’の近くに位置し、タイヤ200が鉛直方向の負荷下で路面上を回転することでスポーク206’、206’’が圧縮と引張との間を行き来する際の応力を低減する助けとなるように、部分的丸み領域216が加えられている。スポーク206’、206’’の断面が、スポークの縁付近に既定の先細り形状を有するので、各々のスポーク206’、206’’が曲がるあたりの中立軸又は中立面218からスポーク206’、206’’の外面220までの距離が縮小され、応力及び歪みが局所的に減少し、スポーク欠陥の尤度が低下する。その上、あらゆるばり214の位置が、実際に中立軸上に見出され、ばりが見つかる場所での曲げモーメント及び応力が減少し、更に、この点での疲労破壊の可能性が減少する。先細り縁部分の正確な形状は、後に記載されることになる。
ここで、いずれかのばり214の配向は、スポーク216の曲がり軸又は曲がり面218の大部分に本質的に平行であり、ばりの最も薄い部分が曲げられ、ばりにより被る曲がりモーメント及び関連する曲げ応力が最小限にされることを意味するので、従来技術のスポーク及び金型設計と比べて、亀裂を発生させにくくする。言い換えれば、ここで、最も折れ曲がりやすいその構造では、ばりが、亀裂を生じにくくするスポークの曲がりに向いている。しかしながら、潜在的なばり214は、図5C及び図6に示されるように曲がり面の経路を変更し得る先細りのために、スポークの縁212の近くで局所的に、曲がり面218に対して僅かに斜めであり得る。従って、ばりの配向が、スポーク206の縁付近で局所的に、曲がり面218に更に平行であるように、遮断面が細かく調節され得ると考えられる。これにより、図6に示されるように、代わりのばり配向214’が生じ得る。当然、これは、ばりの配向を最適化することと、金型不整合を防止することとの間の折り合いを含み得る。遮断角を変更することは、形状の移行が、金型コア上に位置することになることを意味する。この移行が、空洞の末端の位置と完全に一致しない場合、従来技術の金型設計(図3A)を用いた事例のように、小さな出っ張り又は角が生じ得る。金型の遮断角を変更する別の利便性は、より大きな角度を用いることで、金型コア、又は、金型コアが遮断される反対側の金型部分上の摩耗量が減少し、必要とされる金型の保守点検の量が減少することである。
図6のみに注目すれば、本発明のこの実施形態の特定のスポーク縁形状が記載されている。スポーク206の主要部分の厚さT206は、約4mmである。先細り部分は、スポークの先端に対する開先角αを成し、約11.8°である。移行丸み領域240があり、その先細り部分が、約20mmの値を有するスポークの主要本体に整合する。先細り部分の幅WTは、約15mmであり、スポークの縁での部分的丸み領域216の値は、約1.5mmである。これらの値は、単なる一例であり、寸法は、タイヤ、金型又はスポーク用途に応じて調節され得る。従来技術の金型設計では完全な丸み領域が用いられているのに対し、ここでは部分的丸み領域のみである理由は、テレスコ式コアにより形成される傾いた遮断面を用いる場合、そぎ端が金型内にあることを必要とし、そのそぎ端が徐々に破壊し、成形問題が生じ、スポークの欠陥が起こり得るので、完全な丸み領域を加えることが不可能であることである。
図7は、スポークの断面206を先細り部分ではなく、段状に縮小した、代わりのスポーク形状を示す。スポーク206のこの様式では、約4mmである主要スポーク厚さT206は、約2mmの段厚さTSに縮小される。段部分の幅WSは、4〜11mmの範囲である。最後に、段部分とスポークの主要部分との間には、一連の移行丸み領域242、244があり、スポークの縁では、部分的丸み領域216が見られる。これらの全ての丸み領域の値は、約1.5mmであり得る。これらの値は、単なる一例であり、寸法は、タイヤ、金型又はスポーク用途に応じて調節され得る。この実施形態は、図6に示される利点と同じ利点を与える。
本発明は、本明細書に開示されていない又は完全には記載されていない、他のスポーク形状も含むことに留意すべきである。例えば、図8により示されるように、スポークの縁付近でスポークの厚さを薄くする必要をなくすことができる。金型内にそぎ端が発生するのを防止するために、傾いた遮断面235の近くにあるスポークの縁丸み領域の一部分300を欠いた、テレスコ式コア128を用いて、最初のスポーク設計に類似するスポークが成形され得る。想像できるように、架空領域300を金型部分126に加えることで、即座に破壊し得るそぎ端が生じ得る。言い換えれば、ばりの位置及び/又は配向を変更すること、並びに、金型不整合を緩和することは、スポーク欠陥を防止するのに十分であり得て、本発明を実行するのに十分であると考えられる。言い換えれば、スポーク自体の縁の断面を縮小することは、スポーク欠陥を防止するのに十分であり得て、本発明を実行するのに十分であるとも考えられる。多くの状況に於いて、両方の技術を同時に用いることができる。
結論として、本発明は、付属の請求項により定義された本発明の範囲内にあり、本明細書に記載された典型的実施形態に対して実行され得る、様々な他の変更を含むと理解されるべきである。例えば、与えられた特定の実施例は、ポリウレタンの利用を含んでいるが、他の熱硬化性材料又は熱可塑性材料が利用され得ると考えられる。加えて、本明細書で考察される金型は、回転式金型であったが、射出成形等の他の成形技術又は鋳造技術が利用されてもよい。同様に、本発明は、内部ガスを使用するか否かに関わらず、スポークを有するあらゆるタイヤに用いられ得る。これらの実施形態及び他の実施形態は、本発明の趣旨及び範囲内にある。
図1は、半径方向R及び軸方向Aを定義して、そのようなタイヤを示す。参照として、本明細書で用いられる100番台の全ての参照番号は、従来技術のタイヤ、スポーク及び金型設計を指すのに対し、本明細書で用いられる200番台の全ての参照番号は、本発明の実施形態による、新たな改良されたタイヤ、スポーク及び金型を指す。タイヤ100、200は、スポーク106、206の外領域104、204に取り付けられるトレッド102、202を含む。次に、それらのスポークは、従来技術で周知の手段により、ハブ又はホイール108、208に、それらの内領域110、210で接続される。図示されるタイヤ100の別形200では、回転式金型の中にポリウレタン液体を注ぎ込み、次に、その回転式金型内のポリウレタン液体を加硫する又は硬化することにより、スポーク106,206が形成される。スポーク106、206が組で束ねられ、各々の組内の個別のスポーク106’、106’’、206’、206’’が互いに離れており、各々の組が、タイヤの外周にわたり、隣接する組から一貫して離れていることもわかり得る。各々の組の内の間隙と、各々の隣接する組の間の間隙は、同じである必要はない。
本発明の態様によるタイヤは、トレッドと、主要本体形状及びその主要本体形状と比べて断面が縮小されたスポークの軸方向の末端にある自由縁形状を有するスポークとを含む。
本発明の別の態様によるタイヤは、トレッドと、スポークの自由縁付近に混合形状、面取り形状、又は移行形状のない少なくとも1つの側面を有する自由スポーク縁形状を、スポークの軸方向の広がりに沿って有するスポークとを含む。

Claims (18)

  1. トレッドと、主要本体形状及び前記主要本体形状と比べて断面領域が縮小された縁形状を有するスポークとを含む、タイヤ。
  2. 前記スポークの前記主要本体形状の厚さが、約4mmである、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記スポーク縁形状が、前記スポークの先端に見られ、約1.5mmの値を有する、丸み領域も含む、請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記丸み領域が、前記スポークの片側のみに見られる、請求項3に記載のタイヤ。
  5. 前記スポークの前記縁形状の前記縮小断面が、徐々に先細りする部分を含む、請求項1に記載のタイヤ。
  6. 前記先細り部分が、約11.8度の、前記主要本体形状に対する開先角を形成する、請求項5に記載のタイヤ。
  7. 前記主要本体形状と約20mmの値を有する前記先細り部分との間に見られる移行丸み領域を更に含む、請求項6に記載のタイヤ。
  8. 前記スポーク縁形状の前記徐々に先細りする部分の幅が、約15mmである、請求項5に記載のタイヤ。
  9. 前記縁形状の前記縮小断面が、段部分を含む、請求項1に記載のタイヤ。
  10. 前記段部分の厚さが、約2mmである、請求項9に記載のタイヤ。
  11. 前記段部分の幅が、4〜11mmの範囲である、請求項10に記載のタイヤ。
  12. 前記スポーク縁形状が、約1.5mmの値を有する移行丸み領域を更に含む、請求項11に記載のタイヤ。
  13. トレッドと、前記スポークの縁付近に混合形状、面取り形状又は他の移行形状のない少なくとも1つの側面を有するスポーク縁形状を有するスポークとを含む、タイヤ。
  14. 前記スポーク縁形状が、前記スポークの縁付近に縮小断面を有する部分を更に含む、請求項13に記載のタイヤ。
  15. 前記スポークが、中立曲がり面を有し、前記スポークの縁上に見られるばりが、前記中立曲がり面に実質的に平行に向いている、請求項13に記載のタイヤ。
  16. 第1金型部分と、第2金型部分と、空洞と、前記空洞を通って金型部分内に延び、前記傾いた遮断面上の前記金型部分に接触する又はほぼ接触する、遮断面が傾いたテレスコ式コアとを含む、タイヤ用のスポークを形成する金型。
  17. 前記空洞が、前記空洞の側とは反対のそれらの末端部分に、傾いた遮断面に隣接する丸み領域を有する、請求項16に記載の金型。
  18. 前記空洞が、抜き勾配を有し、前記遮断面が、同じ勾配を有する、請求項16に記載の金型。
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