JP2009286177A - ラグ付きタイヤの製造方法、生タイヤ、及びラグ付きタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトエンドセパレーションの発生を抑え、耐久性を向上できるラグ付きタイヤを提供すること。
【解決手段】加硫モールドの第1溝部30Lと第2ベルトプライ18−2のコード20とがタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜すると共に、第2溝部30Rと第1ベルトプライ18−1のコード20とがタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜するように、生タイヤを加硫モールドに装填して加硫成形する。モールド内において、第1溝部30L、及び第2溝部30Rの周囲の未加硫ゴムが各溝部の幅方向両側から溝中心部に向かって流れ込む。未加硫ゴムの流れ方向が、コード20の長手方向とほぼ同一方向(または同一方向)となるので、ベルト端のコード20は、コード20を曲げるような力を未加硫ゴムから受けることが無く、乱れが抑えられるので、ベルトエンドセパレーションの発生が抑えられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ラグ付きタイヤの製造方法、ラグ付きタイヤを加硫成形する際に用いる生タイヤ、及びラグ付きタイヤに関する。
建設車両、農業車両等の不整地走行に供される車両には、不整地でのトラクションを得るためにトレッドにラグを配置したラグ付きタイヤが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−299459号公報
ところで、タイヤ周方向に対して傾斜したラグをトレッドに配置したラグ付きタイヤにおいて、ベルトエンドセパレーションの発生により耐久性が低下する場合があった。
本発明は、上記事実を考慮して、ベルトエンドセパレーションの発生を抑え、耐久性を向上できるラグ付きタイヤを製造することのできるラグ付きタイヤの製造方法及び生タイヤ、ベルトエンドセパレーションの発生を抑え、耐久性を向上できるラグ付きタイヤを提供することを課題とする。
本発明者は、種々の調査、実験及び検討を重ねた結果、ラグ付きタイヤにおいては、生タイヤを加硫金型に装填して加硫する際に、特には径方向最外側にあるベルトのコードが、ラグに対応した金型へのゴム流れにより、その配列密度が乱されることに起因し、加硫前には一定間隔で整列されていたベルトのコードが、加硫後に乱れている状態となってしまい、このことに起因してベルトエンドセパレーションによる耐久性の低下つながっていることが判明し、ベルトのコードとラグとの位置関係を最適化することがベルトのコードの配列を乱さずタイヤの耐久性向上につながることを見出した。
このようなラグ付きタイヤでは、ラグを形成するための加硫モールドの溝部分へのゴムの流れに影響されてベルト端の性状が乱れ、この乱れはゴムと直接触れている径方向最外側のベルト端部で発生し、また、ラグの方向とベルトのコードの方向が一致すると顕著な乱れが発生し、ラグの方向とベルトのコードの方向が交差するところでは大きな乱れが生じていないことが判明した。
請求項1に記載のラグ付きタイヤの製造方法は上記事実に鑑みてなされたものであって、タイヤ周方向に対して同一方向に傾斜する複数本の第1のコードを含み、ベルトの最外層を構成する最外ベルトプライと、前記最外ベルトプライのタイヤ径方向内側に配置され、前記第1のコードとはタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜する複数本の第2のコードを含み、幅方向一方側の端部が前記最外ベルトプライで覆われ、幅方向他方側の端部が前記最外ベルトプライで覆われていない内側ベルトプライと、前記最外ベルトプライ、及び前記内側ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置されトレッド部を構成するための未加硫トレッドゴムと、を有する生タイヤを成形する生タイヤ製造工程と、タイヤ周方向に対して同一方向に傾斜し、トレッドのタイヤ赤道面を挟んで一方側にタイヤ周方向に間隔をおいて配置される複数の第1のラグを形成するための第1の溝部と、タイヤ周方向に対して前記第1のラグとは反対方向に傾斜し前記トレッドのタイヤ赤道面を挟んで他方側にタイヤ周方向に間隔をおいて配置される複数の第2のラグを形成するための第2の溝部とを内周面に有する加硫モールドにて前記生タイヤを加硫するにあたり、前記第1の溝部と前記第1のコードとがタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜すると共に、前記第2の溝部と前記第2のコードとがタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜するように、前記生タイヤを前記加硫モールドに装填して加硫成形する加硫成形工程と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載のラグ付きタイヤの製造方法によれば、上記構成の生タイヤを上記構成の加硫モールドに装填して加硫成形を行うと、未加硫トレッドゴムが第1の溝部、及び第2の溝部に流れ込み、トレッド上に第1のラグ、及び第2のラグが形成される。
加硫成形工程において、未加硫トレッドゴムは、ベルト端側の第1のコード、及び第2のコード上で流れて第1の溝部、及び第2の溝部に入り込むが、ベルト端側において、第1のコードと第1の溝部は交差し、同様に第2のコードと第2の溝部は交差しているので、ベルト端側において、未加硫トレッドゴムの流れの方向は、第1のコード、及び第2のコードの長手方向に近づき、または同じになり、未加硫トレッドゴムの流れによってベルト端側の第1のコード、及び第2のコードが乱れることが抑えられる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のラグ付きタイヤの製造方法において、前記第1のコードと前記第1の溝部との交差角度、及び前記第2のコードと前記第2の溝部との交差角度が45°を超える、ことを特徴としている。
次に、請求項2に記載のラグ付きタイヤの製造方法では、コードと溝部との交差角度が45°を超えるように設定することで、未加硫トレッドゴムの流れの方向とコードの長手方向とが近づき、コードの乱れを確実に抑えることができる。なお、交差角度は50°以上とすることが好ましく、60°以上とすることが更に好ましい。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のラグ付きタイヤの製造方法において、前記生タイヤ製造工程において、前記最外ベルトプライと前記内側ベルトプライとをタイヤ幅方向にオフセットさせて配置する、ことを特徴としている。
請求項3に記載のラグ付きタイヤの製造方法では、最外ベルトプライと内側ベルトプライとをオフセットさせることで、左右両方のベルト端側ではラグとコードとを交錯させることができ、ベルト中央側では最外ベルトプライの第1のコードと内側ベルトプライ第2のコードとを交錯させて交錯ベルト層を構成できる。
請求項4に記載の生タイヤは、タイヤ周方向に対して同一方向傾斜する複数本の第1のコードを含み、ベルトの最外層を構成する最外ベルトプライと、前記最外ベルトプライのタイヤ径方向内側に配置され、前記第1のコードとはタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜する複数本の第2のコードを含み、幅方向一方側の端部が前記最外ベルトプライで覆われ、幅方向他方側の端部が前記最外ベルトプライで覆われていない内側ベルトプライと、前記最外ベルトプライ、及び前記内側ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置されトレッド部を構成するための未加硫トレッドゴムと、を有することを特徴としている。
従来のラグ付きタイヤとして、トレッドのタイヤ赤道面を挟んで一方側に、タイヤ周方向に対して同一方向に傾斜する複数の第1のラグがタイヤ周方向に間隔をおいて配置され、他方側に第1のラグとは反対方向に傾斜する複数の第2のラグがタイヤ周方向に間隔をおいて配置されものがある。
このようなラグ付きタイヤは、第1のラグを形成するための第1の溝部と、第2のラグを形成するための第2の溝部とが内周面に形成された加硫モールドで加硫成形される。なお、第1の溝部と、第2の溝部は、モールド内周面の幅方向中心線(タイヤの赤道面に相当)を挟んで配置され、第1の溝部及び第2の溝部は、第1のラグ及び第2のラグと同様に、モールド内周面の周方向に対して傾斜方向が反対になっている。
請求項4に記載の生タイヤは上述した構成とされているので、この生タイヤを、上記の構成とされた加硫モールドに装填して加硫成形すると、未加硫トレッドゴムが第1の溝部、及び第2の溝部に流れ込み、トレッド上に第1のラグ、及び第2のラグが形成される。
加硫成形工程において、未加硫トレッドゴムは、ベルト端側の第1のコード、及び第2のコード上で流れて第1の溝部、及び第2の溝部に入り込むが、オフセット側(タイヤ幅方向外側)のベルト端側において、第1のコードと第1の溝部は交差し、同様に第2のコードと第2の溝部は交差するので、オフセット側のベルト端側において、未加硫トレッドゴムの流れの方向は、第1のコード、及び第2のコードの長手方向に近づき、または同じになり、未加硫トレッドゴムの流れによってオフセット側のベルト端側の第1のコード、及び第2のコードが乱れることが抑えられる。
即ち、請求項4に記載の生タイヤを用いることで、従来の加硫モールドをそのまま利用してベルト端においてコードの乱れの無いラグ付きタイヤを従来通りに効率的に製造することができる。
請求項5に記載のラグ付きタイヤは、タイヤ周方向に対して同一方向に傾斜し、トレッドのタイヤ赤道面を挟んで一方側にタイヤ周方向に間隔をおいて配置される複数の第1のラグと、タイヤ周方向に対して前記第1のラグとは反対方向に傾斜し、前記トレッドのタイヤ赤道面を挟んで他方側にタイヤ周方向に間隔をおいて配置される複数の第2のラグと、前記トレッドのタイヤ径方向内側に設けられ、前記第1のラグとはタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜する複数本の第1のコードを含み、タイヤ赤道面の一方側の端部側が前記第1のラグに対向する最外ベルトプライと、前記最外ベルトプライと共に積層され、前記第2のラグとはタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜する複数本の第2のコードを含み、タイヤ赤道面の他方側の端部側が前記第2のラグに対向する内側ベルトプライと、を有することを特徴としている。
次に、請求項5に記載のラグ付きタイヤの作用を説明する。
請求項5に記載のラグ付きタイヤでは、最外ベルトプライのタイヤ赤道面を挟んで一方側の端部側の第1のコードが、第1のラグに対向しているが、この第1のコードは、タイヤ周方向に対する傾斜方向が、第1のラグとは反対方向に傾斜している。
一方、内側ベルトプライのタイヤ赤道面を挟んで一方側の端部側の第2のコードが、第2のラグに対向しているが、この第2のコードは、タイヤ周方向に対する傾斜方向が、第2のラグとは反対方向に傾斜している。
ラグとベルトのコードとの関係をこのように設定しているので、加硫成形工程において、未加硫トレッドゴムが、ベルト端側の第1のコード、及び第2のコード上で流れて第1のラグを形成するための加硫モールドの第1の溝部、及び第2のラグを形成するための加硫モールドの第2の溝部に入り込むが、ベルト端側において、第1のコードと第2の溝部は交差し、同様に第2のコードと第2の溝部は交差するので、ベルト端側において、未加硫トレッドゴムの流れの方向は、第1のコード、及び第2のコードの長手方向に近づき、または同じになり、未加硫トレッドゴムの流れによってベルト端側の第1のコード、及び第2のコードが乱れることが抑えられる。
即ち、請求項5に記載のラグ付きタイヤでは、ベルト端側の第1のコード、及び第2のコードの乱れが抑えられており、ベルトエンドセパレーションの発生を抑えることができる耐久性の高いタイヤとなっている。
本発明のラグ付きタイヤの製造方法によれば、ベルトエンドセパレーションの発生が抑えられて耐久性の高いラグ付きのタイヤを効率的に製造できる。
本発明の生タイヤによれば、従来の加硫モールドを用いてベルトエンドセパレーションの発生が抑えられて耐久性の高いラグ付きのタイヤを効率的に製造できる。
本発明のラグ付きタイヤによれば、ベルトエンドセパレーションの発生が抑えられて高い耐久性が得られる。
本発明の一実施形態に係るラグ付きタイヤ10を図1〜3にしたがって説明する。図1はラグ付きタイヤ10の左半分を示す回転軸に沿った断面図であり、図2(A)はベルトの幅方向断面図であり、図2(B)はトレッド側から見たベルトの平面図であり、図3は、加硫モールド内に配置された生タイヤのベルトをモールド外周側から見た平面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るラグ付きタイヤ10は、農業トラクター用、又は農業車両用の空気入りラジアルタイヤであり、両端部がそれぞれビードコア12で折り返された1又は複数枚のラジアルカーカスプライ14からなるカーカス16を備えている。ラジアルカーカスプライ14は、例えば、複数本のポリエステル等の有機繊維コードを互いに平行に並べてゴムコーティングした一般的な構成のものである。
カーカス16のタイヤ径方向外側には、ベルト18が配置されている。本実施形態のベルト18は、カーカス側に配置される第1ベルトプライ18−1と、第1ベルトプライ18−1のタイヤ径方向外側に配置される(即ち、最外側に配置される)第2ベルトプライ18−2の2枚のベルトプライから構成されている。なお、第2ベルトプライ18−2が本発明の最外ベルトプライに相当し、第1ベルトプライ18−1が本発明の内側ベルトプライに相当している。
図2(B)に示すように、第1ベルトプライ18−1はタイヤ周方向に対して左上がりに傾斜する複数本のコード20を一定の間隔で平行に並べてゴム被覆した構成であり、第2ベルトプライ18−2はタイヤ周方向に対して右上がりに傾斜する複数本のコード20を一定の間隔で平行に並べてゴム被覆した構成である。ベルト18のコード20としては、例えば、スチールコード、有機繊維コード等が用いられる。
即ち、第1ベルトプライ18−1のコード20と第2ベルトプライ18−2のコード20とは交差しており、交差ベルト層を形成している。第1ベルトプライ18−1のコード20、及び第2ベルトプライ18−2のコード20のタイヤ軸方向に対する傾斜角度θ1は、例えば、70±10°であり、60°以上が好ましい。
なお、最外側の第2ベルトプライ18−2のコード20が本発明の第1のコードに相当し、その内側の第1ベルトプライ18−1のコード20が本発明の第2のコードに相当している。
図1に示すように、ベルト18のタイヤ径方向外側には、トレッド部22を構成するトレッドゴム24が配置されている。
図2(B)に示すように、トレッド部22には、タイヤ赤道面CLを挟んで左側にタイヤ周方向に対して左上がりに傾斜する第1ラグ26Lがタイヤ周方向に間隔を開けて複数設けられ、タイヤ赤道面CLを挟んで右側にタイヤ周方向に対して右上がりに傾斜する第2ラグ26Rがタイヤ周方向に間隔を開けて複数設けられている。なお、本実施形態では、左側の第1ラグ26Lと右側の第2ラグ26Rとがタイヤ周方向に位相差をもって配置されているが、同位相に配置されていても良い。
なお、第1ラグ26L、及び第2ラグ26Rのタイヤ軸方向に対する傾斜角度θ2は、例えば20°〜55°である。
図2に示すように、第1ベルトプライ18−1と第2ベルトプライ18−2は、同じ幅に設定され、かつタイヤ幅方向にオフセットして配置されている。本実施形態では、第1ベルトプライ18−1の幅方向中心線C1はタイヤ赤道面CLに対して右側に、第2ベルトプライ18−2の幅方向中心線C2はタイヤ赤道面CLに対して左側に位置するようにオフセットしている。
このため、第1ベルトプライ18−1は、タイヤ赤道面CLの左側が第2ベルトプライ18−2で覆われており、タイヤ赤道面CLの右側の端部側の一部が第2ベルトプライ18−2の右側端よりもタイヤ幅方向外側に突出し、突出部分がその上に設けられている第2ラグ26Rに対向している。
一方、最外の第2ベルトプライ18−2は、タイヤ赤道面CLの左側の端部側が、その上に設けられている第2ラグ26Lに対向している。
図2(B)に示すように、ベルト端側におけるコード20とラグ長手方向との成す交錯角度θ3は、45°を超えていることが良く、50°以上が好ましく、60°以上が更に好ましい。
なお、図1において、符号25は溝底、符号27はサイドゴム、符号29はビードフィラー、符号31はクッションゴムであり、本実施形態のラグ付きタイヤ10は、ベルト以外の構造は従来の一般的なラジアルタイヤと同様の構造である。
次に、本実施形態のラグ付きタイヤ10の製造方法を説明する。
本実施形態のラグ付きタイヤ10を製造するために用いられる生タイヤは、ベルトプライの配置が従来のタイヤを製造するために用いられる生タイヤとは異なっている。即ち、前述したように、ラグ付きタイヤ10を製造するために用いられる生タイヤは、前述した様に第1ベルトプライ18−1と第2ベルトプライ18−2とがタイヤ幅方向にオフセットして配置されているものである。
一方、ラグ付きタイヤ10を製造するための加硫モールドは、従来のラグ付きタイヤを製造するための加硫モールドと同様の構成であり(既存のものを利用可)、トレッド部を成形するための内周面に、図3の2点鎖線で示す様に、第2ラグ26Lを成形するための第1溝部30L、及び第2ラグ26Rを成形するための第2溝部30Rが各々周方向に複数形成されている。即ち、加硫モールドにおいて、第1溝部30Lと第2溝部30Rとは、周方向に対する傾斜方向が逆となっている。
なお、第1溝部30L、及び第2溝部30Rとコード20との角度の関係は、第1ラグ26L、及び第2ラグ26Rとコード20との角度の関係と同じである(図2、及び図3参照。)。
本実施形態のラグ付きタイヤ10を製造するに当たって、従来技術と異なる点は、生タイヤの構造が異なる点と、生タイヤを加硫モールドに装填する際の向きに特徴がある。
本実施形態のラグ付きタイヤ10を製造する方法は、上記生タイヤを、加硫モールドに装填する際に、第1溝部30Lと第2ベルトプライ18−2のコード20とがタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜すると共に、第2溝部30Rと第1ベルトプライ18−1のコード20とがタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜するように、生タイヤを加硫モールドに装填して加硫成形する。
このようにして生タイヤを加硫モールドに装填し加硫成形を行う場合、モールド内でブラダーが膨張するに伴って生タイヤも膨張し、タイヤ外面側の未加硫ゴムが流動しモールド内面に密着する。
このとき、第1溝部30L、及び第2溝部30Rの周囲の未加硫ゴム(図示せず)は、図3の矢印Aで示すように、各溝部の幅方向両側から溝中心部に向かって流れ込む。
未加硫ゴムの流れ方向が、コード20の長手方向とほぼ同一方向(または同一方向)となるので、ベルト端のコード20は、コード20を曲げるような力を未加硫ゴムから受けることが無い。したがって、ベルト端において、コード20の配列が乱れていないラグ付きタイヤ10を従来と同様に効率的に製造することが出来る。
[その他の実施形態]
上記実施形態では、ベルト18が2枚のベルトプライで構成されていたが、3枚以上のベルトプライで構成されていても良い。
上記実施形態では、建設車両用タイヤを例として上げたが、本発明は建設車両用タイヤに限らず、ベルトとラグとを有していれば農業機械用タイヤ等、他の種類のタイヤにも適用可能である。
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、本発明の適用された実施例によるラグ付きタイヤの製造、従来例によるラグ付きタイヤの製造、及び比較例によるラグ付きタイヤの製造を行い比較を行った。
実施例によるラグ付きタイヤの製造:上記実施形態で説明した製造工程を経てタイヤを製造した。
従来例によるラグ付きタイヤの製造:図4に示すように、幅広の第1ベルトプライ18−1の上に、第1ベルトプライ18−1よりも幅狭の第2ベルトプライ18−2を積層し、各々の幅方向中心をタイヤ赤道面に一致させたベルト18を備えた生タイヤを用いた。
加硫モールドは、実施例と同様のものを用いた。モールド内では、タイヤ赤道面CLの左側ではベルト端のコード20の傾斜方向と第1ラグ26Lを成形する第1溝部30Lの傾斜方向とがタイヤ周方向に対して逆方向となっているが、右側ではベルト端のコード20の傾斜方向と第2ラグ26Rを成形する第2溝部30Rの傾斜方向とがタイヤ周方向に対して同一方向となっている。
比較例によるラグ付きタイヤの製造:図5に示すように、第1ベルトプライ18−1、第2ベルトプライ18−2、第3のベルトプライ18−3、及び第4のベルトプライ18−4を積層したベルト18を備えた生タイヤを用いた。各々のベルトプライの幅は同一であるが、タイヤ幅方向に交互に変位させて配置している。
加硫モールドは、実施例と同様のものを用いた。モールド内では、最外の第4のベルトプライ18−4のコード20の左側端部付近とこれに対向する第1溝部30Lの傾斜方向はタイヤ周方向に対して同一方向であり、その内側に配置されている第3のベルトプライ18−3のコード20の右側端部付近とこれに対向する第2溝部30Rの傾斜方向はタイヤ周方向に対して同一方向である。
以下の表1に、各タイヤの諸元、ベルトの蛇行量、及びベルト端でのコードの打ち込み密度の状態を示す。
なお、「ベルトステップ」とは、図3,4,5に示すように、最外側のベルトプライと最外側の内側に隣接するベルトプライのベルト端同士の幅方向のズレ量Pのことである。
また、「ベルト端蛇行指数」とは、加硫済みのタイヤからトレッドゴムを除去し、図6に示すように、ベルトのコード20の直線部分の延長線(仮想線)FLから、コード端までの変位量Sを計測し(延長線FLに立てた垂線BLに沿って計測)、指数表示した。なお、左右のベルト端において各々複数のコードについて計測を行い、左側、及び右側の各々について平均の変位量Sを求めて指数化した。指数の数値が大きいほど、ベルト端の蛇行量が大きいことを表している。
また、「ベルト端でのコードの打ち込み密度の状態」は、トレッドゴムを除去してベルトを目視した結果を示している。なお、表中の「前面側」とは、図面での矢印B方向側を意味している。
Figure 2009286177
試験の結果から、本発明のラグ付きタイヤの製造方法によれば、ベルト端でのコードの乱れが抑えられた耐久性に優れたタイヤが得られることが分かる。
従来例のラグ付きタイヤの製造方法では、図4に示すように、タイヤ赤道面CLの右側のベルト端付近では、第1ベルトプライ18−1のコード20に対して、加硫モールドの第2溝部30Rに流れ込む未加硫ゴムの方向(矢印A)が90°に近くコード20が乱れ易い。
即ち、図7の矢印Aで示すように、加硫モールドの第2溝部30Rの幅方向両側から溝部中心に向けて未加硫ゴムが流れ込み、未加硫ゴムの流れによってベルト端側のコード20が溝付近で曲り、第2溝部30Rの矢印B方向側ではコード20の密度が高く(密になる)、第2溝部30Rの反矢印B方向側では密度が低くなり(疎になる)、図4の点線DLで図示する様に、第2溝部30Rと対向しているベルトエッジがベルト幅方向中央側へ凹む。よって、タイヤ赤道面CLの右側のベルト端付近では、図4の点線DLで示すようにベルトエッジが蛇行する。
一方、タイヤ赤道面CLの左側のベルト端付近では、第1ベルトプライ18−1のコード20に対して、未加硫ゴムの流れ(矢印A)が平行に近くコード20は乱れ難い。
また、比較例のラグ付きタイヤの製造方法では、図5に示すように、タイヤ赤道面CLの左側のベルト端付近では、第4ベルトプライ18−4のコード20に対して、未加硫ゴムの流れ(矢印A)が90°に近く従来例の左側と同様にコード20が乱れ易い。一方、タイヤ赤道面CLの右側のベルト端付近では、第3ベルトプライ18−3のコード20に対して、未加硫ゴムの流れ(矢印A)が90°の近くコード20が乱れ易い。よって、図5の点線DLで示すように両方のベルトエッジが蛇行する。
実施形態に係るラグ付きタイヤの回転軸に沿った断面図である。 (A)は実施形態に係るラグ付きタイヤのベルトの幅方向断面図であり、(B)は実施形態に係るタイヤのベルトの平面図である。 実施形態に係る生タイヤのベルトの平面図である。 (A)は従来例に係る生タイヤのベルトの幅方向断面図であり、(B)は従来例に係る生タイヤのベルトの平面図である。 (A)は比較例に係る生タイヤのベルトの幅方向断面図であり、(B)は比較例に係る生タイヤのベルトの平面図である。 ベルト蛇行指数を得るためのコードの乱れを計測する方法を説明する説明図である。 ゴム流れによるベルトのコードの曲りを示すベルト端付近の平面図である。
符号の説明
10 ラグ付きタイヤ
12 ビードコア
14 ラジアルカーカスプライ
16 カーカス
18−1 第1ベルトプライ(本発明の内側ベルトプライ)
18−2 第2ベルトプライ(本発明の最外ベルトプライ)
20 コード
22 トレッド部
24 トレッドゴム
26L 第1ラグ(第1のラグ)
26R 第2ラグ(第2のラグ)
30L 第1溝部(第1の溝部)
30R 第2溝部(第2の溝部)
θ3 交錯角度

Claims (5)

  1. タイヤ周方向に対して同一方向傾斜する複数本の第1のコードを含み、ベルトの最外層を構成する最外ベルトプライと、前記最外ベルトプライのタイヤ径方向内側に配置され、前記第1のコードとはタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜する複数本の第2のコードを含み、幅方向一方側の端部が前記最外ベルトプライで覆われ、幅方向他方側の端部が前記最外ベルトプライで覆われていない内側ベルトプライと、前記最外ベルトプライ、及び前記内側ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置されトレッド部を構成するための未加硫トレッドゴムと、を有する生タイヤを成形する生タイヤ製造工程と、
    タイヤ周方向に対して同一方向に傾斜し、トレッドのタイヤ赤道面を挟んで一方側にタイヤ周方向に間隔をおいて配置される複数の第1のラグを形成するための第1の溝部と、タイヤ周方向に対して前記第1のラグとは反対方向に傾斜し前記トレッドのタイヤ赤道面を挟んで他方側にタイヤ周方向に間隔をおいて配置される複数の第2のラグを形成するための第2の溝部とを内周面に有する加硫モールドにて前記生タイヤを加硫するにあたり、前記第1の溝部と前記第1のコードとがタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜すると共に、前記第2の溝部と前記第2のコードとがタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜するように、前記生タイヤを前記加硫モールドに装填して加硫成形する加硫成形工程と、
    を有することを特徴とするラグ付きタイヤの製造方法。
  2. 前記第1のコードと前記第1の溝部との交差角度、及び前記第2のコードと前記第2の溝部との交差角度が45°を超える、ことを特徴とする請求項1に記載のラグ付きタイヤの製造方法。
  3. 前記生タイヤ製造工程において、前記最外ベルトプライと前記内側ベルトプライとをタイヤ幅方向にオフセットさせて配置する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラグ付きタイヤの製造方法。
  4. タイヤ周方向に対して同一方向傾斜する複数本の第1のコードを含み、ベルトの最外層を構成する最外ベルトプライと、
    前記最外ベルトプライのタイヤ径方向内側に配置され、前記第1のコードとはタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜する複数本の第2のコードを含み、幅方向一方側の端部が前記最外ベルトプライで覆われ、幅方向他方側の端部が前記最外ベルトプライで覆われていない内側ベルトプライと、
    前記最外ベルトプライ、及び前記内側ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置されトレッド部を構成するための未加硫トレッドゴムと、
    を有することを特徴とする生タイヤ。
  5. タイヤ周方向に対して同一方向に傾斜し、トレッドのタイヤ赤道面を挟んで一方側にタイヤ周方向に間隔をおいて配置される複数の第1のラグと、
    タイヤ周方向に対して前記第1のラグとは反対方向に傾斜し、前記トレッドのタイヤ赤道面を挟んで他方側にタイヤ周方向に間隔をおいて配置される複数の第2のラグと、
    前記トレッドのタイヤ径方向内側に設けられ、前記第1のラグとはタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜する複数本の第1のコードを含み、タイヤ赤道面の一方側の端部側が前記第1のラグに対向する最外ベルトプライと、
    前記最外ベルトプライと共に積層され、前記第2のラグとはタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜する複数本の第2のコードを含み、タイヤ赤道面の他方側の端部側が前記第2のラグに対向する内側ベルトプライと、
    を有することを特徴とするラグ付きタイヤ。
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