JP2013525608A5 - - Google Patents

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層状の微細構造を有する損傷耐性アルミニウム材
本発明は、層状の微構造を有する損傷耐性アルミニウム材、並びにこのアルミニウム材を生産するのに適した析出硬化系アルミニウム合金、およびアルミニウム材を生産する方法に関する。
本発明は、アルミニウム材の生産および特に損傷耐性鍛造アルミニウム材に関する。
先行技術から、従来から知られている方法で生産されたアルミニウム材について、強度、延性と損傷許容性とは一般に互いに反比例し、抗張力のレベルが増加すると通常、延性および損傷許容が下がることが知られている。
特許文献1に知られている従来の方法では、合金は重量%で、Mn最大0.6、Cr最大0.3、Zr最大0.25、Mg0.25〜1.2,Si0.3〜1.4,Tiを0.1〜0.4含み、FeおよびZnを含む付随する不純物を0.5以下含み、残余としてのAlを含んで使用され、ここでTiは固溶体で存在する。好ましいSi/Mg比率は1.4である。合金はビレットに鋳造され、次に均質化される。ビレットは改良した耐破壊特性を備えた材料を生産するために押出される。
応力腐食割れ耐性を有する、押出された、または圧延された材料特許文献2で検討されている。この特許文献2で使用される組成は、合金元素の均質な分布を備えた従来の微構造を生み出す。特許文献2は、鋳造組織の結晶粒の大きさを小さくするために鋳造速度と鋳造後の冷却速度を大きくしなれければならないとさらに主張している。高い損傷許容性を有する材料は、これによっては生産されない。
特許文献3では、Si0.68〜0.77、Fe0.16〜0.24、Cu0.2〜0.32、Mn0.68〜0.77、Mg0.58〜0.67、Cr<0.04、Zn<0.1、Ti<0.1、V<0.04、他の元素を<0.3含み、残余がAlであるアルミニウム合金は、280MPaを超える降伏度を備えた自動車産業の製品を生産するために使用される。
欧州特許第1987170号明細書 特開2008−76297号公報 欧州特許第2103701号明細書
本発明は、材料の高強度を維持すると同時に改良された損傷許容を備えた鍛造アルミニウム材の生産を可能にする条件を提供することを目的とする。
本発明の目的は、独立請求項1に従う鋳造アルミニウムと、独立請求項10に従うアルミニウム合金と、独立クレーム12に従う鋳造アルミニウム料の生産の制御方法とによって達成される。実施形態は従属請求項から与えられる。
したがって、鍛造アルミニウム材に強度、延性および損傷許容の優れた組み合わせを提供する著しく異なる機械的特性を持つ層を交互に重ねて構成される微構造を有する鍛造アルミニウム材が達成される。
層構造は、2つのゾーン、すなわちアルミニウムと包晶的に反応できる元素が濃縮された第1の中心ゾーンと、この第1のゾーンを取り囲む、アルミニウムと共晶的に反応できる元素が濃縮された第2のゾーンと、を有する結晶粒から構成され鋳造組織を備える析出硬化系アルミニウム合金の変形によって形成される。層構造の効果を達成するために、アルミニウム合金は、重量%での晶元素含有量の0.02倍以上の比率で、3を上回る、好ましくは5を上回る、および最も好ましくは8を上回る複合分配係数を備えた包晶合金元素を含むべきである。
本発明は、アルミニウムと包晶的に反応できる元素が濃縮された第1の中心ゾーン、アルミニウムと共晶的に反応できる元素濃縮された、第1のゾーンを囲む第2のゾーンと、の2つの別個のゾーンを有する結晶粒デンドライトあるいはセルからなる鋳造組織を含む析出硬化系アルミニウム合金のアルミニウムを提供する。ここで、第1のゾーンは、LOM干渉コントラストにおいて丘状に盛り上がった包晶部分として横断面上で測定された、全ビレット体積の1%〜85%、好ましくは10%〜70%、最も好ましくは20%〜50%を占める。
本発明はさらに、それによって層状の微細構造を備えた材料が生産される、鋳造アルミニウムの変形によって生産される鍛造アルミニウム材を提供するとともに、2つのゾーンを有する鋳造組織であって、第1のゾーン、LOMの干渉コントラストにおける丘状に盛り上がった包晶部分として横断面上で測定された、全ビレット体積の1%〜85%、好ましくは10%〜70%、最も好ましくは20%〜50%を占める、2つのゾーンを有する鋳造組織を生じるように鋳造速度をコントロールすることによって、前記材料を生産する方法を提供する。
鍛造アルミニウム材は、損傷許容性が前提条件である自動車部品のよう、特に損傷許容性を必要とする用途において優れた候補材料である。
本発明による鋳造されたままの材料の横断面を示す模式、および変形後に得られた層構造の模式図であり、結晶粒内においてAは包晶元素濃縮された中心ゾーンを示し、Bは結晶粒の共晶元素濃縮された周囲ゾーンを示す。 1.2%(Mg+Si)を含有する、凝固たAlMgSi合金の結晶粒の異なる領域におけるMg+Siの、エネルギー分散型X線分光法によって明らかにされた、これら領域における包晶合金元素の再分重量%含有量の関数として示す図である。 従来のアルミニウム曲げにおける損傷許容性を示す図であり、図中1は垂直亀裂を示す 図3aにおけるのと同じ強度レベルで、本発明によるアルミニウム材を曲げた時の損傷許容性を示す図であり、図中2はさな停止した縦方向の亀裂を示す。
本発明において、損傷耐性鍛造アルミニウム材は、著しく異なる機械的性質を持つ交互に重なって構成されており、この層構造は最終製品の構造内の顕微鏡的なレベルにおいても別個のままである。図1を参照されたい。この層構造は、高強度かつ向上した損傷許容を示す。損傷許容性は、欠陥を安全に保持する能力に関わる構造特性である。
本発明は、1つの態様において損傷耐性アルミニウム材を生産するプロセスを提供し、このプロセスにおいて、鋳造プロセスは2つのゾーンを有する結晶粒から成鋳造組織を生産し;それらの体積の1%〜85%は包晶元素濃縮されたゾーン(以下「包晶ゾーン」と呼ぶ)からまたそれらの体積の15%〜99%は共晶元素が濃縮された周ゾーン(以下「共晶ゾーン」と呼ぶ)から成る。本発明の凝固工程は拡張包晶凝固と呼ばれ、我々は、共晶元素して選択された包晶合金元素所定の割合では、異なる組成を有する2つの別個のゾーンを備えた鋳造組織が従来の均一な鋳造組織とは逆に、各結晶粒内に形成されることを見出した。この拡張包晶凝固は、合金元素の非常に強い再分配をもたらし、望ましい2つのゾーンからなる構造を生じさせる。2つのゾーンからなる構造の形成は、鋳造プロセスのコントロール、例えば、鋳造の幾何学、鋳造速度、溶解物の金属ヘッドおよび温度に依存する。
晶ゾーンは、少なくとも0.02x[共晶元素(重量%)]x[包晶元素のΣk]を持つ微細構造構成成分として定義され、ここでΣkは複合分配係数である。包晶元素は、共晶元素の局所的含有量を合金含有量のごく少量に抑えることができる。このようにして、望ましい2つのゾーンの微細構造は形成される。
図2は、包晶合金元素の局所的含有量の関数として1結晶粒内の共晶元素分配の例を示す。この分布は、約1.2重量%のMg+Siを有するAlMgSi合金に対するエネルギー分散型X線分光法によって明らかにされた。包晶合金元素の局所的含有量が0.2%以上ある場合、第のゾーンと第1ゾーンのMg+Si比率が1:2以下である、2つの別個のゾーン(Mg+Siが多いゾーン、およびMg+Siが少ないゾーン)を備えた微細構造が形成されるこが明確に見られる。
包晶合金元素の強さは、それらの3より大きい、好ましくは5より大きい、および最も好ましくは8より大きくなければならない複合分配係数Σk、および0.02x[共晶混合物合金成分(重量%)]より大きくなければならない容量によって限定されて包晶ゾーンの局所的共晶成分を0.8x[合金の平均共晶合金元素量(重量%)]未満に抑制できる。分配係数3より下では、2つのゾーン構造は生まれない。分配係数は3より大きくかつ8未満である場合、2つのゾーン構造形成されるが顕著ではな、したがって、いくつかの場合では、鍛造生成物の十分な層構造が得られない。
複合分配係数は、包晶温度における二成分系の個々の係数の合計として計算される;(Tiについて7.5、Vについて3.9、Moについて2.5、Nbについて1.9、Zrについて2.5、Crについて2、Znについて1.1、Wについて2.7、Hfについて2.4、Taについて2.5)。
元素を付加した析出硬化系アルミニウム合金の鋳造中の凝固速度は、上記の再分配に十分な時間を与えるとともに、包晶ゾーンの少なくとも1%を備えた微細構造を生産するためにくなければならない。上記したように、2つのゾーン構造の形成は鋳造プロセスのコントロールに、したがって凝固速度に依存する。凝固速度は、好ましくは、特に表2を参照した下記の例の条件下で最限で90mm/分の鋳造速度に対応すべきである。一般は、凝固時間即ち、鋳造中完全な液状と完全な凝固材料の間の時間は、本発明の技術的範囲内の合金のすべての組成について少なくとも75秒、好ましくは少なくとも100秒コントロールされるべきである。
圧延、押し出しまたは鍛造のような鋳造された材料の成形の、軟と硬層とが交互に重ねられた層構造が得られる。この理由で本発明に従う包晶/共晶の初期構造から得られた層状材料は、損傷許容性と抗張力の優れた組み合わせを生じさせる。
鋳造後、アルミニウム合金は均質化されてもよい。均質化処理の目的は、通常、MgとSiとを溶解して、鋳造過程から生じる可能性がある残留応力を平均化させ、鍛造された結晶粒構造をコントロールするための分散質タイプ子を形成すること、およびアルミニウム合金の凝固中に形成された鋭利なまたは針状の形状を有する金属間化合物を球状化することである。本発明によると、合金元素の再分配は望ましくない。したがって材料が均質化される場合、ゾーン間の機械的特性における違いを増加させる主目のためには、低い均質化温度高い均質化温度に対して好ましい。
均質化の後に、合金は、例えば空冷によって冷却される。さらに合金は好ましくは500℃未満の範囲の温度で予備加熱され、次いで、押し出され、圧延され、鍛造されて良い。押し出し、圧延または鍛造の後、本発明のアルミニウム合金例えば水、散水、強制空気、他の冷却液、あるいは窒素によって、焼き入れ、理想的にはプレス焼き入れされる
次のステップで、材料は、機械的および物理的な特性の望ましいレベルまで時効処理される。好ましくは、本発明の合金は、望ましい焼き戻しにまで人工的に時効処理され、れは、特に塑性変形による運動エネルギーを吸収する高い能力を必要とする用途に使用する場合には、理想的にはT7などの過時効である代替的に、アルミニウム合金は、より高い強度用のT6条件若しくは時効不足の条件まで時効にかけることができ、または低温形成可能性および/または付加的な熱処理応答を改善するために、50℃から120℃の範囲の温度で安定化焼鈍かけることができる。
完全な処理処置サイクルの後に、材料は、多くの種類の製品へ加工できる。アルミニウム合金は、とりわけ自動車および鉄道車両における用途に適し衝突コンポーネントなどの高い損傷許容を必要とする用途に特に適している。本発明によるアルミニウム合金は好ましくは押し出しによって処理されるが、さらに、それはコンポーネントの疲労性能に対して損傷不耐性の材料では逆効果を持つ圧延され鍛造される構造合金、例えば自動車のサスペンション部品にもまた適している。
増加した延性および損傷許容は、ネッキングの出現に対する歪を増加させるとともにネッキング中の歪の局在化を抑制する層構造と、増加した真破断歪に反映される増加した耐破壊性と、に由来する。
合金成分の選択
改良された特性は、所望の微細構造を形成することができれば、アルミニウムの組成に決定的に依存するわけではない。従って、2XXX,6XXX,7XXXおよび8XXX合金などのすべての析出硬化系アルミニウム合金は、本発明による材料を生産するために使用することができる
適切なレベルの強度を得るために0.3%〜1.5%のMgおよび0.3%〜1.5%のSiを含むAlMgSi合金は、鋳造および均質化された材料における適切な量のつの構成要素からなる造を生産するのに十分であるとともに、熱間加工の後に層構造を生産するのに十分な、少なくとも0.02x[共晶合金元素(重量%)]の包晶合金の添加を行わなければならないことがわかった。Alと包晶反応できる元素は、Nb、Ti、V、Mo、Cr、Zn、Zr、Hf、TaおよびWである。
本発明による好ましい組成は、以下の合金元素(重量%)を含むアルミニウム合金によって与えられる。:
Si:0.3〜1.5、好ましくは0.5〜1.1、
Mg:0.3〜1.5、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.65〜1.2、
Cu:<0.5、好ましくは<0.4、最も好ましくは<0.25、
Mn:<0.6、好ましくは0.050.3、より好ましくは0.08〜0.15、
Nb:<0.3、好ましくは0.02〜0.15、
V:<0.3、
Ti:<0.2、
Mo:<0.2、
Cr:<0.3、
Zr:<0.2、
Zn:<0.2、
Fe:<0.5、好ましくは<0.3、
不可避的不純物の各々:<0.05、合計:<0.15、および
残余アルミニウム。
Al−Mg−Si合金の強度を最適化するために、硬化性析出物を作るためのできるだけ多くのMgおよびSi使用されることを確実にするようにMgおよびSi含有量を選ぶべきである。硬化子は約1のSi/Mgモル比率を有することが一般に知られている。Si含有量は、0.3%1.5%、好ましくは0.5%〜1.1%である。この範囲において、0.3%1.5%、好ましくは0.5%1.5%、より好ましくは0.65%1.2%のMg含有量と組み合わせ使用された場合に強度が最適化される。Mg/Siの範囲は好ましくは>1であり、その結果Mgの余剰が形成される。余剰のMgあるいはSiによってMgまたはSiが析出物を形成しないこと理解されるべきである。余剰のMgは、材料全体の強度にほとんど寄与しないが、結晶粒界の強度には有利な効果を有する。余剰のMgはSiの結晶粒界への拡散を制限するとともに、層構造と組み合わせ損傷許容を改善することにおいて重要である。
0.6%未満、好ましくは0.3%から0.05%の、より好ましくは0.15%から0.08%のMn含有量によって、本発明によるアルミニウム合金は、押し出し並びに熱処理の間および後の高温割れにはそれほど敏感ではなくなるとともに、細かい結晶粒の再結晶した微細構造を提供する。さらに、上記範囲のMn含有量で、機械的特性と押し出し成形性との最適点が、熱間延性およびα型のFe含有金属間化合物の形成に対するMnの有益な効果によって得られる。
包晶合金元素は、3より大きい、好ましくは5より大きい、さらに最も好ましくは8より大きい複合分配係数Σk、および0.02x[共晶元素(重量%)]x[Σk]より大きな包晶反応の強度が得られるように選択されなければならない。実験結果は、Ti、Zr、V、Mo、Cr、Zn、Hf、TaおよびWから、好ましくはTi、Zr、V、Cr、MoおよびNbから、最も好ましくは、Ti、V、MoおよびNbから選択された包晶合金元素、包晶温度xΣk(<8)で二成分系用の個々の係数の合計から計算された上述の包晶反応力を増加させることができる追加的な相乗効果があることを示す。
Cuは、本発明によるアルミニウム合金に0.5%まで存在しうる。1つの好ましい態様では、Cuは最大0.4%、より好ましくは最大0.25%存在する。
Crおよび/またはZrの任意の追加は、包晶構成要素を強化するために使用されるだけでなく、さらに結晶粒構造をコントロールするために使用される。したがって、CrおよびZrの一方または両方を、0.3%未満のCrおよび/または0.2%未満のZr範囲で加えることができる。追加すると、再結晶しなかった粒状組織ることができる
Znは不純物元素であると考えられていて、0.2%まで許容できるが、0.1%未満が好適である。
Feは強度にわずかな増加をもたらすが、完成コンポーネントの使用中に破壊を生じさせる場合のある金属間化合物子の不都合な形成のリスクを減らすために、0.5%以下、好ましくは0.3%未満の量でしか存在すべきではない
残余は、アルミニウム、使用される原料または製造工程に起因するような、不可避的不純物である。通常は、不純物元素それぞれは最大0.05重量%で存在し、不純物の合計は最大0.15重量%である。
本発明が、以下にいくつかの例によって説明されが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例]
表1は、いくつかの比較材料(合金C、E、F、G)および本発明の範囲以内にある合金(合金A、B、D)の化学組成重量%で列挙している。これらのアルミニウム合金すべては、包晶成分の形成に対する組成の影響および鋳造速度を評価するためにDC鋳造された
表2は、いくつかの比較変形物、および本発明による包晶成分が20%より多い鋳造組織を生産した改良型(改良型A2、A3およびB2、B3)合金および鋳造速度のリストを示す。
包晶成分が20%より多い、直径が254mmである鋳造ビレット(改良型A2、B2、D)および比較材料(合金C、EG)を次のステップによって処理した:
545℃を維持して均質化;
空冷;
460℃に予備加熱;
2つの穴を有する型で箱状外形に押し出し加工
プレス焼入れ;
異なる方法での時効
同様の包晶元素/共晶元素の比率を有する合金B合金Dの比較は、合金へNbを添加すると2つのゾーン構造生じ、Crを添加してもこの効果がもたらされないことを示す。したがって、Nbは、包晶反応全体への貢献により期待されているものに加えて他の合金元素との相乗効果を与えるように見える。
表3は、T6(195℃で4.5時間)での合金A2、B2、CおよびDの機械的特性を示す。「Rm」は極限伸張強度であ、「Rp0.2」は、0.2%の降伏強度であり、A5(破断伸び)である。損傷許容は垂直割れの進展の量として定義される。図3に示されるように、そのような割れが進展する場合、その材料は損傷許容性を有しないと見なされる。1つの構成要素を有する材料の、本発明による2つの構成要素を有する材料との曲げにおける挙動の比較を図3に示す。本発明による材料を示す図3bでは、停止した小さな層状の割れだけが見える。本発明による層状材料は、比較材料(図3a)の大きな垂直の割れと比較して、層間の短い層状の割れを停止させることができる。
Figure 2013525608
Figure 2013525608
Figure 2013525608
1 垂直の亀裂
2 小規模の停止した縦方向の亀裂

Claims (12)

  1. 析出硬化系アルミニウム合金の鋳造アルミニウムであって、
    前記アルミニウム合金は、重量%
    0.3〜1.5のSi、好ましくは0.5〜1.1のSi、
    0.3〜1.5のMg、好ましくは0.5〜1.5のMg、および最も好ましくは0.65〜1.2のMg、
    0.6未満のMn、好ましくは0.05〜0.3、最も好ましくは、0.08〜0.15のMn、
    0.5未満のCu、好ましくは0.4未満、最も好ましくは0.05〜0.2のCu、 0.5未満のFe、好ましくは0.3未満のFe、
    0.3未満のNb、
    0.3未満のV、好ましくは0.01〜0.1のV、
    0.3未満のCr、
    0.2未満のZn、好ましくは0.1未満Zn、
    0.2未満のTi、好ましくは0.01〜0.1のTi、
    0.2未満のMo、
    0.2未満のZr、
    各々0.05重量%以下であるとともに合計0.15重量%以下である不可避の不純物、
    を有し、残部がアルミニウムであり、
    2つの別個のゾーンからなる結晶粒、樹状結晶またはセルからなり、前記2つの別個のゾーンのうち第1の中心ゾーンは、アルミニウムと包晶的に反応可能な元素が濃縮されており、第2のゾーンは、アルミニウムと共晶的に反応可能な元素が濃縮されておりアルミニウムと共晶的に反応可能な前記元素はSiおよびMgであり、
    前記第2のゾーンは前記第1のゾーンを包囲し、前記第1のゾーンは、LOM干渉コントラストにおいて丘状に盛り上がった包晶部分として、横断面上で測定された体積全体の20%〜50%を占める、鋳造アルミニウム
  2. 前記析出硬化系アルミニウム合金は、3より大きな、好ましくは5より大きな、および最も好ましくは8より大きな複合分配係数Σkと、0.02x[共晶合金元素(重量%)]を超える包晶元素の比率と、を有する包晶合金元素を含み、これにより、前記包晶ゾーンにおける局所的共晶元素量を0.8x[前記合金の平均的共晶合金元素量(重量%)]未満へ抑制可能とする、請求項1に記載の鋳造アルミニウム
  3. 前記アルミニウム合金は、重量%単位において、
    0.3〜1.5のSi、
    0.3〜1.5のMg、好ましくは0.5〜1.5のMg、
    0.6未満のMn、好ましくは0.05〜0.30、最も好ましくは0.08〜0.15のMn、
    0.5未満のCu、好ましくは0.4未満、最も好ましくは0.05〜0.2のCu、
    0.5未満のFe、好ましくは0.3未満のFe、
    0.02〜0.15のNb、
    0.3未満のV、好ましくは0.01〜0.1のV、
    0.3未満のCr、
    0.2未満のZn、好ましくは0.1未満Zn、
    0.2未満のTi、好ましくは0.01〜0.1のTi、
    0.2未満のMo、
    0.2未満のZr、および
    不可避の不純物として各々が0.05重量%以下であるとともに合計0.15重量%以下の不純物、
    を有し、残部がアルミニウムである、請求項1又は2に記載の鋳造アルミニウム
  4. 前記アルミニウム合金のMg/Si比率は>1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の鋳造アルミニウム
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋳造アルミニウムの変形によって得られる鍛造アルミニウム材であって、前記変形時において、硬質層および軟質層(包晶層および共晶層)が交互に重なった層状微細構造が前記材料中において得られる、鍛造アルミニウム材。
  6. 前記材料は、押し出しによって変形される、請求項5に記載の鍛造アルミニウム材。
  7. 前記材料は、鍛造によって変形される、請求項5に記載の鍛造アルミニウム材。
  8. 前記材料は、再結晶した結晶粒構造を有する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の鍛造アルミニウム材。
  9. 2つのゾーンからなる鋳造組織が得られるように鋳造速度を制御して析出硬化系アルミニウム合金を鋳造し、前記2つのゾーンのうち第1のゾーンは、LOM干渉コントラストにおいて丘状に盛り上がった包晶部分として、横断面上で測定された全体量の20%〜50%を占める、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋳造アルミニウムを生産する方法。
  10. 前記鋳込材料を任意選択的に均質化するステップと、
    前記ビレットを任意選択的に事前加熱するステップと、
    前記鋳造組織を変形させて、異なる機械的性質の層が交互に重なった層構造の材料を生成するステップと、
    前記材料を冷却するステップと、
    前記材料を任意選択的に加熱処理するステップと、
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋳造アルミニウム材料から鍛造アルミニウム材を生産する方法。
  11. 前記材料は、押し出しまたは鍛造によって変形される、請求項10に記載の方法。
  12. 自動車および鉄道車両における、請求項5〜8のいずれかに一項に記載の鍛造アルミニウム材の使用。
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