JP2024010058A - 高強度で高度に成形可能なアルミニウム合金およびその作製方法 - Google Patents

高強度で高度に成形可能なアルミニウム合金およびその作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高強度で高度に成形可能なアルミニウム合金並びに該合金の作製方法及び加工方法を提供する。【解決手段】アルミニウム合金が、特定割合のSi、Fe、Cu、Mg、Ti、Mn、Cr、Zr、V、及び最大0.15重量%の総不純物、残りはAlから成り、前記不純物は、Ni、Sc、Sn、Ga、Hf、Sr、またはそれらの組み合わせであり、前記アルミニウム合金が、Mn、Cr、Zr、及びVのうちの少なくとも1種を含み、Mn、Cr、Zr、及び/又はVの合計含有量が少なくとも0.14重量%であり、アルミニウム合金が0.01~0.3重量%のVを含み、アルミニウム合金が、全Si含有量からMg2Si及びFe含有相に必要なSiを差し引くことで計算できる過剰のSiを含み、過剰のSi含有量が0.75~1.0である、アルミニウム合金。加工方法には、多段階の均質化、熱間圧延及び冷間圧延、並びに溶体化ステップが含まれる。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月23日に出願された米国仮特許出願第62/575,573号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、材料科学、材料化学、金属製造、アルミニウム合金、およびアルミニウム製造の分野に関する。本開示は、特に高強度で高度に成形可能なアルミニウム合金ならびにそれを作製する方法および加工する方法に関する。
アルミニウム合金は、一部には合金の元素含有量のために高強度を示すことがある。例えば、マグネシウム(Mg)、シリコン(Si)、および/または銅(Cu)などの特定の元素を高濃度で含めることで、高強度6xxxシリーズアルミニウム合金を調製できる。しかし、これらの元素を高濃度で含有するアルミニウム合金は、成形特性の不良を示す。特に、アルミニウムマトリックスの粒界に沿って析出物が形成される可能性がある。粒界に沿った析出物の形成は、合金の強度を高めることができるが、合金の変形に悪影響を及ぼす(例えば、曲げ性、成形性、または任意の適切な所望の変形性を低下させる)。さらに、合金は人工時効後の降伏強度の低下を示すことがある。
本発明の網羅された実施形態は、この発明の概要ではなく、特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、本発明の様々な態様の高レベルの概説であり、以下の発明を実施するための形態の項でさらに説明される概念のいくつかを紹介する。この発明の概要は、特許請求される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図するものでも、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。主題は、明細書全体、一部のまたは全ての図面、および各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
本明細書では、約0.8~1.5重量%のSi、0.1~0.5重量%のFe、0.5~1.0重量%のCu、0.5~0.9重量%のMg、最大0.1重量%のTi、最大0.5重量%のMn、最大0.5重量%のCr、最大0.5重量%のZr、最大0.5重量%のV、最大0.15重量%の不純物、およびAlを含むアルミニウム合金を説明する。いくつかの場合では、アルミニウム合金は、約0.9~1.4重量%のSi、0.1~0.35重量%のFe、0.6~0.9重量%のCu、0.6~0.9重量%のMg、0.01~0.09重量%のTi、最大0.3重量%のMn、最大0.3重量%のCr、最大0.3重量%のZr、最大0.3重量%のV、最大0.15重量%の不純物、およびAlを含むことができる。いくつかの場合では、アルミニウム合金は、約1.0~1.3重量%のSi、0.1~0.25重量%のFe、0.7~0.9重量%のCu、0.6~0.8重量%のMg、0.01~0.05重量%のTi、最大0.2重量%のMn、最大0.2重量%のCr、最大0.2重量%のZr、最大0.2重量%のV、最大0.15重量%の不純物、およびAlを含むことができる。任意選択的に、アルミニウム合金は、Mn、Cr、Zr、およびVのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの例では、Mn、Cr、Zr、および/またはVの合計含有量は、少なくとも約0.14重量%である(例えば、0.14重量%~約0.4重量%または約0.15重量%~約0.25重量%)。任意選択的に、アルミニウム合金は約0.01~0.3重量%のVを含む。いくつかの例では、アルミニウム合金は過剰のSiを含み、過剰のSi含有量は約0.01~約1.0である。
本明細書に記載のアルミニウム合金を含むアルミニウム合金製品もまた本明細書に記載する。任意選択的に、アルミニウム合金製品は、少なくとも約5%の体積パーセントで回転した立方晶結晶学的組織を含む。アルミニウム合金製品は、分散粒子を含むことができる。任意選択的に、分散粒子は、1mm当たり少なくとも約1,500,000個の分散粒子の量でアルミニウム合金中に存在する。任意選択的に、分散粒子は、アルミニウム合金製品の約0.5%~約5%の範囲の面積を占める。いくつかの場合では、アルミニウム合金製品はFe‐構成物を含む。Fe-構成物は、Al(Fe、X)Si相粒子を含むことができる。任意選択的に、Fe-構成物の平均粒径は最大約4μmである。アルミニウム合金製品は、T6調質の場合に少なくとも約300MPaの降伏強度、および/またはT4調質の場合に少なくとも約20%の均一伸びおよび少なくとも約120°の最小曲げ角を示すことができる。
さらに、本明細書には、アルミニウム合金製品の製造方法が説明される。本方法は、本明細書に記載のアルミニウム合金を鋳造して鋳造物品を提供することと、二段階均質化プロセスで鋳造物品を均質化することと、鋳造物品を熱間圧延および冷間圧延して最終ゲージアルミニウム合金製品を提供することと、最終ゲージのアルミニウム合金製品を溶体化熱処理することと、最終ゲージのアルミニウム合金製品を予備時効することとを含む。二段階均質化プロセスは、鋳造物品を第一段階の均質化温度に加熱し、鋳造物品を第一段階の均質化温度である時間保持することと、鋳造物品を第二段階の均質化温度にさらに加熱し、鋳造物品を第二段階の均質化温度である時間保持することとを含むことができる。任意選択的に、第一段階の均質化温度は約470℃~約530℃であり、第二段階の均質化温度は約525℃~約575℃である。いくつかの例では、第二段階の均質化温度は第一段階の均質化温度よりも高い。
さらなる態様、目的、および利点は、以下の発明を実施するための形態および図の詳細な説明を考慮することで明らかになるであろう。
本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の引張特性を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の粒子構造を示す顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の機械的特性を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の機械的特性を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の機械的特性を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の再結晶集合組織の分布を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の一連の顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の分散粒子数密度および分散粒子面積分率を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の一連の顕微鏡写真である。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金のFe-構成物の粒度分布を示すグラフである。 本開示の特定の態様によるアルミニウム合金の一連の顕微鏡写真である。
新規なアルミニウム合金および製品、ならびにそれらを調製する方法が本明細書に記載される。合金は、高い強度および高い成形性を示す。本明細書でさらに説明するように、Cu、Mg、およびSiを含む溶質元素は、合金の強度と成形性の両方を高める相乗効果のために遷移元素(例えば、Mn、Cr、Zn、およびV)と組み合わされる。遷移元素は、以下でさらに説明するように、アルミニウム合金の粒界に沿った析出物の形成を防ぐことに役立つ。さらに、合金と製品の調製に使用される加工方法は、合金と製品が示す高い強度と高い成形性に寄与する。
定義および説明:
本明細書で使用される「発明」、「その発明」、「この発明」、および「本発明」という用語は、本特許出願および以下の特許請求の範囲の主題の全てを広く指すことが意図されている。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載された主題を限定するものでも、または以下の特許請求の意味もしくは範囲を限定するものでもないと理解すべきである。
この説明では、参照は、「シリーズ」または「AA6xxx」のようなアルミニウム工業の指定により識別された合金を参照する。アルミニウムおよびその合金の命名および識別に最も一般的に使用される番号指定システムの理解については、両方とも、The Aluminum Associationによって出版された「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、または「the」の意味は、文脈上他に明確に指示されない限り、単数および複数の参照物を含む。
本明細書で使用される場合、「室温」の意味は、約15℃~約30℃、例えば、約15℃、約16℃、約17℃、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、または約30℃の温度を含み得る。
本明細書で使用される場合、プレートは、一般に、約15mmを超える厚さを有する。例えば、プレートは、15mm超、20mm超、25mm超、30mm超、35mm超、40mm超、45mm超、50mm超、または100mm超の厚さを有するアルミニウム製品を指してもよい。
本明細書で使用される場合、シェート(シートプレートとも称される)は、概して、約4mm~約15mmの厚さを有する。例えば、シェートは、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、または15mmの厚さを有し得る。
本明細書で使用される場合、シートは、概して、約4mm未満の厚さを有するアルミニウム製品を指す。例えば、シートは、4mm未満、3mm未満、2mm未満、1mm未満、0.5mm未満、0.3mm未満、または0.1mm未満の厚さを有し得る。
本明細書で使用される場合、「鋳造金属物品」、「鋳造物品」、「鋳造アルミニウム合金」などの用語は、交換可能であり、直接チル鋳造(直接チル共鋳造を含む)または半連続鋳造、連続鋳造(例えば、ツインベルト鋳造機、ツインロール鋳造機、ブロック鋳造機、もしくは任意の他の連続鋳造機を使用することを含む)、電磁鋳造、ホットトップ鋳造、または任意の他の鋳造方法によって製造された製品を指す。
本出願では、合金の状態または調質について言及する。最も一般的に使用される合金調質の説明の理解に関しては、「American National Standards (ANSI) H35 on Alloy and Temper Designation Systems」を参照されたい。F状態または調質は、製造されたままのアルミニウム合金を指す。O状態または調質は、焼き戻し後のアルミニウム合金を指す。T1状態または調質は、熱間加工から冷却され、自然に時効させた(例えば、室温で)アルミニウム合金を指す。T2状態または調質は、熱間加工から冷却され、冷間加工され、自然に時効させたアルミニウム合金を指す。T3状態または調質は、溶体化熱処理され、冷間加工され、自然に時効させたアルミニウム合金を指す。T4状態または調質は、溶体化熱処理され、自然に時効させたアルミニウム合金を指す。T5状態または調質は、熱間加工から冷却され、人工的に(昇温で)時効させたアルミニウム合金を指す。T6状態または調質は、溶体化熱処理され、人工的に時効させたアルミニウム合金を指す。T7状態または調質は、溶体化熱処理され、人工的に過剰に時効させたアルミニウム合金を指す。T8x状態または調質、溶体化熱処理され、冷間加工され、人工的に時効させたアルミニウム合金を指す。T9状態または調質は、溶体化熱処理され、人工的に時効させ、冷間加工されたアルミニウム合金を指す。
以下のアルミニウム合金は、それらの元素組成に関して、合金の総重量に基づく重量百分率(重量%)で記載されている。各合金のある特定の例では、残部はアルミニウムであり、不純物の合計に対する最大重量%は0.15重量%である。
合金の組成
本明細書では、新規のアルミニウム合金について説明する。合金は、高い強度および高い成形性を示す。いくつかの場合では、合金の元素組成によって合金の特性が達成され得る。アルミニウム合金は、析出硬化型または析出硬化性合金にすることができる。任意選択的に、アルミニウム合金は、2xxxシリーズのアルミニウム合金(例えば、銅が主要な合金化元素である)、6xxxシリーズのアルミニウム合金(例えば、マグネシウムとシリコンが主要な合金化元素である)、または7xxxシリーズのアルミニウム合金(例えば、亜鉛が主要な合金化元素である)に分類できるアルミニウム合金であってもよい。いくつかの場合では、アルミニウム合金を2xxxシリーズ、6xxxシリーズ、または7xxxシリーズのアルミニウム合金に改質できる。本明細書で使用するとき、一連のアルミニウム合金に関連する「改質された」という用語は、通常特定のシリーズ内に分類される合金組成を指すが、1以上の元素(種類または量)の改質は異なる主要な合金化元素をもたらす。例えば、改質された6xxxシリーズのアルミニウム合金は、マグネシウムとシリコンではなく、銅とシリコンが主要な合金化元素であるアルミニウム合金を指すことができる。
いくつかの場合では、アルミニウム合金は、表1に提供されるような以下の元素組成を有し得る。
Figure 2024010058000002
他の実施例では、合金は、表2に提供されるような以下の元素組成を有し得る。
Figure 2024010058000003
一実施例では、合金は、表3に提供されるように、以下の元素組成を有し得る。
Figure 2024010058000004
特定の例では、本明細書に記載の合金は、シリコン(Si)を、合金の総重量に基づいて、約0.8%~約1.5%(例えば、約0.9%~約1.45%、約0.9%~約1.4%、約0.9%~約1.35%、約0.9%~約1.3%、約0.9%~約1.25%、約0.9%~約1.2%、約0.95%~約1.5%、約0.95%~約1.45%、約0.95%~約1.4%、約0.95%~約1.35%、約0.95%~約1.3%、約0.95%~約1.25%、約0.95%~約1.2%、約1.0%~約1.5%、約1.0%~約1.45%、約1.0%~約1.4%、約1.0%~約1.35%、約1.0%~約1.3%、約1.0%~約1.25%、または約1.0%~約1.2%)の量で含む。例えば、合金はSiを、0.8%、0.81%、0.82%、0.83%、0.84%、0.85%、0.86%、0.87%、0.88%、0.89%、0.9%、0.91%、0.92%、0.93%、0.94%、0.95%、0.96%、0.97%、0.98%、0,99%、1.0%、1.01%、1.02%、1.03%、1.04%、1.05%、1.06%、1.07%、1.08%、1.09%、1.1%、1.11%、1.12%、1.13%、1.14%、1.15%、1.16%、1.17%、1.18%、1.19%、1.2%、1.21%、1.22%、1.23%、1.24%、1.25%、1.26%、1.27%、1.28%、1.29%、1.3%、1,31%、1.32%、1.33%、1.34%、1.35%、1.36%、1.37%、1.38%、1.39%、1.4%、1.41%、1.42%、1.43%、1.44%、1.45%、1.46%、1.47%、1,48%、1.49%、または1.5%含むことができる。全て重量%で表した。
特定の態様では、本明細書に記載の合金は、鉄(Fe)を、合金の総重量に基づいて、約0.1%~約0.5%(例えば、約0.1%~約0.45%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.35%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.25%、約0.1%~約0.2%、約0.15%~約0.45%、約0.15%~約0.4%、約0.15%~約0.35%、約0.15%~約0.3%、約0.15%~約0.25%、約0.15%~約0.2%、約0.2%~約0.45%、約0.2%~約0.4%、約0.2%~約0.35%、約0.2%~約0.3%、約0.2%~約0.25%、約0.25%~約0.45%、約0.25%~約0.4%、約0.25%~約0.35%、約0.25%~約0.3%、約0.3%~約0.45%、約0.3%~約0.4%、または約0.3%~約0.35%)の量で含む。例えば、合金は、Feを、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、または0.5%含むことができる。全て重量%で表した。
特定の例では、本明細書に記載の合金は、銅(Cu)を、合金の総重量に基づいて、約0.5%~約1.0%(例えば、約0.55%~約1.0%、約0.6%~約1.0%、約0.65%~約1.0%、約0.7%~約1.0%、約0.75%~約1.0%、約0.8%~約1.0%、約0.5%~約0.95%、約0.55%~約0.95%、約0.6%~約0.95%、約0.65%~約0.95%、約0.7%~約0.95%、約0.75%~約0.95%、約0.8%~約0.95%、約0.5%~約0.9%、約0.55%~約0.9%、約0.6%~約0.9%、約0.65%~約0.9%、約0.7%~約0.9%、約0.75%~約0.9%、約0.8%~約0.9%、約0.5%~約0.85%、約0.55%~約0.85%、約0.6%~約0.85%、約0.65%~約0.85%、約0.7%~約0.85%、約0.75%~約0.85%、約0.8%~約0.85%、約0.5%~約0.8%、約0.55%~約0.8%、約0.6%~約0.8%、約0.65%~約0.8%、約0.7%~約0.8%、または約0.75%~約0.8%)の量で含む。例えば、合金は、Cuを、0.5%、0.51%、0.52%、0.53%、0.54%、0.55%、0.56%、0.57%、0.58%、0.59%、0.6%、061%、0.62%、0.63%、0.64%、0.65%、0.66%、0.67%、0.68%、0.69%、0.7%、0.71%、0.72%、0.73%、0.74%、0.75%、0.76%、0.77%、0.78%、0.79%、0.8%、0.81%、0.82%、0.83%、0.84%、0.85%、0.86%、0.87%、0.88%、0.89%、0.9%、0.91%、0.92%、0.93%、0.94%、0.95%、0.96%、0.97%、0.98%、0.99%または1.0%含むことができる。全て重量%で表した。
特定の例にでは、本明細書に記載の合金は、マグネシウム(Mg)を、合金の総重量に基づいて、約0.5%~約0.9%(例えば、約0.55%~約0.9%、約0.6%~約0.9%、約0.65%~約0.9、約0.7%~約0.9%、約0.75%~約0.9%、約0.8%~約0.9%、約0.5%~約0.85%、約0.55%~約0.85%、約0.6%~約0.85%、約0.65%~約0.85%、約0.7%~約0.85%、約0.75%~約0.85%、約0.8%~約0.85%、約0.5%~約0.8%、約0.55%~約0.8%、約0.6%~約0.8%、約0.65%~約0.8%、約0.7%~約0.8%、または約0.75%~約0.8%)の量で含む。例えば、合金は、Mgを、0.5%、0.51%、0.52%、0.53%、0.54%、0.55%、0.56%、0.57%、0.58%、0.59%、0.6%、0.61%、0.62%、0.63%、0.64%、0.65%、0.66%、0.67%、0.68%、0.69%、0.7%、0.71%、0.72%、0.73%、0.74%、0.75%、0.76%、0.77%、0.78%、0.79%、0.8%、0.81%、0.82%、0.83%、0.84%、0.85%、0.86%、0.87%、0.88%、0.89%、または0.9%含むことができる。全て重量%で表した。
特定の態様では、本明細書に記載の合金は、チタン(Ti)を、合金の総重量に基づいて、最大約0.1%(例えば、約0.01%~約0.09%、約0.02%~約0.09%、約0.03%~約0.09%、約0.04%~約0.09%、約0.05%~約0.09%、約0.01%~約0.08%、約0.02%~約0.08%、約0.03%~約0.08%、約0.04%~約0.08%、約0.05%~約0.08%、約0.01%~約0.07%、約0.02%~約0.07%、約0.03%~約0.07%、約0.04%~約0.07%、約0.05%~約0.07%、約0.01%~約0.06%、約0.02%~約0.06%、約0.03%~約0.06%、約0.04%~約0.06%、約0.05%~約0.06%、約0.01%~約0.05%、約0.02%~約0.05%、約0.03%~約0.05%、または約0.04%~約0.05%)の量で含む。例えば、合金は、Tiを、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、または0.1%含むことができる。いくつかの例では、Tiは合金中に存在しない(すなわち、0%のTi)。全て重量%で表した。
特定の例では、本明細書に記載の合金は、マンガン(Mn)を、合金の総重量に基づいて、最大で約0.5%、(例えば、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約0.4%、約0.01%~約0.3%、約0.01%~約0.2%、約0.01%~約0.1%、約0.06~約0.5%、約0.06%~約0.4%、約0.06%~約0.3%、約0.06%~約0.2%、約0.06%~約0.1%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.3%、または約0.1%~約0.2%)の量で含む。例えば、合金は、Mnを、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、または0.5%含むことができる。いくつかの例では、Mnは、合金中に存在しない(すなわち、0%のMn)。全て重量%で表した。
特定の態様では、本明細書に記載の合金は、クロム(Cr)を、合金の総重量に基づいて、最大約0.5%(例えば、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約0.4%、約0.01%~約0.3%、約0.01%~約0.2%、約0.01%~約0.1%、約0.06~約0.5%、約0.06%~約0.4%、約0.06%~約0.3%、約0.06%~約0.2%、約0.06%~約0.1%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.3%、または約0.1%~約0.2%)の量で含む。例えば、合金は、Crを、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、または0.5%含むことができる。いくつかの例では、Crは合金中に存在しない(すなわち、0%のCr)。全て重量%で表した。
特定の態様にでは、本明細書に記載の合金は、ジルコニウム(Zr)を、合金の総重量に基づいて、最大約0.5%(例えば、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約0.4%、約0.01%~約0.3%、約0.01%~約0.2%、約0.01%~約0.1%、約0.06~約0.5%、約0.06%~約0.4%、約0.06%~約0.3%、約0.06%~約0.2%、約0.06%~約0.1%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.3%、または約0.1%~約0.2%)の量で含む。例えば、合金は、Zrを、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、または0.5%含むことができる。特定の態様では、Zrは合金中に存在しない(すなわち、0%)。全て重量%で表した。
特定の態様では、本明細書に記載の合金は、バナジウム(V)を、合金の総重量に基づいて、最大約0.5%(例えば、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約0.4%、約0.01%~約0.3%、約0.01%~約0.2%、約0.01%~約0.1%、約0.06~約0.5%、約0.06%~約0.4%、約0.06%~約0.3%、約0.06%~約0.2%、約0.06%~約0.1%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.3%、または約0.1%~約0.2%)の量で含む。例えば、合金は、Vを、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、または0.5%含むことができる。特定の態様では、Vは合金中に存在しない(すなわち、0%のV)。全て重量%で表した。
任意選択的に、合金組成物は、時に不純物と称されることもある他の微量元素を、各約0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、0.02%以下、または0.01%以下の量でさらに含むことができる。これらの不純物としては、Ni、Sc、Sn、Ga、Hf、Sr、またはそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。したがって、Ni、Sc、Sn、Ga、Hf、またはSrは、0.05%以下、または0.04%以下、または0.03%以下、または0.02%以下、または0.01%以下の量で合金中に存在してもよい。特定の態様では、全ての不純物の合計は、0.15%を超えない(例えば、0.1%)。全て重量%で表した。合金組成にはアルミニウムも含まれる。特定の態様では、合金の残りの割合はアルミニウムである。
好適な合金の1つの非限定的な例には、1.20%のSi、0.18%のFe、0.80%のCu、 0.70%のMg、0.02%のTi、0.13%のMn、0.07%のCr、および最大0.15%の総不純物、残りはAlが含まれる。いくつかの場合では、好適な合金の別の非限定的な例には、1.20%のSi、0.18%のFe、0.80%のCu、0.70%のMg、0.02%のTi、0.14%のCr、および最大0.15%の総不純物、残りはAlが含まれる。いくつかの場合では、好適な合金の別の非限定的な例には、1.20%のSi、0.18%のFe、0.80%のCu、0.70%のMg、0.02%のTi、0.07%のCr、0.11%のZr、および最大0.15%の総不純物、残りはAlが含まれる。いくつかの場合では、好適な合金の別の非限定的な例には、1.20%のSi、0.18%のFe、0.80%のCu、0.70%のMg、0.02%のTi、0.08%のCr、0.11%のV、および最大0.15%の総不純物、残りはAlが含まれる。いくつかの場合では、好適な合金の別の非限定的な例には、1.20%のSi、0.18%のFe、0.80%のCu、0.70%のMg、0.02%のTi、0.09%のZr、0.10%のV、および最大0.15%の総不純物、残りはAlが含まれる。いくつかの場合では、好適な合金の別の非限定的な例には、1.20%のSi、0.18%のFe、0.80%のCu、0.70%のMg、0.02%のTi、0.09%のMn、0.10%のV、および最大0.15%の総不純物、残りはAlが含まれる。
合金の微細構造および特性
特定の態様では、Si、Mg、およびCuの含有量と比率は、強度と成形性を高めるために制御される。任意選択的に、遷移元素(例えば、Mn、Cr、Zr、および/またはV)含有量は、強度と成形性を高めるために制御される。
いくつかの場合では、本明細書に記載の合金には過剰なSiが含まれる。任意選択的に、SiおよびMg含有量は、本明細書に記載されるように、過剰のSiが合金中に存在するように制御される。過剰なSi含有量は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,614,552号、第4欄、49~52行に記載されている方法に従って計算することができる。簡単に言えば、MgとSiはMgSiとして結合し、時効硬化後にかなりの強度改善をもたらす。さらに、Al(FeMn)SiなどのSi含有構成要素が形成される可能性がある。Si含有量がMgSiの化学量論比を超え、Al(FeMn)Si成分に含まれる量を超える場合、過剰なSiが存在する。過剰なSi含有量は、全Si含有量からMgSi(Mg/1.73)およびFe含有相(Fe/3)に必要なSiを差し引くことで計算できる。過剰なSi含有量は、1.0以下(例えば、約0.01~約1.0、約0.1~約0.9、または約0.5~0.8)とすることができる。例えば、過剰なSi含有量は、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、またはその間の任意の値であり得る。
いくつかの態様では、本明細書に記載される合金は、少なくとも1種の遷移元素(例えば、Mn、Cr、Zr、および/またはVのうちの少なくとも1つ)を含む。任意選択的に、本明細書に記載の合金中の遷移元素の合計含有量は少なくとも約0.14重量%である。例えば、Mn、Cr、Zr、および/またはVの合計含有量は、約0.14重量%~約0.40重量%(例えば、約0.15重量%~約0.35重量%または約0.25重量%~約0.30重量%)であり得る。いくつかの場合では、Mn、Cr、Zr、および/またはVの合計含有量は、約0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、または0.4%である。いくつかの場合では、存在する遷移元素の総重量パーセンテージが少なくとも0.14重量%である限り、遷移元素のうちの1種以上が存在しなくてもよい。
Mn、Cr、Zr、および/またはVなどの遷移元素の1種以上の存在は、均質化ステップの間など、本明細書に記載の加工方法の間に分散粒子を有利に形成することができる。分散粒子は、溶体化熱処理ステップなどの加工ステップの間に、析出物の不均一な核形成部位として機能することができる。特定の態様では、粒界(GB)の析出は、析出核形成に有利なGBの誤配向により発生する。分散粒子はGB析出物を減少または除去し、ひずみの局所化も低減するため、変形中にひずみ分布が拡散される。GB析出物の減少もしくは除去、および/または変形中の拡散しているひずみ分布により、得られる合金および合金製品の曲げ性が改善される。
いくつかの非限定的な例では、本明細書に記載の分散粒子は、Alと、上述の合金組成物に見られる合金化元素のうちの1種以上を含有することができる。いくつかの例では、分散粒子は、以下の式:AlX、AlXX、AlXSi、Al(Fe、X)、Al(Fe、X)Siなどのうちの1つ以上による組成を有することができ、式中、各XはFe、Si、Mn、Cr、V、またはZrからなる群から選択される。
分散粒子の平均寸法と分布は、本明細書に記載の合金および合金製品によって示される望ましい強度特性と成形特性をもたらす重要な因子である。寸法と分布は、前述のように遷移元素の存在によって影響され、以下でさらに説明するように、合金の処理方法によっても影響を受ける。いくつかの例では、分散粒子は、1平方ミリメートル(mm)当たり平均少なくとも約1,500,000個の分散粒子の量でアルミニウム合金中に存在することができる。例えば、分散粒子は、少なくとも約1,600,000個の分散粒子/mm、少なくとも約1,700,000個の分散粒子/mm、少なくとも約1,800,000個の分散粒子/mm、少なくとも約1,900,000個の分散粒子/mm、少なくとも約2,000,000個の分散粒子/mm、少なくとも約2,100,000個の分散粒子/mm、少なくとも約2,200,000個の分散粒子/mm、少なくとも約2,300,000個の分散粒子/mm、少なくとも約2,400,000個の分散粒子/mm、少なくとも約2,500,000個の分散粒子/mm、少なくとも約2,600,000個の分散粒子/mm、少なくとも約2,700,000個の分散粒子/mm、少なくとも約2,800,000個の分散粒子/mm、少なくとも約2,900,000個の分散粒子/mm、または少なくとも約3,000,000個の分散粒子/mmの量で存在することができる。いくつかの例では、アルミニウム合金中に存在する分散粒子の平均数は、1mm当たり約1,500,000個の分散粒子~1mm当たり約5,000,000個の分散粒子(例えば、1mm当たり約1,750,000個の分散粒子~1mm当たり約4,750,000個の分散粒子、または1mm当たり約2,000,000個の分散粒子~1mm当たり約4,500,000個の分散粒子)であり得る。アルミニウム合金中の分散粒子は、合金の約0.5%~約5%(例えば、合金の約1%~約4%、または約1.5%~約2.5%)の範囲の面積を占めることができる。
任意選択的に、分散粒子は、約10nm~約600nm(例えば、約50nm~約500nm、約100nm~約450nm、約200nm~約400nm、約10nm~約200nm、または約500nm~約600nm)の平均直径を有することができる。例えば、分散粒子は、約10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、110nm、120nm、130nm、140nm、150nm、160nm、170nm、180nm、190nm、200nm、210nm、220nm、230nm、240nm、250nm、260nm、270nm、280nm、290nm、300nm、310nm、320nm、330nm、340nm、350nm、360nm、370nm、380nm、390nm、400nm、410nm、420nm、430nm、440nm、450nm、460nm、470nm、480nm、490nm、500nm、510nm、520nm、530nm、540nm、550nm、560nm、570nm、580nm、590nm、600nm、またはその間の任意の値の直径を有し得る。
本明細書に記載される合金には、本明細書においてFe含有粒子とも呼ばれるFe-構成物が含まれる。任意選択的に、Feに加えて、Fe-構成物は、Al、Mn、Si、Cu、Ti、Zr、Cr、および/またはMgのうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの例では、Fe-構成物はAl(Fe、X)Si相粒子であり得、XはMn、Cr、Zr、および/またはV、および/またはAlFeSi相粒子であり得る。例えば、Fe-構成物は、AlFe、Al(Fe、Mn)、AlFe、Al12(Fe、Mn)Si、AlCuFe、Al(Fe、Mn)Si、Al(Mn、Fe)、およびAl12(Fe、Mn)Si、のうちの1種以上を含むことができる。)本明細書に記載の遷移元素の存在は、AlFeSi粒子のAl(Fe、X)Si粒子への変換をもたらす。いくつかの例では、回転楕円体粒子であるAl(Fe、X)Si相粒子の数は、フレークまたは針状粒子であるAlFeSi相粒子の数よりも多い。任意選択的に、Fe-構成物の少なくとも50%がAl(Fe、X)Si粒子として存在する(例えば、Fe-構成物の少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%がAl(Fe、X)Si粒子として存在する)。Fe-構成物は、最大約4μmの平均粒径を有し得る。例えば、Fe-構成物は、平均して、約0.1μm~約4μm(例えば、約0.5μm~約3.5μmまたは約1μm~約3μm)の寸法の範囲であり得る。
任意選択的に、Cr、Mn、Zr、および/またはVの含有量および比率は、分散粒子の所望の寸法、タイプ、および分布を形成するように制御され、それにより、成形性および強度が改善される。いくつかの非限定的な例では、Cr対Mnの比(本明細書ではCr/Mn比とも呼ばれる)は、約0.15:1~約0.7:1(例えば、約0.3:1~約0.6:1、または約0.4:1~約0.55:1)であり得る。例えば、Cr/Mn比は、約0.15:1、0.16:1、0.17:1.0、0.18:1.0、0.19:1、0.20:1、0.21;1、0.22:1、0.23:1、0.24:1、0.25:1、0.26:1、0.27:1、0.28:1、0.29:1、0.30:1、0.31;1、0.32:1、0.33:1、0.34:1、0.35:1、0.36:1、0.37:1、0.38:1、0.39:1、0.40:1、0.41:1、0.42:1、0.43:1、0.44:1、0.45:1、0.46:1、0.47:1、0.48:1、0.49:1、0.50:1、0.51:1、0.52:1、0.53:1、0.54:1、0.55:1、0.56:1、0.57:1、0.58:1、0.59:1、0.60:1、0.61:1、0.62:1、0.63:1、0.64:1,0.65:1、0.66:1、0.67:1、0.68:1、0.69:1、または0.70:1であり得る。
いくつかの非限定的な例では、Cr対Vの比(本明細書ではCr/V比とも呼ばれる)は、約0.5:1~約1.5:1(例えば、約0.6:1~約1.4:1、または約0.7:1~約1.3:1)であり得る。例えば、Cr/V比は、約0.50:1、0.51:1、0.52:1、0.53:1、0.54:1、0.55:1、0.56:1、0.57:1、0.58:1、0.59:1、0.60:1、0.61:1、0.62:1、0.63:1、0.64:1、0.65:1、0.66:1、0.67:1、0.68:1、0.69:1、0.70:1、0.71:1、0.72:1、0.73:1、0.74:1、0.75:1、0.76:1、0.77:1、0.78:1、0.79:1、0.80:1、0.81:1、0.82:1、0.83:1、0.84:1、0.85:1、0.86:1、0.87:1、0.88:1、0.89:1、0.90:1、0.91:1、0.92:1、0.93:1、0.94:1、0.95:1、0.96:1、0.97:1、0.98:1、0.99:1、1.0:1,1.1:1,1.2:1、1.3:1、1.4:1、または1.5:1であり得る。
いくつかの非限定的な例では、Cr対Zrの比(本明細書ではCr/Zr比とも呼ばれる)は、約0.5:1~約1.5:1(例えば、約0.6:1~約1.4:1または約0.7:1~約1.3:1)であり得る。例えば、Cr/Zr比は、約0.50:1、0.51:1、0.52:1、0.53:1、0.54:1、0.55:1、0.56:1、0.57:1、0.58:1、0.59:1、0.60:1、0.61:1、0.62:1、0.63:1、0.64:1、0.65:1、0.66:1、0.67:1、0.68:1、0.69:1、0.70:1、0.71:1、0.72:1、0.73:1、0.74:1、0.75:1、0.76:1、0.77:1、0.78:1、0.79:1、0.80:1、0.81:1、0.82:1、0.83:1、0.84:1、0.85:1、0.86:1、0.87:1、0.88:1、0.89:1、0.90:1、0.91:1、0.92:1、0.93:1、0.94:1、0.95:1、0.96:1、0.97:1、0.98:1、0.99:1、1.0:1,1.1:1,1.2:1、1.3:1、1.4:1、または1.5:1であり得る。
いくつかの非限定的な例では、V対Mnの比(本明細書ではV/Mn比とも呼ばれる)は、約0.8:1~約1.4:1(例えば、約0.9:1~約1.3:1または約0.9:1~約1.2:1)であり得る。例えば、V/Mn比は、約0.80:1、0.81:1、0.82:1、0.83:1、0.84:1、0.85:1、0.86:1、0.87:1、0.88:1、0.89:1、0.90:1、0.91:1、0.92:1、0.93:1、0.94:1、0.95:1、0.96:1、0.97:1、0.98:1、0.99:1、1.0:1,1.1:1,1.2:1、1.3:1、1.4:1であり得る。
いくつかの非限定的な例では、V対Zrの比(本明細書ではV/Zr比とも呼ばれる)は、約0.8:1~約1.4:1(例えば、約0.9:1~約1.3:1または約0.9:1~約1.2:1)であり得る。例えば、V/Zr比は、約0.80:1、0.81:1、0.82:1、0.83:1、0.84:1、0.85:1、0.86:1、0.87:1、0.88:1、0.89:1、0.90:1、0.91:1、0.92:1、0.93:1、0.94:1、0.95:1、0.96:1、0.97:1、0.98:1、0.99:1、1.0:1,1.1:1,1.2:1、1.3:1、1.4:1であり得る。
いくつかの非限定的な例では、V対Crの比(本明細書ではV/Cr比とも呼ばれる)は、約0.8:1~約1.4:1(例えば、約0.9:1~約1.3:1または約0.9:1~約1.2:1)であり得る。例えば、V/Cr比は、約0.80:1、0.81:1、0.82:1、0.83:1、0.84:1、0.85:1、0.86:1、0.87:1、0.88:1、0.89:1、0.90:1、0.91:1、0.92:1、0.93:1、0.94:1、0.95:1、0.96:1、0.97:1、0.98:1、0.99:1、1.0:1,1.1:1,1.2:1、1.3:1、または1.4:1であり得る。
アルミニウム合金の機械的特性は、所望の使用に応じて、様々な時効条件によってさらに制御することができる。一例として、合金は、T4調質またはT6調質で製造(または提供)することができる。いくつかの非限定的な例では、提案された合金は、T4で非常に高い成形性と曲げ性を有し、T6調質で非常に高い強度を有する。特定の態様では、アルミニウム合金は、約150MPa~約250MPaの範囲のT4降伏強度を有することができる(例えば、約150MPa、約160MPa、約170MPa、約180MPa、約190MPa、約200MPa、210MPa、約220MPa、約230MPa、約240MPa、または約250MPa)。いくつかの場合では、降伏強度は約185MPa~約195MPaである。
特定の態様では、T4調質における合金は、少なくとも約20%(例えば、約20%~約30%または約22%~約26%)の均一な伸びを提供する。例えば、均一な伸びは、約20%、約21%、約22%、約23、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、または約30%であり得る。任意選択的に、均一な伸びが縦(L)方向で測定される。
任意選択的に、T4調質の合金は、VDA 238-100に従って試験した場合、少なくとも120°の曲げ角度を提供する。例えば、曲げ角度は、約120°~約140°(例えば、120°、121°、122°、123°、124°、125°、126°、127°、128°、129°、130°、131°、132°、133°、134°、135°、136°、137°、138°、139°、または140°)。いくつかの非限定的な例では、Vを含めることで合金の成形性を改善できる。例えば、Vを含む合金は、Vを含有しない合金と比較して最大10°の曲げ角の増加を示す(例えば、少なくとも約5°、少なくとも約6°、少なくとも約7°、少なくとも約8°、少なくとも約9°、少なくとも約10°、またはその間の任意の値の改善を示す)。
特定の態様では、アルミニウム合金は、T6調質で少なくとも約200MPaの降伏強度を有することができる。非限定的な例では、降伏強度は、少なくとも約200MPa、少なくとも約210MPa、少なくとも約220MPa、少なくとも約230MPa、少なくとも約240MPa、少なくとも約250MPa、少なくとも約260MPa、少なくとも約270MPa、少なくとも約280MPa、少なくとも約290MPa、少なくとも約300MPa、少なくとも約310MPa、少なくとも約320MPa、少なくとも約330MPa、少なくとも約340MPa、少なくとも約350MPa、少なくとも約360MPa、少なくとも約370MPa、または少なくとも約375MPaである。いくつかの場合では、降伏強度は、約200MPa~約400MPa、(例えば、約200MPa、約210MPa、約220MPa、約230MPa、約240MPa、約250MPa、約260MPa、約270MPa、約280MPa、約290MPa、約300MPa、約310MPa、約320MPa、約330MPa、約340MPa、約350MPa、約360MPa、約370MPa、または約375MPaである。
特定の態様では、T6調質における合金は、少なくとも約5%(例えば、約5%~約10%または約6%~約9%)の均一な伸びを提供する。例えば、均一な伸びは、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%であり得る。任意選択的に、均一な伸びが縦(L)方向で測定される。
合金製品には、合金製品の表面に再結晶集合組織構成要素も含まれている。例えば、合金製品には、立方体、ゴス、真ちゅう、S、Cu、および回転した立方体((「RC」と呼ばれる)再結晶集合組織構成要素のうちの1種以上が含まれる。任意選択的に、少なくとも約5体積%の回転した立方体組織構成要素が合金製品に存在する(例えば、約5体積%~約20体積%、約6体積%~約18体積%、約8体積%~約15体積%、約10体積%~約13体積%、または約5体積%~約6体積%)。そのような回転した立方体組織構成要素は、合金製品に望ましい曲げをもたらし得る。
アルミニウム合金の調製方法
本発明を限定することを意図するものではないが、アルミニウム合金の特性は、合金の調製中の微細構造体の形成によって部分的に判定される。特定の態様では、合金組成物の調製方法は、合金が所望の用途に適した特性を有するか否かに影響し得るかまたは決定し得る。
鋳造
本明細書に記載される合金は、任意の適切な鋳造方法を使用して鋳造物品に鋳造することができる。例えば、鋳造プロセスは、直接チル(DC)鋳造プロセスを含むことができる。任意選択的に、鋳造プロセスは、連続鋳造(CC)プロセスを含むことができる。次いで、鋳造物品は、さらなる加工ステップに供され得る。例えば、本明細書に記載の加工方法は、均質化、熱間圧延、冷間圧延、および溶体化のステップを含むことができる。いくつかの場合では、加工方法はまた、予備時効ステップおよび/または人工時効ステップも含むことができる。
均質化
均質化ステップは、二段階の加熱プロセスを含むことができる。均質化プロセスの第一段階では、本明細書に記載の合金組成物から調製された鋳造物品は、第一段階の均質化温度(例えば、分散粒子核形成温度)まで加熱することができる。第一段階の均質化温度は、約470℃~約530℃(例えば、約470℃、約480℃、約490℃、約500℃、約510℃、約520℃、約530℃、またはその間のいずれかの値)であり得る。いくつかの場合では、第一の均質化温度までの加熱速度は、約100℃/時間以下、75℃/時間以下、50℃/時間以下、40℃/時間以下、30℃/時間以下、25℃/時間以下、20℃/時間以下、または15℃/時間以下であり得る。他の場合には、第一の均質化温度までの加熱速度は、約10℃/分~約100℃/分(例えば、約15℃/分~約90℃/分、約20℃/分~約80℃/分、約30℃/分~約80℃/分、約40℃/分~約70℃/分、約45℃/分~約65℃/分、)であり得る。
次いで、鋳造物品を、ある時間均熱化する(すなわち、示した温度に保持される)。1つの非限定的な例によれば、鋳造物品は、最大約6時間(例えば、包括的に、約30分~約6時間)の間、均熱化することができる。例えば、鋳造物品は、約470℃~約530℃の温度で、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、またはそれらの間の任意の時間の間、均熱化することができる。
均質化プロセスの第二段階では、アルミニウム合金鋳造物品の温度は、均質化プロセスの第一段階で使用される温度よりも高い温度に上げられる。そのアルミニウム合金鋳造物品の温度は、例えば、均質化プロセスの第一段階中でのアルミニウム合金鋳造物品の温度よりも少なくとも5℃高い温度まで上げられ得る。例えば、鋳造物品は、約525℃~約575℃(例えば、約530℃~約570℃)(例えば約530℃~約570℃または約535℃~565℃の第二段階の均質化温度(例えば、分散粒子粗大化温度)までさらに加熱することができる。場合によっては、第二段階の均質化温度は、第二の均質化ステップにおいて約525℃、約530℃、535℃、約540℃、約545℃、約550℃、約555℃、約560℃、約565℃、約570℃、約575℃、またはその間の任意の値)の温度に加熱され得る。いくつかの場合では、第二段階の均質化温度への加熱速度は、約50℃/時間以下、30℃/時間以下、または25℃/時間以下であり得る。
次いで、アルミニウム合金鋳造物品を、第二段階中である時間均熱化することができる。1つの非限定的な例によれば、鋳造物品は、最大約5時間(例えば、包括的に、約20分~約5時間)の間、均熱化することができる。例えば、鋳造物品は、約525℃~約575℃の温度で約15分、約20分、約30分、約45分、約1時間、約1.5時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、またはその間の任意の値の間で均熱化することができる。
熱間圧延
均質化ステップの後、熱間圧延ステップを行うことができる。特定の場合では、鋳造物品を敷設し、約500℃~約560℃(例えば約510℃~約550℃または約520℃~約540℃)の範囲の入口温度で熱間圧延する。入口温度は、例えば、約505℃、510℃、515℃、520℃、525℃、530℃、535℃、540℃、545℃、550℃、555℃、560℃、またはその間の任意の値であり得る。特定の場合では、熱間圧延出口温度は、約250℃~約380℃(例えば、約275℃~約370℃または約300℃~約360℃)の範囲であり得る。例えば、熱間圧延出口温度は、約255℃、260℃、265℃、270℃、275℃、280℃、285℃、290℃、295℃、300℃、305℃、310℃、315℃、320℃、325℃、330℃、335℃、340℃、345℃、350℃、355℃、360℃、365℃、370℃、375℃、または380℃であり得る。
特定の場合では、鋳造物品は、約4mm~約15mmゲージ(例えば、約5mm~約12mmゲージ)に熱間圧延され、これはホットバンドと称される。例えば、鋳造物品は、15mmゲージ、14mmゲージ、13mmゲージ、12mmゲージ、11mmゲージ、10mmゲージ、9mmゲージ、8mmゲージ、7mmゲージ、6mmゲージ、5mmゲージ、または4mmゲージに熱間圧延できる。圧延されたままのホットバンドの調質は、F調質と呼ばれる。
冷間圧延
冷間圧延ステップは、溶体化ステップの前に合金に任意選択的に適用することができる。特定の態様では、ホットバンドは最終ゲージのアルミニウム合金シートに冷間圧延される。いくつかの実施例では、最終ゲージのアルミニウム合金シートは、4mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.6mm以下、0.5mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下、または0.1mmの厚さを有する。
溶体化
溶体化ステップは、アルミニウム合金シートまたは他の圧延物品を室温から最高金属温度まで加熱することを含むことができる。任意選択的に、最高金属温度は、約520℃~約590℃(例えば、約520℃~約580℃、約530℃~約570℃、約545℃~約575℃、約550℃~約570℃、約555℃~約565℃、約540℃~約560℃、約560℃~約580℃、または約550℃~約575℃)であり得る。アルミニウム合金シートは、この最高金属温度においてある時間均熱化することができる。特定の態様では、アルミニウム合金シートは、最大約2分間(例えば、包括的に、約10秒~約120秒)、均熱化することができる。例えば、シートは、約520℃~約590℃の温度で10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、35秒、40秒、45秒、50秒、55秒、60秒、65秒、70秒、75秒、80秒、85秒、90秒、95秒、100秒、105秒、110秒、115秒、120秒、またはその間の任意の値の、秒で均熱化することができる。
時効
アルミニウム合金シートは、任意選択的に予備時効熱処理を受けることができる。いくつかの実施例では、予備時効は、アルミニウム合金シートを、約80℃~約120℃(例えば、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、またはその間の任意の値)の温度に加熱して、アルミニウム合金シートを巻き取りすることができる。コイル状アルミニウム合金シートは、最大約24時間(例えば、約1時間、約2時間、約6時間、約12時間、約18時間、約24時間またはその間の任意の値)の時間で冷却することができる(すなわち、コイル冷却が実施される)。
次いで、アルミニウム合金シートを自然時効および/または人工時効することができる。いくつかの実施例では、アルミニウム合金シートを、ある時間自然時効させて、T4調質にすることができる。例えば、アルミニウム合金シートは、1週間以上、2週間以上、3週間以上、または4週間以上で自然に時効することができる。
特定の態様では、T4調質のアルミニウム合金シートは、約180℃~225℃(例えば、185℃、190℃、195℃、200℃、205℃、210℃、215℃、220℃、または225℃)である時間人工時効して、T6調質をもたらすことができる。例えば、アルミニウム合金シートは、約15分~約3時間(例えば、15分、30分、60分、90分、105分、2時間、2.5時間、3時間、またはその間の任意の値)の時間で、人工的に時効され、T6調質をもたらすことができる。
使用方法
本明細書に記載の合金、製品、および方法は、商用車、航空機、もしくは鉄道用途などの自動車、電子機器および輸送用途で使用され得る。例えば、合金は、強度を得るために、シャシー、クロスメンバー、およびシャシー内部の部品(商用車シャシーにおける2つのCチャネル間の全ての部品を包含するがそれらに限定されない)に使用することができ、高強度鋼の完全または部分的な代替として機能する。特定の実施形態では、合金は、F、T4、T6、またはT8x調質で使用することができる。特定の態様では、合金は、追加の強度を提供するための剛化材と共に使用される。特定の態様では、合金は、加工温度および操作温度が約150℃以下の用途に有用である。
特定の態様では、本合金および方法は、自動車の車体部品製品を調製するために使用され得る。例えば、本発明の合金および方法は、バンパー、サイドビーム、ルーフビーム、クロスビーム、ピラー補強材(例えば、Aピラー、Bピラー、およびCピラー)、内部パネル、サイドパネル、フロアパネル、トンネル、構造パネル、補強パネル、インナーフード、またはトランクリッドパネルなど、自動車の車体部品を調製するために使用され得る。本開示のアルミニウム合金および方法はまた、航空機、または鉄道車両の用途において、例えば、外部および内部パネルを調製するために使用され得る。
例えば、本明細書に記載の合金および方法はまた、携帯電話およびタブレットコンピュータなどの電子機器用のハウジングを調製するためにも使用され得る。例えば、合金は、陽極酸化の有無にかかわらず、携帯電話(例えば、スマートフォン)、およびタブレットボトムシャーシの外部ケーシング用のハウジングを調製するために使用され得る。例示的な家庭用電化製品としては、携帯電話、オーディオ装置、ビデオ装置、カメラ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、家電製品、ビデオ再生および記録装置などが挙げられる。例示的な家庭用電化製品部品は、家庭用電化製品用の外側ハウジング(例えば、ファサード)および内側部品を含む。
例示
例示1は、約0.8~1.5重量%のSi、0.1~0.5重量%のFe、0.5~1.0重量%のCu、0.5-0.9重量%のMg、最大0.1重量%のTi、最大0.5質量%のMn、最大0.5質量%のCr、最大0.5質量%のZr、最大0.5質量%のV、最大0.15質量%の不純物、およびAlを含むアルミニウム合金である。
例示2は、約0.9~1.4重量%のSi、0.1~0.35重量%のFe、0.6~0.9重量%のCu、0.6~0.9重量%のMg、0.01~0.09重量%のTi、最大0.3重量%のMn、最大0.3重量%のCr、最大0.3重量%のZr、最大0.3重量%のV、最大0.15重量%の不純物、およびAlを含む、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金である。
例示3は、約1.0~1.3重量%のSi、0.1~0.25重量%のFe、0.7~0.9重量%のCu、0.6~0.8重量%のMg、0.01~0.05重量%のTi、最大0.2重量%のMn、最大0.2重量%のCr、最大0.2重量%のZr、最大0.2重量%のV、最大0.15重量%の不純物、およびAlを含む、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金である。
例示4は、アルミニウム合金が、Mn、Cr、Zr、およびVのうちの少なくとも1種を含む、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金である。
例示5は、Mn、Cr、Zr、および/またはVの合計含有量が少なくとも約0.14重量%である、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金である。
例示6は、Mn、Cr、Zr、および/またはVの合計含有量が約0.14重量%~約0.4重量%である、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金である。
例示7は、Mn、Cr、Zr、および/またはVの合計含有量が約0.15重量%~約0.25重量%である、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金である。
例示8は、アルミニウム合金が約0.01~0.3重量%のVを含む、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金である。
例示9は、アルミニウム合金が過剰のSiを含み、過剰のSi含有量が約0.01~約1.0である、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金である。
例示10は、先行または後続する例示いずれかに記載のアルミニウム合金を含む、アルミニウム合金製品である。
例示11は、アルミニウム合金製品が、少なくとも約5%の体積パーセントで回転した立方体結晶組織を含む、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金製品である。
例示12は、アルミニウム合金製品が、少なくとも1mm当たり約1,500,000個の量の分散粒子を含む、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金製品である。
例示13は、分散粒子がアルミニウム合金の約0.5%~約5%の範囲の面積を占める、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金製品である
例示14は、アルミニウム合金製品が、Fe-構成物を含む、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金製品である。
例示15は、Fe-構成物がAl(Fe、X)Si相粒子を含む、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金製品である。
例示16は、Fe-構成物の平均粒子径が最大で約4μmである、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金製品である。
例示17は、アルミニウム合金製品が、T6調質において少なくとも約300MPaの降伏強度を含む、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金製品である。
例示18は、アルミニウム合金製品が、T4調質において少なくとも約20%の均一な伸びおよび少なくとも約120°の最小曲げ角を含む、先行または後続する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金製品である
例示19は、鋳造物品を提供するために例示1に記載によるアルミニウム合金を鋳造することと、鋳造物品を二段階均質化プロセスにおいて均質化することであって、二段階均質化プロセスは、鋳造物品を第一段階の均質化温度に加熱し、鋳造物品を第一段階の均質化温度である時間保持することと、鋳造物品を第二段階の均質化温度にさらに加熱し、鋳造物品を第二段階の均質化温度である時間保持することと、を含む、均質化することと、熱間圧延および冷間圧延して、最終ゲージのアルミニウム合金製品を提供することと、最終ゲージのアルミニウム合金製品の溶体化熱処理することと、最終ゲージのアルミニウム合金製品を予備時効することと、を含む、先行または後続する例示のいずれかによるアルミニウム合金製品を製造する方法である。
例示20は、第一段階の均質化温度が約470℃~約530℃であり、第二段階の均質化温度が約525℃~約575℃であり、第二段階の均質化温度が第一段階の均質化温度よりも高い、先行する例示のいずれかに記載のアルミニウム合金製品を製造する方法である。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するのに役立つが、それを限定するものではない。それどころか、本明細書の説明を読んだ後に、本発明の趣旨から逸脱することなくそれら自体を当業者に示唆し得る様々な実施形態、変更および均等物に頼ることができることを明確に理解されたい。以下の実施例に記載されている研究の間、特記しない限り、従来の手順に従った。説明の目的ために、手順のいくつかを以下に説明する。
実施例1:アルミニウム合金の特性
強度および成形性の試験のために合金が調製された。これらの合金の組成は、下記の表4に提供される。表4の各合金組成では、残りはAlである。
Figure 2024010058000005
合金は、成分をインゴットにDC鋳造し、本明細書に記載の二段階均質化ステップでインゴットを均質化することにより調製した。第1のステップは、最大量の微細な分散粒子(例えば、約10nm未満の直径を有する分散粒子)の核形成を提供した。第2のステップでは、微細な分散粒子を粗大化した。次に、均質化された鋳造物品を敷設し、本明細書に記載の方法によって10mmゲージに熱間圧延した。ホットバンドをコイル状に巻き取って冷却し、次いで2mmゲージに冷間圧延した。次に、溶体化熱処理ステップを560℃で35秒間実施した。シートを100℃に加熱し、1時間均熱化して(例えば、上記のコイル冷却をシミュレートするため)、自然時効を行ってT4調質を達成することにより、予備時効ステップを実施した。その後、T4合金を200℃で30分間時効することにより、T6調質を達成した。
降伏強度、均一な伸び、曲げ角度など、T4調質におけるD1~D6合金の特性を決定した。引張試験は、ASTM B557に従って、合金シートの圧延方向に対して3方向で行い、再結晶中に発生する異方性特性を評価した。降伏強度(「YS」と呼ばれ、ヒストグラムで示される)および均一な伸び(「UE」と呼ばれ、点で示される)は、圧延方向に沿った縦方向(「L」と縦方向の縦縞模様で示される)と、圧延方向に対して90°の横方向(「T」と呼ばれ、横縞で示される)と、圧延方向に対して45°の対角方向(「D」と呼ばれ、十字で示される)と、を図1に示す。降伏強度と均一伸びに基づくグラフで明らかなように、合金は、図2で観察されるように、細長い再結晶粒組織でさえ引張試験を受けた3方向の全てにおいて等方性挙動を示した。均一な伸び値は24%~26%の範囲であり、降伏強度は185MPa~195MPaであった。
図3は、T4およびT6調質における合金D1~D6の降伏強度と均一な伸びを示している。T4調質の合金D1~D6において、組成は降伏強度と均一な伸びにほとんど影響を与えなかった。T6調質の合金D1~D6において、組成は均一伸びに無視できる効果を有し、Vを含む合金では約10MPaの降伏強さの低下を示した。降伏強度の低下は、V含有分散粒子上の溶質析出物の不均質核形成による溶体化中の溶質損失(例えば、Si、Mg、および/またはCu)に起因する可能性がある。
図4は、T4調質における合金D1~D6の曲げ角試験結果を示すグラフである。CrおよびVの添加により、変形(例えば、曲げ、成形、スタンピング、または任意の適切な変形プロセス)中に歪み分布を拡散することにより曲げを改善する多数の微細な分散粒子が生成された。いくつかの場合では、MnがFeおよびSiと結合して、Zr、Cr、および/またはVと比較してMnの拡散性が高いため、分散粒子を形成するのではなく、Fe-構成物を形成および球状化する。Fe-構成物の球状化は、変形中に亀裂を開始する可能性のある細長い(すなわち、針状)微粒子を排除することにより、曲げを改善した。さらに、Vを含有する合金(例えば、合金D4~D6)は、Fe-構成物の球状化により、Vを含まないバリアントと比較して改善した曲げを示した。図5は、T4およびT6調質の合金D1~D6の降伏強度(YS)と曲げ角度(VDA)を比較している。
実施例2:アルミニウム合金の微細構造
図6は、立方体、ゴス、真ちゅう、S、Cu、および回転した立方体(「RC」と呼ばれる)を含む、合金D1~D6の再結晶集合組織構成要素を示している。各合金D1~D6は、組織成分の同様な分布を示し、組成は再結晶集合組織にほとんど影響を与えなかった。驚くべきことに、各合金は比較的大量の回転した立方体組織を示し、その結果、図4および図5に示すように曲げ角度が大幅に改善された。
図7は、T4調質における合金D1~D6の透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示している。TEM画像から明らかなように、各合金に分散粒子が形成されている(明るい白色の粒子として表示される)。合金D4(CrおよびVを含む)は、CrおよびVの拡散率が比較的低いため、より多くの分散粒子を示した。同様に、合金D5およびD6は、MnおよびZrの比較的高い拡散率のために、より少ない数の分散粒子を示した。したがって、合金D6は、Fe-構成物に組み込まれるMnの親和性と、Mn分散粒子だけを形成するのではないために、より少ない量の分散粒子を示した。図8は、T4調質の合金D1~D6の分散粒子数密度(ヒストグラム)と面積分率(白丸)を示す。Vを含有しない合金(合金D1~D3)は、同様の分散粒子数密度を示した。合金D2(遷移金属合金化元素としてCrのみを組み込んだ)は、合金D1およびD3(MnおよびCrを組み込んだD1と、ZrおよびCrを組み込んだD3)と比較して、より高い分散粒子面積分率を示した。合金D4(CrおよびVを組み込んだ)は、最高の分散粒子数密度と最高の分散粒子面積分率を示した。
図9は、T4調質における合金D1~D6の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。SEM画像で明らかなのは、Fe-構成物の形成である。(明るい白色の細長い微粒子として示されている)。合金D1~D6のそれぞれは、図10に示すように、同量のFe-構成物の形成と、同様のFe-構成物粒径分布を示した。前述のように、遷移金属合金化元素を使用すると、Feの一部を置換することによってFe-構成物(例えば、AlFeSi)の形成が減少し、したがって球状のAl(Fe、X)Si成分が形成される。過剰なSiの存在と低い均質化温度(例えば、約500℃)での処理により、各合金はAlFeSi(細長い微粒子)を示し続け、遷移金属合金化元素を使用しない合金では寸法と粒度分布が減少した。いくつかの態様では、遷移金属合金化元素を含有しない合金のAlFeSi成分は、遷移金属合金化元素を含有する合金で観察されるAlFeSi成分よりも大きい寸法を示した。Fe-構成物の寸法と粒度分布を、アルミニウム合金シートの表面から約0.5mmの深さで評価した(グラフで「QT」と表示されている、クォーター厚と呼ばれる)。
図11は、合金D1の光学顕微鏡(「OM」と呼ばれる)およびSEM画像を示している。合金D1は、鋳造後に、上記のように、1時間で50℃~560℃の温度勾配をつけ、2時間均熱化し、続いて熱間圧延、冷間圧延、溶体化、予備時効、および自然時効を含む一段階均質化を行った。OM画像で明らかなのは、合金D1におけるMgSiの初期溶融および/または共晶溶融である(暗い領域として表示)。SEM画像は、均質化中に合金に形成されたボイドが暗い領域であることを示している。エネルギー分散型X線分光法(EDXS)は、ボイド内にFe-構成物が存在することを示した(明るい微粒子として表示)。本明細書に記載される例示的な二段階均質化を採用することにより、遷移金属合金化元素がアルミニウム合金組成物に組み込まれる場合の初期溶融および/または共晶溶融を排除することができる。
上に引用された全ての特許、刊行物、および要約は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の様々な実施形態は、本発明の様々な目的を達成するために記載されている。これらの実施形態は、本発明の原理の単なる例示であることが認識されるべきである。多くの変更およびその適合は、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者には容易に明らかであろう。

Claims (20)

  1. 0.8~1.5重量%のSi、0.1~0.5重量%のFe、0.5~1.0重量%のCu、0.5~0.9重量%のMg、最大0.1重量%のTi、最大0.5重量%のMn、最大0.5重量%のCr、最大0.5重量%のZr、最大0.5重量%のV、最大0.15重量%の不純物、およびAlを含むアルミニウム合金。
  2. 0.9~1.4重量%のSi、0.1~0.35重量%のFe、0.6~0.9重量%のCu、0.6~0.9重量%のMg、0.01~0.09重量%のTi、最大0.3重量%のMn、最大0.3重量%のCr、最大0.3重量%のZr、最大0.3重量%のV、最大0.15重量%の不純物、およびAlを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  3. 1.0~1.3重量%のSi、0.1~0.25重量%のFe、0.7~0.9重量%のCu、0.6~0.8重量%のMg、0.01~0.05重量%のTi、最大0.2重量%のMn、最大0.2重量%のCr、最大0.2重量%のZr、最大0.2重量%のV、最大0.15重量%の不純物、およびAlを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  4. 前記アルミニウム合金が、Mn、Cr、Zr、およびVのうちの少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  5. Mn、Cr、Zr、および/またはVの合計含有量が少なくとも0.14重量%である、請求項4に記載のアルミニウム合金。
  6. Mn、Cr、Zr、および/またはVの前記合計含有量が0.14重量%~0.4重量%である、請求項5に記載のアルミニウム合金。
  7. Mn、Cr、Zr、および/またはVの前記合計含有量が0.15重量%~0.25重量%である、請求項5または6に記載のアルミニウム合金。
  8. 前記アルミニウム合金が0.01~0.3重量%のVを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  9. 前記アルミニウム合金が過剰のSiを含み、過剰のSi含有量が0.01~1.0である、請求項1~8のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載のアルミニウム合金を含むアルミニウム合金製品。
  11. 前記アルミニウム合金製品は、少なくとも5%の体積パーセントで回転した立方体の結晶学的組織を含む、請求項10に記載のアルミニウム合金製品。
  12. 前記アルミニウム合金製品が、1mm当たり少なくとも1,500,000個の分散粒子の量の分散粒子を含む、請求項10に記載のアルミニウム合金製品。
  13. 前記分散粒子が、前記アルミニウム合金製品の0.5%~5%の範囲の面積を占める、請求項12に記載のアルミニウム合金製品。
  14. 前記アルミニウム合金製品が、Fe-構成物を含む、請求項10~13のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
  15. 前記Fe-構成物がAl(Fe、X)Si相粒子を含む、請求項14に記載のアルミニウム合金製品。
  16. 前記Fe-構成物の平均粒径が最大4μmである、請求項14または15に記載のアルミニウム合金製品。
  17. 前記アルミニウム合金製品が、T6調質において少なくとも300MPaの降伏強度を含む、請求項10~16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
  18. 前記アルミニウム合金製品が、T4調質において少なくとも20%の均一な伸びおよび少なくとも120°の最小曲げ角を含む、請求項10~16のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製品。
  19. アルミニウム合金製品を製造する方法であって、
    請求項1に記載のアルミニウム合金を鋳造して鋳造物品を形成することと、
    二段階均質化プロセスにおいて前記鋳造物品を均質化することであって、前記二段階均質化プロセスは、前記鋳造物品を第一段階の均質化温度に加熱し、前記鋳造物品を前記第一段階の均質化温度である時間保持することと、前記鋳造物品を第二段階の均質化温度にさらに加熱し、前記鋳造物品を前記第二段階の均質化温度である時間保持することと、
    熱間圧延および冷間圧延して最終ゲージのアルミニウム合金を提供することと、
    前記最終ゲージのアルミニウム合金製品を溶体化熱処理することと、
    前記最終ゲージのアルミニウム合金製品を予備時効することと、を含む、方法。
  20. 前記第一段階の均質化温度が470℃~530℃であり、前記第二段階の均質化温度が525℃~575℃であり、前記第二段階の均質化温度が前記第一段階の均質化温度よりも高い、請求項19に記載の方法。
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