JP2013525251A - ジ塩素の製造用プロセス及びシステム - Google Patents

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Abstract

本件開示は、ジ塩素(Cl)の製造用プロセス及びシステムであって、希土類金属オキシクロライドをHClと、プロセスの塩素化段階の間に、第一の温度で反応させて、希土類金属塩化物及びHOを生成させ;HOを、希土類金属塩化物から除去し、そして希土類金属塩化物をOと、プロセスの酸化段階の間に、第一の温度よりも高い第二の温度で反応させて、Cl及び希土類金属オキシクロライドを生成させることを含むプロセス及びシステムを提供する。
【選択図】図1

Description

本件開示は、一般的にジ塩素(dichlorine)、更に詳しくはジ塩素の製造用プロセス及びシステムに関する。
塩酸(HCl)のジ塩素(Cl)への酸化的転化のための伝統的なディーコン(Deacon)化学は、制限された平衡である。ジ塩素の高い転化率が最も好ましい、より低い温度では、殆どの従来の触媒系、例えば銅又はルテニウムから構成されたものを超えるディーコン反応の接触反応速度(catalytic kinetics)は遅すぎ、他方、顕著な反応が起こり得る高い温度では、ジ塩素の生成は制限された平衡である。
本件開示の態様は、ジ塩素(Cl)の製造用プロセス及びシステムを提供する。種々の態様について、ジ塩素の製造用プロセスには、希土類金属オキシクロライドを塩酸(HCl)と、このプロセスの塩素化段階の間に、第一の温度で反応させて、希土類金属塩化物及び水(HO)を生成させる工程、希土類金属塩化物からこの水を除去する工程並びにこの希土類金属塩化物を酸素(O)と、このプロセスの酸化段階の間に、第一の温度よりも高い第二の温度で反応させて、ジ塩素及び希土類金属オキシクロライドを生成させる工程が含まれる。種々の態様について、この酸化段階からの希土類金属オキシクロライドは、このプロセスの塩素化段階において使用することができる。種々の態様について、この希土類金属オキシクロライドの例は、オキシ塩化ランタン(LaOCl)であり、希土類金属塩化物の例は、三塩化ランタン(LaCl)である。
種々の態様について、希土類金属塩化物から水を除去する工程には、希土類金属塩化物を不活性ガスでパージして、水を除去することが含まれる。本件開示に従って希土類金属塩化物から除去された水は、本明細書において定義されるような一次水(primary water)及び/又は残留水であってよい。本件開示の態様は、塩素化段階において、塩酸を、希土類金属オキシクロライド上に及び/又は希土類金属オキシクロライドを通して通過させること並びに酸化段階において、酸素を、希土類金属塩化物上に及び/又は希土類金属塩化物を通して通過させることも可能にする。或る態様において、希土類金属塩化物を塩素化段階から酸化段階へ輸送することができ、そして希土類金属オキシクロライドを酸化段階から塩素化段階へ輸送することができる。種々の態様について、希土類金属オキシクロライド及び希土類金属塩化物は、第一の温度及び第二の温度で、固体、非液体状態に留まっている。
種々の態様について、ジ塩素を製造するシステムは、第一の入口及び第一の出口を有する塩素化反応器;塩素化反応器内の希土類金属オキシクロライド(ここで、塩素化反応器の第一の入口と第一の出口との間を移動するHClは、第一の温度で希土類金属オキシクロライドと反応して、希土類金属塩化物及び水を生成する);希土類金属塩化物を含有し、第二の入口及び第二の出口を有する酸化反応器(ここで、酸化反応器の第二の入口と第二の出口との間を移動する酸素は、第一の温度よりも高い第二の温度で希土類金属塩化物と反応して、希土類金属オキシクロライド及びジ塩素を生成する);塩素化反応器と酸化反応器とを連結する導管(ここで、塩素化反応器からの希土類金属塩化物は、導管を通って酸化反応器へ移動し、酸化反応器内の希土類金属オキシクロライドは、導管を通って塩素化反応器へ移動する);導管を通って塩素化反応器から酸化反応器へ移動する希土類金属塩化物から水をパージするパージシステム並びに塩素化反応器及び酸化反応器のそれぞれに付随する加熱器(ここで、この加熱器は、塩素化反応器内の希土類金属塩化物を第一の温度まで少なくとも部分的に加熱し、そして酸化反応器内の希土類金属オキシクロライドを第二の温度まで少なくとも部分的に加熱する)を含んでいてよい。
種々の態様について、希土類金属はランタノイドである。一つの態様において、このランタノイドはランタンである。種々の態様について、この触媒には銅(Cu)は含まれない。種々の態様について、この触媒にはルテニウム(Ru)は含まれない。
定義
本明細書中に使用される「ジ塩素」は、0℃及び100kPaの絶対圧力の標準温度及び圧力での塩素ガス(Cl)として、定義される(IUPAC)。
本明細書中に使用される「℃」は、セルシウス度として、定義される。
本明細書中に使用される「KPa」は、圧力のキロパスカル単位として、定義される。
本明細書中に使用される「環境圧力」は、本件開示のプロセス及び/又はシステムが運転される外部環境の圧力として、定義される。
本明細書中に使用される「一次水(primary water)」は、本件開示の希土類金属触媒に結合及び/又は会合していない、(蒸気状態又は液体状態での)遊離の水として定義される。
本明細書中に使用される「残留水」は、本件開示の希土類金属触媒の表面に、吸着された分子状水又は結合されたヒドロキシル基の形での水として、希土類金属触媒に結合及び/又は会合されている水として定義される。
本明細書中に使用される冠詞(a, an, the)、「少なくとも1個(種)」及び「1個(種)又はそれ(種)以上」は、互換的に使用される。用語「を含んでなる」及びその変形は、これらの用語が説明及び特許請求の範囲中に記載される場合、限定する意味を有しない。従って、例えば塩素化反応器を有するシステムは、このシステムは「1個又はそれ以上」の塩素化反応器を含有することを意味すると解釈することができる。
本明細書中に使用される用語「及び/又は」は、挙げられた要素の1個、1個より多い又は全てを意味する。
また、本明細書において、終点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される全ての数値を含む(例えば1〜5は1、1.5、2、2.75、3.80、4、5などを含む)。
図1は、本件開示の態様に従ったジ塩素の製造システムの図解を提供する。 図2は、本件開示の態様に従ったジ塩素の製造システムの図解を提供する。 図3は、本件開示の態様に従ったジ塩素の製造システムの図解を提供する。 図4は、本件開示に従った時間の関数としてのHCl転化率のプロットを提供する。 図5は、本件開示に従った希土類触媒化学量論の関数としてのHCl転化率のプロットを提供する。 図6は、本件開示の態様に従ったジ塩素の製造システムの図解を提供する。 図7は、本件開示に従った希土類金属触媒の温度プログラム化酸化からの正規化した塩素発生結果を提供する。
本件開示の態様は、ジ塩素(Cl)を製造するプロセス及びジ塩素を製造するシステムを提供する。本件開示の態様は、二段階プロセスにおいて、希土類触媒を使用することによって、ディーコン反応の熱力学を克服する。本件開示の態様は、本件開示の希土類触媒が、担体を必要とせず、銅系触媒に比較して、高温度で一層安定であり、失活する傾向が小さいので、ジ塩素への塩酸(HCl)の銅系触媒酸化の制限も克服する。
本願における図面は、最初の数字が図面番号に対応し、残りの数字群が図面中の要素又はコンポーネントを同定するという、番号付け慣例に従う。異なった図面の間の類似の要素又はコンポーネントは、類似の数字の使用によって同定することができる。例えば110は、図1中の要素「10」を参照することができ、類似の要素は、図2において210として参照することができる。認識されるように、ここで種々の態様中に示される要素は、本件開示の追加の態様を提供するように、付加され、交換され及び/又は削除されることができる。更に、認識されるように、図面中に示される要素の比率及び相対尺度は、本発明の態様を例示することを意図しており、限定する意味に取られるべきではない。
ジ塩素は、ディーコン反応と呼ばれる反応を用いて、酸素によるHClの接触酸化によって製造することができる。
Figure 2013525251
ディーコン反応においては銅系触媒が使用されてきたが、これらは種々の欠点を有する。これらには、制限された活性、活性制限を克服するために温度を上昇させたとき、約400℃より高い温度での塩化銅の蒸発に起因する迅速な失活及び生成物HOと共に未反応のHClが存在することに起因する腐食問題が含まれる。事実、他の金属がディーコン反応に触媒作用すると予想し得ることとは無関係に、一段プロセスは、熱力学が、関連する反応速度論の温度で、この反応についてHClの転化率に課す制限を欠点として有する。
銅系触媒の失活を最小にしながら、ジ塩素へのHClの転化率を改良する試みにおいて、銅系触媒を使用する二段階反応器システムも示唆された。このようなシステムは、通常、2個反応器システムの形を取り、この場合、2個の反応器の一方は、他方の反応器よりも高い温度で運転される。幾つかの態様において、これらの二段階反応器システムの使用は、ディーコン反応を、(1)塩素化及び(2)酸化の2個のコンポーネント反応段階に更に分割し、この場合、塩素化反応(1)はより低い温度で実施され、酸化反応(2)はより高い温度で実施される。
Figure 2013525251
二段階反応器システムでも、銅系触媒は、ジ塩素にHClを転化させる際の性能問題を示し続ける。例えば銅系触媒は担体を必要とし、この担体は、必然的に、所定量の触媒について実際の触媒(即ち銅系化合物)の量を最小にする。銅系触媒は、触媒の接触活性を改良するための試みにおいて促進剤も使用する。また、銅系触媒は、塩化銅蒸発のために触媒失活の傾向があり得る。その結果、反応(1)及び/又は(2)の度合が制限される。銅系触媒は、液体塩化銅溶融物の形成に起因する腐食の問題を起こし得る。二段階反応器システムは、塩素化の間のHCl遊離に起因する塩素製品のHCl汚染の欠点も有し続ける。その結果、HClは、ジ塩素の製品流から除去しなくてはならない、望ましくない副生物のままである。
本件開示の態様は、銅系触媒により、HClをジ塩素へ転化させる際に見出される、これらの性能問題を克服することができる。銅を使用することとは反対に、本件開示の態様は、希土類触媒を使用する。種々の態様について、本件開示の希土類触媒は、銅系触媒で使用されるものよりも著しく高い、塩素化段階及び酸化段階の両方の運転温度を可能にする。種々の態様について、本件開示の態様において使用される希土類触媒は、銅系触媒と比較してより高い熱安定性を有する。このことは、とりわけ、二段階反応の酸化フェーズの間のジ塩素の製造に有利であり得る平衡におけるシフトを可能にする。
更に、本件開示の態様において使用される希土類触媒は、銅系触媒での場合のような担体を必要としない。種々の態様について、このことは、反応器内で、銅系触媒及び/又はルテニウム系触媒と比較してより高い、希土類触媒の載荷密度を可能にする。より高い載荷密度に加えて、希土類触媒の使用は、運転条件のより広い範囲(例えばより高い運転温度)を可能にし、これは、銅系触媒反応システムに比較して、HClからのジ塩素の製造において随伴する改良を提供することができる。
種々の態様について、本件開示に従ったジ塩素の製造プロセスには、希土類金属オキシクロライドの形での希土類触媒をHClと、このプロセスの塩素化段階の間に、第一の温度で反応させて、希土類金属塩化物及び水(HO)を生成させることが含まれる。種々の態様について、この水は、希土類金属塩化物から除去され、この希土類金属塩化物は、酸素(O)と、このプロセスの酸化段階の間に、第一の温度よりも高い第二の温度で反応させられて、ジ塩素(Cl)及び希土類金属オキシクロライドを生成させる。本件開示に従って、希土類金属塩化物から除去された水は、本明細書において定義されるような一次水及び/又は残留水であってよい。ジ塩素を製造するサイクルが繰り返されるとき、次いで、この希土類金属オキシクロライドは、プロセスの塩素化段階において再び使用することができる。種々の態様について、希土類金属オキシクロライド及び希土類金属塩化物は、第一の温度及び第二の温度で、固体、非液体状態に留まっている。
種々の態様について、本件開示の希土類触媒には、IUPAC元素の周期表2007年6月22日付けバージョンに従った原子番号56〜71を有する元素(即ちBa、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLu)を含む、ランタニドのオキシクロライド及び/又は塩化物形を含むことができる。本件開示の希土類触媒には、銅(Cu)は含まれない。本件開示の希土類触媒には、ルテニウム(Ru)は含まれない。
種々の態様について、本件開示の希土類触媒は、本件開示のプロセス及びシステムにおいて、酸化状態(例えばオキシクロライド状態)と塩素化状態(例えば塩化物状態)との間で循環させることができる。例えば希土類触媒としてランタン(La)が選択されるとき、これは、式LaO(3−y)/2Cl(式中、yは好ましくはオキシクロライド状態(LaOCl)について1に等しく、塩化物状態(LaCl)について3に等しい)によって表される種々のオキシクロライド状態及び塩化物状態で存在し得る。一般式LaO(3−y)(3−y)Clによって表されるランタンの中間水和状態(残留水)が、一般式LaO(3−y)/2Clの物質と平衡状態で存在し得る。例えばオキシクロライドLaOClは式LaOClによって表される、残留水を有する物質と平衡状態で存在し得る。
ランタニド類、例えばランタン(La)は、酸素、HCl及び塩素の存在下で、希土類金属塩化物状態(LaCl)と希土類金属オキシクロライド状態(LaOCl)又は等価水和物状態との間で相互転化することが見出された。希土類金属の状態は、このプロセスにおけるジ塩素(又はHCl)及びO(又はHO)の相対的環境(relative environment)によって決定することができる。このプロセスは、平衡によって指示されるが、動的プロセスにおいてフロー反応器内で克服することもできる。例えば希土類金属塩化物状態(例えばLaCl)はO、遊離Clの存在下で希土類金属オキシクロライド状態(例えばLaOCl)に転化でき、そしてLaOClはHCl、遊離HOの存在下でLaClに転化できる。
希土類触媒のこれらの2種の状態は、酸化剤及び塩素剤が共に存在するとき平衡によって制御されるが、希土類触媒は塩素及び/又は酸素貯蔵材料として使用することもできる。それで、例えば「ディーコン様」反応は、ディーコン反応の平衡制限又は材料相の平衡を分割する二段階プロセスにおいて実施することができる。
例えば本件開示の態様はディーコン反応を2個の段階(塩素化段階及び酸化段階)(これらは一緒になって、HClの流れをジ塩素に転化させる)に分割することができることを提供する。種々の態様について、ディーコン反応を2個の段階に分割することによって、本件開示の希土類触媒の使用により、それぞれの段階において見出される平衡を有利に使用することが可能になる。例えば希土類触媒がランタン(La)から誘導されるとき、下記の塩素化段階(A)反応及び酸化段階(B)反応:
Figure 2013525251
に従って、酸素及び塩素の存在下で、希土類金属塩化物状態(LaCl)と希土類金属オキシクロライド状態(LaOCl)との間で相互転化することができ、この場合、塩素化段階(A)の間にオキシクロライド状態にあるランタン(LaOCl)とHClとが反応して、それを塩化物状態にあるランタン(LaCl)に転化させる。種々の態様について、塩素化段階(A)において製造された塩化物状態にあるランタンは、酸化状態(B)において酸素(O)と反応して、ジ塩素を遊離させながら、塩化物状態にあるランタンをオキシクロライド状態にあるランタンに転化させる。それで、正味の化学(net chemistry)は、下記のように書くことができる。
Figure 2013525251
ディーコン反応を塩素化段階(A)反応と酸化段階(B)反応とに分割することによって、それぞれの相の転化は、もはや、システムの平衡熱力学的制約によって指示されない。それで、残るプロセス制限は相の反応速度論的相互転化である。
種々の態様について、塩素化段階(A)において生成された水は、酸化段階(B)反応の前に、希土類金属塩化物から除去される。これは、希土類金属が、続く酸化段階(B)反応のためにその塩化物状態に留まり、乾燥ジ塩素流を製造することを、より良く確実にする。それで、種々の態様について、希土類金属塩化物から水を除去することは、希土類金属塩化物を不活性ガスと共にパージすることによって達成できる。種々の態様について、希土類金属塩化物から水をパージすることは、不活性ガスを、塩素化段階(A)において製造された希土類金属塩化物(例えばLaCl)上に及び/又はこれを通して通過させることによって達成される。種々の態様について、この不活性ガスは、1重量%よりも少ない水含有量、好ましくは0.5重量%よりも少ない水含有量、最も好ましくは0.1重量%よりも少ない水含有量を有することができる。
適切な不活性ガスの例には、これらに限定するものではないが、窒素ガス(N)、貴ガス(例えばヘリウム)、酸素、メタン及びこれらの組合せが含まれる。幾つかの態様において、空気温度が、希土類金属塩化物を加水分解するように充分に高いが、希土類金属塩化物を希土類酸化物に転化させないように充分に低い場合に、空気及び/又は酸素が好ましい不活性ガスであり得る。種々の態様について、不活性ガスを使用することに加えて、塩素化段階(A)において製造される希土類金属塩化物を取り囲む雰囲気を乾燥すること又は希土類金属塩化物と接触する前に入ってくる不活性ガス流を乾燥することを助けることができる他の乾燥化合物(例えば固体乾燥剤及び/又は液体乾燥剤)を使用することも可能であろう。更に、塩素化段階(A)において製造される希土類金属塩化物を取り囲む雰囲気の圧力を、塩素化段階(A)において製造される希土類金属塩化物を乾燥状態に確保する及び/又は維持するための努力において変更する(例えば低下させる)こともできる。希土類金属塩化物は、その水和状態と平衡状態で存在し得るので、パージ後の希土類金属塩化物についての水含有量は、酸化温度で、ジ塩素流中の水を、酸化状態(B)の間の好ましい態様レベルにまで制限する、加水分解された固体中に含有される水のレベルとして定義される。種々の態様について、酸化状態(B)において製造されるジ塩素ガスは、1重量%よりも少ない水含有量、好ましくは0.5重量%よりも少ない水含有量、最も好ましくは0.1重量%よりも少ない水含有量を有することができる。
本件開示の態様において使用する希土類触媒は、担体を使用してもよく、使用しなくてもよい。担体を使用する場合、この担体材料には、これらに限定するものではないが、いくつかある化合物の中でもとりわけ、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア又はこれらの混合物が含まれてよい。種々の態様について、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア又はこれらの混合物の担体を含有する希土類触媒を形成することは、希土類塩(群)(例えばランタニド塩、例えば塩化ランタン)を、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア又はこれらの混合物の担体の中に含浸させることによって達成することができる。代替態様において、担体を含有する希土類触媒は、希土類塩(群)と担体化合物との共沈殿によって形成することができる。種々の態様について、本件開示の希土類触媒は担体上に5重量%よりも多い希土類金属の担持量を有することができる。
好ましくは、本件開示の希土類触媒は、担体として触媒活性が生じる界面の下に存在する希土類金属を使用する。種々の態様について、これによって、非銅担体を必要とする銅系触媒に比較して大きい、触媒の重量当たりの塩素貯蔵容量が可能になる。次いで、塩素貯蔵容量におけるこの増加は、希土類触媒の与えられた重量について、改良されたジ塩素製造効率に転換される。
種々の態様について、本件開示の希土類触媒は、本明細書中で検討されるように、充填床又は固定床反応器内で使用して、圧力揺動又は循環モードで運転することができる、ペレット、押出物又は他の形成形状に成形することができる。追加の態様において、本件開示の希土類触媒は、例えばスプレー乾燥プロセスにより、ライザー(riser)又はリジェネレーター(regenerator)移動床型システム内で空気によって輸送されることに相応する粒子サイズ分布を有する流動性材料に成形することができる。このような形の例には、これらに限定されないが、ゲルダート(Geldart)粉末(ゲルダートB粉末が好ましい)が含まれる。
ランタニドをベースにする希土類触媒は、塩化銅が液化するのよりも高い温度で運転することが可能であり、従って、システムからの高価な金属損失を減少させながら、潜在的により高い反応速度論的速度に近づくであろう。運転の温度は、潜在的に、希土類触媒の融点以下の範囲であってよい。例えば三塩化ランタン(LaCl)を使用するとき、827℃以下であってよい。しかしながら、好ましくは三塩化ランタンを使用するとき、運転温度は327℃〜727℃である。
種々の態様について、このプロセスの塩素化段階(A)の間に希土類金属オキシクロライドをHClと反応させることは、好ましくは100℃〜500℃の範囲内、更に好ましくは300℃〜450℃の範囲内、最も好ましくは350℃〜450℃の範囲内の第一の温度で起こり得る。種々の態様について、このプロセスの塩素化段階(A)のための反応圧力は、100KPa〜20000KPa、更に好ましくは150KPa〜10000KPa、最も好ましくは200KPa〜5000KPaの範囲内であってよい。
種々の態様について、本件開示のプロセスの独特の利点は、ジ塩素を製造するプロセスが、HClとHOとが共沸混合物を形成し得ると言う事実のために問題になり得る、塩素化段階(A)の前及び/又は後に分離しなくてはならないHCl及びHOを必要としないことである。実際に、塩素化段階での水の存在は、必ずしも、ジ塩素の製造のために問題にはならないので、この反応の塩素化段階(A)の間に、80重量%以下の水を有するHClを供給することが可能である。この方式で、HCl/HOの共沸組成物は破壊され得、ジ塩素を製造することができる。
種々の態様について、このプロセスの酸化段階(B)の間に希土類金属塩化物を酸素と反応させることは、好ましくは500℃〜827℃の範囲内、更に好ましくは550℃〜800℃の範囲内、最も好ましくは600℃〜750℃の範囲内の第二の温度で起こり得る。種々の態様について、このプロセスの酸化段階(B)のための反応圧力は、100KPa〜20000KPa、更に好ましくは150KPa〜10000KPa、最も好ましくは200KPa〜5000KPaの範囲内であってよい。
酸化段階(B)の間に、二塩化物(dichloride)を遊離させるために、パージガスを使用することができる。種々の態様について、このパージガスには、酸素(O)が含まれてよく、この酸素は、パージガスとして(即ち純粋な酸素として)供給することができ、そして/又は不活性ガス、とりわけ、例えばCO及びNと共に含有させることができる。次いで、二塩化物をパージガスから分離することは、1個又はそれ以上の凝縮器の使用によって達成することができる。種々の態様について、酸化段階(B)において製造されたジ塩素は、「乾燥」しており、これは、ジ塩素が1重量%よりも少ない水を有すること、更に好ましくはジ塩素が0.5重量%よりも少ない水を有すること、最も好ましくは酸化段階(B)において製造されたジ塩素が0.1重量%よりも少ない水を有することを意味する。
種々の態様について、本件開示のプロセス及びシステムは、ジ塩素を製造し、塩素化段階(A)及び酸化段階(B)を使用して、ディーコン反応の化学を分断することができる。種々の態様について、この二段階は、単一反応器内で又は2個若しくはそれ以上の反応器内で実施することができる。本件開示に従ってディーコン反応を分断することによって、ディーコン反応の平衡制約を克服することが可能になり、触媒損失を制限するために低揮発性固体材料を利用しながら、伝統的なディーコン反応に比較したとき、より高い、ジ塩素への塩酸の転化率が可能になる。
種々の態様について、この二段階プロセスは、HClから二塩化物を製造することができる。前記の塩素化段階(A)の反応によって示されるように、希土類金属塩化物に加えて、水が製造される。種々の態様について、塩素化段階(A)において製造された水は、反応の酸化段階(B)の前に、希土類金属塩化物から分離することができる。ジ塩素を製造するための酸化段階(B)反応の前に希土類金属塩化物から水及びHClを分離することによって、水/HCl共沸混合物の高エネルギー蒸留のための必要性を排除することができる。伝統的なディーコン反応とは違って、本件開示のプロセスは、塩素化段階(A)におけるHCl/水の先行する分離を想定せず、酸化段階(B)の前に、希土類金属塩化物をHCl/水から分離することのみを想定する。更に、塩素化段階(A)反応の熱力学は、HClが、正しい条件下で希土類金属オキシクロライドを使用して「乾燥」できることを示唆している。これは、所望により、HCl/水共沸混合物を破壊するための方法論を提供できる。
種々の態様について、本件開示の態様において希土類触媒を使用することによって、本明細書において検討されているように、広範囲の運転条件を、HClの流れをジ塩素に転化させるために二段階プロセスにおいて使用することが可能になる。種々の態様について、本件開示の二段階プロセスは、二塩化物を製造するための種々のシステムにおいて実施することができる。このようなシステムの例には、これらに限定されないが、反応全体の段階について、供給物組成の切り替え、反応器圧力の変更及び/又は反応器温度の変更を可能にする、温度及び/若しくは圧力揺動モードで運転される固定床反応器(群)並びに/又は流動床反応器が含まれる。本件開示の態様には、使用すべき2個又はそれ以上の反応器の使用も含まれ、この場合、それぞれの反応器の環境、温度及び圧力は、本件開示の二段階プロセスを達成するように制御することができる。種々の態様について、二段階プロセスの間に、希土類触媒を反応器の間で輸送できるように、2個又はそれ以上の反応器を相互連結できることも可能である。
ここで図1を参照して、本件開示に従ったジ塩素の製造のためのシステム100の態様が示されている。図示されるように、システム100には、塩素化反応器102及び酸化反応器104が含まれている。種々の態様について、塩素化反応器102及び酸化反応器104は、それぞれ、移動流動床反応器であってよい。
種々の態様について、塩素化反応器102には、第一の入口106及び第一の出口108が含まれている。種々の態様について、酸化反応器104には、第二の入口110及び第二の出口112が含まれている。塩素化反応器102及び酸化反応器104には、本明細書において検討されているような、希土類触媒114も含まれている。種々の態様について、希土類触媒114は、反応器の長さに沿って、希土類金属オキシクロライド及び希土類金属塩化物の両方の形態で存在していてよい。例えば希土類触媒114は、塩素化反応器102の第一の入口106付近では希土類金属オキシクロライド状態が多く存在していてよく、第一の出口108の近くでは希土類金属塩化物状態が多く存在していてよい。同様に、希土類触媒114は、酸化反応器104の第二の入口110付近では希土類金属塩化物状態が多く存在していてよく、第二の出口112の近くでは希土類金属オキシクロライド状態が多く存在していてよい。
種々の態様について、塩素化反応器102内の塩素化段階(A)反応の間に、塩酸がポンプ輸送されて、塩素化反応器102の第一の入口106と第一の出口108との間を移動する。種々の態様について、塩素化段階内の希土類金属オキシクロライド上を通過する塩酸は、本明細書において検討されているように、第一の温度で希土類金属オキシクロライドと反応して、希土類金属塩化物及び水を形成する。種々の態様について、次いで、未反応の塩酸及び水は、第一の出口108を経て塩素化反応器102から出ることができる。本明細書において検討されているように、未反応の塩酸と水とは、ジ塩素を製造できるように、システム100について分離する必要は無い。更に、未反応の塩酸及び水を、第一の入口106を経て塩素化反応器102の中に戻すことが可能である。通常の凝縮方法により、水の幾らかを循環の前に除去することも望ましいであろう。認められるように、未反応の塩酸及び水を第一の入口106を経て塩素化反応器102に戻すとき、追加の塩酸をこの流れに添加して、塩素化反応器102内に適切な反応化学量論が存在することをより良く確実にすることができる。
種々の態様について、酸化反応器104内の酸化段階(B)反応の間に、酸素がポンプ輸送されて、酸化反応器104の第二の入口110と第二の出口112との間を移動する。種々の態様について、酸化段階内の希土類金属塩化物を通過する酸素は、本明細書において検討されているように、第二の温度で希土類金属塩化物と反応して、希土類金属オキシクロライド及びジ塩素を形成する。種々の態様について、次いで、ジ塩素及び未反応の酸素は、第二の出口112を経て酸化反応器104から出ることができる。種々の態様について、ジ塩素は、いくつかある技術の中でもとりわけ、1個又はそれ以上の圧縮機の使用によって、酸素から分離することができる。
種々の態様について、その異なった状態にある希土類触媒114は、塩素化反応器102と酸化反応器104とを連結する導管116の使用によって、塩素化反応器102と酸化反応器104との間及び酸化反応器104と塩素化反応器102との間を移動することができる。それで、例えば塩素化反応器102からの希土類金属塩化物は、導管116を通って酸化反応器104に移動する。本明細書において検討されているように、希土類金属塩化物が、酸化反応器104の第二の入口110付近で酸化反応器104に入る。酸化反応器104の第二の出口112により近くで、次いで、希土類金属オキシクロライドが、導管116を経て第一の入口106付近で塩素化反応器102に入る。種々の態様について、希土類触媒114は、多数の異なった物理的輸送方式により導管116を通って移動することができる。このような物理的輸送方式の例には、これらに限定するものではないが、コンベヤーベルト又は最も好ましくは異なった圧力による空気作用手段によるものが含まれる。
種々の態様について、システム100には、更に、パージシステム118が含まれていてよい。種々の態様について、パージシステム118は、塩素化反応器102内の1個若しくはそれ以上の点で及び/又は塩素化反応器102と酸化反応器104とを連結する導管116に沿って配置することができる。例えばパージシステム118は、本明細書において検討されているように、導管116に沿って配置することができる。パージシステム118は、希土類金属塩化物が反応器102から導管116に移動する領域内及び/又はこの領域の周りの塩素化反応器102内の離脱(disengagement)ゾーン内に配置することもできる。例えば塩素化反応器102内のこの離脱ゾーンには、希土類金属塩化物が導管116に移動する間に、水及び未反応の塩酸が第一の出口108を通って移動することを助けるために、パージガスと混合できるサイクロンが含まれていてよい。パージシステム118は、塩素化反応器102に取り付けられた別個の反応器内に設けることもでき、そこでは、水及び未反応の塩酸は、希土類金属塩化物が導管116を通って酸化反応器104に移動する前に、希土類金属塩化物からパージすることができる。
種々の態様について、パージシステム118が、導管116に沿って設けられているとき、これは、塩素化反応器102から来る及び/又は導管116を通って塩素化反応器102から酸化反応器104に移動する希土類金属塩化物から、水及び未反応の塩酸をパージする。種々の態様について、パージシステム118は、不活性ガスを、塩素化反応器102から導管116を通って酸化反応器104に移動する希土類金属塩化物の方向に対して向流でポンプ輸送することができ又は塩素化反応器102から酸化反応器104への固体の空気輸送を容易にするために、不活性パージガスを固体流に対し並流で流すことができる。パージシステム118が、使用されるべき場合、118から導かれる余分のパージガス入口及び出口が必要であろう。118への入口には、乾燥パージガスが含まれ、一方、118への出口には水及び未反応の塩酸が含まれるであろう。ガスサイクロン又は他の固体/気体離脱装置を、必要なとき使用することができる。
システム100の態様は、塩素化反応器102及び酸化反応器104のそれぞれに付随する加熱区画120も含んでいる。種々の態様について、加熱区画120は、塩素化反応器102における塩素化段階反応の間に第一の温度を達成し且つ維持するために使用することができ、酸化反応器104における酸化段階反応の間に第二の温度を達成し且つ維持するために使用することができる。種々の態様について、第一の入口106及び第二の入口110に入るガスは、システム100において使用される第一の温度及び/又は第二の温度を達成し且つ維持するための熱を与えることもできる。加熱区画120は、当業者に適切なように、スチーム、伝熱油又は直接天然ガス燃焼で作動するように設計することができる。本明細書において検討されているように、塩素化反応器102及び酸化反応器104は、100kPa〜20000kPaの圧力で運転することができる。
本明細書において検討されているように、適切な希土類金属触媒の例は、ランタン(La)である。システム100のために、塩素化反応器102内で、オキシ塩化ランタンを流動化させ、無水HCl又は蒸発した水性HClと反応させて、三塩化ランタンを生成させる。この反応の間に、反応した固体から水が生成され、塩素化反応器102から除去されるであろう。次いで、三塩化ランタンは、塩素化反応器102よりも高い温度で、酸素の存在下で運転されている酸化反応器104に輸送されるであろう。次いで、不活性ガスストリッピング及び/又は乾燥剤が、塩素化反応器102から酸化反応器104への導管116に沿ったパージシステム118内で使用されて、導管116を通って移動する希土類金属塩化物から水及び塩酸を除去することを助ける。好ましくは、酸化反応器104に入る希土類金属塩化物は、酸化反応器内でのジ塩素発生の水含有量を0.1重量%よりも多くまで増加させない(気相又は固相内での)水含有量を有する。次いで、乾燥された三塩化ランタンは、酸化反応器104に入り、そこで、これは酸素と反応してオキシ塩化ランタンを生成し、ジ塩素を遊離させる。次いで、このオキシ塩化ランタンは、酸化反応器104から塩素化反応器102に戻り、このサイクルが継続する。
図2を参照して、本件開示に従ったジ塩素の製造のためのシステム200の代替態様が示されている。図示されるように、システム200には、希土類触媒214を含有する反応器230が含まれている。種々の態様について、反応器230は、温度及び/若しくは圧力揺動モードで運転される固定床反応器又は流動床反応器であることができ、これらのいずれも、1個又はそれ以上の床を有することができる。種々の態様について、反応器230には、本件開示の塩素化段階(A)及び酸化段階(B)を実施する際に使用される反応ガスを交換するための、入口232及び出口234が含まれている。反応器230には、本明細書において検討されているように、反応器230内の希土類触媒214の温度を、塩素化段階(A)反応において使用される第一の温度と酸化段階(B)反応において使用される第二の温度との間で変えることを可能にする、加熱器236も含まれている。
例えば単一床反応器として使用されるシステム200は、酸化状態にある希土類触媒214(例えばLaOCl)を含有することができる。入口232及び出口234は、HCl及び水の環境を反応器230(これは塩素化反応の間第一の温度に加熱することができる)に導入するために使用することができる。希土類触媒214の塩素化状態(例えばLaCl)を形成するために充分な時間が経過したとき、HCl及び水環境を、入口232及び出口234によって酸素環境に交換することができる。種々の態様について、この環境の交換は、本明細書において検討されているように、希土類触媒の塩素化状態(例えばLaCl)を取り巻く環境が乾燥していることを確実にすることを充分に完結できる。環境を交換することに加えて、酸化反応の間に、希土類触媒214の温度を第二の温度まで上昇させることができる。希土類触媒の酸化状態(例えばLaOCl)を形成するのに充分な時間が経過したとき、遊離したジ塩素を反応器230から取り出すことができる。この温度は、反応器230の中に再導入されるHCl及び水と共に第一の温度まで戻すことができる。
追加の態様において、反応器230に2個又はそれ以上の床が含まれるとき、酸化段階(B)反応は、2個又はそれ以上の床の予定された数(例えば2個の床の1個)で起こり得、一方、塩素化段階(A)反応は、2個又はそれ以上の床の残りの数で起こる。次いで、床の環境は、ジ塩素を製造する半連続式プロセスを達成できるように交換することができる。
本件開示の態様における希土類触媒の使用は、一層効率的な反応器清浄及び/又は反応器の触媒再載荷も可能にするであろう。例えば三塩化ランタンは水溶性であり、これは、本件開示の態様において使用されるこの形態の希土類触媒を、水系溶液(例えば水)の使用によって、反応器から濯ぎ及び/又は洗浄することを可能にする。この方法において、失活した触媒を反応器システムから取り出すことができ又はこの触媒を反応器保全のために取り出すことができる。この現在可溶化されている塩化ランタン溶液を、本プロセスにおいて使用するための新しいランタン系触媒の製造のために、リサイクルすることが可能である。
下記の実施例は、本件開示の例示であるが、いかなる方法によってもその範囲を限定するとして解釈されるべきではない。
実施例1:オキシ塩化ランタンの塩素化
オキシ塩化ランタンの塩素化のためのシステム300を図3に示す。このシステムには、5個の反応器330−1〜330−5が含まれ、反応器のそれぞれは、少なくとも10cmの触媒床長さを有する1/4インチの316ステンレススチール管から構成されている。触媒粒子の典型的なサイズ範囲は20〜40メッシュである。これらの粒子は、1/8インチ反応器を通過する100sccmフローで無視できる圧力低下(1psi)を与える。
均一な反応器壁温度を確実にするために、流動化砂浴加熱器340を使用する。加熱器340は、600℃以下で運転可能な、Techne SBL−2Dである。一定の膨張床高さは、流動化空気の流量を調節することによって維持される。砂浴加熱器340内の温度は、3つの異なった位置でモニターされる。2個のサーモカップルを、同様の高さであるが異なった半径方向位置(互いから約5cm離れている)に配置する。第三のサーモカップルは、加熱器に近いゾーン内の砂の温度をモニターする。砂浴加熱器340媒体は、約125μmの平均粒子サイズを有するAlである。共通マニホールド342からの反応ガス混合物を、全ての5個の反応器330−1〜330−5に供給する。
マニホールド342組成は、供給成分Brooks4850質量流量制御器344(He、HCl、O又はCl)の設定点を調節することによって設定する。各成分質量流量制御器の下流のボールバルブは、供給混合物中に所定の成分が含まれていないとき、閉じられる(又はHCl若しくはClの場合はNパージに切り替えられる)。各反応器質量流量制御器は、マニホールド混合物又は窒素を選択する3方ボールバルブの下流にある。HCl、Cl及び反応器流量制御器は、これらの装置の内部が環境空気に露出される場合に起こるであろう、質量流量制御器内部の腐食を防止するために、作動していないとき頻繁にパージされる。成分供給速度の合計は、反応器供給速度の合計の過剰で設定される。過剰の流れ(典型的に)は、固定されたマニホールド圧力(典型的には20〜60psig)を維持するために使用される「バイパス」質量流量制御器に送られる。このバイパス流は、供給物組成を点検するため又は供給成分の分析応答係数を更新するために、定期的にサンプリングされる。
このプロセスから出る全ての流れは、2個の逐次的スクラバー内で処理する。第一のスクラバーには、約4リットルのDI水が含有されており、この水は、HClの濃度が、(システムに供給されるHCl基準で)10重量%又は約12モルのHClに近づくまで絶えず循環される。20sccmの典型的な合計HCl供給速度で、スクラバー水を替える必要な頻度は、9日当たり僅かに1回である。第二のスクラバーには、約12リットルの苛性溶液が含有されている。このスクラバーは、システムに供給されるClの量に基づいて必要なときのみ替えられる。
プロセス制御及びデータ取得348は、Camile TGTMを使用して自動化されている。システム300は、連続無人運転のために設計されている。重要なプロセスパラメーターをモニターし、プロセスパラメーターを系統的に変化させ、そして他の日常的仕事を実施するために、幾つかのマクロ命令を使用する。
生成物流の気相分析を、ThermoFinnigan GC/MS350によって実施する。このシステムには、CEInstrumentsからのGCTop8000ガスクロマトグラフ、VoyagerTM質量分析計及びDigitalパーソナルコンピュータが含まれていた。四重極質量分析計は、単位解像度でフルスキャンモードで、70eV EIで操作する。質量分析計のスキャン速度は、m/z10〜200のスペクトル範囲に亘る12〜16フルスキャンを、それぞれのクロマトグラフピークに亘って記録できるように設定する。分析のために、GS−GasProカラム(長さ30m、内径0.32mm、J&W Scientific部品番号113−4332)を使用した。
それぞれ表1に示されるような初期組成を有する、4種のLaOCl触媒のサンプルを製造する。この4種のサンプルは、LaOCl−1として参照される第一のサンプルについて下記に略述した一般的沈殿手順に従う。LaOClの4種のサンプルの3種(LaOCl−1、LaOCl−2及びLaOCl−3)は、1%未満の微量元素(Mg、Al及びSi)を含有する、純粋なランタンを含有する希土類塩化物鉱石から製造する。第4のサンプル、LaOCl−4は、無水LaCl(Sigma-Adrich)の焼成によって製造する。
LaOCl−1は、希土類重量分率により74/9/3/14 La/Ce/Nd/Prを含有する希土類塩化物鉱石から製造する。この鉱石15g(約0.0404モル)を、150mLの脱イオン水中に溶解させる。20mLの6M水酸化アンモニウム(約0.121モル)を添加すると、ゼリー状の沈殿が生成される。この沈殿を遠心分離によって回収し、洗浄のために100mLの脱イオン水中に再懸濁させる。固体を遠心分離によって再び回収した後、湿潤ケークを磁製皿に移し、4℃/分で空気中で550℃の最終温度まで加熱する。温度を、550℃で4時間保持した。4時間の終わりに、オーブンは切り、再び空気雰囲気下で冷却した。次いで、この固体を、反応器試験のために20×40メッシュ粒子に篩い分けした。
中性子放射化分析(NAA)により、LaOCl−1のLa及びCl組成を分析する。分析のために、予め清浄にした2ドラムのポリエチレンバイアルの中に、約50mgの材料を移すことによって、複製のサンプルを製造する。La及びClの複製標準物質は、それらの標準溶液から、(NIST公認、SPEX CertiPrepから得られた)同様のバイアルの中に製造する。これらのサンプルを、純水及びHNOを使用して溶解し、適切な体積にまで希釈する。次いで、これらのサンプル及び標準物質バイアルをヒートシールする。次いで、標準NAA手順に従って、これらを分析する。具体的には、照射は、250kW原子炉出力で2分間実施する。待ち時間は9分間であり、計数時間はHPGe検出器セットを使用して270秒間である。濃度は、Canberraのソフトウエア及び匹敵する技術を使用して計算する。分析の結果を、表1に示す。
Figure 2013525251
約2.8グラムのLaOCl−1を、5個の反応器チューブ330−1〜330−5のそれぞれの中に入れ、下記の処理を使用して、400℃でHCl又はHCl/Oによって塩素化する。
反応器330−1は20sccmの4/1/1 He/HCl/Oを5時間供給した。
反応器330−2は20sccmの4/1/1 He/HCl/Oを9時間供給した。
反応器330−3は20sccmの5/1 He/HClを2時間供給した。
反応器330−4は20sccmの5/1 He/HClを5時間供給した。
反応器330−5は20sccmの5/1 He/HClを16時間供給した。
それぞれの反応におけるHCl転化率を、時間の関数としてモニターし、図4において時間に対してプロットした。推定した反応は下記の通りである。
LaOCl(又は(RE)OCl)+2HCl → LaCl+H
(式中、REは希土類塩化物鉱石中に存在するLa、Ce、Nd及びPrの組み合わさった希土類を表す)。
全ての5個のサンプルについて、HCl漏出は、2.5〜3時間後まで起こらなかった。LaCe0.12Nd0.04Pr0.181.73Cl0.59=(RE)O1.28Cl0.44の初期触媒組成に基づいて、この漏出は(RE)O0.5Clに近い平均触媒組成に相当する。
同じHCl転化率データを、図5において、触媒の平均Cl含有量に対してプロットする。x軸は、HCl転化率データの積分によって得られた。これらのデータは、明らかに、固相が、希土類原子当たり約2Cl atomに達すると、HClの突然漏出を示している。触媒の中へのClの含有は、この点を越えて遅くなり、最終(RE)Cl組成に到達するとき0%に近づくHClの小部分(fractional)転化率になる。
実施例2:ジ塩素を形成する三塩化ランタンの脱塩素化
図6は、ジ塩素を製造する温度プログラム化酸化(TPO)実験において使用された反応器652の図解を示す。反応器652には、塩素化化学のための修正セットアップを有するRXM−100計器(Advanced Scientific Design,Inc.)が含まれている。修正セットアップは、質量流量制御器(MFCs、Brooks 4850)654、触媒660を保持するためのより大きい15mmガラスフリット区画658を有する4mmID U字形石英管反応器656、質量分析計(UTI、Precision Gas Analyzer、モデル100C)662及び2M水酸化ナトリウムを含有するフリットガラス接触器を通して、反応器652からの出口ガスを通過させるスクラバーシステム664から成っていた。
所望の触媒装入物660をガラスフリット区画658の上に置く。800℃よりも高い温度を達成することができる炉666は、U字形反応器656を包み込んでいる。反応器652内の全ての配管のためにニッケル管が使用され、反応器652後の全ての配管は、凝縮HO中のHClの腐食影響を回避するための試みにおいて、少なくとも120℃までヒートテープによって加熱されている。小さい毛管漏れ口を含み、200〜250℃の温度で維持されているステンレスティーは、質量分析計662に流れる反応器652のスリップストリームを方向転換させる。質量分析計チャンバー内の圧力は、典型的に高く、8×10−5トール付近である。質量分析計チャンバーは、腐食を制限するために、120℃で作動される。HClについて、28の質量対電荷比がモニターされ、酸素について32の質量対電荷がモニターされるが、ジ塩素について、70、72及び74の質量対電荷比がモニターされる。
温度プログラム化酸化実験の間のジ塩素の製造のために、一定量の触媒が、ガラスフリット区画658の頂部に装填される。装填される触媒の量及びN BET実験によって決定された初期表面積を表2に示す。LaOClは、焼成されたとき重量で20×40メッシュ粒子として装填され、従って主としてLaOClとして装填される。それぞれのTPO実験の前に、触媒を、ヘリウム中20体積%HClの流れにおいて、30標準立方センチメートル/分(sccm)及び400℃で3.25時間活性化する(LaClに転化させる)。活性化の後、HClを除去し、活性化した触媒をHe中で約1時間かけて30℃まで冷却させる。He中で(他の方法で特定しない限り)20体積%で、30sccm全流での酸素流れを30℃で開始する。次いで、反応器排気の一部を、ティーによって質量分析計660に方向転換させる。700℃まで10℃/分の温度勾配を使用し、その後、この温度を、実験が終了するまで数分間700℃で等温的に保持する。この温度勾配の間に、ジ塩素発生を、推定反応:
2LaCl+O → 2LaOCl+2Cl
に従って、質量分析計660によってモニターする。
Figure 2013525251
実験の完結後に、酸素流を停止し、ヘリウム中で、触媒を不活性化し、環境温度まで冷却する。次いで、反応器チューブを、空気による不活性雰囲気グローブボックスに迅速に移し、触媒を取り出し、次の中性子放射化による組成分析のために不活性に貯蔵する。TPO実験において脱塩素化されたサンプルの中性子放射化分析を、表1に記載する。
図7は、温度の関数として、表2に記載された触媒のTPOからのジ塩素発生結果についての正規化質量スペクトルシグナルを示す。比較の正しい基準を与え、分析の間のシグナル強度における潜在的差異を補正するために、活性化した材料をバルクLaClであると推定した。70質量対電荷比の質量対電荷シグナルでジ塩素発生からの質量分析計シグナルを積分し、中性子放射化データ当たりの塩素損失の量で割った。これにより、これで、与えられたシグナル強度について製造されたジ塩素の正規化レベルを計算する応答係数が作られた。
図7及び表1についての結果は、400℃よりも高い温度で、ジ塩素を、活性化した三塩化ランタン(モル比Cl/La約3)から製造することができ、オキシ塩化ランタン(モル比Cl/La約1)に戻る材料の転化になることを示している。
種々の態様について、本件開示の希土類触媒には、IUPAC元素の周期表2007年6月22日付けバージョンに従った原子番号57〜71を有する元素(即ちLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLu)を含む、ランタニドのオキシクロライド及び/又は塩化物形を含むことができる。本件開示の希土類触媒には、銅(Cu)は含まれない。本件開示の希土類触媒には、ルテニウム(Ru)は含まれない。
それぞれ表1に示されるような初期組成を有する、4種のLaOCl触媒のサンプルを製造する。この4種のサンプルは、LaOCl−1として参照される第一のサンプルについて下記に略述した一般的沈殿手順に従う。LaOClの4種のサンプルの2種LaOCl−2及びLaOCl−3)は、1%未満の微量元素(Mg、Al及びSi)を含有する、純粋なランタンを含有する希土類塩化物鉱石から製造する。第4のサンプル、LaOCl−4は、無水LaCl(Sigma-Adrich)の焼成によって製造する。
Figure 2013525251
図7及び表1についての結果は、400℃よりも高い温度で、ジ塩素を、活性化した三塩化ランタン(モル比Cl/La約3)から製造することができ、オキシ塩化ランタン(モル比Cl/La約1)に戻る材料の転化になることを示している。
以下に、本発明及びその関連態様を記載する。
態様1.希土類金属オキシクロライドをHClと、本プロセスの塩素化段階の間に、第一の温度で反応させて、希土類金属塩化物及びH Oを生成させ;
希土類金属塩化物からH Oを除去し;そして
前記希土類金属塩化物をO と、本プロセスの酸化段階の間に、第一の温度よりも高い第二の温度で反応させて、Cl 及び希土類金属オキシクロライドを生成させることを含んでなるジ塩素(Cl )の製造用プロセス。
態様2.前記希土類金属オキシクロライドがLaOClであり、前記希土類金属塩化物がLaCl である態様1に記載のプロセス。
態様3.前記希土類金属塩化物からのH Oの除去が、前記希土類金属塩化物を不活性ガスでパージして、H Oを除去することを含む態様1及び2のいずれか1項に記載のプロセス。
態様4.前記塩素化段階において、前記希土類金属オキシクロライド上にHClを通過させること並びに前記酸化段階において、希土類金属塩化物上にO を通過させることを含む態様1及び2のいずれか1項に記載のプロセス。
態様5.前記希土類金属塩化物を塩素化段階から酸化段階へ輸送すること並びに
前記希土類金属オキシクロライドを酸化段階から塩素化段階へ輸送することを含む態様4に記載のプロセス。
態様6.前記希土類金属オキシクロライド及び希土類金属塩化物を、固体非液体状態に維持することを含む態様1及び2のいずれか1項に記載のプロセス。
態様7.前記希土類金属オキシクロライドをHClと反応させる工程に、80重量%以下の水を有するHClを供給することを含む態様1及び2のいずれか1項に記載のプロセス。
態様8.前記希土類金属塩化物をO と反応させることが0.1重量%よりも少ない水を有するCl を形成する態様1及び2のいずれか1項に記載のプロセス。
態様9.第一の入口及び第一の出口を有する塩素化反応器;
前記塩素化反応器内の希土類金属オキシクロライド(ここで、塩素化反応器の第一の入口と第一の出口との間を移動するHClは、第一の温度で希土類金属オキシクロライドと反応して、希土類金属塩化物及び水を生成する);
希土類金属塩化物を含有し、第二の入口及び第二の出口を有する酸化反応器(ここで、酸化反応器の第二の入口と第二の出口との間を移動する酸素は、第一の温度よりも高い第二の温度で希土類金属塩化物と反応して、希土類金属オキシクロライド及びジ塩素を生成する);
前記塩素化反応器と前記酸化反応器とを連結する導管(ここで、塩素化反応器からの希土類金属塩化物は、導管を通って酸化反応器へ移動し、酸化反応器内の希土類金属オキシクロライドは、導管を通って塩素化反応器へ移動する);
前記導管を通って塩素化反応器から酸化反応器へ移動する希土類金属塩化物から水をパージするパージシステム並びに
前記塩素化反応器及び前記酸化反応器のそれぞれに付随する加熱器(ここで、加熱器は、塩素化反応器内の希土類金属塩化物を第一の温度まで少なくとも部分的に加熱し、そして酸化反応器内の希土類金属オキシクロライドを第二の温度まで少なくとも部分的に加熱する)
を含んでなるジ塩素(Cl )を製造するシステム。
態様10.前記第一の温度が100℃〜500℃の範囲内にある態様9に記載のシステム。
態様11.前記第二の温度が500℃〜827℃の範囲内にある態様9〜10のいずれか1項に記載のシステム。
態様12.前記塩素化反応器及び前記酸化反応器を、100kPa〜20000kPaの圧力で、運転する態様11に記載のシステム。
態様13.前記希土類金属オキシクロライド及び前記希土類金属塩化物が銅又はルテニウムを含有ない態様9〜12のいずれか1項に記載のシステム。
態様14.前記酸化反応器及び前記塩素化反応器が移動床反応器である態様9〜12のいずれか1項に記載のシステム。
態様15.前記希土類金属オキシクロライド及び前記希土類金属塩化物が前記第一の温度及び前記第二の温度で固体非液体状態に留まっている態様9〜12のいずれか1項に記載のシステム。

Claims (15)

  1. 希土類金属オキシクロライドをHClと、本プロセスの塩素化段階の間に、第一の温度で反応させて、希土類金属塩化物及びHOを生成させ;
    希土類金属塩化物からHOを除去し;そして
    前記希土類金属塩化物をOと、本プロセスの酸化段階の間に、第一の温度よりも高い第二の温度で反応させて、Cl及び希土類金属オキシクロライドを生成させることを含んでなるジ塩素(Cl)の製造用プロセス。
  2. 前記希土類金属オキシクロライドがLaOClであり、前記希土類金属塩化物がLaClである請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記希土類金属塩化物からのHOの除去が、前記希土類金属塩化物を不活性ガスでパージして、HOを除去することを含む請求項1及び2のいずれか1項に記載のプロセス。
  4. 前記塩素化段階において、前記希土類金属オキシクロライド上にHClを通過させること並びに前記酸化段階において、希土類金属塩化物上にOを通過させることを含む請求項1及び2のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 前記希土類金属塩化物を塩素化段階から酸化段階へ輸送すること並びに
    前記希土類金属オキシクロライドを酸化段階から塩素化段階へ輸送することを含む請求項4に記載のプロセス。
  6. 前記希土類金属オキシクロライド及び希土類金属塩化物を、固体非液体状態に維持することを含む請求項1及び2のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 前記希土類金属オキシクロライドをHClと反応させる工程に、80重量%以下の水を有するHClを供給することを含む請求項1及び2のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 前記希土類金属塩化物をOと反応させることが0.1重量%よりも少ない水を有するClを形成する請求項1及び2のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 第一の入口及び第一の出口を有する塩素化反応器;
    前記塩素化反応器内の希土類金属オキシクロライド(ここで、塩素化反応器の第一の入口と第一の出口との間を移動するHClは、第一の温度で希土類金属オキシクロライドと反応して、希土類金属塩化物及び水を生成する);
    希土類金属塩化物を含有し、第二の入口及び第二の出口を有する酸化反応器(ここで、酸化反応器の第二の入口と第二の出口との間を移動する酸素は、第一の温度よりも高い第二の温度で希土類金属塩化物と反応して、希土類金属オキシクロライド及びジ塩素を生成する);
    前記塩素化反応器と前記酸化反応器とを連結する導管(ここで、塩素化反応器からの希土類金属塩化物は、導管を通って酸化反応器へ移動し、酸化反応器内の希土類金属オキシクロライドは、導管を通って塩素化反応器へ移動する);
    前記導管を通って塩素化反応器から酸化反応器へ移動する希土類金属塩化物から水をパージするパージシステム並びに
    前記塩素化反応器及び前記酸化反応器のそれぞれに付随する加熱器(ここで、加熱器は、塩素化反応器内の希土類金属塩化物を第一の温度まで少なくとも部分的に加熱し、そして酸化反応器内の希土類金属オキシクロライドを第二の温度まで少なくとも部分的に加熱する)
    を含んでなるジ塩素(Cl)を製造するシステム。
  10. 前記第一の温度が100℃〜500℃の範囲内にある請求項9に記載のシステム。
  11. 前記第二の温度が500℃〜827℃の範囲内にある請求項9〜10のいずれか1項に記載のシステム。
  12. 前記塩素化反応器及び前記酸化反応器を、100kPa〜20000kPaの圧力で、運転する請求項11に記載のシステム。
  13. 前記希土類金属オキシクロライド及び前記希土類金属塩化物が銅又はルテニウムを含有ない請求項9〜12のいずれか1項に記載のシステム。
  14. 前記酸化反応器及び前記塩素化反応器が移動床反応器である請求項9〜12のいずれか1項に記載のシステム。
  15. 前記希土類金属オキシクロライド及び前記希土類金属塩化物が前記第一の温度及び前記第二の温度で固体非液体状態に留まっている請求項9〜12のいずれか1項に記載のシステム。
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