JP2013253230A - 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホスホン酸基を含む第1の官能基と、カルボン酸基及びスルホン酸基の少なくとも一方を含む第2の官能基とが粒子表面に結合している自己分散顔料を含有するインクジェット用の水性インクである。第1の官能基に含まれるホスホン酸基に由来する表面電荷量が0.3μmol/m2以上であり、第2の官能基に含まれるカルボン酸基及びスルホン酸基に由来する表面電荷量の合計が1.0μmol/m2以上であり、第1の官能基及び第2の官能基に含まれるアニオン性基に由来する表面電荷量の合計が2.0μmol/m2以上8.0μmol/m2以下である。
【選択図】なし
Description
先ず、本発明の主たる実施態様について説明する。前述の通り、普通紙などの記録媒体に記録した画像の発色性を高めるために、自己分散顔料の表面に結合している官能基に含まれるアニオン性基としてホスホン酸基を選択した場合、インクの間欠吐出安定性が低くなることが判明した。これと比較して、アニオン性基がホスホン酸基ではなく、カルボン酸基やスルホン酸基である自己分散顔料では、インクの間欠吐出安定性が相対的に高くなる。しかし、後者の自己分散顔料を用いた場合、通常の条件ではインクの吐出に問題が生じない程度の粒径が保たれるような塩の含有量とすると、近年要求されるレベルの発色性は得られなかった。
次に、本発明の第2の実施態様について説明する。
上述の通り、ホスホン酸基を含む官能基が一定量以上結合している自己分散顔料をインクの色材として用いれば、記録した画像の発色性を高めることができる。しかし、本発明者らの検討の結果、このインクを、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出する方式に適用して、長期間吐出を行うと、吐出よれが生じ、インクの吐出が正常に行われなくなる場合があることを見出した。このような課題が生じる原因について検討を行ったところ、インク中に遊離銅イオン(詳細は後述する)が存在する場合に、インクの吐出が繰り返し行われると、記録ヘッドの発熱部(ヒーター)上にコゲが堆積し、これによって吐出よれが生じることがわかった。その一方で、自己分散顔料の官能基に含まれるアニオン性基がカルボン酸基やスルホン酸基である場合は、インク中に遊離銅イオンが存在していても、ホスホン酸基ほどの長期吐出安定性の低下は生じず、許容できるレベルが維持されていた。
次に、本発明の第3の実施態様について説明する。
上述の通り、ホスホン酸基を含む官能基が一定量以上結合している自己分散顔料をインクの色材として用いれば、記録した画像の発色性を高めることができる。しかし、本発明者らの検討の結果、このインクを、該インクが接触する部材を構成する材料に、合成ゴムが含まれるインクジェット記録装置に適用すると、前記インクが接触した合成ゴムの変形や膨潤が生じる場合があることを見出した。このような課題が生じる原因について検討を行ったところ、第2の実施態様と同様に、インク中に遊離銅イオン(詳細は後述する)が存在する場合に、これが触媒となって、合成ゴムの加水分解反応が生じ、これによってその変形や膨潤が生じることがわかった。これは、いわゆる「銅害」として知られている現象であり、通常の対策としては、遊離銅イオンの量を極力減らすのが有効である。しかし、遊離銅イオンは、インクの構成材料の不純物として意図せず混入することもあり、特に、顔料種として銅フタロシアニン骨格を有する顔料を用いたインクの場合には、その混入を避けるのは困難な場合もある。なお、キレート剤を用いれば合成ゴムの変形や膨潤の抑制はある程度図られるものの、上述の通り、発色性がやや低下する場合がある。
以下、本発明の水性インクを構成する各成分やインクの物性について詳細に説明する。
本発明のインクは、色材として自己分散顔料を用いる。顔料種としては、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機顔料;アゾ、フタロシアニン、キナクドリンなどの有機顔料などを用いることができる。また、調色などの目的のために、顔料に加えてさらに染料などを併用してもよい。インク中の自己分散顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の第2及び第3の実施態様は、インク中に遊離銅イオンが存在することを前提とする。この遊離銅イオンとは、他の物質と配位構造を形成しておらず、インクを構成する水性媒体に溶解した状態で存在する銅イオンのことを意味する。したがって、例えば、フタロシアニン骨格の中心原子として含まれる銅イオン、すなわち、配位構造を形成している銅イオンは、本発明における遊離銅イオンには含めない。なお、配位構造を形成している銅イオンは、第2及び第3の実施態様において解決しようとする技術課題の発生原因とはならない。
本発明のインクには、水、又は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることが好ましい。水としては脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。本発明のインクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性インクである。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、40.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、水溶性有機溶剤としては、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができ、1種又は2種以上をインクに含有させることができる。また、水溶性有機溶剤は、25℃における蒸気圧が水よりも低いものが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましく、20.0質量%以上25.0質量%以下であることがさらに好ましい。なお、この含有量は、後述する式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物の少なくとも一方を用いる場合には、その含有量を含む値である。
R−(O−CH2CH2)n−OH 式(1)
(nは3以上30以下の整数であり、Rは水素原子又はCmH2m+1であり、mは1以上4以下の整数である。)
OH−CkH2k−OH 式(2)
(kは4以上6以下の整数である。)
本発明のインクには、カチオンとアニオンとが結合して構成される塩を含有させることが好適である。これにより、さらに発色性の高い画像を得ることができる。カチオンは、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。また、アニオンは、Cl-、Br-、I-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、HCOO-、(COO-)2、COOH(COO-)、CH3COO-、C2H4(COO-)2、C6H5COO-、C6H4(COO-)2、PO4 3-、HPO4 2-、及びH2PO4 -からなる群から選ばれる少なくとも1種である。インク中における塩の形態は、その一部が解離した状態、又は全てが解離した状態のいずれの形態であってもよい。
本発明のインクには、特定の水溶性樹脂を含有させることが好ましい。これにより、ある種の記録媒体、具体的にはカルシウムイオンなどの多価カチオンを比較的多く含有する普通紙などにおいて、さらに発色性の高い画像を得ることができる。本発明のインクに好適に含有させることができる水溶性樹脂としては、アクリル樹脂及びウレタン樹脂の少なくとも一方が挙げられる。アクリル樹脂の酸価は100mgKOH/g以上160mgKOH/g以下であることが好ましい。また、ウレタン樹脂の酸価は40mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であることが好ましい。本明細書において「樹脂が水溶性であること」とは、この樹脂を酸価と当量のアルカリで中和した場合に、その粒径を測定しうる粒子を形成しないものであることを意味する。このような条件を満たす樹脂を、本明細書においては水溶性樹脂として記載する。なお、本明細書における(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルのことをいう。
本発明のインクには、上記成分以外にも必要に応じて、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンや、尿素、エチレン尿素などの含窒素化合物などの常温で固体の有機化合物を含有させてもよい。また、上記の成分の他に、さらに必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤などの種々の添加剤をインクに含有させてもよい。
本発明のインクは、25℃において、インクの粘度が1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましく、1.5mPa・s以上4.0mPa・s以下であることがさらに好ましい。また、25℃において、インクのpHが5以上9以下であることが好ましい。
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、インク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。インクカートリッジの構造としては、インク収容部が、負圧によりインクを含浸した状態で保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室、及び、負圧発生部材により含浸されない状態でインクを収容するインク収容室で構成されるものが挙げられる。また、上記のようなインク収容室を持たず、インクの全量を負圧発生部材により含浸した状態で保持する構成や、負圧発生部材を持たず、インクの全量を負圧発生部材により含浸されない状態で収容する構成のインク収容部としてもよい。さらに、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明の第1及び第3の実施態様においては、上記いずれの方式も好適に採用することができる。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
表1に示す種類及び比表面積の顔料20g(固形分)、表1に示す種類及び量の処理剤、処理剤の(総)量と等モルの硝酸、並びに200mLの純水を混合した。処理剤は、「ホスホン酸」として示したものが((4−アミノベンゾイルアミノ)−メタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸、「カルボン酸」として示したものがp−アミノ安息香酸、「スルホン酸」として示したものがp−アミノベンゼンスルホン酸である。ただし、自己分散顔料51では(4−アミノフェニル)−2−ホスホノプロパン酸、自己分散顔料52では(4−アミノフェニル)(ホスホノ)酢酸をそれぞれ処理剤として用いた(表1の*印)。混合は、シルヴァーソン混合機を用いて、室温で6,000rpmにて行い、混合物を得た。30分後、この混合物に少量の水に溶解させた亜硝酸カリウム(処理剤の(総)量と等モル)をゆっくり添加し、混合した。この混合によって混合物の温度は60℃に達し、この状態で1時間反応させた。その後、水酸化カリウム水溶液を用いて、混合物のpHを10に調整した。30分後、20mLの純水を加え、スペクトラムメンブランを用いてダイアフィルトレーションを行い、自己分散顔料を調製した。調製した自己分散顔料に水を加え、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液を調製した。顔料分散液1には自己分散顔料1が含まれる、というように、顔料分散液の番号は、自己分散顔料の番号に対応している。
以下に示す手順により、各樹脂を合成した。得られた樹脂の酸価は以下の方法で求めた。先ず、樹脂の水溶液に塩酸を添加して樹脂を析出させた。次いで、樹脂を40℃で一晩真空乾燥させた。この樹脂をテトラヒドロフランに溶解させ、水酸化カリウムメタノール滴定液を用いた電位差自動滴定装置(商品名「AT−510」、京都電子工業製)を用いて、酸価を測定した。また、得られた樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量として測定した。
表2に示す各単量体(単位:部)を用いて、常法により共重合させ、水溶性のアクリル樹脂A1〜A7をそれぞれ合成した。さらに、水酸化カリウム水溶液を用い、樹脂中の全てのアニオン性基を中和し、さらにイオン交換水を加えて、樹脂(固形分)の含有量が20.0%である各アクリル樹脂の水溶液を調製した。アクリル樹脂の組成及び特性を表2に示す。
温度計、撹拌機、窒素導入管、及び還流管を備えた4つ口フラスコに、表3に示す使用量(単位:部)の単量体と、メチルエチルケトン300.0部を仕込み、窒素ガス雰囲気下、80℃で10時間反応させた。その後、40℃まで冷却してイオン交換水を添加し、ホモミキサーで高速撹拌しながら、水酸化カリウム水溶液を添加して樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を加熱減圧してメチルエチルケトンを留去し、さらにイオン交換水を加えて、樹脂(固形分)の含有量が20.0%であるウレタン樹脂U1〜U7の水溶液を得た。ウレタン樹脂の組成及び特性を表3に示す。表3中、IPDIはイソホロンジイソシアネート、HDIはヘキサメチレンジイソシアネート、PPG2000は数平均分子量2,000のポリプロピレングリコール、PHCD2000は数平均分子量2,000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール、DMPAはジメチロールプロピオン酸である。
表4〜6の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。なお、比較例I−23は顔料分散液31及び35をそれぞれ15.0%ずつ使用した。また、アセチレノールE100は川研ファインケミカル製の界面活性剤である。また、ポリエチレングリコールの後に付した数値は数平均分子量である。
上記で得られたインクを用いて、下記の各項目の評価を行った。本発明においては、下記の各項目の評価基準において、AA、A及びBが好ましいレベルとし、Cは許容できないレベルとした。評価結果を表7〜9に示す。
画像の記録には、熱エネルギーの作用により液体を吐出させる記録ヘッドを搭載するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP3100」、キヤノン製)を改造したものを用いた。上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、ブラックインクのポジションにセットした。記録条件は、記録ヘッドの吐出口の配置幅分の画像を、記録ヘッドのホームポジションから開始する走査でのみ記録を行う、1パス片方向記録とした。本実施例においては、1/600インチ×1/600インチを1ピクセルと定義し、記録デューティが100%であるベタ画像の場合、記録媒体へのインクの付与量は、1ピクセル当たり25ngとした。
AA:平均値が1.5以上であった。
A:平均値が1.4以上1.5未満であった。
B:平均値が1.2以上1.4未満であった。
C:平均値が1.2未満であった。
AA:平均値が1.2以上であった。
A:平均値が1.1以上1.2未満であった。
B:平均値が1.0以上1.1未満であった。
C:平均値が1.0未満であった。
温度30℃、相対湿度15%の環境で、上記の画像の発色性の評価で使用したものと同様のインクジェット記録装置にインクカートリッジをセットした。そして、記録ヘッドの吐出口を覆うキャップを外した状態とし、その30秒後に、5ポイント及び8ポイントの文字の記録を行った。書き始めの部分の文字を目視で確認し、間欠吐出安定性を評価した。間欠吐出安定性の評価基準は以下の通りである。
AA:文字にかすれがなかった。
A:文字に軽微なかすれがあったが、5ポイントの文字が判読できた。
B:文字に軽微なかすれがあり、5ポイントの文字は判読できなかったが、8ポイントの文字は判読できた。
C:文字に多くのかすれがあり、判読しづらかった。
上記で得られた各インクをそれぞれポリテトラフルオロエチレン製の容器に入れて密閉した。これを、温度60℃のオーブンに入れ、2ヶ月間放置した。インクを常温に戻した後に、インクの粘度と、顔料の粒径を測定した。インクの粘度はE型粘度計(商品名「RE−80L」、TOKI製)を用いて温度25℃、50rpmで測定した。また、顔料の粒径は濃厚系粒径アナライザー(商品名「FPAR−1000」、大塚電子製)で測定した。
A:保存後のインクの粘度及び顔料の粒径の上昇率が、保存前に比べて3%未満であった。
B:保存後のインクの粘度及び顔料の粒径の上昇率が、保存前に比べて3%以上5%未満であった。
C:保存後のインクの粘度及び顔料の粒径の上昇率が、保存前に比べて5%以上であった。
上記の画像の発色性の評価で使用したものと同様のインクジェット記録装置にインクカートリッジをセットした。そして、A4サイズのPB PAPER GF−500(キヤノン製)の全面に、記録デューティを50%としたベタ画像を3,000枚分記録した。その後、5ポイント及び8ポイントの文字の記録を行った。文字を目視で確認し、長期吐出安定性を評価した。長期吐出安定性の評価基準は以下の通りである。
AA:文字を構成するドットが全て正しく記録されていた。
A:文字を構成するドットの一部が正しく形成されていない箇所があったが、5ポイントの文字は判読できた。
B:文字を構成するドットの一部が正しく形成されていない箇所があり、5ポイントの文字は判読できなかったが、8ポイントの文字は判読できた。
C:文字を構成するドットが正しく形成されていない箇所が多くあり、いずれの文字も判読しづらかった。
ウレタンゴム製のワイパーを各インクに浸漬した状態で、温度60℃の恒温槽中に1カ月間載置した。その後、ワイパーをイオン交換水で洗浄し、上記の画像の発色性の評価で使用したものと同様のインクジェット記録装置の所定の箇所に取り付けた。この記録装置を用いて、A4サイズのPB PAPER GF−500(キヤノン製)の全面に、記録デューティを50%としたベタ画像を5枚分記録した。クリーニング操作を行った後、5ポイント及び8ポイントの文字の記録を行った。その後、文字と、記録ヘッドの吐出口面を目視で確認し、接液性を評価した。接液性の評価基準は以下の通りである。
A:5ポイントの文字が判読でき、吐出口面のワイピングも正常に行われていた。
B:5ポイントの文字は判読できなかったが、8ポイントの文字は判読でき、吐出口面ではワイピングは一部の箇所で正常に行われず、インクが残っていた。
C:いずれの文字も判読しづらく、吐出口面のワイピングは正常に行われず、インクが残っていた。
Claims (16)
- ホスホン酸基を含む第1の官能基と、カルボン酸基及びスルホン酸基の少なくとも一方を含む第2の官能基とが粒子表面に結合している自己分散顔料を含有するインクジェット用の水性インクであって、
前記第1の官能基に含まれるホスホン酸基に由来する表面電荷量が0.3μmol/m2以上であり、
前記第2の官能基に含まれるカルボン酸基及びスルホン酸基に由来する表面電荷量の合計が1.0μmol/m2以上であり、
前記第1の官能基及び前記第2の官能基に含まれるアニオン性基に由来する表面電荷量の合計が2.0μmol/m2以上8.0μmol/m2以下であることを特徴とする水性インク。 - 前記自己分散顔料の比表面積が、50m2/g以上250m2/g以下である請求項1に記載の水性インク。
- さらに、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物の少なくとも一方を含有する請求項1又は2に記載の水性インク。
R−(O−CH2CH2)n−OH 式(1)
(nは3以上30以下の整数であり、Rは水素原子又はCmH2m+1であり、mは1以上4以下の整数である。)
OH−CkH2k−OH 式(2)
(kは4以上6以下の整数である。) - さらに、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、Cl-、Br-、I-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、HCOO-、(COO-)2、COOH(COO-)、CH3COO-、C2H4(COO-)2、C6H5COO-、C6H4(COO-)2、PO4 3-、HPO4 2-、及びH2PO4 -からなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンとが結合して構成される塩を含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水性インク。
- さらに、酸価が100mgKOH/g以上160mgKOH/g以下のアクリル樹脂、及び、酸価が40mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であるウレタン樹脂、の少なくとも一方を含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水性インク。
- 前記塩を構成する前記カチオンがアルカリ金属イオンである請求項4に記載の水性インク。
- 前記第1の官能基が、2つのホスホン酸基を含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の水性インク。
- さらに、遊離銅イオンを含有し、かつ、前記第2の官能基がスルホン酸基を含み、前記第2の官能基に含まれるスルホン酸基に由来する表面電荷量が1.0μmol/m2以上であり、
前記水性インクが、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出する方式に適用されるものである請求項1乃至7のいずれか1項に記載の水性インク。 - さらに、遊離銅イオンを含有し、前記第1の官能基に含まれるホスホン酸基に由来する表面電荷量が2.0μmol/m2以上であり、
前記水性インクが接触する部材を構成する材料に、合成ゴムが含まれる請求項1乃至7のいずれか1項に記載の水性インク。 - 前記合成ゴムが、ウレタンゴムである請求項9に記載の水性インク。
- 前記部材が、記録ヘッドの吐出口が形成された面を払拭するためのワイパーである請求項9又は10に記載の水性インク。
- 前記自己分散顔料の顔料種が、銅フタロシアニン骨格を有する顔料である請求項8乃至11のいずれか1項に記載の水性インク。
- 前記銅フタロシアニン骨格を有する顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3及びC.I.ピグメントブルー15:4の少なくとも一方である請求項12に記載の水性インク。
- 前記第1の官能基に含まれるホスホン酸基の総数が、インク中の前記遊離銅イオンの含有量に対するモル比率で、10.0倍以上である請求項9乃至13のいずれか1項に記載の水性インク。
- インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
前記インクが、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。 - インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記インクが、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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