JP2013251487A - 炭化珪素除去方法及び炭化珪素成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成膜チャンバーの内面を350℃以上の温度に加熱し、加熱された成膜チャンバー内にプラズマ化したフッ素含有ガスを供給して、炭化珪素よりなる付着物を除去する第1の除去処理、及び第1の除去処理後、成膜チャンバーの内面に不活性ガスを吹き付けて、付着物を除去する第2の除去処理を順次繰り返し行う付着物除去工程と、成膜チャンバー内から排出される排ガスに含まれる所定のガスの濃度を分析する工程と、を有し、所定のガスの濃度が所定の閾値以下になった際、付着物除去工程を終了させる。
【選択図】図2
Description
このため、定期的なガスクリーニングによって成膜チャンバーの内壁に堆積した炭化珪素(堆積層或いは付着物)を除去する方法が提案されている。
つまり、選択比を確保することが困難なため、成膜チャンバーの内面を構成する部材もエッチングされてしまうという問題があった。
このような理由により、特許文献1〜3では、炭化珪素膜成膜後に成膜チャンバーの内面を構成する部材に付着した炭化珪素を含む付着物を精度良く除去することが困難であった。
これにより、プラズマ化したフッ素含有ガスに起因する成膜チャンバーの内面の損傷を抑制できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る炭化珪素成膜装置の概略構成を示す図である。
図1を参照するに、本実施の形態の炭化珪素成膜装置10は、成膜チャンバー11と、フッ素含有ガス供給部13と、プラズマ発生部15と、図示していない加熱器と、不活性ガス供給部18と、ノズル部19と、真空ポンプ22と、ガス管23と、排ガス分析器25と、制御部26と、を有する。
ここで言う「付着物」とは、表面状態が悪く(例えば、表面粗さRaが10以上)、炭化珪素のみの純物質ではなく、珪素や炭素が混在した混合物のことである。
このため、成膜チャンバー11の内面11aを構成する部材(付着物が付着した部材)は、フッ素含有ガスに対して十分な耐性を有した材料により構成されている。
さらに、コストを考慮すると、成膜チャンバー11の内面11aを構成する部材の材料としては、母材がカーボンであって、かつ該母材の表面を炭化ケイ素コートしたものを用いるとよい。
カーボンを炭化珪素コートした部材は、シリコン基板にデバイスを形成する半導体製造装置にも広く使用されており、フッ素含有ガスに対しても強い耐食性のある材料としての実績がある。
しかしながら、これらのガスは温暖化係数(GWP)の大きなガスであるため、温暖化の観点からあまり好ましくない。フッ素含有ガスとしては、GWP値の小さいF2やHF等の低環境負荷ガスが好ましい。
プラズマ発生部15は、フッ素含有ガスをプラズマ化させると共に、プラズマ化したフッ素含有ガスを成膜チャンバー11内に供給する。
また、フッ素含有ガスを多く流すことでラジカル等を多く発生させることが可能となるが、該ラジカル等を十分に利用するためには、ラジカルの衝突による消滅を避けるために圧力を下げる必要がある。
プラズマ発生部15に供給されるフッ素含有ガスの流量及び圧力は、実際にサンプルを処理した時の結果やプラズマ発生条件に伴う各種条件、及び設備等周りの状況等を考慮して、最適な条件を適宜選択することができる。
加熱器としては、成膜チャンバー11全体を温めるようなホットウォール型加熱器を用いてもよいし、加熱ターゲット部材のみを温めて、その伝熱により付着物を温めるようなコールドウォール型加熱器を用いてもよい。
また、上記加熱器として、炭化珪素膜を成膜時に使用する加熱器と同じものを使用してもよい。
また、成膜チャンバー11の温度が400℃よりも高いと、プラズマ化したフッ素含有ガスと炭化珪素コート(成膜チャンバー11)との反応が促進されるため、付着物と炭化珪素コートとの選択性を優位的に確保することができない。
また、ノズル部19の配設位置は、図1に示すノズル部19の配設位置に限定されない。ノズル部19は、成膜チャンバー11の内面11aに不活性ガスを効率良く吹き付けることが可能な位置に配置すればよい。
具体的には、ノズル部19から噴射される不活性ガスの供給圧力は、例えば、0.1〜0.2MPaGとすることができる。また、この時、配管径が1/4inchの場合、ノズル部19から噴射される不活性ガス流量は、およそ40〜60L/minとなる。
プラズマ化したフッ素含有ガスを用いた付着物の除去では、成膜チャンバー11内の圧力が10torr以下で効率の良いエアブローを行おうとすると不活性ガスの流量を多くする必要がある。
このため、一度、成膜チャンバー11内の圧力を大気圧に戻してから不活性ガスを用いた付着物の除去処理を行うことが好ましい。
このように、排ガス分析器25として非分散型赤外線式分析計を用いることにより、簡便、かつ低コストで、四フッ化珪素及び四フッ化炭素の濃度を測定することができる。
また、該記憶部には、炭化珪素を成膜する工程及び成膜チャンバー11から基板を取り出す工程の処理を何回行った際に付着物除去工程を行うかについての情報データ(所定の回数に関する情報データ)が格納されている。
具体的には、測定したガスの濃度が予め格納された閾値よりも大きい場合には、付着物除去工程の実施を継続し、測定したガスの濃度が予め格納された閾値以下の場合には、付着物除去工程の実施を終了させる。
また、付着物除去工程の処理時間を短くすることが可能となるので、生産性の低下を抑制できる。
始めに、図2に示す処理が開始されると、STEP1では、図1に示す炭化珪素成膜装置10の成膜チャンバー11内に、基板(図示せず)を搬入する。このとき、成膜チャンバー11内に収容された図示していないサセプタの基板載置面上に基板を載置する。その後、処理はSTEP2へと進む。
また、STEP4において、No(全ての基板への成膜処理が完了していない)と判定された場合には、処理はSTEP5へと進む。
STEP5において、No(所定の回数に到達していない)と判定された場合、処理はSTEP1へと戻る。また、STEP5において、Yes(所定の回数に到達した)と判定された場合、処理はSTEP6へと進む。
上記STEP6の処理(第1の除去処理)が終了すると、処理はSTEP7へと進む。
その後、該所定のガスの濃度に関するデータは、制御部26に送信され、処理はSTEP8へと進む。
なお、STEP7では、第1の除去処理の終了時のみ上記所定の濃度を分析してもよい。
STEP8において、Yes(分析された所定のガスの濃度が所定の閾値以下になった)と判定された場合、付着物除去工程の処理は停止され、処理はSTEP10へと進む。
これにより、成膜チャンバー11の内面11aに付着した付着物のうち、成膜チャンバー11の内面11aに対する密着性の低下した付着物を成膜チャンバー11の内面11aから剥がすことが可能となる。
具体的には、ノズル部19から噴射される不活性ガスの供給圧力は、例えば、0.1〜0.2MPaGとすることができる。また、この時、配管径が1/4inchの場合、ノズル部19から噴射される不活性ガス流量は、およそ40〜60L/minとなる。
プラズマ化したフッ素含有ガスを用いた付着物の除去では、成膜チャンバー11内を10torr以下の圧力にするが、この圧力で効率の良いエアブローを行おうとすると不活性ガスの流量を多くする必要がある。
このため、第2の除去処理を行う際は、一度、成膜チャンバー11内の圧力を大気圧に戻してから第2の除去処理を行うとよい。
上記STEP9の処理(第2の除去処理)が終了すると、処理はSTEP6へと戻る。
これにより、成膜チャンバー11の内面11aに付着するフッ素含有ガス成分の除去を行うことができる。
なお、加熱パージに使用する水素(H2)をArやHe等の希ガスで希釈してもよい。或いは、希ガスのみで加熱パージしてもよい。
この際、プラズマ化した水素(H2)をArやHe等の希ガスで希釈してもよい。或いは、プラズマ化した希ガスのみで加熱パージしてもよい。
この場合も、加熱パージする際の、加熱温度としては、STEP6の第1の除去処理時の成膜チャンバー11の温度をそのまま継続してもよいし、第1の除去処理時の成膜チャンバー11の温度よりも多少高い温度に設定してもよい。
なお、加熱パージ処理で使用するNH3、SiH4等のガスをArやHe等の希ガスで希釈してもよい。
上記STEP10の処理が終了すると、処理はSTEP11へと続く。
また、STEP11において、Yes(炭化珪素膜を全ての基板に成膜した)と判定された場合、図2に示す処理は終了する。
また、付着物除去工程の処理時間を短くすることが可能となるので、生産性の低下を抑制できる。
この場合も、本実施の形態と同様な効果を得ることができる。
始めに、基板に炭化珪素膜を成膜する工程を繰り返し行った後、成膜チャンバー11の内面11aを構成する部材(炭化珪素よりなる付着物が付着した部材)を3cm□の大きさの評価用サンプルAを切り出した。
次いで、付着物が付いていない別の成膜チャンバー11内に、付着物が付着した評価サンプルAを配置し、その後、図2のSTEP6に示す第1の除去処理を行った。
このとき、プラズマ発生部15の条件としては、2.45GHz(印加電力1000W)を用いた。
排ガス分析器25としては、MIDAC社製のフーリエ変換型赤外分光を用いた。このとき、セル長を10cmとし、波数分解能を1cm−1とし、スキャン回数を64回とした。また、第1の除去処理間のインターバルは10分間に設定した。
具体的には、上記終点に使用する四フッ化ケイ素の濃度を3vol.ppmとし、上記終点に使用する四フッ化炭素の濃度を3vol.ppmとした。
また、窒素による第2の除去処理を行わない間は、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン等)にて真空パージを行なった。
図3は、第1及び第2の除去処理の繰り返し回数と排ガスに含まれる四フッ化ケイ素の濃度と四フッ化炭素の濃度との関係、及び第1の除去処理の繰り返し回数と排ガスに含まれる四フッ化ケイ素の濃度と四フッ化炭素の濃度との関係を示す図である。
参考例では、始めに、基板に炭化珪素膜を成膜する工程を繰り返し行った後、成膜チャンバー11の内面11aを構成する部材(炭化珪素よりなる付着物が付着した部材)を3cm□の大きさの評価用サンプルCを切り出した。評価用サンプルCとしては、実施例の評価サンプルAと同程度の付着物が付着しているものを用いた。
次に、図3を参照して、実施例及び参考例のガス濃度の測定結果について説明する。
参考例の場合、第1の除去処理を14回(182分)繰り返し行っても、四フッ化ケイ素の濃度及び四フッ化炭素の濃度が終点の濃度である3vol.ppm以下になっていない。つまり除去できていない。
また、実施例の場合、付着物の除去処理を開始してから終了までの時間は、117分であることが確認できた。
このことから、実施例の付着物除去方法を用いることで、炭化珪素成膜装置10の生産性を向上できることが確認できた。
Claims (10)
- 炭化珪素を含む付着物が内面に付着した成膜チャンバー内から炭化珪素膜が成膜された基板を取り出した後、前記成膜チャンバーの内面を350℃以上の温度に加熱し、加熱された前記成膜チャンバー内にプラズマ化したフッ素含有ガスを供給して、前記付着物を除去する第1の除去処理、及び前記第1の除去処理後、前記成膜チャンバーの内面に不活性ガスを吹き付けて、前記付着物を除去する第2の除去処理を順次繰り返し行う付着物除去工程と、
前記成膜チャンバー内から排出される排ガスに含まれる所定のガスの濃度を分析する工程と、
を有し、
前記所定のガスの濃度が所定の閾値以下になった際、前記付着物除去工程を終了することを特徴とする炭化珪素除去方法。 - 前記付着物除去工程では、前記第1の除去処理と前記第2の除去処理との順番を入れ替えることを特徴とする請求項1記載の炭化珪素除去方法。
- 前記第2の除去処理では、前記成膜チャンバー内の圧力を大気圧下にした後、前記成膜チャンバーの内面に前記不活性ガスを吹き付けることを特徴とする請求項1または2記載の炭化珪素除去方法。
- 前記第1の除去処理では、前記成膜チャンバーを350〜400℃に加熱することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の炭化珪素除去方法。
- 前記付着物除去工程の前に、前記基板に前記炭化珪素膜を成膜する工程と、
前記付着物除去工程の前で、かつ前記炭化珪素膜を成膜する工程後、前記成膜チャンバー内から前記基板を取り出す工程と、
を有し、
前記炭化珪素膜を成膜する工程、及び前記基板を取り出す工程を順次繰り返し行うことを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の炭化珪素除去方法。 - 前記付着物除去工程後、前記炭化珪素膜を成膜する工程、及び前記基板を取り出す工程を行うことを特徴とする請求項5記載の炭化珪素除去方法。
- 前記付着物除去工程後で、かつ前記炭化珪素膜を成膜する工程の前に、前記成膜チャンバー内を水素により加熱パージする工程を有することを特徴とする請求項6記載の炭化珪素除去方法。
- 前記加熱パージする工程では、前記水素をプラズマ化させることを特徴とする請求項7記載の炭化珪素除去方法。
- 基板に炭化珪素膜を成膜する際に炭化珪素を含む付着物が内面に付着した成膜チャンバーと、
前記成膜チャンバーの内面を350℃以上の温度に加熱する加熱器と、
フッ素含有ガスを供給するフッ素含有ガス供給部と、
前記フッ素含有ガス供給部と接続され、前記フッ素含有ガスをプラズマ化させると共に、プラズマ化した前記フッ素含有ガスを前記成膜チャンバー内に供給するプラズマ発生部と、
不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、
前記不活性ガス供給部と接続され、前記成膜チャンバーの内面に前記不活性ガスを吹き付けるノズル部と、
前記成膜チャンバー内から排出される排ガスを分析する排ガス分析器と、
前記排ガス分析器の分析結果に基づき、前記フッ素含有ガス供給部、前記プラズマ発生部、前記不活性ガス供給部、及び前記ノズル部を制御する制御部と、
を有することを特徴とする炭化珪素成膜装置。 - 前記ノズル部は、移動及び/または回転可能な構成とされていることを特徴とする請求項9記載の炭化珪素成膜装置。
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