WO2016103924A1 - 炭化珪素堆積物のクリーニング方法 - Google Patents

炭化珪素堆積物のクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

 本発明は、SiCエピタキシャル炉内の炭化珪素でコートされた部材に堆積した炭化珪素堆積物に対し、フッ素ガス1~20体積%と不活性ガス80~99体積%との混合ガスを、200~500℃の温度で流通させることを特徴とする炭化珪素堆積物のクリーニング方法に関する。不活性ガスとしては窒素ガスまたはアルゴンガスが好ましい。 本発明によれば、SiC堆積物を除去するクリーニングガスとして濃度100%では不適切であるとされているフッ素ガスを用いて、カーボン母材の表面にCVD法による多結晶のSiCの被覆層を有する基材(SiCコート)に堆積した炭化珪素を含有する堆積物を選択的に除去することができる。

Description

炭化珪素堆積物のクリーニング方法
 本発明は、SiCエピタキシャル炉内の部材等に堆積した炭化珪素(SiC)を含有する堆積物を除去するためのクリーニング方法に関する。
 炭化珪素(SiC)は、重要なセラミックス材料として多方面で使用されている。近年、炭化珪素のエピタキシャル成長技術が注目されており、特にその絶縁破壊電圧の高さや高温作動時における信頼性から、低消費電力のトランジスタなどの用途が開発されている。
 このような用途に用いられる炭化珪素は、高純度な単結晶である必要がある。大型の炭化珪素単結晶の製造法としては、化学気相堆積法(Chemical Vapor Deposition法;CVD法)を用いてプロパンガスとシランガスなどの化学反応により膜成長させる方法や、モノメチルシランをCVD法の原料として膜成長させる方法が知られている。
 これらのCVD法を用いて、高純度な炭化珪素(SiC)単結晶を作製するには、炭化珪素成膜時に、1500℃以上の高い温度が必要である。そのため、反応容器(SiCエピタキシャル炉)の内壁やウエハを設置するサセプタなどの装置基材(以下、「部材」と略記することがある。)には、高耐熱性材料である、主としてカーボン母材の表面にCVD法によって緻密な多結晶のSiCを被覆したもの(SiCコート)が用いられる。
 また、CVD法による膜成長では、反応容器の内壁やサセプタなど意図しない部位にも炭化珪素が付着し、堆積してしまう。それら意図しない部分に堆積した炭化珪素の微粒子(SiC堆積物)は、時として剥離、脱落し、炭化珪素薄膜の成長表面に落下して付着し、結晶成長を阻害したり、欠陥を生じさせたりする原因となる。そのため、定期的に反応容器の内壁の堆積した炭化珪素を取り除かなければならない。その除去方法としては、従来、炭化珪素が反応容器の内壁に堆積した場合には、工具を用いて剥離除去するか、容器を定期的に交換する方法が採用されていた。
 堆積した炭化珪素の削り取りや反応容器の交換には長い作業時間を要し、反応器を長期間にわたり大気開放する必要があることから、歩留まりの悪化など生産性にも影響を与える原因となっていた。そのため、装置を開放することなく、無機物質を効率よく除去するガスを用いて、装置内部に付着した炭化珪素を化学的に除去するクリーニング方法が検討されている。
 特許文献1(特開2014-154865号公報)には、七フッ化ヨウ素を含むクリーニングガスにより、基材を構成するグラファイトをエッチングして損傷を与えることなく、炭化珪素を含有する堆積物を除去する方法が記載されている。七フッ化ヨウ素ガスは、グラファイトへのダメージを抑え炭化珪素を除去することができる優れたクリーニングガスではあるが、コーティングとして被覆された炭化珪素とその上に堆積した炭化珪素(堆積物)との反応選択性に乏しいという問題がある。また、特許文献1には、より一般的なエッチングガスであるフッ素ガス(F2)がクリーニングガスとして不適であることを示す比較例が記載されている。
 窒素ガスなどの不活性ガスで希釈したフッ素ガスによるクリーニングのデータが示されていない特許文献1の記載内容から、仮に窒素ガス(N2)などで希釈したフッ素ガスを用いた場合に、グラファイト等のカーボン母材に予め被覆された炭化珪素へダメージを与えることなく、材質のダメージが抑えられ、SiCエピタキシャル炉内の部材に堆積した炭化珪素(SiC)を含有する堆積物のみを選択的に除去できることは当業者には予測困難であると考えられる。
 特許文献2(特開2013-251487号公報)には、予めプラズマ化された三フッ化窒素等のフッ素含有ガスにより炭化珪素よりなる付着物を除去する方法が示されている。
 特許文献2では、プラズマ状態のガスを用いるため、プラズマを発生させるために特別な装置が必要になる。また、炭化珪素よりなる堆積物以外の部材、特にカーボン母材の表面にCVD法によって緻密な多結晶のSiCを被覆したもの(SiCコート)へのダメージを防ぐことは困難であった。
特開2014-154865号公報 特開2013-251487号公報 特開2004-224663号公報
 本発明の目的は、より一般的なエッチングガスであるフッ素ガス(F2)を用いて、カーボン母材の表面にCVD法によって緻密な多結晶のSiCを被覆(コート)された基材に堆積した炭化珪素を含有する堆積物のクリーニング処理において、緻密な多結晶のSiCコートに損傷を与えることなく、十分なクリーニング速度でSiC堆積物を除去できる方法を提供することにある。
 本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、不活性ガスで希釈されたフッ素ガスを、特定範囲の濃度でかつ特定の温度範囲の条件で流通させることにより、緻密な多結晶のSiCで被覆された基材を損傷することなく、炭化珪素含有堆積物を優先的に除去できることを見出し本発明を完成した。
 すなわち、本発明は以下の[1]~[4]の炭化珪素堆積物のクリーニング方法及び[5]の炭化珪素結晶の製造方法に関する。
[1]炭化珪素でコートされた部材に堆積した炭化珪素堆積物に対し、フッ素ガス1~20体積%と不活性ガス80~99体積%とからなる混合ガスを、200~500℃の温度にてノンプラズマ状態で流通させることを特徴とする炭化珪素堆積物のクリーニング方法。
[2]不活性ガスが、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス及び空気から選択される前項1に記載の炭化珪素堆積物のクリーニング方法。
[3]不活性ガスが窒素ガスまたはアルゴンガスである前項2に記載の炭化珪素堆積物のクリーニング方法。
[4]前記炭化珪素でコートされた部材が、炭化珪素エピタキシャル炉を構成する部材である前項1~3のいずれか1項に記載の炭化珪素堆積物のクリーニング方法。
[5]前項4の方法でクリーニングされた炭化珪素エピタキシャル炉を使用することを特徴とする炭化珪素結晶の製造方法。
 本発明の方法によれば、SiCエピタキシャル成長炉におけるSiCコートされたチャンバー内の部材を損傷することなく、SiC堆積物を容易に除去することができる。
実施例及び比較例で使用したクリーニング装置の概略図である。 評価用サンプル及び対照サンプル断面のSEM写真(倍率100倍)であり、(A)はクリーニング処理前、(B)は実施例1、(C)は実施例2のものである。
 以下、本発明に係る炭化珪素堆積物のクリーニング方法を詳細に説明する。
 本発明の適用対象となる堆積物は、堆積物の主成分として炭化珪素を含んでいれば特に限定されるものではなく、炭化珪素を単独成分とするものでもよい。具体的には、化学的気相堆積法(CVD法)、有機金属気相成長法(MOCVD法)、スパッタリング法、ゾルゲル法、蒸着法等の方法を用いて薄膜、厚膜、粉体、ウイスカ等を製造する際に、製造装置の内壁または半導体ウエハを設置するためのサセプタなどの冶具、配管等の付属装置に付随的に堆積した不要な堆積物である。
 また、炭化珪素の薄膜、厚膜等のみではなく六方晶SiCウエハなどの大型バルク結晶成長を行う方法、例えば、特開2004-224663号公報(特許文献3)に開示されている、炭化珪素の原料を加熱昇華させて種結晶上に炭化珪素の結晶成長を行い大型バルク結晶成長させる昇華再結晶法(改良レリー法)を実施する製造装置の内壁またはその付属部品に付着した不要な堆積物にも適用可能である。
 本発明方法の適用対象となる装置の基材は、カーボン母材表面の少なくとも一部を炭化珪素などの保護膜で被覆した1500℃以上の高温条件に耐えうる基材である。
 具体的には、上述の炭化珪素の製造装置を構成する物品、炭化珪素製造装置の内壁、及び半導体ウエハを設置するためのサセプタなどの冶具、配管等の付属装置を挙げることができる。すなわち、本発明のクリーニング方法は、不要な堆積物が堆積しやすい製造装置の内壁、半導体ウエハを設置するためのサセプタ、半導体デバイス、コーティング工具などの薄膜を形成する炭化珪素製膜装置やウイスカ、粉末などを製造する炭化珪素製造装置の内壁、及び前記装置の付属部品に堆積したSiC堆積物の除去に適用できる。また、炭化珪素の薄膜、厚膜等のみでなく六方晶SiCウエハなどの大型バルク結晶成長を行う製造装置の内壁またはその付属部品に付着した不要なSiC堆積物の除去にも適用可能である。これらのうち、成膜装置への適用が好ましく、特に、高温条件での成膜が行われる炭化珪素のエピタキシャル膜成長を行う製膜装置の内壁またはその付属部品に堆積したSiC堆積物への適用がさらに好ましい。これらの中でも、不要な堆積物が堆積しやすい製造装置の内壁及び半導体ウエハを設置するためのサセプタへの適用が特に好適である。
 本発明の方法では、特定の濃度範囲に希釈したフッ素ガスを用いて、上述の基材を反応器に設置したヒーターで特定の温度範囲に加熱しながら基材の表面に形成されている炭化珪素を含有する堆積物を選択的に除去する。基材に堆積した不要な堆積物が本発明の方法により除去される機構としては、フッ素の熱分解によって生じたフッ素ラジカルが堆積物中の炭化珪素と反応してSiF4、CF4となることにより除去されると考えられる。
 内壁に付着するSiC膜は、内壁を構成する緻密な多結晶のSiC膜(SiCコート膜)とは異なり、緻密でない多結晶の膜と考えられる。SiCコート膜は灰色で表面が滑らかであるのに対し、堆積物は黄色であり、肉眼でも細かな粒子の集合体であることが確認できる。表面粗さで示すとコート膜の表面粗さがRa≦4であるのに対し、堆積物の表面粗さはRa≧10である。
 この緻密でない多結晶のSiC膜のエッチングレートは、緻密な多結晶のSiC膜に比較して十分速くなると予想されるが、100%のF2ガスを用いた場合には、同一成分であるコート膜と堆積物のエッチングレートには堆積物が選択的に除去されるほどの差は生じない(特許文献3)。
 そこで、本発明者らは、F2ガスを不活性ガスで希釈した混合ガスをエッチングガスとする方法について検討した。そして、フッ素濃度が1~20体積%、好ましくは5~15%の範囲で、十分なエッチングレート差が得られることを確認した。この濃度範囲に希釈したF2ガスを用いることにより、緻密な多結晶のSiC膜と、緻密でない多結晶のSiC膜との間のエッチングレートに明確な差が認められる。すなわち、エッチングレートの差を利用することにより、内壁を構成するSiC膜を実質的にエッチングすることなく、内壁に付着したSiC膜をエッチング除去することができる。
本発明で使用する不活性ガスは特に限定されるものではないが、窒素ガス(N2)、アルゴンガス(Ar)、ヘリウムガス(He)、及び空気が挙げられる。これらの中でもN2及びArが好ましい。
 クリーニングの反応条件に関しては、反応温度は炭化珪素を含む堆積物が堆積した基材の温度を200~500℃、好ましくは250~350℃の範囲に設定する。200℃より低い温度では十分なクリーニング性能が得られない場合がある。500℃より高い温度の場合、エッチングレートの差が少なくなるだけでなく、エネルギーの無駄になり消費電力などランニングコストが高くなる。
 反応温度は反応器に設置されたヒーターにより制御される。ヒーターとしては装置全体を温める加熱器を用いてもよいし、加熱ターゲット部材のみを温めてその伝熱により付着物を温めるような加熱器を用いてもよい。センサーは付着物付近に設置する。センサーを直接ガスに接触させられない場合には、内挿管等を用いてもよい。
 反応の圧力については、特に制限されるものではない。通常は大気圧下で行うが、-0.05~0.3MPaGが適用可能である。
 クリーニングガスの流量は、クリーニング装置の反応器容量により適宜調整されるが、線速度(LV)として、LV=0.1~10m/minが好ましい。
 本発明のクリーニング方法は、CVD法により半導体デバイス、コーティング工具などの薄膜を形成する炭化珪素製膜装置やウイスカ、粉末などを製造する炭化珪素製造装置の内壁及び前記装置の付属部品に堆積したSiC堆積物の除去に適用できる。また、炭化珪素の薄膜、厚膜等のみでなく六方晶SiCウエハなどの大型バルク結晶成長を行う製造装置の内壁またはその付属部品に付着した不要なSiC堆積物の除去にも適用可能である。これらのうち、成膜装置への適用が好ましく、特に、高温条件での成膜が行われる炭化珪素のエピタキシャル膜成長を行う製膜装置の内壁またはその付属部品に堆積したSiC堆積物の除去への適用が好ましい。
 以下、実施例及び比較例により、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
 クリーニング装置として、図1に示す円筒形の反応管1(ニッケル製)を備えた外熱式縦型反応炉を使用した。円筒形の反応管1には、クリーニングガスを供給するフッ素ガス供給部2と希釈用ガス供給部3が接続されており、反応管1の下流には、ガスを反応管から排出する排気部4が設けられている。さらに、反応管1の外周部には外部ヒーターとして誘導加熱コイル5が設置され、この誘導コイルによって反応管の内部を加熱することができる構成とした。クリーニング試験は、サンプル7(評価用サンプルと対照サンプル)を反応管内部の裁置台6に設置して行った。
実施例1:
 カーボン母材にSiCコートされたチャンバー内部材を有するSiCエピタキシャル炉でSiCエピタキシャル成長工程を繰り返し行い、SiC堆積物が堆積したチャンバー内部材を5mm角の大きさに切り出し、評価用サンプルとした。また、SiCエピタキシャル成長工程を行い(堆積物が堆積していない)SiCコートされたチャンバー内部材から1cm角の大きさの対照サンプルを切り出した。なお、対照サンプルではコート膜が灰色で表面が滑らかであるのに対し、評価用サンプルでは、堆積物は黄色で細かな粒子の集合体であり、両者の違いは肉眼で確認できるが、断面をSEM(Scanning Electron Microscope)観察した結果、図2(A)に示すように、SiCコートの厚みはいずれも70μm、評価用サンプルの堆積物(デポ)の厚みはおよそ250μであった。
 これら2つのサンプルを、図1に示す内挿管を有するニッケル(Ni)製の反応管(φ3/4インチ、長さ30mm)内の中心位置のサンプル裁置台に設置した。内挿管内のサンプル設置場所付近に熱電対を設置した。
 反応管を、電気炉を用いて280℃に加熱し、大気圧条件下、F2濃度10体積%、N2濃度90体積%のガスを線速度(LV)1m/minとなるよう、流量180ml/minで60分間流通させた。その結果、堆積物層は210μmまで減少したが、SiCコート層は70μmを保っていた(図2(B))。
 エッチングレートは、堆積物層については0.67μm/min、コート層については<0.08μm/minであり、コート層に対する堆積物層のエッチングレート比は>8.4であった。
実施例2:
 ガスの流通時間を350分間としたこと以外は実施例1と同じ条件にてクリーニング試験を行った。その結果、堆積物層は消失したがSiCコートの厚みは65μmであった(図2(C))。
 エッチングレートは、堆積物層については0.71μm/min、コート層については0.014μ/minであり、コート層に対する堆積物層のエッチングレート比は51であった。
実施例3:
 ガス組成をF2濃度5体積%、N2濃度95体積%とした以外は実施例1と同じ条件にてクリーニング試験を行った。その結果、堆積物層は220μmまで減少したが、SiCコート層は70μmを保っていた。
 エッチングレートは、堆積物層については0.50μm/min、コート層については<0.08μm/minであり、コート層に対する堆積物層のエッチングレート比は>6.3であった。
実施例4:
 ガス組成をF2濃度15体積%、N2濃度85体積%とした以外は実施例1と同じ条件にてクリーニング試験を行った。その結果、堆積物層は190μmまで減少したが、SiCコート層は65μmまでの減少に留まった。
 エッチングレートは、堆積物層については10μm/min、コート層については0.83μm/minであり、コート層に対する堆積物層のエッチングレート比は12であった。
実施例5:
 反応管の温度を400℃にした以外は実施例1と同じ条件にてクリーニング試験を行った。その結果、堆積物層は190μmまで減少したが、SiCコート層は65μmまでの減少に留まった。
 エッチングレートは、堆積物層については10μm/min、コート層については0.83μm/minであり、コート層に対する堆積物層のエッチングレート比は12であった。
比較例1:
 反応管の温度を550℃にした以外は実施例1と同じ条件にてクリーニング試験を行った。その結果、堆積物層は200μmまで減少し、SiCコート層も50μmまで減少した。
 エッチングレートは、堆積物層については0.83/min、コート層については0.17μm/minであり、コート層に対する堆積物層のエッチングレート比は4.9であった。
比較例2:
 反応管の温度を150℃にした以外は実施例1と同じ条件にてクリーニング試験を行った。その結果、堆積物層は250μmのまま変化せず、SiCコート層も70μmのまま変化しなかった。
比較例3:
 ガス組成をF2濃度30体積%、N2濃度70体積%とした以外は実施例1と同じ条件にてクリーニング試験を行った。その結果、堆積物層は210μmまで減少し、SiCコート層も50μmまで減少した。
 エッチングレートは、堆積物層については0.67μm/min、コート層については0.17μm/minであり、コート層に対する堆積物層のエッチングレート比は3.9であった。
比較例4:
 ガス組成をF2濃度体積0.5%、N2濃度99.5体積%とした以外は実施例1と同じ条件にてクリーニング試験を行った。その結果、堆積物層は250μmのまま変化せず、SiCコート層も70μmのまま変化しなかった。
比較例5:
 反応管の前段にプラズマ発生部を設け、クリーニングガスを予めプラズマ状態としてから反応管に導入した。プラズマ発生部には2.45GHz(印加電力1000W)のプラズマ発生器を用いた。また、ガス組成はF2濃度10体積%、Ar濃度90体積%とした。それ以外は実施例1と同じ条件にてクリーニング試験を行った。その結果、堆積物層は210μmまで減少し、SiCコート層も50μmまで減少した。
 エッチングレートは、堆積物層については0.67μm/min、コート層については0.17μm/minであり、コート層に対する堆積物層のエッチングレート比は3.9であった。
 実施例及び比較例の結果を表1にまとめて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1より、フッ素ガス1~20体積%と不活性ガス80~99体積%とからなる混合ガスを、200~500℃の温度で流通させることにより堆積物層とコート層のエッチングレート比を大きくすることができ、堆積物を優先的にクリーニングできることがわかる。そして、フッ素ガス濃度、及び反応温度のどちらかが上記範囲外である条件では、堆積物のクリーニングが行えないか、エッチングレート比が小さくなりコート層へダメージを与えてしまう。また、フッ素ガス濃度、反応温度が上記範囲内であっても、プラズマ条件下ではエッチングレート比が小さくなりコート層へダメージを与えてしまうことがわかる。
1 反応管
2 フッ素ガス供給部
3 希釈用ガス供給部
4 排気部
5 誘導加熱コイル
6 サンプル裁置台
7 サンプル

Claims (5)

  1.  炭化珪素でコートされた部材に堆積した炭化珪素堆積物に対し、フッ素ガス1~20体積%と不活性ガス80~99体積%とからなる混合ガスを、200~500℃の温度にてノンプラズマ状態で流通させることを特徴とする炭化珪素堆積物のクリーニング方法。
  2.  不活性ガスが、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス及び空気から選択される請求項1に記載の炭化珪素堆積物のクリーニング方法。
  3.  不活性ガスが窒素ガスまたはアルゴンガスである請求項2に記載の炭化珪素堆積物のクリーニング方法。
  4.  前記炭化珪素でコートされた部材が、炭化珪素エピタキシャル炉を構成する部材である請求項1~3のいずれか1項に記載の炭化珪素堆積物のクリーニング方法。
  5.  請求項4の方法でクリーニングされた炭化珪素エピタキシャル炉を使用することを特徴とする炭化珪素結晶の製造方法。
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