JP3017528B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP3017528B2 JP2321231A JP32123190A JP3017528B2 JP 3017528 B2 JP3017528 B2 JP 3017528B2 JP 2321231 A JP2321231 A JP 2321231A JP 32123190 A JP32123190 A JP 32123190A JP 3017528 B2 JP3017528 B2 JP 3017528B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 (産業上の利用分野) 本発明は、材料表面にプラズマCVD法による成膜、材
料表面のプラズマ改質、あるいはプラズマエッチングを
行う目的のプラズマ処理装置に関するものである。
(従来の技術) プラズマ処理装置は、低温下の乾式表面処理装置とし
て、例えばプラズマCVD法による材料表面上への成膜装
置、プラズマエッチング法による材料の蝕刻、プラズマ
クリーニング、プラズマ表面改質などの材料表面処理に
用いられている。
この種のプラズマ処理装置は、減圧処理室内外にプラ
ズマ発生用電極を備え、その処理室内にもうけた処理台
上に被処理材を配置して、処理に応じた反応ガスを導入
しつつ、プラズマを発生させて所定の処理を行うもので
ある。又、当該装置は、その目的により多様な形態をと
っている。例えば枚葉処理、バッチ処理、容量結合式、
誘導結合式、マイクロ波方式、ECR方式等が現行使用さ
れている。
然して、プラズマ処理装置は、半導体素子などの高付
加価値部材の製造用部材の製造用装置として多用されて
いる。例えば、プラズマCVD法によってシリコン単結晶
基板(以下シリコンウェハと言う)上に二酸化珪素(Si
O2)、窒素珪素(Si3N4)等の絶縁皮膜を形成したり、
適当な基板の上にアモールファスのシリコン膜を形成す
る目的で使用されている。その際、一例としてSiO2膜を
得る場合はTEOS(テトラエチルオルトシリケート、また
はエチルエトキシシラン)ガス等と酸素(O2)を、また
Si3N4膜を得る場合には、モノシラン(SiH4)及びその
誘導体ガスとアンモニア(NH3)・チッソ(N2)ガス等
をそれぞれ0.1〜20Torrの真空度を有する処理室に導入
し、プラズマ電極間でプラズマを発生させることにより
気相反応を起こし、300〜500℃に加熱された被処理材の
シリコンウェハ上に反応生成物を堆積させ、絶縁皮膜を
形成させることが行われている。
ところでこの際、用いられるプラズマ電極として、例
えば特開昭61−56415号公報に記載されているように、
アルミニウム電極が使用されている。また、発生プラズ
マの安定性をはかるため硫酸陽極酸化皮膜を表面に形成
したアルミニウム電極も使用されている。
然し、上記したようなプラズマCVD法による絶縁膜の
形成に際し、該絶縁膜が被処理材のシリコンウェハ上に
優先的に堆積されるが、処理室内に有るすべての物体
上、例えばプラズマ電極や処理室壁等の表面上にも堆積
する。そのため、後処理として特にプラズマ電極のクリ
ーニングを行い、堆積物を除去することが、操業の安定
性確保のために必要になる。このクリーニング法には、
フッ化物ガス、例えばCF4、C2F6、NF3ガスと酸素の混合
ガス、あるいは場合によってはN2Oガス、更に混合ガス
を加えて、プラズマエッチングによるドライクリーニン
グが、同一装置内で行う簡便性のために実用性の高い方
法として行なわれている。この場合、ドライクリーニン
グ処理は、処理室内にエッチングガスを導入しつつ、プ
ラズマを発生させてプラズマ中に生成したフッ素ラジカ
ルによる化学作用によって、処理室内の各部位に堆積し
た反応生成物を低沸点のフッ化物に転換して気化させ、
表面から除去するドライエッチングを発現させるもので
あるが、このときアルミニウム電極を含む処理室内のア
ルミ材料、アルミナ材料、ステンレス材料、石英等も少
しずつ消耗することになる。即ち、処理装置内のこれら
材料の消耗は、フッ化物の生成と分解飛散の繰返しで進
行し、これら材料の消耗は、単に装置の寿命に関係する
のみならず、成膜時に膜中不純物として取り込まれ、半
導体デバイスの信頼性を損なう等重大な問題となりつつ
ある。
近年特にフッ化物ガスはクリーニング性の高いものが
使用される傾向が高く、またプロセス温度も高くなる傾
向があって、装置内で使用される各材料からの汚染の問
題が深刻になりつつある。この汚染を低減する方法とし
ては、たとえばアルミニウムに陽極酸化処理を施すこと
が実施されていたり、またアルミ表面上にセラミックコ
ーテイングを施す提案(特開平1−312088)がある。し
かしながら、これらのコーテイングは汚染を防ぐのに必
ずしも充分なものではなかった。
又、フッ素プラズマを応用した表面改質、ドライエッ
チング技術の場合も同様にアルミニウム表面の消耗、プ
ロセスに影響する汚染が問題として取り上げられてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 従来、アルミあるいはアルミ合金に硫酸陽極酸化を施
したプラズマ発生電極が、ウェハ処理用プラズマ処理装
置に使用されてきており、又アルミ合金としては、6061
合金が主として使用されてきている。
一方、真空槽はステンレススチール、またはアルミ合
金で作られることが多く、近年アルミ合金の多用が目だ
つ。
ウェハ上に二酸化珪素SiO2あるいはチッ化珪素SixNy
を製膜した後電極上に生成した同生成物を除去するため
に、NF3、CF4、C2F6等の単独あるいはこれらの混合物と
酸素あるいは亜酸化窒素(N2O)の混合気体を用いてプ
ラズマエッチングがウェハ処理毎に成されている。
プラズマ電極表面をはじめ、プラズマ処理装置内の部
品表面はプラズマ励起されたフッ素によってフッ化物に
変化し、徐々に消耗するもので、例えば、アルミ合金、
アルミナはフッ化アルミ(AlF3)に変化する。また、ス
テンレススチール中の鉄はフッ化鉄(FeF3)に変化す
る。クリーニングに続く成膜時に前記のフッ化物は、フ
ッ素および金属元素の汚染源となる。例えばアルミニウ
ム合金6061を用いて作製したプラズマ処理装置を用い二
酸化珪素膜を生成すると、初期の膜中にはかなり高濃度
のアルミとフッ素が含まれる。
半導体の集積度の向上に伴い、これらの汚染の解決が
急務となっている。
「発明の構成」 (課題を解決するための手段) 発明者らは、プラズマ励起されたフッ素に繰り返し晒
される環境に対し耐食性に優れかつ、汚染源となる金属
元素及びフッ素の供給源とならない表面処理装置を得る
ことに成功したものであって、以下の如くである。
すなわち、本発明によるプラズマ処理装置は、プラズ
マ発生の原理を応用した薄膜堆積装置並びに表面加工及
び改質装置において、アルミニウム又はステンレススチ
ールを含む材料から成る電極のプラズマに曝される表面
を、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ス
トロンチウム、フッ化バリウム、フッ化ラヂウム、フッ
化スカンジウム、及び、原子番号57から71までのランタ
ニド系列金属のフッ化物から成る群より選ばれる少なく
とも一種のフッ化物でコーティングしたことを特徴とす
る。
そして、フッ化物によるコーティングの厚さが2μm
以上且つ6μm未満であると好ましい。
また、本発明によるプラズマ処理装置の製造方法は、
プラズマ発生の原理を応用した薄膜堆積装置並びに表面
加工及び改質装置において用いられるプラズマ処理装置
の製造方法であって、アルミニウム又はステンレススチ
ールを含む材料から成る電極の表面をイオンボンバード
し、その電極の表面に、フッ化マグネシウム、フッ化カ
ルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フ
ッ化ラヂウム、フッ化スカンジウム、および、原子番号
57から71までのランタニド系列金属のフッ化物から成る
群より選ばれる少なくとも一種のフッ化物をイオンプレ
ーティングにより被覆した後、上記群より選ばれる少な
くとも一種のフッ化物を真空蒸着により更に被覆して、
コーティング層を形成せしめることを特徴とする。さら
に、コーティング層の厚さが2μm以上且つ6μm未満
となるように、上記フッ化物を電極の表面に被覆すると
好適である。
(作用) 電極間に高周波電力を印加してプラズマを発生させる
プラズマCVD処理装置のようなプラズマ処理装置におい
て、処理室内部に設けられたアルミニウム又はステンレ
ススチールを含む材料から成る電極のプラズマに曝され
る表面を、上述したフッ化物でコーティングすることに
より、ドライエッチングにおける電極材料の消耗が防止
される。したがって、プラズマ処理CVDにより生成され
た膜中の不純物を著しく減少させることができる。
前記フッ化物は上述したような処理装置における減圧
処理室及び処理室内部品の主たる構成材料であるアルミ
ニウム、アルミナ、ステンレススチールのフッ化処理に
よる生成物である、フッ化アルミニウム、フッ化鉄、フ
ッ化ニッケル、フッ化クロム等に比較すると、高温で極
めて安定である。例えば、700ケルビン(527℃)でのフ
ッ化物の蒸気圧(atm)はフッ化アルミニウム1
0−11.77、フッ化第一鉄10−13.18、フッ化第2鉄10
−8.28、フッ化フロム10−10.86、フッ化ニッケル10
−13.97、であるのに対し、フッ化マグネシウムは10
−19.04、フッ化カルシウムは10−21.76、フッ化スカン
ジウムは10−17.04、ランタニド系列の代表として例え
ばセリウムは10−19.72、フッ化ホルミウムは10−22.34
と4桁以上蒸気圧が低く、また化学的にも安定である。
また、上記フッ化物によるコーティングの厚さが好ま
しくは2μm以上且つ6μ未満であると、主としてクリ
ーニングプロセス又はドライエッチングプロセスに用い
られるフッ素の攻撃に対して極めて安定に電極材料を保
護することができる。
(実施例) 本発明によるものの具体的な実施例について説明する
と、本発明における処理装置の1例は添附図面に示す如
くであって、一側に真空排気口9を形成した減圧処理室
1内にヒータユニット5を設け、該ヒータユニット5上
に下部電極4を配設し、この下部電極4と処理室1の上
部にセットされた上部電極2との間に被処理材3を位置
せしめ、両電極2、4間にプラズマを発生させるように
成っており、モータ駆動されるリフター6の支持ピン7
により前記被処理材3が適宜に操作される如く形成され
ている。
然して、このような装置において、本発明では処理室
1の内面、ヒータユニット5、下部電極4において上部
電極2の支持手段などのプラズマに曝される表面に対し
上述したようなフッ化物によるコーテイングを形成した
ものである。
本発明によるもののコーテイング膜の形成は、フッ化
物のイオンプレーテイングと真空蒸着の併用により的確
に形成されるが、このような方法のみに限定されるもの
でなく、その他の任意の方法を採用することができる。
このような本発明によるものの具体的な実施例につい
て説明すると、以下の如くである。
実施例1 アルミニウム合金であるJIS5056合金を用い、円盤状
プラズマ電極を作製して下部電極とした。一方この下部
電極と対向する同じアルミニウム合金製の多数の微細な
孔を有する上部電極を作製し、これら両電極にイオンプ
レーテイングと真空蒸着の併用によりフッ化カルシウム
(CaF2)コーテイングをした。コーテイングに先立ち、
電極はアルゴンイオンボンバードにより清浄化し、イオ
ンボンバード条件は1×10-4Torr、バイアス電圧−100
V、RF電力200Wでボンバード時間は5分とした。その
後、アルゴン圧1×10-4Torr、RF電力200W、バイアス電
圧100V、被処理物の温度を400℃に保ち、1分間のイオ
ンプレーテイングを行った。しかる後、7〜10×10-6To
rrとして膜厚2μmを得る場合には15分、6μmの場合
には35分真空蒸着を行った。
また、減圧処理室内の該電極以外の部品である、アル
ミナ製の下部電極支持物品の表面も電極と同様にフッ化
カルシウム6μmのコーテイングを行った。しかる後、
該プラズマ処理装置を用いて、両電極間にシリコンウェ
ハを置きTEOSと酸素の混合気体をもちいて10Torrとし、
かつRFパワーを4ワット/cm2としてシリコンウェハ上に
SiO2膜を生成した。下部電極は430℃に加熱した。シリ
コンウェハを除いた後、下部電極の周辺並びに上部電極
に析出したSiO2を除去するためにNF3と酸素の混合ガス
をもちいて、RFパワー4ワット/cm2でクリーニングを実
施して1サイクルの処理を終了した。この一連の処理の
繰り返しを100回、並びに5000回実施後上記の条件でシ
リコンウェハ上にSiO2膜を生成して、膜中に取り込まれ
たアルミニウム、フッ素、カルシウムの深さ方向分析を
SIMS(SECONDARY IONMASS SEPECTROSCOPY)で実施した
結果は次の第1表に示す如くである。即ち、アルミとフ
ッ素はSiO2とシリコンウェハの界面での濃縮が認められ
ず、しかもコーテイング厚さ2μm及び6μmで有意な
差は認められず、100、5000回処理時のアルミは双方と
も約1×1016atm/ccでシリコンウエハ中とSiO2膜中で有
意な差はなかった。また、フッ素の濃縮についてはシリ
コンウエハ中で大略3×1018atm/cc、SiO2膜中で約1×
1019atm/ccで、極く微量の汚染があった。また、カルシ
ウムについては、何れの場合も検出下限値であり汚染は
認められなかった。アルミニウム、フッ素については従
来の電極による比較例の濃度に比べて約各々15分の1と
30分の1に減少した。
実施例2 アルミ合金JIS6061を用いて、実施例1と同様の1対
の電極を作製し、しかるのち両電極表面に実施例1と同
様な方法によって膜厚約4μmのフッ化マグネシウムコ
ーテイングを形成した。実施例1と同様に両電極間にシ
リコンウェハを置きTEOSと酸素の混合気体を用いて7Tor
rとし、かつRFパワーを4ワット/cm2としてシリコンウ
ェハ上にSiO2膜を生成した。下部電極は400℃に加熱し
た。シリコンウェハを除いた後、下部電極の周辺並びに
上部電極に析出したSiO2を除去するために、C2F6と酸素
の混合ガスを用いて、RFパワー4ワット/cm2でクリーニ
ングを実施して1サイクルの処理を終了した。この一連
の処理の繰り返しを5000回実施した後、上記の条件でシ
リコンウェファ上にSiO2膜を生成して、膜中に取りまれ
たアルミニウム、フッ素、マグネシウムの深さ方向分析
をSIMSで実施した。アルミとフッ素はSiO2とシリコンウ
ェハ間で顕著な濃度差が認められず、界面で若干の濃縮
が認められた。アルミは双方で1×1016atm/ccであっ
た。また、フッ素については双方とも各々3×1018atm/
ccであったが、従来の電極による比較例の濃度に比べて
アルミニウムについては15分の1、フッ素については約
100分の1に減少した。マグネシウムの汚染は認められ
なかった。
実施例3 アルミニウム合金JIS6061を用い、円盤状プラズマ電
極を作製して下部電極とした。一方下部電極と対向する
同アルミニウム合金製の多数の微細な孔のあいた上部電
極を作製し、これら両電極に実施例1の方法によりフッ
化カルシウムコーテイングをし、コーテイングの膜厚は
6μmとした。しかるのちこれら電極を用いて、両電極
間にシリコンウェハを置き、SiH4とNH3の混合気体を10T
orrとして両電極間に導入し、RFパワーを3.5ワット/cm2
で両電極間に印加して、SiXNYを下部電極上に置いたシ
リコンウェハ上に成膜せしめた。シリコンウェハを取り
去ったのち、CF4とN2Oの混合気体を導入し、RFパワー4
ワット/cm2で両電極間に印加して実施例1と同様な電極
のクリーニングを実施して、1サイクルの処理を終了し
た。これらの処理を1000回施したのち、SiXNY膜の汚染
を実施例1と同様な方法で調べた。アルミはSiXNY
中、シリコンウェハ中で共に1×1016atm/ccであった。
またフッ素はSiXNY膜中について1×1019atm/cc、シリ
コンウェハ中で3×1016atm/ccであったが、従来の電極
による比較例の濃度に比べてアルミで約15分の1、フッ
素で約30分の1に減少し、カルシウムの汚染は認められ
なかった。
実施例4 アルミ合金JIS6061を用いて、実施例1と同様の1対
の電極を作製し、しかるのち両電極表面に真空蒸着によ
って膜厚約6μmのフッ化スカンジウムのコーテイング
を実施した。実施例1と同様に両電極間にシリコンウェ
ハを置きTEOSと酸素の混合気体をもちいて数Torrとし、
かつRFパワーを4ワット/cm2としてシリコンウェハ上に
SiO2膜を生成した。下部電極は400℃に加熱されていて
生成時間は1分とした。シリコンウェハを除いた後、下
部電極の周辺並びに上部電極に析出したSiO2を除去する
ためにCF4、C2F6とN2Oの混合ガスをもちいて、RFパワー
4ワット/cm2でクリーニングを実施して1サイクルの処
理を終了した。この一連の処理の繰り返しを1000回実施
した後、上記の条件でシリコンウェファ上にSiO2膜を生
成して、膜中に取り込まれたアルミニウム、フッ素、ス
カンジウムの深さ方向分析をSIMSで実施した。アルミと
フッ素とスカンジウムはSiO2とシリコンウェハの界面で
差は認められなかった。
実施例5 アルミ合金JIS6061を用いて、実施例1と同様の1対
の電極を作製し、しかるのち両電極表面に真空蒸着によ
って膜厚約6μmのフッ化セリウムのコーテイングを実
施した。実施例1と同様に両電極間にシリコンウェハを
置きTEOSと酸素の混合気体をもちいて数Torrとし、かつ
RFパワーを4ワット/cm2としてシリコンウェハ上にSiO2
膜を生成した。下部電極は400℃に加熱されていて生成
時間は1分とした。シリコンウェハを除いた後、下部電
極の周辺並びに上記電極に析出したSiO2を除去するため
にCF4、C2F6とN2Oの混合ガスを用いて、RFパワー4ワッ
ト/cm2で90秒クリーニングを実施して1サイクルの処理
を終了した。この一連の処理の繰り返しを1000回実施し
た後、上記の条件でシリコンウェハ上にSiO2膜を生成し
て、膜中に取り込まれたアルミニウム、フッ素、セリウ
ムの深さ方向分析をSIMSで実施した。アルミとフッ素は
SiO2とシリコンウェハの双方で同じレベルであり、汚染
は認められなかった。また、セリウムの汚染は認められ
なかった。
実施例6 ステンレススチールSUS304を用いて、実施例1に示す
下部電極を作製し、実施例1に記載の方法によって、該
電極を600℃に保ちながらフッ化マグネシウムのコーテ
イングを実施した。膜厚は6μmとした。一方上部電極
は、実施例1と同様なアルミニウム合金製電極をもちい
て、実施例1と同様なSiO2膜の生成とクリーニングを実
施した。累積処理数が5000回に達したところで、膜中の
不純物を実施例1と同様にSIMSで分析した。
アルミはSiO2およびシリコンウェハ中とも1×1016at
m/cc、フッ素は1×1019atm/cc、マグネシウムは2×10
16atm/ccであり、汚染は認められなかった。一方、鉄、
ニッケル、クロムの汚染は認められなかった。
比較例1 アルミニウム合金JIS5056を用いて、実施例1と同様
の1対のプラズマ電極を作製し、表面処理として常法に
より硫酸溶液中で陽極酸化を行い、厚さ10μmの酸化皮
膜を付けた。電極以外の表面即ち、JIS6061アルミ合金
製減圧処理室内面、下部電極保持用アルミナ磁器の表面
等は洗浄以外特別な処理はしなかった。実施例1に記載
の方法によりSiO2の成膜とクリーニングの繰り返しを行
った。繰り返し枚数が3000回に達した後、シリコンウェ
ハ上に生成されたSiO2膜中に取り込まれたアルミニウ
ム、フッ素、合金成分中の成分であるマグネシウムの深
さ方向分析を実施例1と同様にSIMSで実施した。アルミ
とフッ素はSiO2とシリコンウェハの界面で濃縮が認めら
れた。アルミは1.5×1017atm/ccで濃縮領域の幅は約0.1
5μmであった。またフッ素の濃縮は3×1020atm/ccで
同幅は約0.3μmであった。本発明に関する実施例1の
電極による濃度に比べて約100倍の汚染が認められた。
比較例2 アルミニウム合金JIS6061を用いて、円盤状プラズマ
電極を作製して下部電極とした。一方下部電極と対向す
る同アルミニウム合金製の多数の微細な孔のあいた上部
電極を作成し、表面処理として常法により硫酸溶液中で
陽極酸化を行い、厚さ10μmの酸化皮膜を付けた。実施
例3に記載の方法によりSiXNYの製膜とクリーニングの
繰り返しを行った。繰り返し枚数が1000回に達した後、
SiXNY膜の汚染を実施例1と同様に深さ方向分析をSIMS
を調べた。アルミとフッ素はSiXNYとシリコンウェハの
界面で濃縮が認められた。アルミは1.5×1017atm/ccで
濃縮領域の幅は約0.15μmでっあた。またフッ素の濃縮
は3×1020atm/ccで同幅は約0.3μmであった。本発明
に関する実施例1の電極による濃度に比べて約30倍の汚
染が認められた。
「発明の効果」 以上説明したような本発明によるときはプラズマCVD
によって生成された絶縁膜中に取込まれる不純物を大幅
に低減せしめ、汚染源となる金属元素およびフッ素とな
らない表面処理を的確に実施せしめ、半導体集積度の向
上に伴い要請される汚染を解決して好ましいプラズマ処
理を安定して実施し得るものであるから工業的にその効
果の大きい発明である。
また、表面改質技術における被改質表面プラズマエッ
チング技術における被蝕刻面においても同様の効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の技術的内容を示すものであって、本発明
の実施されるプラズマ処理装置の1例についての断面的
説明図である。 然して、この図面において、1は減圧処理室、2は上部
電極、3は被処理材、4は下部電極、5はヒーターユニ
ット、6はリフター、7は支持ピン、8はガス導入口、
9は真空排気口、10はフッ化物コーテイングを示すもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/31 H01L 21/31 C (72)発明者 永島 誠 千葉県成田市新泉14番3号 野毛平工業 団地内アプライドマテリアルズジャパン (株)テクノロジセンター内 (72)発明者 佐藤 辰哉 千葉県成田市新泉14番3号 野毛平工業 団地内アプライドマテリアルズジャパン (株)テクノロジーセンター内 (72)発明者 大野 和則 千葉県成田市新泉14番3号 野毛平工業 団地内アプライドマテリアルズジャパン (株)テクノロジーセンター内 (56)参考文献 特開 昭64−4015(JP,A) 特開 平2−211819(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/00 - 16/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ発生の原理を応用した薄膜堆積装
    置並びに表面加工及び改質装置において、 アルミニウム又はステンレススチールを含む材料から成
    る電極のプラズマに曝される表面を、フッ化マグネシウ
    ム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化
    バリウム、フッ化ラヂウム、フッ化スカンジウム、及
    び、原子番号57から71までのランタニド系列金属のフッ
    化物から成る群より選ばれる少なくとも一種のフッ化物
    でコーティングしたことを特徴とするプラズマ処理装
    置。
  2. 【請求項2】前記フッ化物によるコーティングの厚さが
    2μm以上且つ6μm未満であることを特徴とする請求
    項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】プラズマ発生の原理を応用した薄膜堆積装
    置並びに表面加工及び改質装置において用いられるプラ
    ズマ処理装置の製造方法であって、 アルミニウム又はステンレススチールを含む材料から成
    る電極の表面をイオンボンバードし、 前記電極の表面に、フッ化マグネシウム、フッ化カルシ
    ウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化
    ラヂウム、フッ化スカンジウム、および、原子番号57か
    ら71までのランタニド系列金属のフッ化物から成る群よ
    り選ばれる少なくとも一種のフッ化物をイオンプレーテ
    ィングにより被覆した後、前記群より選ばれる少なくと
    も一種のフッ化物を真空蒸着により更に被覆して、コー
    ティング層を形成せしめる、 ことを特徴とするプラズマ処理装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記コーティング層の厚さが2μm以上且
    つ6μm未満となるように、前記フッ化物を前記電極の
    表面に被覆することを特徴とする請求項3記載のプラズ
    マ処理装置の製造方法。
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