JP2013251325A - 炭化珪素除去装置及び炭化珪素除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、炭化珪素成膜装置の部材の損傷を抑制した上で、炭化珪素成膜装置の部材の付着面に付着した付着物を短時間で効率良く除去可能な炭化珪素除去装置及び炭化珪素除去方法を提供することを課題とする。
【解決手段】処理チャンバー11内の上部に配置され、第1の面29aに付着した付着物を露出させ、かつ第1の面29aが下側となるようにサセプタ29(炭化珪素成膜装置の部材)を保持する保持具13と、プラズマ化したフッ素含有ガス及びプラズマ化した酸素含有ガスを、処理チャンバー11内に供給するプラズマ発生部16と、処理チャンバー11内から排出される排ガスを分析する排ガス分析器25と、排ガス分析器25の分析結果に基づき、フッ素含有ガス供給部14、酸素含有ガス供給部15、及びプラズマ発生部16を制御する制御部26と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素除去装置及び炭化珪素除去方法に関する。
珪素と炭素とからなる炭化珪素は、重要なセラミックス材料として多方面で使用されている。特に、半導体としての性質を有し、低消費電力、高温で動作する素子を製造できることから、例えば、自動車用の電子部品の基幹材料として期待されている。
上記炭化珪素を形成する際に使用する炭化珪素成膜装置では、炭化珪素を形成後、炭化珪素成膜装置の部材のうちの1つである成膜チャンバー(反応容器)の内壁(内面)にも炭化珪素が堆積し、該炭化珪素がパーティクルの発生源となる恐れがあった。
このため、定期的なガスクリーニングによって成膜チャンバーの内壁に堆積した炭化珪素(堆積層或いは付着物)を除去する方法が提案されている。
特許文献1には、炭化珪素成膜装置の処理容器の内壁に付着した炭化珪素を三フッ化塩素ガスにより除去することが開示されている。
特許文献2には、上記炭素を選択的に除去する方法として、酸素含有ガスを用いて、炭化珪素に含まれる炭素を二酸化炭素又は一酸化炭素として除去することが開示されている。
また、特許文献3,4には、リモートプラズマを使用した成膜装置のクリーニング方法が開示されている。
特開2005−129724号公報 特開2009−117399号公報 特開2002−280376号公報 特許第3693798号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、炭化珪素に含まれる珪素(珪素成分)を効率良く除去することは可能であるが、炭素(炭素成分)が残留してしまうという問題があった。
また、特許文献1,2に記載の方法を組み合わせて、炭化珪素の除去を行なったとしても炭化珪素に含まれる珪素と炭素とを同じように除去することは困難であった。
さらに、特許文献1,2に記載の方法では、炭化珪素の除去ができたか否かの判断ができない(言い換えれば、終点検知のシステムがない)ため、処理時間を長くして炭化珪素の除去処理を行なった場合、処理容器(言い換えれば、炭化珪素成膜装置を構成する部材)が破損する恐れがあった。
また、炭化珪素成膜装置の場合、1500℃程度の高温で成膜するため、装置部材の大部分が炭化珪素や炭素等の高耐熱材料が使用されている。そのため、炭化珪素成膜装置内において、例えば、特許文献3,4に記載のリモートプラズマを用いて、炭化珪素が付着した部材のクリーニングを行なうと、炭化珪素が付着していない部材が損傷する恐れがあった。
そこで、本発明は、炭化珪素成膜装置の部材の損傷を抑制した上で、炭化珪素成膜装置の部材に付着した付着物を短時間で効率良く除去可能な炭化珪素除去装置及び炭化珪素除去方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、炭化珪素成膜装置を用いて基板に炭化珪素膜を成膜時に、炭化珪素を含む付着物が付着した前記炭化珪素成膜装置の部材の付着面から、前記付着物を除去する炭化珪素除去装置であって、前記炭化珪素成膜装置の部材を収容する処理チャンバーと、前記処理チャンバー内の上部に配置され、前記付着面に付着した前記付着物を露出させ、かつ前記付着面が下側となるように前記炭化珪素成膜装置の部材を保持する保持具と、フッ素含有ガスを供給するフッ素含有ガス供給部と、酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、前記フッ素含有ガス供給部及び前記酸素含有ガス供給部と接続され、前記フッ素含有ガス及び前記酸素含有ガスをプラズマ化させると共に、プラズマ化した前記フッ素含有ガス、及びプラズマ化した前記酸素含有ガスを、前記処理チャンバー内に配置された前記炭化珪素成膜装置の部材に供給するプラズマ発生部と、前記処理チャンバー内から排出される排ガスを分析する排ガス分析器と、前記排ガス分析器の分析結果に基づき、前記フッ素含有ガス供給部、前記酸素含有ガス供給部、及び前記プラズマ発生部を制御する制御部と、を有することを特徴とする炭化珪素除去装置が提供される。
また、請求項2に係る発明によれば、前記保持具は、前記炭化珪素成膜装置の部材を所定の温度に加熱する加熱器を有することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素除去装置が提供される。
また、請求項3に係る発明によれば、不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記処理チャンバー内に収容されると共に、前記不活性ガス供給部と接続され、前記付着面に付着した付着物に前記不活性ガスを吹き付けるノズル部と、を有することを特徴とする請求項1または2のうち、いずれか1項記載の炭化珪素除去装置が提供される。
また、請求項4に係る発明によれば、前記保持具は、前記炭化珪素成膜装置の部材を保持するための押さえ部材を有することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の炭化珪素除去装置が提供される。
また、請求項5に係る発明によれば、前記炭化珪素成膜装置の部材は、該炭化珪素成膜装置の部材の外周部に前記押さえ部材と係合する凹部を有することを特徴とする請求項4記載の炭化珪素除去装置が提供される。
また、請求項6に係る発明によれば、前記炭化珪素成膜装置の部材は、前記付着面側に前記付着物が付着しない領域を有し、前記付着物が付着しない領域を保護するように配置され、かつ強磁性材料よりなる保護部材を有し、前記保持具は、前記保護部材と対向配置された磁石を有することを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の炭化珪素除去装置が提供される。
また、請求項7に係る発明によれば、炭化珪素除去装置の処理チャンバー内の上部に、炭化珪素を含む付着物が付着した炭化珪素成膜装置の部材の付着面が下側となるように、前記炭化珪素成膜装置の部材を配置する工程と、前記炭化珪素成膜装置の部材を処理チャンバー内に配置後、前記処理チャンバー内に前記付着面の下側から、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを供給して、前記付着物を除去する第1の除去処理を含む付着物除去工程と、前記処理チャンバー内から排出される排ガスに含まれる所定のガスの濃度を分析する工程と、を有し、前記所定のガスの濃度が所定の閾値以下になった際、前記付着物除去工程を終了することを特徴とする炭化珪素除去方法が提供される。
本発明の炭化珪素除去装置によれば、炭化珪素除去装置の処理チャンバー内の上部に配置され、炭化珪素成膜装置の部材の付着面に付着した付着物を露出させ、かつ付着面が下側となるように炭化珪素成膜装置の部材を保持する保持具を有することにより、付着面に対する密着性の低下した付着物を重力で落下させることが可能となる。
これにより、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスが除去する付着物の量を少なくすることが可能となるので、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを用いた処理のみを行う場合と比較して、付着物の除去に要する時間を短くすることができる。
また、フッ素含有ガスを供給するフッ素含有ガス供給部と、酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、フッ素含有ガス供給部及び酸素含有ガス供給部と接続され、フッ素含有ガス供給部及び酸素含有ガス供給部と接続され、フッ素含有ガス及び酸素含有ガスをプラズマ化させると共に、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを、処理チャンバー内に配置された炭化珪素成膜装置の部材に供給するプラズマ発生部と、を有することで、プラズマ化したフッ素含有ガスにより、付着物を構成する炭化珪素に含まれる珪素成分の除去が可能になると共に、プラズマ化させた酸素含有ガスにより、該付着物に含まれる炭素成分の除去が可能となる。
つまり、付着物を構成する炭化珪素に含まれる炭素及び珪素の両方の成分を除去することが可能となる。
また、付着面が下側となるように炭化珪素成膜装置の部材を保持した状態で、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスにより、付着物を除去することで、炭化珪素よりなる付着物を短時間で効率良く除去することができる。
また、処理チャンバー内から排出される排ガスを分析する排ガス分析器と、排ガス分析器の分析結果に基づき、フッ素含有ガス供給部、酸素含有ガス供給部、及びプラズマ発生部を制御する制御部と、を有することにより、排ガス分析器の分析結果に基づき、付着物の除去が終了したことを検知して、付着物の除去処理を停止させることが可能となる。
これにより、付着物の除去が終了後、さらにプラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスによる処理が行われることを抑制可能となるため、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスに起因する炭化珪素成膜装置の部材の損傷を抑制できる。
また、付着物の除去が終了したことを検知して、付着物の除去処理を停止させることが可能となることで、付着物の除去の処理に要する時間を短くすることができる。
つまり、本発明の炭化珪素除去方法によれば、炭化珪素成膜装置の部材の損傷を抑制した上で、炭化珪素成膜装置の部材に付着した付着物を短時間で効率良く除去できる。
本発明の実施の形態に係る炭化珪素除去装置の概略構成を示す図である。 炭化珪素成膜装置のサセプタ固定台に取り付けられたサセプタの平面図である。 図2に示すサセプタのA−A線方向の断面図である。 図1に示す炭化珪素除去装置の領域Bを拡大した断面図である。 図1に示す炭化珪素除去装置を用いた本実施の形態の炭化珪素除去方法を説明するためのフローチャートを示す図である。 参考例、第1実施例、及び第2実施例の付着除去工程を行った際の排ガスに含まれる四フッ化ケイ素の濃度と二酸化炭素の濃度との関係を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の炭化珪素除去装置の寸法関係とは異なる場合がある。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る炭化珪素除去装置の概略構成を示す図である。
図1を参照するに、本実施の形態の炭化珪素除去装置10は、処理チャンバー11と、保持具支持体12と、保持具13と、フッ素含有ガス供給部14と、酸素含有ガス供給部15と、プラズマ発生部16と、不活性ガス供給部18と、ノズル部19と、真空ポンプ22と、ガス管23と、排ガス分析器25と、制御部26と、保護部材28と、を有する。
炭化珪素除去装置10は、炭化珪素を成膜する炭化珪素成膜装置とは、別の装置である。
処理チャンバー11は、上壁11−1と、下壁11−2と、側壁11−3と、ガス導入部11Aと、ガス排出部11Cと、を有する。
ガス導入部11Aは、処理チャンバー11の下壁11−2を貫通するように設けられている。ガス導入部11Aは、プラズマ発生部16と接続されている。
ガス排出部11Cは、処理チャンバー11の上壁11−1を貫通するように設けられている。ガス排出部11Cは、真空ポンプ22と接続されている。
処理チャンバー11は、保持具支持体12、保持具13、ノズル部19、保護部材28、及び炭化珪素を含む付着物(図示せず)が付着した炭化珪素成膜装置の部材であるサセプタ29を収容する。
なお、本実施の形態では、炭化珪素を含む付着物が付着した炭化珪素成膜装置の部材の一例として、炭化珪素成膜装置を構成するサセプタ29を例に挙げて以下の説明を行う。
処理チャンバー11内には、上記付着物を除去する際、後述する図5のSTEP3に示す第1の除去処理において、ガス導入部11Aを介して、プラズマ化されたフッ素含有ガス、及びプラズマ化された酸素含有ガスが供給される。
このため、処理チャンバー11の内面11aを構成する部材は、フッ素含有ガス及び酸素含有ガスに対して十分な耐性を有した材料により構成されている。
保持具支持体12は、切断面がTの字を上下反転させた形状とされている。保持具支持体12は、処理チャンバー11の上壁11−1の内面11aに固定されている。保持具支持体12は、処理チャンバー11から離間させた状態で保持具13を支持するための部材である。
保持具支持体12は、フッ素含有ガス及び酸素含有ガスに対して十分な耐性を有した材料により構成されている。
図2は、炭化珪素成膜装置のサセプタ固定台に取り付けられたサセプタの平面図であり、図3は、図2に示すサセプタのA−A線方向の断面図である。
ここで、図2及び図3を参照して、サセプタ29の構成について説明する。
サセプタ29は、付着面である第1の面29aと、第2の面29bと、複数の基板載置領域31と、複数の凹部33と、を有する。
サセプタ29の第1の面29aは、基板(図示せず)に炭化珪素膜を成膜する際に炭化珪素よりなる付着物が付着する面である。
サセプタ29の第2の面29bは、第1の面29aの反対側に位置する面である。サセプタ29の第2の面29bは、サセプタ29がサセプタ固定台32に固定された際、サセプタ固定台32と接触する面である。
複数の基板載置領域31は、サセプタ29の第1の面29a側に設けられている。基板載置領域31は、基板(図示せず)の形状に対応した凹部であり、炭化珪素膜が成膜される基板が載置(収容)される。
複数の基板載置領域31は、炭化珪素膜を成膜する際に基板が載置されるため、炭化珪素を含む付着物が付着しない領域である。複数の基板載置領域31は、第1の面29aに囲まれている。
なお、図2では、サセプタ29に4つの基板載置領域31を設けた場合を例に挙げて図示したが、サセプタ29に設ける基板載置領域31の数は、これに限定されない。
凹部33は、サセプタ29の外周部に設けられている。凹部33は、炭化珪素成膜装置のサセプタ固定台32に設けられた第2の押さえ部材35と係合する。
このように、凹部33と第2の押さえ部材35とが係合することで、サセプタ固定台32にサセプタ29が固定される。また、基板に炭化珪素膜を成膜する際、凹部33は、第2の押さえ部材35で覆われるため、炭化珪素よりなる付着部が凹部33に付着することはない。
図4は、図1に示す炭化珪素除去装置の領域Bを拡大した断面図である。
図4を参照するに、保持具13は、保持具本体41と、第1の押さえ部材42と、加熱器44と、磁石45と、を有する。
保持具本体41は、保持具13が保持する炭化珪素成膜装置の部材を保持可能な形状とされている。具体的には、保持具13が図2に示すサセプタ29(炭化珪素成膜装置の部材のうちの1つ)を保持する場合、円柱形状とすることができる。
保持具本体41は、サセプタ29の第2の面29b(炭化珪素よりなる付着物が付着していない面)と接触する一面41aを有する。保持具本体41は、保持具支持体12の下面12aに設けられている。
保持具本体41の材料としては、熱伝導性の良い材料(例えば、Ni)を用いることができる。
このように、保持具本体41の材料としては、熱伝導性の良い材料を用いることで、保持具本体41に内蔵された加熱器44により、サセプタ29の温度が所定の温度となるように、効率良く加熱することができる。
第1の押さえ部材42は、保持具本体41の外周縁(側壁)に複数(本実施の形態の場合、4つ)設けられている。第1の押さえ部材42は、サセプタ29の凹部33と係合することで、サセプタ29を保持具本体41に固定するための部材である。
このように、炭化珪素よりなる付着物が付着しない凹部33と第1の押さえ部材42とを係合させて、サセプタ29を保持具本体41に固定することで、該付着物が付着した領域が第1の押さえ部材42で覆われることを防止できる。
加熱器44は、保持具本体41に内設(内蔵)されている。加熱器44は、サセプタ29全体を所定の温度(例えば、250〜300℃)に加熱可能なように配置されている。加熱器44としては、例えば、ヒーターを用いることができる。加熱器44は、制御部26と電気的に接続されている。
炭化珪素は、化学的に非常に安定しているため、単にプラズマ化したフッ素含有ガス及びプラズマ化した酸素含有ガスと炭化珪素よりなる付着物とを接触させただけでは付着物を十分な除去能力で除去することは難しい。
そこで、サセプタ29を加熱する加熱器44を設けて、サセプタ29を加熱することで、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスと付着物を構成する炭化珪素との反応を促進させることが可能となる。これにより、十分な除去能力で炭化珪素よりなる付着物を除去できる。
この場合、サセプタ29の温度が250〜300℃の範囲内となるように加熱するとよい。サセプタ29の温度が250℃よりも低いと、炭化珪素よりなる付着物を十分に除去することができない。
また、サセプタ29の温度が300℃よりも高いと、プラズマ化したフッ素含有ガスと付着物に含まれる炭素(炭素成分)との反応が生じ始めるため、クリーニングの終点管理(付着物が除去された時点(終点)の管理)を的確に行う観点からあまり好ましくない。
また、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを使用する場合、サセプタ29の温度が250〜300℃の範囲内において、付着物の構成要素である炭化珪素のうちの珪素成分が四フッ化珪素として反応性良く除去が行え、炭素成分については二酸化炭素として反応性良く除去が行える。
磁石45は、保持具本体41の一面41aと加熱器44との間に位置する保持具本体41に内設されている。磁石45は、基板載置領域31に配置され、かつ磁性材料により構成された保護部材28と対向するように配置されている。
このように、保持具本体41に、基板載置領域31に配置された保護部材28に対して対向配置された磁石45を内設することにより、第1の面29aが下方を向いた状態で保護部材28の位置を規制することができる。
よって、後述する図5のSTEP3に示す第1の除去処理において、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを処理チャンバー11内に供給した際、保護部材28により、炭化珪素よりなる付着物が付着しない基板載置領域31が損傷することを防止できる。
上記磁石45としては、加熱器44がサセプタ29を所定の温度(例えば、250〜300℃)加熱した状態で、強磁性を有する磁石を用いる。具体的には、磁石45としては、例えば、アルニコ磁石(キュリー点:860℃)やサマリウムコバルト磁石(キュリー点:750℃)を用いることができる。
図1を参照するに、フッ素含有ガス供給部14は、プラズマ発生部16と接続されており、プラズマ発生部16にフッ素含有ガスを供給する。プラズマ化されたフッ素含有ガスは、処理チャンバー11内の雰囲気の温度が300℃程度の状態において、付着物を構成する炭化珪素に含まれる珪素(珪素成分)を主に除去する。
また、フッ素含有ガスは、該雰囲気温度が350以上の温度なると、付着物に含まれる炭素(炭素成分)とも反応するため、フッ素含有ガスのみで珪素成分及び炭素成分の除去が可能となるが、プラズマ化されたフッ素含有ガスのみを使用する場合よりも、プラズマ化された酸素含有ガスも使用することで、炭化珪素よりなる付着物を効率良く除去できる。
上記フッ素含有ガスとしては、フッ素(F−GWP:0)、フッ化水素(HF−GWP:0)、ハイドロフルオロカーボン(CxHyFz(x,y,zは1以上の整数)、例えば、CHF−GWP−97)のうち、少なくとも1つを含むものを用いることができる。
なお、フッ素含有ガスとしては、例えば、フルオロカーボン(CF−GWP:7,390,C−GWP:12,200)や六フッ化硫黄(SF−GWP:22,800)、三フッ化窒素(NF−GWP:17,200)、三フッ化塩素(ClF−GWP:0)、二フッ化カルボニル(COF−GWP:1)等を使用することも可能である、
しかしながら、これらのガスは温暖化係数(GWP)の大きなガスであるため、温暖化の観点からあまり好ましくない。フッ素含有ガスとしては、GWP値の小さいFやHF等の低環境負荷ガスが好ましい。
酸素含有ガス供給部15は、プラズマ発生部16と接続されており、プラズマ発生部16に酸素含有ガスを供給する。酸素含有ガス供給部15から供給された酸素含有ガスは、プラズマ発生部16の手前において、フッ素含有ガス供給部14から供給されたフッ素含有ガスと混合される。
つまり、プラズマ発生部16には、酸素含有ガスとフッ素含有ガスとが混合された混合ガスが供給される。
酸素含有ガスは、付着物を構成する炭化珪素に含まれる炭素(炭素成分)を除去するガスである。酸素含有ガスとしては、例えば、酸素(O)、オゾン(O)、窒素酸化物(NxOy(x,yは1以上の整数))、水蒸気(HO)のうち、少なくとも1つのガスを含むガスを用いることができる。
プラズマ発生部16は、フッ素含有ガス供給部14、及び酸素含有ガス供給部15と接続されている。プラズマ発生部16には、フッ素含有ガスと酸素含有ガスとが混合された混合ガスが供給される。
プラズマ発生部16は、フッ素含有ガス及び酸素含有ガスをプラズマ化させると共に、ガス導入部11Aを介して、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを処理チャンバー11内(より具体的には、サセプタ29の第1の面29aに付着した付着物)に供給する。
つまり、サセプタ29の第1の面29aの下方側(処理チャンバー11の下壁11−2側)からプラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを供給する。
プラズマ発生部16としては、市販の一般的なプラズマ発生装置を用いることが可能である。プラズマ発生部16としては、200kHz〜2.45GHzの発振器であればよい。プラズマ発生部16の仕様は、プラズマ発生部16に供給されるガスの組成、流量、圧力等によって決定される。
安定したプラズマを放電するためには、プラズマ発生部16に供給されるフッ素含有ガス及び酸素含有ガスよりなる混合ガスの圧力は、10torr以下がよい。
また、該混合ガスを多く流すことでラジカル等を多く発生させることが可能となるが、該ラジカル等を十分に利用するためには、ラジカルの衝突による消滅を避けるために圧力を下げる必要がある。
このため、プラズマ発生部16に供給されるフッ素含有ガス及び酸素含有ガスよりなる混合ガスの流量を少なめにして1torr以下で処理する場合と、プラズマ発生部16に供給される該混合ガスの流量を多めにして10torr以下で処理する場合と、の2通りの処理が考えられる。
プラズマ発生部16に供給されるフッ素含有ガス及び酸素含有ガスよりなる混合ガスの流量及び圧力は、実際にサンプルを処理した時の結果やプラズマ発生条件に伴う各種条件、及び設備等周りの状況等を考慮して、最適な条件を適宜選択することができる。
このように、フッ素含有ガスを供給するフッ素含有ガス供給部14と、酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部15と、フッ素含有ガス供給部14及び酸素含有ガス供給部15と接続され、フッ素含有ガス及び酸素含有ガスをプラズマ化させると共に、プラズマ化したフッ素含有ガス及びプラズマ化した酸素含有ガスを、サセプタ29の第1の面29aの下方側からサセプタ29に付着した付着物に供給するプラズマ発生部16と、を有することにより、プラズマ化したフッ素含有ガスにより、炭化珪素よりなる付着物の珪素成分を除去することが可能になると共に、プラズマ化させた酸素含有ガスにより、該付着物の炭素成分を除去することが可能となる。
つまり、付着物を構成する炭化珪素に含まれる炭素及び珪素の両方の成分を除去することが可能となる。
また、処理チャンバー11の内面11a(図1の場合、下壁11−2の内面11a)とプラズマ発生部16との間の距離は、20cm以下にするとよい。これにより、付着物を構成する炭化珪素のエッチング速度を十分に確保することが可能となる。
なお、図1では、1つのフッ素含有ガス供給部14、及び1つの酸素含有ガス供給部15に対して、1台のプラズマ発生部16(2つのガス供給部に対して共通のプラズマ発生部)を設けた場合を例に挙げてが、フッ素含有ガス供給部14及び酸素含有ガス供給部15のそれぞれに対してプラズマ発生部16を設けてもよい。つまり、炭化珪素除去装置10に、2台のプラズマ発生部16を設けてもよい。
また、クリーニングガス(付着物を除去するためのガス)であるフッ素含有ガス及び酸素含有ガスを効率良くプラズマ化させるために、フッ素含有ガス及び酸素含有ガスに放電ガスとして、Ar,He,Ne等の不活性ガスを添加してもよい。
不活性ガス供給部18は、処理チャンバー11の外部に配置されている。不活性ガス供給部18は、複数(本実施の形態の場合、2つ)のノズル部19と接続されており、各ノズル部19に不活性ガス(例えば、Ar,He,N)を供給する。
ノズル部19は、処理チャンバー11内に複数配置されている。ノズル部19は、移動及び/または回転可能な構成とされており、不活性ガス供給部18から供給された不活性ガスをサセプタ29の第1の面29aに付着した付着物に吹き付ける。
このように、不活性ガスを供給する不活性ガス供給部18と、不活性ガス供給部18と接続され、サセプタ29の第1の面29aに付着した付着物に不活性ガスを吹き付けるノズル部19と、を有することにより、サセプタ29の第1の面29a付着した付着物のうち、サセプタ29の第1の面29aに対する密着性の低下した付着物をサセプタ29から剥がすことが可能となる。
したがって、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを用いて化学的に付着物を除去する方法と、不活性ガスを吹き付けることで物理的に付着物を除去する方法と、を組み合わせることにより、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを用いた除去方法のみを用いて、付着物を除去した場合と比較して、効率良く付着物を除去できる。
なお、処理チャンバー11内に配置するノズル部19の数は、図1に示すノズル部19の数に限定されない。つまり、処理チャンバー11内に配置するノズル部19の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
また、ノズル部19の配設位置は、図1に示すノズル部19の配設位置に限定されない。ノズル部19は、サセプタ29の第1の面29aに付着した付着物に対して不活性ガスを効率良く吹き付けることが可能な位置に配置すればよい。
また、ノズル部19から噴射される不活性ガスの流量及び噴射速度は、サセプタ29の第1の面29aに対する密着力の低下した付着物を剥がすことの可能な流量及び噴射速度でよい。
具体的には、ノズル部19から噴射される不活性ガスの供給圧力は、例えば、0.1〜0.2MPaGとすることができる。また、この時の配管径が1/4inchの場合、ノズル部19から噴射される不活性ガス流量は、およそ40〜60L/minとなる。
また、不活性ガスを用いた付着物の除去は、処理チャンバー11内が真空の状態で行ってもよいが、処理チャンバー11内が大気圧の状態で行うことが好ましい。
プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを用いた付着物の除去では、処理チャンバー11内の圧力が10torr以下で効率の良いエアブローを行おうとすると不活性ガスの流量を多くする必要がある。
このため、一度、処理チャンバー11内の圧力を大気圧に戻してから不活性ガスを用いた付着物の除去処理を行うことが好ましい。
真空ポンプ22は、処理チャンバー11及びガス管23と接続されている。真空ポンプ22は、処理チャンバー11内のガスを排気して、ガス管23に排ガスを導出させる。ガス管23は、真空ポンプ22及び排ガス分析器25と接続されている。
排ガス分析器25は、ガス管23と接続されると共に、制御部26と電気的に接続されている。排ガス分析器25としては、例えば、非分散式赤外線式分析計を用いるとよい。
このように、排ガス分析器25として非分散型赤外線式分析計を用いることにより、簡便、かつ低コストで、四フッ化珪素、二酸化炭素、及び四フッ化炭素の濃度を測定することができる。
排ガス分析器25は、排ガスに含まれる四フッ化珪素、二酸化炭素、四フッ化炭素のうち、少なくとも1つのガスの濃度を測定し、測定した該ガスの濃度に関するデータを制御部26に送信する。
なお、排ガス分析器25として、例えば、フーリエ変換型赤外分光計、紫外線吸収計、質量分析計、ガスクロマトグラフ等の分析計を用いてもよい。
制御部26は、保持具13を構成する加熱器44、フッ素含有ガス供給部14、酸素含有ガス供給部15、プラズマ発生部16、不活性ガス供給部18、ノズル部19、真空ポンプ22、及び排ガス分析器25と電気的に接続されている。
制御部26は、炭化珪素除去装置10の制御全般を行なう。制御部26は、排ガス分析器25から送信された四フッ化珪素、二酸化炭素、四フッ化炭素のうち、少なくとも1つのガス(所定のガス)の濃度に基づいて、保持具13を構成する加熱器44、フッ素含有ガス供給部14、酸素含有ガス供給部15、プラズマ発生部16、不活性ガス供給部18、ノズル部19、真空ポンプ22、及び排ガス分析器25の制御を行う。
制御部26は、図示していない記憶部や演算部(図示せず)を有する。該記憶部には、予め入力された所定のガスの濃度の閾値である四フッ化珪素の濃度の閾値、二酸化炭素の濃度の閾値、及び四フッ化炭素の濃度の閾値が格納されている。
また、該演算部では、排ガス分析器25から排ガスに含まれる四フッ化珪素、二酸化炭素、四フッ化炭素のうち、少なくとも1つのガスの濃度に関するデータを受信した際、該ガスの濃度に関するデータが、予め入力された該ガスの濃度の閾値(具体的には、四フッ化珪素の濃度の閾値、二酸化炭素の濃度の閾値、及び四フッ化炭素の濃度の閾値)以下になったか否かの判定を行う。制御部26は、該判定に基づいて、炭化珪素除去装置10を制御する。
具体的には、測定した所定のガスの濃度が予め格納された閾値よりも大きい場合には、付着物除去工程(後述する図5に示すSTEP3,6(第1及び第2の除去工程)を含む工程)の実施を継続し、測定したガスの濃度が予め格納された閾値以下の場合には、付着物除去工程の実施を終了させる。
このように、処理チャンバー11内から排出される排ガスに含まれる所定のガスの濃度を測定する排ガス分析器25と、排ガス分析器25の測定結果に基づき、保持具13を構成する加熱器44、フッ素含有ガス供給部14、酸素含有ガス供給部15、プラズマ発生部16、不活性ガス供給部18、ノズル部19、真空ポンプ22、及び排ガス分析器25を制御する制御部26と、を有することにより、処理チャンバー11内から排出される排ガス(第1の除去処理(STEP3)を行うことで発生するガス)に含まれる所定のガスの濃度を分析し、該所定のガスの濃度が所定の閾値以下になった際、付着物除去工程(図5に示すSTEP3,6を含む工程)を終了させることにより、サセプタ29の第1の面29aに付着した付着物を除去後に、さらに、第1の除去処理を行うことを抑制可能となる。
これにより、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを用いた第1の除去処理に起因するサセプタ29の損傷を抑制できる。また、付着物除去工程の処理時間を短くすることができる。
本実施の形態の炭化珪素除去装置によれば、炭化珪素除去装置10の処理チャンバー11内の上部に配置され、サセプタ29の第1の面29aに付着した付着物を露出させ、かつ第1の面29aが下側となるようにサセプタ29を保持する保持具13を有することにより、第1の面29aに対する密着性の低下した付着物を重力で落下させることが可能となる。これにより、プラズマ化したフッ素含有ガス及びプラズマ化した酸素含有ガスが除去する付着物の量を少なくすることができる。
また、フッ素含有ガスを供給するフッ素含有ガス供給部14と、酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部15と、フッ素含有ガス供給部14及び酸素含有ガス供給部15と接続され、フッ素含有ガス及び酸素含有ガスをプラズマ化させると共に、プラズマ化したフッ素含有ガス及びプラズマ化した酸素含有ガスを、処理チャンバー内に配置されたサセプタ29に付着した付着物に供給するプラズマ発生部16と、を有することで、プラズマ化したフッ素含有ガスにより付着物を構成する炭化珪素に含まれる珪素成分を除去することが可能になると共に、プラズマ化させた酸素含有ガスにより炭化珪素に含まれる炭素成分を除去することが可能となる。
つまり、付着物を構成する炭化珪素に含まれる炭素及び珪素の両方の成分を除去することが可能となる。
また、第1の面29aが下側となるようにサセプタ29を保持した状態で、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスにより、付着物を除去することで、炭化珪素よりなる付着物を短時間で効率良く除去することができる。
また、処理チャンバー11内から排出される排ガスを分析する排ガス分析器25と、排ガス分析器25の分析結果に基づき、フッ素含有ガス供給部14、酸素含有ガス供給部15、及びプラズマ発生部16を制御する制御部26と、を有することにより、排ガス分析器25の分析結果に基づき、付着物の除去が終了したことを検知して、付着物の除去処理を停止させることが可能となる。
これにより、付着物の除去が終了後、さらに、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを用いた第1の除去処理が行われることを抑制可能となるため、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスに起因するサセプタ29の損傷を抑制できる。
また、付着物の除去が終了したことを検知して、付着物の除去処理を停止させることが可能となることで、付着物の除去の処理に要する時間を短くすることができる。
つまり、本発明の炭化珪素除去方法によれば、サセプタ29の損傷を抑制した上で、サセプタ29の第1の面29aに付着した付着物を短時間で効率良く除去できる。
図5は、図1に示す炭化珪素除去装置を用いた本実施の形態の炭化珪素除去方法を説明するためのフローチャートを示す図である。
次に、図1及び図5を参照して、本実施の形態の炭化珪素除去方法について説明する。
始めに、図5に示す処理が開始されると、STEP1では、炭化珪素成膜装置(図示せず)から第1の面29aに炭化珪素を含む付着物が付着した炭化珪素成膜装置の部材(この場合、サセプタ29)を取り出す。その後、処理は、STEP2へと進む。
次いで、STEP2では、炭化珪素除去装置10の処理チャンバー11内の上部に、第1の面29aが下側となるように、炭化珪素成膜装置の部材(以下、「サセプタ29」という)を配置する。
具体的には、第1の面29aが下側となり、かつサセプタ29に付着した炭化珪素よりなる付着物が露出されるように、処理チャンバー11の上部に配置された保持具13にサセプタ29を固定する。
次いで、STEP3では、第1の除去処理を行う。具体的には、処理チャンバー11の温度が250〜300℃の範囲内の所定の温度となるように加熱する。
その後、処理チャンバー11内に収容されたサセプタ29の第1の面29aの下側から、サセプタ29の第1の面29aに付着した付着物に対して、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを供給することで、該付着物を除去する。
これにより、プラズマ化したフッ素含有ガスにより付着物を構成する炭化珪素に含まれる珪素成分が除去されると共に、プラズマ化させた酸素含有ガスにより付着物を構成する炭素成分が除去される。つまり、付着物を構成する炭化珪素に含まれる炭素及び珪素の両方の成分を除去できる。
なお、サセプタ29の温度が250℃よりも低いと、炭化珪素よりなる付着物を十分に除去することができない。また、サセプタ29の温度が300℃よりも高いと、プラズマ化したフッ素含有ガスと付着物に含まれる炭素(炭素成分)との反応が生じ始めるため、クリーニングの終点管理(付着物が除去された時点(終点)の管理)を的確に行う観点からあまり好ましくない。
上記STEP3の処理(第1の除去処理)が終了すると、処理はSTEP4へと進む。
次いで、STEP4では、第1の除去処理の開始から終了までの間、ガス分析器25により、処理チャンバー11内から排出される排ガス(処理チャンバー11内から排出されたガス)に含まれる所定のガス(具体的には、四フッ化珪素、二酸化炭素、四フッ化炭素のうち、少なくとも1つのガス)の濃度を分析する。
その後、該所定のガスの濃度に関するデータは、制御部26に送信され、処理はSTEP5へと進む。
なお、STEP4では、第1の除去処理の終了時のみ上記所定の濃度を分析してもよい。
次いで、STEP5では、制御部26において、ガス分析器25により分析された所定のガスの濃度が、所定の閾値(具体的には、四フッ化珪素の濃度の閾値、二酸化炭素の濃度の閾値、四フッ化炭素の濃度の閾値のうちの少なくとも1つの閾値)以下になったか否かの判定が行われる。
STEP5において、Yes(分析された所定のガスの濃度が所定の閾値以下になった)と判定された場合、付着物除去工程の処理は停止され、処理はSTEP7へと進む。
また、STEP5において、No(分析された所定のガスの濃度が所定の閾値よりも大きい)と判定された場合、処理はSTEP6へと進む。
このように、処理チャンバー11内から排出される排ガスに含まれる所定のガスの濃度を分析し、該所定のガスの濃度が所定の閾値以下になった際、付着物除去工程(STEP3,6により構成される工程)を終了させることにより、サセプタ29の第1の面29aに付着した付着物が除去された後に、さらに、第1の除去処理を行うことを抑制可能となるので、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスに起因するサセプタ29の損傷を抑制できる。
また、処理チャンバー11内から排出される排ガスに含まれる所定のガスの濃度を分析し、該所定のガスの濃度が所定の閾値以下になった際、付着物除去工程を終了させることにより、必要以上に付着物除去工程を行うことがなくなるため、付着物除去工程の処理時間を短くすることができる。
次いで、STEP6では、第2の除去処理を行う。具体的には、付着物が付着したサセプタ29の第1の面29aに不活性ガス(例えば、アルゴン(Ar),ヘリウム(He),水素(N))を吹き付けることで、付着物を除去する。
これにより、サセプタ29の第1の面29aに付着した付着物のうち、サセプタ29の第1の面29aに対する密着性の低下した付着物をサセプタ29から剥がすことが可能となる。
また、第2の除去処理では、ノズル部19を移動や回転させながら、サセプタ29の第1の面29aに不活性ガスを吹き付けるとよい。これにより、サセプタ29の第1の面29a全体に不活性ガスを吹き付けることが可能となる。
また、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを用いて化学的に付着物を除去する第1の除去処理と、不活性ガスを吹き付けることで物理的に付着物を除去する第2の除去処理と、を組み合わせることにより、第1の除去処理のみを用いて、付着物を除去した場合と比較して、短時間で、かつ効率良く付着物を除去することができる。
また、ノズル部19から噴射される不活性ガスの流量及び噴射速度は、サセプタ29の第1の面29aに対する密着力の低下した付着物を剥がすことの可能な流量及び噴射速度でよい。
具体的には、ノズル部19から噴射される不活性ガスの供給圧力は、例えば、0.1〜0.2MPaGとすることができる。また、この時の配管径が1/4inchの場合、ノズル部19から噴射される不活性ガス流量は、およそ40〜60L/minとなる。
また、第2の除去処理(サセプタ29の第1の面29aに不活性ガスを吹き付ける処理)は、処理チャンバー11内が真空の状態で行ってもよいが、処理チャンバー11内を大気圧下にした後で行うとよい。
プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを用いた付着物の除去では、処理チャンバー11内を10torr以下の圧力にするが、この圧力で効率の良いエアブローを行おうとすると不活性ガスの流量を多くする必要がある。
このため、第2の除去処理を行う際は、一度、処理チャンバー11内の圧力を大気圧に戻してから第2の除去処理を行うとよい。
本実施の形態の付着物除去工程は、第1及び第2の除去処理を繰り返し交互に行うことで構成されている。このように、第1及び第2の除去処理を繰り返し交互に行うことで、サセプタ29(炭化珪素成膜装置の部材)の第1の面29aに付着した付着物の除去効率を向上させることができる。
上記STEP6の処理(第2の除去処理)が終了すると、処理はSTEP3へと戻る。
次いで、STEP7では、付着物除去工程が終了後、処理チャンバー11内を水素(H)で加熱パージする。
これにより、処理チャンバー11の内面11a及びサセプタ29の第1の面29aに付着するフッ素含有ガス成分や酸素含有ガス成分(STEP3で使用した付着物を除去するためのガス)の除去を行うことができる。
処理チャンバー11内を水素(H)で加熱パージする際の、加熱温度としては、STEP3の第1の除去処理時の処理チャンバー11の温度をそのまま継続してもよいし、第1の除去処理時の処理チャンバー11の温度よりも多少高い温度に設定してもよい。
なお、加熱パージに使用する水素(H)をArやHe等の希ガスで希釈してもよい。
また、STEP7において、処理チャンバー11内を水素(H)で加熱パージする際には、プラズマ化させた水素(H)を用いるとよい。これにより、処理チャンバー11の内面11a及びサセプタ29の第1の面29aに付着するフッ素含有ガス成分や酸素含有ガス成分の除去を効率良く行うことができる。
この際、プラズマ化した水素(H)をArやHe等の希ガスで希釈してもよい。
また、STEP7において、処理チャンバー11内を加熱パージする場合、水素(H)以外のガスを使用することも可能であり、例えば、NH、SiH等のガスを用いてもよい。
この場合も、加熱パージする際の、加熱温度としては、STEP3の第1の除去処理時の処理チャンバー11の温度をそのまま継続してもよいし、第1の除去処理時の処理チャンバー11の温度よりも多少高い温度に設定してもよい。
なお、加熱パージ処理では、NH、SiH等のガスをArやHe等の希ガスで希釈したガスや、ArやHe等の希ガスのみのガスを用いることができる。
上記STEP7の処理が終了すると、図5に示す処理は終了する。
本実施の形態の炭化珪素除去方法によれば、炭化珪素除去装置10の処理チャンバー11内の上部に配置された保持具13に、第1の面29aに付着した付着物を露出させ、かつ第1の面29aが下側となるようにサセプタ29を保持することにより、第1の面29aに対する密着性の低下した付着物を重力で落下させることが可能となる。
これにより、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスが除去する付着物の量を少なくすることができる。
また、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを用いて付着物を除去する第1の除去処理を行うことで、プラズマ化したフッ素含有ガスにより付着物を構成する炭化珪素に含まれる珪素成分を除去することが可能になると共に、プラズマ化させた酸素含有ガスにより炭化珪素に含まれる炭素成分を除去することが可能となる。
つまり、付着物を構成する炭化珪素に含まれる炭素及び珪素の両方の成分を除去することが可能となる。
また、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを用いて化学的に付着物を除去する第1の除去処理と、不活性ガスを吹き付けることで物理的に付着物を除去する第2の除去処理と、を組み合わせることにより、第1の除去処理のみを用いて、付着物を除去した場合と比較して、短時間で、かつ効率良く付着物を除去することができる。
また、処理チャンバー11内から排出される排ガスを分析する排ガス分析器25と、排ガス分析器25の分析結果に基づき、フッ素含有ガス供給部14、酸素含有ガス供給部15、及びプラズマ発生部16を制御する制御部26と、を有することにより、排ガス分析器25の分析結果に基づき、付着物の除去が終了したことを検知して、付着物の除去処理を停止させることが可能となる。
これにより、付着物の除去が終了後、さらにプラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを用いた第1の除去処理が行われることを抑制可能となるため、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスに起因するサセプタ29の損傷を抑制できる。
また、付着物の除去が終了したことを検知して、付着物の除去処理を停止させることで、付着物の除去の処理に要する時間を短くすることができる。
つまり、本実施の形態の炭化珪素除去方法によれば、サセプタ29の(炭化珪素成膜装置の部材)の損傷を抑制した上で、サセプタ29の第1の面29aに付着した付着物を短時間で効率良く除去できる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、本実施の形態の炭化珪素除去装置10では、不活性ガス供給部18及び複数のノズル部19を設けた場合を例に挙げて説明したが、不活性ガス供給部18及び複数のノズル部19は必要に応じて設ければよく、必須の構成ではない。
また、本実施の形態では、炭化珪素よりなる付着物が付着した炭化珪素成膜装置(図示せず)の部材の一例として、炭化珪素成膜装置のサセプタ29を例に挙げて説明したが、本発明は、サセプタ29以外の炭化珪素よりなる付着物が付着した炭化珪素成膜装置の部材にも適用可能であり、この場合、本実施の形態と同様な効果を得ることができる。
また、本実施の形態の炭化珪素除去方法では、第1の除去処理(STEP3の処理)、排ガスに含まれる所定のガスの濃度を分析する工程(STEP4)、第2の除去処理(STEP6)の順で繰り返し処理を行う場合を例に挙げて説明したが、第2の除去処理(STEP6)、第1の除去処理(STEP3の処理)、排ガスに含まれる所定のガスの濃度を分析する工程(STEP4)の順で繰り返し処理を行ってもよい。
この場合も、本実施の形態と同様な効果を得ることができる。
さらに、本実施の形態の炭化珪素除去方法では、第1の除去処理及び第2の除去処理を繰り返し行った場合を例に挙げて説明したが、第1の除去処理のみを繰り返し行うことで、炭化珪素よりなる付着物を除去してもよい。
(実施例1)
始めに、炭化珪素成膜装置(図示せず)を用いて、基板に炭化珪素膜を成膜する工程を繰り返し行った後、第1の面29aに炭化珪素よりなる付着物が付着したサセプタ29を3cm□の大きさの評価用サンプルAを切り出した。
次いで、図1に示す炭化珪素除去装置10の処理チャンバー11内の上部に配置された保持具13に評価サンプルAを固定した。このとき、評価サンプルAの第1の面29aが下側となるように、評価サンプルAを固定した(図5のSTEP2に相当する工程)。
その後、図5のSTEP3に示す第1の除去処理を行った。
第1の除去処理では、処理チャンバー11内の圧力を2torrにすると共に、サセプタ29の温度を300℃に保持した後、処理チャンバー11内に、フッ素含有ガスである三フッ化窒素(流量が100sccm)及び酸素含有ガスである酸素(流量が500sccm)を混合した混合ガスをプラズマ化させて3分間供給することで、評価サンプルAの第1の面に付着した付着物の除去を行った。
このとき、プラズマ発生部16の条件としては、2.45GHz(印加電力1000W)を用いた。
また、第1の除去処理の開始から終了までの間、排ガス分析器25により、処理チャンバー11内から排出された排ガスに含まれる四フッ化珪素(所定のガス)の濃度、及び二酸化炭素(所定のガス)の濃度を測定し、付着物除去工程の終点をモニターした(図5に示すSTEP4に相当する工程)。
排ガス分析器25としては、MIDAC社製のフーリエ変換型赤外分光を用いた。このとき、セル長を10cmとし、波数分解能を1cm−1とし、スキャン回数を64回とした。また、第1の除去処理間のインターバルは10分間に設定した。
なお、付着物除去工程の終点となる四フッ化珪素の濃度、及び二酸化炭素の濃度については、予め付着物のついていない第1の面29aを有するサセプタ29を3cm□の大きさに切り出し、この切り出した評価サンプルBに対して、第1の除去処理を行った際に、排ガス分析器25が検出する四フッ化ケイ素及び二酸化炭素の濃度を参考に決定した。
具体的には、上記終点に使用する四フッ化ケイ素の濃度を3vol.ppmとし、上記終点に使用する二酸化炭素の濃度を3vol.ppmとした。
実施例1において、第1の除去処理を繰り返し行った際の排ガスに含まれる四フッ化ケイ素の濃度、及び二酸化炭素の濃度の測定結果を図6に示す。
図6は、参考例、第1実施例、及び第2実施例の付着除去工程を行った際の排ガスに含まれる四フッ化ケイ素の濃度と二酸化炭素の濃度との関係を示す図である。
(実施例2)
始めに、炭化珪素成膜装置(図示せず)を用いて、基板に炭化珪素膜を成膜する工程を繰り返し行った後、第1の面29aに炭化珪素よりなる付着物が付着したサセプタ29を3cm□の大きさの評価用サンプルCを切り出した。評価用サンプルCとしては、実施例1の評価サンプルAと同程度の付着物が付着しているものを用いた。
次いで、図1に示す炭化珪素除去装置10の処理チャンバー11内の上部に配置された保持具13に評価サンプルCを固定した。このとき、評価サンプルCの第1の面29aが下側となるように、評価サンプルCを固定した(図5のSTEP2に相当する工程)。
次いで、実施例1と同じ処理条件を用いて、図5のSTEP3に示す第1の除去処理を行った。
また、実施例1と同じ条件、及び同じ手法により、第1の除去処理の開始から終了までの間、処理チャンバー11内から排出された排ガスに含まれる四フッ化珪素(所定のガス)の濃度、及び二酸化炭素(所定のガス)の濃度を測定し、付着物除去工程の終点をモニターした(図5に示すSTEP5に相当する工程)。
次いで、図5のSTEP6に示す第2の除去処理を行った。該第2の除去処理では、第1の除去処理が終了後、処理チャンバー11内の圧力を一度大気圧に戻し、その後、評価サンプルCの第1の面29aに複数のノズル部19(図1参照)から不活性ガスである窒素を吹き付けた。
このとき、窒素を吹き付ける時間は、10秒とした。また、上記第2の除去処理における窒素の供給圧力は、0.1MPaGとした。
その後、処理チャンバー11内の圧力を第1の除去処理を行った際の圧力(具体的には、2torr)に戻した。
また、窒素による第2の除去処理を行わない間は、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン等)にて真空パージを行なった。
実施例2において、第1及び第2の除去処理を繰り返し行った際の排ガスに含まれる四フッ化ケイ素の濃度、及び二酸化炭素の濃度の測定結果を図6に示す。
(参考例)
参考例では、始めに、炭化珪素成膜装置(図示せず)を用いて、基板に炭化珪素膜を成膜する工程を繰り返し行った後、第1の面29aに炭化珪素よりなる付着物が付着したサセプタ29を3cm□の大きさの評価用サンプルDを切り出した。評価用サンプルDとしては、実施例1の評価サンプルAと同程度の付着物が付着しているものを用いた。
参考例では、保持具13を処理チャンバー11の下壁11−2上に配置すると共に、保持具13上に評価サンプルDを固定し、処理チャンバー11の上壁11−1から、フッ素含有ガスである三フッ化窒素(流量が100sccm)及び酸素含有ガスである酸素(流量が500sccm)を混合した混合ガスをプラズマ化させて3分間供給したこと以外は、実施例1と同様な処理を行った。
つまり、参考例では、評価用サンプルDに付着した付着物を除去する第1の除去処理を繰り返し行うと共に、排ガスに含まれる四フッ化ケイ素の濃度と二酸化炭素の濃度を測定した。この結果を図6に示す。
(実施例1,2及び参考例のガス濃度の測定結果について)
次に、図6を参照して、実施例1,2及び参考例のガス濃度の測定結果について説明する。
参考例の場合、第1の除去処理を14回繰り返し行うことで、四フッ化ケイ素の濃度及び二酸化炭素の濃度が終点の濃度である3vol.ppm以下になることが確認できた。
また、参考例の場合、付着物の除去処理を開始してから終了までの時間は、182分かかることが確認できた。
一方、実施例1では、第1の除去処理を9回繰り返し行うことで、四フッ化ケイ素の濃度及び二酸化炭素の濃度が終点の濃度である3vol.ppm以下になることが確認できた。
また、実施例1の場合、付着物の除去処理を開始してから終了までの時間は、117分であることが確認できた。
また、実施例2では、第1及び第2の除去処理を6回繰り返し行うことで、四フッ化ケイ素の濃度及び二酸化炭素の濃度が終点の濃度である3vol.ppm以下になることが確認できた。
また、実施例2の場合、付着物の除去処理を開始してから終了までの時間は、78分であることが確認できた。
上記参考例及び実施例1の結果から、炭化珪素よりなる付着物が付着した第1の面29aを下側にすることで、第1の面29aを上側にした場合(参考例)よりも短時間で付着物を除去できることが確認できた。
また、炭化珪素よりなる付着物が付着した第1の面29aを下側にすると共に、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスにより付着物を除去する第1の除去処理と、付着物に不活性ガスが吹き付ける第2の除去処理と、を組み合わせ、かつ繰り返し行う実施例2の付着物除去方法を用いることで、第1の除去処理のみを繰り返し行う実施例1の付着物除去方法よりも短い時間で効率良く付着物を除去できることが確認できた。
また、上記結果から、実施例1,2の付着物除去方法は、参考例の付着物除去方法よりも少ない回数の第1の除去処理で、付着物を除去できることが分かった。このことから、実施例1,2の付着物除去方法を用いることで、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスに起因するサセプタ29(炭化珪素成膜装置の部材)の損傷を抑制した上で、付着物を精度良く除去できることが確認できた。
本発明は、炭化珪素成膜装置の部材の損傷を抑制した上で、炭化珪素成膜装置の部材の第1の面に付着した付着物を短時間で効率良く除去可能な炭化珪素除去方法及び炭化珪素除去装置に適用可能である。
10…炭化珪素除去装置、11…処理チャンバー、11a…内面、11A…ガス導入部、11C…ガス排出部、11−1…上壁、11−2…下壁、11−3…側壁、12保持具支持体、12a…下面、13…保持具、14…フッ素含有ガス供給部、15…酸素含有ガス供給部、16…プラズマ発生部、18…不活性ガス供給部、19…ノズル部、22…真空ポンプ、23…ガス管、25…排ガス分析器、26…制御部、28…保護部材、29…サセプタ、29a…第1の面、29b…第2の面、31…基板載置領域、32…サセプタ固定台、33…凹部、35…第2の押さえ部材、41…保持具本体、41a一面、42…第1の押さえ部材、44…加熱器、45…磁石

Claims (7)

  1. 炭化珪素成膜装置を用いて基板に炭化珪素膜を成膜時に、炭化珪素を含む付着物が付着した前記炭化珪素成膜装置の部材の付着面から、前記付着物を除去する炭化珪素除去装置であって、
    前記炭化珪素成膜装置の部材を収容する処理チャンバーと、
    前記処理チャンバー内の上部に配置され、前記付着面に付着した前記付着物を露出させ、かつ前記付着面が下側となるように前記炭化珪素成膜装置の部材を保持する保持具と、
    フッ素含有ガスを供給するフッ素含有ガス供給部と、
    酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、
    前記フッ素含有ガス供給部及び前記酸素含有ガス供給部と接続され、前記フッ素含有ガス及び前記酸素含有ガスをプラズマ化させると共に、プラズマ化した前記フッ素含有ガス、及びプラズマ化した前記酸素含有ガスを、前記処理チャンバー内に配置された前記炭化珪素成膜装置の部材に供給するプラズマ発生部と、
    前記処理チャンバー内から排出される排ガスを分析する排ガス分析器と、
    前記排ガス分析器の分析結果に基づき、前記フッ素含有ガス供給部、前記酸素含有ガス供給部、及び前記プラズマ発生部を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする炭化珪素除去装置。
  2. 前記保持具は、前記炭化珪素成膜装置の部材を所定の温度に加熱する加熱器を有することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素除去装置。
  3. 不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、
    前記処理チャンバー内に収容されると共に、前記不活性ガス供給部と接続され、前記付着面に付着した付着物に前記不活性ガスを吹き付けるノズル部と、
    を有することを特徴とする請求項1または2のうち、いずれか1項記載の炭化珪素除去装置。
  4. 前記保持具は、前記炭化珪素成膜装置の部材を保持するための押さえ部材を有することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の炭化珪素除去装置。
  5. 前記炭化珪素成膜装置の部材は、該炭化珪素成膜装置の部材の外周部に前記押さえ部材と係合する凹部を有することを特徴とする請求項4記載の炭化珪素除去装置。
  6. 前記炭化珪素成膜装置の部材は、前記付着面側に前記付着物が付着しない領域を有し、
    前記付着物が付着しない領域を保護するように配置され、かつ強磁性材料よりなる保護部材を有し、
    前記保持具は、前記保護部材と対向配置された磁石を有することを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の炭化珪素除去装置。
  7. 炭化珪素除去装置の処理チャンバー内の上部に、炭化珪素を含む付着物が付着した炭化珪素成膜装置の部材の付着面が下側となるように、前記炭化珪素成膜装置の部材を配置する工程と、
    前記炭化珪素成膜装置の部材を処理チャンバー内に配置後、前記処理チャンバー内に前記付着面の下側から、プラズマ化したフッ素含有ガス、及びプラズマ化した酸素含有ガスを供給して、前記付着物を除去する第1の除去処理を含む付着物除去工程と、
    前記処理チャンバー内から排出される排ガスに含まれる所定のガスの濃度を分析する工程と、
    を有し、
    前記所定のガスの濃度が所定の閾値以下になった際、前記付着物除去工程を終了することを特徴とする炭化珪素除去方法。
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