JP2013248807A - ノック式筆記具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノック機構が最後端位置にある状態では、筆記先端13aは軸筒17内に没入しているとともに後端付属物20は後端被覆部材16により被覆され、ノック操作により前記ノック機構が中間位置で係止した状態では、筆記先端13aは軸筒17内に没入している一方で軸筒17の後端において後端付属物20が露出し、ノック操作によりノック機構が最先端位置にある状態では、軸筒17の先端から筆記先端13aが突出するとともに、軸筒17の後端において後端付属物20が露出する。
【選択図】図9
Description
一方、熱消去性インクを搭載した筆記具も広く使われるようになってきており、熱可塑性エラストマーなどで形成された摩擦体が後端やキャップに装着されている筆記具も増えてきている。現在、筆記具の軸の後端に筆記体以外の部材を搭載する機構として、以下の特許文献が開示されている。
上記先行文献2では、軸後端側に結合されているスタイラスペンは回転繰出によって出没自在であるが、この場合片手で軸を押さえつつもう片方の手で回転操作をする必要があるため、どうしても片手での操作は困難であるという点が問題である。
上記先行文献3では、片手操作で後端部の蓋の開閉が可能となっているが、部品点数が多くなってしまう問題がある。
軸筒17と、
前記軸筒17の先端から出没可能な筆記先端13aと、
前記軸筒17の後端に装着される後端付属物20と、
ノック操作による前後方向への往復移動によって前記筆記先端13aの出没に関与するノック機構と、
前記ノック機構に連動して前記後端付属物20を被覆する状態と露出する状態との間で前後方向へ往復移動する後端被覆部材16と、を備えるノック式筆記具1であって、
前記ノック機構は、前記往復移動の範囲における最後端位置と最先端位置との間に位置する中間位置で係止可能に形成され、
前記ノック機構が前記最後端位置にある状態では、前記筆記先端13aは前記軸筒17内に没入しているとともに前記後端付属物20は前記後端被覆部材16により被覆され、
ノック操作により前記ノック機構が前記中間位置で係止した状態では、前記筆記先端13aは前記軸筒17内に没入している一方で、前記軸筒17の後端において前記後端付属物20が露出し、
ノック操作により前記ノック機構が前記最先端位置にある状態では、前記軸筒17の先端から前記筆記先端13aが突出するとともに、前記軸筒17の後端において前記後端付属物20が露出することを特徴とする。
本発明における「後端付属物20」とは、筆記以外の目的で使用する部材であって、筆記具の目的に応じてその後端に装着されるものをいう。たとえば、タッチパネル操作用のスタイラスペンであったり、熱消去性の筆記インクが用いられるボールペンの場合には熱可塑性エラストマー製のイレイサーであったり、筆記先端がシャープペンシルの場合には消しゴムであったりする。また、印鑑をこの後端付属物として筆記具の後端に装着することも可能である。
ここで、このノック機構としては、通常のノック式ボールペンで用いられるようなノックボタンを備えるものとして形成することも可能である。また、軸筒の側面に設けられるスライド式のノックレバーを備えるものとして形成することも可能である。
前記軸筒17の後端内面にはカム溝30が形成され、
前記ノック機構は、
前記軸筒17内部に収納されこのノック機構の操作に伴い前後方向に移動可能であるとともに前記カム溝30に沿って周方向に回転する回転子14と、
前記回転子14の外周における前後方向の突条として形成されるとともに前記カム溝30に係止する係合カム14aとを有し、
前記カム溝30には前記係合カム14aが逆回転不能に係合する第1係止部31、第2係止部32及び第3係止部33が前記回転子14の回転方向に沿ってこの順に設けられているとともに、
前記第1係止部31は、前記最後端位置に設けられ、
前記第2係止部32は、前記中間位置に設けられ、
前記第3係止部33は、前記最先端位置に設けられ、
前記係合カム14aが前記第1係止部31に係止している状態では、前記係合カム14aが前記第1係止部31に係止している状態では、前記ノック機構は前記最後端位置にあり、
前記係合カム14aが前記第2係止部32に係止している状態では、前記ノック機構は前記中間位置にあり、
前記係合カム14aが前記第3係止部33に係止している状態では、前記ノック機構は前記最先端位置にあるように形成することが望ましい。
ノック機構に設けられる「回転子14」とは、ノック機構に設けられるノック棒15のような構成に押圧されることで、前後方向へ移動しつつ周方向へ回転する部材である。この回転に伴い、回転子14に形成される「係合カム14a」は、カム溝30における第1係止部31、第2係止部32及び第3係止部33の順に移動し各々の位置で係止することとなっている。
この状態から回転子14が回転して、係合カム14aが前記第2係止部32に移動してそこで係止している状態では、ノック機構は中間位置にあり、筆記先端13aは軸筒17内に没入している一方で、軸筒17の後端において後端付属物20が露出することとなる。
そしてこの状態から回転子20がさらに回転して、係合カム14aが第3係止部33に移動してそこで係止している状態では、ノック機構は最先端位置にあり、軸筒17の先端から筆記先端13aが突出するとともに、軸筒17の後端において後端付属物20が露出することとなる。
本発明は、上記の構成に加え、前記後端付属物20はタッチペン20であり、前記軸筒17の表面後端寄りの領域は、前記タッチペン20と導通する導電性を有していることとすることが望ましい。この構成により、この導電性を有する領域を手指で把持すれば、手指からタッチペン20までの導電経路が確保されることになり、このタッチペン20を静電容量式のタッチパネルの操作用のスタイラスペンとして利用することが可能となる。
本発明の1の実施の形態に係るノック式筆記具1は、筆記具としてのボールペンリフィール13を備えるとともに、後端付属物20として静電容量型のタッチペン20を搭載している。
このノック式筆記具1は、筆記先端13aとしてのボールペンリフィール13先端のボールペンチップ13a及びタッチペン20のいずれも露出していない没入状態では、図1(A)のような外観となっている。軸筒17(図2参照)の外側を覆うスリーブである外筒18はステンレス製で導電性を有しており、外筒18の後端部分にはガイドスリット18aが設けられている。また、この外筒18の後端側を覆うように、後端被覆部材16としてのノックカバー16が設けられている。このノックカバー16には筆記体を外へ露出させるためのノック用突起16aが設けられている。この図1(A)の状態ではノックカバー16は最後端位置を保っている。
この状態から、ノック用突起16aをガイドスリット18aに沿ってさらに前方に移動させると、図1(C)に示す最先端位置でノックカバー16が係止する。この状態では、図1(C)に示す状態に引き続いてノックカバー16の後端からタッチペン20が露出しているとともに、先端からはボールペンチップ13aが露出している。
図2は、本発明の実施の形態に係る回転繰出式筆記具10を構成する各部品を斜視図で示すものである。同図を中心に、他図を適宜参照しつつ、各部品について以下に説明する。
軸筒17は、ポリカーボネート樹脂の射出成形により略円筒状に形成されている。
外筒18は先述の通りステンレス製の円筒形部材であり、軸筒17に外挿される。外筒18の後端には前記ノック用突起16aが摺動するガイドスリット18aが設けられている。
外筒18の後端には、ステンレス製のタッチペンホルダー19が装着され、その中にはタッチペン20が装着される。タッチペン20は、導電性のシリコーンゴムにより、先端が略半球状に形成された円筒形状に形成されている。なお、このタッチペン20は、ポリエステル繊維芯により上記の形状に形成し、その表面を導電性高分子材料であるポリチオフェンでコーティングしたものでもよい。また、タッチペンホルダー19は、ステンレス以外にもたとえば真鍮などの導電性のある金属で形成してもよく、また、導電性のメッキが施されたプラスチック製としてもよい。
先軸10は、内筒11の先端に螺着されることで、軸筒17の最先端部分を構成している。この軸心にはボールペンリフィール13が貫通する(図7参照)。
インクを収容するステンレス製のボールペンリフィール13は、先端に筆記先端としてのボールペンチップ13aを備えている。ボールペンリフィール13の後端部分は、回転子14に挿入されている(図7参照)。
回転子14は、ポリアセタールの射出成形により形成されている。具体的には、図5に示すように、軸筒17の内径とほぼ同じ外径を有する円筒状の中間部14bと、この中間部14bの先端側に位置し外径がやや小径となっている先端部14cと、この中間部14bの後端側に位置し外径がやや小径となっているカム機構部14dと、このカム機構部14dの後端側に位置し外径がさらに小径となっている後端部14eとで構成されている。そのカム機構部14dの外周には、長手方向に沿った突条として形成された係合カム14aとしての回転子カム14aが軸心を挟んで1対設けられている。カム機構部14dの後端は、周縁に沿って4個の山状の先端側回転用突起14fが突出している。回転子カム14aは、4個の先端側回転用突起14fのうち軸心を挟んで対向する2個と一致した外周位置に設けられている。後端部14eは、ノック棒15の先端に遊嵌される(図7参照)。この後端部14eの後端縁には環状に突出したノック棒15との係合部14gが形成されている。これについては後述する。
ノックカバー16は、図2に示すように、ノック棒15の後端側に位置する部材であり、ポリカーボネートの射出成形により略円筒状に形成されている。このノックカバー16の先端側外周には、先述の通り、外方へ突出するノック用突起16aが設けられている。このノック用突起16aは外筒18のガイドスリット18aに沿って前後方向へ摺動する。ノックカバー16の先端には、ノック棒15の後端部分が圧入される。また、外筒の後端が貫通する断面C字状の外筒貫通孔16bも設けられている。すなわち、外筒18は、ノックカバー16を貫通した状態で、タッチペンホルダー19と結合している(図7参照)。そしてこの外筒貫通孔16bによって、ノックカバー16は外筒18に対して前後方向へ移動自在となっている。
図7の断面図に示す状態では、図4に示すように、回転子14の回転子カム14aは、カム溝30の第1係止部31に係止している。このとき、回転子14はスプリング12により後方に付勢されているため、回転子カム14aは第1傾斜縁31bに後方へ押し付けられた状態を保ち、回転子14に連結されたボールペンチップ13aは先軸10の中へ没入している。また、回転子14とノック棒15とは互いの係合部14g,15b同士が係合しているため、ノック棒15の後端に装着されているノックカバー16は、タッチペン20を被覆した状態を保っている。
すなわち、この状態でノック機構は最後端位置にあり、ノック式筆記具1は図1(A)に示す没入状態となっている。
この没入状態から、ノック用突起16aを先端方向へ移動させると、ノック棒15の後端側回転用突起15aが回転子14の先端側回転用突起14fと接触しつつ、スプリング12の付勢力に抗して先端方向へ押し出すこととなる。このとき、回転子カム14aは第1係止縁31bに沿って先端方向へ摺動する。そして、第2傾斜縁32aに至ったところで、時計回り方向の規制が一瞬なくなると同時に、先端側回転用突起14fが半ピッチ分時計回り方向へ回転し、後端側回転用突起15aと噛み合った状態で、図8に示すように回転子カム14aは第2係止部32と係止することになる。この状態で、図9の断面図に示すように、ノックカバー16は先端方向へ移動し、タッチペン20が露出しているが、ボールペンチップ13aはいまだ先軸10の中に没入した状態である。すなわち、この状態でノック機構は中間位置にあり、ノック式筆記具1は図1(B)に示す第1露出状態となる。このとき、図9に示すように回転子14とノック棒15とは互いの係合部14g,15bが係合しており、ノックカバー16はこの第1露出状態の位置よりも後方へ移動することが制限されているため、タッチペン20の露出が保たれることとなっている。これによって、タッチペン20からタッチペンホルダー19まで導電性が確保され、タッチペンホルダー19から外筒18にも導電性が確保されていることから、外筒18を手でもち、タッチペン20をスタイラスペンとして静電容量型の液晶タッチパネルに触れると、手で液晶パネルに直接触れたときと同等の操作が可能となる。
10 先軸 11 内筒 12 スプリング
13 ボールペンリフィール 13a ボールペンチップ(筆記先端)
14 回転子 14a 回転子カム(係合カム)
14b 中間部 14c 先端部 14d カム機構部
14e 後端部 14f 先端側回転用突起 14g ノック棒との係合部
15 ノック棒 15a 後端側回転用突起 15b 回転子との係合部
16 ノックカバー(後端被覆部材) 16a ノック用突起
16b 外筒貫通孔 17 軸筒 18 外筒
18a ガイドスリット 19 タッチペンホルダー 20 タッチペン(後端付属物)
30 カム溝
31 第1係止部 31a 第1傾斜縁 31b 第1係止縁
32 第2係止部 32a 第2傾斜縁 32b 第2係止縁
33 第3係止部 33a 第3傾斜縁 33b 第3係止縁
34 第4傾斜縁
Claims (3)
- 軸筒と、
前記軸筒の先端から出没可能な筆記先端と、
前記軸筒の後端に装着される後端付属物と、
ノック操作による前後方向への往復移動によって前記筆記先端の出没に関与するノック機構と、
前記ノック機構に連動して前記後端付属物を被覆する状態と露出する状態との間で前後方向へ往復移動する後端被覆部材と、を備えるノック式筆記具であって、
前記ノック機構は、前記往復移動の範囲における最後端位置と最先端位置との間に位置する中間位置で係止可能に形成され、
前記ノック機構が前記最後端位置にある状態では、前記筆記先端は前記軸筒内に没入しているとともに前記後端付属物は前記後端被覆部材により被覆され、
ノック操作により前記ノック機構が前記中間位置で係止した状態では、前記筆記先端は前記軸筒内に没入している一方で、前記軸筒の後端において前記後端付属物が露出し、
ノック操作により前記ノック機構が前記最先端位置にある状態では、前記軸筒の先端から前記筆記先端が突出するとともに、前記軸筒の後端において前記後端付属物が露出することを特徴とするノック式筆記具。 - 前記軸筒の後端内面にはカム溝が形成され、
前記ノック機構は、
前記軸筒の内部に収納されこのノック機構の操作に伴い前後方向に移動可能であるとともに前記カム溝に沿って周方向に回転する回転子と、
前記回転子の外周における前後方向の突条として形成されるとともに前記カム溝に係止する係合カムとを有し、
前記カム溝には前記係合カムが逆回転不能に係合する第1係止部、第2係止部及び第3係止部が前記回転子の回転方向に沿ってこの順に設けられているとともに、
前記第1係止部は、前記最後端位置に設けられ、
前記第2係止部は、前記中間位置に設けられ、
前記第3係止部は、前記最先端位置に設けられ、
前記係合カムが前記第1係止部に係止している状態では、前記ノック機構は前記最後端位置にあり、
前記係合カムが前記第2係止部に係止している状態では、前記ノック機構は前記中間位置にあり、
前記係合カムが前記第3係止部に係止している状態では、前記ノック機構は前記最先端位置にあることを特徴とする請求項1記載のノック式筆記具。 - 前記後端付属物はタッチペンであり、
前記軸筒の表面後端寄りの領域は、前記タッチペンと導通する導電性を有していることを特徴とする請求項1又は2記載のノック式筆記具。
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