JP2013245255A - マスキング材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的とするところは、水溶性を有する一時的な皮膜を形成するために用いられることができ、且つ、この皮膜に高い水溶性を付与することができ、更にこの皮膜が加熱されてもその水溶性が低下しにくくなるマスキング材を提供することにある。
【解決手段】本発明に係るマスキング材は、水溶性ポリエステル樹脂を含有する。このため、マスキング材から形成される皮膜の水溶性が非常に高くなり、このためこの皮膜を水系の洗浄剤によって容易に除去することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、水溶性を有する一時的な皮膜を形成するために用いられるマスキング材に関する。
従来、適宜の基材を、水溶性のマスキング材から形成された皮膜で一時的に保護することで基材の傷つき、汚れの付着、変質等を、防止することが、おこなわれている。
例えば特許文献1には、塗装される物品の一部をマスクしてそれらに塗料が塗布されないようにするために用いられるマスキング組成物が、開示されている。このマスキング組成物は、カルボキシメチルセルロースガムを約1重量%、可塑剤を少なくとも5重量%、所望により界面活性剤を少なくとも0.025重量%を含む、水溶液又は分散液である。
しかし、マスキング材から形成された一時的な皮膜を完全に除去することが難しい場合がある。また、特に特許文献1のようにセルロース系樹脂を主体とするマスキング材が用いられる場合には、工程の中で皮膜が加熱されると、皮膜が変質することで皮膜の水溶性が低下してしまい、このため皮膜が除去されにくくなることがある。
特開平3−56170号公報
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水溶性を有する一時的な皮膜を形成するために用いられることができ、且つ、この皮膜に高い水溶性を付与することができ、更にこの皮膜が加熱されてもその水溶性が低下しにくくなるマスキング材を提供することにある。
本発明に係るマスキング材は、水溶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする。
前記水溶性ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分との重合生成物であり、前記多価カルボン酸成分に5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸が含まれていることが好ましい。
前記多価カルボン酸成分に対する前記5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸の割合が、10〜80モル%の範囲であることが好ましい。
前記水溶性ポリエステル樹脂が、アルカリ金属化合物によって中和されている酸基を備えることが好ましい。
前記マスキング材が、平均粒径、0.03〜10μmの無機フィラーを更に含有することが好ましい。
前記マスキング材が、前記無機フィラーを、樹脂全量に対して0.1〜400質量%の割合で含有することが好ましい。
前記マスキング材が、前記水溶性ポリエステル樹脂以外の水溶性高分子を更に含有することも好ましい。
前記マスキング材が、前記水溶性高分子を前記水溶性ポリエステル樹脂に対して1〜300質量%の割合で含有することが好ましい。
本発明によれば、マスキング材が水溶性ポリエステル樹脂を含有することから、このマスキング材から形成される皮膜の水溶性が非常に高くなり、このためこの皮膜を水系の洗浄剤によって容易に除去することができる。更に、皮膜が加熱されてもこの皮膜の水溶性が低下しにくい。このため、このマスキング材を、種々の部材の任意の部位を一時的に保護するための皮膜を形成するために、好適に用いることができる。
本実施形態におけるマスキング材は、水溶性ポリエステル樹脂を含有する。
水溶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分とグリコール成分との重合生成物である。多価カルボン酸成分及びグリコール成分のうち少なくとも一方は、水溶性ポリエステル樹脂に水溶性を付与するための成分(水溶性付与成分)を含むことが好ましい。
尚、水溶性ポリエステル樹脂が水溶性を有することは、技術常識に基づいて判断される。特に、水溶性ポリエステル樹脂のみから形成される厚み20μmの薄膜の表面全体に常温の水を0.005MPaの噴霧圧で20分間噴霧すると、この薄膜が全て水に溶解することが好ましい。或いは、水溶性ポリエステル樹脂のみから形成される厚み20μmの薄膜の表面全体に50℃の水を0.005MPaの噴霧圧で10分間噴霧すると、この薄膜が全て水に溶解することが好ましい。或いは、水溶性ポリエステル樹脂と常温の水とを1:5の質量比で混合し、得られた液に超音波を20分間加えると、水溶性ポリエステル樹脂が水に全て溶解することが好ましい。或いは、水溶性ポリエステル樹脂と50℃の水とを1:5の質量比で混合し、得られた液に超音波を10分間加えると、水溶性ポリエステル樹脂が水に全て溶解することが好ましい。
多価カルボン酸成分は、二価以上の多価カルボン酸と多価カルボン酸のエステル形成性誘導体とから選択される、1種以上の化合物から成る。多価カルボン酸のエステル形成性誘導体とは、多価カルボン酸の無水物、エステル、酸クロライド、ハロゲン化物等の誘導体であって、後述するグリコール成分と反応してエステルを形成する化合物である。多価カルボン酸は、一分子あたり二以上のカルボキシル基を備える。
グリコール成分は、グリコールとグリコールのエステル形成性誘導体とから選択される、1種以上の化合物から成る。グリコールのエステル形成性誘導体とは、グリコールに対応するジアセテート化合物等のようなグリコールの誘導体であって、多価カルボン酸成分と反応してエステルを形成する化合物である。
多価カルボン酸は、カルボキシル基以外に、反応性の官能基を備えないことが好ましい。また、グリコールは、ヒドロキシル基以外には、反応性の官能基を備えないことが好ましい。特に多価カルボン酸とグリコールとが、共に反応性の官能基を備えないことが好ましい。これらの場合、水溶性ポリエステル樹脂の反応性の官能基の量が低減し、或いは水溶性ポリエステル樹脂が反応性を備えなくなる。そうすると、水溶性ポリエステル樹脂の反応性が低減し、このため水溶性ポリエステル樹脂が加熱されても水溶性ポリエステル樹脂の水溶性が低下しにくくなる。尚、後述する水溶性付与成分が有するイオン性の極性基は、反応性の官能基には含まれない。
特に、多価カルボン酸は、ヒドロキシル基、エチレン性不飽和結合、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、ニトロ基、カルボニル基、エポキシ基、及びシアノ基のうち、いずれも備えないことが好ましい。また、グリコールは、エチレン性不飽和結合、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、ニトロ基、カルボニル基、エポキシ基、及びシアノ基のうち、いずれも備えないことが好ましい。また、水溶性ポリエステル樹脂は、ヒドロキシル基、エチレン性不飽和結合、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、ニトロ基、カルボニル基、エポキシ基、及びシアノ基のうち、いずれも備えないことが好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等の、ジカルボン酸が挙げられる。特に多価カルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、並びにコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸類から選ばれる少なくとも一種から成ることが好ましい。この場合、多価カルボン酸成分とグリコール成分との反応性が良好となり、また水溶性ポリエステル樹脂の耐候性、耐久性の特性が良好となる。特に水溶性付与成分に該当しない多価カルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸類のみが用いられるか、或いは芳香族ジカルボン酸類が多価カルボン酸成分の主成分であることが最適である。
また、グリコールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、並びに1,4−ブタンジオール等のブタンジオール類、並びに1,6−ヘキサンジオール等のヘキサンジオール類、並びに1,4−シクロヘキサンジメタノール類、ネオペンチルグリコール及びビスフェノールA等から選ばれる、少なくとも一種から成ることが好ましい。この場合、多価カルボン酸成分とグリコール成分との反応性が良好となり、また水溶性ポリエステル樹脂の耐候性、耐久性の特性が良好となる。
水溶性付与成分は、水溶性ポリエステル樹脂の骨格構造の一部を構成することで、この水溶性ポリエステル樹脂にイオン性の極性基を導入し、これにより水溶性ポリエステル樹脂に水溶性を付与する。イオン性の極性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。イオン性の極性基は、中和されていてもよい。
水溶性付与成分は、例えば多価カルボン酸成分に含まれる。多価カルボン酸成分に含まれる水溶性付与成分としては、例えば金属スルホネート基を有するジカルボン酸、三価以上の多価カルボン酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体が、挙げられる。
この水溶性付与成分のうち、金属スルホネート基を有するジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体(以下、総称して金属スルホネート基を有するジカルボン酸等という)としては、例えば5−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホナフタレン−2,6−ジカルボン酸等のアルカリ金属塩、並びにこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。水溶性ポリエステル樹脂に良好な水溶性が付与されるためには、前記アルカリ金属がナトリウム、カリウム又はリチウムであることが好ましい。
金属スルホネート基を有するジカルボン酸等が水溶性付与成分として用いられると、水溶性ポリエステル樹脂中に金属スルホネート基が有効に残存し、このため水溶性ポリエステル樹脂に優れた水溶性が付与される。特に水溶性付与成分として5−ソジウムスルホイソフタル酸又はそのエステル(例えば5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸)が用いられると、水溶性ポリエステル樹脂中にスルホン酸ナトリウム基が有効に残存し、このため水溶性ポリエステル樹脂に優れた水溶性が付与される。
また、水溶性付与成分として三価以上の多価カルボン酸及びそのエステル形成性誘導体(以下、総称して三価以上の多価カルボン酸等という)が用いられる場合、三価以上の多価カルボン酸等に起因するカルボキシル基が水溶性ポリエステル樹脂中に残存することで、水溶性ポリエステル樹脂に水溶性が付与される。水溶性ポリエステル樹脂に残存するカルボキシル基は、例えばアンモニア、アルカノールアミン、アルカリ金属化合物等の塩基性化合物で中和されることが好ましい。塩基性化合物としては、非揮発性の化合物が使用されることが好ましく、特にアルカリ金属の水酸化物等のアルカリ金属化合物が使用されることが好ましい。この場合、水溶性ポリエステル樹脂が加熱されても水溶性ポリエステル樹脂の水溶性が更に低下しにくくなる。
三価以上の多価カルボン酸としては、例えばヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメジン酸、メロファン酸、ピロメリット酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリット酸、シクロプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、エタンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸が挙げられる。
特に、水溶性付与成分が、トリメリット酸及びそのエステル形成性誘導体から選択される少なくとも一種から成ることが、好ましい。この場合、水溶性ポリエステル樹脂中にカルボキシル基が有効に残存し、水溶性ポリエステル樹脂にさらに優れた親水性が付与される。
水溶性付与成分としては、上記の三価以上の多価カルボン酸等、並びに金属スルホネート基を有するジカルボン酸等のうち、一種のみが用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
多価カルボン酸成分が水溶性付与成分を含む場合、多価カルボン酸成分に対する水溶性付与成分の割合は、10〜80モル%の範囲であることが好ましい。この割合が10モル%以上であると、水溶性ポリエステル樹脂に充分に高い水溶性が付与される。また、この割合が80モル%以下であると、マスキング材から形成される皮膜の吸湿性が過剰に大きくなることが抑制され、このため皮膜の取り扱い性及び耐ブロッキング性が向上する。この水溶性付与成分の割合は、更に10〜60モル%の範囲であることが好ましい。
また、特に多価カルボン酸成分が水溶性付与成分として5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸を含有し、多価カルボン酸成分に対する5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸の割合が10〜80モル%の範囲であることが好ましい。この場合、水溶性ポリエステル樹脂に充分に高い水溶性が付与される。この5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸の割合は、更に10〜60モル%の範囲であることが好ましい。
多価カルボン酸成分とグリコール成分との割合は、多価カルボン酸成分に含まれるカルボキシル基及びそのエステル形成性誘導基の総数と、グリコール成分に含まれるヒドロキシル基及びそのエステル形成性誘導基の総数とが、モル比率で1:1.1〜2.5の範囲となるように調整されることが好ましい。尚、この場合、水溶性付与成分である三価以上の多価カルボン酸等は、ジカルボン酸とみなして、割合が算出される。
水溶性ポリエステル樹脂は、公知のポリエステル製造方法により多価カルボン酸成分及びグリコール成分を重合させて生成される。
例えば多価カルボン酸成分が多価カルボン酸であり、且つグリコール成分がグリコールである場合には、この多価カルボン酸とグリコールとを一段階の反応で反応させる直接エステル化反応が採用される。
また、例えば多価カルボン酸成分が多価カルボン酸のエステル形成性誘導体であり、且つグリコール成分がグリコールである場合には、多価カルボン酸のエステル形成性誘導体とグリコールとのエステル交換反応である第一段反応と、第一段反応による反応生成物が重縮合する第二段反応とを経て、水溶性ポリエステル樹脂が製造されてもよい。
第一段反応と第二段反応とを経る水溶性ポリエステル樹脂の製造方法について、更に具体的に説明する。第一段反応であるエステル交換反応においては、反応系中に水溶性ポリエステル樹脂の製造に供される全ての原料が最初から含有されていてよい。例えばジカルボン酸ジエステルとグリコール化合物とが反応容器に保持された状態で、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、常圧条件下で、150〜260℃まで徐々に昇温加熱されることで、エステル交換反応が進行する。
第二段反応である重縮合反応は、例えば6.7hPa(5mmHg)以下の減圧下、160〜280℃の温度範囲内で進行する。
この第一段反応及び第二段反応において、任意の時期に、反応系中に触媒として、従来公知のチタン、アンチモン、鉛、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルカリ金属化合物等が添加されても良い。
更に、水溶性付与成分として三価以上の多価カルボン酸が用いられる場合には、上記のようにして得られた水溶性ポリエステル樹脂を、アルカリ金属化合物等の塩基性化合物で中和することが好ましい。
水溶性ポリエステル樹脂の数平均分子量は3000〜50000の範囲であることが好ましい。このように数平均分子量が3000以上であれば、マスキング材から皮膜が容易に形成される。また、この数平均分子量が50000以下であれば、水溶性ポリエステル樹脂の水溶性が充分に高くなり、マスキング材から形成される皮膜の水溶性が効果的に向上する。この水溶性ポリエステル樹脂の数平均分子量は、更に5000〜35000の範囲であることが好ましい。
尚、水溶性ポリエステル樹脂の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(ポリスチレン換算)による測定結果から導出される。
水溶性ポリエステル樹脂の水溶性の程度は、水溶性ポリエステル樹脂の数平均分子量と、水溶性ポリエステル樹脂を製造するために用いられる水溶性付与成分の割合とが、バランスよく設定されることで、調整される。すなわち、水溶性ポリエステル樹脂の水溶性が充分に高くなるように、水溶性ポリエステル樹脂の数平均分子量と、水溶性ポリエステル樹脂を製造するために用いられる水溶性付与成分の割合とが、適宜設定されることが好ましい。
また、マスキング材中の水溶性ポリエステル樹脂の割合は、特に制限されないが、マスキング材中の固形分(不揮発性成分)に対して1〜100質量%の範囲であることが好ましく、10〜90質量%の範囲であれば更に好ましく、15〜80質量%の範囲であれば特に好ましい。
マスキング材は、水溶性ポリエステル樹脂以外の水溶性高分子を更に含有することが好ましい。この場合、水溶性高分子によってマスキング材の粘度が調整され、マスキング材の塗布性が良好となる。この水溶性高分子は、水に溶解すると増粘性を示す性質を有することが好ましい。
水溶性高分子は、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの多糖類、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウムなどの有機酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン等から選択される、一種以上の化合物を含有する。特に水溶性高分子が、ヒドロキシプロピルセルロースを含有することが好ましい。
マスキング材中の水溶性高分子の割合は、水溶性ポリエステル樹脂に対して1〜300質量%の範囲であることが好ましい。この場合、水溶性高分子によってマスキング材の粘度が適切に調整され、且つ、マスキング材から形成される皮膜の良好な耐熱性が維持される。この割合は、3〜250質量%の範囲であればより好ましく、5〜150質量%の範囲であれば特に好ましい。
マスキング材は、平均粒径0.03〜10μmの無機フィラーを更に含有することが好ましい。この場合、マスキング材から形成される皮膜が、樹脂マトリックスと、無機フィラーとを備えるようになる。樹脂マトリックスは主として水溶性ポリエステル樹脂から構成される、この樹脂マトリクス中に無機フィラーが分散する。この皮膜中の樹脂マトリクスと無機フィラーとの間の界面に液体が浸入しやすくなり、そのため、皮膜に液体が浸み込みやすくなる。その結果、皮膜が加熱されてから水系の洗浄剤に曝される場合に、皮膜が更に崩壊し、除去されやすくなる。
無機フィラーは、特に制限されないが、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ及びタルク、クレーから選択される、一種以上を含有することが好ましい。
また、無機フィラーは、酸化チタン等の金属酸化物、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物等から選ばれる一種以上の体質顔料を含有することも好ましい。この場合、マスキング材から形成される皮膜の白色性が向上することで皮膜の外観が向上し、また皮膜の難燃性が向上する。
上記のように無機フィラーの平均粒径は、0.03〜10μmの範囲である。このため、皮膜が加熱されてから水系の洗浄剤に曝される場合に、皮膜が更に除去されやすくなる。すなわち、この平均粒径が0.03μm以上であることで、樹脂マトリクスと無機フィラーとの界面から液体が特に浸入しやすくなり、皮膜内部に液体がしみ込みやすくなる。またこの平均粒径が10μm以下であることで被膜の表面の平滑性が良くなり、このため皮膜にボイドが生じにくくなる。この平均粒径は、0.03〜5μmの範囲であることが好ましく、0.08〜1.5μmの範囲であれば特に好ましい。尚、無機フィラーの平均粒径は、遠心沈降光透過法により測定される。
また、マスキング材中の無機フィラーの割合は、マスキング材中の樹脂全量に対して0.1〜400質量%の範囲であることが好ましい。この場合、皮膜が加熱されてから水系の洗浄剤に曝される場合に、皮膜が更に除去されやすくなる。すなわち、この割合が0.1質量%以上であることで、皮膜が除去されやすくなり、且つ耐熱性、成形加工性が良好になる。またこの割合が400質量%より大きくなると、皮膜中に水溶性官能基の割合が少なくなるため、十分な水溶性が確保されない。この無機フィラーの割合は、10〜350質量%の範囲であれば更に好ましく、10〜300質量%の範囲であれば特に好ましい。但し、無機フィラーが親水性フィラーであれば前記の割合に限定されない。
また、マスキング材が、チキソトロピー性付与剤を含有することも好ましい。この場合、マスキング材に適度なチキソトロピー性が付与され、このためマスキング材の塗布性が改善される。また、基材上に塗布されたマスキング材が加熱された場合のマスキング材の粘度低下が抑制され、このためマスキング材が流動することによる形状変化が、抑制される。チキソトロピー性付与剤としては、公知の材料が使用される。例えばチキソトロピー性付与剤は、有機ベントナイト、微粉シリカ、モンモリロナイト、及びハイドロタルサイトから選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
また、マスキング材は、必要に応じ、浸透剤、難燃剤、静電気防止剤、顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、防錆剤、分散助剤等の適宜の添加剤を含有してもよい。
また、マスキング材は、水系溶媒を含有することが好ましい。水系溶媒とは、水であり、或いは水と親水性有機溶媒とを含有する混合溶媒である。この場合、マスキング材中で水溶性ポリエステル樹脂が水系溶媒中に溶解又は分散し、このため、マスキング材から皮膜が形成されるにあたって、マスキング材が更に塗布されやすくなる。親水性有機溶媒は、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、1,2−プロパンジオール等のアルコール;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル;シクロヘキサノン等から選択される、少なくとも一種を含有することが好ましい。
また、水系溶媒が水とアルコールとを含有する混合溶媒であり、マスキング材中の水の割合が5〜80質量%の範囲、マスキング材中のアルコールの割合が5〜50質量%の範囲であることが好ましい。この場合、スクリーン印刷中のスキージのすべりが良くなり、また皮膜からのスクリーン印刷版の版離れもよくなり、このため、連続印刷性が向上する。
このマスキング材は、適宜の基材上に一時的なマスキングのための皮膜を形成するために、好適に用いられる。
例えば、適宜の基材上にマスキング材を塗布成膜することで皮膜を形成し、この皮膜を含む基材上を非水溶性の塗料で被覆し、続いて水系の洗浄剤で処理することにより皮膜及びこの皮膜上の塗料を除去することで、基材上に適宜のパターン状の塗膜を形成することができる。
また、マスキング材を、適宜の基材(例えば、プリント配線板、電子部品、各種塗布基材)を一時的に保護するために用いることもできる。例えば、基材上を、マスキング材から形成された皮膜で一時的に覆うことによって、基材が取り扱われる場合や複数の基材が積み重ねられる場合などに基材にキズ等の破損が生じること、異物が付着することなどを、抑制することができる。この場合、基材上に皮膜を部分的に形成してもよい。そのようにしても、複数の基材が積み重ねられる場合に基材間に皮膜が介在することで、基材が直接接触しなくなり、このため基材にキズ等の破損が生じることを抑制することができる。また、自動車部品等を塗装する際、塗装されない個所をマスキング材から形成された皮膜で一次的に覆うことによって、塗装されない個所への塗料の飛び散りを抑制することもできる。
基材上へのマスキング材の塗布方法としては、刷毛塗り法、スクリーン印刷法、グラビア印刷、スプレー法、ディップ法、バーコーター、ロールコーターその他の公知の塗布手段が採用され得る。基材上にマスキング材が塗布され、続いて必要に応じてマスキング材が乾燥されることで、基材上に皮膜が形成される。
この、基材上の皮膜が水系の洗浄剤に曝されることで、皮膜が基材上から除去される。水系の洗浄剤とは、水であり、或いは水と親水性有機溶媒とを含有する混合溶媒である。親水性有機溶媒は、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、1,2−プロパンジオール等のアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル;シクロヘキサノン;非イオン性、陰イオン性、および陽イオン性からなる界面活性剤等から選択される、少なくとも一種を含有することが好ましい。特に水系の洗浄剤が水であることが好ましい。
皮膜は、適宜の手法によって、水系の洗浄剤に曝される。例えば水系の洗浄剤が皮膜に向けてスプレー塗布されたり、皮膜が水系の洗浄剤に浸漬されたりすることで、皮膜が水系の洗浄剤に曝される。
本実施形態によるマスキング材から形成される皮膜は水溶性が高いため、水系の洗浄剤に溶解され或いは水系の洗浄剤中に分散されやすい。このため、基材上の皮膜が水系の洗浄剤に曝されることで、基材上から皮膜が容易に除去される。このため、基材上に異物が残存することによって基材の品質が低下することが、抑制される。
また、本実施形態によるマスキング材に含有されている水溶性ポリエステル樹脂は、反応性が低いため、加熱されてもその水溶性が低下しにくい。このため、マスキング材から形成される皮膜が加熱されても、その水溶性が低下しにくい。このため、上記のように基材上に皮膜が形成されてから、この皮膜が加熱されても、皮膜の水溶性が低下しにくく、このため皮膜が加熱されても、皮膜が水系の洗浄剤によって基材上から容易に除去される。
また、上記の通り、マスキング材は水溶性ポリエステル樹脂を含有するため、水系の組成物として調製されることができ、更にマスキング材から形成される皮膜は水系の洗浄剤によって容易に除去されるため、マスキング材が使用される場合の労働安全性及び環境保全性が、高くなる。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は、下記の実施例のみに制限されるものではない。尚、下記において、断りのない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
[合成例1]
原料として、ジメチルテレフタル酸130.1部、ジメチルイソフタル酸35.0部、5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸44.4部、エチレングリコール62.1部、1,6−ヘキサンジオール118.2部、及び触媒(シュウ酸チタンカリウム)0.1部を用意した。
これらの原料を反応器に入れて溶液を調製し、この溶液を常圧、窒素雰囲気中で撹拌混合しながら200℃に昇温し、続いて4時間かけて260℃にまで徐々に昇温することで、エステル交換反応を完了させた。次に、この溶液を260℃の温度下で徐々に減圧し、続いて250℃、0.67hPa(0.5mmHg)の条件下で1時間保持することで、重縮合反応を進行させた。これにより、数平均分子量約9600のポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂25部及び水75部を、容器内に入れ、これらを80〜95℃で2時間撹拌することで、ポリエステル樹脂を水に溶解させた。これにより、ポリエステル樹脂濃度25%の水溶液Aを得た。
[合成例2]
原料として、ジメチルテレフタル酸101.0部、ジメチルイソフタル酸35.0部、5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸88.8部、エチレングリコール62.1部、1,6−ヘキサンジオール118.2部、及び触媒(シュウ酸チタンカリウム)0.1部を用意した。
これらの原料を反応器に入れて溶液を調製し、この溶液を常圧、窒素雰囲気中で撹拌混合しながら200℃に昇温し、続いて4時間かけて260℃にまで徐々に昇温することで、エステル交換反応を完了させた。次に、この溶液を260℃の温度下で徐々に減圧し、続いて260℃、0.67hPa(0.5mmHg)の条件下で2時間保持することで、重縮合反応を進行させた。これにより、数平均分子量約30000のポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂25部及び水75部を、容器内に入れ、これらを80〜95℃で2時間撹拌することで、ポリエステル樹脂を水に溶解させた。これにより、ポリエステル樹脂濃度25%の水溶液Bを得た。
[合成例3]
原料として、ジメチルテレフタル酸62.1部、ジメチルイソフタル酸35.0部、5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸148.1部、エチレングリコール62.1部、1,6−ヘキサンジオール118.2部、及び触媒(シュウ酸チタンカリウム)0.1部を用意した。
これらの原料を反応器に入れて溶液を調製し、この溶液を常圧、窒素雰囲気中で撹拌混合しながら200℃に昇温し、続いて4時間かけて260℃にまで徐々に昇温することで、エステル交換反応を完了させた。次に、この溶液を260℃の温度下で徐々に減圧し、続いて260℃、0.67hPa(0.5mmHg)の条件下で2時間保持することで、重縮合反応を進行させた。これにより、数平均分子量約26000のポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂25部及び水75部を、容器内に入れ、これらを80〜95℃で2時間撹拌することで、ポリエステル樹脂を水に溶解させた。これにより、ポリエステル樹脂濃度25%の水溶液Cを得た。
[合成例4]
原料として、ジメチルテレフタル酸120.4部、ジメチルイソフタル酸35.0部、エチレングリコール62.1部、1,6−ヘキサンジオール118.2部、及び触媒(シュウ酸チタンカリウム)0.1部を用意した。
これらの原料を反応器に入れて溶液を調製し、この溶液を常圧、窒素雰囲気中で撹拌混合しながら200℃に昇温し、続いて4時間かけて260℃にまで徐々に昇温することで、エステル交換反応を完了させた。次に、この溶液に無水トリメリット酸38.4部を添加し、続いてこの溶液を250℃の温度下で徐々に減圧し、続いて250℃、0.67hPa(0.5mmHg)の条件下で30分間保持することで、重縮合反応を進行させた。これにより、酸価55.2mgKOH/g、数平均分子量約8200の、ポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂25部、水71.2部、及び25%水酸化ナトリウム水溶液3.8部を、容器内に入れ、これらを80〜95℃で2時間撹拌することで、ポリエステル樹脂を水に溶解させた。これにより、ポリエステル樹脂濃度25%の水溶液Dを得た。
[合成例5]
原料として、ジメチルテレフタル酸139.8部、ジメチルイソフタル酸35.0部、5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸29.6部、エチレングリコール62.1部、1,6−ヘキサンジオール118.2部、及び触媒(シュウ酸チタンカリウム)0.1部を用意した。
これらの原料を反応器に入れて溶液を調製し、この溶液を常圧、窒素雰囲気中で撹拌混合しながら200℃に昇温し、続いて4時間かけて260℃にまで徐々に昇温することで、エステル交換反応を完了させた。次に、この溶液を260℃の温度下で徐々に減圧し、続いて250℃、0.67hPa(0.5mmHg)の条件下で30分間保持することで、重縮合反応を進行させた。これにより、数平均分子量約5100のポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂25部及び水75部を、容器内に入れ、これらを80〜95℃で2時間撹拌することで、ポリエステル樹脂を水に溶解させた。これにより、ポリエステル樹脂濃度25%の水溶液Eを得た。
[合成例6]
原料として、ジメチルテレフタル酸130.1部、ジメチルイソフタル酸35.0部、5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸44.4部、エチレングリコール62.1部、1,6−ヘキサンジオール118.2部、及び触媒(シュウ酸チタンカリウム)0.1部を用意した。
これらの原料を反応器に入れて溶液を調製し、この溶液を常圧、窒素雰囲気中で撹拌混合しながら200℃に昇温し、続いて4時間かけて260℃にまで徐々に昇温することで、エステル交換反応を完了させた。次に、この溶液を260℃の温度下で徐々に減圧し、続いて260℃、0.67hPa(0.5mmHg)の条件下で2時間保持することで、重縮合反応を進行させた。これにより、数平均分子量約36000のポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂25部、水65部、及びエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル10部を、容器内に入れ、これらを80〜95℃で2時間撹拌することで、ポリエステル樹脂を溶解させた。これにより、ポリエステル樹脂濃度25%の水溶液Fを得た。
合成例1〜6における原料組成、多価カルボン酸成分及びポリオール成分の混合モル比率、並びに合成例1〜6で得られたポリエステル樹脂の数平均分子量を、下記表1にまとめて示す。
Figure 2013245255
[ポリエスエル樹脂の水溶性評価]
(加熱前の水溶性)
合成例1〜6で得られた水溶液A〜Fの各々を、基板上に筆で塗布してから、100℃で20分間乾燥することで、皮膜を形成した。
この皮膜を、50℃の水に5分間浸漬した。その間、水には超音波洗浄機により超音波を5分間印加した。この基板を取り出した後少量の水でリンスした。
その結果に基づき、皮膜の水溶性を、次のようにして評価した。
○:皮膜が100%完全に溶解した。
△:皮膜の80%以上が溶解した。
×:全く溶解しなかった。
(加熱後の水溶性)
合成例1〜6で得られた水溶液A〜Fの各々を、基板上に筆で塗布してから、100℃で20分間乾燥することで、皮膜を形成した。
この基板とその上の皮膜とを、オーブン内で270℃で10分間加熱し、続いて常温下で15分間放置した。
続いて、皮膜を、50℃の水に5分間浸漬した。その間、水には超音波洗浄機により超音波を5分間印加した。この基板を取り出した後少量の水でリンスした。
その結果に基づき、皮膜の水溶性を、次のようにして評価した。
○:皮膜が100%完全に溶解した。
△:皮膜の80%以上が溶解した。
×:全く溶解しなかった。
以上の結果を下記表2に示す。
Figure 2013245255
[マスキング材の調製及び評価]
(マスキング材の調製)
原料として、合成例1〜5で得られた水溶液A〜E、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、品番PVA−217)の25%水溶液、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、品番NISSO HPC−SL)の25%水溶液、炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製、品名:白麗華CCR、平均粒径0.08μm、炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製、品名:Silver−W、平均粒径1.5μm)、微粉シリカ(日本アエロジル株式会社製、品名:AEROSIL200、平均粒径約0.012μm)、及びプロピレングリコールを用意した。
実施例1〜16及び比較例1,2の各々において、上記原料を、後掲の表3、4に示す割合で配合し、3本ロールミルで混練することで、ペースト状のマスキング材を調製した。
(皮膜の除去性の評価)
基材上に付着した異物が水不溶性または水難溶性の高分子物質であることを想定し、下記の検討を行った。
耐熱ガラスエポキシ積層板上にマスキング材を異物の付着防止箇所に実施例1〜6及び比較例1,2ではバーコーターを用いて塗布し、実施例7〜11ではスクリーン印刷法で塗布した。この耐熱ガラスエポキシ積層板上のマスキング材を100℃で20分加熱することで乾燥させた。これにより、耐熱ガラスエポキシ積層板上に皮膜を形成した。尚、いずれの実施例及び比較例においても、レジスト皮膜の厚みは10μmであった。
さらに、この皮膜上に塗装物が付着したことを想定し、この皮膜上における平面視5mm×5mmの領域に、エポキシ/フェノール樹脂塗料を筆にて約15〜20μm厚みに塗布した。続いて、この基板とその上の皮膜とを、オーブン内で加熱することで、エポキシ樹脂塗料を硬化させ、続いて常温下で15分間放置した。尚、オーブン内での加熱条件が、加熱温度200℃、加熱時間20分間である場合と、加熱温度250℃、加熱時間15分間である場合について、それぞれ試験を実施した。
続いて、皮膜を、50℃の水に10分間浸漬した。その間、水には超音波洗浄機により超音波を5分印加した。
その結果に基づき、皮膜の除去性を、次のようにして評価した。
○:皮膜が100%完全に除去され、残存が認められない。
△:塗料が塗布されていた領域に皮膜の残存が認められ、それ以外の領域には皮膜の残存は認められない。
×:塗料が塗布されていた領域以外に、皮膜の残存が認められる。
Figure 2013245255
Figure 2013245255
上記結果に示されるように、実施例1〜16では加熱された後でも皮膜の洗浄性が良好であった。1〜10、12〜15では250℃に加熱され、異物が付着した状態であっても皮膜除去性が非常に高かった。

Claims (8)

  1. 水溶性ポリエステル樹脂を含有するマスキング材。
  2. 前記水溶性ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分との重合生成物であり、前記多価カルボン酸成分に5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸が含まれている請求項1に記載のマスキング材。
  3. 前記多価カルボン酸成分に対する前記5−スルホン酸ナトリウムジメチルイソフタル酸の割合が、10〜80モル%の範囲である請求項2に記載のマスキング材。
  4. 前記水溶性ポリエステル樹脂が、アルカリ金属化合物によって中和されている酸基を備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマスキング材。
  5. 平均粒径0.03〜10μmの無機フィラーを更に含有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマスキング材。
  6. 前記無機フィラーを、樹脂全量に対して0.1〜400質量%の割合で含有する請求項5に記載のマスキング材。
  7. 前記水溶性ポリエステル樹脂以外の水溶性高分子を更に含有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマスキング材。
  8. 前記水溶性高分子を前記水溶性ポリエステル樹脂に対して1〜300質量%の割合で含有する請求項7に記載のマスキング材。
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