以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(第1の実施の形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置100は、例えば、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、ファクシミリ(以下「FAX」と記す場合がある。)機能等を備えるデジタル複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。画像形成装置100は、スキャナ等で読込まれた画像データ、又は、クライアントパーソナルコンピュータ(以下、「クライアントPC」という)等の情報処理装置(図示せず。)から伝送された画像データに基づいて、所定の用紙に対して多色の画像又は単色の画像を形成する。この画像形成装置100は、レーザー光を露光に利用する、所謂レーザー方式(電子写真方式)の印刷機能を備える。しかし、他の形式の印刷機能を備えたものであってもよい。
画像形成装置100はまた、自機に電力を供給するためのスイッチである、主電源スイッチ及び副電源スイッチ(以上、いずれも図示せず。)を有している。主電源スイッチは例えば画像形成装置100の本体部に設けられており、副電源スイッチは例えば後述する操作パネル140に設けられている。主電源スイッチがONされると、画像形成装置100はウォームアップを開始する。ウォームアップが終了すると、画像形成装置100は通常の通電状態となる。通常の通電状態では、指示を受付けると直ぐに処理を実行できる。すなわち、ウォームアップが終了すると、画像形成装置100が稼働できる状態となる。なお、通常の通電状態では、画像形成装置100は指示を受付けるまで待機している状態(待機状態)となる。
通常の通電状態において例えば操作パネル140上のキー操作が一定時間なかった場合、画像形成装置100は節電力モードに移行する。節電力モードでは、後述する定着装置(図示せず。)の定着温度を定着可能な温度よりも所定の温度低い温度に維持することで消費電力の節電を図る。この節電モードでは、操作パネル140(タッチパネルディスプレイ)の画面表示がOFFにされる。節電力モードにおいて指示を受付ける、又は、副電源スイッチがONされると、節電力モードから通常の通電モードに復帰する。節電力モードからの復帰時には、操作パネル140をONして画面表示を行なうとともに、定着装置の定着温度を定着可能な温度まで昇温するために、画像形成装置100はウォームアップを開始する。このときのウォームアップ時間は、主電源をONしたときのウォームアップ時間よりも短い。
一方、例えば夜間及び休日等のように、画像形成装置100をほとんど使用しないが、FAXの受信待ち等のために完全には電源をOFFにできない場合がある。そうした場合、通常の通電状態又は節電力モードで画像形成装置100を動作させると無駄な電力を消費することになる。そのため、画像形成装置100は、待機時の消費電力が節電力モードよりもさらに少ない省エネモードで動作することが可能に構成されている。画像形成装置100は、例えば夜間及び休日等に省エネモードに移行する。省エネモードでは、FAX機能を維持する等のために最低限の箇所にのみ電力を供給して消費電力の削減を図る。この省エネモードでは定着装置にも電力が供給されない。
省エネモードにおいて指示を受付ける、又は、副電源スイッチがONされると、省エネモードから通常の通電モードに復帰する。省エネモードからの復帰時には、操作パネル140をONして画面表示を行なうとともに、定着装置の定着温度を定着可能な温度まで昇温するために、画像形成装置100はウォームアップを開始する。省エネモードでは、節電力モードに比べて電力を供給する箇所が非常に少ないため、より消費電力を削減できる一方、ウォームアップ時には多くの箇所に電力を供給する必要があるため、ウォームアップ時間が長くなる。このときのウォームアップ時間は、主電源をONしたときのウォームアップ時間と同程度の時間となる。
このように、画像形成装置100は、コピーモード、プリントモード、FAXモード及びスキャナモード等の基本的な動作モード(通常の動作)に加えて、節電力モード、省エネモード等の省電力化を図るためのモード等を有している。
[ハードウェア構成]
《画像形成装置》
図1及び図2を参照して、画像形成装置100は、原稿画像を読取り、RGB(R:Red、G:Green、B:Blue)アナログ画像信号を出力するためのスキャナ部120と、スキャナ部120の下側に設置され、画像を用紙上に形成するための画像形成部130と、スキャナ部120の前方に設置された操作パネル140と、画像形成部130の下側に設置される給紙装置150とを含む。給紙装置150は、用紙をセットする複数の給紙カセット152A、給紙カセット152B及び給紙カセット152Cを含む。給紙カセット152A、給紙カセット152B及び給紙カセット152Cには、それぞれ、所望の用紙サイズの用紙がセットされる。画像形成装置100はさらに、スキャナ部120に対して自動で原稿を搬送する自動原稿搬送装置160を含む。この自動原稿搬送装置160は、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台(図示せず)に対して開閉可能に画像形成装置100の本体部に取付けられている。
図2を参照して、画像形成装置100はさらに、メイン制御部110、画像処理部170、外部メモリインターフェイス(以下「外部メモリI/F」と記す。)180、FAX通信部190、ネットワークインターフェイス(以下「ネットワークI/F」と記す。)200、及び、電源制御部210を含む。
メイン制御部110は、実質的にコンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)112、ROM(Read Only Memory)114、RAM(Random Access Memory)116及びHDD(Hard Disk Drive)118を含む。CPU112には、BUSライン220が接続されており、このBUSライン220には、ROM114、RAM116及びHDD118が電気的に接続される。CPU112は、操作パネル140等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、画像形成装置100の各部の動作及び情報処理装置(図示せず。)等の外部機器との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM114又はHDD118に記憶されている。HDD118には、画像形成装置100の一般的な動作を実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。
BUSライン220には、さらに、スキャナ部120、画像処理部170、画像形成部130、操作パネル140、給紙装置150、外部メモリI/F180、FAX通信部190、ネットワークI/F200及び電源制御部210が電気的に接続される。
スキャナ部120は、原稿のコピー時に、原稿載置台に載置される原稿から原稿検知センサによって画像情報を読取り、読取った画像情報をCCDラインセンサによって電気信号に変換して画像データとして画像処理部170に対して出力する。スキャナ部120はまた、原稿載置台に載置される原稿の用紙サイズを検出し、メイン制御部110に出力する。
画像形成部130は、画像データによって示される画像を用紙に印刷するものであって、例えば、感光体ドラム、帯電装置、レーザースキャンユニット(LSU)、現像装置、転写装置、クリーニング装置、定着装置、及び除電装置等を備える。画像形成部130には、例えば、搬送路が設けられており、給紙装置150から給紙されてきた用紙が搬送路に沿って搬送される。給紙装置150は、給紙カセット152A、給紙カセット152B又は給紙カセット152Cにセットされた用紙を1枚ずつ引出して、印刷する画像データに対応した用紙サイズの用紙を画像形成部130の搬送路へと送り出す。画像形成部130の搬送路に沿って用紙が搬送されている途中で、用紙が感光体ドラムと転写装置との間を通過し、更に定着装置を通過して、用紙に対する印刷が行なわれる。なお、給紙装置150の詳細は後述する。
感光体ドラムは、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置により均一に帯電される。レーザースキャンユニットは、印刷対象の画像データに基づいてレーザー光を変調し、このレーザー光によって感光体ドラムの表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラムの表面に形成する。現像装置は、トナーを感光体ドラムの表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラムの表面に形成する。転写装置は、転写装置と感光体ドラムとの間を通過していく用紙に感光体ドラムの表面のトナー像を転写する。
定着装置は、用紙を加熱するための加熱ローラと、用紙を加圧するための加圧ローラとを含む。用紙は、加熱ローラによって加熱され、かつ、加圧ローラによって加圧されることによって、用紙上に転写されたトナー像が用紙に定着される。定着装置から排出された(印刷された)用紙は、排紙トレイに排出される。
ネットワークI/F200は、ネットワーク50とのインターフェイスをとる。画像形成装置100は、このネットワークI/F200を介して、ネットワーク50上の情報処理装置等と、所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を行なうことができる。画像形成装置100は、ネットワークI/F200を介して、情報処理装置から印刷ジョブ等の各種処理の実行を命令する命令信号を受信することができる。
外部メモリI/F180は、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部メモリに対して、情報の読取り、及び、書込みを行なう。
FAX通信部190は、公衆回線60への接続を提供する。FAX通信部190はまた、公衆回線60を介して画像データの送受信を行なう。
操作パネル140は、タッチパネルディスプレイ142を含む。タッチパネルディスプレイ142は、例えば、表示パネル144と、タッチパネル146とが重ねて構成されるタッチパネル一体型液晶表示装置である。表示パネル144は、画像形成装置100の状態及び各種処理の状態に関する情報等の各種情報をユーザに提供する。このタッチパネルディスプレイ142はまた、ユーザに対して対話的な操作インターフェイスを提供する。この対話的な操作インターフェイスは、タッチパネル146から画像形成装置100全体の動作に対するユーザの指示を受付け、その指示の内容を表示パネル144に表示するとともに、その指示に応じた制御信号をメイン制御部110又は画像処理部170のMPUに対して出力する。
電源制御部210は、外部電源70と電気的に接続される。電源制御部210は、画像形成装置100の各部の動作に必要な電力を外部電源70から取得し、取得した電力を画像形成装置100の各部に供給する。
なお、以下の説明において、給紙カセット152A、給紙カセット152B及び給紙カセット152Cを総称するときは「給紙カセット152」と称する。
《給紙装置》
図3を参照して、給紙装置150は、給紙カセット152に加えて、当該給紙装置150の制御中枢を司るサブ制御部(MPU)250、リフトアップモータ254、電圧レギュレーション部256、着脱検知センサ258及び上限検知センサ260をさらに含む。
サブ制御部252はBUSライン220に接続されており、このBUSライン220を通じて各種のデータ等を図2に示すメイン制御部110との間で相互に送受する。サブ制御部252はまた、メイン制御部110との間で各種のデータ等を送受することによって、画像形成装置100の状態(動作状態等)を検出する。
図4を参照して、給紙カセット152は、画像形成装置100の本体部に対して着脱可能に設けられている。給紙カセット152は、複数枚の用紙Pを積載収容する用紙収容部262と、用紙収容部262の内底面に配置され、複数枚の用紙Pを積載する昇降板264とを含む。この昇降板264が昇降することにより、昇降板264に積載された用紙Pも昇降する。昇降板264は、その給紙方向上流側の端部(図4中の左側端部)が、支持部266により回動可能に支持されている。すなわち、昇降板264は、用紙収容部262の内部において給紙方向下流側の端部を自由端として支持部266により垂直面内で回動可能となっている。
昇降板264の給紙方向下流側の下方には、昇降板264を昇降するための昇降機構が設けられている。昇降機構は、昇降板264を持ち上げるための持上部材268、持上部材268に取付けられた駆動シャフト270、及び、駆動連結部材(図示せず。)を含む。画像形成装置100の本体部側には、駆動連結部材に対応する受け部材(図示せず。)と、この受け部材に連結する上記リフトアップモータ254(図3参照)とが設けられている。なお、リフトアップモータ254及び受け部材は、給紙カセット152A,152B,152C毎に設けられている。
給紙カセット152を画像形成装置100の本体部に収納した状態では、給紙カセット152の駆動連結部材が、本体部側の受け部材と係合して連結する。これにより、リフトアップモータ254の駆動力が、駆動シャフト270に伝達可能となる。リフトアップモータ254が回転すると、図4(B)に示すように、駆動シャフト270を介して持上部材268が回動し、昇降板264が持ち上げられる。
画像形成装置100の本体部(給紙系)には、給紙カセット152内の用紙Pを搬送路に1枚ずつ給紙するために、ピックアップローラ272と、上下に対をなし捌きローラとして機能する給紙ローラ274及び分離ローラ276とが設けられており、これらローラ272,274,276の回転により給紙カセット152内に積載収納された用紙Pを最上層から1枚ずつピックアップして搬送路に給紙する。昇降板264はまた、リフトアップモータ254の回転によって、積載収容された用紙P(用紙束)を、その最上面がピックアップローラ272に当接して給紙可能な状態となる位置まで持ち上げる。
再び図3を参照して、着脱検知センサ258は、画像形成装置100の本体部に対する給紙カセット152の着脱を検出する。上限検知センサ260は、昇降板264に積載された用紙P(用紙束)の最上面が給紙可能な位置にあることを検出する。
サブ制御部252には、着脱検知センサ258及び上限検知センサ260の各センシング出力が与えられ、サブ制御部252は、入力された各センシング出力、並びに、検出した画像形成装置100の状態に基づいて、リフトアップモータ254の駆動を制御する。
リフトアップモータ254は、定格電圧(通常使用時の電圧)が例えば24(V)である、正逆転可能なDCモータ(ブラシモータ)からなる。ただし、本実施の形態では、リフトアップモータ254は、昇降板264を持ち上げるための駆動源として動作するため、正転方向(CW(Clockwise)方向)にのみ回転するように制御される。なお、給紙カセット152が画像形成装置100の本体部から引出されると、給紙カセット152の駆動連結部材と本体部側の受け部材との係合が外れることにより、昇降板264が自重によって一番下の位置まで下降する。昇降板264を持ち上げた後にリフトアップモータ254への電力の供給を停止(電圧を遮断)した場合は、昇降板264が自重によって一番下の位置まで下降することなく、持ち上げられた状態が維持される。
ここで、主電源スイッチのOFF時及び省エネモード時等には、メイン制御部110等(メイン制御部110及びサブ制御部252の少なくとも一部)に電力が供給されていないため、このような状態のときに例えば用紙補充のために給紙カセット152が引出され、その後、給紙カセット152が本体部にセットされたとしても、画像形成装置100は給紙カセット152が引出されたことを検知できない。そのため、主電源スイッチがONされた後のウォームアップ時、並びに、節電モード及び省エネモードからの復帰時等には、画像形成装置100は用紙Pが給紙可能な位置に持ち上げられた状態となっているか否かを検出する。図4(A)に示すように、給紙カセット152が引出されたことによって昇降板264が一番下の位置まで下降している場合は、図4(B)に示すように、リフトアップモータ254を駆動して用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げる。用紙Pが給紙可能な位置に持ち上げられている場合は、その状態を維持する。
図3に示す電圧レギュレーション部256は、リフトアップモータ254に印加する電圧を一定に保つ機能を有している。この電圧レギュレーション部256は、サブ制御部252からの指示に応じて、リフトアップモータ254に印加する電圧を定格電圧である24(V)と、定格電圧よりも低い電圧であるX(V)とのいずれかに切替え(いずれかに設定し)、その電圧でリフトアップモータ254を駆動する。具体的には、サブ制御部252は、24(V)でリフトアップモータ254を駆動する場合、電圧レギュレーション部256に対して動作条件指令として「1」を送信し、X(V)でリフトアップモータ254を駆動する場合、電圧レギュレーション部256に対して動作条件指令として「0」を送信する。電圧レギュレーション部256は、サブ制御部252からの動作条件指令として「1」を受信すると、リフトアップモータ254に印加する電圧を24(V)に切替え、サブ制御部252からの動作条件指令として「0」を受信すると、リフトアップモータ254に印加する電圧をX(V)に切替える。本実施の形態では、X(V)は、リフトアップモータ254の動作下限電圧(例えば15(V))に設定されている。
リフトアップモータ254をX(V)で駆動すると、印加される電圧の低下により、モータの回転速度が遅くなる。そのため、用紙Pを持ち上げる動作が遅くなり、用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げるのに要する時間が長くなる。しかし、画像形成装置100の状態によっては、用紙Pを持ち上げる動作が遅くなった場合でも機能上問題がない場合がある。サブ制御部252は、画像形成装置100の状態に応じて、リフトアップモータ254に印加する電圧を24(V)又はX(V)に切替え、その電圧でリフトアップモータ254を駆動する。
図5を参照して、給紙装置150は、画像形成装置100がウォームアップを開始した時、待機状態(通常の通電状態)の時、通常の動作時、及び、省エネモードからの復帰時には、リフトアップモータ254をX(V)で駆動する。
主電源スイッチがONされた場合、及び、節電力モードからの復帰時に画像形成装置100はウォームアップを開始する。画像形成装置100がウォームアップを開始した場合、ウォームアップ時間内に用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げることができれば機能上問題がない。X(V)でリフトアップモータ254を駆動すると用紙Pを持ち上げる動作が遅くなるが、ウォームアップが完了するまである程度の時間がかかるため、ウォームアップが完了するまでに用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げることができる。
画像形成装置100が待機状態の場合、用紙Pはすでに給紙可能な位置まで持ち上げられた状態であるためリフトアップモータ254を駆動させることはない。そのため、リフトアップモータ254に印加する電圧をX(V)に切替えても(設定しても)実害がない。
画像形成装置100が動作状態の場合、給紙による用紙Pの減少によって上限検知センサ260が用紙P(用紙束)の最上面が給紙可能な位置にあることを検出しなくなると、リフトアップモータ254を作動させて用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げる。用紙の給紙(ピックアップ)は1枚ずつであるため、X(V)でリフトアップモータ254を駆動した場合でも、実害なく、用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げることが可能である。そのため、給紙装置150は、画像形成装置100がコピー動作時、プリント動作時、FAX送受信時等であることを検出すると、リフトアップモータ254に印加する電圧をX(V)に切替える。
画像形成装置100が省エネモードから復帰した場合、この場合もウォームアップが開始されるため、ウォームアップ時間内に用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げることができれば機能上問題がない。ウォームアップが完了するまである程度の時間がかかるので、ウォームアップが完了するまでに用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げることができる。したがって、給紙装置150は画像形成装置100が省エネモードからの復帰時であることを検出すると、リフトアップモータ254に印加する電圧をX(V)に切替える。例えば、操作パネル140の副電源スイッチがONされた場合(操作受付時)、Print−Job受付時、FAX−Jobの受付時、及び、USBメモリ等の外部メモリの接続受付時に画像形成装置100は省エネモードから復帰する。そのため、給紙装置150はこれらを検出すると、リフトアップモータ254に印加する電圧をX(V)に切替える。
一方、画像形成装置100が稼働可能な状態のときに給紙カセット152が引出された場合、このような操作は、例えば用紙補充時又は紙詰まり(JAM)処理時に発生する操作であるため、画像形成装置100は給紙カセット152のセット待ち状態である。そのため、この場合はできるだけ速く用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げるために、給紙装置150はリフトアップモータ254に印加する電圧を24(V)に切替える。
[ソフトウェア構成]
図6〜図8を参照して、給紙装置150において、給紙カセット152に収容される用紙Pを持ち上げる処理を実行するために、画像形成装置100で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、画像形成装置100の主電源スイッチがオンにされることによって起動される。
図6を参照して、このプログラムは、主電源スイッチがONされることによって画像形成装置100がウォームアップを開始したことを検出するステップS1000と、ステップS1000の後に実行され、サブ制御部252から電圧レギュレーション部256に対して動作条件指令として「0」を送信し、リフトアップモータ254に印加する電圧をX(V)に切替えるステップS1010と、ステップS1010の後に実行され、上限検知センサ260のセンシング出力に基づいて、用紙Pを持ち上げる必要があるか否か(用紙Pのリフトアップが必要か否か)を判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1020と、ステップS1020において、リフトアップが必要であると判定された場合に実行され、リフトアップモータ254の回転をON(リフトアップモータ254に電圧を印加)するステップS1030と、ステップS1030の後に実行され、上限検知センサ260のセンシング出力に基づいて、用紙Pのリフトアップが完了したか否かを判定し、用紙Pのリフトアップが完了するまで待機するステップS1040とを含む。ステップS1030及びステップS1040は、リフトアップモータ254をX(V)で駆動し、用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げる。ステップS1040では、上限検知センサ260によって、用紙Pが給紙可能な位置まで持ち上げられたか否かを判定する。
このプログラムはさらに、ステップS1040において、用紙Pのリフトアップが完了したと判定された場合に実行され、リフトアップモータ254の回転をOFFにする(リフトアップモータ254に印加している電圧を遮断する)ステップS1050と、ステップS1050の後、及び、ステップS1020において、用紙Pのリフトアップが必要ではないと判定された場合に実行され、ウォームアップが完了したか否かを判定し、ウォームアップが完了するまで待機するステップS1060と、ステップS1060の後に実行され、画像形成装置100が待機状態であるか否かを判定し、待機状態以外の状態に移行するまで待機するステップS1070とを含む。
図6及び図7を参照して、このプログラムはさらに、ステップS1070において、画像形成装置100が待機状態ではないと判定された場合に実行され、画像形成装置100が通常の動作時であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1080と、ステップS1080において、画像形成装置100が通常の動作時であると判定された場合に実行され、リフトアップモータ254の回転をONするステップS1090と、ステップS1090の後に実行され、実行している動作が完了したか否かを判定し、動作が完了するまで待機するステップS1100と、ステップS1100において、動作が完了したと判定された場合に実行され、リフトアップモータ254の回転をOFFにして制御を図6に示すステップS1070に戻すステップS1110とを含む。
ステップS1080では、画像形成装置100において、コピー開始指示、FAX送信又はFAX受信が行なわれたか否か、或いは、プリント実行指示(印刷ジョブ)を受信したか否かを判定する。ステップS1090では、リフトアップモータ254をX(V)で駆動し、給紙による用紙Pの減少に伴って用紙P(用紙束)の最上面が給紙可能な位置から下降した分だけ用紙Pを持ち上げる。すなわち、ステップS1090では、リフトアップモータ254を駆動させることによって、用紙Pの再上面が常に給紙可能な位置にあるように(ピックアップローラ272に当接した状態となるように)用紙Pを持ち上げる。
図7を参照して、このプログラムはさらに、ステップS1080において、画像形成装置100が通常の動作時ではないと判定された場合に実行され、画像形成装置100が省エネモードからの復帰時であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1120と、ステップS1120において、省エネモードからの復帰時であると判定された場合に実行され、用紙Pのリフトアップが必要であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1130と、ステップS1130において、用紙Pのリフトアップが必要であると判定された場合に実行され、リフトアップモータ254の回転をONするステップS1140とを含む。
ステップS1120では、給紙装置150は例えば操作パネル140の副電源スイッチがONされたか否か、Print−Jobを受付けたか否か、FAX−Jobを受付けたか否か、又は、USBメモリ等の外部メモリの接続を受付けたか否かを判定する。これらの判定結果が肯定の場合は、画像形成装置100が省エネモードからの復帰時であると判定し、これらの判定結果が否定の場合は、画像形成装置100が省エネモードからの復帰時ではないと判定する。
このプログラムはさらに、ステップS1140の後に実行され、上限検知センサ260のセンシング出力に基づいて、用紙Pのリフトアップが完了したか否かを判定し、リフトアップが完了するまで待機するステップS1150と、ステップS1150において、用紙Pのリフトアップが完了したと判定された場合に実行され、リフトアップモータ254の回転をOFFにするステップS1160と、ステップS1160の後、及び、ステップS1130において、用紙Pのリフトアップが必要ではないと判定された場合に実行され、省エネモードからの復帰時に開始されたウォームアップが完了したか否かを判定し、ウォームアップが完了するまで待機するステップS1170とを含む。
ステップS1140及びステップS1150では、リフトアップモータ254をX(V)で駆動し、用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げる。ステップS1170において、ウォームアップが完了したと判定された場合は、制御は図6に示すステップS1070に戻る。
図7及び図8を参照して、このプログラムはさらに、ステップS1120において、画像形成装置100が省エネモードからの復帰時ではないと判定された場合に実行され、上限検知センサ260のセンシング出力に基づいて、給紙カセット152が引出されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1180と、ステップS1180において、給紙カセット152が引出されたと判定された場合に実行され、サブ制御部252から電圧レギュレーション部256に対して動作条件指令として「1」を送信し、リフトアップモータ254に印加する電圧を24(V)に切替えるステップS1190と、ステップS1190の後に実行され、着脱検知センサ258のセンシング出力に基づいて、給紙カセット152のセット(装着)が完了したか否かを判定し、給紙カセット152のセットが完了するまで待機するステップS1200とを含む。
このプログラムはさらに、ステップS1200において、給紙カセット152のセットが完了したと判定された場合に実行され、リフトアップモータ254の回転をONするステップS1210と、ステップS1210の後に実行され、上限検知センサ260のセンシング出力に基づいて、用紙Pのリフトアップが完了したか否かを判定し、用紙Pのリフトアップが完了するまで待機するステップS1220と、ステップS1220において、用紙Pのリフトアップが完了したと判定された場合に実行され、リフトアップモータ254の回転をOFFにして制御を図6に示すステップS1070に戻すステップS1230とを含む。ステップS1210及びステップS1220では、リフトアップモータ254を24(V)で駆動し、用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げる。
なお、節電力モードからの復帰時の場合は、図7に示すステップS1120〜ステップS1170(省エネモードからの復帰時)の処理と同様の処理を行なうことができる。
[動作]
図6〜図8を参照して、以上のような構造及びフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像形成装置100の動作について説明する。
主電源スイッチがONされると、画像形成装置100はウォームアップを開始する。ウォームアップの開始を検出すると、給紙装置150はリフトアップモータ254に印加する電圧を定格電圧の24(V)よりも低い電圧であるX(V)(例えば15V)に切替える(図6に示すステップS1010)。画像形成装置100は、用紙Pのリフトアップが必要か否かを判定する(ステップS1020)。画像形成装置100の電源OFF時等に給紙カセット152が引出された場合、昇降板264が一番下の位置まで下降し、用紙Pが給紙可能な状態とはなっていない。給紙装置150は上限検知センサ260のセンシング出力に基づいて、用紙Pが下降しているか否かを判定する。用紙Pが下降している場合は用紙Pのリフトアップが必要と判定し、用紙Pが下降していない場合は用紙Pのリフトアップは不要と判定する。
用紙Pのリフトアップが必要と判定した場合、すなわち、電源OFF時等に給紙カセット152が引出された場合、給紙装置150はリフトアップモータ254の回転をONし(ステップS1030)、積載収容された用紙P(用紙束)を、その最上面がピックアップローラ272に当接して給紙可能な状態となる位置まで持ち上げる。給紙装置150は上限検知センサ260のセンシング出力に基づいて、用紙束の最上面がピックアップローラ272に当接したか否かを判定し、用紙束の最上面がピックアップローラ272に当接したことを検出すると(ステップS1040においてYES)、リフトアップが完了したとしてリフトアップモータ254の回転をOFFにする(ステップS1050)。このように、画像形成装置100のウォームアップ時には、リフトアップモータ254に印加する電圧を定格電圧の24(V)よりも低いX(V)に切替えて、その電圧でリフトアップモータ254を駆動して用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げる。その後、ウォームアップが完了するまで待機する(ステップS1060)。
ウォームアップが完了すると(ステップS1060においてYES)、画像形成装置100は通常の通電状態(待機状態)となる。待機状態において、コピー開始指示、FAX送信又はFAX受信が行なわれた場合、或いは、プリント実行指示(印刷ジョブ)を受信した場合(図6に示すステップS1070においてNO、図7に示すステップS1080においてYES)、画像形成部130において画像を形成(印刷)するために、給紙カセット152内に積載収納された用紙Pが最上層から1枚ずつ搬送路に給紙される。用紙Pの給紙に伴って給紙カセット152内に積載されている用紙Pが減少する。給紙装置150は上限検知センサ260のセンシング出力に基づいてリフトアップモータ254を駆動させることにより、用紙Pの再上面が常に給紙可能な位置にあるように、すなわち、用紙Pの再上面が常にピックアップローラ272に当接した状態となるように用紙Pを持ち上げる(ステップS1090)。画像形成装置100において、実行されている動作が完了した場合(ステップS1100においてYES)、給紙装置150からの用紙Pの給紙が停止するため、給紙装置150はリフトアップモータ254の回転をOFFにする(ステップS1110)。
一方、画像形成装置100が通常の通電状態から省エネモードに移行し、省エネモードにおいて、操作パネル140の副電源スイッチがONされた場合(操作受付時)、Print−Jobを受付けた場合、FAX−Jobを受付けた場合、又は、USBメモリ等の外部メモリの接続を受付けた場合、画像形成装置100は省エネモードから復帰する(ステップS1120においてYES)。
省エネモードから復帰すると、画像形成装置100は用紙Pのリフトアップが必要か否かを判定する(ステップS1130)。給紙装置150は上限検知センサ260のセンシング出力に基づいて、用紙Pが下降しているか否かを判定する。用紙Pが下降している場合は用紙Pのリフトアップが必要と判定し、用紙Pが下降していない場合は用紙Pのリフトアップは不要と判定する。省エネモード時等に給紙カセット152が引出され、用紙Pをリフトアップする必要があると判定された場合(ステップS1130においてYES)、給紙装置150はリフトアップモータ254の回転をONし(ステップS1140)、昇降板264を持ち上げる。給紙装置150は積載収容された用紙P(用紙束)を、その最上面がピックアップローラ272に当接して給紙可能な状態となる位置まで持ち上げる。給紙装置150は上限検知センサ260のセンシング出力に基づいて、用紙束の最上面がピックアップローラ272に当接したか否かを判定し、用紙束の最上面がピックアップローラ272に当接したことを検出すると(ステップS1150においてYES)、リフトアップが完了したとしてリフトアップモータ254の回転をOFFにする(ステップS1160)。このように、省エネモードの復帰時には、リフトアップモータ254に印加する電圧を定格電圧の24(V)よりも低いX(V)に切替えて、その電圧でリフトアップモータ254を駆動して用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げる。その後、ウォームアップが完了するまで待機する。
さらに、画像形成装置100が稼働可能な状態(通常の通電状態)において、給紙カセット152が引出された場合(図8に示すステップS1180においてYES)、給紙装置150はリフトアップモータ254に印加する電圧を定格電圧の24(V)に切替える(ステップS1190)。画像形成装置100は、給紙カセット152のセットが完了するまで待機する。着脱検知センサ258のセンシング出力に基づいて、給紙カセット152のセットが完了したことを検出する(ステップS1200においてYES)と、給紙装置150はリフトアップモータ254の回転をONし(ステップS1210)、昇降板264を持ち上げる。給紙装置150は上限検知センサ260のセンシング出力に基づいて、用紙束の最上面がピックアップローラ272に当接したか否かを判定し、用紙束の最上面がピックアップローラ272に当接したことを検出すると(ステップS1220においてYES)、リフトアップが完了したとしてリフトアップモータ254の回転をOFFにする(ステップS1230)。このように、用紙補充又はJAM処理等のために、ユーザによって給紙カセット152が引出されると、給紙装置150はリフトアップモータ254に印加する電圧を定格電圧の24(V)に切替え、その後、給紙カセット152が画像形成装置100の本体部にセットされると、その電圧でリフトアップモータ254を駆動して用紙Pを給紙可能な位置まで持ち上げる。
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る画像形成装置100を利用することにより、以下に述べる効果を奏する。
リフトアップモータ254で昇降板264を駆動することにより、収容されている用紙Pを給紙可能な状態となる位置まで持ち上げる。リフトアップモータ254に印加する電圧を低くすると、リフトアップモータ254のトルクが小さくなるため、昇降板264による用紙Pを持ち上げる動作が遅くなる。一方、画像形成装置100の状態によっては、昇降板264による用紙を持ち上げる動作が遅くても機能上問題がない場合がある。そのため、本画像形成装置100では、給紙装置150が画像形成装置100の状態を検出し、その検出結果に応じて、リフトアップモータ254に印加する電圧を、定格電圧である24(V)、又は、定格電圧より低い電圧であるX(V)に切替える。X(V)でリフトアップモータ254を駆動することにより、給紙装置150の省電力化を図ることができる。これにより、TEC値を改善できる。
画像形成装置100において、ウォームアップを開始してからウォームアップが終了するまでの時間は比較的長い。そのため、画像形成装置100のウォームアップ中に、昇降板264によって用紙Pを持ち上げる場合、用紙Pを持ち上げる動作が遅くても、ウォームアップが終了するまでに用紙Pを給紙可能な状態となる位置まで十分に持ち上げることができる。このため、画像形成装置100がウォームアップを開始したことに応答して、リフトアップモータ254に印加する電圧をX(V)にすることにより、容易に、給紙装置150の省電力化を図ることができる。
一方、例えば用紙の補充等を行なうために、画像形成装置100が稼働できる状態のときに給紙カセット152を当該画像形成装置100から引出すことがある。そのような場合、給紙カセット152が再び画像形成装置100にセットされると、出来るだけ速く用紙Pを給紙可能な状態となる位置まで持ち上げて、画像形成装置100を使用可能な状態とするのが望ましい。給紙カセット152が画像形成装置100から引出されたことに応答して、リフトアップモータ254に印加する電圧を定格電圧(24(V))にすることにより、X(V)でリフトアップモータ254を駆動する場合に比べて、用紙Pを持ち上げる動作を速めることができる。これにより、迅速に画像形成装置100を使用可能な状態にできる。
画像形成装置100において、コピー、プリント等の指示がなされると、用紙Pに画像を形成(印刷)する処理が開始され、給紙装置150は収容されている用紙を1枚ずつ搬送路に給紙する。リフトアップモータ254は昇降板264を駆動し、給紙によって用紙Pが減った分だけ給紙カセット152内に積載された用紙Pを持ち上げる。この場合、用紙Pは1枚ずつ給紙されるため、用紙Pを持ち上げる動作が遅くても用紙P(用紙束)の再上面が常にピックアップローラ272に当接した状態となるように用紙Pを持ち上げることができるので、機能上問題がない。したがって、画像を形成する処理が開始されたことに応答して、リフトアップモータ254に印加する電圧をX(V)にすることにより、より容易に、給紙装置150の省電力化を図ることができる。
なお、リフトアップモータ254において、定格電圧の24(V)及び定格電圧よりも低い電圧であるX(V)は、いずれも、画像形成装置100が非稼働状態から稼働可能な状態になるまでに(例えばウォームアップが終了するまでに)、用紙Pを給紙可能な状態となる位置まで持ち上げることが可能な電圧である。リフトアップモータ254に印加する電圧をこのような電圧に設定することにより、機能上の問題が生じることなく、容易に、給紙装置150の省電力化を図ることができる。
また、上記X(V)を、リフトアップモータ254を駆動することが可能な最低限の電圧とすることにより、給紙装置150における消費電力量をより削減できるので、画像形成装置100における消費電力量をさらに削減できる。これにより、TEC値をさらに下げることができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係る画像形成装置は、画像形成装置の状態に応じて、その状態により適した電圧でリフトアップモータ254(図3参照)を駆動する。具体的には、本実施の形態では、画像形成装置の状態に応じて、リフトアップモータ254に印加する電圧を定格電圧である24(V)、定格電圧よりも低い電圧であるX1(V)、及び、定格電圧とX1(V)との間の電圧であるX2(V)のいずれかに切替え(いずれかに設定し)、その電圧でリフトアップモータ254を駆動する。X1(V)は例えばリフトアップモータ254の動作下限電圧(15(V))とされており、X2(V)は動作下限電圧と定格電圧との間の電圧(例えば17(V))とされている。画像形成装置は、当該画像形成装置の各状態とリフトアップモータ254に印加する電圧との対応関係について予めテーブル形式で持っている。例えば、図9に示すようなテーブル300がROM114、RAM116又はHDD118に格納されている。
図9を参照して、このテーブル300では、画像形成装置の状態、及び、リフトアップモータ254に印加する電圧が互いに対応付けられている。この例では、主電源スイッチがONされたときのウォームアップ時、待機状態、通常の動作時、及び省エネモードからの復帰時には、リフトアップモータ254にX1(V)(15(V))の電圧を印加する設定とされており、節電力モードからの復帰時には、リフトアップモータ254にX2(V)(17(V))の電圧を印加する設定とされており、画像形成装置が稼働可能な状態のときに給紙カセット152が引出された場合には、リフトアップモータ254に24(V)の電圧を印加する設定とされている。
本実施の形態では、上記のように、画像形成装置の状態に応じて、その状態に適した電圧でリフトアップモータ254を駆動できるように構成することによって、リフトアップモータ254に印加する電圧を設定する際の自由度を向上できる。例えば、節電力モードからの復帰時にリフトアップモータ254を駆動する場合、ウォームアップ時間が短い等の理由により、動作下限電圧(X1(V))でリフトアップモータ254を駆動させるとウォームアップ時間内に用紙Pのリフトアップが完了しないと仮定する。このような場合、ウォームアップ時間内に用紙Pのリフトアップを完了させるためには、リフトアップモータ254に印加する電圧は、定格電圧よりも低いX2(V)で十分であるとすると、リフトアップモータ254に印加する電圧としてそのような電圧を設定できる。そのため、ウォームアップ時間内に用紙Pのリフトアップを完了させるために、定格電圧の24(V)でリフトアップモータ254を駆動する必要がないため、消費電力量の増加を抑制できる。また、ウォームアップ時間内に用紙Pのリフトアップを完了するために、X1(V)の電圧を動作下限電圧より高くする必要もない。そのため、これによっても、消費電力量の増加を抑制できる。このように、本実施の形態では、画像形成装置の各状態に必要な最低限の電圧でリフトアップモータ254を駆動できるので、消費電力量の増加を効果的に抑制してTEC値を容易に改善できる。
[変形例]
上記実施の形態では、画像形成装置の一例であるMFPに本発明を適用した例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、コピー機、プリンタ等の画像形成装置であってもよい。
上記実施の形態では、定格電圧24Vのリフトアップモータを用いた例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。リフトアップモータの回転速度はモータ軸のトルク負荷により確定されるため、リフトアップモータは画像形成装置毎に適正電圧が選定される。
上記実施の形態では、画像形成装置の通常の動作として、コピー動作、FAX送受信動作及びプリント実行動作について示したが、画像形成装置の通常の動作時は、上記以外に例えば原稿のスキャン動作時(例えば、スキャナ部でスキャンした画像データをEmailで送信するScan−to−Email等の動作時)、ドキュメントファイリング時(例えば、コピー、プリント、イメージ送信したデータをHDDに保存等する動作時)、IDP(Information Display)等の周辺装置との連携時等であってもよい。このような動作時に、リフトアップモータに印加する電圧をX(V)に切替えた場合でも、実害無く対応することができる。
上記実施の形態では、リフトアップモータに印加するX(V)及びX1(V)の電圧を、リフトアップモータの動作下限電圧(モータを駆動することが可能な最低限の電圧)とした例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。X(V)及びX1(V)の電圧は、動作下限電圧〜定格電圧の範囲で適宜設定できる。ただし、X(V)及びX1(V)の電圧は、機能上問題がない範囲内で出来る限り低い電圧であるのが好ましい。X(V)及びX1(V)の電圧は、画像形成装置が非稼働状態から稼働可能な状態になるまでに、用紙を給紙可能な状態となる位置まで持ち上げることができる電圧(動作待ちにならない電圧)であればよく、その場合に最も低い電圧とすることによってTEC値を効果的に低減できる。
上記実施の形態で示した画像形成装置の状態(電圧を切替える条件)は一例であり、利用分野における画像形成装置において想定される実害なき条件も同様に当てはまる。実害なき条件とは、例えば、リフトアップモータに印加する電圧を低下させても機能上問題が生じない条件等である。
上記実施の形態では、リフトアップモータを正転方向にのみ回転するように制御する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、リフトアップモータを逆転方向(CCW(Counter Clockwise)方向)に回転させることによって用紙を持ち上げるようにしてもよい。
上記第2の実施の形態では、画像形成装置の条件に応じて、リフトアップモータに印加する電圧を、X1(V)、X2(V)及び定格電圧(24(V))の3つの電圧のいずれかに切替える例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。画像形成装置の条件に応じて、リフトアップモータに印加する電圧を、4つ以上の電圧のいずれかに切替えるようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。