JP3815250B2 - シート供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置に対して記録シートを供給するためのシート供給装置に係り、詳細には、給紙トレイに収容された記録シートを最上位のものから1枚ずつ引き抜いて給紙を行うタイプのシート供給装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置に記録シートを供給するためのシート供給装置としては、略矩形状に形成された給紙トレイの内部に揺動自在なボトムプレートを配置し、給紙トレイ内に収容された記録シートをこのボトムプレートで上方に向けて押し上げ、それによって最上位の記録シートをピックアップロールに当接させるように構成したタイプのものが知られている。このような構成のシート供給装置においては、ボトムプレートが記録シートを適切に押し上げることで、給紙トレイ内の最上位の記録シートとピックアップロールとが確実に接触し、かかるピックアップロールの回転によって記録シートを最上位のものから順番に画像形成装置に向けて送り出すことができるようになっている。
【0003】
給紙トレイ内でボトムプレートを押し上げるための構成としては、ボトムプレートの下側にスプリングを設け、このスプリングの付勢力によって常時ボトムプレートを押し上げるように構成したものや、記録シートの消費状況や給紙トレイの使用状況等に応じて制御されるフィードモータを設け、このフィードモータの出力によってボトムプレートを昇降させるようにしたものが知られている。スプリングを用いた前者の構造は簡易であるが、ボトムプレート上の記録シートのサイズや枚数の変化による影響を受け易く、より正確な給紙動作が必要とされる高速複写機等においては後者のフィードモータによる押し上げ方式が多用されている。
【0004】
かかるフィードモータの出力軸は減速ギヤを介してピックアップロールに接続される一方、ワンウェイクラッチを介してボトムプレートを押し上げるためのカム軸にも接続されており、一つのモータで記録シートの送り出しとボトムプレートの押し上げの双方が行い得るように構成されている。すなわち、フィードモータが正方向へ回転した場合にはその回転がピックアップロールへ伝達される一方、逆方向へ回転した場合にはその回転が上記カム軸に伝達され、記録シートの給紙の合間にボトムプレートを上昇させることができるようになっている。
【0005】
コピージョブの最中には給紙トレイから記録シートが次々と送り出され、給紙トレイ内の記録シートの枚数が次第に減っていくので、記録シートとピックアップロールとの確実な接触を確保するためには、給紙によって記録シートが減った分だけボトムプレートを逐次上昇させる必要がある。この場合のボトムプレートの上昇量は記録シートとピックアップロールとの接触状態に大きく影響を及ぼすので、かかる上昇が適切に行われない場合には、記録シートの給紙が不安定なものとなり、記録シートの送り出し不能や重送等の給紙ミスが発生してしまう。従って、この制御はできる限り厳密に行うことが必要とされており、従来では給紙トレイ内の最上位の記録シートの位置を検出するリフトアップセンサを設け、このリフトアップセンサのオン/オフに応じてボトムプレートの上昇を行なわせていた。すなわち、給紙によってボトムプレート上の記録シートの枚数が減っていくと、リフトアップセンサの出力信号がオンからオフへ変化するので、このタイミングでフィードモータを逆転させてボトムプレートの上昇を行なっていた。また、このときのボトムプレートの上昇量を正確なものとするため、上記フィードモータをステッピングモータとし、かかるステッピングモータに対して所定量のパルス信号を与えることで、ボトムプレートの上昇量の制御を行なっていた(特開2000−255797号公報等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ステッピングモータを記録シート1、2枚分の厚さに相当する量だけ微少回転させるのは困難であり、結果的にコピージョブ中のボトムプレートの上昇は記録シート数枚に1回程度しか行なうことができず、給紙トレイ内における最上位の記録シートの高さレベルを厳密に制御することは困難であった。
【0007】
また、ボトムプレートの上昇を行なっている間は給紙を行なうことができないので、一定枚数給紙する毎にフィードモータを逆転させてボトムプレートを上昇させていたのでは、単位時間当たりに給紙できる記録シートの枚数が減少してしまい、コピー生産性が悪化してしまう。
【0008】
更に、近年では消費エネルギの低減化が厳しく要求されており、シート供給装置においてもフィードモータの消費エネルギの一層の低減化が必要となっている。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、極めて微少量ずつボトムプレートを上昇させて記録シートの最上位位置の制御を行なうことができ、しかも、消費エネルギの低減化を達成することが可能な記録シート供給装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは前述した問題点の解決に当たり、フィードモータとして用いるステッピングモータの特性に注目した。ステッピングモータは1周が複数の励磁相から構成されており、パルス信号の入力毎に励磁相が切り替わり、ロータが励磁相の設けられたステップ角毎にステップ状に回転するようになっている。図6はこのロータのステップ状の動きの1つを示したものである。すなわち、停止状態のステッピングモータにパルス信号を1つ入力すると、ロータは次の励磁相に向かって加速する。加速したロータは目的とする励磁相の対向位置で瞬時に停止することはできず、ある角度をオーバシュートした後に逆方向へ引き戻される。このため、ロータは図6に示すような減衰振動を発生した後に目的とする励磁相の対向位置で停止することになる。
【0011】
このようなロータの減衰振動は連続して回転していたロータが停止する際にも同様に発生させることができる。つまり、ロータの停止時に意図的にオーバシュートを発生させ、パルス信号の入力停止後も引き続いて励磁電流のみを印加し続ければ、ロータは最後に切り替わった励磁相に拘束され、かかる励磁相の対向位置で減衰振動を生じることになる。そして、本願発明者らは、このロータの回転停止時に生じる減衰振動のうち、逆回転の成分のみをワンウェイクラッチによって取り出し、これをボトムプレートのリフトアップに利用することを検討し、本発明に至った。
【0012】
すなわち、本発明のシート供給装置は、記録シートを収容する給紙トレイと、この給紙トレイに収容された記録シートを画像形成装置に送り出すピックアップロールと、上記給紙トレイ内において記録シートを下方から支えると共に昇降自在に設けられ、最上位の記録シートを上記ピックアップロールに当接させるように昇降位置が制御されるボトムプレートと、このボトムプレートを上昇させるリフトアップ手段と、正方向回転によって上記ピックアップロールを駆動すると共に、逆方向回転によって上記リフトアップ手段を駆動するフィードモータと、このフィードモータとリフトアップ手段との間に介装されたワンウェイクラッチとから構成され、上記フィードモータとしてパルス信号の入力によって励磁相が切り替わるステッピングモータを用い、記録シートの送り出しが完了して上記フィードモータの正方向回転を停止する際には、パルス速度のスルーダウンを行なうことなく励磁相の切り替えを中止し、励磁相の切り替えを中止後、所定時間だけ励磁電流の印加を行なうことを特徴とするものである。
【0013】
通常、高速回転するロータを停止させる際には、パルス信号の周波数、すなわちパルス速度を徐々に遅くする所謂スルーダウンを行い、適当な減速度でロータを停止させる制御が行なわれているが、本発明ではロータの停止時に敢えて大きな減衰振動が発生するよう、かかるスルーダウンを行なわず、パルス信号の入力を一定のパルス速度から瞬時に中止して励磁相を固定し、ロータのオーバシュートが発生し易い状況を作っている。そして、その後に励磁電流の印加を行なうことにより、オーバシュートしたロータが励磁電流の印加された励磁相の対向位置で減衰振動を生じることになる。このロータの減衰振動のうち、逆方向回転の成分はワンウェイクラッチの微少進角となってリフトアップ手段に伝達され、これによってボトムフレートが僅かに上昇することになる。
【0014】
つまり、本発明によれば、給紙のためにフィードモータを正方向へ回転させ、記録シート1枚の給紙が完了してフィードモータを停止させると、この停止時に生じるフィードモータのロータの減衰振動によってボトムプレートが僅かにリフトアップすることになる。このため、フィードモータを意図的に逆方向へ回転させてボトムプレートの上昇を行なわずとも、ピックアップロールを回転させて記録シートを給紙トレイから1枚供給する度毎に、ボトムプレートを僅かずつ上昇させることができるのである。フィードモータとしてのステッピングモータの停止時に生じる減衰振動はステップ角より小さな角度で発生するので、この減衰振動から得られるワンウェイクラッチの進角は意図的にフィードモータを逆方向へ回転させる場合と比較して極めて小さな回転角度である。従って、その分だけボトムプレートを微少量ずつ上昇させることができ、記録シートの給紙の度毎にボトムプレートを上昇させて、最上位の記録シートとピックアップロールとの接触状態を維持するには最適である。
【0015】
更に、ボトムプレートの上昇のためにフィードモータを意図的に逆回転させる必要がないので、かかるフィードモータでの消費エネルギの低減化も期待することができる。
【0016】
フィードモータの回転停止時に減衰振動を発生させるためには、オーバシュートしたロータを励磁相に引きつけることが必要であるから、パルス信号の入力を中止して励磁相を固定した後に、かかる励磁相に対して励磁電流を印加しなければならない。このロータがオーバシュートした後の励磁電流の印加は、ロータの停止時に行なっても良いし、次の記録シートの給紙のためにパルス信号の入力を再開する前に行なっても良い。後者の場合であれば、給紙を目的としてフィードモータが正方向回転を開始する前に、ロータが減衰振動を生じ、このタイミングでボトムプレートが微少量だけ上昇することになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明のシート供給装置を詳細に説明する。
図1は本発明のシート供給装置を適用したデジタルカラー複写機の一例を示すものである。この複写機は、プラテンガラス10上に置かれた原稿11の画情報を光学的に読み取ってこれをCCDセンサ12で電気的な画像データに変換する画像入力部1と、この画像入力部1から転送された画情データに基づいて記録シートP上に画像形成を行う画像出力部2とから構成されている。
【0018】
上記画像出力部2は画像入力部1から転送された画像データに基づいて感光体ドラム20上にトナー像を形成した後、かかるトナー像を無端状の転写ベルト3に一次転写し、更に転写ベルト3上のトナー像を記録シートPに二次転写することで該記録シートP上に記録画像を形成しており、トナー像が二次転写された記録シートPは定着器4を経て排出トレイ50上に排出されるようになっている。
【0019】
また、上記感光体ドラム20は所定のプロセス速度で矢線方向に回動しており、その周囲には、かかる感光体ドラム20の表面を所定の背景部電位にまで一様帯電する帯電コロトロン21と、画像データに基づいて変調されたレーザピームで感光体ドラム20を露光し、該感光体ドラム20上に静電潜像を形成するレーザビームスキャナ22と、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色現像器を有し、いずれかの現像器で感光体ドラム上の静電潜像を現像するロータリ現像ユニット23と、転写ベルト3に対するトナー像の一次転写に先立って感光体ドラム20上の電位を除去する転写前処理コロトロン24と、トナー像の一次転写が終了した後の感光体ドラム20上の残留トナーを除去するクリーナ25とが配置されている。
【0020】
一方、上記転写ベルト3は複数のロールに掛け回されて矢線方向に回動しており、感光体ドラム20上に順次形成される各色トナー像はこの転写ベルト3に多重転写された後に、かかる転写ベルト3から記録シートPへ一括して二次転写されるようになっている。この転写ベルト3を挟んで感光体ドラム20と対向する位置には該感光体ドラム20との間に転写電界を形成する一次転写ロール30が配設される一方、トナー像の二次転写位置には二次転写ロール31及び対向電極ロール32が転写ベルト3を挟んで配設されており、記録シートPは上記二次転写ロール31と転写ベルト3との間に挿通されてトナー像の転写を受けるように構成されている。また、転写ベルト3の回動経路のうち、二次転写位置と一次転写位置との間には、二次転写が終了した転写ベルト3の表面から紙粉や残留トナーを除去するベルトクリーナ33が設けられている。
【0021】
また、上記画像出力部2の下方にはサイズの異なる記録シートPを収容した4段の給紙トレイ5a〜5dが装備されており、画像入力部1で検知された原稿サイズに応じた適切なサイズの記録シートPがピックアップローラ51の回動により、いずれかの給紙トレイから画像出力部2へ送り出されるようになっている。各給紙トレイ5a〜5dからトナー像の二次転写位置へ至る記録シートPの搬送経路上には複数のシート搬送ロール52が配設されると共に、二次転写位置の直前にはレジストレーションロール53が配設されており、かかるレジストレーションロール53は給紙トレイ5a〜5dから送り出された記録シートPを感光体ドラム20に対する静電潜像の書き出しタイミングに同期した所定のタイミングで二次転写位置に送り込む。
【0022】
尚、図1中において、符号13はプラテンカバー、符号26は画像入力部1から画像出力部2に転送されてきた画像データを複写作業の内容に応じて処理した後に上記レーザビームスキャナ22に供給する画像処理部、符号54は記録シートPの手差し給紙に用いる手差しトレイ、符号55はトナー像が二次転写された記録シートPを定着器4へ給送するためのシート搬送ベルト、符号56は記録シートPの両面コピーの際に該記録シートPを反転させて定着器4から二次転写位置へ給送するためのインバータ通路である。
【0023】
以上のように構成された本実施例のカラー複写機では、画像入力部1によって取り込まれた原稿の画情報に基づいてレーザビームスキャナ22が感光体ドラム20を露光し、先ず、感光体ドラム20上にはブラックに対応した静電潜像の書き込みが行われる。一方、ロータリー現像ユニット23ではブラックトナーの現像器が感光体ドラム20との対向位置に設定され、上記静電潜像はこのブラック現像器によってその書き込みタイミングから少し遅れて現像される。そして、このようにして形成されたブラックのトナー像は一次転写ロール30によって転写ベルト3上に一次転写され、転写ベルト3はトナー像を担持したまま回転する。また、ブラック現像器による現像工程が終了すると、転写ベルト3が1回転サイクルを終了する迄の間に現像器の交換が行われ、ロータリ現像ユニット23の90°回転によってイエロートナーの現像器が感光体ドラム20との対向位置に設定される。
【0024】
以降は転写ベルト8の1回転サイクル毎にこれら動作が繰り返され、その度毎にイエロー、マゼンタ及びシアンのトナー像が感光体ドラム20から転写ベルト3に転写され、かかる転写ベルト3上には4色のトナー像による重ね合わせトナー像が形成される。そして、このようにして形成されたフルカラーの多重転写トナー像は所定のタイミングでレジストレーションロール53から送られてきた記録シートPに二次転写され、未定着トナー像が転写された記録シートPは定着器4を経て排出トレイ50に排出される。
【0025】
図2は各給紙トレイ5(5a〜5d)の具体的構成を示す概略図である。
この給紙トレイ5は記録シートPの収容空間を備えて略矩形状に形成されており、給紙部を構成する複写機の筐体に対してフロント側(図1の紙面手前側)から挿入し得るように構成されている。給紙トレイ5の内部には記録シートPを搭載すると共に、該記録シートPの先端を上方へ向けて押し上げるボトムプレート60が設けられており、このボトムプレート60は記録シートPの後端側に対応した後端部61を支点として揺動するように構成されている。また、このボトムプレート60の下側には該ボトムプレート60の先端を上方へリフトアップさせるための押し上げアーム62が配置されており、この押し上げアーム62が回転することによってボトムプレート60が後端部61を中心として揺動し、記録シートPの先端が持ち上がるようになっている。
【0026】
また、この給紙トレイ5が挿入される複写機の筐体側には、給紙トレイ5内に位置決めされた記録シートPの先端に対応して前述のピックアップロール51が設けられており、ボトムプレート60の上昇によって記録シートPの先端が持ち上がると、給紙トレイ5内で最上位に位置する記録シートPの先端がピックアップロール51と圧接するようになっている。これにより、ピックアップロール51が回転すると、記録シートPとピックアップロール51との間に所定の摩擦力が作用し、最上位の記録シートPが給紙トレイ5から引き出される。一方、給紙トレイ5から引き出された記録シートPが多数枚重なった状態で搬送される所謂重送を防止するため、複写機の筐体側には上記ピックアップロール51に隣接してフィードロール63及びリタードロール64が設けられている。給紙トレイ5から引き出された記録シートPはこれらフィードロール63及びリタードロール64の間を通過する際に一枚ずつに分離される。尚、これらフィードロール63とピックアップロール51は共通のフィードモータ(図示せず)によって回転駆動される一方、リタードロール64は所定以上のトルクが作用した場合にのみ回転するよう、トルクリミッタを介して支承されている。
【0027】
上記押し上げアーム62は図示外のギヤ及びワンウェイクラッチを介してリフトアップモータに接続されており、このリフトアップモータが特定の一方向へ回転すると、その回転量に応じて押し上げアーム62が回動し、ボトムプレート60がリフトアップするように構成されている。このリフトアップモータによるボトムプレート60の上昇は、記録シートPの圧接によって押し上げられたピックアップロール51をリフトアップセンサ67で検出することにより制御されている。すなわち、ピックアップロール51とフィードロール63はリンク68を介して接続されており、ボトムプレート60の上昇に伴って記録シートPがピックアップロール51に接すると、かかるピックアップロール51がフィードロール63を回転中心として揺動するように構成されている。一方、リフトアップセンサ67は透過型のフォトセンサであり、上記リンク68の上方に設けられている。かかるリンク68には検出片69が立設されており、ピックアップロール51が記録シートPによって所定の位置にまで押し上げられると、上記検出片69がリフトアップセンサ67の発光部と受光部との間にさし込まれ、かかるリフトアップセンサ67の出力信号が変化するようになっている。従って、記録シートPの補給等のために複写機の筐体から引き出された後、かかる給紙トレイ5が該筐体内に挿入されると、リフトアップモータが回動を開始し、リフトアップセンサ67の出力信号が変化して所定時間が経過する迄、ボトムプレート60のリフトアップが行われる。
【0028】
この実施例の複写機では、上記押し上げアーム62を回転駆動するためのリフトアップモータを上記フィードロール63及びピックアップロール51を回転駆動させるためのフィードモータと共通化し、給紙トレイ5周りの構成の簡略化を図っている。すなわち、図3に示すように、上記フィードモータ65は正方向の回転ではフィードロール63及びピックアップロール51を回転駆動する一方、逆方向への回転では押し上げアーム62を回転させ、上記ボトムプレート60をリフトアップさせるように構成されている。尚、図中における符号66はフィードモータ65と押し上げアーム62との間に設けられたワンウェイクラッチである。
【0029】
上記フィードモータ65としてはステッピングモータが用いられている。このステッピングモータは例えばPM型2相タイプのものが用いられ、図示外のコントローラからドライバに対してパルス信号を入力することにより、かかるドライバが角励磁相の巻き線に流す電流を順番に切り替え、これによってロータがワンステップ角ずつ回転するように構成されている。
【0030】
図4は記録シート1枚を給紙トレイ5から送り出すとき、すなわちフィードモータ65を正方向へ回転させて給紙ロール63及びピックアップロール51を回転させる際に、ドライバに対して印加するパルス信号の周波数の一例を示したものである。記録シートPの給紙速度は近年における複写機の高速化に伴って高速化しており、この実施例では最高700パルス/秒のパルス信号を入力してフィードモータ65を正方向へ回転させている。このため、起動時にはロータ回転の加速がパルス信号の入力に対して追従し得るよう、パルス速度を徐々に高めていくスルーアップを行なっている。一方、記録シート1枚の給紙が完了し、次の記録シートを送り出す迄の間、フィードモータ65を停止させる際には、パルス速度のスルーダウンは行なわず、かかるパルス信号の入力を瞬時に中止し、励磁相の切り替えを中止する制御を行なっている。このとき、パルス信号の入力は中止しても、励磁相に対しての励磁電流の印加は10msec程度の間、継続している。
【0031】
このようにしてフィードモータ65の正方向回転を停止させると、減速することなく定速で回転していたロータは、自らの慣性モーメントや負荷の慣性モーメントによって、本来の停止位置である励磁相を通り越して余分に回転してしまう所謂オーバシュートを発生してしまう。そして、パルス信号の入力中止後も継続する励磁(以下、「後励磁」という)によって引き戻され、停止位置である励磁相の対向位置を中心として減衰振動を発生する。この減衰振動はフィードモータ65と押し上げアーム62との間に介装されたワンウェイクラッチ66に伝達され、減衰振動のうちの逆方向回転の成分のみが該ワンウェイクラッチ66によって取り出される。
【0032】
その結果、記録シートPを1枚給紙し、その給紙が完了する毎にワンウェイクラッチ66が僅かずつ回転し、押し上げアーム62がボトムプレート60を微少量ずつ上昇させることになる。つまり、フィードモータ65を敢えて逆回転させてボトムプレート60のリフトアップを行なわずとも、記録シートPの給紙が行なわれる度に、自動的にボトムプレート60が僅かずつリフトアップするのである。このときのリフトアップ量はフィードモータ65の正方向回転の停止時に生じる減衰振動の大きさに依存し、給紙速度やフィードモータ65の負荷、例えばボトムプレート60上の記録シートPの残量によっても異なってくる。
【0033】
本願発明者らはこのようなフィードモータ65の停止制御がボトムプレート60のリフトアップに与える影響を実際に確認するため、実際にA4サイズの普通紙を用いて連続的に給紙を行い、ボトムプレート60の意図的なリフトアップを行なうことなく何枚の記録シートPを連続して給紙し得るかを実験した。この実験では、リフトアップセンサ67の出力信号がオンになる所定の高さまで記録シートPを載せたボトムプレート60をリフトアップした後、リフトアップセンサ67がオフになる迄に給紙できた記録シートの枚数をカウントした。
【0034】
パルス速度をスルーダウンさせ、フィードモータ65の正方向回転を徐々に減速させた後に停止させている場合、リフトアップセンサ67がオフする迄の平均給紙枚数は給紙トレイ5内の記録シートPの残量に拘らず平均5〜6枚程度であった。しかし、パルス速度を瞬時に0にしつつ後励磁を行なう本発明の停止制御の場合、リフトアップセンサ67がオフする迄の間に30〜40枚の記録シートPを連続的に給紙することができた。但し、給紙トレイ5内の記録シートPの残量が多くなるにつれ、記録シートPの連続給紙枚数は減少していった。給紙トレイ5内の記録シートの残量が多いということは、フィードモータ65の負荷が大きいことを意味し、そのような場合にはフィードモータ65の停止時に意図的な減衰振動を発生させたとしても、その振動の大きさは小さくなるので、記録シートPの給紙枚数に見合うボトムプレート60のリフトアップ量を自動的に得ることが難しくなるためと考えられる。
【0035】
図5は給紙トレイ5内におけるボトムプレート60のリフトアップの発生状況を示したものであり、横軸は給紙トレイ5内の記録シートPの残量を、縦軸は給紙トレイ5内における最上位の記録シートPの高さ方向の位置を示している。また、実線はパルス速度を瞬時に0にしつつ後励磁を行なう本発明の場合を、破線はパルス速度をスルーダウンさせてフィードモータ65を徐々に減速させる従来の例を示している。前述の如く従来のフィードモータ65の停止制御では、記録シートPが給紙トレイ5から10枚程度減る毎にリフトアップセンサ67の出力信号がオフになり、これをトリガーとしてボトムプレート60の意図的なリフトアップがなされている。しかし、本発明の停止制御では、給紙トレイ5内の記録シートPの残量が多い時は該記録シートが15枚以上給紙されるまでリフトアップセンサ67の出力信号はオフに変化せず、意図的なボトムプレート60のリフトアップは行なわれなかった。また、給紙トレイ5内の記録シートPの残量が40枚程度と少なくなってきた後は、ボトムプレート60の意図的なリフトアップを1回も行なうことなく、総ての記録シートPを給紙することができた。
【0036】
これにより、記録シートPを給紙した後のフィードモータ65の停止制御を前述の如く行なえば、意図的にフィードモータ65を逆転させてボトムプレート60のリフトアップを行なわずとも、記録シートPを1枚給紙する度にボトムプレート60を自動的に微少量ずつ上昇させ、給紙トレイ5内に残る記録シートPとピックアップロール51との接触を確保できることが確認された。
【0037】
従って、本実施例のシート供給装置によれば、ボトムプレート60のリフトアップのために記録シートPの給紙を中断する必要がなく、また、意図的なボトムプレート60のリフトアップが必要となっても、その回転を減じることができるので、単位時間当たりの記録シートPの供給枚数を高めることができる。また、リフトアップのためにフィードモータ65を逆転させる必要がなくなり、その分の消費電力を節約することが可能となるものである。
【0038】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明のシート供給装置によれば、フィードモータを意図的に逆方向へ回転させてボトムプレートの上昇を行なわずとも、ピックアップロールを回転させて記録シートを給紙トレイから1枚供給する度毎に、ボトムプレートを僅かずつ上昇させることができるので、極めて微少量ずつボトムプレートを上昇させて記録シートの最上位位置の制御を行なうことができ、しかも、消費エネルギの低減化を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシート供給装置が適用されたカラー複写機の構成を示す概略図である。
【図2】 本発明のシート供給装置の実施例を示す概略図である。
【図3】 フィードモータの動力伝達路を示す概念図である。
【図4】 記録シートの給紙時におけるフィードモータのパルス速度と時間との関係を示すチャートである。
【図5】 給紙トレイ内におけるボトムプレートのリフトアップ状況を示すグラフである。
【図6】 ステッピングモータの停止時における振動特性を示すグラフである。
【符号の説明】
5…給紙トレイ、51…ピックアップロール、60…ボトムプレート、62…押し上げアーム(リフトアップ手段)、65…フィードモータ、P…記録シート
Claims (1)
- 記録シートを収容する給紙トレイと、この給紙トレイに収容された記録シートを画像形成装置に送り出すピックアップロールと、上記給紙トレイ内において記録シートを下方から支えると共に昇降自在に設けられ、最上位の記録シートを上記ピックアップロールに当接させるように昇降位置が制御されるボトムプレートと、このボトムプレートを上昇させるリフトアップ手段と、正方向回転によって上記ピックアップロールを駆動すると共に、逆方向回転によって上記リフトアップ手段を駆動するフィードモータと、このフィードモータとリフトアップ手段との間に介装されたワンウェイクラッチとから構成され、
上記フィードモータとしてパルス信号の入力によって励磁相が切り替わるステッピングモータを用い、
記録シートの送り出しが完了して上記フィードモータの正方向回転を停止する際には、パルス速度のスルーダウンを行なうことなく励磁相の切り替えを中止し、励磁相の切り替えを中止後、所定時間だけ励磁電流の印加を行なうことを特徴とするシート供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001127971A JP3815250B2 (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | シート供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001127971A JP3815250B2 (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | シート供給装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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