JP2023043539A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピックアップローラでシートを搬送する際に、シートの斜行バラつきが大きくなる。【解決手段】 シートを収容する収容部と、シートを給送するピックアップローラと、前記ピックアップローラを前記収容部に収容されたシートに当接する当接位置と、シートから離間する離間位置と、に移動可能に支持する支持部材と、前記支持部材を前記当接位置と前記離間位置とに移動させる移動手段と、前記ピックアップローラによって給送されたシートを1枚ずつに分離する分離部と、前記ピックアップローラの回転位相および前記支持部材の位置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ピックアップローラを前記離間位置にある状態で、かつ、前記ピックアップローラの前記回転位相を制御した後に、前記ピックアップローラを前記離間位置から前記当接位置に移動させてシートの給送を開始する、ことを特徴とするシート給送装置。【選択図】 図7

Description

本発明は、シートに画像を形成する複写機やファクシミリなどの画像形成装置に設けられ、シートを給送するシート給送装置に関する。
従来、複写機やファクシミリのような画像形成装置は、シートに画像を形成するために画像形成部に向けてシートを給送するシート給送装置が備えられている。このようなシート給送装置は、収納庫に収容されるシートをピックアップローラによって最上シートをピックして、フィードローラとリタードローラである分離部で1枚ずつ分離した後に、画像形成部に給送される。
特許文献1には、ピックアップローラを支持するピックアップアームがフィードローラ軸を中心に揺動可能に支持されており、給送時には最上シートに当接する当接位置に移動してシートを給送するシート給送装置が開示されている。
特開2001-213536号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、ピックアップローラの回転の位相を管理することなく、最上シートに当接して給送を開始する。シートがピックアップローラからフィードローラとリタードローラで形成される分離部まで到達する間に、ピックアップローラのみで給送される。ここで、ピックアップローラの回転位相が異なった状態でシートを複数給送した場合、シート毎にピックアップローラの外周の差による影響を受け、シートの斜行バラつきが大きくなる。すなわち、ピックアップローラの外周部の状態(位相)によって、シートの斜行のバラつきが大きくなる発生する虞がある。
そこで、本発明は、ピックアップローラによってシートを給送する際のシートの斜行のバラつきを低減することを目的とする。
本発明に係るシート給送装置の代表的な構成は、シートを収容する収容部と、前記収容部に収容されたシートの表面に当接し、回転することによってシートを給送するピックアップローラと、前記ピックアップローラを前記収容部に収容されたシートに当接する当接位置と、シートから離間する離間位置と、に移動可能に支持する支持部材と、前記支持部材を前記当接位置と前記離間位置とに移動させる移動手段と、前記ピックアップローラの下流に設けられ、前記ピックアップローラによって給送されたシートを1枚ずつに分離する分離部と、前記ピックアップローラの回転位相および位置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ピックアップローラを前記離間位置にある状態で、かつ、前記回転位相を制御した後に、前記ピックアップローラにより前記分離部に向けてシートの給送を開始する、ことを特徴とする。
ピックアップローラによってシートを給送する際のシートの斜行のバラつきが低減される。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略断面図 本発明の実施形態に係る制御ブロック図 本発明の実施形態に係るシート給送装置を上面から見た図 本発明の実施形態に係るシート給送装置によってシートをピックアップする図 本発明の実施形態に係るシート給送装置によって給送されたシートを引抜ローラセンサが検知した図 本発明の実施形態に係るシート給送装置のピックアップローラが上昇位置に退避した図 本発明の実施形態に係るシート給送装置のピックアップローラが給送開始の位相になるまで回転している図 本発明の実施形態に係るシート給送装置の給送フローチャート 本発明の実施形態に係るデジタル調整のために使用する測定チャート 本発明の実施形態に係る画像位置調整モードの切替インターフェースを示す図 本発明の実施形態に係る測定チャートにおけるトンボ位置の入力インターフェース 本発明の実施形態に係る手動および自動による画像位置調整制御フロー図 実施例2におけるエンコーダ付きモータが接続されているシート給送装置の断面図 実施例3における明暗マークをつけたピックアップローラが接続されているシート給送装置の断面図 実施例3における明暗マークをつけたピックアップローラが接続されているシート給送装置を上から見た図
以下、本発明を実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。
<画像形成装置>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。図1において、201は画像形成装置、201Aは画像形成装置本体、201Bはシートに画像を形成する画像形成部である。202は画像形成装置本体201Aの上方に略水平に設置された原稿読取装置であり、この原稿読取装置202と画像形成装置本体201Aとの間に、シート排出用の排出空間Sが形成されている。
本実施形態における画像形成装置は、画像を形成する画像形成プロセスと、シートを画像形成される画像に合わせて搬送するシート搬送プロセスとに、分けることができる。まず、画像形成プロセスについて、説明する。
画像形成手段である画像形成部201Bは、4ドラムフルカラー方式のものであり、レーザスキャナ210と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を形成する4個のプロセスカートリッジ211を備えている。ここで、各プロセスカートリッジ211は、感光体ドラム212、帯電手段である帯電器213、現像手段である現像器214を備えている。また、画像形成部201Bは、プロセスカートリッジ211の上方に配された中間転写ユニット201Cと、定着部220を備えている。なお、中間転写ユニット201Cの上部には、現像器214にトナーを供給するためのトナーカートリッジ215が配置されている。
中間転写ユニット201Cは、駆動ローラ216a及びテンションローラ216bに巻き掛けられた中間転写タイミングベルト216を備えている。なお、中間転写タイミングベルト216の内側には感光体ドラム212に対向した位置で中間転写タイミングベルト216に当接する1次転写ローラ219が設けられている。ここで、中間転写タイミングベルト216は、不図示の駆動部により駆動される駆動ローラ216aにより矢印方向に回転する。
そして、1次転写ローラ219によって感光体ドラム上の負極性を持つ各色トナー像が順次中間転写タイミングベルト216に多重転写される。中間転写ユニット201Cの駆動ローラ216aと対向する位置には、中間転写タイミングベルト上に形成されたカラー画像をシートPに転写する2次転写ローラ217が設けられている。さらに、この2次転写ローラ217の上部に定着部220が配置されている。
上記を参照して、プリンタ201の画像形成動作について説明する。原稿の画像情報を原稿読取装置110によって読み取ると、この画像情報は画像処理された後、電気信号に変換されて画像形成部201Bのレーザスキャナ210に伝送される。画像形成部201Bでは、レーザ光により、帯電器213によって表面が所定の極性・電位に一様に帯電されている感光体ドラム212の表面が順次露光される。これにより、各プロセスカートリッジ211の感光体ドラム上に、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの静電潜像が順次形成される。この後、この静電潜像を各色トナーにより現像して可視化すると共に、1次転写ローラ219に印加した1次転写バイアスにより、各感光体ドラム上の各色トナー像を中間転写タイミングベルト216に順次重ね合わせて転写する。これにより、中間転写タイミングベルト216上にトナー画像が形成される。中間転写ベルトにトナー画像が形成された後、2次転写部において、2次転写ローラ217に印加した2次転写バイアスにより、トナー像がシートP上に一括して転写される。トナー像が転写されたシートPは、定着部220に搬送され、定着部220において熱及び圧力を受けて各色のトナーが溶融混色し、シートPにカラーの画像として定着される。以上の画像形成プロセスによって、シートに画像を形成される。
一方でこの画像形成プロセスの動作に並行して、シート搬送プロセスが行われる。画像形成装置本体201Aの下部には、シートPを収容するシート収容部である給送カセット1と、給送カセット1からシートPを給送するシート給送装置230が設けられている。シート給送装置230は、シート給送するピックアップローラ8と、ピックアップローラ8から送り出されたシートPを分離するためのフィードローラ9とリタードローラ10とからなる分離部とを備えている。分離部を通過したシートはレジストレーションローラ対240に搬送される。その後、シートPは、レジストレーションローラ対240により2次転写部および定着部220に搬送される。この定着部220の左上部には第1排出ローラ対225a、第2排出ローラ対225b及び両面反転部201Dが配置されている。この両面反転部201Dは、正逆転可能な反転ローラ対222及び一面に画像が形成されたシートを再度、画像形成部201Bに搬送する再搬送通路R等が設けられている。
上記を参照して、プリンタ201のシート搬送動作について説明する。まず、シート給送装置230に設けられたピックアップローラ8からシートPが送り出される。送り出されたシートPは、フィードローラ9とリタードローラ10とからなる分離部により、1枚ずつ分離されてレジストレーションローラ対240に向けて搬送される。レジストレーションローラ対240は、ニップ部を形成しており、停止したニップ部にシートの先端を突き当てることによってシートの斜行が補正される。斜行が補正された後、シートPは、レジストレーションローラ対240により2次転写部および定着部まで搬送され、上記の画像形成プロセスが実行される。
この後、画像が定着されたシートPは、定着部220の下流に設けられた第1排出ローラ対225a及び第2排出ローラ対225bによって排出空間Sに排出され、排出空間Sの底面に突出された積載部223に積載される。なお、シートPの両面に画像を形成する際は、画像が定着された後、シートPは反転ローラ対222により再搬送通路Rに搬送され、再度、画像形成部201Bに搬送される。
以上、本実施形態における画像形成装置は、画像形成プロセスとシート搬送プロセスとが並行して実施されシートに画像が形成される。なお、図1において、260は、画像形成動作及びシート給送動作等を制御する制御部(制御手段)である。
<原稿読取装置>
次に、図1の原稿搬送装置202について説明する。101は原稿束を載置する原稿トレイ、102はピックアップローラ、103は引き抜きローラである。原稿トレイ101に原稿が積載された状態で、ユーザーにより原稿読み取り開始が指示されると、ピックアップローラ102は原稿トレイ101上の原稿束上面の原稿と接するように図中矢印の方向に下降させられる。その後、ピックアップローラ102、引き抜きローラ103の回転を開始し、原稿束上面の原稿を1枚ずつ原稿搬送パス内に引き込んでいく。104はレジストレーションローラである。引き抜きローラ103から搬送されてきた原稿の先端をレジストレーションローラのニップ部に当接させ、原稿にループを形成させることで斜行補正を行うようになっている。105はレジストレーションセンサであり、レジストレーションローラ104近傍に配置されている。原稿がレジストレーションセンサ105によって検知されると、原稿にループを形成させるだけの時間が経過した後、レジストレーションローラの回転が開始され、原稿がレジストレーションローラ104を通過する。106はリードローラである。レジストレーションローラ104で搬送された原稿はリードローラ106に達した後、リードローラ106によって流し読みガラス118a上の原稿読み取り位置に搬送される。107aはリードセンサであり、リードローラ106近傍に配置されている。リードセンサ107aは原稿の読み取り開始タイミングを生成するためのセンサであり、原稿の先端がリードセンサ107aに達したことを検知する。そして、原稿を検知したタイミングから所定時間後に、原稿読み取り装置110内の読み取りユニット111aによって原稿読み取り開始がなされるように制御される。
原稿読み取り装置110内にある原稿読み取りユニット111aは、原稿搬送装置100内にも搭載されていて、原稿の両面を読み取る両面同時読みが可能な構成となっている。流し読みガラス118aを通過し、読み取りユニット111aによって原稿の一方の面(表面とする)が読み取られる。その後、原稿は流し読みガラス118bを通過し、ユニット111bによって原稿のもう一方の面(裏面)が読み取られる。リードセンサ107bは読み取りユニット111bでの原稿読み取りを開始するタイミングを生成するためのセンサであり、役割としては表面読み取り用のリードセンサ107aと同じである108は排紙ローラ、109は排紙トレイである。読み取られた原稿は排紙ローラ107により搬送され、排紙トレイ108上に排紙される。なお、ピックアップローラ102、引き抜き103、レジストレーションローラ104、排紙ローラ108は不図示のモータにより駆動されている。
<制御ブロック図の説明>
次に、画像形成装置201の制御ブロック図について、図2に基づいて説明する。CPU301は、各ユニットを制御する制御回路である。ROM302には、CPU301により実行される、後述のフローチャートの各種処理等を実行するために必要な制御プログラムが記憶されている。RAM303は、CPU301が動作するためのシステムワークメモリである。HDD304は、スキャナ210、及びPCから転送された画像データや、操作部20から入力される設定情報等が記憶される。プリンタエンジン150は、画像形成ステーション101y、101m、101c、及び101k、二次転写部106、及び定着部220に対応する。
操作部20は、ユーザーインタフェース部の一例である。操作部20は、表示部とキー入力部とを有する。操作部20は、表示部やキー入力部を介して、ユーザーによって入力される設定情報等を受け付ける機能を有する。また、操作部20は、表示部を介して、ユーザーに情報を報知する機能を有する。キー入力部には、例えば、スキャンやコピーなどの実行の開始を指示するスタートキーや、スキャンやコピーなどの動作の中止を指示するストップキーや、テンキー等を有する。
画像処理部310は、画像データに種々の画像処理を施して、画像データを補正する。画像処理部310は、ASICなどの集積回路によって実現されてもよく、或いは、CPU301が予め記憶されたプログラムに基づいて画像データを補正することによって実現されてもよい。
画像位置補正部311は、シートに対する画像の位置が目標位置となるように画像データを補正する。画像位置補正部311は、RAM303に記憶されたシートに対する画像の画像位置のずれを補正するためのずれ量に基づいて画像データを変換する。画像形成部201が画像位置補正部311により変換された画像データに基づいて画像を形成すれば、シートに対する画像の形成位置のずれを相殺するような画像が中間転写ベルト216上に形成される。なお、RAM303には、後述の画像位置演算部313により生成された画像位置のずれ量が記憶されている。
<シート給送装置>
図3は、本発明の実施形態に係るシート給送装置230を上面から見た図である。シート給送装置230は、複数枚のシートPを積載可能なシート収容部1と、シート収容部1上に積載されたシートPに当接して給送するピックアップローラ8と、シートPを1枚ずつ分離する分離部38と、を有する。なお、分離部38は、フィードローラ9およびリタードローラ10から構成される。さらに、分離部38の下流には、引抜ローラ34(a)と引抜ローラコロ34(b)によって形成される引抜ローラ対34と、引抜ローラ対34の下流には、発光側35(a)と受光側35(b)からなる引抜ローラセンサ35と、を備えている。ピックアップローラ8は、フィードローラ9の回転軸であるフィードローラ軸32に回転可能に支持される支持部材であるピックアップアーム30に昇降可能(移動可能)かつ回転可能に支持されている。ピックアップアーム30の昇降動作は、移動手段であるソレノイド36によって与えられる。また、ピックアップローラ8は駆動源であるモータ37から出力される回転動力がフィードローラ軸32とフィードローラギア42とアイドラギア33を介し、ピックアップローラギア41に回転動力が伝わることで動作し、シートPを下流方向Bへ搬送している。モータ37の駆動は同図に示されたシート給送装置だけでなく、不図示の他のシート給送装置へも供給されている。なお、ここでは引抜ローラ対34を別のモータ39で駆動しているが、装置の構成上可能であれば、モータ37で共通の駆動にすることもできる。
先に説明した給紙動作の後、シートPが引抜ローラ対34に受け渡され、検知部である引抜ローラセンサ35がシートPの先端を検知すると、シートPの後端がピックアップローラ8を通過する前にモータ37の駆動を停止する。その後、ソレノイド36によってピックアップローラ8は図6に記載の離間位置である上昇位置Bに退避し、シートPと当接することが無くなる。また、ワンウェイクラッチ40は、この時にフィードローラ9が引抜ローラ対34により搬送されるシートPに自由に連れ回ることができるように設けている。
<ピックアップローラの回転位相制御>
次に、本発明におけるピックアップローラの回転位相制御の説明を図4~図7を用いて、図解で説明する。更に、図8は、図4~図7で図解した本実施形態におけるシート給送装置の動作説明をフローチャートで表している。
図4は、ピックアップローラ8がシートPに当接して、シートPをピックアップする様子を表している。ここでは、シートPをシート給送方向下流Bへ給送するために、ソレノイド36をOFFにし、ピックアップローラ8をシートPに当接させる当接位置である下降位置Aに移動させている。この時、シートPを給送開始した位相を給送開始位相Vとして、パルス数カウント方式を使ってモータ37に与える入力パルス信号からピックアップローラの位相を算出し、ソフト上に入力パルス信号の値を記録している。(図8<S0~S1>)
図5は、シートPが引抜ローラ対34を超えて引抜ローラセンサ35が検知している様子を表している。この時、モータ37の入力パルス信号によってピックアップローラ8の回転位相が何度になるかをソフト上で制御している。(図8<S2>~<S3>)
図6は、図5にて引抜ローラセンサ35がシートPを検知したため、ソレノイド36が動作し、フィードローラ軸32を中心にピックアップアーム30を回転させ、ピックアップローラ8を上昇位置Bに退避させている様子を表している。(図8<S5>)
図7は、図6でシートPに対しピックアップローラ8を上昇位置Bへ退避させた後、一度モータ37の動作をOFFにし、モータ37が停止したピックアップローラ8の位相と給送開始位相Vの差分を計算する。その後、給送開始位相VとシートPが当接する位相になるよう、モータ37へ指令を与えピックアップローラ8を回転させている様子を表している。この時、ピックアップローラ8が1回転する際のモータ37の入力パルス数をあらかじめ計算しておき、モータ37へ与える指令は、ピックアップローラ8が給送開始位相Vに対し、整数倍回転する入力パルスを与える。よって、上昇位置へ退避させた時のピックアップローラ8の位相と給送開始位相Vの差分となる入力パルス信号をモータ37から与えることで、2枚目以降のシートPに対してもピックアップローラ8が同じ給送開始位相Vから給送することが可能になる。(図8<S6>~<S8>)
また、ピックアップローラ8による給送不良が発生し、ピックアップローラ8による給送を開始してから所定時間内に引き抜きローラセンサ35にシートPが到達できなかった場合でも、ピックアップローラ8の回転位相を合わせる必要がある。具体的には、2枚目以降のシートPに対して、シートを給送する際にピックアップローラ8を給送開始位相Vまで回転させる。そのため、給送不良が発生して引抜ローラセンサ35がシートPを検知できなかった場合(図8<S4>)、前述と同様に、まず、ピックアップローラ8を上昇位置Bへ退避させる(図7<S10>)。その後、モータ37の入力パルス数を計算し、ピックアップローラ8を上昇時の位相と給送開始位相Vの差分回転する(図8<S11>~<14>)。
以上により、シートをピックアップローラによって給送する際に、シート毎にピックアップローラの回転位相を同位置に制御することによって、ピックアップローラによるシート毎で発生するシートの斜行量のバラつきを小さくすることが可能となる。シートの斜行量のバラつきを小さくすることに成功したことにより、画像位置を補正する画像位置補正を実施する必要がなくなった。画像位置補正について説明する。
<画像位置調整>
ユーザーが、操作部20の画像位置調整制御を実行するスイッチを押すことによって実行される画像位置調整制御を図12のフローチャートを用いて説明する。なお、画像位置調整制御は、CPU301がROM302に記憶されている制御プログラムを読み出して実行する。
CPU301は、先ず、図10に示す補正方法の選択画面500を操作部20の表示部に表示させ、手動調整が選択されたか否かを判定する(S1001)。ステップS1001において手動調整がユーザーによって選択された場合、操作部20からCPU301へ手動調整モードの実行指示が入力される。なお、操作部20は、画像位置の調整方法として、自動調整モードを実行するか手動調整モードを実行するかをユーザーに選択可能に表示する表示部として機能する。さらに、操作部20は、手動調整モード(第1モード)と自動調整モード(第2モード)とを含む動作モードの中から使用する動作モードを選択するための指示が入力される入力手段としても機能する。
ユーザーによって手動調整モードが選択された場合、CPU301はプリンタエンジン150を制御して測定チャート800を印刷させる(S1002)。ステップS1002において、CPU301は、パターンジェネレータ70に測定画像データをプリンタエンジン150へ出力させ、プリンタエンジン150を制御して測定チャート800を印刷させる。なお測定チャート800の印刷については、プリンタエンジン150の画像位置精度バラつきやシートのカットバラつきを平均化する目的で、指定枚数だけ印刷可能とする。
続いて、CPU301は、操作部20に測定結果を入力するための入力画像(図11)を表示させ、ユーザーが測定チャート800にあるトンボ820~825の測定結果を操作部20から入力し終えるまで待機する(S1003)。そして、ユーザーが(C)~(J)までの入力が完了すると、CPU301は、操作部20に入力された情報を取得し(S1004)、RAM303にずれ量を記録する(S1005)。CPU301は、手動調整モードにおいてRAM303に画像位置のずれ量が記憶されると画像位置調整制御を終了する。
また、ステップS1001において、ユーザーによって自動調整モードが選択された場合、プリンタエンジン150が画像処理部210から出力された画像データに基づいて測定チャート800を印刷する。ユーザーは印刷された測定チャート800を原稿搬送装置100にセットし、原稿の読み取りを実行する。CPU301は、測定チャート800が原稿読み取り装置110で読み込まれた後、画像位置演算部313が読取結果に基づいて、シートPに対する画像の画像位置のずれ量を演算する。そしてCPU301は読取処理においてシートPに対する画像位置のずれ量が求まった後にステップS1005へ移行し、画像位置演算部313が画像位置のずれ量をRAM303に記録し、画像位置調整制御を終了する。
以上、前述の手動もしくは自動画像位置調整フローにより、制御部は、斜行バラつき補正が画像位置管理テーブルに記録されたずれ量から補正を行う。画像形成部201が画像位置補正部311により補正された画像データに基づいて画像を形成すれば、シートに対する画像の形成位置のずれを相殺するような画像が中間転写ベルト216上に形成される。以上より、シートPに対し前述のデジタル調整を加えれば、画像位置の斜行バラつきが少ない印刷成果物になる。
シートの斜行のバラつきは、部品精度や紙などによる様々な要因によって発生し、大きく2種類に分類される。具体的には、給送カセット1の位置や不図示のシート規制板などの要因による、給送1枚ごとに「繰返し再現性の高い斜行バラつき」と、搬送ローラの位相や紙の摩擦係数μやバリなどの要因による給送1枚ごとに「繰返し再現性が低い斜行バラつき」がある。従来までは「繰返し再現性の高い斜行バラつき」はデジタル調整でキャンセル可能であったが、「繰返し再現性が低い斜行バラつき」はデジタル調整でキャンセルすることができなかった。例えば、ローラ位相差によるバラつきの最大値をαmmと定義した時、ローラ位相差によるバラつきは0~αmmの間で毎通紙変化するため一定量を補正するデジタル補正ではキャンセルすることができず、最小で1/2αの補正後の画像位置ずれが残る。
本実施形態では、「繰返し再現性が低い斜行バラつき」の一つであるピックアップローラ8の位相要因の斜行ズレ量が0~αmmの間で毎通紙一定量になるため、ローラ位相要因のズレをデジタル補正によりすべてキャンセルすることができる。また、機体差の観点において、ピックアップローラ8の位相合せを行っても、0~αmmの間で斜行バラつきが発生する場合があり、機体に応じた位相要因のデジタル補正を行うことができるため、すべての機体で位相要因のズレをキャンセルすることができる。すなわち、本実施形態によってピックアップローラの斜行のバラつきを低減することにより、画像位置調整を実施することなく、シートに画像を形成することが可能となる。
実施例2は、ピックアップローラの回転位相に制御に関して、実施例1と異なりモータ37の入力パルス信号で位相を管理するのではなく、モータ37の回転から出力されるパルス信号をエンコーダによるカウント方式で計算する例である。
図13に実施例2のシート給送装置を示す。モータ37にロータリーエンコーダ45を接続している以外は、実施例1と同じなので説明を省略する。図13に示すように、モータ37にエンコーダが接続されている。つまり、モータの回転をエンコーダ45により検出できる構成となっており、モータの軸の回転位相を検出することが可能である。具体的には、モータはステッピングモータであり、ステッピングモータのパルス数とエンコーダによるモータ軸の回転位相に基づいて、ピックアップローラ8の回転位相を管理する例である。これにより、シート毎にピックアップローラの回転位相を同位置にしてから、シートの給送を開始することが可能となり、ピックアップローラによるシートの斜行のバラつきを小さくすることができる。
実施例3は、ピックアップローラの回転位相に制御に関して、実施例1および実施例2とことなり、ピックアップローラの回転を直接検出する例である。
図14と図15に実施例3のシート給送装置を示す。ピックアップローラの回転を直接検出する明暗マークとセンサ以外は、実施例1と同じなので説明を省略する。図14に示すように、ピックアップローラ8の端部にセンサで検知可能な明部Z1と暗部Z2によって作られる明暗マークZを有している。そして、反射型フォトインタラプタ50を用いて送信したセンサ光を何回反射したかによってピックアップローラ8の位相を管理する例である。実施例3は、昇降するピックアップローラ8に合わせ反射型フォトインタラプタ50の位置も昇降することでピックアップローラ8の位相を直接管理することが可能になる。そのため、実施例1と実施例2で提案されたモータパルスの入力もしくは出力信号を利用してフィードローラ軸32やアイドラギア33を介し、位相を管理する方法よりも、介在する部品が少ないため精度よく位相管理が実施できる。これにより、シート毎にピックアップローラの回転位相を同位置にしてから、シートの給送を開始することが可能となり、ピックアップローラによるシートの斜行のバラつきを小さくすることができる。
1 給送カセット(収容部)
8 ピックアップローラ
9 フィードローラ
10 リタードローラ
30 ピックアップアーム(支持部材)
34 搬送ローラ
35 搬送ローラセンサ(検知部)
36 ソレノイド(移動手段)
37 モータ(駆動源)
38 分離部
39 引抜モータ
45 ロータリーエンコーダ(エンコーダ)
50 反射型フォトインタラプタ
Z 明暗マーク
Z1 明部
Z2 暗部

Claims (7)

  1. シートを収容する収容部と、
    前記収容部に収容されたシートの表面に当接し、回転することによってシートを給送するピックアップローラと、
    前記ピックアップローラを前記収容部に収容されたシートに当接する当接位置と、シートから離間する離間位置と、に移動可能に支持する支持部材と、
    前記支持部材を前記当接位置と前記離間位置とに移動させる移動手段と、
    前記ピックアップローラの下流に設けられ、前記ピックアップローラによって給送されたシートを1枚ずつに分離する分離部と、
    前記ピックアップローラの回転位相および前記支持部材の位置を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記ピックアップローラを前記離間位置にある状態で、かつ、前記ピックアップローラの前記回転位相を制御した後に、前記ピックアップローラを前記離間位置から前記当接位置に移動させてシートの給送を開始する、ことを特徴とするシート給送装置。
  2. 前記ピックアップローラの回転を駆動する駆動源と、をさらに備え、
    前記制御部は、前記ピックアップローラでシートを給送する時と前記ピックアップローラを前記離間位置へ移動する時の前記駆動源のパルス数の差分に基づいて、前記ピックアップローラの前記回転位相を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  3. 前記ピックアップローラの回転を駆動する駆動源と、
    前記駆動源の回転の位置を検出するエンコーダと、をさらに備え、
    前記制御部は、前記ピックアップローラにてシートの給送の開始の位相を前記駆動源によりパルス数と前記エンコーダの位置から算出し、シートの給送を開始する時における前記ピックアップローラの前記回転位相を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  4. 前記ピックアップローラは端部に異なる明暗マークと
    前記ピックアップローラの対向する位置に設けられ、前記明暗マークを検知する反射型フォトインタラプタと、を備え、
    前記制御部は、前記反射型フォトインタラプタによって前記明暗マークを検知することによって、前記ピックアップローラの前記回転位相を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  5. 前記分離部の下流に配置され、シートを搬送する搬送ローラと、
    前記搬送ローラの下流に配置され、前記シートを検知する検知部と、をさらに有し、
    前記シートが前記検知部によって検知された際に、前記ピックアップローラを前記当接位置から前記離間位置に前記移動手段によって移動させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のシート給送装置。
  6. 前記ピックアップローラによってシートの給送が開始されてから所定時間が経過しても、前記検知部によってシートを検知しない場合に、前記ピックアップローラを前記当接位置から前記離間位置に離間させた後、シートの給送を開始する
    ことを特徴とする請求項5に記載のシート給送装置。
  7. 前記請求項1乃至6の何れか1項に記載のシート給送装置と、
    前記シート給送装置によって給送されたシートに画像を形成する画像形成手段と、
    を有する画像形成装置。
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